JP3182671B2 - 被削性の優れた高強度熱間鍛造品 - Google Patents

被削性の優れた高強度熱間鍛造品

Info

Publication number
JP3182671B2
JP3182671B2 JP19730092A JP19730092A JP3182671B2 JP 3182671 B2 JP3182671 B2 JP 3182671B2 JP 19730092 A JP19730092 A JP 19730092A JP 19730092 A JP19730092 A JP 19730092A JP 3182671 B2 JP3182671 B2 JP 3182671B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
strength
ppm
content
tool
kgf
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP19730092A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0641680A (ja
Inventor
雅人 柳瀬
啓督 高田
善郎 子安
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP19730092A priority Critical patent/JP3182671B2/ja
Publication of JPH0641680A publication Critical patent/JPH0641680A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3182671B2 publication Critical patent/JP3182671B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はCVDコーティング超硬
工具を用いた切削加工において切削工具の欠損発生頻度
の少ない引張強度100kgf/mm2 超でベイナイト
組織を有する被削性の優れた高強度熱間鍛造品に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用部品はエンジン出力の上昇への
対応あるいは燃費向上を目的とした自動車車体の軽量化
の実現のため、高強度化が常に指向されている。また、
一方でコスト低減のため部品製造工程で従来行われてい
た焼入れ焼戻し(調質)工程の簡略化あるいは省略化が
進んでいる。この動きの中で熱間鍛造ままで必要強度の
得られる非調質鋼を用いた鍛造部品の開発が行われ、フ
ェライト−パーライト組織を有する引張強度が100k
gf/mm2 未満の部品についてはほぼ実用化されてい
る。しかし、現在自動車メーカーが目標としている大幅
な燃費向上を実現するためには、さらに引張強度が10
0〜150kgf/mm2 へと大幅な高強度化を図らな
ければならない。そのため、マルテンサイトあるいはベ
イナイト組織を有する高強度鍛造品を開発する必要が生
じてきている。
【0003】しかし、鍛造品の高強度化によって部品と
しての仕上で行われる切削加工での被削性の低下が懸念
されている。自動車部品製造のコストにおいて切削加工
費の占める比率は大きく、切削加工費が素材費を含めた
全コストの50%近くを占める部品すらある。非調質鋼
を用いた鍛造品は切削加工時にはすでに必要強度が得ら
れているため、高強度の鍛造品を切削しなければなら
ず、非常に苛酷な切削加工となるため、この高強度熱間
鍛造品の被削性の向上は重要な課題である。
【0004】一方、鍛造品を含んだ鋼材の被削性向上に
関する研究は古くから行われており、S、Pb、Caな
どのいわゆる快削元素を添加すると被削性が著しく向上
することは既に知られている。しかし、現在求められて
いるような高強度の鍛造品の切削についてはあまり研究
されていない。特に超硬工具の主流をなしているCVD
コーティング工具での切削に対応した鍛造品の開発はほ
とんど行われていない。
【0005】このCVDコーティング工程では工具を高
温加熱してコーティングするため、室温まで冷却する
と、基材とコーティング層との熱膨張率の違いによって
コーティング層に引張の残留応力が発生する。この残留
応力の存在により抗折力が低いコーティング工具で高強
度鋼を切削加工すると欠損が発生することから、工具摩
耗低減策だけでは高強度鋼切削への対応ができなくなり
つつある。工具欠損防止方法としては、特開平3−92
205号公報において工具コーティング層の引張の残留
応力を除去する方法が提案されているが、素材側から高
強度鍛造品を切削する時の工具欠損を低減する提案はみ
られない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はCVDコーテ
ィング超硬工具での切削加工において優れた被削性を有
する切削加工用素材としての被削性の優れた高強度熱間
鍛造品を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はCVDコーティ
ング超硬工具による切削時の耐工具欠損性に優れた高強
度熱間鍛造品を提供すべく、その要旨とするところは下
記のとおりである。 (1) 重量%でC:0.1〜0.6%、Si:1.0
〜3.0%、Mn:0.6〜3.5%、Cr:0.2〜
3.0%、V:0.05〜0.30%、N:80〜15
0ppm、Al:0.05%以下、O:15〜50pp
m、S:0.020〜0.100%を含有し、残部がF
eおよび不可避的成分からなり、熱間鍛造空冷および焼
戻し後の組織がベイナイトでかつ引張強度が100kg
f/mm2 超であり、さらにS成分が下式を満足するこ
とを特徴とする被削性の優れた高強度熱間鍛造品。
【0008】 TS−850×(S−0.015)≦100 ただし、TS:熱間鍛造空冷および焼戻し後の引張強度
(kgf/mm2 ) S:S含有量(%) (2) 重量%でC:0.1〜0.6%、Si:1.0
〜3.0%、Mn:0.6〜3.5%、Cr:0.2〜
3.0%、V:0.05〜0.30%、N:80〜15
0ppm、Al:0.05%以下、O:15〜50pp
m、S:0.020〜0.100%、Ca:4〜50p
pmを含有し、残部がFeおよび不可避的成分からな
り、熱間鍛造空冷および焼戻し後の組織がベイナイトで
かつ引張強度が100kgf/mm2 超であり、さらに
S成分が下式を満足することを特徴とする被削性の優れ
た高強度熱間鍛造品。
【0009】 TS−850×(S−0.015)≦100 ただし、TS:熱間鍛造空冷および焼戻し後の引張強度
(kgf/mm2 ) S:S含有量(%) (3) 重量%でC:0.1〜0.6%、Si:1.0
〜3.0%、Mn:0.6〜3.5%、Cr:0.2〜
3.0%、V:0.05〜0.30%、N:80〜15
0ppm、Al:0.05%以下、O:15〜50pp
m、S:0.020〜0.100%、Pb:0.05〜
0.30%お含有し、残部がFeおよび不可避的成分か
らなり、熱間鍛造空冷および焼戻し後の組織がベイナイ
トでかつ引張強度が100kgf/mm2 超であり、さ
らにSおよびPb成分が下式を満足することを特徴とす
る被削性の優れた高強度熱間鍛造品。
【0010】 TS−850×(S−0.015)−400×Pb≦100 ただし、TS:熱間鍛造空冷および焼戻し後の引張強度
(kgf/mm2 ) S:S含有量(%) Pb:Pb含有量(%) (4) 重量%でC:0.1〜0.6%、Si:1.0
〜3.0%、Mn:0.6〜3.5%、Cr:0.2〜
3.0%、V:0.05〜0.30%、N:80〜15
0ppm、Al:0.05%以下、O:15〜50pp
m、S:0.020〜0.100%、Pb:0.05〜
0.30%、Ca:4〜50ppmを含有し、残部がF
eおよび不可避的成分からなり、熱間鍛造空冷および焼
戻し後の組織がベイナイトでかつ引張強度が100kg
f/mm2 超であり、さらにSおよびPb成分が下式を
満足することを特徴とする被削性の優れた高強度熱間鍛
造品。
【0011】 TS−850×(S−0.015)−400×Pb≦1
00 ただし、TS:熱間鍛造空冷および焼戻し後の引張強度
(kgf/mm2 ) S:S含有量(%) Pb:Pb含有量(%)
【0012】
【作用】本発明者らはCVDコーティング超硬工具での
切削における工具欠損発生と被削鍛造品の強度およびS
およびPbの含有量の影響を検討するため、実験室溶解
炉において表1に示すように基本成分にSおよびPbの
含有量を種々変えて添加して溶製し、この鋼塊を熱間鍛
造により直径80mm棒鋼とした後、1200℃に加熱
し、直径50mmの棒鋼に鍛造後、空冷し、さらに30
0℃で焼戻しすることにより強度が96〜160kgf
/mm2 の供試鍛造棒とした。
【0013】
【表1】
【0014】この供試鍛造棒を用いてCVDでTiNを
コーティングした超硬工具の外周連続旋削による切削試
験を行い、切削時間5minにおける工具欠損の有無を
調査した。その結果、まず図1より供試鍛造棒の強度T
SとS含有量がTS−850×(S−0.015)≦1
00なる関係を満たす時に工具欠損の発生が認められな
いことが判明した。図2は工具欠損発生に及ぼすPb含
有量の影響を示したものである。S含有量はすべて基本
鋼と同じ0.015%である。PbもSと同様に工具欠
損抑制効果が有り、工具欠損を発生しないためにはTS
とPb含有量の間にTS−400×Pb≦100なる関
係を満たさなければならないことが明らかになった。さ
らに、図3はSおよびPbを複合含有している場合であ
るが、得られた試験結果を検討した結果、850×(S
−0.015)+400×Pb+100≧TSなる関係
式を満たす時に工具欠損発生は認められないことを明ら
かにした。この式はPb=0%の時は図1で示したS単
独含有の場合の関係式に、さらにSが基本鋼と同じ0.
015%の時には図2で示したPbの工具欠損への影響
を示す関係式になり、SおよびPbの工具欠損抑制効果
は独立していることがわかる。
【0015】以下に本発明の高強度熱間鍛造品の化学成
分などの限定理由について説明する。なお化学成分の含
有量はすべてwt%あるいはwtppmである。 C:0.1〜0.6% Cは熱間鍛造後、空冷により部品として要求される強度
を確保するために添加される。このため、0.1%以上
添加することが必要である。しかし、多量に添加すると
靱性および被削性を低下させるので、その上限を0.6
%とする。
【0016】Si:1.0〜3.0% Siは熱間鍛造用素材を溶製する際の脱酸剤として使わ
れる他、鍛造して強度を得るため焼入れ性向上を目的と
して添加されるが、本発明鋼においては鍛造部品として
の靱性を確保して強度を上昇させるために含有せしめ
る。この効果を得るためには1.0%以上の含有が必要
とされるが、3.0%を超えると靱性が劣化するため、
上限を3.0%とする。
【0017】Mn:0.6〜3.5% Mnも熱間鍛造用素材溶製時に脱酸剤として用いられる
と同時に、MnSを形成してSによる熱間加工性劣化の
防止および焼入れ性確保のために用いられる。本発明鋼
ではSiと同様に鍛造部品の強度を上昇させるために
0.6%以上含有することが必要である。しかし、多す
ぎると被削性を劣化させるため3.5%以下とする。
【0018】Cr:0.2〜3.0% Crは鍛造時の焼入れ性確保のために用いられるが、本
発明鋼ではSi、Mnと同様に熱間鍛造後の強度を付与
するために添加される。充分な効果を得るためには0.
2%以上の含有を必要とし、3.0%超えて含有しても
その効果は飽和するため、上限を3.0%とする。
【0019】V:0.05〜0.30% Vは熱間鍛造放冷時の冷却過程において炭窒化物を生成
して熱間鍛造品に強度を付与する。この効果を得るため
には0.05%以上必要であり、0.30%超ではその
効果が飽和するため、0.05〜0.30%とする。 N:80〜150ppm NはVの窒化物を生成させて鍛造品に充分な強度を付与
するために最低80ppm必要であるが、150ppm
を超えるとその効果は飽和するため、80〜150pp
mとする。
【0020】Al:0.05%以下 Alは鍛造用素材溶製時の脱酸剤として添加されるが、
0.05%を超えると硬質のAl2 3 が多量に生成
し、被削性を低下させるため0.05%以下とする。 O:15〜50ppm Oは鍛造用素材溶製時には鋼中の不純物として一般には
極力除去するが、本発明では酸化物をCa添加により軟
質化して積極的に被削性向上に活用する。充分な被削性
向上効果を得るためには15ppm以上を必要とする
が、50ppmを超えると機械部品となった時の靱性値
などの機械的性質を劣化させるため、15〜50ppm
とする。
【0021】S:0.020〜0.100% Sは合金元素として安価で鍛造品切削時のハイス工具の
工具寿命を顕著に向上させることが知られている。ま
た、超硬工具においても切削抵抗低減効果により工具欠
損の抑制あるいは工具摩耗の低減効果がある。この効果
は0.020%以上の含有で顕著になるが、多量に含有
すると部品となった時の機械的性質を劣化させ、特に異
方性が顕著となるため、その上限を0.100%とす
る。また、周期律表で同族に属するSeおよびTeはS
と同様に硫化物を生成する。
【0022】SeあるいはTeの硫化物の物理的な性質
はMnSと非常に似ており、被削性向上効果もMnSと
ほぼ同等であることが知られている。よって、SをSe
あるいはTeに置き換えても同様の効果が得られる。S
を置き換える場合は、SeはSと同様に0.020〜
0.100%、Teは機械的性質の劣化がSに較べてや
や小さいので0.020〜0.150%の範囲で添加に
することが望ましい。
【0023】Pb:0.05〜0.30% PbもSと同様にハイス工具寿命を向上させるが、Pb
は鋼中で低融点の金属介在物として存在するため、溶融
脆化作用により切り屑処理性(切屑の分断)および仕上
面粗さの向上に有効であり、切屑と工具すくい面での潤
滑作用から切削抵抗を低減するため、工具欠損および工
具摩耗低減に効果がある。この効果は0.05%以上の
含有で顕著となるが、低融点の金属介在物を生成するこ
とから、多量に含有すると熱間・温間での加工性を損う
ため上限を0.30%とする。
【0024】さらに、BiもPbとほぼ同等の被削性向
上効果を有することが知られており、PbをBiに置き
換えても同様の効果が得られる。Biに置き換える場合
はPbと同じく0.05〜0.30%含有することが望
ましい。 Ca:4〜50ppm さらにCaは熱間鍛造用素材を溶製する際に鍛造品の被
削性を向上する酸化物の組成を制御するために添加され
る。すなわち、Caは溶鋼中でCaOとなり、Al2
3 、SiO2 、MnOなどと複合して軟質な酸化物とな
り、この軟質な酸化物が鍛造品を超硬工具で切削した時
に切削工具を被覆保護する。本発明においても軟質な酸
化物とするため、4ppm以上含有させる。しかし、5
0ppmを超えて多量に含有するとむしろ酸化物が硬質
化してしまうため、4〜50ppmとする。
【0025】熱間鍛造空冷および焼戻し後の組織がベイ
ナイトでかつ引張強度が100kgf/mm2 超 本発明は引張強度で100kgf/mm2 超が必要とさ
れる重要保安部品用の鍛造品を対象にしている。この強
度を熱間鍛造で得るために組織をベイナイトとする。 S成分がTS−850×(S−0.015)≦100を
満足する SおよびPb成分がTS−850×(S−0.015)
−400×Pb≦100を満足する ただし、TS:熱間鍛造空冷および焼戻し後の引張強度
(kgf/mm2 )、S:S含有量(%)、Pb:Pb
含有量(%) SおよびPbは切削抵抗を低減し、工具欠損を抑制す
る。被削鍛造品強度が上昇すると欠損を抑制するために
はSをTS−850×(S−0.015)≦100なる
関係式を満足するように含有させなければならない。ま
た、Sが基本鋼と同じ0.015%である時、Pbの含
有により工具欠損を抑制するためには同様にTS−40
0×Pb≦100なる関係式を満足するようにPbを含
有する必要がある。さらにSとPbを複合で含む場合に
は、被削鍛造品強度の上昇に伴って、TS−850×
(S−0.015)−400×Pb≦100なる関係式
を満たすようにSおよびPbを含有させなければならな
い。これらのことから高強度鍛造品切削時の工具欠損を
抑制するためには以下の関係式の何れかを満足しなけれ
ばならない。 TS−850×(S−0.015)≦100、あるいはTS−850×(S−0 .015)−400×Pb≦100 ただし、TS:熱間鍛造空冷および焼戻し後の引張強度
(kgf/mm2 ) S:S含有量(%)、Pb:Pb含有量(%)
【0026】
【実施例】本発明の実施例により、従来鍛造品と対比し
て本発明の特徴を明らかにする。供試鍛造用素材の化学
成分および評価結果を表2に示す。供試鍛造品の素材と
なる棒鋼は転炉出鋼し、分塊圧延し、直径80mmの棒
鋼を熱間圧延により製造した。棒鋼の化学成分は、鍛造
した時に広範囲の引張強度が得られるように種々変更し
た。この棒鋼を1200℃に加熱し、直径50mmの棒
鋼に鍛造した後、空冷し、さらに300〜600℃の焼
戻し処理をして切削試験に供した。供試鍛造品の強度は
棒鋼の半径方向1/2r部より、軸方向に平行にJIS
−4号の引張試験片を採取して評価し、100kgf/
mm2 超となっていることを確認した。被削性評価は基
材がP20でありTiNでCVDコーティングされた市
販の超硬工具を用いて長手外周旋削し、5min切削後
の工具欠損発生の有無および逃げ面摩耗幅により行っ
た。切削条件は切削速度150m/min、送り0.2
mm/rev、切込み2.0mmとし、切削油は用いな
かった。
【0027】評価結果を表2に示す。供試鍛造品A〜
E、G〜Iが本発明鋼、J〜Nが比較鍛造品である。本
発明鍛造品および比較鍛造品は、鍛造用素材棒鋼の化学
成分の変更および鍛造条件・焼戻し条件の変更により、
引張強度が100kgf/mm2 超から150kgf/
mm2 まで変化している。表2からわかるように本発明
の鍛造品は引張強度が100超〜150kgf/mm2
の範囲でSあるいはPb含有量と鍛造品引張強度の関係
式を満たしており、いずれも切削工具欠損の発生は認め
られなかった。それに対し、比較鍛造品は引張強度が1
15kgf/mm2 程度の比較的低強度であっても、次
式TS(kgf/mm2 )−850×(S−0.01
5)−400×Pb≦100を満たさないため、工具欠
損が発生し、切削不能に陥っている。さらに、供試鍛造
品のGとHはほぼ同じ引張強度でSおよびPbを含んで
いるが、供試鍛造品HはCaを含んでいるため工具摩耗
は少なく、工具摩耗抑制にはCa含有は効果的である。
以上の結果から本発明鍛造品の耐工具欠損あるいは耐工
具摩耗に関する優位性は明らかである。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の高強度熱
間鍛造品は被削性に優れ、特にCVDコーティング超硬
工具での切削加工において、工具欠損抑制性および耐工
具摩耗性に優れているので、超硬工具切削が多用される
自動車部品用の高強度熱間鍛造品として極めて有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】高強度熱間鍛造品の超硬工具切削において切削
工具の欠損を抑制するためのS含有量と被削材強度の関
係を示す図である。
【図2】Pb含有量と被削材強度の関係を示す図であ
る。
【図3】SとPbを複合添加した場合のSおよびPb含
有量と鍛造品強度の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−177339(JP,A) 特開 昭61−104049(JP,A) 特開 平5−287373(JP,A) 特開 平1−165749(JP,A) 特開 平2−159316(JP,A) 特開 昭63−130749(JP,A) 特開 昭63−190142(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 301 C22C 38/24 C22C 38/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で C:0.1〜0.6%、Si:1.0〜3.0%、M
    n:0.6〜3.5%、Cr:0.2〜3.0%、V:
    0.05〜0.30%、N:80〜150ppm、A
    l:0.05%以下、O:15〜50ppm、S:0.
    020〜0.100%を含有し、 残部がFeおよび不可避的成分からなり、熱間鍛造空冷
    および焼戻し後の組織がベイナイトでかつ引張強度が1
    00kgf/mm2 超であり、さらにS成分が下式を満
    足することを特徴とする被削性の優れた高強度熱間鍛造
    品。 TS−850×(S−0.015)≦100 ただし、TS:熱間鍛造空冷および焼戻し後の引張強度
    (kgf/mm2 ) S:S含有量(%)
  2. 【請求項2】 重量%で C:0.1〜0.6%、Si:1.0〜3.0%、M
    n:0.6〜3.5%、Cr:0.2〜3.0%、V:
    0.05〜0.30%、N:80〜150ppm、A
    l:0.05%以下、O:15〜50ppm、S:0.
    020〜0.100%、Ca:4〜50ppmを含有
    し、 残部がFeおよび不可避的成分からなり、熱間鍛造空冷
    および焼戻し後の組織がベイナイトでかつ引張強度が1
    00kgf/mm2 超であり、さらにS成分が下式を満
    足することを特徴とする被削性の優れた高強度熱間鍛造
    品。 TS−850×(S−0.015)≦100 ただし、TS:熱間鍛造空冷および焼戻し後の引張強度
    (kgf/mm2 ) S:S含有量(%)
  3. 【請求項3】 重量%で C:0.1〜0.6%、Si:1.0〜3.0%、M
    n:0.6〜3.5%、Cr:0.2〜3.0%、V:
    0.05〜0.30%、N:80〜150ppm、A
    l:0.05%以下、O:15〜50ppm、S:0.
    020〜0.100%、Pb:0.05〜0.30%を
    含有し、 残部がFeおよび不可避的成分からなり、熱間鍛造空冷
    および焼戻し後の組織がベイナイトでかつ引張強度が1
    00kgf/mm2 超であり、さらにSおよびPb成分
    が下式を満足することを特徴とする被削性の優れた高強
    度熱間鍛造品。 TS−850×(S−0.015)−400×Pb≦100 ただし、TS:熱間鍛造空冷および焼戻し後の引張強度
    (kgf/mm2 ) S:S含有量(%) Pb:Pb含有量(%)
  4. 【請求項4】 重量%で C:0.1〜0.6%、Si:1.0〜3.0%、M
    n:0.6〜3.5%、Cr:0.2〜3.0%、V:
    0.05〜0.30%、N:80〜150ppm、A
    l:0.05%以下、O:15〜50ppm、S:0.
    020〜0.100%、Pb:0.05〜0.30%、
    Ca:4〜50ppmを含有し、 残部がFeおよび不可避的成分からなり、熱間鍛造空冷
    および焼戻し後の組織がベイナイトでかつ引張強度が1
    00kgf/mm2 超であり、さらにSおよびPb成分
    が下式を満足することを特徴とする被削性の優れた高強
    度熱間鍛造品。 TS−850×(S−0.015)−400×Pb≦100 ただし、TS:熱間鍛造空冷および焼戻し後の引張強度
    (kgf/mm2 ) S:S含有量(%) Pb:Pb含有量(%)
JP19730092A 1992-07-23 1992-07-23 被削性の優れた高強度熱間鍛造品 Expired - Fee Related JP3182671B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19730092A JP3182671B2 (ja) 1992-07-23 1992-07-23 被削性の優れた高強度熱間鍛造品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19730092A JP3182671B2 (ja) 1992-07-23 1992-07-23 被削性の優れた高強度熱間鍛造品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0641680A JPH0641680A (ja) 1994-02-15
JP3182671B2 true JP3182671B2 (ja) 2001-07-03

Family

ID=16372171

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19730092A Expired - Fee Related JP3182671B2 (ja) 1992-07-23 1992-07-23 被削性の優れた高強度熱間鍛造品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3182671B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3139876B2 (ja) * 1993-04-05 2001-03-05 新日本製鐵株式会社 熱間鍛造用非調質鋼および非調質熱間鍛造品の製造方法ならびに非調質熱間鍛造品
JP3798251B2 (ja) * 2001-03-08 2006-07-19 愛知製鋼株式会社 自動車用足廻り鍛造品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0641680A (ja) 1994-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5079788B2 (ja) マルテンサイト型熱間鍛造用非調質鋼及び熱間鍛造非調質鋼部品
KR100513992B1 (ko) 저탄소 쾌삭강
EP1507016A1 (en) Low-carbon free cutting steel
WO2009088027A1 (ja) 冷間金型用鋼および冷間プレス用金型
US9062360B2 (en) Steel for machine structural use
KR20100099749A (ko) 피삭성이 우수한 기계 구조용 강
JP2000154828A (ja) 耐フレーキング特性と軸部強度に優れた等速ジョイント用外輪とその製造方法
JP5461929B2 (ja) 切屑処理性に優れたbn快削鋼
JPS645100B2 (ja)
JP5080708B2 (ja) 非調質鋼鍛造加工品及びその製法、並びにそれを用いた内燃機関用コンロッド部品
JP4084462B2 (ja) 快削熱間加工鋼材およびその製造方法
WO2013015085A1 (ja) 高周波焼入れ用鋼及びそれを用いて製造されるクランクシャフト
JP5181621B2 (ja) マルテンサイト型熱間鍛造用非調質鋼及び熱間鍛造非調質鋼部品
JP3182671B2 (ja) 被削性の優れた高強度熱間鍛造品
JP3255612B2 (ja) 超快削鋼棒線材の製造方法及びそれによる超快削鋼棒線材
JP4255861B2 (ja) 非調質コネクティングロッド及びその製造方法
JP3874557B2 (ja) 靱性に優れた快削非調質鋼
JP2615126B2 (ja) 歯車用鋼
WO2003064715A9 (fr) Acier non raffine de type bainite pour nitruration, procede de production correspondant et produit nitrure
JP6801542B2 (ja) 機械構造用鋼およびその切削方法
JPH11350068A (ja) 快削熱間加工鋼材及び粗形材並びにそれらを用いた快削熱間加工製品及びその製造方法
JPH0610091A (ja) 被削性の優れた高強度熱間鍛造非調質品
JPH06158220A (ja) 被削性の優れた高強度調質品
JPH10176242A (ja) 耐焼割れ性に優れた軸受鋼
JP5318638B2 (ja) 被削性に優れた機械構造用鋼

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010306

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees