JP3178350U - Aed保温ボックス - Google Patents

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Abstract

【課題】電極パッドの温度低下を効率的に防止することができ、ゲル材質の固化を防止することのできるAED保温ボックスを提供する。
【解決手段】AED保温ボックスの本体3及び蓋20は発泡ウレタン製であり、本体3と蓋20との間には軟質ゴム製のシール部材が介装されて両部材を密閉可能に構成され、収納部内にはヒーターユニットが配設され収納部内の温度が10℃以下とならないように、ヒーターユニットが温度制御可能に設けられた。
【選択図】図7

Description

この考案は、その内部にAED(自動体外式除細動器)を収納するAED保温ボックスに関する。
近年、AED(自動体外式除細動器)が設置される例が増加している。AEDは、心室細動を起こした患者を救助するための救急救命装置であり、専門的知識がなくても除細動を行うべき症例かどうかを前もって自動的に判断することができ、必要な場合には被用者に対して電気ショックを与えて心臓の正常な動きを再開させるものである。心臓が正常な動きを停止してから蘇生するまでの時間の数分単位の差が蘇生後の回復状況に影響し、また、蘇生率・蘇生後の生存率にも影響するため、多数の人が集まる空港、ホテル、公共施設などの設備や、心肺停止の恐れが高まると考えられる設備、例えばスポーツ施設などを中心として設置数が増加している。そして、このようなAEDは、AEDそのものを直接保管する場合の他にも、専用の保温ボックス内に収めて、屋外・屋内の目に付き易く非常時にはすぐに取り出せるようにして設置されていることが多い。
一方、AEDには、電池を備える本体と、ケーブルを介して本体に接続され被用者に対して電気ショックを与えるための電極パッドとが備えられている。そして、この電極パッドは、被用者の胸部の形状に合わせて密着が容易となるようにするために、その内部にゲル材質を全体に渡って備えている(例えば特許文献1)。このようなAEDでは、電極パッドと被用者の肌との間に隙間があると、電気ショックが正確に伝わらなくなる恐れがある。また、被用者の肌に密着させることが困難となり電極パッドの貼り直しなどをして位置を変えてしまうことにより、心電図の波形その他データが変わる可能性があり、より正確な診断と処置の妨げとなる可能性がある。そこで、前述のように被用者の胸部の形状に適切に密着させるようにするためにゲル材質が備えられている。このため、AEDが正常に作動するように備えておくために、定期的な電池交換の他に、ゲル材質の固化による機能低下などの支障を避けるために、電極パッドの交換期間についても定められており、所定期間経過後には電極パッドの交換が推奨されている。
実用新案登録第3149313号公報
従来の保温ボックスは、前述のように、非常時に直ぐに取り出せるように屋外・屋内を問わず公衆の目に付き易い場所に設置されることが多い。このため、設置される場所の環境によりAEDの温度も大きく左右される。このため、寒冷地や寒冷時には被用者の胸部に合わせて密着可能となる柔軟性を失うほど電極パッドの温度が低下する恐れもある。しかしながら、従来のAED保温ボックスは電極パッドの温度低下を効果的に防止できるような材質、構造となっておらず、ヒーターによる温度低下防止の効率性は良くなかった。また、従来のAED保温ボックスでは、単にヒーターを備えて温度制御を行うだけであり、ゲル材質が固化しないような温度制御を具体的に行うことはできなかった。
本考案が解決しようとする目的は、前述の従来技術の問題点を解決するものであり、電極パッドの温度低下を効率的に防止することができ、ゲル材質の固化を防止することのできるAED保温ボックスを提供することにある。
上記課題を解決するものは以下のものである。
AED(自動体外式除細動器)をその内部に収納する収納部を備えるとともに開閉可能な蓋を備えたAED保温ボックスであって、前記AED保温ボックスの本体及び前記蓋は発泡ウレタン製であり、前記本体と前記蓋との間には軟質ゴム製のシール部材が介装されて両部材を密閉可能に構成され、前記収納部内にはヒーターユニットが配設され前記収納部内の温度が5℃以下とならないように、前記ヒーターユニットが温度制御可能に設けられたことを特徴とするものである。
このように発泡ウレタン製の本体及び蓋とするとともに、シール部材により本体と蓋とを密閉可能に構成する。これにより、収納部内の温度低下を低減することができるので、ヒーターユニットによる温度制御が容易になる。また、ヒーターユニットによる消費電力量を低減することもできる。収納部内の温度を5℃以下とならないように制御することにより、AEDの電極パッドに用いられているゲル材質を5℃以下とならないようにし、ゲル材質が柔軟性を失わないように構成されている。
また、本考案の第二の手段のAED保温ボックスは、第一の手段のAED保温ボックスであって、前記収納部内の温度が10℃以下とならないように、前記ヒーターユニットが温度制御可能に設けられたことを特徴とするものである。
収納部内の温度が10℃以下とならないように制御することにより、5℃以下でその柔軟性が失われることを懸念される電極パッドのゲル材質について、5℃以下とならないように十分な余裕をとって温度低下によるゲル材質の柔軟性の喪失を防止することができる。
また、本考案の第三の手段のAED保温ボックスは、第一の手段又は第二の手段のAED保温ボックスであって、前記本体及び前記蓋が硬質発泡ウレタン製であることを特徴とするものである。
本体及び蓋を硬質発泡ウレタン製とすることにより、収納部への断熱効果をもたらすことができるとともに、所定以上の強度を確保することができる。
また、本考案の第四の手段のAED保温ボックスは、第一の手段から第三の手段のいずれかのAED保温ボックスであって、前記本体及び前記蓋の厚みが20mm〜30mmであることを特徴とするものである。
このような厚みの本体及び蓋とすることにより、内部の保温効果を高めることができる。
また、本考案の第五の手段のAED保温ボックスは、第一の手段から第四の手段のいずれかのAED保温ボックスであって、前記ヒーターユニットのヒーター本体がシート状に形成されたことを特徴とするものである。
このようにヒーター本体をシート状に形成することにより、収納部内の空間を効率よく用いることができる。
また、本考案の第六の手段のAED保温ボックスは、第五の手段のAED保温ボックスであって、前記ヒーター本体が、側面視L字状のシート状に形成されたことを特徴とするものである。
L字状のシート状にヒーター本体を形成することにより、横方向及び下方からAEDを効率よく保温することができる。
本考案のAED保温ボックスは前述のように構成されており、ヒーターユニットの温度制御が容易であり収納部内の温度を10℃以下にさげないように制御されるので、AEDの電極パッド内のゲル材質が温度低下により固化することを防止することができる。よって、AEDの使用の際の不具合のおそれを低減することができる。
図1は、本考案のAED保温ボックスの正面図である。 図2は、蓋を除いた本考案のAED保温ボックスの正面図である。 図3は、蓋を除いた本考案のAED保温ボックスの平面図である。 図4は、蓋を除いた本考案のAED保温ボックスの右側面図である。 図5は、蓋を除いた本考案のAED保温ボックスの左側面図である。 図6は、本考案のAED保温ボックスの斜視図である。 図7は、蓋を開いた状態の本考案のAED保温ボックスの斜視図である。
本考案のAED保温ボックスについて、図面を参照して詳細に説明する。本考案のAED保温ボックス1は、図1から図7に示されるように、外形はほぼ直方体状とされ、内部には、図7に示されるようなAED10を収納する空洞状の収納部2を備えた箱状に形成されているものである。また、その正面側には、本体3に対して開閉可能な蓋20がヒンジ7により取り付けられている。
本体3及び蓋20は、発泡ウレタンの一種である硬質発泡ウレタンにより構成されている。本例では、各々、その厚みが約25mmとされている。このように約25mmの厚みの発泡ウレタンとすることにより、後述するように、AED保温ボックス1の保温性を確保している。なお、本体3及び蓋20の厚みは20mm〜30mmの範囲で適宜選択できる。また、本体3及び蓋20の内側表面には、高反射・遮熱・断熱・放射塗料が塗布されている。よって、後述するように、AED10を収納する収納部2内の急激な温度低下を防止することができる。なお、本例ではこのような特別の塗料を塗布するものとしたが、寒冷地以外の地域や、完全に屋外とされる場所では無い等の条件によっては、このような塗料を塗布する必要はない。また、本体3及び蓋20の外側表面には遮熱塗料が塗布されており、炎天下等での表面温度の上昇を抑えるように構成されている。外側表面についても、寒冷地以外の地域や、完全に屋外とされる場所では無い等の条件によっては、遮熱塗料を塗布する必要はない。
図2に示されるように、本体3の底面には、ヒーターユニット5の電源コード8を挿通するための電源コード用孔4が開口されている。電源コード8には、電源コード用孔4の外側に対応する位置にケーブルグランドが取り付けられており、電源コード用孔4をその外側から閉止して、収納部2内を密閉できるように構成されている。なお、この電源コード用孔4内周面にパッキン又は中空ゴムを取り付け、電源コード8周りに密着させて収納部2内を密閉することとしても良い。また、本体3の背面側に、本体3を壁などに取り付けるためのフックなどを設けることとしても良い。また、本体3の正面寄りの部位のうち蓋20と接触する部位には、蓋20を開けた際に鳴るブザー(図示省略)が取り付けられており、蓋20が開いた状態であることを警告できるように構成されている。
本体3の収納部2は以下のように構成されている。前述の通り、収納部2内にはAED10が収納される。収納されたAED10は、使用時又は交換時以外はこの収納部2内に収納されたままの状態となる。収納部2内にはシート状のヒーター本体6が配設されている。図4に示されるように、このヒーター本体6は本体3の左側方からみて「L字」状で、本体3の正面から見て長方形状に形成されている。このような「L字」状に形成することによりAED10に対して後方及び下方の双方から温めることができ、また、庫内全体の保温効率も高めることができる。ヒーター本体6は前述の電源コード7と共にヒーターユニット5を構成する。本例では、ヒーター本体6はカーボンナノチューブを織り込んだカーボンシートヒーターを用いており、通電時にヒーター本体6全体が均一に温まるように構成されている。また、一部に孔が開くなど破損した場合であっても温めることができる。また、本例ではヒーター本体6はポリウレタン製のカバーで被覆されている。さらに、ヒーター本体6の正面側の表面上に、パンチング加工された塩化ビニール製又はポリカーボネート製のネットを設けても良い。
ヒーターユニット5は、収納部2内の温度が10℃以下とならないように制御される。また、ヒーターユニット5は、収納部2内の温度が15℃以上になると保温を停止するように制御されている。このヒーターユニット5は、シリコンラバーヒーターなどとは異なり、自己制御型ヒーターである。よって、直接温度制御を行う必要は無い。またこのため、故障などでオーバーヒートなどするおそれを低減することができ、長期間保管されるAED10の温度管理をする目的では好適である。
図1に示されるように、蓋20は、本体3の正面側に設けられており、前述の通り、本体3の正面視右端部に取り付けられたヒンジ7によって、本体3に対して開閉自在に取り付けられている。蓋20の正面側には、正面視左寄りにレバーハンドル22が、正面視右寄りに窓24が設けられている。レバーハンドル22を操作することにより蓋20を開けることができる。窓24はポリカーボネート製の透明の材料で形成されており、AED保温ユニット1の外部から収納部2内を目視可能とするように構成されている。また、収納部2内には、前述したヒーターユニット5が適正に通電状態となっていることを示して発光するLEDが設けられている。このLEDは、透明な窓24から通電状態を確認することができる。また、この窓24は二重構造に設けられており、収納部2内の断熱効果をより一層高めるように構成されている。
また、本体3の正面側の端部には、蓋20との間に介装されるパッキン又は中空ゴムが取り付けられており、このパッキン又は中空ゴムにより、本体3と蓋20とがシールされ収納部2が密閉可能となるように構成されている。
以上のように構成されたAED保温ボックス1においては、前述の材質・厚み及び密閉構造を採用することにより、AED10の保温を効率良く実現することができる。よって、AED保温ボックス1の断熱効果を高めることができ、ヒーターユニット5の消費電力量を低減することができる。例えば、従来のAED保温ボックスでは100W(1A)であるところ、本AED保温ボックス1では40W(0.4A)で足りる。また、ヒーターユニット5によって収納部2内の温度が10℃以下とならないように制御されているので、寒冷地等において設置されている場合でも、AED10内のゲル材質の柔軟性が失われず、使用時には被用者の胸部の形状に適切に合わせて変形させることができる。
また、前述の材質・厚み及び密閉構造を採用することにより、AED保温ボックス1の重量を軽減することもできるので、取付け時の作業時間を短縮することができ、また、取付けの補強のための特別な支持材や取付工具などを必要とすることもない。例えば、従来の鉄製AED保温ボックスでは60kgであるところ、本AED保温ボックス1では8kgに抑えることができる。
本考案はAEDを収納するAED保温ボックスとして広く用いることができる。
1;AED保温ボックス、2;収納部、3;本体、4;電源コード用孔、5;ヒーターユニット、6;ヒーター本体、7;ヒンジ、8;電源コード、10;AED、20;蓋、22;レバーハンドル、24;窓。

Claims (6)

  1. AED(自動体外式除細動器)をその内部に収納する収納部を備えるとともに開閉可能な蓋を備えたAED保温ボックスであって、前記AED保温ボックスの本体及び前記蓋は発泡ウレタン製であり、前記本体と前記蓋との間には軟質ゴム製のシール部材が介装されて両部材を密閉可能に構成され、前記収納部内にはヒーターユニットが配設され前記収納部内の温度が5℃以下とならないように、前記ヒーターユニットが温度制御可能に設けられたことを特徴とするAED保温ボックス。
  2. 前記収納部内の温度が10℃以下とならないように、前記ヒーターユニットが温度制御可能に設けられたことを特徴とする請求項1に記載のAED保温ボックス。
  3. 前記本体及び前記蓋が硬質発泡ウレタン製であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のAED保温ボックス。
  4. 前記本体及び前記蓋の厚みが20mm〜30mmであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のAED保温ボックス。
  5. 前記ヒーターユニットのヒーター本体がシート状に形成されたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のAED保温ボックス。
  6. 前記ヒーター本体が、側面視L字状のシート状に形成されたことを特徴とする請求項5に記載のAED保温ボックス。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP3215864U (ja) * 2018-02-07 2018-04-19 株式会社セキヤマ・ジェー・ティー 断熱材
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KR20240006730A (ko) * 2022-07-06 2024-01-16 건양대학교산학협력단 심장제세동기 보관백

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