JP3184234U - 人形玩具の可動連結部材及び人形玩具 - Google Patents

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【課題】関節部に負荷が加わっても関節部の脱落を抑制し、より簡易な構成で間欠回動が可能な人形玩具の可動連結部材及び人形玩具を提供する。
【解決手段】人形玩具の各構造体同士を間欠的に関節回動動作可能に連結する可動連結部材1が、関節回動用の軸受孔を有する第1連結部材2と、回動軸を有する第2連結部材3を有して成り、回動軸が可撓性材料で形成され、回動軸の軸部の一方の側方から他方の側方に向かって軸部を貫通する透孔を設け、透孔の貫通方向に直交する方向の該軸部の外周面に径方向外側に突出する凸状爪部を設けることで、凸状爪部を設けた部分が軸心方向に向かって撓むことが可能な構成であり、軸受孔の内周面の少なくとも一部には関節回動の際に凸状爪部と噛合当接することで間欠的に負荷となる凹凸部を設けた構成である。
【選択図】図1

Description

本考案は人形玩具の可動連結部材及び人形玩具に関し、詳しくは肘・膝・股関節の如き関節部に配設されることで腕や脚等を可動可能に連結する可動連結部材、及び該可動連結部材を用いることで関節部が動作可能に連結された人形玩具に関する。
首・肩・肘・手首・腰・股関節・膝・足首等の関節部分が動くことで人体と同様の動きに近づけようとする玩具人形がこれまで多種多様に提案されている。
各関節部分の内、肘・膝・肩・手首・足首・股関節等の関節は、人形玩具としての可動部分として特に高頻度で回動動作が行われる部分であり、円滑な回動が可能であるだけでなく、破損や部品の欠落等が生じないようにすることが要求される部分である。
このような関節部分に適用される部材としては、腕・脚の如き構造体の内の一方に接続すると共に回動用軸受孔を有する第1連結部材と、他方の構造体に接続すると共に前記回動用軸受孔に挿通することで該第1連結部材を回動可能に軸支する回動軸部を有する第2連結部材と、を有して成る2部材構成の可動連結部材(例えば、特許文献1参照)や、第1連結部材及び第2連結部材の両方に形成された回動用軸受孔に連通状態で挿通することで前記第1連結部材及び第2連結部材を回動可能に軸支すると共に連結する回動軸部材(例えば、特許文献2参照)がこれまで提案されている。
特許文献1及び2に記載の技術では、回動軸部材の軸部を先端開放の2つ割り形状とした構成により、軸受孔への挿通時に該軸部材の先端部分が2つ割り間の空隙分だけ軸芯方向に狭まりことで該回動軸部材の軸受孔への挿通が可能となり、挿通後は狭まった軸部の先端が元の状態位置まで復帰することで軸部の先端外周面に設けられた突起部分が軸受孔貫通外側に掛止することで抜け防止を図るものである。
しかし、回動軸部材の軸部を先端開放の2つ割り形状とした構成では強度が低下し易く、関節部分に対して回動方向とは異なる方向、例えば、回動軸方向に直交乃至は斜めに交差する方向等に力が加わった時に軸部が欠損又は折損してしまう場合があるという問題点を有していることが明らかとなっている。
特に、この種の動作可能な構成の人形玩具の場合、使用者(遊戯者)が子供であるために様々な動作や姿勢をさせる際に無理な力や負荷をかけ易く、前記した軸部の欠損又は折損の問題はより高頻度に生じ易いことが判った。
そこで本考案者は、第1連結部材の本体部に側方から形成されたスリット状間隙に、第2連結部材の本体部を側方から差込重合させ、差込重合させた状態で連通する第1連結部材の軸受孔と第2連結部材の軸受孔とに回動軸を貫通状態で挿通する構成により、関節部に無理な力や負荷がかかった場合であっても関節部の脱落が著しく抑制された人形玩具の可動連結部材及び人形玩具を先に提案した(特許文献3参照)。
実用新案登録第1331136号 実用新案登録第1370269号 実用新案登録第3162434号
本考案者は、当該技術に関して更に研究を続けることにより、部品点数を減じた、より簡易な構成とすることによって、組立作業の簡略化・低コスト化が可能である知見を得た。
そこで本考案の課題は、人形玩具に様々な動作や姿勢をさせる際に関節部に無理な力や負荷がかかった場合であっても関節部の脱落が抑制され、しかもより簡易な構成で間欠回動が可能な人形玩具の可動連結部材及び人形玩具を提供することにある。
上記課題を解決する本考案は下記構成を有する。
1.人形玩具の肘・膝・股関節の如き関節部に配設されることにより腕や脚の如き人形玩具の各構造体同士を間欠的に関節回動動作可能に連結する可動連結部材において、
前記可動連結部材が、腕・脚・股関節の如き構造体の内の一方に接続すると共に関節回動用の軸受孔を有する第1連結部材と、他方の構造体に接続すると共に前記第1連結部材を回動可能に軸支することによって連結する回動軸を有する第2連結部材と、を有して成り、
前記第1連結部材が、前記軸受孔が設けられた第1本体部と、該第1本体部に連設されて前記一方の構造体に接続する第1接続部と、を有して成る構成であり、
前記第2連結部材が、前記回動軸が設けられた第2本体部と、該第2本体部に連設されて前記他方の接続部に接続する第2接続部と、を有して成る構成であり、
前記回動軸が可撓性材料で形成され、該回動軸の軸部の一方の側方から他方の側方に向かって該軸部を貫通する透孔が設けられれると共に、該透孔の貫通方向に直交する方向の該軸部の外周面には径方向外側に突出する凸状爪部が設けられることにより、該凸状爪部が設けられた部分が軸心方向に向かって撓むことが可能な構成であり、
前記軸受孔の内周面の少なくとも一部には関節回動の際に前記凸状爪部と噛合当接することにより間欠的に負荷となる凹凸部が設けられた構成であること、
を特徴とする人形玩具の可動連結部材。
2.前記回動軸の頂部に、前記軸受孔の直径より僅かに大きい径を有する膨大部が設けられ、前記軸受孔からの回動軸の抜け防止として機能する構成であることを特徴とする上記1に記載の人形玩具の可動連結部材。
3.人形玩具の肘・膝・股関節の如き関節部に上記1又は2に記載の可動連結部材を配設し、該人形玩具の腕・脚・股関節の如き構造体の一方と他方とを間欠的に関節回動動作可能に接続した構成であることを特徴とする人形玩具。
請求項1又は3に示す考案によれば、人形玩具に様々な動作や姿勢をさせる際に関節部に無理な力や負荷がかかった場合であっても関節部の脱落が抑制され、しかもより簡易な構成で間欠回動が可能な人形玩具の可動連結部材又は人形玩具を提供することができる。
特に、回動軸の軸部が先端が開放ではなく側方から貫通する透孔が形成されたこと、即ち、軸部の先端が閉塞状態につながった形状に形成された構成によって軸芯方向に撓むことが可能な構成であるので、該軸部の強度が先端開放の2つ割り構成のような著しい強度低下をきたすことがない。
また、先提案技術(特許文献3)に比して、部品点数を3点から2点に減じることができるので、製造コスト・部品管理コストを下げることができる。
更に、微小な部品である回動軸が単体構成ではなく第2連結部材に連設された構成であるため、回動軸を軸受孔に嵌入挿通する際に、微小であるが故に掴み難く(摘み難く)落としたり失くし易い回動軸そのものを掴む(摘む)必要がなく、より大きな部品であるが故に掴み易い(摘み易い)第2連結部材を掴む(摘む)ことにより組立作業が可能となるので、組立作業効率が良好となる。
特にこの組立作業においては、第1連結部材を一方の構造体に予め接続しておき、第2連結部材を他方の構造体に予め接続しておいた後、第1連結部材の軸受孔に第2連結部材の回動軸を嵌入挿通することによって連結する工程とすれば、更に大きな部品であるが故に掴み易い(摘み易い)一方及び他方の構造体を掴んで(掴んで)の組立作業となるので、部品を落としたり失くしたり等の発生を著しく抑制することができ、組立作業効率がより良好となる。
請求項2に示す考案によれば、第1連結部材と第2連結部材との連結強度をより向上させることができる。特に関節部分に対して捻り等の力が加わった時の連結強度を向上させることができる。
本考案に係る人形玩具の可動連結部材の一実施例の連結状態を説明する拡散分解一部断面正面図 第1連結部材の一例を示す6面図(正面図、平面図、底面図、左側面図、右側面図、A−A線断面図) 第2連結部材の一例を示す7面図(正面図、平面図、底面図、左側面図図、右側面図、A−A線断面図、B−B線端面図)
次に、添付の図面に従って本考案を実施例に基づき詳細に説明する。
本考案に係る人形玩具の可動連結部材は、人形玩具の肘・膝・股関節の如き関節部に配設されることで腕や脚や股関節の如き人形玩具の各構造体同士を動作可能に連結することで人体や動物と同様の動きに近づけようとするものであり、
図1〜図3に示すように、本考案の可動連結部材1は、腕・脚・股関節の如き構造体(図示は省略)の内の一方に接続する第1接続部21を有すると共に関節回動用の軸受孔22を有する第1連結部材2と、他方の構造体(図示は省略)に接続する第2接続部31を有すると共に前記第1連結部材2を回動可能に軸支することによって連結する回動軸32を有する第2連結部材3と、を有して成り、
前記第1連結部材2が、前記軸受孔22が設けられた第1本体部20と、該第1本体部20に連設されて前記一方の構造体に接続する第1接続部21と、を有して成る構成であり、
前記第2連結部材3が、前記回動軸32が設けられた第2本体部30と、該第2本体部30に連設されて前記他方の接続部に接続する第2接続部31と、を有して成る構成であり、
前記回動軸32が可撓性材料で形成され、該回動軸32の軸部32Aの一方の側方から他方の側方に向かって該軸部32Aを貫通する透孔32Bが設けられれると共に、該透孔32Bの貫通方向に直交する方向の該軸部32Aの外周面には径方向外側に突出する凸状爪部32Cが設けられることにより、該凸状爪部32Cが設けられた部分が軸心方向に向かって撓むことが可能な構成であり、
前記軸受孔22の内周面の少なくとも一部には関節回動の際に前記凸状爪部32Cと噛合当接することにより間欠的に負荷となる凹凸部23が設けられた構成であること、
を主構成とするものである。
次に、各構成部材について更に詳説する。
第1連結部材2の第1本体部20と第2連結部材3の第2本体部30は、連結した際に略球状の一体的な関節形状と成るように、本実施例では球体の半割形状に構成されている。尚、第1本体部20と第2本体部30の形状は本実施例の構成に限定されず、適用される人形玩具に応じて種々の形状を採ることができる。
軸受孔22の内周面に設けられた凹凸部23は、回動軸32の軸部32Aに設けられた凸状爪部32Cが関節回動の際に間欠回動となるように複数設けられていることが好ましく、本実施例のように内周面の全周に設けられていることがより好ましい。関節回動の際、この凹凸部32の凹凸に凸状爪部32Cがカチカチと噛合しながらクリック回動することで間欠回動が可能となる。
また、回動軸32の頂部に、前記軸受孔22の直径より僅かに大きい径を有する膨大部32Dを設けることにより、前記軸受孔22からの回動軸32の抜け防止として機能させることができる。
以上説明した可動連結部材1の各構成部材の形成素材としては、この種の公知公用の人形玩具の構成素材、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、スチロール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、FRP樹脂等、又はその他の素材(例えば、セラミックス、木等)を挙げることができ、少なくとも回動軸32の部分は可撓性を有する材料、好ましくは可撓性樹脂で形成される。
以上、本考案に係る人形玩具の可動連結部材の実施例について説明したが、本考案は上記実施例に限定されず、本考案の範囲内において種々の態様を採ることができる。
以上のような構成を有する可動連結部材を、人形玩具の肘・膝の・股関節の如き関節部に配設し、該人形玩具の腕・脚・股関節の如き構造体の一方と他方とを動作可能に接続することで、人体や動物等と同じような動作姿勢を採ることができる人形玩具を得ることができる。
1 可動連結部材
2 第1連結部材
20 第1本体部
21 第1接続部
22 軸受孔
23 凹凸部
3 第2連結部材
30 第2本体部
31 第2接続部
32 回動軸
32A 軸部
32B 透孔
32C 凸状爪部
32D 膨大部

Claims (3)

  1. 人形玩具の肘・膝・股関節の如き関節部に配設されることにより腕や脚の如き人形玩具の各構造体同士を間欠的に関節回動動作可能に連結する可動連結部材において、
    前記可動連結部材が、腕・脚・股関節の如き構造体の内の一方に接続すると共に関節回動用の軸受孔を有する第1連結部材と、他方の構造体に接続すると共に前記第1連結部材を回動可能に軸支することによって連結する回動軸を有する第2連結部材と、を有して成り、
    前記第1連結部材が、前記軸受孔が設けられた第1本体部と、該第1本体部に連設されて前記一方の構造体に接続する第1接続部と、を有して成る構成であり、
    前記第2連結部材が、前記回動軸が設けられた第2本体部と、該第2本体部に連設されて前記他方の接続部に接続する第2接続部と、を有して成る構成であり、
    前記回動軸が可撓性材料で形成され、該回動軸の軸部の一方の側方から他方の側方に向かって該軸部を貫通する透孔が設けられると共に、該透孔の貫通方向に直交する方向の該軸部の外周面には径方向外側に突出する凸状爪部が設けられることにより、該凸状爪部が設けられた部分が軸心方向に向かって撓むことが可能な構成であり、
    前記軸受孔の内周面の少なくとも一部には関節回動の際に前記凸状爪部と噛合当接することにより間欠的に負荷となる凹凸部が設けられた構成であること、
    を特徴とする人形玩具の可動連結部材。
  2. 前記回動軸の頂部に、前記軸受孔の直径より僅かに大きい径を有する膨大部が設けられ、前記軸受孔からの回動軸の抜け防止として機能する構成であることを特徴とする請求項1に記載の人形玩具の可動連結部材。
  3. 人形玩具の肘・膝・股関節の如き関節部に請求項1又は2に記載の可動連結部材を配設し、該人形玩具の腕・脚・股関節の如き構造体の一方と他方とを間欠的に関節回動動作可能に接続した構成であることを特徴とする人形玩具。
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