JP3181799U - 照光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より均一でむらを少なくできる照光装置を提供する。
【解決手段】本考案の照光装置101は、複数の光源5と、被照光表示部材と光源5との間に設けられた長尺状の導光板1と、を備え、導光板1の一面1pが被照光表示部材と対向するように距離を保って配置されるとともに、導光板1の他面1qが光源1の発光部5rと離間して対向するように配設されており、導光板1の光源5と対向する領域における他面1qには、複数の凹部と凸部とが交互に設けられ導光板1の長手方向に沿って延設されて構成されるプリズム部3が形成され、凹部と凸部との少なくともいずれかには、導光板1の一面1pに形成された平坦部21に沿った複数の平面部が設けられており、導光板1の短手方向DSにおける両方の端部11tには、導光板1の平坦部21から側端11sに向かうに従って導光板1の板厚が薄くなるような傾斜部31が設けられていることを特徴としている。
【選択図】図5

Description

本考案は、被照光表示部材を照光する照光装置に関し、特に、広い範囲を照光するための照光装置に関する。
商品広告や遊技機などに用いられ、夜間や照度が低い箇所でも所望の情報を正しく伝達できるように、多様な絵や文言、図案などを照光する照光装置が多種開発されている。また、大型の液晶表示装置の背面に配置されるバックライト装置としての照光装置も多種開発されている。
通常、このような照光装置には、光源に冷陰極管を用いたものが良く使われてきた。特許文献1(従来例)では、図15に示すように、棒状の冷陰極管を用いた広い面積を照光する面状照光装置(バックライトユニット)902が提案されている。図15は、面状照光装置(バックライトユニット)902を説明する図であって、図15(a)は、導光板918を複数並列して配置した場合の面状照光装置(バックライトユニット)902の概略構成断面図であり、図15(b)は、1つの導光板918の部分(導光板ユニット908)の概略斜視図であり、図15(c)は、1つの導光板918の部分(導光板ユニット908)の概略断面図である。
図15(a)に示す面状照光装置(バックライトユニット)902は、導光板ユニット908が複数組み合わされて構成されている。また、導光板ユニット908は、図15(a)ないし図15(c)に示すように、光源である冷陰極管912と、冷陰極管912の上面に配設された導光板918と、導光板918の上面に配設されたプリズムシート916と、プリズムシート916の上面に配設された拡散シート914と、リフレクタ920と及び反射板922と、を備えている。そして、図15(b)及び図15(c)に示すように、液晶表示パネル904の背面に配置され、液晶表示パネル904を照光するようにしている。
特開2007−53019号公報
そして、この導光板ユニット908は、このライン状の光源(冷陰極管912)からの光を均一照光させるため、照光する範囲の全面にわたって広い面積で形成され光が導光する部分を埋めるように導光板918を設けている。更に、照光する範囲の全面にわたってプリズムシート916を設け、このプリズムシート916で光を分けた後、拡散シート914で光を拡散するようにしている。このようにして、より多くの部品やそれぞれが大きい部品を用いて、均一でむらが少なく照光できるようにしている。
一方、近年の省エネルギー化の流れを汲んで、従来例の冷陰極管912のようなライン状の光源を用いずに、点状の光源のLED(Light Emitting Diode)を用いた照光装置が開発され始めてきた。しかしながら、この点状の光源を用いた照光装置の場合、ライン状の光源を用いるよりも、点状の光源の発光面に対向する被照光部分に、より光が集中しやすく、広い面積の被照光領域を均一でむらが少なく照光できるようにするのは、更に難しいと言う課題が顕在化してきた。
本考案は、上述した課題を解決するもので、広い面積の被照光領域をより均一でむらが少なく照光できる照光装置を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本考案の照光装置は、被照光表示部材の裏面側に配設される複数の光源と、前記被照光表示部材と前記光源との間に設けられた長尺状の導光板と、を備え、前記被照光表示部材を裏面側から照光する照光装置において、前記導光板が、一面が前記被照光表示部材と対向するように距離を保って配置されるとともに、他面が前記光源の発光部と離間して対向するように配設されており、前記導光板の前記光源と対向する領域における前記他面には、複数の凹部と凸部とが交互に設けられ該導光板の長手方向に沿って延設されて構成されるプリズム部が形成され、前記凹部と前記凸部との少なくともいずれかには、前記導光板の前記一面に形成された平坦部に沿った複数の平面部が設けられており、前記導光板の短手方向における両方の端部には、前記導光板の前記平坦部から側端に向かうに従って当該導光板の板厚が薄くなるような傾斜部が設けられていることを特徴としている。
これによれば、本考案の照光装置は、導光板の光源と対向する領域における他面に、、複数の凹部と凸部とが交互に設けられ導光板の長手方向に沿って延設されて構成されるプリズム部が形成されているので、プリズム部によって光源からの光が屈折されることにより、光源の発光部に対応する位置である被照光表示部材の光源領域が明るくなりすぎることを防止することができる。つまり、被照光表示部材の光源領域は、主に、凹部と凸部との少なくともいずれかに設けられた平面部を透過した光により照光される。また、プリズム部によって屈折された光には、導光板の一面から出射される成分と導光板の中を伝播する成分とがあり、このうち、導光板の一面から出射した光は、被照光表示部材の光源領域より外側周辺の周辺領域を照射し、導光板の中を伝播した光は、被照光表示部材の周辺領域より更に外側の外側領域を照射するようになる。特に、導光板の短手方向における両方の端部に設けられた傾斜部により、導光板の中を伝播した光が分けられて放射され、導光板の短手方向側における被照光表示部材の外側領域をより広く分散して照射するようにできる。これらにより、導光板が被照光表示部材よりもかなり小さいものであっても、被照光表示部材の広い面積の被照光領域をより均一でむらが少なく照光することができる。
また、本考案の照光装置は、前記平面部が、前記プリズム部の複数の前記凹部と前記凸部の両方に設けられていることを特徴としている。
これによれば、平面部がプリズム部の複数の凹部と凸部の両方に設けられているので、片側にのみ設けられている場合と比較して、平面部の総面積を同じにすると、平面部のピッチが狭くなる。このことにより、平面部を透過して被照光表示部材側に出射する光が細かく分割され、被照光表示部材をより一層均一でむらがより少なく照光することができる。
また、本考案の照光装置は、前記複数の光源が実装された長尺状の基板9が、前記導光板に対向して設けられ、前記基板9が前記複数の光源からの光を反射可能な反射層を有していることを特徴としている。
これによれば、導光板に対向して設けられた長尺状の基板9が複数の光源からの光を反射可能な反射層を有しているので、この基板9を光の反射部材として利用することができる。このため、長手方向に沿って延設されたプリズム部と対向して配置された長尺状の基板により、このプリズム部に入光する光をより多くすることができる。このことにより、導光板の一面側に放射される光をより多くすることができ、被照光表示部材をより強く照光することができる。
また、本考案の照光装置は、前記プリズム部が形成される前記短手方向の幅が、前記光源の配光の範囲に対応させて設定されていることを特徴としている。
これによれば、プリズム部が形成される短手方向の幅が、光源の配光の範囲に対応させて設定されているので、光源からの短手方向の光の殆どが、このプリズム部を透過するようになる。このことにより、導光板の一面から出射される成分と導光板の中を伝播する成分との光の配分のバランスを保つことができ、被照光表示部材をより一層均一でむらがより少なく照光することができる。
また、本考案の照光装置は、前記凸部の凸形状の形成角度が、25°〜35°で設けられていることを特徴としている。
これによれば、凸部の凸形状の形成角度が25°〜35°で設けられているので、25°以下の場合に生じる、導光板の中を伝播する光の成分が多くなりすぎることや、35°以上の場合に生じる、導光板の一面から出射される光の成分が多くなりすぎることを防止することができる。このことにより、導光板の一面から出射される成分と導光板の中を伝播する成分とバランスを保つことができ、被照光表示部材をより一層均一でむらがより少なく照光することができる。
また、本考案の照光装置は、前記傾斜部の傾斜角度が、10°〜30°で設けられていることを特徴としている。
これによれば、傾斜部の傾斜角度が10°〜30°で設けられているので、10°以下の場合に生じる、導光板の中を伝播してきた光がそのまま側方に多く抜けることや、35°以上の場合に生じる、導光板の中を伝播してきた光が導光板の他面側に抜けることを防止することができる。このことにより、導光板の中を伝播してきた光を、導光板の一面側により多く放射させることができ、被照光表示部材をより一層均一でむらがより少なく照光することができる。
本考案の照光装置は、導光板の光源と対向する領域における他面に、、複数の凹部と凸部とが交互に設けられ導光板の長手方向に沿って延設されて構成されるプリズム部が形成されているので、プリズム部によって光源からの光が屈折されることにより、光源の発光部に対応する位置である被照光表示部材の光源領域が明るくなりすぎることを防止することができる。つまり、被照光表示部材の光源領域は、主に、凹部と凸部との少なくともいずれかに設けられた平面部を透過した光により照光される。また、プリズム部によって屈折された光には、導光板の一面から出射される成分と導光板の中を伝播する成分とがあり、このうち、導光板の一面から出射した光は、被照光表示部材の光源領域より外側周辺の周辺領域を照射し、導光板の中を伝播した光は、被照光表示部材の周辺領域より更に外側の外側領域を照射するようになる。特に、導光板の短手方向における両方の端部に設けられた傾斜部により、導光板の中を伝播した光が分けられて放射され、導光板の短手方向側における被照光表示部材の外側領域をより広く分散して照射するようにできる。これらにより、導光板が被照光表示部材よりもかなり小さいものであっても、被照光表示部材の広い面積の被照光領域をより均一でむらが少なく照光することができる。
本考案の第1実施形態の照光装置を説明する斜視図である。 本考案の第1実施形態の照光装置を説明する分解斜視図である。 本考案の第1実施形態の照光装置を説明する図であって、図3(a)は、図1に示すZ1側から見た上面図であり、図3(b)は、図1に示すY1側から見た正面図であり、図3(c)は、図1に示すX1側から見た側面図である。 本考案の第1実施形態の照光装置を説明する図であって、図4(a)は、図3(a)に示すIV−IV線における断面図であり、図4(b)は、図4(a)に示すP部分の拡大断面図である。 本考案の第1実施形態の照光装置を説明する図であって、図5(a)は、図3(a)に示すV−V線における断面図であり、図5(b)は、図5(a)に示すQ1部分の拡大断面図である。 本考案の第1実施形態の照光装置を説明する図であって、図6(a)は、図2に示すZ2側から見た導光板の平面図であり、図6(b)は、図2に示すZ1側から見た基板の平面図である。 本考案の第1実施形態の照光装置を説明する図であって、図6(a)に示すR部分の拡大平面図である。 本考案の第1実施形態の照光装置を説明する図であって、図8(a)は、図5(b)を模式化した構成図であり、図8(b)は、図5(b)に示すQ2部分を模式化した拡大構成図である。 本考案の第1実施形態の照光装置を説明する図であって、図8(b)に示すQ3部分を模式化した拡大構成図である。 本考案の第1実施形態の照光装置を説明する図であって、導光板における光路の一例を示した模式図である。 本考案の第1実施形態の照光装置を説明するシミュレーション結果であって、図11(a)は、照光装置における光路を示した断面の模式図であり、図11(b)は、照光装置と比較した比較例における光路を示した断面の模式図である。 本考案の第1実施形態の照光装置を説明するシミュレーション結果であって、図12(a)は、照光装置における照度分布を示した上面の模式図であり、図12(b)は、照光装置と比較した比較例における照度分布を示した上面の模式図である。 本考案の第1実施形態の照光装置の変形例1を説明する構成図であって、図9と比較した側面拡大図である。 本考案の第1実施形態の照光装置の変形例を説明する図であって、図14(a)は、変形例2のプリズム部の拡大構成図であり、図14(b)は、変形例3のプリズム部の拡大構成図である。 従来例の面状照光装置(バックライトユニット)を説明する図であって、図15(a)は、導光板を複数並列して配置した場合の面状照光装置(バックライトユニット)の概略構成断面図であり、図15(b)は、1つの導光板の部分(導光板ユニット)の概略斜視図であり、図15(c)は、1つの導光板の部分(導光板ユニット)の概略断面図である。
以下、本考案の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本考案の第1実施形態の照光装置101を説明する斜視図である。図2は、本考案の第1実施形態の照光装置101を説明する分解斜視図である。図3は、本考案の第1実施形態の照光装置101を説明する図であって、図3(a)は、図1に示すZ1側から見た上面図であり、図3(b)は、図1に示すY1側から見た正面図であり、図3(c)は、図1に示すX1側から見た側面図である。図4は、本考案の第1実施形態の照光装置101を説明する図であって、図4(a)は、図3(a)に示すIV−IV線における断面図であり、図4(b)は、図4(a)に示すP部分の拡大断面図である。図5は、本考案の第1実施形態の照光装置101を説明する図であって、図5(a)は、図3(a)に示すV−V線における断面図であり、図5(b)は、図5(a)に示すQ1部分の拡大断面図である。図4及び図5は被照光表示部材PNを省略している。図6は、本考案の第1実施形態の照光装置101を説明する図であって、図6(a)は、図2に示すZ2側から見た導光板1の平面図であり、図6(b)は、図2に示すZ1側から見た基板9の平面図である。図7は、本考案の第1実施形態の照光装置を説明する図であって、図6(a)に示すR部分の拡大平面図である。図8は、本考案の第1実施形態の照光装置を説明する図であって、図8(a)は、図5(b)を模式化した構成図であり、図8(b)は、図5(b)に示すQ2部分を模式化した拡大構成図である。図9は、本考案の第1実施形態の照光装置を説明する図であって、図8(b)に示すQ3部分を模式化した拡大構成図である。
本考案の第1実施形態の照光装置101は、図1ないし図5に示すように、被照光表示部材PNの裏面側に配設される長尺状の導光板1と、導光板1と離間して対向するように配設された複数の光源5と、複数の光源5が実装された長尺状の基板9と、を備えて構成されている。他に、導光板1及び基板9を収容する筐体77を備えている。そして、照光装置101は、被照光表示部材PNを裏面側から照光している。
導光板1は、細長いシート状で透光性を有したポリカーボネートの合成樹脂からなり、図1、図2、図4及び図5に示すように、被照光表示部材PNと光源5との間に設けられ、導光板1の一面1pが被照光表示部材PNと対向するように距離を保って配置されるとともに、導光板1の他面1qが光源5の発光部5rと離間して対向するように配設されている。そして、導光板1の一面1pには、平坦部21が形成され、導光板1の他面1qには、光源5と対向する領域にプリズム部3が形成されている。なお、本考案の第1実施形態にポリカーボネート樹脂を用いたが、これに限るものではなく、例えばアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂やシリコーン樹脂等を用いても良い。
また、導光板1の短手方向DSにおける両方の端部11tには、図5ないし図7及び図8(a)に示すように、導光板1の平坦部21から側端11sに向かうに従って、導光板1の板厚が薄くなるような傾斜部31が設けられている。この傾斜部31の傾斜角度SAは、20°で形成されている。ここで言う傾斜角度SAとは、図8(a)に示すように、平坦部21と傾斜部31の傾斜面31pとのなす角を指している。この傾斜角度SAが小さくなると、導光板1の中を伝播した光は導光板1の側面から出射し易くなり、この傾斜角度SAが大きくなると、導光板1の中を伝播した光は傾斜面31pから出射し易くなる。この傾斜角度SAを調整することにより、被照光部材PN側への照射を調整することができる。なお、本考案の第1実施形態では、傾斜角度SAを20°にして構成したが、この角度に限らず、傾斜角度SAを10°〜30°にするのが好適である。
導光板1のプリズム部3は、図5(b)、図6(a)及び図7に示すように、導光板1の他面1qに形成されており、導光板1の長手方向DLに沿って延設され、本考案の第1実施形態では、4箇所設けられている。また、プリズム部3の短手方向DSは、図8に示すように、その断面形状が、複数の凹部3rと凸部3tとが交互に設けられた構成となっている。更に、本考案の第1実施形態では、図8(b)及び図9に示すように、プリズム部3の複数の凹部3rと凸部3tの両方には、導光板1の平坦部21に沿った複数の平面部33(33a及び33b)が設けられている。なお、本考案の第1実施形態では、複数の平面部33bと導光体1の他面1qとは、同一平面になっている。
また、凸部3tの凸形状の形成角度KAは、30°で設けられている。ここで言う形成角度KAとは、図9に示すように、導光板1の一面1pに形成された平坦部21と直交する面と、凹部3r或いは凸部3tを形成している凹凸面13pとのなす角を指している。ここで、凹部3rと凸部3tを別な言葉で表現すると、平面部33(33a及び33b)と、平面部33aと平面部33bとを接続する凹凸面13pと、で、凹部3r及び凸部3tを形成している。この形成角度の違いで、プリズム部3を通過する光の方向を調整することができる。なお、本考案の第1実施形態では、形成角度KAを30°にして構成したが、この角度に限らず、形成角度KAを25°〜35°にするのが好適である。
また、導光板1には、図4(b)、図5及び図6(a)に示すように、導光板1の他面1qから延設された支持部51が3箇所(図6(a)参照)形成されている。この支持部51によって、基板9と導光板1の他面1qとの距離、ひいては光源5の発光部5rとの距離を一定に保つことができる。
以上のように構成された導光板1の作製は、型を用いた射出成形法で容易に達成される。特に、プリズム部3の凹部3r側に平面部33bがあるため、レーザ加工等で作製する場合と比較して、平面部33bの形成が容易で、しかも精度良く形成することができる。
光源5は、上面発光方式の発光ダイオード(LED、Light Emitting Diode)を好適に用いており、図6(b)に示すように、基板9に7個搭載され、図4(b)及び図5(b)に示すように、導光板1側に発光部5rが向けられ、導光板1に向けて出光している。
また、点光源である光源5は、発光方向に強い指向性を持った配光のものが多いと一般に言われている。本考案の第1実施例では、この指向性から生じる光源5の配光の範囲HAに対して、プリズム部3が形成される短手方向DSの幅WDを、対応させて設定されている。つまり、図8に示すように、プリズム部3の短手方向DSの幅WDは、光源5の配光の範囲HAになるように設定している。なお、プリズム部3の短手方向DSの幅WDは、光源5の配光の範囲HAと、光源5の発光部5rと導光板1の他面1qとの離間距離と、により決まるものであり、その際の仕様に合わせて、適切に決められる。
基板9は、一般に用いられているプリント配線板(PCB:Printed Circuit Board)を用いて構成され、例えば、ガラス入りのエポキシ樹脂からなる基材上に、銅(Cu)等の金属箔を所望の配線パターンが得られるようにパターニングしたものである。そして、基板9は、図2、図4(b)及び図5に示すように、被照光表示部材PNの裏面側に配設され、導光板1に対向して設けられている。
また、基板9には、導光板1と対向する面9pに白色系の反射層8が形成されており(図4(b)を参照)、この反射層8により、複数の光源5からの直接光や反射してきた戻り光等を反射可能にしている。これにより、この基板9を光の反射部材として利用することができる。このため、長手方向DLに沿って延設されたプリズム部3と対向して配置された長尺状の基板9により、このプリズム部3に入光する光をより多くすることができる。このことにより、導光板1の一面1p側に放射される光をより多くすることができる。なお、白色系の反射層8の形成は、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム(ジルコニア)等の粉末が含有されたインクを印刷して、硬化させることにより、容易に達成できる。また、基板9にプリント配線板(PCB)を用いているので、白色系のインクを印刷して反射層8を形成したが、基板自体が白色系の基材である場合は、基材表面を反射層として用いることができる。
筐体77は、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の合成樹脂材料を用い、図1ないし図4に示すように、導光板1及び基板9収納する収納部77sを有する箱状の形状で形成されている。また、筐体77の収納部77sを形成している内面には、基板9と同様に、白色系の反射層が形成されており、この反射層により、複数の光源5からの直接光や反射してきた戻り光等を反射可能にしている。また、筐体77の作製は、合成樹脂材料を用いているので、射出成形で容易に達成できる。なお、筐体77の作製に射出成形法を用いているので、合成樹脂材料に予め白色系の顔料を練り込むことにより、白色の成形品を作製することもでき、白色系の反射層を後から形成しないことも可能である。
被照光表示部材PNは、図2及び図3に示すように、導光板1の一面1p側に配設され、照光装置101によって照光される。そして、照光された被照光表示部材PNは、透光性を有しており、ユーザにより透過してきた光が視認される。その際に、文字や数字や記号その他の図柄等が透光されるようになっていれば、その文字や数字や記号その他の図柄等が照光されて視認される。また、この被照光表示部材PNは、本考案の照光装置101が適用される製品によって、前述のような様態以外に、様々様態が考えられる。
また、本考案の第1実施形態では、被照光表示部材PNには、図示はしていないが、導光板1側に光散乱層が設けられており、この光散乱層は、導光板1側からの光を拡散するようにしている。なお、被照光表示部材PN自体が、透光性で光を拡散する材料で作製している場合は、この光散乱層を用いなくても良いし、逆に、被照光表示部材PNと導光板1との間に、被照光表示部材PNと同等の大きさの拡散板を設ける構成でも良い。
以上のように構成された照光装置101における、光源5からの光の伝搬の方法について、図8ないし図10を用いて簡単に説明する。図10は、本考案の第1実施形態の照光装置を説明する図であって、図10(a)は、導光板1の短手方向DSの断面における光路の一例を示した模式図であり、図10(b)は、図10(a)に示すQ4部分の拡大し、光路の一例を示した模式図である。
図10に示すように、配光の範囲HA(図8を参照)を有した光源5からの短手方向DSの光は、導光板1の他面1qに形成されたプリズム部3に到達する。そして、プリズム部3の平面部33に到達した光は、導光板1を透過し、主に光源5の発光部5rに対応する位置である被照光表示部材PNの光源領域を照射する。一方、プリズム部3の凹凸面13p(図9を参照)に到達した光は、屈折され、導光板1の一面1pから出射される成分と導光板1の中を伝播する成分とに分けられる。そして、導光板1の一面1pから出射した光は、被照光表示部材PNの光源領域より外側周辺の周辺領域を照射し、導光板1の中を伝播した光は、被照光表示部材PNの周辺領域より更に外側の外側領域を照射するようになる。更に、導光板1の短手方向DSにおける両方の端部11tに設けられた傾斜部31により、導光板1の中を伝播した光が分けられて放射され、導光板1の短手方向DS側における被照光表示部材PNの外側領域をより広く分散して照射するようにできる。このようにして、プリズム部3によって光源5からの光が屈折されることにより、主に光源5の発光部5rに対応する位置である被照光表示部材PNの光源領域が明るくなりすぎることを防止することができる。
また、長手方向DLの光も同様に、プリズム部3の平面部33に到達した光は、導光板1を透過し、主に光源5の発光部5rに対応する位置である被照光表示部材PNの光源領域を照射するようになる。一方、プリズム部3の凹凸面13pに到達した光は、屈折され、被照光表示部材PNの光源領域より外側の周辺領域や外側領域を照射するようになる。以上のことにより、導光板1が被照光表示部材PNよりもかなり小さいものであっても(図2を参照)、被照光表示部材PNをより均一でむらが少なく照光することができる。また、製造コストにおいても、従来例のような被照光領域の全面にわたって形成された導光板918を用いる場合と比較して、材料費、型代、工程費等、安く抑えることができる。
また、本考案の第1実施形態では、平面部33がプリズム部3の複数の凹部3rと凸部3tの両方に設けられているので、片側にのみ設けられている場合と比較して、平面部33の総面積を同じにすると、平面部33のピッチが狭くなり、平面部33を透過して被照光表示部材PN側に出射する光を細かく分割することができる。
また、本考案の第1実施形態では、プリズム部3が形成される短手方向DSの幅WDが、光源5の配光の範囲HAに対応させて設定されているので、光源5からの短手方向DSの光の殆どが、このプリズム部3を透過するようになり、導光板1の一面1pから出射される成分と導光板1の中を伝播する成分との光の配分のバランスを保つことができる。
また、本考案の第1実施形態では、凸部3tの凸形状の形成角度KAが25°〜35°で設けられているので、25°以下の場合に生じる、導光板1の中を伝播する光の成分が多くなりすぎることや、35°以上の場合に生じる、導光板1の一面1pから出射される光の成分が多くなりすぎることを防止でき、導光板1の一面1pから出射される成分と導光板1の中を伝播する成分とバランスを保つことができる。
また、本考案の第1実施形態では、傾斜部31の傾斜角度SAが10°〜30°で設けられているので、10°以下の場合に生じる、導光板1の中を伝播してきた光がそのまま側方に多く抜けることや、35°以上の場合に生じる、導光板1の中を伝播してきた光が導光板1の他面1q側に抜けることを防止でき、導光板1の中を伝播してきた光を、導光板1の一面1p側により多く放射させることができる。
次に、効果の検証をおこなうため、光学シミュレーションをおこなった。図11は、本考案の第1実施形態の照光装置101を説明するシミュレーション結果であって、図11(a)は、本考案の照光装置101における短手方向DSの光路を示した断面の模式図であり、図11(b)は、本考案の照光装置101と比較した比較例500における光路を示した断面の模式図である。図11中の線は、光路の軌跡を示している。図12は、本考案の第1実施形態の照光装置101を説明するシミュレーション結果であって、図12(a)は、本考案の照光装置101における照度分布を示した上面の模式図であり、図12(b)は、本考案の照光装置101と比較した比較例500における照度分布を示した上面の模式図である。図12中の線は、照度の等高線を示している。
光学シミュレーションには、照明設計解析ソフトウェアである、“Light Tools”(サイバネットシステム株式会社製)を用い、光源5を7個とし、被照光領域PAを370mm×170mmとし、導光板1の大きさを25mm×315mm、厚みを1mmとし、導光板1と基板9との距離を4mm、導光板1と被照光領域PAとの距離を80mmとした。また、導光板1のプリズム部3の凹部3rを12個(凸部3tは11個)とし、凸部3tの形成角度KAが35°、平面部33(33a及び33b)の幅が0.09mmとした。また、傾斜部31の傾斜角度SAは、25°とした。なお、光源5の配光の範囲HAは70°で、プリズム部3が形成される短手方向DSの幅WDと対応している。また、比較例500は、この導光板1を設けない構成とし、被照光領域PAや光源5等は同じにした。
その結果、図11(b)の比較例500と比較し、本考案の照光装置101は、図11(a)に示すように、光源5の発光部5rに対応する位置である被照光表示部材PNの光源領域AEに光が集中せず、被照光表示部材PNの光源領域AEより外側の周辺領域SEや外側領域OEを照射し、光源5からの光が分散している様子が良く分かる。
また、図12(b)の比較例500は、7個の光源5の発光部5rに対応する位置である被照光表示部材PNの光源領域AEに光が集中し、特に光が強くなっており、周辺になるにつれて暗くなり、大きな照光むらが見られた。それに対して、本考案の照光装置101は、図12(a)に示すように、より均一でむらが少なくなっている。
以上により、本考案の第1実施形態の照光装置101は、導光板1の光源5と対向する領域における他面1qに、複数の凹部3rと凸部3tとが交互に設けられ導光板1の長手方向DLに沿って延設されて構成されるプリズム部3が形成されているので、プリズム部3によって光源5からの光が屈折されることにより、被照光表示部材PNの光源5の発光部5rに対応する位置である被照光表示部材PNの光源領域が明るくなりすぎることを防止することができる。つまり、被照光表示部材PNの光源領域は、主に、凹部3r及び凸部3tの両方に設けられた平面部33を透過した光により照光される。また、プリズム部3によって屈折された光には、導光板1の一面1pから出射される成分と導光板1の中を伝播する成分とがあり、このうち、導光板1の一面1pから出射した光は、被照光表示部材PNの光源領域より外側周辺の周辺領域を照射し、導光板1の中を伝播した光は、被照光表示部材PNの周辺領域より更に外側の外側領域を照射するようになる。特に、導光板1の短手方向DSにおける両方の端部11tに設けられた傾斜部31により、導光板1の中を伝播した光が分けられて放射され、導光板1の短手方向DS側における被照光表示部材PNの外側領域をより広く分散して照射するようにできる。これらにより、導光板1が被照光表示部材PNよりもかなり小さいものであっても、被照光表示部材PNをより均一でむらが少なく照光することができる。
また、平面部33がプリズム部3の複数の凹部3rと凸部3tの両方に設けられているので、片側にのみ設けられている場合と比較して、平面部33の総面積を同じにすると、平面部33のピッチが狭くなる。このことにより、平面部33を透過して被照光表示部材PN側に出射する光が細かく分割され、被照光表示部材PNをより一層均一でむらがより少なく照光することができる。
また、導光板1に対向して設けられた長尺状の基板9が複数の光源5からの光を反射可能な反射層を有しているので、この基板9を光の反射部材として利用することができる。このため、長手方向DLに沿って延設されたプリズム部3と対向して配置された長尺状の基板9により、このプリズム部3に入光する光をより多くすることができる。このことにより、導光板1の一面1p側に放射される光をより多くすることができ、被照光表示部材PNをより強く照光することができる。
また、プリズム部3が形成される短手方向DSの幅WDが、光源5の配光の範囲HAに対応させて設定されているので、光源5からの短手方向DSの光の殆どが、このプリズム部3を透過するようになる。このことにより、導光板1の一面1pから出射される成分と導光板1の中を伝播する成分との光の配分のバランスを保つことができ、被照光表示部材PNをより一層均一でむらがより少なく照光することができる。
また、凸部3tの形成角度KAが25°〜35°で設けられているので、25°以下の場合に生じる、導光板1の中を伝播する光の成分が多くなりすぎることや、35°以上の場合に生じる、導光板1の一面1pから出射される光の成分が多くなりすぎることを防止することができる。このことにより、導光板1の一面1pから出射される成分と導光板1の中を伝播する成分とバランスを保つことができ、被照光表示部材PNをより一層均一でむらがより少なく照光することができる。
また、傾斜部31の傾斜角度SAが10°〜30°で設けられているので、10°以下の場合に生じる、導光板1の中を伝播してきた光がそのまま側方に多く抜けることや、35°以上の場合に生じる、導光板1の中を伝播してきた光が導光板1の他面1q側に抜けることを防止することができる。このことにより、導光板1の中を伝播してきた光を、導光板1の一面1p側により多く放射させることができ、被照光表示部材PNをより一層均一でむらがより少なく照光することができる。
なお、本考案は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本考案の技術的範囲に属する。
図13は、本考案の第1実施形態の照光装置101の変形例1を説明する構成図であって、図9と比較した側面拡大図である。図14は、本考案の第1実施形態の照光装置101の変形例を説明する図であって、図14(a)は、変形例2のプリズム部CA3の拡大構成図であり、図14(b)は、変形例3のプリズム部CB3の拡大構成図である。
<変形例1>
上記第1実施形態では、プリズム部3の複数の凹部3rと凸部3tの両方に、平面部33(33a及び33b)を設けるように好適に構成したが、凹部3rと凸部3tとの少なくともいずれかに設けてあれば良く、例えば、図13に示すように、凸部C3tにのみ平面部C33bを設けた構成でも良い。
<変形例2><変形例3>
上記第1実施形態では、複数の平面部33bと導光体1の他面1qとは、同一平面になるように構成したが、図14(a)に示すように、複数の平面部33aと導光体1の他面1qとが同一平面になるように構成しても良い。また、図14(b)に示すように、複数の平面部33a及び平面部33bと導光体1の他面1qとが同一平面になるように構成しても良い。
<変形例4>
上記第1実施形態、変形例2及び変形例3では、複数の平面部33aのそれぞれが同一平面になるように構成したが、必ずしも同一平面になるように構成しなくても良い。また、複数の平面部33bのそれぞれについても、同様である。
<変形例5>
上記第1実施形態では、プリズム部3が4箇所に分けて設けられた構成にしたが、4箇所が繋がってプリズム部3が1つとなる構成であっても良い。
本考案は上記実施の形態に限定されず、本考案の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
1 導光板
1p 一面
1q 他面
11s 側端
11t 端部
21 平坦部
31 傾斜部
3 プリズム部
3r 凹部
3t、C3t 凸部
33、33a、33b、C33b 平面部
5 光源
5r 発光部
8 反射層
9 基板
PN 被照光表示部材
DL 長手方向
DS 短手方向
HA 配光の範囲
KA 形成角度
SA 傾斜角度
WD 短手方向の幅
101 照光装置

Claims (6)

  1. 被照光表示部材の裏面側に配設される複数の光源と、前記被照光表示部材と前記光源との間に設けられた長尺状の導光板と、を備え、前記被照光表示部材を裏面側から照光する照光装置において、
    前記導光板は、一面が前記被照光表示部材と対向するように距離を保って配置されるとともに、他面が前記光源の発光部と離間して対向するように配設されており、
    前記導光板の前記光源と対向する領域における前記他面には、複数の凹部と凸部とが交互に設けられ該導光板の長手方向に沿って延設されて構成されるプリズム部が形成され、
    前記凹部と前記凸部との少なくともいずれかには、前記導光板の前記一面に形成された平坦部に沿った複数の平面部が設けられており、
    前記導光板の短手方向における両方の端部には、前記導光板の前記平坦部から側端に向かうに従って当該導光板の板厚が薄くなるような傾斜部が設けられていることを特徴とする照光装置。
  2. 前記平面部は、前記プリズム部の複数の前記凹部と前記凸部の両方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の照光装置。
  3. 前記複数の光源が実装された長尺状の基板が、前記導光板に対向して設けられ、
    前記基板が前記複数の光源からの光を反射可能な反射層を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の照光装置。
  4. 前記プリズム部が形成される前記短手方向の幅が、前記光源の配光の範囲に対応させて設定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の照光装置。
  5. 前記凸部の凸形状の形成角度は、25°〜35°で設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の照光装置。
  6. 前記傾斜部の傾斜角度は、10°〜30°で設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の照光装置。
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