JP3182246U - 地震動検出自重降下装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】地震等の災害が発生した場合でも安全に、電源などの動力源を用いずに扉体を自重降下させることができる水門開閉装置に用いる地震動検出自重降下装置を提供する。
【解決手段】地震動検出自重降下装置1は、自重降下レバー4に嵌合して取付けた扉体降下装置操作レバー5と、ハウジング6と、地震動を検知する地震動検知用重錘7と、この地震動検知用重錘7を支持する台座8とで構成されている。扉体降下装置操作レバー5と地震動検知用重錘7は、ワイヤ12で連結されている。地震動が発生すると、地震動検知用重錘7が台座8から落下して、地震動検知用重錘7に取付られたワイヤ12が引張られ、このワイヤ12に連結された扉体降下装置操作レバー5も引張られる。その結果、自重降下レバー4は、扉体降下側に自動的に切替わり、扉体は、自重で降下する。これにより、作業者が手動で自重降下レバー4を扉体降下側に切替える必要がなく、安全である。
【選択図】図1

Description

本考案は、樋管や樋門又は水門等に設置する扉体の自重を利用した遠心ブレーキ式の扉体降下装置が備えられている水門開閉装置、特に、ラック式水門開閉装置において、地震動発生時に自動的に扉体降下装置の操作レバーを扉体降下側に切替えて、扉体を自重で降下させる地震動検出自重降下装置に関する。
樋管や樋門又は水門等では、水門開閉装置を使用することがある。この水門開閉装置は、一般的に、遠心ブレーキ式の扉体降下装置の操作レバー(自重降下レバー)を手動で扉体降下側に切替えることで、扉体を自重で降下させることができる。また、電気式のクラッチ等が内蔵された水門開閉装置では、手動で操作レバーを操作することなく、電気信号により電磁式クラッチを開放させて扉体を自重で降下させるようにしている。
例えば、特許文献1には、自重降下レバーを備えた水門開閉装置が記載されている。この水門開閉装置は、停電の場合に扉体を降下させるとき、自重降下レバーを回動させて多板クラッチを解放させて、落下防止用ブレーキとの連結を解除すると共に、扉体の自重を遠心ブレーキに伝導させることで、扉体を自重で降下させている。
また、特許文献2には、自重降下レバーを備えた負荷体駆動装置が記載されている。負荷体駆動装置の自重降下レバーは、手動で操作することによって負荷体を自重で降下させている。また、中央制御装置に設けた押ボタン等のスイッチの遠方操作に応答して負荷体を自重で降下させることができ、更に、地震計、水位計等の検出信号を負荷体駆動装置に設け、この検出信号に応答して負荷体を自重で降下させることもできる。
特開2005−146522号公報 特開2003−139267号公報
しかしながら、地震等の災害に伴う津波等が発生した場合、特許文献1の水門開閉装置及び特許文献2の負荷体駆動装置では、扉体を降下させる際に、作業者が自重降下レバーを操作する必要があるため、津波等に飲み込まれる恐れがある等、安全面に問題がある。また、作業者が自重降下レバーを操作するまで時間を要することで、対応が間に合わない恐れがある。
また、特許文献2の負荷体駆動装置及び電気式のクラッチを備えた水門開閉装置では、地震等の災害によって遠方制御回線、又は、動力源が喪失した場合に、扉体の降下作業を電気的に操作することができなくなる恐れがある。
本考案は、上記の点に鑑みてなされたものであり、地震等の災害が発生した場合でも安全に、かつ、電源などの動力源を用いずに扉体を容易に自重降下させることができる水門開閉装置に用いる地震動検出自重降下装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に係る考案は、水門開閉装置の自重降下レバーに嵌合して取付ける扉体降下装置操作レバーと、
前記扉体降下装置操作レバーを扉体降下側に切替える力を発生させる切替機構と、
前記扉体降下装置操作レバーと前記切替機構を連動させる連動機構と、を備えることを特徴とする。
請求項2に係る考案は、上記請求項1の構成において、前記連動機構は、紐状体であることを特徴とする。
請求項3に係る考案は、上記請求項1の構成において、前記連動機構は、リンク機構であることを特徴とする。
請求項4に係る考案は、上記請求項1から3のいずれか1項の構成において、前記扉体降下装置操作レバーは、前記自重降下レバーの作動力に対応させて、前記自重降下レバーに対する嵌合長さを変更可能であることを特徴とする。
請求項5に係る考案は、上記請求項1から4のいずれか1項の構成において、前記切替機構は、地震動を検知する地震動検知用重錘と、
前記地震動検知用重錘を載置する台座と、を備えることを特徴とする。
請求項6に係る考案は、上記請求項1から4のいずれか1項の構成において、前記切替機構は、地震動を検知する地震動検知用重錘と、
前記地震動検知用重錘を載置する台座と、
前記自重降下レバーの作動力に対応させた自重降下レバー作動用重錘部と、
前記地震動検知用重錘の作動に連動すると共に、前記自重降下レバー作動用重錘部を支持するストッパ部と、を備えることを特徴とする
請求項7に係る考案は、上記請求項1から6のいずれか1項の構成において、前記水門開閉装置は、ラック式水門開閉装置、ウィンチ式水門開閉装置等であることを特徴とする。
請求項1の考案に係る地震動検出自重降下装置によれば、地震動が発生した場合、扉体降下装置レバーに連動機構で連結した切替機構を作動させることにより、扉体降下装置の自重降下レバーを自動的に扉体降下側に切替えることができる。
請求項2の考案に係る地震動検出自重降下装置によれば、扉体降下装置操作レバーと切替機構を紐状体で連結することで、扉体降下装置操作レバーを扉体降下側に切替えることができる。なお、紐状体としてワイヤの他にロープ、チェーンなどを用いることができる。
請求項3の考案に係る地震動検出自重降下装置によれば、扉体降下装置操作レバーと切替機構をリンク機構で連結することで、扉体降下装置操作レバーを扉体降下側に切替えることができる。
請求項4の考案に係る地震動検出自重降下装置によれば、扉体降下装置操作レバーの自重降下レバーに対する嵌合長さを調整することで、自重降下レバーの必要作動力に簡単に対応させることができる。
請求項5の考案に係る地震動検出自重降下装置によれば、切替機構を地震動検知用重錘と台座で構成することにより扉体降下装置操作レバーを自動的に扉体降下側に切替えることができる。
請求項6の考案に係る地震動検出自重降下装置によれば、切替機構を地震動検知用重錘と、台座と、自重降下レバー作動用重錘部と、ストッパ部とで構成することにより、更に、確実に扉体降下装置操作レバーを自動的に扉体降下側に切替えることができる。
請求項7の考案に係る地震動検出自重降下装置によれば、ラック式水門開閉装置、ウィンチ式水門開閉装置等に好適に用いることができる。
本考案は、地震等の災害が発生した場合でも安全に、かつ、電源などの動力源を用いずに扉体を容易に自重降下させることができる水門開閉装置に用いる地震動検出自重降下装置を提供することが可能となる。
本考案の第1実施形態に係る地震動検出自重降下装置を備えたラック式水門開閉装置の正面図である。 図1に示す地震動検出自重降下装置を備えたラック式水門開閉装置の側面図である。 本考案の第1実施形態に係る他の地震動検出自重降下装置を備えたラック式水門開閉装置の正面図である。 図3に示す地震動検出自重降下装置を備えたラック式水門開閉装置の側面図である。 本考案の第2実施形態に係る地震動検出自重降下装置を備えたラック式水門開閉装置の正面図である。 図5に示す地震動検出自重降下装置を備えたラック式水門開閉装置の側面図である。 図5及び図6に示す地震動検出自重降下装置の作動工程を示す概略図である。 図5及び図6に示す地震動検出自重降下装置の復帰工程を示す概略図である。 本考案の第2実施形態に係る他の地震動検出自重降下装置を備えたラック式水門開閉装置の正面図である。 図9に示す地震動検出自重降下装置を備えたラック式水門開閉装置の側面図である。 本考案の第3実施形態に係る地震動検出自重降下装置を備えたラック式水門開閉装置の正面図である。 図11に示す地震動検出自重降下装置の側面図である。 図12に示す矢視Aから見る地震動検出自重降下装置の平面図である。 図11に示す地震動検出自重降下装置の作動状態を示す正面図である。 図11に示す地震動検出自重降下装置の作動状態を示す側面図である。 支持軸及び取付材の断面図である。 本考案の第3実施形態に係る他の地震動検出自重降下装置を備えたラック式水門開閉装置の正面図である。
以下、本考案の第1実施形態を図1及び図2に基づいて詳細に説明する。
図1は、本考案の第1実施形態に係る地震動検出自重降下装置1を備えたラック式水門開閉装置2の正面図を示し、図2は、図1に示す地震動検出自重降下装置1を備えたラック式水門開閉装置2の側面図を示す。図1及び図2に示すように、地震動検出自重降下装置1は、地震等の災害発生時にラック式水門開閉装置2に備えられた自重降下レバー4を自動的に扉体降下側に切替えるように動作するものである。
図1及び図2を参照して、地震動検出自重降下装置1は、自重降下レバー4に嵌合する扉体降下装置操作レバー5と、ハウジング6と、地震動を検知する地震動検知用重錘7と、この地震動検知用重錘7を支持する台座8と、扉体降下装置操作レバー5と地震動検知用重錘7を連動させるワイヤ(紐状体)12とで構成されている。扉体降下装置操作レバー5は、一対のプレート9,9を備えており、これら一対のプレート9,9の間に取っ手10を介在させ、一対のプレート9,9をボルト等の締結具11で締結して構成されている。そして、この扉体降下装置操作レバー5は、自重降下レバー4に嵌合して取付けられ、取っ手10側の端部にワイヤ12が取付けられている。このワイヤ12は、扉体降下装置操作レバー5を降下側に切替える方向に延ばされて、扉体降下装置操作レバー5と地震動検知用重錘7を連結している。なお、扉体降下装置操作レバー5は、メーカや機種によってラック式水門開閉装置2の自重降下レバー4の作動力が異なっていても、自重降下レバー4に嵌合する扉体降下装置操作レバー5の嵌合長さを調整することで、適宜作動力を確保することができる。なお、紐状体としてワイヤの他にロープ、チェーンなどを用いることができる。
ハウジング6は、着脱可能に地面に設置され、扉体降下装置操作レバー5と地震動検知用重錘7を連結するワイヤ12を挿通するための挿通穴15が上面に設けられている。ハウジング6の内部には、地震動検知用重錘7及び台座8が設置されている。
地震動検知用重錘7は略球状であり、台座8から落下したとき、扉体降下装置操作レバー5を扉体降下側に切替えることができるように、適当な重さを有している。台座8は、筒状であり、ハウジング6内に設置されている。なお、台座8は、想定される地震動に対応させて形状(長さや太さ)を変更することができる。
本考案の地震動検出自重降下装置1に適用するラック式水門開閉装置2は、従来公知の水門開閉装置である。ラック式水門開閉装置2は、扉体を自重で降下させるために、作業者が手動で操作可能な自重降下レバー4が設けられている。自重降下レバー4に、本考案の地震動検出自給降下装置1の扉体降下装置操作レバー5が嵌合される。また、ラック式水門開閉装置2は、扉体の自重降下速度を制御する遠心ブレーキ(図示せず)を備えている。更に、ラック式水門開閉装置2には、手動操作ハンドル16が設けられ、この手動操作ハンドル16を回転させることで扉体を上下動させて開閉することもできる。なお、ラック式水門開閉装置を用いる場合について説明しているが、自重降下レバー4が設けられたウィンチ式水門開閉装置等の水門開閉装置にも用いることもできる。
以上のように構成した第1実施形態に係る地震動検出自重降下装置1の作動について次に説明する。
まず、扉体降下装置操作レバー5と地震動検知用重錘7をワイヤ12で連結する。次に、扉体降下装置操作レバー5をラック式水門開閉装置2の自重降下レバー4への嵌合長さを調整して嵌合させる。その後、地震動検知用重錘7を台座8に載置する。
このように、地震動検出自重降下装置1を設定した状態で、地震動が発生すると、まず、地震動検知用重錘7が台座8から落下する。そして、地震動検知用重錘7が落下することで、地震動検知用重錘7に取付られたワイヤ12が引張られ、更に、このワイヤ12に連結された扉体降下装置操作レバー5が引張られる。その結果、扉体降下装置操作レバー5を嵌合して取付けた自重降下レバー4は、扉体降下側に自動的に切替わるため、扉体は、自重で降下することになる。
本考案の第1実施形態に係る地震動検出自重降下装置1によれば、扉体降下装置操作レバー5と地震動検知用重錘7をワイヤ12で連結することで、地震動の発生時に、地震動検知用重錘7が台座8から落下して、ワイヤ12が引張られ、このワイヤ12に取付けた扉体降下装置操作レバー5も引張られ、更に、扉体降下装置操作レバー5に嵌合して取付けたラック式水門開閉装置2の自重降下レバー4を扉体降下側に自動的に切替えることができる。これにより、地震動が発生した場合に、作業者が手動で自重降下レバー4を扉体降下側に切替える必要がないため、津波等に飲み込まれる恐れがなくなり、安全性を向上させることができる。
次に、図3及び図4に示すように、第1実施形態に係る地震動検出自重降下装置1の他の形態として、地震動検出自重降下装置1のハウジング6の上面に支持柱18を設けてもよい。この支持柱18は、ハウジング6の上面から上方に延び、支持柱18の上部に滑車17が設けられている。滑車17には、扉体降下装置操作レバー5と地震動検知用重錘7を連結するワイヤ12が掛けられている。さらに説明すると、ワイヤ12は、扉体降下装置操作レバー5から滑車17に掛渡され、滑車17を介してワイヤ12の延長方向を地震動検知用重錘7側の方に変更して、地震動検知用重錘7に取付けられている。この形態でも地震動検知用重錘7は、台座8の上に載置される。
この形態でも地震動検出自重降下装置1を設定した状態で地震動が発生すると、まず、地震動検知用重錘7が台座8から落下して、ワイヤ12が引張られ、更に、このワイヤ12に取付けられた扉体降下装置操作レバー5も引張られる。その結果、扉体降下装置操作レバー5を嵌合して取付けた自重降下レバー4が扉体降下側に自動的に切替わり、扉体を自重で降下させることができる。
次に、本考案の第2実施形態に係る地震動検出自重降下装置21について、図5及び図6を参照して説明する。なお、以下の説明において、上記第1実施形態に対して、同様の部分には同じ参照符号を用いて、異なる部分についてのみ詳細に説明する。図5は、本考案の第2実施形態に係る地震動検出自重降下装置21を備えたラック式水門開閉装置2の正面図を示し、図6は、図5に示す地震動検出自重降下装置21を備えたラック式水門開閉装置2の側面図を示す。図5及び図6に示すように、第2実施形態の地震動検出自重降下装置21は、例えば、ラック式水門開閉装置2が狭隘な場所に設置されている場合、又は、自重降下レバー4の作動力が大きい場合に、ラック式水門開閉装置2の自重降下レバー4を扉体降下側に自動的に切替えることを可能にするものである。
地震動検出自重降下装置21は、自重降下レバー4に嵌合して取付ける扉体降下装置操作レバー5と、ハウジング6と、地震動を検知する地震動検知用重錘7と、この地震動検知用重錘7を支持する台座8と、扉体降下装置操作レバー5を作動させるレバー作動用重錘部22と、このレバー作動用重錘部22を保持するストッパ部23とで構成されている。扉体降下装置操作レバー5に取付けられているワイヤ24は、扉体降下装置操作レバー5から滑車25に掛渡され、滑車25を介してワイヤ24の延長方向をレバー作動用重錘部22側の方に変更して、レバー作動用重錘部22のアーム30に取付けられている。
ハウジング6は、蓋26を有しており、この蓋26は、ハウジング6に対して着脱可能に取付けられている。また、ハウジング6の側面には、ワイヤ24を挿通するための挿通穴28が設けられている。更に、ハウジング6の側面には、ワイヤ24の延長方向を変更する滑車25が設置されている。
レバー作動用重錘部22は、ハウジング6内の略上部に配置され、自重降下レバー作動用重錘29と、ワイヤ24を取付けるアーム30と、自重降下レバー作動用重錘29及びアーム30を支持する軸31とで構成されている。自重降下レバー作動用重錘29及びアーム30は、軸31に取付けられ、この軸31は、軸受等の枢着部材32によってハウジング6に回動可能に枢着されている。自重降下レバー作動用重錘29は、ストッパ部23の支持材34に接触して支持され、自重降下レバー作動用重錘29が支持材34から外れることで、自重降下レバー作動用重錘29は、軸31を中心に回動することができる(図7cの矢印参照)。また、アーム30の一端は、軸31に取付けられ、他端には、ワイヤ24が取付けられている。そして、アーム30は、自重降下レバー作動用重錘29が回動することで、自重降下レバー作動用重錘29と共に軸31を中心に回動され、これにより、ワイヤ24が引張られる(図7cの矢印参照)。
ストッパ部23は、ハウジング6内の略中央に配置され、地震動検知用重錘7を吊持する支持アーム33と、自重降下レバー作動用重錘29を支持する支持材34と、バランスウェイト35とを備えている。このストッパ部23は、軸36に取付けられ、この軸36は、軸31と平行に軸受等の枢着部材32によってハウジング6に回動可能に取付けられている。支持アーム33には、ワイヤ37の一端が取付けられており、このワイヤ37の他端は、地震動検知用重錘7に取付けられている。支持材34には、地震動検知用重錘7が台座8から落下したとき、自重降下レバー作動用重錘29から外れやすいようにローラ38が備えられている。バランスウェイト35は、地震動検知用重錘7を台座8に載置して、自重降下レバー作動用重錘29にローラ38を接触させた状態でストッパ部23の回動を防ぎ、バランスを保つようにしている。
以上のように構成した第2実施形態に係る地震動検出自重降下装置21の作動について、図7及び図8を参照して次に説明する。
まず、扉体降下装置操作レバー5をラック式水門開閉装置2の自重降下レバー4に嵌合して取付ける。このとき、扉体降下装置操作レバー5とレバー作動用重錘部22のアーム30をワイヤ24で連結する。また、地震動検知用重錘7を台座8に載置すると共に、ストッパ部23の支持材34のローラ38を自重降下レバー作動用重錘29の下面に接触させて、自重降下レバー作動用重錘29を支持材34で支持する。
このように、地震動検出自重降下装置21を設定した状態で、地震動が発生すると、まず、地震動検知用重錘7が台座8から落下する(図7a参照)。地震動検知用重錘7が落下すると、地震動検知用重錘7にワイヤ37で連結された支持アーム33が回動して(図7b参照)、ストッパ部23の支持材34がレバー作動用重錘部22の自重降下レバー作動用重錘29の下面から外れて、自重降下レバー作動用重錘29が軸31を中心に回動する。このとき、軸31に取付けられたアーム30も軸31を中心に回動する(図7c参照)。その結果、アーム30に取付けられたワイヤ24が引張られ、このワイヤ24を連結した扉体降下装置操作レバー5が引張られる(図7c参照)。そして、扉体降下装置操作レバー5を嵌合した自重降下レバー4は、扉体降下側に自動的に切替わり、扉体は、自重で降下することになる。このように、ラック式水門開閉装置2が狭隘な場所に設置された場合でも自重降下レバー4を簡単に作動させることができ、更に、自重降下レバー4の作動力が大きくても自動的に扉体降下側に切替えることができる。また、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、図7a〜図7cに示すように作動した後に、図8aに示すように地震動検知用重錘7、レバー作動用重錘部22及びストッパ部23を元の位置に復帰するには、まず、手動で自重降下レバー作動用重錘29を持上げる(図8b参照)。そして、手動で地震動検知用重錘7を台座8に載置する(図8c参照)。このとき、ストッパ部23は、バランスウェイト35の力で自動的に回動し、ストッパ部23の支持材34が自重降下レバー作動用重錘29を支持する位置に復帰する(図8c参照)。
また、図9及び図10に示すように、第2実施形態に係る地震動検出自重降下装置21の他の形態として、地震動検出自重降下装置21のハウジング6には、ハウジング6の上面に支持柱41が設けられ、ハウジングの側面に第2滑車40が取付けられている。支持柱41は、ハウジング6の上面から上方に延び、上部に第1滑車39が設けられている。第1及び第2滑車39,40には、扉体降下装置操作レバー5とレバー作動用重錘部22のアーム30を連結するワイヤ24が掛けられている。具体的に説明すると、一端が扉体降下装置操作レバー5に取付けられたワイヤ24は、扉体降下装置操作レバー5から第1滑車39に掛渡され、第1滑車39を介してワイヤ24の延長方向を第2滑車40側の方に変更して、更に、第1滑車39から第2滑車40に掛渡され、その後、第2滑車40を介してワイヤ24の延長方向をレバー作動用重錘部22のアーム30側の方に変更して、ワイヤ24の他端をアーム30に取付けている。
この形態でも地震動検出自重降下装置21を設定した状態で、地震動が発生すると、まず、地震動検知用重錘7が台座8から落下して、地震動検知用重錘7にワイヤ37で連結した支持アーム33が回動して、ストッパ部23の支持材34が自重降下レバー作動用重錘29の下面から外れて、自重降下レバー作動用重錘29が軸31を中心に回動する。その結果、アーム30も回動して、アーム30に連結したワイヤ24が引張られ、このワイヤ24に連結された扉体降下装置操作レバー5も引張られる。これにより、扉体降下装置操作レバー5を嵌合した自重降下レバー4が扉体降下側に自動的に切替わり、扉体を自重で降下させることができる。
次に、本考案の第3実施形態に係る地震動検出自重降下装置51について、図11〜図16を参照して説明する。なお、以下の説明において、上記第1実施形態に対して、同様の部分には同じ参照符号を用いて、異なる部分についてのみ詳細に説明する。図11は、本考案の第3実施形態に係る地震動検出自重降下装置51を備えたラック式水門開閉装置2の正面図を示し、図12は、図11に示す地震動検出自重降下装置51の側面図を示し、図13は、図12に示す矢視Aから見る地震動検出自重降下装置51の平面図を示し、図14は、図11に示す地震動検出自重降下装置51の作動状態を示す正面図を示し、図15は、図11に示す地震動検出自重降下装置51の作動状態を示す側面図を示し、図16は、支持軸及び取付材の断面図を示す。図11に示すように、第3実施形態に係る地震動検出自重降下装置51は、扉体降下装置操作レバー5に取付けられたラック式水門開閉装置2の自重降下レバー4を扉体降下側に自動的に切替えるために、扉体降下装置操作レバー5と地震動検知用重錘7をワイヤ12で連結する代わりに、扉体降下装置操作レバー5と自重降下レバー作動用重錘部52をワイヤ56で連結している。
地震動検出自重降下装置51は、自重降下レバー4に嵌合して取付けられた扉体降下装置操作レバー5と、ハウジング6と、自重降下レバー作動用重錘部52と、ストッパ部として機能する地震動検知用重錘部53とで構成されている。ハウジング6には、着脱可能な蓋67が設けられ、この蓋67には、自重降下レバー作動用重錘部52の取付材54を挿通する穴70が形成されている。また、ハウジングの側面には、台座61が設けられている。
自重降下レバー作動用重錘部52は、取付材54、及び、この取付材54に取付けられた自重降下レバー作動用重錘55を備える。取付材54は板状に形成され、一端にワイヤ56が取付けられ、他端に自重降下レバー作動用重錘55が取付けられている。また、取付材54には、地震動検知用重錘部53の支持軸63を挿入するための挿入穴57が設けられている(図16参照)。この挿入穴57は、鍵穴形状に形成されており、径方向に突出する溝部58が形成されている。
地震動検知用重錘部53は、地震動検知用重錘7と、取付レバー59と、支持部60とを備えている。地震動検知用重錘7は、台座61に載置され、ワイヤ62が取付けられている。このワイヤ62は、地震動検知用重錘7と取付レバー59とを連結する。取付レバー59は、板状であり、一端にワイヤ62が取付けられ、他端に支持軸63が取付けられている。
支持部60は、支持軸63、及び、この支持軸63を保持する保持部64を備えている。支持軸63は、回転可能に、かつ、摺動可能に保持部64に取付けられており、支持軸63の一端は、取付レバー59に取付けられ、他端は、取付材54の挿入穴57に挿入されている。支持軸63の他端側には、突起66(図16参照)が形成され、この突起66が挿入穴57の周縁に掛止される。突起66を挿入穴57に掛止する場合には、支持軸63をバネ65の付勢力に抗して、取付材54側に押込んで、支持軸63の突起66を取付材54の挿入穴57の溝58に合わせて挿入し、その後、支持軸63を回転させて、突起66を挿入穴57の溝58からずらすことで、取付材54の挿入穴57の周縁に掛止して取付けられる(図16a参照)。なお、支持軸63が取付材54に取付けられた状態で、地震動検知用重錘部53が作動して支持軸63が回転して、突起66が挿入穴57の溝58に一致すると(図16b参照)、バネ65の付勢力によって支持軸63が取付材54の挿入穴57から抜ける。
以上のように構成した第3実施形態に係る地震動検出自重降下装置51の作動について次に説明する。
まず、扉体降下装置操作レバー5をラック式水門開閉装置2の自重降下レバー4に嵌合して取付けて、扉体降下装置操作レバー5と取付材54をワイヤ56で連結する。また、地震動検知用重錘部7を台座61に載置する。このとき、支持軸63を取付材54の挿入穴57に挿入して、支持軸63の突起66を挿入穴57の周縁に掛止して、支持軸63を取付材54に取付けて拘束しておく。
このように、地震動検出自重降下装置51を設定した状態で、地震動が発生すると、まず、地震動検知用重錘7は、台座61から落下する(図14参照)。そして、地震動検知用重錘7の落下により取付レバー59が回動し、取付レバー59に連結した支持軸63も回転する。そして、支持軸63が回転することで、支持軸63の突起66が取付材54の挿入穴57の溝58に一致すると、バネ65の付勢力によって、支持軸63が挿入穴57から抜ける。その結果、取付材54の拘束が解かれ、取付材54に取付けられた自重降下レバー作動用重錘55が落下して、ワイヤ56が引張られ、このワイヤ56に連結された扉体降下装置操作レバー5が引張られる。そして、扉体降下装置操作レバー5に嵌合して取付けられたラック式水門開閉装置2の自重降下レバー4が扉体降下側に切替わり、扉体は、自動的に自重で降下することができる。これにより、上記第1及び第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、図17に示すように、第3実施形態に係る地震動検出自重降下装置51の他の形態として、地震動検出自重降下装置51のハウジング6には、ハウジング6の蓋67の上面に支持柱69が設けられている。この支持柱69は、蓋67の上面から上方に延び、上部に滑車68が設けられている。この滑車68には、ワイヤ56が掛けられている。ワイヤ56は、扉体降下装置操作レバー5から滑車68に掛渡され、滑車68を介してワイヤ56の延長方向をレバー作動用重錘55側の方に変更して、取付材54に取付けられている。
この形態でも、地震動検出自重降下装置51を設定した状態で、地震動が発生すると、まず、地震動検知用重錘7が台座61から落下して、ワイヤ62を介して取付レバー59が回動し、同時に取付レバー59に連結した支持軸63も回転して、支持軸63の突起66が取付材54の挿入穴57から抜ける。これにより、自重降下レバー作動用重錘55が落下し、取付材54を介してワイヤ56が引張られることで、ラック式水門開閉装置2の自重降下レバー4が扉体降下側に切替わり、扉体を自動的に自重で降下させることができる。
なお、上記実施形態では、一例として、扉体降下装置操作レバー5と地震検知用重錘7又は自重降下レバー作動用重錘.部22,53をワイヤ12,24,56で連結しているが、本考案は、ワイヤ12,24,56の代わりにリンク機構等の他の連動機構を用いることもできる。
1…地震動検出自重降下装置、2…ラック式水門開閉装置、3…扉体降下装置、4…自重降下レバー、5…扉体降下装置操作レバー、7…地震動検知用重錘(切替機構)、8…台座(切替機構)、12…ワイヤ(紐状体、連動機構)、22…自重降下レバー作動用重錘部(切替機構)、23…ストッパ部(切替機構)

Claims (7)

  1. 水門開閉装置の自重降下レバーに嵌合して取付ける扉体降下装置操作レバーと、
    前記扉体降下装置操作レバーを扉体降下側に切替える力を発生させる切替機構と、
    前記扉体降下装置操作レバーと前記切替機構を連動させる連動機構と、を備えることを特徴とする地震動検出自重降下装置。
  2. 前記連動機構は、紐状体であることを特徴とする請求項1に記載の地震動検出自重降下装置。
  3. 前記連結機構は、リンク機構であることを特徴とする請求項1に記載の地震動検出自重降下装置。
  4. 前記扉体降下装置操作レバーは、前記自重降下レバーの作動力に対応させて、前記自重降下レバーに対する嵌合長さを変更可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の地震動検出自重降下装置。
  5. 前記切替機構は、地震動を検知する地震動検知用重錘と、
    前記地震動検知用重錘を載置する台座と、を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の地震動検出自重降下装置。
  6. 前記切替機構は、地震動を検知する地震動検知用重錘と、
    前記地震動検知用重錘を載置する台座と、
    前記自重降下レバーの作動力に対応させた自重降下レバー作動用重錘部と、
    前記地震動検知用重錘の作動に連動すると共に、前記自重降下レバー作動用重錘部を支持するストッパ部と、を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の地震動検出自重降下装置。
  7. 前記水門開閉装置は、ラック式水門開閉装置、ウィンチ式水門開閉装置等であることを特徴とする請求項1か6のいずれか1項に記載の地震動検出自重降下装置。
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