JP3181626U - 発光制御回路、発光制御チップ及びインクカートリッジ - Google Patents

発光制御回路、発光制御チップ及びインクカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェット記録装置とインクカートリッジとの間の通信を簡易にすることが可能な発光制御回路及び発光制御チップとインクカートリッジを提供する。
【解決手段】第1のダイ7に設けられ、インクの色情報を保持する第1のメモリ回路11と、第1のダイ7とは別体の第2のダイ8に設けられ、インクジェット記録装置から送られる複数の全停止信号または発光指令信号のうち、どの信号をトリガー信号とするかを記憶する第2のメモリ回路14と、第2のダイ8に設けられ、トリガー信号に対応して、インクカートリッジに設けられた発光LEDのカソードに低電圧を入力することにより、発光LEDを発光させる制御回路13と、を備えて発光制御回路を構成する。
【選択図】図3

Description

本技術は、インクジェット記録装置にインクを供給するインクカートリッジ及びこれに配設されるチップ、チップに設けられた回路に関する。
インクジェット記録装置が発売され始めてから、現在に至るまで、慣例として、各色1つ、キャリッジに搭載できるインクカートリッジ(以下、同梱カートリッジという)がインクジェット記録装置と一緒に販売されている。購入したインクジェット記録装置のカートリッジホルダにこの同梱セットインクカートリッジを装着すると、個々のインクカートリッジが保有する色情報に基づいて、各インクカートリッジの誤装着の確認が行われる場合がある。
例えば、下記特許文献1には、インクジェット記録装置に対して複数個のインクカートリッジを共通配線により接続する場合において、インクカートリッジの装着位置の正誤を判定しようとする手法が記載されている。
これは、各インクカートリッジに設けられたLEDを上述の色情報に基づいて発光させ、発光させたLEDの光をセンサで受光することにより、インクカートリッジの装着位置の正誤を判定しようとするものである。
下記特許文献1によると、この手法では、インクカートリッジを移動させながら、指定した色のインクカートリッジのLEDをそれぞれ発光させ、その発光した光をセンサが受光したかどうかにより、判定を行う。
また、下記特許文献2には、インクカートリッジの移動に伴ってセンサが受光した光量を比較することが記載されている。
これは、発光させたLEDに対応するインクカートリッジが、カートリッジホルダ内においてどの位置に装着されているのかを特定しようとするものである。すなわち、移動するインクカートリッジの位置によって、そのインクカートリッジに設けられたLEDから発せられる光に対するセンサの受光量は変化する。この受光量をインクカートリッジの位置毎に比較して、受光量が最大となる時の位置を、その発光させたLEDが設けられたインクカートリッジの位置とするものである。
また、下記特許文献3には、カートリッジに記憶装置を設け、この記憶装置にカートリッジの識別データを記憶させることが記載されている。この下記特許文献3に記載の手法では、パーソナルコンピュータが所定の識別データを送信し、送信された識別データに対応する識別データを有するカートリッジが応答することで、カートリッジの判別を行っている。
特許第3793216号公報 特許第4963513号公報 特許第4206756号公報
このように、インクカートリッジの装着の確認のための各種手法が提案されてきているが、インクジェット記録装置とインクカートリッジとの間の通信は複雑になってきている。例えば、上述の特許文献1、2では、発光させるインクカートリッジを指定するために、インクの色情報を用いている。したがって、ある特定のインク色のカートリッジを発光させるためには、インクジェット記録装置は、色情報の信号と発光を指令する信号を送信し、インクカートリッジは、これら信号に応じて発光制御を行う必要があり、通信や発光制御が複雑になる。
またさらには、処理する信号の種類が増えることで電力消費量も増えるため、コストが高くなってしまう。
また、こうした装着確認のためにインクカートリッジには制御素子が搭載されるが、制御素子そのものに例えば損傷等により不具合が生じた場合には、こうした装着確認を行うことができない。
このため、例えばインクジェット記録装置は、異常のあるインクカートリッジの発光部を消灯状態とすることでユーザに報知し、当該インクカートリッジの交換を促す場合がある。したがって、制御素子の異常時であっても、発光部を正しく非発光状態に制御することが必要である。
本技術は、上記課題に鑑み、発光制御を簡易にすること、また精度よく発光制御を行うことが可能な発光制御回路、発光制御チップ及びインクカートリッジを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本技術による発光制御回路は、第1のダイに設けられ、インクの色情報を保持する第1のメモリ回路と、第1のダイとは別体の第2のダイに設けられ、インクジェット記録装置から送られる複数の全停止信号または発光指令信号のうち、どの信号をトリガー信号とするかを記憶する第2のメモリ回路と、を備える。
また、本技術による発光制御回路は、この第2のダイに設けられ、トリガー信号に対応して、インクカートリッジに設けられた発光LEDのカソードに低電圧を入力することにより、この発光LEDを発光させる制御回路を備える。
また、本技術による発光制御チップは、発光LEDと、インクジェット記録装置に設けられた端子に電気的に接続される端子部と、インクの色情報を保持する第1のメモリ回路が設けられた第1のダイと、を備える。
また、本技術による発光制御チップは、インクジェット記録装置から送られる複数の全停止信号または発光指令信号のうち、どの信号をトリガー信号とするかを記憶する第2のメモリ回路と、トリガー信号に対応して、発光LEDのカソードに低電圧を入力することにより、LEDを発光させる制御回路と、が設けられた第2のダイを備える。
また、本技術によるインクカートリッジは、中空の容器と、この容器内部に充填されたインクと、インクを導出する導出部と、上述の発光制御チップを備えるものである。
本技術の発光制御チップ、インクカートリッジ及びセットインクカートリッジによれば、インクカートリッジのインク色を指定する色情報を用いること無く、各インクカートリッジに設けられた発光部を発光させることが可能となる。
したがって、インクジェット記録装置は、各インクカートリッジの発光部を発光させる際に、インク色を指定する色情報をインクカートリッジに送信する必要が無い。
また、インクジェット記録装置からのアクティブ信号または全停止信号の受信に応じて発光部を発光させる場合には、インクジェット記録装置は、インクカートリッジに対して、発光部の発光指令信号を送信する必要が無い。このため、より通信を簡易にすることが可能である。
また、本技術の発光制御回路、発光制御チップ及びインクカートリッジによれば、第1のダイと第2のダイが別体に設けられている。このため、例えば第1のダイが動作しなくなっても、発光の制御は第2のダイによって行われるので、正しく発光の制御を行うことができる。
また、発光LEDのカソードはプルアップ抵抗により高電圧に維持され、カソードに低電圧を入力することにより発光LEDの発光が行われる。
したがって、第2のダイが異常により動作しなくなると、発光LEDのカソードは高電圧に維持されているため、発光LEDは必ず非発光状態となる。このため、インクジェット記録装置は、第2のダイに異常が生じたときであっても、発光LEDを正しく非発光状態とすることが可能である。
このように、本技術の発光制御回路、発光制御チップ及びインクカートリッジによれば、制御チップのダイに異常が生じた場合には、発光部を正しく非発光状態とすることができる。また、インクジェット記録装置から送られる色情報を用いること無く発光部を発光させることが可能である。このため、発光部の発光制御を簡易にし、また精度を高めることが可能である。
図1は、第1の実施の形態に係るインクカートリッジの下方斜視図である。 図2Aは、チップを、その主面に垂直な方向から見た上面図であり、図2Bは、その主面に水平な方向から見た側面図である。 第1の実施の形態に係るチップの構成を示す説明図である。 第1の実施の形態に係るチップとインクジェット記録装置との間の信号の流れを説明する説明図である。 図5Aは、従来のインクカートリッジをインクジェット記録装置に装着した時の発光を説明する説明図であり、図5Bは、第1の実施の形態に係るインクカートリッジの発光を説明する説明図である。 図6Aは、第1の実施の形態に係るインクカートリッジの発光態様を示す説明図であり、図6Bは、そのときにインクジェット記録装置が送信する信号を示すフローチャートである。 図7Aは、第2の実施の形態に係るインクカートリッジの発光態様を示す説明図であり、図7Bは、そのときにインクジェット記録装置が送信する信号を示すフローチャートである。
以下本技術を実施するための形態の例を説明するが、本技術は以下の例に限定されるものではない。説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(個々のインクカートリッジ毎に、発光手順を異ならせる例)
1−1.カートリッジの全体構成
1−2.チップの構成
1−3.発光の制御方法
2.第2の実施の形態(各色のインクカートリッジの発光手順を同一とする例)
1.第1の実施の形態(個々のインクカートリッジ毎に、発光手順を異ならせる例)
1−1.カートリッジの全体構成
図1は、本技術によるインクカートリッジ100を示す下方斜視図である。本技術によるインクカートリッジ100は、例えば中空の容器1と、容器1内に充填されたインク(図示を省略)と、このインクを容器1内から外部へと導出する導出部2とを備える。
また、本技術によるインクカートリッジ100には、その外壁面上にチップ3が設けられている。
容器1は、内部にインクを保持し、このインクを導出部2から外部へと導出可能な構成であれば、特に限定するものではない。例えば、容器1には、インクの導出に伴って容器1内へ外気を導入する外気孔や、容器1の内部空間に負圧を発生させる負圧発生部材等が配設されるが、これらの構成は既知の種々の構成を取ることができる。
容器1の一側面には、容器1内のインクを外部へと導出する導出部2が設けられる。この導出部2は、例えば弁構造を備えており、インクジェット記録装置からのインク供給針がこの導出部2に挿入されることで弁が開き、インクジェット記録装置の記録ヘッドにインクが供給される。導出部2の弁構造には、バネ弁タイプのものやゴム弁タイプのもの等、様々な構成があるが、同様にこれら構成は限定するものではない。また、弁構造を設けずに、スポンジ等の負圧発生材を内部に配置する構成であってもよい。
また、本実施形態のインクカートリッジ100では、容器1に例えばラッチレバー4を設けている。このラッチレバー4は、インクジェット記録装置のカートリッジホルダに係合することにより、インクカートリッジ100をカートリッジホルダに固定する。
ラッチレバー4は容器1と一体成型により構成されていてもよいし、容器1に対して取り外し可能であってもよい。ラッチレバー4の構成も本技術において特に限定するものではない。
また、本実施形態において容器1には、チップ3が配設されている。
1−2.チップの構成
図2Aは、このチップ3の正面図であり、図2Bは、このチップ3の側面図である。チップ3は、例えば基板8と、基板8上に配設された端子部6と、第1のダイ7と第2のダイ8と、発光部10とによって構成されている。
端子部6は、インクジェット記録装置のカートリッジホルダに設けられた端子と接触することで、第1のダイ7や第2のダイ8上に設けられた回路を、インクジェット記録装置側の制御部と電気的に接続する。なお、本技術において、インクジェット記録装置は、装着される各インクカートリッジに対して、共通の配線により接続が行われるものとする。
また、チップ3は、この端子部6が設けられた側の基板主面を外側にして容器1に取り付けられる。
第1のダイ7と第2のダイ8は、例えば樹脂9によって被覆することにより保護される。これら第1のダイ7と第2のダイ8についての詳細は後述する。
また、発光部10は、第2のダイ8に設けられた回路によって発光及び停止が制御される。なお、本技術において、発光部の停止とは、発光部を非発光状態とすることを意味する。
発光部10から発せられた光は、インクジェット記録装置に設けられた受光素子によって受光される。この発光部10が発する光は、インクジェット記録装置に設けられた受光素子が検知可能なものであれば、その波長帯域を特に限定するものではない。発光部10としては、例えばLED(Light-Emitting Diode)等を用いることができる。
また、基板5に対する第1のダイ7、第2のダイ8及び発光部10の配置位置は適宜変更してよい。本実施形態では、端子部6が設けられた側の主面とは反対側の基板5の主面上に第1のダイ7と第2のダイ8と発光部10とを配置しているが、例えば、これらを端子部6が設けられた面と同一面上に配置してもよい。
図3は、本実施形態におけるチップ3の概略構成を示す回路図である。第1のダイに設けられた回路と第2のダイ8に設けられた回路には、インクジェット記録装置からのシリアルクロックとシリアルデータが例えば共通配線により入力される。また、第1のダイ7及び第2のダイ8に設けられた回路の接地線もまた共通配線とされており、第1のダイ7に設けられた回路、第2のダイ8に設けられた回路及び発光部10を駆動する電源電圧もまた共通配線により供給される。
第1のダイ7には、例えば第1のメモリ回路11と、第1のメモリ回路11へのデータの入出力を制御する入出力制御回路12とが形成されている。
第1のメモリ回路11には、例えば容器1に充填されているインクの色情報等の固有情報が記憶される。また、他にも、容器1内のインク残量を記憶するようにしてもよい。
また、第2のダイ8には、例えば発光部10の発光及び停止の制御を行う制御回路13と、発光部10の発光及び非発光の手順、例えば発光部10の発光及び停止の順序やタイミング等を記憶する第2のメモリ回路14とが形成される。第2のメモリ回路14には、例えばEEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)等の構成を用いることができる。
制御回路13は、第2のメモリ回路14に記憶された手順に従って、発光部10の発光及び停止を行う。
また、発光部10がLEDである場合には、例えば発光部10のアノードは、制限抵抗15を介して電源(VDD)接続され高電圧が印加される。この制限抵抗15は、例えば発光部10への印加電圧の調整に用いられる。
一方、発光部10のカソードは制御回路13に接続される。制御回路13は、発光部10のカソードに対して低電圧を出力することにより、発光部10発光させる。
なお、ここで高電圧及び低電圧とは、アノードへの印加電圧がカソードへの印加電圧より高く、発光部10を発光させるだけの電圧差が両者に生じる電圧のことを指す。
また、発光部10のカソードにはプルアップ抵抗16の一端が接続され、プルアップ抵抗16のもう一端は、電源接続される。これにより、発光部10のカソードは高電圧に維持される。
このように、本技術では、インクの固有情報等の入出力を制御する入出力制御回路12と、発光部10の発光を制御する制御回路13とが別体のダイに設けられている。このため、例えば第1のダイに不具合が生じたとしても、発光部10の制御は、第2のダイに設けられた制御回路10によって行うので、発光部10を確実に消灯状態とすることができる。
また、例えば第2のダイ8に不具合が生じ、動作しなくなった場合には、制御回路13が発光部10のカソードに入力する電圧は不定となる。しかし、本技術では発光部10のカソードはプルアップ抵抗16によって高電圧に維持されるので、第2のダイに不具合が生じたときには、発光部10を確実に消灯状態とすることができる。このため、インクカートリッジの不具合を正確にユーザに報知することが可能である。
図4は、このチップ3とインクジェット記録装置との間のデータフローを示す説明図である。
ここでは、例えばデータの種類を5種類に分類した場合を挙げる。例えば線L1は、後述する処理のスタート時に一度発光部10を発光させるアクティブ信号や、発光部10に対する停止を指令する信号であり、線L2は、インクカートリッジ100内のインク残量に関する信号を示す。
また、例えば線L3は、チップ3からインクジェット記録装置にある特定の情報を送るように、インクジェット記録装置がチップ3に対して指令する要求信号であり、線L4は、インクカートリッジ100がインクジェット記録装置に対して送る色情報の出力である。
また、線L5は、インクジェット記録装置からインクカートリッジ100に対して送られる、インク色を指定する色情報である。
例えば、インクジェット記録装置にインクカートリッジを装着すると、インクジェット記録装置は、カートリッジホルダ内に必要なインク色数のカートリッジが装着されているかどうか、また接続に不具合が無いかどうか等の接続確認処理を行う。
この時、本実施形態のインクカートリッジ100では、例えばインクジェット記録装置からインク色を指定する信号が送られる(線L5)と、そのインク色と第1のダイ7のメモリ回路11に記憶されたインク色とが一致する場合のみ、インクジェット記録装置に対して、メモリ回路11内に記憶されたそのインク色の情報をインクジェット記録装置に対して送信する(線L4)。
インクジェット記録装置は、例えば、カートリッジホルダ内に装着されるべき全てのインク色について、順次インク色を指定する信号を送信する。そして、インクカートリッジ100から返信されたインク色に関する情報を受信することで、そのインク色のインクカートリッジ100がカートリッジホルダに接続されていることを確認することが可能である。
また、他にも、例えばインクジェット記録装置がインク色を指定する信号(線L5)とインク残量を要求する信号(線L3)を送信すると、インクカートリッジ100は、メモリ回路11に記憶されたインク色とインクジェット記録装置が指定するインク色とを比較する。
そして、メモリ回路11に記憶されたインク色とインクジェット記録装置が指定するインク色が一致すると、メモリ回路11に記憶されたインク残量に関する信号をインクジェット記録装置に対して送信する(線L2)。
これにより、インクジェット記録装置は、指定したインク色のインクカートリッジ100のインク残量情報を取得できる。
次に、必要なインク色のインクカートリッジがカートリッジホルダに接続されていることが確認されると、インクジェット記録装置は、例えばこれらインクカートリッジが、規定のインク色の順に配置されているかどうかの接続位置確認処理を行う。
本実施形態において、第2のダイ8の制御回路13は、例えば線L1や線L3に示した信号を受信することにより、その時点におけるインクジェット記録装置の処理段階が上述の接続確認処理または接続位置確認処理のどちらであるかを判定する。
そして、接続位置確認処理時においては、制御回路13は、インクジェット記録装置から送られるアクティブ信号、全停止信号(線L1)及び第2のメモリ回路14に記憶された手順に基づいて、発光部10の発光及び停止の制御を行う。
すなわち、インク色を指定する色情報を用いずに、第2のメモリ回路14に記憶された決まった手順により発光部10を発光または停止させるものである。
1−3.発光の制御方法
この処理について、図5を基に以下詳細に説明する。
図5Aは、従来の接続位置確認処理時において、インクジェット記録装置から送られる信号と従来のインクカートリッジにおけるLEDの発光との関係を示す説明図である。また、図5Bは、接続位置確認処理時において、インクジェット記録装置から送られる信号と本実施形態のインクカートリッジ100の発光部10の発光との関係を示す説明図である。
なお、ここでは、一例として、ブラック、シアン、マジェンダ、イエローの色の順に各カートリッジのLEDを発光させる場合を挙げる。また、図5Bでは、これら4色の各カートリッジ全てに、本実施形態によるインクカートリッジ100を用いている。
図5Aに示すように、従来において接続位置確認処理時には、例えば最初に全てのインクカートリッジに対して発光動作を指令するアクティブ信号が送信され、これにより一度全てのインクカートリッジの発光部が発光する(線L6)。
次に、インクジェット記録装置は、ブラックのインク色を指定する色情報と発光を指令する信号を送信することにより、ブラックのインクカートリッジのLEDが発光する(線L7)。そして、インクジェット記録装置は、全てのインクカートリッジに対して、停止を指令する全停止信号を送る(線L8)。これにより、ブラックのインクカートリッジのLEDが停止する。
同様にして、次にインクジェット記録装置は、シアンのインク色を指定する色情報と発光を指令する信号を送信(線L9)し、これにより、シアンのインク色のカートリッジのLEDが発光する。
そして、インクジェット記録装置は、全てのインクカートリッジに対して、停止を指令する全停止信号を送り(線L10)、これにより、シアンのインクカートリッジのLEDが停止する。
次いで、インクジェット記録装置は、マジェンダのインク色を指定する色情報と、LEDの発光を指令する信号を送信(線L11)し、マジェンダのインクカートリッジのLEDを発光させる。
そして、インクジェット記録装置は、全てのインクカートリッジに対して、停止を指令する全停止信号を送り(線L12)、これにより、マジェンダのインク色のカートリッジが停止する。
また、インクジェット記録装置は、イエローのインク色を指定する色情報とLEDの発光を指令する信号を送信(線L13)し、イエローのインクカートリッジのLEDを発光させる。そして、最後にインクジェット記録装置は、全てのインクカートリッジに対して、停止を指令する全停止信号を送り(線L14)し、これによりイエローのインクカートリッジのLEDが停止する。
このように、従来においては、インクジェット記録装置が送るインク色の色情報に応じて各インクカートリッジのLEDを発光させている。
一方、本実施形態によるインクカートリッジ100を用いて、ブラック、シアン、マジェンダ、イエローのインク色のカートリッジ100a〜100dを構成した場合について、図5Bを用いて説明する。なお、図5Bでは比較のために、インクジェット記録装置から送られる信号は、図5Aにおいて示した信号に対応させて記載している。
また、インクカートリッジ100a〜100dの各制御回路、第2のメモリ回路、発光部の符号を便宜上それぞれ13a〜13d、14a〜14d、10a〜10dと付す。
インクカートリッジ100a〜100dの基本構成は上述のインクカートリッジ100と同じであるが、インク色と第2のメモリ回路14a〜14dに記憶される手順が異なる。
まず、インクジェット記録装置は、処理のスタート時において、全てのインクカートリッジに対して発光を指令するアクティブ信号を送る(線L15)。これにより、全てのインクカートリッジの発光部10a〜10dが一度発光する。
そして、従来であれば、インクジェット記録装置は、ブラックのインク色を指定する色情報と、発光部の発光を指令する信号を送る(線L16)ことにより、発光部を発光させる。
ところが、本実施形態のインクカートリッジ100aでは、この色情報と発光を指令する信号を必要としない。本実施形態では、制御回路13aが、第2のメモリ14回路aに記憶された手順に基づいて、発光部10aを発光させる。
例えば、第2のメモリ回路14aには、アクティブ信号または各全停止信号のうち、どの信号の受信後に発光部10aを発光させるか、また、発光させる場合には、アクティブ信号または全停止信号の受信のタイミングから発光部10aを発光させるまでの間の所定の期間が予め記憶される。
なお、図5Bでは、アクティブ信号(線L15)の後にブラックのインクカートリッジ100aの発光部10aを発光させ、1番目の全停止信号(線L17)の後にシアンのインクカートリッジ100bの発光部10b、2番目の全停止信号(L19)の後にマジェンダのインクカートリッジ100cの発光部10c、3番目の全停止信号(L21)の後にイエローのインクカートリッジ100dの発光部10dを発光させる場合について図示している。
ブラックのインクカートリッジ100aの制御回路13aは、上述のこの期間を第2のメモリ回路14aから読み出す。そして、アクティブ信号を受信すると、ブラックのインクカートリッジ100aの制御回路13aは、アクティブ信号の受信のタイミングから上述の期間の経過後に発光部10aを発光させる。
そして、ブラックのインクカートリッジ100aの制御回路13aは、インクジェット記録装置から、全てのインクカートリッジの発光部に対する停止指令である全停止信号(線L17)を受信すると、ブラックのインクカートリッジ100aに設けられた発光部10aを停止させ、非発光状態とする。
次に、シアンのインクカートリッジ100bでは、制御回路13bは第2のメモリ回路14bに記憶された手順に基づき、この全停止信号(線L17)のタイミングから所定の期間後に発光部10bを発光させる。すなわち、シアンのインク色を指定する色情報と発光部を発光させる発光指令信号(線L18)を本実施形態のインクカートリッジ100bは必要としない。
そして、インクジェット記録装置から全停止信号(線L19)が送られると、シアンのインクカートリッジ100bの制御回路13bは、その発光部10bを停止させる。
次いで同様に、マジェンダのインクカートリッジ100cにおいて、制御回路13cは、インクジェット記録装置からの全停止信号(線L19)を受信したタイミングから所定の期間後に発光部10cを発光させる。
したがって、マジェンダのインク色を指定する色情報と発光部10cを発光させる発光指令信号(線L20)は、必要としない。
そして、インクジェット記録装置から全停止信号(線L21)が送られると、マジェンダのインクカートリッジの制御回路13cは、発光部10cを停止させる。
また、イエローのインクカートリッジ100dでは、制御回路13dは、この全停止信号(線L21)を受信したタイミングから所定の期間後に発光部10dを発光させる。したがって、イエローのインク色を指定する色情報と発光部10dを発光させる発光指令信号(線L22)を必要としない。
そして、インクジェット記録装置から全停止信号(線L23)が送られると、イエローのインクカートリッジ100dの制御回路13dは、発光部10dを停止させる。
このように、本技術によれば、色情報や発光指令信号を用いずに、インクジェット記録装置から送られるアクティブ信号及び全停止信号を受信することにより、各カートリッジの発光部の発光及び停止の制御を行うことが可能である。すなわち、アクティブ信号及び全停止信号を、発光部を発光させるトリガー信号として用いるものである。
アクティブ信号または全停止信号を受信した後、発光部を発光させるタイミングは、例えばインクジェット記録装置が送るクロック信号を用いて決定することが好ましい。例えば、第2のメモリ回路14には、アクティブ信号または全停止信号を受信した後、発光部10を発光させるまでの間のクロック数を記憶させる。
そして、制御回路13は、例えばアクティブ信号または全停止信号を受信するとインクジェット記録装置からのクロック信号をカウントし、例えばカウントしたクロック数が第2のメモリ回路14に記憶されたクロック数に到達した時点において発光部10を発光させる。これにより、より正確に発光部10の発光を制御可能である。
次に、このインクカートリッジ100a〜100dを本実施形態のインクジェット記録装置に装着したときの発光部10の発光態様について、図6を用いながら以下に説明する。
図6Aは、本実施形態のインクカートリッジ100a〜100dからなるセットインクカートリッジを本実施形態のインクジェット記録装置に装着した場合において、接続位置確認処理時における各インクカートリッジのLEDの発光の様子を示す説明図である。
また図6Bは、このときにおける本実施形態のインクジェット記録装置の信号処理を示すフローチャートである。
また、ここでは、インクカートリッジ100aの第2のメモリ回路14aには、アクティブ信号の受信後、及び2番目の全停止信号の受信後から所定の期間後に発光部10aをそれぞれ発光させることが記憶されている。
また、インクカートリッジ100bの第2のメモリ回路14bには、1番目及び4番目の全停止信号の受信から所定の期間後に発光部10bをそれぞれ発光させることが記憶されている。
また、インクカートリッジ100cの第2のメモリ回路14cには、3番目の全停止信号の受信から所定の期間後に発光部10cを発光させることが記憶されている。
また、インクカートリッジ100dの第2のメモリ回路14dには、5番目の全停止信号の受信から所定の期間後に発光部10dを発光させることが記憶されている。
まず図6Aに示すように、例えばインクジェット記録装置のキャリッジの移動によりブラックのインクカートリッジ100aがインクジェット記録装置のセンサ15の正面位置に移動する。
また、インクジェット記録装置は、インクカートリッジ100a〜100dに対して、発光部10a〜10dを発光させるアクティブ信号を送信する。これにより、全ての発光部10a〜10dが一度発光する。
次に、ブラックのインクカートリッジ100aの制御回路13aは、第2のメモリ回路14aに記憶された手順に基づいて、アクティブ信号の受信から所定の期間後に発光部10aを発光させる。また、発光した光は、センサ15によって受光される。
インクジェット記録装置は、センサ15の受光量に基づいて、ブラックのインク色に対応する発光部10aが発光しているかどうかの判断を行う。
そして、発光部10aが発光していると判断すると、インクジェット記録装置は全停止信号を送信する。これによりインクカートリッジ100aの発光部10aは停止し、非発光状態となる(ステップS1)。
次に、インクジェット記録装置のキャリッジにより、インクカートリッジ100a〜100dは、図6A中左方向にこれらインクカートリッジ1個分だけ移動する。
そして、シアンのインク色のインクカートリッジ100bの制御回路13bは、第2のメモリ回路14bに記憶された手順に基づいて、ステップS1における全停止信号を受信した時点から所定の期間後に、発光部10bを発光させる。
すると、インクジェット記録装置は、センサ15が受光した発光部10bからの光の光量に基づいて、発光部10bが発光しているかどうかの判断を行う。発光部10bが発光していると判断すると、インクジェット記録装置は全停止信号を送信し、これによりインクカートリッジ300bの発光部10bは非発光状態となる(ステップS2)。
また次に、インクカートリッジ100a〜100dのこのままの位置において、ブラックのインクカートリッジ100aの制御回路13aは、第2のメモリ回路14aに記憶された手順に基づいて、ステップS2における全停止信号の受信のタイミングから所定の期間後に、発光部10aを発光させる。
そして、インクジェット記録装置は、センサ15の受光量に基づいてシアンのインク色のインクカートリッジ300bの発光部10bが停止しているかどうかの判断を行う。発光部10bが停止していると判断すると、インクジェット記録装置は全停止信号を送信し、これによりインクカートリッジ100aの発光部10aは非発光状態となる(ステップS3)。
次いで、インクジェット記録装置は、インクカートリッジ100a〜100dを図6A中左方向にこれらインクカートリッジ1個分だけさらにさせる。すると、マジェンダのインク色のインクカートリッジ100cの制御回路13cは、第2のメモリ回路14cに記憶された手順に基づいて、ステップS3における全停止信号の受信のタイミングから所定の期間後に、発光部10cを発光させる。
そして、インクジェット記録装置は、センサ15の受光量に基づいて、インクカートリッジ300cの発光部10cが発光しているかどうかの判断を行い、発光していると判断すると、全停止信号を送信して発光部10cを停止させる(ステップS4)
また、次にシアンのインク色のインクカートリッジ100bの制御回路13bは、第2のメモリ回路14bに記憶された手順に基づいて、ステップS4における全停止信号の受信のタイミングから所定の期間後に、発光部10bを発光させる。
すると、インクジェット記録装置は、センサ15の受光量に基づいてマジェンダのインク色のインクカートリッジ100cの発光部10cが停止しているかどうかの判断を行い、停止していると判断すると、全停止信号を送信する。これにより、インクカートリッジ100bの発光部10bが停止する(ステップS5)。
そして、インクジェット記録装置は、インクカートリッジ100a〜100dを図6A中左方向にこれらインクカートリッジ1個分だけさらに移動させる。また、イエローのインク色のインクカートリッジ100dの制御回路13dは、第2のメモリ回路14dに記憶された手順に基づいて、ステップS5における全停止信号を受信したタイミングから所定の期間後に、発光部10dを発光させる。
すると、インクジェット記録装置は、センサ15の受光量に基づいて発光部10dが発光しているかどうかの判断を行い、発光していると判断すると、全停止信号を送信して発光部10dを停止させる(ステップS6)。
そしてさらに、インクカートリッジ100a〜100dのこの位置において、マジェンダのインク色のインクカートリッジ100cの制御回路13cは、第2のメモリ回路14cに記憶された手順に基づいて、ステップS6における全停止信号の受信のタイミングから所定の期間後に、発光部10cを発光させる。
すると、インクジェット記録装置は、センサ15の受光量に基づいて発光部10cが発光しているかどうかの判断を行い、発光していると判断すると、全停止信号を送信して発光部10cを停止させる(ステップS7)。
このように、本実施形態のインクカートリッジ100a〜100dを用いることで、インクジェット記録装置は、色情報及び発光部の発光指令信号を送信すること無く、所定のインク色のインクカートリッジの発光部を発光させることができる。
すなわち、各インクカートリッジの第2のメモリ回路に予め発光順序を記憶させておくことで、各インクカートリッジの発光部の発光パターンがインク種毎に固定されたものとなる。したがって、色情報を用いることなく、各インク種のカートリッジを個別に発光させることが可能である。また、全停止信号をトリガー信号として用いて発光部を発光させることにより、発光指令信号も必要としない。
このため、インクジェット記録装置とインクカートリッジとの間の通信を従来よりも大幅に減らすことが可能である。また、発光部の発光に必要とする信号種も減るので、発光の制御を簡易にできる。
また、各カートリッジの第2のメモリ回路にはインクの種類、例えばインク色に応じて個別にそれぞれ発光順序が記憶されているので、カートリッジホルダにおけるインクカートリッジの位置が入れ替わっても、所定のタイミングには必ず所定のインク種のカートリッジの発光部が発光する。
このように、インクジェット記録装置から送られる色情報を用いなくても、インクの種類毎にインクカートリッジの発光部を個別に発光できるので、インクカートリッジの誤装着を検出することができる。
なお、センサ15において受光した光量を用いて、インクカートリッジ100a〜100dの誤装着を判断する手法には、これまでに提案されてきている種々の手法を用いてよい。例えば、インクカートリッジ100a〜100dの各位置でのセンサ15の光量を比較してもよい。
また、本実施形態では、全停止信号をトリガー信号として、その受信のタイミングから所定の期間後に発光部を発光させる例としたが、インクジェット記録装置から送られる信号のうち、どの信号をトリガー信号として発光部を発光させるかについては、適宜変更してもよい。例えば、インクジェット記録装置が送信する発光指令信号をそのままトリガー信号として発光部を発光させるようにしてもよい。この場合には、例えば発光指令信号を受信するとすぐさま制御回路は発光部を発光させることが好ましい。例えば、第2のメモリに記憶させる上述の期間を短く設定してもよいし、期間自体を記憶させず、受信と同時に発光部を発光させるように制御回路を構成してもよい。
また、この場合には、例えば、何番目の発光指令信号に対して発光部を発光させるかの手順が第2のメモリに記憶されることになる。これにより、インクジェット記録装置から送られる色情報を用いることなく、発光部の発光制御を行うことが可能である。
なお、全てのインク色数のインクカートリッジが全て揃っているかどうかを確認する接続確認時において、インクジェット記録装置側からインクカートリッジに送られる装着確認の信号に対し、例えば何番目の装着確認の信号に対して制御回路が応答するかの手順を、第2のメモリ回路に記憶させておいてもよい。例えば、インクカートリッジのインク色毎に、インクジェット記録装置側から送られる装着確認の信号に応答する順番を第2のメモリ回路に記憶させておくことにより、接続確認時においてもインクの色情報を用いることなく、全色のインクカートリッジが揃っているかどうかの確認を行うことが可能である。また、この場合には第1のメモリを無くすことができる。
2.第2の実施の形態(各色のインクカートリッジの発光手順を同一とする例)
ところで、インクジェット記録装置へのインクカートリッジの交換時おいて、複数色のインクが同時に無くなることはほとんど無い。したがって、通常は、インクの無くなった一つのインクカートリッジをカートリッジホルダから抜き出し、そこに新しいインクカートリッジを装着することが多い。
このような場合には、インクカートリッジの誤装着が生じることは稀であり、生じたとしても、誤装着されたカートリッジの位置は明白である。
すなわち、インクカートリッジの誤装着は、購入したプリンタに付随する同梱セットインクカートリッジの装着時に生じることが多い。また、誤装着は、例えばインク容器の外形をインク種毎に変える等、従来手法により防止することも可能である。
これに対し、交換用のインクカートリッジのように誤装着の可能性が低い場合には、第2のメモリに記憶させる手順を全て統一することで、コストを低減させることが可能である。以下、本実施形態では、この手法について説明する。
図7Aは、本実施形態によるインクカートリッジ200a〜200dからなるセットインクカートリッジをインクジェット記録装置に装着した場合における発光部20a〜20dの発光の様子を示す説明図である。なお、ここでは、第1の実施の形態に対する発光の仕方の違いを説明するために、セットインクカートリッジごと交換して装着した場合について図示している。
インクカートリッジ200a〜200dの基本構成は、上述のインクカートリッジ100(図3参照)と同じである。ただし、各インクカートリッジの第2のメモリ回路に記憶されている手順が全て同一であるところが異なる。
また、図7Bは、この時におけるインクジェット記録装置の信号処理を示すフローチャートである。
なお、インクカートリッジ200a〜200dのインク色は、順にブラック、シアン、マジェンダ、イエローとする。
また、インクカートリッジ200a〜200dにそれぞれ設けられた第2のメモリ回路には、発光部20a〜20dの発光手順として、例えばアクティブ信号及び1,3,5番目の全停止信号に対応して発光部20a〜20dを発光させること、また、それら信号の受信のタイミングから発光部20a〜20dを発光させるまでの所定の期間が記憶されている。すなわち、本実施形態では、アクティブ信号及び全停止信号をトリガー信号として用い、上述の順番の固定されたパターンで発光部を発光させる。
まず、インクジェット記録装置は、アクティブ信号を送信し、これにより、インクカートリッジ200a〜200dに設けられた全ての発光部10a〜10dが一度発光する。
すると、インクジェット記録装置はキャリッジの移動により、例えば図7Aにおいて左端にあるインクカートリッジ200aをセンサ15の正面位置に移動させる。
そしてこのとき、本実施形態によるインクカートリッジ200a〜200dでは、インクジェット記録装置からのアクティブ信号を受信した時点から所定の期間後に、インクカートリッジ200a〜200dにそれぞれ設けられた発光部20a〜20dが全て発光する。
既述のように、本技術では、第2のメモリ回路に記憶された手順に基づいて、制御回路が発光部を発光させるものである。特に本実施形態においては、アクティブ信号または全停止信号の受信から発光までの期間を全て同一に設定しているため、全ての発光部が発光する全発光動作となっている。
そして、インクジェット記録装置は、センサ15の受光量に基づいて、ブラックのインクカートリッジ200aの発光部20aが発光しているかどうかの判断を行う。発光部20aが発光していると判断すると、インクジェット記録装置は全停止信号(1番目)を送信し、これにより、インクカートリッジ200a〜200dの発光部20a〜20d全てが停止する(ステップS8)。
次に、インクジェット記録装置は、インクカートリッジ200a〜200dを図7A中左方向に、インクカートリッジ1個分だけ移動させる。
すると、各インクカートリッジの制御回路は、ステップS8においてインクジェット記録装置から送信された全停止信号を受信したタイミングから所定の期間後に、それぞれに設けられた発光部20a〜20dを全て全発光させる。
そして、インクジェット記録装置は、センサ15の受光量に基づいてシアンのインク色のインクカートリッジ200bの発光部20bが発光しているかどうかの判断を行う。また、シアンのインク色のインクカートリッジ200bの発光部20bが発光していると判断すると、全停止信号(2番目)を送信して全てのインクカートリッジの発光部を停止させる(ステップS9)。
続いて、これらインクカートリッジ200a〜200dのこの位置のままの状態において、インクカートリッジ200a〜200dの第2のメモリ回路には、ステップS9においてインクジェット記録装置から送信された全停止信号(2番目)に対しては、各発光部を発光させないことが記憶されている。
このため、インクカートリッジ200a〜200dに配設されている各制御回路は、発光部20a〜20dを発光させない。このため、インクカートリッジ100a〜100dの発光部20a〜20dは全停止の状態となる。
そして、インクジェット記録装置は、センサ15の受光量に基づいて発光部20bが停止しているかどうかの判断を行い、停止していると判断すると、全停止信号(3番目)を送信する(ステップS10)。
次に、インクジェット記録装置は、インクカートリッジ200a〜200dを図7A中左方向にインクカートリッジ1個分だけ移動させる。
インクカートリッジ200a〜200dの各第2のメモリ回路には、ステップS10における全停止信号(3番目)に対しては、発光部20a〜20dをそれぞれ発光させることが記憶されている。したがって、インクカートリッジ200a〜200dに設けられた制御回路は、全停止信号(3番目)の受信のタイミングから所定の期間後に個々の発光部をそれぞれ発光させる。また、各インクカートリッジの第2のメモリ回路に記憶されているこの期間は同一の値であるので、各インクカートリッジの発光部20a〜20dが全て発光する全発光となる。
そして、インクジェット記録装置は、センサ15の受光量に応じてインクカートリッジ200cの発光部20cが発光しているかどうかの判断を行い、発光していると判断すると、全停止信号(4番目)を送信する。これにより各インクカートリッジに設けられた発光部が全て停止する(ステップS11)。
次に、これらインクカートリッジ200a〜200dの位置は移動させないままの状態において、各インクカートリッジの各第2のメモリ回路には、ステップS11における全停止信号(4番目)に対しては発光部20a〜20dを発光させないことが記憶されている。したがって、各インクカートリッジ200a〜2000dの制御回路は、各インクカートリッジの発光部20a〜20dを発光させないので全停止の状態となる。
そして、インクジェット記録装置は、センサ15の受光量に基づいて、マジェンダのインク色のインクカートリッジ200cの発光部20cが停止しているかどうかの判断を行う。発光部20cが停止していると判断すると、インクジェット記録装置は全停止信号(5番目)を送信する(ステップS12)。
続いて、インクジェット記録装置は、インクカートリッジ200a〜200dを図7中左方向にインクカートリッジ一個分だけ移動させる。
また、各インクカートリッジ200a〜200dの第2のメモリ回路には、5番目の全停止信号に対応して各発光部20a〜20dを発光させることが記憶されている。このため、各インクカートリッジ200a〜200dの制御回路は、ステップS12の5番目の停止信号の受信のタイミングから所定の期間後に各発光部20a〜20dを発光させる。また、この期間は各インクカートリッジの第2のメモリにおいて同一の値としているため、各インクカートリッジの発光部20a〜20dは全て発光する全発光となる。
そして、インクジェット記録装置は、センサ15の受光量に基づいてイエローのインク色のインクカートリッジ200dの発光部20dが発光しているかどうかの判断を行う。また、発光部20dが発光していると判断すると、インクジェット記録装置は、全停止信号(6番目)を送信する。これにより、全ての発光部が停止する(ステップS13)。
次に、インクカートリッジ200a〜200dの位置を移動させない状態において、各インクカートリッジ200a〜200dの第2のメモリ回路には、6番目の全停止信号に対して各発光部20a〜20dをそれぞれ発光させないことが記憶されている。このため、各インクカートリッジの制御回路は各インクカートリッジの発光部を発光させない。このため、全てのインクカートリッジの発光部が発光しない全停止状態となる(ステップS14)。
そして、インクジェット記録装置は、センサ15の受光量に基づいて、イエローのインク色のインクカートリッジ200dの発光部20bが停止しているかどうかを判断し、停止していると判断すると、全停止信号を送信する(ステップS14)。
このように、本実施形態においても、インクカートリッジ200a〜200dは、インクジェット記録装置からの色情報及び発光指令信号を必要としない。このため、発光の制御や、インクカートリッジとインクジェット記録装置との間の通信を簡易にすることが可能である。
さらに、本実施形態では、第2のメモリに記憶させた手順を同一とすることにより、インクカートリッジ200a〜200dは、全発光と全停止を繰り返す。この場合、第2のメモリに記憶させるデータを各カートリッジ毎に変える必要が無いため、コストを低減することが可能である。
また、さらなる効果については、第1の実施の形態と同様である。
また、本実施の形態においても、インクジェット記録装置から送られる信号のうち、どの信号を基準にして各インクカートリッジの発光部を発光させるかは、適宜変更してよい。したがって、例えばインクジェット記録装置から送られる発光指令信号を基準にすることも可能である。この場合には、例えばインクジェット記録装置からの何番目の発光指令信号に対して発光部を発光させるかの手順が各インクカートリッジの第2のメモリ回路に記憶される。また、各インクカートリッジの第2のメモリ回路に記憶されるこれら手順は全て同一である。そして、各インクカートリッジの制御回路は、該当番目の発光指令信号を受信すると、たとえばすぐさま各発光部を発光させることにより、全ての発光部が全発光する。
また、本実施の形態においても、インクカートリッジの接続確認時において、インクジェット記録装置から送られる何番目の装着確認の信号に対して制御回路が応答するかの手順を第2のメモリ回路に記憶させてもよい。これにより、インクの色情報を用いることなく、全てのインク色が揃っているかどうかの接続確認を行うことができる。
なお、同色のカートリッジを複数個同時に誤装着する可能性は通常低いが、その他の方法により防止できる場合には、この手順を全てのインク色のインクカートリッジにおいて同一にしてもよい。これにより、コストを低減することもできる。
以上、本発明による発光制御回路、発光制御チップ及びインクカートリッジの実施の形態について説明した。本発明は上記実施の形態にとらわれることなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、考えられる種々の形態を含むものである。
1・・・容器、2・・・導出部、3・・・チップ、4・・・ラッチレバー、5・・・基板、6・・・端子部、7・・・第1のダイ、8・・・第2のダイ、9・・・樹脂、10,10a,10b,10c,10d,20a,20b,20c,20d・・・発光部、11・・・第1のメモリ回路、12・・・入出力制御回路、13,13a,13b,13c,・・・制御回路、14,14a,14b,14c,14d・・・第2のメモリ回路、

Claims (4)

  1. 第1のダイに設けられ、インクの色情報を保持する第1のメモリ回路と、
    前記第1のダイとは別体の第2のダイに設けられ、インクジェット記録装置から送られる複数の全停止信号または発光指令信号のうち、どの信号をトリガー信号とするかを記憶する第2のメモリ回路と、
    前記第2のダイに設けられ、前記トリガー信号に対応して、インクカートリッジに設けられた発光LEDのカソードに低電圧を入力することにより、前記発光LEDを発光させる制御回路と、を備えた
    発光制御回路。
  2. 発光LEDのカソードに接続され、前記カソードを高電圧に維持するプルアップ抵抗を備えた請求項1に記載の発光制御回路。
  3. 発光LEDと、
    インクジェット記録装置に設けられた端子に電気的に接続される端子部と、
    インクの色情報を保持する第1のメモリ回路が設けられた第1のダイと、
    インクジェット記録装置から送られる複数の全停止信号または発光指令信号のうち、どの信号をトリガー信号とするかを記憶する第2のメモリ回路と、前記トリガー信号に対応して、前記発光LEDのカソードに低電圧を入力することにより、前記LEDを発光させる制御回路と、が設けられた第2のダイと、を備える
    発光制御チップ。
  4. 中空の容器と、
    前記容器内部に充填されたインクと、
    前記インクを導出する導出部と、
    発光LEDと、インクジェット記録装置に設けられた端子に電気的に接続される端子部と、インクの色情報を保持する第1のメモリ回路が設けられた第1のダイと、インクジェット記録装置から送られる複数の全停止信号または発光指令信号のうち、どの信号をトリガー信号とするかを記憶する第2のメモリ回路と、前記トリガー信号に対応して、前記発光LEDのカソードに低電圧を入力することにより、前記LEDを発光させる制御回路と、が設けられた第2のダイと、を備える発光制御チップと、
    を備えた
    インクカートリッジ。
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