JP3179597B2 - 円盤状磁気記録媒体の走行トルクの測定方法及び装置 - Google Patents

円盤状磁気記録媒体の走行トルクの測定方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は円盤状磁気記録媒体の走
行トルクの測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年円盤状の磁気記録媒体としてフロッ
ピーディスク(以下単にディスクという)が多量に用い
られている。ディスクは基盤と磁気記録層よりなってお
り、基盤は通常ポリエチレンテレフタレートから、また
磁気記録層は強磁性粉と樹脂より構成されている。ディ
スクは磁気ヘッドと接触してデータの記録再生を行うた
め、その表面の摩擦特性は極めて重要である。このよう
な摩擦特性は、走行トルクとなって現れる。走行トルク
はジャケットまたはシェルの内部に納められたライナー
(不織布)とディスクの間の摩擦力及び磁気ヘッドとデ
ィスクの摩擦力の総和となる。
【0003】従来、走行トルクを測定するには、実際の
ディスクドライブを用い、モータ負荷と走行トルクが一
般に正比例関係になることを利用して、スピンドル駆動
用のモーターの負荷電流値を測定し走行トルクの値に換
算していた。
【0004】通常のディスクドライブ装置においては、
摺動面を対向させて整列した2個の磁気ヘッドを別々の
弾性部材を介してホルダに取りつけたヘッド組立体を、
これらの磁気ヘッドがディスクの両面に接触するように
ディスクドライブ装置の枠に取りつけてある。一般に、
ディスクの0位置(磁気ヘッドが接触しない場合の位
置)に対する磁気ヘッドの位置(以下「相対高さ」とい
う)はディスクドライブにおけるヘッド組立体の取付位
置によって異なる。しかし、ディスクは柔軟性を有する
から、ディスクと磁気ヘッドの相対高さが変化しても両
磁気ヘッドはディスクに対して常時接触状態に保たれ
る。実際のディスクドライブ装置ではヘッドタッチを良
好にするために、相対高さは0位置よりも多少ずらして
設計されることが多く、ヘッドの相対高さはメーカーの
設計方針によって様々であり、また製造のばらつきによ
っても変わり、100μm程度は異なる。従って、ディ
スクと磁気ヘッドとの相対高さが変化すると、ディスク
の変形状態及びジャケット内での接触状態が変化するの
で、相対高さが変動してもヘッドタッチ及び走行特性の
変化が少ないディスクの設計が望まれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際の
ディスクドライブを用いると、そのドライブの設定され
た磁気ヘッドとディスクの相対高さに対応した走行トル
クしか分からず、そのディスクの走行トルク特性の詳細
は分からない。また、多くの測定を行わなければなら
ず、非効率的であるばかりでなく精度も充分ではなかっ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明はヘッドと
ディスクの相対高さを変えて走行トルクを測ることによ
り、効率的かつ精度高く走行トルク特性を測定する方法
を提供するものである。なおここに相対高さとは、スピ
ンドルモータに装着されたディスクが無変形と考えた場
合のディスクがなす平面にヘッド摺動面が存在する状態
を相対高さ0とし、この高さから実際のヘッド摺動面ま
での距離で定義される。
【0007】
【実施例】以下実施例に従って説明する。図1〜2は本
発明の測定機を示す。1はジャケット(5インチの場
合)またはシェル(3.5インチの場合)8に収容され
たディスク、2はディスクを支持するスピンドル7を回
転させるためのスピンドルモータ、3はスピンドルモー
タの負荷電流を測定しこれをトルクに換算して出力する
トルク計、4、5はディスクを上下から挟む磁気ヘッ
ド、12は磁気ヘッドのためのホルダであり、磁気ヘッ
ド4、5とホルダ12は全体としてユニットをなすヘッ
ド組立体11を構成している。ヘッド組立体11は磁気
ヘッドのディスクとの相対高さを調整するマイクロメー
タヘッドである。図2はヘッド組立体11の詳細を示
し、ホルダ12には下側磁気ヘッド5が取りつけられ、
また取り付け部には必要に応じて磁気ヘッド5を一つま
たは2つの水平軸の周りに枢動できるようなジンバル形
の支持体を介在させる。ホルダ12の上部には板ばね9
を介して可動アーム14が配置され、その下面に上側磁
気ヘッド4が取りつけられている。この取り付け部にも
ジンバル形の支持体を介在させてもよい。なおこうした
ジンバル構造は磁気ヘッドの支持手段として周知であ
る。また、必要に応じて更に加重バネ10によりアーム
14を支える。この組立体は取り付け面13によりマイ
クロメータヘッド6に取りつけられている。ディスクに
は厚みがあるので、測定の基準としては図1の下側の磁
気ヘッド5を基準にするとよい。下側の磁気ヘッド5は
マイクロメータヘッド6に固定されているので殆ど固定
といってよい。一方上側ヘッド4はバネによりほぼ一定
の圧力となるように下側のヘッド5に押しつけられてい
る。
【0008】本発明ではマイクロメータヘッド6を調整
することにより磁気ヘッド5の相対高さを調整しなが
ら、トルク計3のトルクを測定する。その際に、マイク
ロメータヘッドの目盛りを記録し、またトルク計3のト
ルク(実際にはスピンドルモータの負荷電流かまたはそ
のトルク換算値である)を記録する。このような換算や
記録は自動化できる。
【0009】図3は本発明の測定方法により測定された
結果を示す。ヘッド位置はヘッドとメディアの相対高さ
が一致する高さより±200μ変えて測定を行ってい
る。横軸は相対高さ、縦軸はスピンドルモータの負荷電
流である。負荷電流値は走行トルクに比例するので、走
行トルクは負荷電流の大きさと変動量で検知できる。例
えば、図4は市販のフロッピーディスク用スピンドルド
ライブ装置を360RPMで駆動した場合のモータ負荷
電流と走行トルクの関係を示す一例である。例1は各高
さで走行トルクが低く良好な媒体、例2は特定の高さで
走行トルクが高くまた、変動も多い媒体である。相対高
さ0で最小負荷となるのは両ヘッドの接触圧がこのとき
に最小になるからである。
【0010】
【発明の効果】以上の説明から分かるように、本発明に
よるといろいろな相対高さにおける走行トルクが容易か
つ精密に測定でき、フロッピーディスクの検査等に役立
てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための装置を示す正面
図である。
【図2】図1の装置の部分拡大図である。
【図3】本発明の方法で測定した負荷電流とヘッド−媒
体相対高さの関係を示すグラフである。
【図4】モータ負荷電流とトルクの関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 フロッピーディスク 2 スピンドルモータ 3 トルク計 4 磁気ヘッド 5 磁気ヘッド 6 マイクロメータヘッド 7 スピンドル 8 ジャケットまたはシェル 9 板ばね 10 加重ばね 11 ヘッド組立体 12 ホルダ 13 取り付け面 14 可動アーム
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−163320(JP,A) 特開 昭63−255634(JP,A) 特開 平1−312444(JP,A) 特開 平2−171630(JP,A) 特開 平2−203226(JP,A) 特開 平2−312076(JP,A) 特開 昭63−314444(JP,A) 特開 平2−44512(JP,A) 特開 昭63−161502(JP,A) 特開 昭59−71163(JP,A) 実開 昭63−36951(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 5/00 G11B 19/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円盤状磁気記録媒体と磁気ヘッドとの走
    行トルクを前記記録媒体と磁気ヘッドの相対高さを変え
    ながら測定する走行トルクの測定方法。
  2. 【請求項2】 走行トルクは、円盤状磁気記録媒体のス
    ピンドルモータの負荷電流を測定することにより測定す
    る、請求項1に記載の走行トルクの測定方法。
  3. 【請求項3】 円盤状磁気記録媒体を支持する回転スピ
    ンドルと、前記スピンドルを回転させるためのスピンド
    ルモータと、前記円盤状磁気記録媒体に接触する磁気ヘ
    ッドと、前記磁気ヘッドを支持してその高さを調整でき
    るマイクロメータヘッドと、前記スピンドルモータの負
    荷電流を測定してその回転トルクを算出する測定器とよ
    りなる、円盤状磁気記録媒体の走行トルクの測定装置。
JP31110192A 1992-10-28 1992-10-28 円盤状磁気記録媒体の走行トルクの測定方法及び装置 Expired - Fee Related JP3179597B2 (ja)

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