JP3178970U - 水門 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、容易にかつ確実に排水口に対して扉体を全周にわたって均一に接触させ閉塞することができる水門を提供する。
【解決手段】水門1は、排水口2aの上部に設けられた支持アーム5と、軸4によって支持アーム5に回動可能に支持されるとともに扉体3を支持する連結部材6と、連結部材6の軸4と扉体3との中間部に設けられ水中で浮力を発生させるバランスウエイト7とを備えている。扉体3は、連結部材6に対して相対的に揺動可能に支持されている。水位が高くなりバランスウエイト7の浮力によって扉体3が排水口2aを閉塞するよう連結部材6が回動するときに、扉体3の一部が最初に排水口2aの端面に接する場合であっても、排水口2aの下流側の水圧Pによって扉体3が排水口2aに対して押圧され、扉体3が連結部材6に対して相対的に回動する。
【選択図】図1

Description

本考案は、水門に関し、特に河川や海岸、ダムなどに設置される水門に関するものである。
河川や海岸、ダムなどには、水路の上流と下流の水位に応じて扉体を開閉する水門が設けられている。このような水門の従来の技術としては、例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示された水門1’は、本願の図4にも示すように、内水域から外水域に水を流通させる水路2に扉体3’が揺動可能に設けられており、この扉体3’が揺動することにより水路2の排水口2aを開閉するものであって、排水口2aの上部に設けられた支持アーム5と、一端が軸4によって支持アーム5に回動可能に支持されるとともに他端が扉体3’の上部に接続された連結部材6’と、この連結部材6’の中間部に設けられたバランスウエイト7とを備えており、このバランスウエイト7は、水中で浮力を発生させるものにより構成されており、バランスウエイト7が連結部材6’の中間部に設けられていることによって、扉体3’は、水路2から排出される水に押圧されない状態で排水口2aを開放し、水路2から排出される水に押圧されるとさらに排水口2aを開放するよう揺動され、さらに、外水域の水位が排水口2aよりも上昇した場合にバランスウエイト7が発生する浮力によって扉体3’が排水口2aを閉塞するよう揺動される構成とされている。
このように構成された水門1’では、水路2を流れる水が少なく扉体3’を押圧しない基準状態では、バランスウエイト7の自重によって扉体3’が水路2の排水口2aを僅かに開放した状態となっている。したがって、水路2を流れる僅かな量の水は、排水口2aから下流の外水域に流出することができ、また、流れる水に含まれる塵芥が扉体3と排水口2aとの間に挟まれることがない。
そして、水路2を流れる水の量が増加して扉体3’を押圧する場合には、その流れる水の水圧によって扉体3’が基準状態から、動力を用いることなく、軸4を中心としてさらに扉体3’が水路2の排水口2aを開放するよう回動する。このとき、流れる水の水圧に応じて、バランスウエイト7によって扉体3’が容易に回動することができる。また、水路2を流れる水の量が減少してその水圧によって扉体3’が押圧されなくなると、動力を用いることなく、直ちに扉体3’は基準位置に復帰することとなる。
一方、図4に示したように、外水域の水位が内水域または水路2内の水位よりも高くなり(つまり、排水口2aの下流側の水位が上流側の水位よりも高くなり)、バランスウエイト7が浸水すると、動力を用いることなく、連結部材6’の他端に設けられたバランスウエイト7の浮力によって扉体3’が排水口2aを閉塞するよう軸4を中心として直ちに且つ確実に回動し、排水口2aの下流側から上流側に逆流するのを確実に防止することができる。
実用新案登録第3171212号公報
従来の技術においては、連結部材6の一端を扉体3の上部に接続するために、扉体3’と連結部材6の一端とが溶接などにより強固に固定されていた。そのため、扉体3’と連結部材6’の接続角度や、間にバランスウエイト7が接続された連結部材6’の第1連結部材6A’と第2連結部材6B’との間に形成されている角度、および連結部材6’の支持アーム5に支持される位置、あるいは、水路2の排水口2a近傍の上面に設けられる支持アーム5の位置が適切でない場合、水路2の排水口2aよりも外水域の水位が上昇したときに扉体3’が排水口2aの全周にわたって均一に接触することができず、したがって、排水口2aを確実に閉塞することができず、その結果、排水口2aを介して外水域から水路2の内部に水が漏入し、内水域への逆流を確実に防止できないという問題が発生することとなる。
そして、このような問題を回避するためには、水路2の排水口2aよりも外水域の水位が上昇した閉塞状態のときに扉体3’が排水口2aの全周にわたって均一に接触するように、連結部材6’の湾曲形状を精度よく成形し、また、扉体3’と連結部材6’を正確な角度で接続したり支持アーム5に連結部材6’を正確な位置で支持させるよう組み立て、さらに、水路2の排水口2a近傍の上面に対して支持アーム5を正確な位置に設ける必要がある。
さらにまた、扉体3’が排水口2aの全周にわたって均一に接触するように、これらの成形精度、組立精度、設置精度に配慮しても、気温変化や扉体の開閉による衝撃、流通する水の水圧などによって連結部材6’や、アーム5、扉体3’などの各構成部材が変形すると、閉塞状態で扉体3’が排水口2aの全周にわたって均一に接触させることができず、上記問題を回避できなくなる。
さらに、従来の技術においては、バランスウエイト7が発生する浮力によって扉体3’が排水口2aを閉塞するよう構成されていたため、図5に示すように、外水域の水位が、バランスウエイト7が水没することなく扉体3’のみが水没する程度となった状態では、水面より上に位置するバランスウエイト7の自重Gが扉体3’を開放させる方向に作用し、また、水没することにより扉体3’に(特に、バランスウエイト7に近い上方よりも確実に水没する扉体3’の下方に)浮力Bが発生することとなる。その結果、かかる状態では、扉体3’が過度に開くこととなり、外水域の水位が排水口2aよりも急激に上昇した場合に、適切に排水口2aを閉塞することができなくなる可能性があるという問題があった。
本考案は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、容易にかつ確実に排水口に対して扉体を全周にわたって均一に接触させ閉塞して、外水域から内水域に水が逆流することを防止することができる水門を提供することを目的とする。
また、簡単な構成で、扉体が水面下に水没し且つバランスウエイトが水面上に位置するような水位であっても、確実に扉体を適切な開度に維持して、その後急激に水位が上昇しても適切に排水口を確実に閉塞して、外水域から内水域に水が逆流することを防止することができる水門を提供することを目的とする。
請求項1の水門に係る考案は、上記目的を達成するため、内水域から外水域に水を流通させる水路に扉体が揺動可能に設けられており、該扉体が揺動することにより前記水路の排水口を開閉する水門であって、前記排水口の上部に設けられた支持アームと、軸によって前記支持アームに回動可能に支持されるとともに前記扉体を支持する連結部材と、
該連結部材の前記軸と前記扉体との中間部に設けられたバランスウエイトとを備えており、該バランスウエイトは、水中で浮力を発生させるものにより構成されており、該バランスウエイトによって、前記扉体は、水路から排出される水に押圧されない状態で前記排水口を開放し、水路から排出される水に押圧されるとさらに前記排水口を開放するよう揺動され、さらに、前記外水域の水位が排水口よりも上昇した場合に前記バランスウエイトが発生する浮力によって前記扉体が前記排水口を閉塞するよう揺動されるものにおいて、前記扉体が前記連結部材に対して相対的に揺動可能に支持されていることを特徴とする。
請求項2の水門に係る考案は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の考案において、前記扉体が、その側面の上部に設けられた上部支持軸と、該上部支持軸から下方に所定距離隔てた位置に設けられた下部支持軸とを有しており、前記連結部材が、前記上部支持軸を中心に回動可能に支持する上部軸穴と、前記上部支持軸を中心として扉体が回動するのに伴って前記下部支持軸が所定の範囲内で移動するのを許容する下部軸穴とを有することを特徴とする。
請求項3の水門に係る考案は、上記目的を達成するため、請求項2に記載の考案において、前記下部軸穴が長穴であることを特徴とする。
請求項4の水門に係る考案は、上記目的を達成するため、請求項1〜3のいずれか1項に記載の考案において、前記水路の排水口と前記扉体との互いに接する面のいずれか一方に、シール部材が設けられていることを特徴とする。
請求項5の水門に係る考案は、上記目的を達成するため、内水域から外水域に水を流通させる水路に扉体が揺動可能に設けられており、該扉体が揺動することにより前記水路の排水口を開閉する水門であって、前記排水口の上部に設けられた支持アームと、軸によって前記支持アームに回動可能に支持されるとともに前記扉体を支持する連結部材と、該連結部材の前記軸と前記扉体との中間部に設けられたバランスウエイトとを備えており、該バランスウエイトは、水中で浮力を発生させるものにより構成されており、該バランスウエイトによって、前記扉体は、水路から排出される水に押圧されない状態で前記排水口を開放し、水路から排出される水に押圧されるとさらに前記排水口を開放するよう揺動され、さらに、前記外水域の水位が排水口よりも上昇した場合に前記バランスウエイトが発生する浮力によって前記扉体が前記排水口を閉塞するよう揺動されるものにおいて、
前記扉体が水没し且つ前記バランスウエイトが水没していない状態で、前記扉体が前記排水口を閉じる方向に作用するカウンタウエイトが設けられていることを特徴とする。
請求項6の水門に係る考案は、上記目的を達成するため、請求項5に記載の考案において、前記扉体が、その上方に下方と比較して大きな浮力を発生させるフロートを有していることを特徴とする。
請求項7の水門に係る考案は、上記目的を達成するため、請求項5または6のいずれかに記載の考案において、前記扉体が前記連結部材に対して相対的に揺動可能に支持されていることを特徴とする。
請求項8の水門に係る考案は、上記目的を達成するため、請求項7に記載の考案において、前記扉体が、その側面の上部に設けられた上部支持軸と、該上部支持軸から下方に所定距離隔てた位置に設けられた下部支持軸とを有しており、前記連結部材が、前記上部支持軸を中心に回動可能に支持する上部軸穴と、前記上部支持軸を中心として扉体が回動するのに伴って前記下部支持軸が所定の範囲内で移動するのを許容する下部軸穴とを有することを特徴とする。
請求項9の水門に係る考案は、上記目的を達成するため、請求項8に記載の考案において、前記下部軸穴が長穴であることを特徴とする。
請求項10の水門に係る考案は、上記目的を達成するため、請求項5〜9のいずれか1項に記載の考案において、前記水路の排水口と前記扉体との互いに接する面のいずれか一方に、シール部材が設けられていることを特徴とする。
請求項1の考案では、軸によって支持アームに回動可能に支持され扉体を支持する連結部材の前記軸と前記扉体との中間部に、バランスウエイトが設けられている。このバランスウエイトは、扉体と均衡して容易に揺動させるとともに、水中で浮力を発生させ、さらに、扉体が水路から排出される水に押圧されない状態で排水口を僅かに開放した状態に維持するよう機能するものである。そのため、扉体は、動力を用いることなく、バランスウエイトによって水路から排出される水に押圧されない状態で排水口を開放した状態に維持され、その結果、水路を流れる水の量が少ない場合であっても確実に排水することができる。また、水路から排出される水が増量すると、この水によって扉体が押圧されてさらに排水口を開放するようバランスウエイトによって容易に揺動されるため、この増量した水を遅滞なく確実に排水することができる。さらに、外水域の水位が排水口よりも上昇した場合には、連結部材に設けられたバランスウエイトの発生する浮力によって前記扉体が排水口を閉塞するよう確実に揺動されるため、下流側の水位が上流側の水位よりも高い場合に確実に排水口を閉塞して逆流を防止することができる。そして、これらの扉体の動きには動力を必要とすることなく、しかもバランスウエイトが扉体と均衡させるだけでなく、水中で浮力を発生するため、バランスウエイトと別にフロートを設ける必要がないことからコンパクトな構成となり、水門を設置する場所が限定されることなく、低コストで水門を設置することができる。そして、バランスウエイトの浮力により連結部材の揺動によって最初に扉体の一部だけが排水口に接した場合であっても、その後に下流側の水圧により扉体が連結部材に対して相対的に揺動するため、排水口に対して扉体が全周にわたって均一に接触して確実に閉塞することとなる。
請求項2の考案では、請求項1に記載の考案において、前記扉体が、その側面の上部に設けられた上部支持軸と、該上部支持軸から下方に所定距離隔てた位置に設けられた下部支持軸とを有しており、前記連結部材が、前記上部支持軸を中心に回動可能に支持する上部軸穴と、前記上部支持軸を中心として扉体が回動するのに伴って前記下部支持軸が所定の範囲内で移動するのを許容する下部軸穴とを有することにより、前記扉体が前記連結部材に対して相対的に揺動可能に支持することが可能な構造を具現化することができる。
請求項3の考案では、請求項2に記載の考案において、前記下部軸穴が長穴であることにより、下部軸穴の、前記上部支持軸を中心として扉体が回動するのに伴って前記下部支持軸が所定の範囲内で移動するのを許容することが可能な構造を具現化することができる。
請求項4の考案では、請求項1〜3のいずれか1項に記載の考案において、前記水路の排水口と前記扉体との互いに接する面のいずれか一方に、シール部材が設けられていることにより、さらに排水口と扉体との間から水が漏れるのを確実に防止することが可能な水門を具現化することができる。
請求項5の考案では、軸によって支持アームに回動可能に支持され扉体を支持する連結部材の前記軸と前記扉体との中間部に、バランスウエイトが設けられている。このバランスウエイトは、扉体と均衡して容易に揺動させるとともに、水中で浮力を発生させ、さらに、扉体が水路から排出される水に押圧されない状態で排水口を僅かに開放した状態に維持するよう機能するものである。そのため、扉体は、動力を用いることなく、バランスウエイトによって水路から排出される水に押圧されない状態で排水口を開放した状態に維持され、その結果、水路を流れる水の量が少ない場合であっても確実に排水することができる。また、水路から排出される水が増量すると、この水によって扉体が押圧されてさらに排水口を開放するようバランスウエイトによって容易に揺動されるため、この増量した水を遅滞なく確実に排水することができる。さらに、外水域の水位が排水口よりも上昇した場合には、連結部材に設けられたバランスウエイトの発生する浮力によって前記扉体が排水口を閉塞するよう確実に揺動されるため、下流側の水位が上流側の水位よりも高い場合に確実に排水口を閉塞して逆流を防止することができる。そして、これらの扉体の動きには動力を必要とすることなく、しかもバランスウエイトが扉体と均衡させるだけでなく、水中で浮力を発生するため、バランスウエイトと別にフロートを設ける必要がないことからコンパクトな構成となり、水門を設置する場所が限定されることなく、低コストで水門を設置することができる。そして、さらにカウンタウエイトが設けられていることにより、前記扉体が水没し且つ前記バランスウエイトが水没していない場合であっても、
扉体が前記排水口を閉じる方向に作用するため、バランスウエイトによる扉体の開放が抑制されることとなり、水没することにより発生する扉体の浮力や、また、水面上に位置するバランスウエイトの自重に影響されることなく、確実に扉体を適切な開度に維持することができる。
請求項6の考案では、請求項5に記載の考案において、前記扉体が、その上方に下方と比較して大きな浮力を発生させるフロートを有していることにより、前記扉体が水没し且つ前記バランスウエイトが水没していない状態で、カウンタウエイトによる前記扉体を前記排水口に対して閉塞させる作用を補助することができる。
請求項7の発明では、請求項5または6のいずれかに記載の考案において、前記扉体が前記連結部材に対して相対的に揺動可能に支持されていることにより、バランスウエイトの浮力により連結部材の揺動によって最初に扉体の一部だけが排水口に接した場合であっても、その後に下流側の水圧により扉体が連結部材に対して相対的に揺動するため、排水口に対して扉体が全周にわたって均一に接触して確実に閉塞することとなる。
請求項8の発明では、請求項7に記載の考案において、前記扉体が、その側面の上部に設けられた上部支持軸と、該上部支持軸から下方に所定距離隔てた位置に設けられた下部支持軸とを有しており、前記連結部材が、前記上部支持軸を中心に回動可能に支持する上部軸穴と、前記上部支持軸を中心として扉体が回動するのに伴って前記下部支持軸が所定の範囲内で移動するのを許容する下部軸穴とを有することにより、前記扉体が前記連結部材に対して相対的に揺動可能に支持することが可能な構造を具現化することができる。
請求項9の考案では、請求項8に記載の考案において、前記下部軸穴が長穴であることにより、下部軸穴の、前記上部支持軸を中心として扉体が回動するのに伴って前記下部支持軸が所定の範囲内で移動するのを許容することが可能な構造を具現化することができる。
請求項10の考案では、請求項5〜9のいずれか1項に記載の考案において、前記水路の排水口と前記扉体との互いに接する面のいずれか一方に、シール部材が設けられていることにより、さらに排水口と扉体との間から水が漏れるのを確実に防止することが可能な水門を具現化することができる。
請求項1の考案によれば、扉体が連結部材に対して相対的に揺動可能に支持されているという簡単な構成で、下流側の水位が上流側の水位よりも高い場合に確実に扉体が排水口を閉塞して下流から上流への逆流を防止することが可能な構造の水門を提供することができる。
請求項2の考案によれば、請求項1に記載の考案において、扉体が、その側面の上部に設けられた上部支持軸と、該上部支持軸から下方に所定距離隔てた位置に設けられた下部支持軸とを有しており、前記連結部材が、前記上部支持軸を中心に回動可能に支持する上部軸穴と、前記上部支持軸を中心として扉体が回動するのに伴って前記下部支持軸が所定の範囲内で移動するのを許容する下部軸穴とを有することにより、下流側の水位が上流側の水位よりも高い場合に確実に排水口を閉塞して逆流を防止することができる構造の水門を容易に提供することができる。
請求項3の考案によれば、請求項2に記載の考案において、前記下部軸穴が長穴であることにより、下流側の水位が上流側の水位よりも高い場合に確実に排水口を閉塞して逆流を防止することができる構造の水門を容易に提供することができる。
請求項4の考案によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の考案において、前記水路の排水口と前記扉体との互いに接する面のいずれか一方に、シール部材が設けられていることにより、下流側の水位が上流側の水位よりも高い場合に確実に排水口を閉塞して逆流を防止することができる構造の水門を容易に提供することができる。
請求項5の考案によれば、扉体が水没し且つ前記バランスウエイトが水没していない状態で、前記扉体が前記排水口を閉じる方向に作用するカウンタウエイトが設けられているという簡単な構成で、扉体が水面下に水没し且つバランスウエイトが水面上に位置するような水位であっても、確実に扉体を適切な開度に維持して、その後急激に水位が上昇しても適切に排水口を確実に閉塞して、外水域から内水域に水が逆流することを防止することが可能な水門を提供することができる。
請求項6の考案によれば、請求項5に記載の考案において、前記扉体が、その上方に下方と比較して大きな浮力を発生させるフロートを有していることにより、扉体が水面下に水没し且つバランスウエイトが水面上に位置するような水位であっても、さらに確実に扉体を適切な開度に維持して、その後急激に水位が上昇しても適切に排水口を確実に閉塞して、外水域から内水域に水が逆流することを防止することが可能な水門を提供することができる。
請求項7の考案によれば、請求項5または6のいずれかに記載の考案において、前記扉体が前記連結部材に対して相対的に揺動可能に支持されていることにより、下流側の水位が上流側の水位よりも高い場合にも、確実に扉体が排水口を閉塞して下流から上流への逆流を防止することが可能な構造の水門を提供することができる。
請求項8の考案によれば、請求項7に記載の考案において、扉体が、その側面の上部に設けられた上部支持軸と、該上部支持軸から下方に所定距離隔てた位置に設けられた下部支持軸とを有しており、前記連結部材が、前記上部支持軸を中心に回動可能に支持する上部軸穴と、前記上部支持軸を中心として扉体が回動するのに伴って前記下部支持軸が所定の範囲内で移動するのを許容する下部軸穴とを有することにより、下流側の水位が上流側の水位よりも高い場合にも、確実に排水口を閉塞して逆流を防止することができる構造の水門を容易に提供することができる。
請求項9の考案によれば、請求項8に記載の考案において、前記下部軸穴が長穴であることにより、下流側の水位が上流側の水位よりも高い場合にも、確実に排水口を閉塞して逆流を防止することができる構造の水門を容易に提供することができる。
請求項10の考案によれば、請求項5〜9のいずれか1項に記載の考案において、前記水路の排水口と前記扉体との互いに接する面のいずれか一方に、シール部材が設けられていることにより、下流側の水位が上流側の水位よりも高い場合にも、確実に排水口を閉塞して逆流を防止することができる構造の水門を容易に提供することができる。
本考案の水門の実施の一形態を説明するために、外水域の水位が上昇してバランスウエイトが水没し、その浮力により連結部材が揺動して扉体の一部が最初に排水口に接した状態(a)と、その後外水域の水圧によって扉体が連結部材に対して相対的に揺動して排水口に対して全面にわたって均等に接して閉塞した状態(b)を説明するために示した側面図である。 本考案の水門の第2の実施の形態を説明するために、扉体のみが水没してバランスウエイトが水面上に位置する状態(a)と、その後水位が上昇して扉体が排水口をその全面にわたって均等に接して閉塞した状態(b)を説明するために示した側面図である。 本考案の第2の実施の形態による水門の変形例を説明するために示した側面図である。 従来の技術において、扉体が排水口を完全に閉塞できない状態を説明するために示した側面図である。 従来の技術において、扉体のみが水没してバランスウエイトが水面上に位置して、扉体が過度に開いた状態を説明するために示した側面図である。
本考案の水門の実施の一形態を、図1に基づいて説明する。なお、図においては、右方が上流側となり、左方が下流側となる。また、図において、同一の部分または相当する部分には、同一の符号を付するものとする。
本考案の水門1は、概略、内水域から外水域に水を流通させる水路2に扉体3が揺動可能に設けられており、この扉体3が揺動することにより水路2の排水口2aを開閉するものであって、排水口2aの上部に設けられた支持アーム5と、軸4によって支持アーム5に回動可能に支持されるとともに扉体3を支持する連結部材6と、連結部材6の軸4と扉体3との中間部に設けられたバランスウエイト7とを備えており、バランスウエイト7は、水中で浮力を発生させるものにより構成されており、バランスウエイト7の重量モーメントによって、扉体3は、水路2から排出される水に押圧されない状態で排水口2aを開放し、水路2から排出される水に押圧されるとさらに排水口2aを開放するよう揺動され、さらに、外水域の水位が排水口2aよりも上昇した場合にバランスウエイト7が水没して発生する浮力によって扉体3が排水口2aを閉塞するよう揺動されるよう構成されたものにおいて、扉体3が連結部材6に対して相対的に揺動可能に支持されている。
そして、この実施の形態においては、扉体3が連結部材6に対して相対的に揺動可能に支持されるための構造として、扉体3が、その側面の上部に設けられた上部支持軸30と、この上部支持軸30から下方に所定距離隔てた位置に設けられた下部支持軸31とを有しており、連結部材6が、上部支持軸30を中心に回動可能に支持する上部軸穴60と、上部支持軸30を中心として扉体3が回動するのに伴って下部支持軸31が所定の範囲内で移動するのを許容する下部軸穴61とを有している。
さらにまた、この実施の形態においては、水路2の排水口2aと扉体3との互いに接する面のいずれか一方に、シール部材8が設けられている。
この実施の形態における水路2は、水の流れに対して垂直な断面が略矩形に形成された樋管により構成されている。水路2は、堤防の内側の支流河川などの内水域と、河川や海岸、ダムなどの外水域との間に設けられている。この実施の形態における水路2は、例えば断面が略矩形に形成することができ、また、例えば断面円形に形成することができる。水路2の排水口2aの端面は略鉛直に成形されている。
水路2の排水口2a近傍の上面(以下、スラブと呼ぶ)には、支持アーム5の基部が設けられている。支持アーム5は、後述するように、扉体3が排水口2aを閉塞したときにバランスウエイト7が干渉しないように湾曲して成形されている。そして、支持アーム5の先端に設けられた軸4は、排水口2aの上方であって、排水口2aの端面よりも外水域側にオフセットされて位置している。扉体3は、水路2の排水口2aを閉塞し得る大きさおよび形状で、板状に形成されている。この実施の形態では、扉体3の排水口2側の面であって、少なくとも排水口2aと接する部分全体に、弾性を有するゴムなどからなるシール部材8が設けられている。扉体3が排水口2aに接する状態では、シール部材8が扉体3と排水口2aとに間に介在して扉体3が排水口2aを確実に水密に閉塞することができる。なお、シール部材8は、排水口2aの扉体3と接する端面に設けることもできる。
連結部材6は、この実施の形態では、第1連結部材6Aと第2連結部材6Bとにより構成されている。第1連結部材6Aの一端は扉体3の上部を支持し(この支持構造については後で詳しく説明する)、他端はバランスウエイト7に接続されている。第2連結部材6Bの一端は支持アーム5の軸4に支持されており、他端はバランスウエイト7に接続されている。そして、第1連結部材6Aと第2連結部材6Bは、互いの間に所定の角度を形成するように、バランスウエイト7に対して異なる箇所に連結されている。また、第1連結部材6Aと第2連結部材6Bは、互いの角度や、扉体3とバランスウエイト7のそれぞれ質量、バランスウエイト7が発生させる浮力などに応じて、所定の長さを有している。少なくとも、水路2の排水口2aから排出される水に扉体3が押圧されない状態(以下、この状態を基準状態という)、および、水路2の排水口2aよりも外水域の水位が上昇して扉体3が排水口2aを閉塞した状態(以下、この状態を閉塞状態という)では、バランスウエイト7が軸4よりも排水口2a側(内水域側)に位置するよう、バランスウエイト7が連結部材6の中間部に設けられている。この第1連結部材6Aと第2連結部材6Bの長さや、互いの角度などバランスウエイト7に対して接続する位置を調整することにより、揺動する扉体3とバランスウエイト7とを容易に均衡させ、また、基準状態における扉体3の排水口2aに対する位置(開度)を調整するよう、後述するようにバランスウエイト7によるモーメントを任意に調整することができる。
バランスウエイト7は、扉体3の質量と連結部材6の長さによるモーメントに応じた質量を有しており、その内部には、密閉可能な空間7aが形成されている。空間7a内には、バランスウエイト7に水中で浮力を発生させ得る物質として、例えば、常温下で大気圧の空気、または、発泡材が封入されている。そのため、バランスウエイト7は、扉体3の質量と均衡して軸4を中心として容易に揺動することができるよう機能するだけでなく、水中で浮力を発生する機能も有している。空間7aの大きさを適切に調整することにより、水中でバランスウエイト7により発生させる浮力を容易に調整することができる。なお、バランスウエイト7の空間7aに空気を封入する場合は、バランスウエイト7が水中で浮力を発生させるよう安価に構成することができる。また、バランスウエイト7の空間7aに発泡材を封入する場合は、バランスウエイト7が破損するなどして空間7aが密閉されない状態となった場合でも、確実に水中で浮力を発生させるよう構成することができる。しかしながら、本考案は、この実施の形態に限定されることはなく、水中でバランスウエイト7に浮力を発生させ得る物質であれば、空気や発泡材以外のものを採用することができる。
また、本考案は、上述した実施の形態に限定されることはなく、水路2が樋管により構成されておらず、排水口2aの周囲に壁面が形成されている場合(図3を参照)に、この壁面に支持アームを設け、支持アームの先端の軸4に第2連結部材6Bを支持することもできる。この場合には、特に、水路2が上面にスラブ(図1)を有しておらず設置スペースが限られる場合であっても、水門1を確実に設置することができる。
また、連結部材6は、第1連結部材6Aと第2連結部材6Bとに分けて構成することなく一体で屈曲させるように成形して、その一端を扉体3の上部と接続するとともに、その他端を支持アーム5の軸4と接続し、その中間部の所定の位置にバランスウエイト7を設けてもよい。また、連結部材6は、第1連結部材6Aと第2連結部材6Bとに分けて構成することなく、図2および図3に参照されるように全体を板状に成形して、軸4とバランスウエイト7を図1に示した実施の形態と同様に作用するよう配置することもできる。
扉体3の側面には、その上部に上部支持軸30がそれぞれ設けられており、この上部支持軸30から所定の間隔をおいた下方に下部支持軸31がそれぞれ設けられている。一方、連結部材6の下方端(一方端)には、上部支持軸30を回動可能に軸支するための上部軸孔60がそれぞれ設けられており、また、この上部軸穴60から所定の距離をおいて、下部支持軸31を所定の範囲で移動可能に受ける下部軸穴61がそれぞれ設けられている。この下部軸穴61は、連結部材6の幅方向に延びる直線状または円弧状の長穴により構成されている。
以上のように構成された水門1では、支持アーム5の先端に設けられた軸4が、排水口2aの上方であって、排水口2aの端面よりも外水域側に位置しており、軸4と接続された連結部材6の中間部に設けられたバランスウエイト7が軸4よりも排水口2a側に位置している。そのため、水路を流れる水が少なく扉体3を押圧しない基準状態では、バランスウエイト7の自重によって扉体3が水路2の排水口2aを僅かに開放した状態となっている。したがって、水路2を流れる僅かな量の水は、排水口2aから下流の外水域に流出することができ、また、流れる水に含まれる塵芥が扉体3と排水口2aとの間に挟まれることがない。
そして、水路2を流れる水の量が増加して扉体3を押圧する場合には、その流れる水の水圧によって扉体3が基準状態から、動力を用いることなく、軸4を中心としてさらに扉体3が水路2の排水口2aを開放するよう回動する。このとき、流れる水の水圧に応じて、バランスウエイト7によって扉体3が容易に回動することができる。また、水路2を流れる水の量が減少してその水圧によって扉体3が押圧されなくなると、動力を用いることなく、直ちに扉体3は基準位置に復帰することとなる。
一方、図1に示したように、外水域の水位が内水域または水路2内の水位よりも高くなり(つまり、排水口2aの下流側の水位が上流側の水位よりも高くなり)、バランスウエイト7が浸水すると、動力を用いることなく、連結部材6の中間部に設けられたバランスウエイト7の浮力によって扉体3が排水口2aを閉塞するよう軸4を中心として直ちに且つ確実に回動する。このとき、図1の(a)に示したように、扉体3の一部(図1の(a)では上部)が最初に排水口2aの端面に接する場合がある。しかしながら、このような場合であっても、図1の(b)に示すように排水口2aの下流側の水圧Pによって扉体3が排水口2aに対して押圧されて、扉体3の上部支持軸30が連結部材6の上部軸穴60に対して回動するとともに、下部支持軸31が長穴である下部軸穴61を移動する、すなわち、扉体3が連結部材6に対して相対的に回動する。そのため、扉体3と連結部材6との間に無理な力が加わることなく、扉体3が排水口2aの端面全体に接して閉塞することとなる。そして、扉体3と排水口2aとの間にシール部材8が介在していることにより水密が保たれ、排水口2aの下流側から上流側に逆流するのを確実に防止することができる。
なお、扉体3の下部が最初に排水口2aの端面に接する場合であっても、上部が最初に排水口2aの端面に接する場合(図1の(a))と同様に、扉3体が連結部材6に対して相対的に回動するため、扉体3が排水口2aの端面全体に接することとなる。
次に、本考案の第2の実施の形態を、主に図2に基づいて詳細に説明する。この実施の形態においては、上述した第1の実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
本考案のこの実施の形態における水路は、概略、内水域から外水域に水を流通させる水路2に扉体3が揺動可能に設けられており、この扉体3が揺動することにより水路2の排水口2aを開閉するものであって、排水口2aの上部に設けられた支持アーム5と、軸4によって支持アーム5に回動可能に支持されるとともに扉体3を支持する連結部材6と、連結部材6の軸4と扉体3との中間部に設けられたバランスウエイト7とを備えており、バランスウエイト7は、水中で浮力を発生させるものにより構成されており、バランスウエイト7によって、扉体3は、水路2から排出される水に押圧されない状態で排水口2aを開放し、水路2から排出される水に押圧されるとさらに排水口2aを開放するよう揺動され、さらに、外水域の水位が排水口2aよりも上昇した場合にバランスウエイト7が発生する浮力によって扉体3が排水口2aを閉塞するよう揺動されるよう構成されたものにおいて、扉体3が水没し且つバランスウエイト7が水没していない状態で、扉体3を排水口2aを閉じる方向に作用するカウンタウエイト9が設けられている。
そして、この実施の形態においては、扉体3が、その上方に下方と比較して大きな浮力を発生させるフロート35を有している。
この実施の形態における連結部材6は、全体が板状に成形されており、所定の位置に軸4が設けられている。バランスウエイト7とカウンタウエイト9は、軸4を中心として互いに所定の成す角を形成するように、それぞれ軸4から所定の距離を隔てて連結部材6の所定の位置に配設される。バランスウエイト7が内部に空間7aを有する中空であるのに対して、カウンタウエイト9は、図2の(a)に示すように、扉体3が水中に位置し且つバランスウエイト7が水面から出るような状態の水位のときに、扉体3が排水口2aを閉じるように作用し得るような質量を有しており、また、連結部材6の軸4から所定の距離を有する位置に取り付けられている。本考案は、この実施の形態に限定されることはなく、第1の実施の形態と同様に連結部材6を第1連結部材6Aと第2連結部材6Bとに分けて構成し、さらに、軸4を超えるように第2連結部材6Bを延長して、この軸4を超えて延長した部分にカウンタウエイト9を設けることもできる。
なお、この第2の実施の形態においても、上述した第1の実施の形態と同様に、扉体3の側面に上部支持軸30と下部支持軸31がそれぞれ設けられており、連結部材6の下方端(一方端)に上部軸孔60と長穴である下部軸穴61がそれぞれ設けられており、扉体3が連結部材6に対して相対的に揺動可能に支持されている。また、この実施の形態にける扉体3は、排水口2aと対向する面にシール部材8が設けられている。なお、扉体3が連結部材6に対して相対的に揺動可能に支持されていること、そして、シール部材8が設けられていることが望ましいが、これらは、この実施の形態における水門1に必須の構成要素ではない。
さらに、この実施の形態にける扉体3は、水中で浮力を発生させる複数のフロート35a、35b、35cを有している。フロート35a〜35cは、扉体3の排水口2aを閉塞する状態のときの上方と中段と下方とに配置されている。これらのフロート35a〜35cは、扉体3を補強する横桁を利用して設けることができる。なお、中段のフロート35bと下部のフロート35cの上面は、塵芥の付着を防止することができるよう、垂直の状態の扉体3に対して傾斜させることが望ましい。
また、本考案は、上述した実施の形態に限定されることはなく、図3に示すように、水路2が樋管により構成されておらず、排水口2aの周囲に壁面が形成されている場合に、この壁面に支持アーム5を設け、支持アーム5の先端の軸4に連結部材6を支持することもできる。この場合には、特に、水路2が上面にスラブ(図1)を有しておらず設置スペースが限られる場合であっても、水門1を確実に設置することができる。
以上のように構成された第2の実施の形態における水門1では、支持アーム5の先端に設けられた軸4が、排水口2aの上方であって、排水口2aの端面よりも外水域側に位置しており、軸4と接続された連結部材6の中間部に設けられたバランスウエイト7が軸4よりも排水口2a側に位置している。そのため、水路を流れる水が少なく扉体3を押圧しない基準状態では、バランスウエイト7の自重によって扉体3が水路2の排水口2aを僅かに開放した状態となっている。したがって、水路2を流れる僅かな量の水は、排水口2aから下流の外水域に流出することができ、また、流れる水に含まれる塵芥が扉体3と排水口2aとの間に挟まれることがない。なお、この第2の実施の形態においては、連結部材6の軸4により軸支された位置を挟んでバランスウエイト7とは反対側にカウンタウエイト9が設けられているため、上述した第1の実施の形態と比較して、基準状態で扉体3が水路2の排水口2aを開放する角度が小さくなる。
そして、水路2を流れる水の量が増加して扉体3を押圧する場合には、その流れる水の水圧によって扉体3が基準状態から、動力を用いることなく、軸4を中心としてさらに扉体3が水路2の排水口2aを開放するよう回動する。このとき、流れる水の水圧に応じて、バランスウエイト7によって扉体3が容易に回動することができる。また、水路2を流れる水の量が減少してその水圧によって扉体3が押圧されなくなると、動力を用いることなく、直ちに扉体3は基準位置に復帰することとなる。なお、この第2の実施の形態においては、連結部材6にカウンタウエイト9が設けられているため、上述した第1の実施の形態と比較して、容易に短時間で扉体3が基準位置に復帰することができる。
一方、扉体3が水没し且つバランスウエイト7が水没していない場合に、図5に示したように従来の技術では、扉体3が水中に位置することにより浮力Bが生じており、また、バランスウエイト7が浮力を生じていないのでその自重Gが作用することにより、扉体3が排水口2aを過度に開くこととなる場合が考えられる。しかしながら、本考案の第2の実施の形態では、図2の(a)および図3の(a)に示したように、連結部材6にカウンタウエイト9が設けられており、さらに、扉体3の上方に下方と比較して大きな浮力を発生させるフロート35を有している。そのため、図2の(a)および図3の(a)に示したような水位の状態でも、扉体3が排水口2aを過度に開くことがなく、扉体3が確実に適切な開度に維持される。
そして、図2の(b)および図3の(b)に示したように、外水域の水位が内水域または水路2内の水位よりも高くなり(つまり、排水口2aの下流側の水位が上流側の水位よりも高くなり)、バランスウエイト7が浸水すると、動力を用いることなく、連結部材6の中間部に設けられたバランスウエイト7の浮力と、水中でのカウンタウエイト9の自重とによって扉体3が排水口2aを閉塞するよう軸4を中心として直ちに且つ確実に回動する。
このとき、図2の(a)および図3の(a)に示したように、扉体3の一部(図2の(a)および図3の(a)では上部)が最初に排水口2aの端面に接する場合がある。しかしながら、このような場合であっても、この実施の形態では、扉体3に設けられたフロート35がその上方に浮力を発生させ、また、扉体3が連結部材6に対して相対的に回動する。そして、排水口2aの下流側の水圧Pによって扉体3が排水口2aに対して押圧される。そのため、扉体3と連結部材6との間に無理な力が加わることなく、扉体3が排水口2aの端面全体に接して閉塞することとなる。そして、扉体3と排水口2aとの間にシール部材8が介在していることにより水密が保たれ、排水口2aの下流側から上流側に逆流するのを確実に防止することができる。
なお、扉体3の下部が最初に排水口2aの端面に接する場合であっても、上述した第1の実施の形態と同様に、上部が最初に排水口2aの端面に接する場合(図1の(a))と同様に、扉3体が連結部材6に対して相対的に回動するため、扉体3が排水口2aの端面全体に接することとなる。
また、図3に示した実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態にも適用することができる。すなわち、図3に示したように、排水口2aの周囲の壁面に支持アーム5を設け、図1に示したように構成された扉体3、およびバランスウエイト7を有する(カウンタウエイト9を有しない)連結部材6の第1連結部材6Bを軸4により回動可能に軸支することもできる。
本考案は、扉体の大きさや重量、想定される水の流量などの条件に応じて、バランスウエイトを連結部材に対して設ける位置や、バランスウエイトにより発生させる浮力の大きさなどを調整することができる。また、本考案は、これらの条件に応じて、扉体の連結部材に対する揺動角度も、調整することができる。さらに、本考案は、これらの条件に応じて、カウンタウエイトを連結部材に対して設ける位置や、カウンタウエイトの質量などを調整することができる。
1:水門、 2:水路、 2a:排水口、 3:扉体、 4:軸、 5:支持アーム、 6:連結部材、 6A:第1連結部材、 6B:第2連結部材、 7:バランスウエイト、 7a:空間、 8:シール部材、 30:上部支持軸、 31:下部支持軸、 60:上部軸穴、 61:下部軸穴、 9:カウンタウエイト、 35:フロート

Claims (10)

  1. 内水域から外水域に水を流通させる水路に扉体が揺動可能に設けられており、該扉体が揺動することにより前記水路の排水口を開閉する水門であって、
    前記排水口の上部に設けられた支持アームと、
    軸によって前記支持アームに回動可能に支持されるとともに前記扉体を支持する連結部材と、
    該連結部材の前記軸と前記扉体との中間部に設けられたバランスウエイトとを備えており、
    該バランスウエイトは、水中で浮力を発生させるものにより構成されており、
    該バランスウエイトによって、前記扉体は、水路から排出される水に押圧されない状態で前記排水口を開放し、水路から排出される水に押圧されるとさらに前記排水口を開放するよう揺動され、さらに、前記外水域の水位が排水口よりも上昇した場合に前記バランスウエイトが発生する浮力によって前記扉体が前記排水口を閉塞するよう揺動されるものにおいて、
    前記扉体が前記連結部材に対して相対的に揺動可能に支持されていることを特徴とする水門。
  2. 前記扉体が、その側面の上部に設けられた上部支持軸と、該上部支持軸から下方に所定距離隔てた位置に設けられた下部支持軸とを有しており、
    前記連結部材が、前記上部支持軸を中心に回動可能に支持する上部軸穴と、前記上部支持軸を中心として扉体が回動するのに伴って前記下部支持軸が所定の範囲内で移動するのを許容する下部軸穴とを有することを特徴とする請求項1に記載の水門。
  3. 前記下部軸穴が長穴であることを特徴とする請求項2に記載の水門。
  4. 前記水路の排水口と前記扉体との互いに接する面のいずれか一方に、シール部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水門。
  5. 内水域から外水域に水を流通させる水路に扉体が揺動可能に設けられており、該扉体が揺動することにより前記水路の排水口を開閉する水門であって、
    前記排水口の上部に設けられた支持アームと、
    軸によって前記支持アームに回動可能に支持されるとともに前記扉体を支持する連結部材と、
    該連結部材の前記軸と前記扉体との中間部に設けられたバランスウエイトとを備えており、
    該バランスウエイトは、水中で浮力を発生させるものにより構成されており、
    該バランスウエイトによって、前記扉体は、水路から排出される水に押圧されない状態で前記排水口を開放し、水路から排出される水に押圧されるとさらに前記排水口を開放するよう揺動され、さらに、前記外水域の水位が排水口よりも上昇した場合に前記バランスウエイトが発生する浮力によって前記扉体が前記排水口を閉塞するよう揺動されるものにおいて、
    前記扉体が水没し且つ前記バランスウエイトが水没していない状態で、前記扉体が前記排水口を閉じる方向に作用するカウンタウエイトが設けられていることを特徴とする水門。
  6. 前記扉体が、その上方に下方と比較して大きな浮力を発生させるフロートを有していることを特徴とする請求項5に記載の水門。
  7. 前記扉体が前記連結部材に対して相対的に揺動可能に支持されていることを特徴とする請求項5または6のいずれかに記載の水門。
  8. 前記扉体が、その側面の上部に設けられた上部支持軸と、該上部支持軸から下方に所定距離隔てた位置に設けられた下部支持軸とを有しており、
    前記連結部材が、前記上部支持軸を中心に回動可能に支持する上部軸穴と、前記上部支持軸を中心として扉体が回動するのに伴って前記下部支持軸が所定の範囲内で移動するのを許容する下部軸穴とを有することを特徴とする請求項7に記載の水門。
  9. 前記下部軸穴が長穴であることを特徴とする請求項8に記載の水門。
  10. 前記水路の排水口と前記扉体との互いに接する面のいずれか一方に、シール部材が設けられていることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の水門。
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