JP3178298B2 - 熱履歴測定素子及びそれを用いた熱履歴測定方法、熱履歴測定装置 - Google Patents

熱履歴測定素子及びそれを用いた熱履歴測定方法、熱履歴測定装置

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JP3178298B2
JP3178298B2 JP09406795A JP9406795A JP3178298B2 JP 3178298 B2 JP3178298 B2 JP 3178298B2 JP 09406795 A JP09406795 A JP 09406795A JP 9406795 A JP9406795 A JP 9406795A JP 3178298 B2 JP3178298 B2 JP 3178298B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温となる密閉系,駆
動系内部、例えば各種炉内の温度測定を行うための温度
測定素子として機能する、或は熱履歴を検知し機械的変
形によりアクチュエータとして機能する新規な熱履歴測
定素子及びそれを用いた熱履歴測定方法、熱履歴測定装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】温度測定に関しては、特に約400〜1
000℃における密閉系,駆動系内部、例えば各種炉内
の温度測定を行うための温度測定素子としては、従来、
例えば以下に示すようなものが使用されている。
【0003】先ず、熱電対を用いた測定素子がある。こ
れは、異なる2種類の金属を各一端部にて接合してなる
ものである。この接合部を加熱すると、各金属間にはそ
の温度差に応じて電位差、即ちいわゆる熱起電力が生じ
る。組み合わされる金属の種類によって温度と熱起電力
との関係は一意に決定されるので、この熱起電力を測定
することにより温度を知ることができる。
【0004】また、加熱された物体の温度がある特定温
度以上或は以下であることを判別するためのいわゆる示
温材がある。これは、溶融性化合物を有機バインダで各
種形状に固めたものである。この示温材を例えば炉内に
設置し、これが溶融するか否かにより指示温度以上か以
下かを判定する。
【0005】一方、温度に応じて機械的変形をする素子
として、例えばバイメタルがある。これは2種類の熱膨
張特性の異なる金属を貼り合わせた構造からなり、温度
上昇とともに反り量が増大するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これらの温
度測定素子には、以下に示すような問題がある。
【0007】先ず、熱電対を用いた温度測定素子におい
ては、温度の被測定部と熱起電力を読み取る部分が、電
気的に接続されていなければならず、そのために熱電対
先端を温度を測定したい場所に配置する工夫が必要とな
る。したがって、外界との接触が困難な系、或は測定部
が駆動する系等では使用が非常に困難である。
【0008】また、上記示温材においては、加熱により
溶融する際に有機バインダが燃焼してガスが発生する。
したがって、このガスにより測定系が汚染される危険性
があり、また減圧環境下ではガスの発生によって系が攪
乱されるために使用不能である。
【0009】さらに、この示温材においては、その性質
上、測定温度範囲を連続的にカバーすることができな
い。すなわち、1種類の示温材の指示温度は一点、例え
ば、示温材Aの指示温度は825℃、示温材Bは855
℃等である。すなわち、ユーザは、示温材A,示温材B
の双方を被測定物である例えば炉内に設置し、示温材A
は溶融したが示温材Bは溶融しないという状態を見て、
炉内温度は約840℃と推察する。
【0010】したがって、上記示温材を用いて未知の温
度を知るためには、多数の示温材を被測定物に設置する
必要がある。それでも、各種示温材の指示温度の間隔は
数十度あるため測定精度は良くない。
【0011】一方、温度に応じた機械的変形(湾曲)を
示すバイメタルは、冷えるとともに戻る一過性の変形を
示し、経験した温度を記憶するものではない。すなわ
ち、熱履歴に対応するセンサ或はアクチュエータではな
い。熱履歴による熱的疲労が蓄積し、熱的損傷に至って
も、上記バイメタルでは検知できず、また、蓄積した疲
労度(熱的疲労度)に対応した行動(機械的変形)を起
こすこともできない。さらに、材質・構造上、数百度の
高温下では使用できない。
【0012】一般に、系に生じた熱的疲労そのものを捉
えることは極めて困難である。そこで、その系に熱的疲
労を生じさせる熱履歴を代わりに検知することが考えら
れる。このような熱履歴は、温度のみならず、所定温度
以上の状態に晒されたトータルな時間も主要なパラメー
タとして含む。
【0013】ところで、系に熱的疲労を生じさせる熱履
歴を記憶し、その量に応じた機械的変形により外部へ働
きかける機能を併せ持つ材料或は素子は現存しないと思
われる。これらを実現するためには、熱を検知するセン
サや、時間軸に対して温度変化を記録(記憶)する素
子、熱履歴のうち系に熱的疲労を生じさせる部分を判断
し、それらを積算し、系が受けた全熱的疲労を数値化す
る回路、その量に応じて外界へ働きかける機構等からな
る、複雑なシステムを構築しなければならない。
【0014】本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提案
されたものであり、測温したい場所が例えば密閉系や駆
動系の内部等の場合でも正確且つ容易に熱履歴測定が可
能であり、しかも約100度の温度範囲を連続的にカバ
ーすることができ、構造が極めて単純であるために作製
が容易な温度測定素子としての熱履歴測定素子及びそれ
を用いた熱履歴測定方法を提供することを目的とするも
のである。
【0015】さらに、本発明は、熱的疲労を生じさせる
熱履歴を選択的に記憶し、その量に応じた機械的変形に
より外部へ働きかけることのできる、上記温度測定素子
と同構造の熱履歴測定素子及びそれを用いた熱履歴測定
方法を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、高温となる密
閉系,駆動系内部、例えば各種炉内の温度の測定を行う
ための温度測定素子としての熱履歴測定素子及びそれを
用いた熱履歴測定方法を対象とし、且つ、高温に晒され
得る系の熱履歴を探知し、それに応じた機械的変形によ
り外部へ働きかける熱履歴測定素子及びそれを用いた熱
履歴測定方法、熱履歴測定装置を対象とするものであ
る。
【0017】本発明の熱履歴測定素子は、結晶化ガラス
よりなる第1ガラス層と、非晶質ガラスよりなる第2ガ
ラス層とからなり、前記第1ガラス層と前記第2ガラス
層が互いに溶融接合されてなることを特徴とするもので
ある。
【0018】このとき、熱履歴により第1ガラス層と第
2ガラス層との界面に反応層が形成され、この反応層の
厚さとして周辺環境の受けた熱履歴が記憶されるように
し、具体的には、熱履歴に応じて当該熱履歴測定素子が
反り等の機械的変形をするように構成し、例えば反り量
により熱履歴が測定されるようにすることが好適であ
る。また、上記機械的変形によりアクチュエータとして
機能するように構成することも好ましい。
【0019】上記温度測定素子においては、反応層が成
長し得る温度、或は前記温度における保持時間が熱履歴
として選択的に測定され、具体的には反応層が成長し得
る温度領域における加熱温度と加熱時間を積算したもの
が熱履歴として測定される。
【0020】この場合、第1ガラス層の材料である結晶
化ガラスについて、その軟化点が第2ガラス層の材料で
ある非晶質ガラスの軟化点より高いものである必要があ
る。
【0021】さらに、第1ガラス層と第2ガラス層を溶
融接合させる際に、両層の界面に形成された反応層領域
における平均の軟化点が第2ガラス層の材料である非晶
質ガラスの軟化点より高いことが必要である。
【0022】また、本発明の熱履歴測定方法は、上記熱
履歴測定素子を被測定物近傍に配し、当該熱履歴測定素
子の反りを測定することにより被測定物近傍の熱履歴を
測定することを特徴とするものである。
【0023】このとき、上記熱履歴測定装置としては、
上記熱履歴測定素子と、前記熱履歴測定素子に光を照射
する光照射手段とを備え、被測定物近傍に配された熱履
歴測定素子に光照射手段より光を照射し、その反射光の
反射方向により熱履歴を検知するものが好適である。
【0024】また、他の熱履歴測定装置としては、上記
熱履歴測定素子と、前記熱履歴測定素子の機械的変形を
検知する検出手段とを備え、熱履歴により生じる熱履歴
測定素子の機械的変形により前記検出手段が動作され、
熱履歴を検出するものも好適である。
【0025】
【作用】本発明の熱履歴測定素子においては、結晶化ガ
ラスよりなる第1ガラス層と非晶質ガラスからなる第2
ガラス層が互いに溶融接合されて構成されているので、
一定温度以上の加熱により、第1ガラス層と第2ガラス
層との接合部である界面反応層が非可逆的に成長するこ
とになる。ここで、当該反応層の成長度、即ち反応層厚
は所定の一定温度以上の加熱温度及び加熱時間と一意の
関係がある。
【0026】反応層は非晶質ガラスに比して高融点化す
るため、反応層の成長とともに見かけの固着点が上昇す
る。それに伴って、上記第2ガラス層に発生する張力が
増大してこの張力のかかる方向に反りが発生する。この
反り量は上記反応層厚と一意的な関係にあり、上記所定
の一定温度以上に加熱されると、温度とともに、或は加
熱時間とともに上記反り量は増大し、一定温度以下の温
度では反り量の増加が停止する。
【0027】すなわち、当該熱履歴測定素子において
は、熱履歴が反り量と一意に対応する反応層厚として記
憶、積算されるため当該熱履歴測定素子作製時からの非
可逆的な反り量の変化分を測定することにより、当該熱
履歴測定素子が設置された周辺環境である被測定物が経
験した熱履歴を正確且つ容易に把握することが可能とな
る。また、上記所定の一定温度は、使用される結晶化ガ
ラス及び非晶質ガラスを適宜選択することにより、当該
熱履歴測定素子の目的に応じて制御可能である。
【0028】
【実施例】以下、本発明の熱履歴測定素子を適用したい
くつかの具体的な実施例について、図面を参照しながら
詳細に説明する。
【0029】先ず、第1実施例について述べる。本例に
おいては、当該熱履歴測定素子を温度測定素子として適
用した。これは、後述する第2実施例において述べる熱
履歴測定の特別な場合といえる。すなわち、図2の
(1)に示すような単一熱処理の場合であり、且つ、保
持時間は既知であり、温度は不明であるが一定であるこ
とが前提である。
【0030】この温度測定素子は、図1に示すように、
結晶化ガラスよりなる第1ガラス層11と、非晶質ガラ
スからなる第2ガラス層12とから構成されているもの
であり、両者の界面にはガラスを溶融した際に反応層1
3が形成されている。この反応層13は、温度測定の際
に所定温度以上の加熱により成長するものであるが、測
定範囲を拡くし、且つ測定精度を良好にするため、反応
層13はできるだけ薄く、約1μm以下となることが望
ましい。また、この温度測定素子の形状は任意である
が、温度測定時における反り量を感度良く測定するため
に図示の如く縦幅/横幅のアスペクト比を大きくした直
方体形状であることが好ましい。
【0031】上記温度測定素子を作製するには、第1ガ
ラス層の材料である結晶化ガラスの軟化点が第2ガラス
層の材料である非晶質ガラスの軟化点より高いことが必
要であることを考慮して、先ず第1ガラス層11の材料
である結晶化ガラスとして、株式会社コーニング製商品
名フォトセラム(以下、ガラスAと記す)を用い、第2
ガラス層12の材料である非晶質ガラスとして鉛ガラス
(以下、ガラスBと記す)を用いる。この非晶質ガラス
は図3に示すような粘度特性を有する材料である。
【0032】上記ガラスA及びガラスBの熱膨張特性を
図4に示す。ここで、Tgはガラス転移点、Tcは屈伏
点をそれぞれ示す。第1ガラス層11(ガラスA)の厚
みは、この両者の熱膨張特性を考慮し、温度測定時に上
記温度測定素子に適切な反りが発生するように適宜決定
される。
【0033】なお、上記素子作製時には、反りが殆ど生
じないことが望ましく、いわゆる整合接合する熱膨張特
性を有する材料組合せとすることが好ましい。
【0034】そして、図5に示すように、非晶質ガラス
のガラス棒21(或は板ガラス等)を溶融させて、例え
ば図示の如き寸法を有する第1ガラス層11上に融着さ
せる。このときの熱処理パターンとしては、図6に示す
ように、第1ガラス層11上にガラス棒21を載置さ
せ、空気中において、先ず1分毎に5℃の割合で加熱す
る。所定の溶融温度に到達したところで所定の保持時間
温度を一定として第1ガラス層11と上記非晶質ガラス
を融着させて上記図1に示す温度測定素子が完成する。
ここで、融着させることで形成される反応層13は、上
述のように1μm以下が望ましく、したがって、上記融
着温度は第1ガラス層11の表面全面に非晶質ガラスが
流れて拡がり第2ガラス層12が形成される最低温度で
あればよい。この融着温度における保持時間についても
同様の理由によりできるだけ短時間であることが好まし
い。
【0035】なお、本実施例においては、上記温度測定
素子の測定温度範囲は540〜640℃であり、この温
度測定素子の作製時における融着温度は540℃(粘度
104.84ps)、保持時間は1時間とする。また、この
ときの温度管理は熱電対を用いて行うものとする。
【0036】このようにして作製した温度測定素子を用
いて加熱温度とその反り量との関係を調べた。その方法
としては、図7に示すように、熱電対により温度制御さ
れている電気炉にて、540℃以上640℃以下の適当
な温度数点において各温度につき1つずつ温度測定素子
を用いて一定時間の間、温度測定素子を加熱し、このと
きの各反り量dを逐次測定すればよい。このとき反りの
測長間隔を一定とする必要があり、本例では温度測定素
子の長辺を18mmとする。
【0037】上記の測定結果は、図8に示すように、加
熱温度(及び粘度)とそれに依存した反り量はある単調
増加の関係にある。この特性は、作製した温度測定素子
の材料,サイズ,ガラス量の条件によって一意的に定ま
るものであり、温度測定素子の反り量変化は非可逆的で
ある。したがって、同一規格の温度測定素子であれば、
ある加熱後の反り量dからこの温度測定素子が経験した
最高温度を知ることができる。但し、使用に際しては、
指定の加熱時間を守る必要がある。例えば上記温度測定
素子に対して加熱温度を640℃とし、加熱時間を1時
間から3時間にすることにより反り量に図示の如く変化
が生じる。
【0038】ところで、上記温度測定素子の加熱温度の
上昇に伴い、上記反応層13の厚みも、図9に示すよう
に増大する。この関係もまた一意に決定されるものであ
る。したがって、この反応層13の厚みを測定すること
によって、被測定物の加熱温度を認識してもよい。上記
反り量から求めた変位量(図11参照)と反応層13の
厚みとの関係を図10に示す。このように、反り量は、
反応層13の厚みとともに増大することから、反りを生
じさせる力は、反応層13により生成されていると考え
られる。
【0039】反応層13の厚みの増大とともに発生応
力、即ち反り量が増大するメカニズムは以下のように考
えられる。結晶化ガラスよりなる第1ガラス層11は、
非晶質ガラスからなる第2ガラス層12より高融点の物
質であるため、両者の融合によって形成される界面反応
層13は第2ガラス層12よりも高融点化する。このた
め、ガラス接合における、いわゆる見かけの固着点が上
昇する。その結果、当該温度測定素子中に引っ張り応力
が発生し、機械的変形である反りが発生する。この概念
を図12に示す。ここで、実線c,gはそれぞれ結晶化
ガラス,非晶質ガラスの熱膨張率曲線を示し、冷却時に
非晶質ガラス中に発生する応力を実線atで示す。見か
けの固着点が初期状態TaからTbに上昇することによ
り、結晶化ガラスの収縮曲線は見かけ上破線aからbに
シフトし、その結果、発生応力曲線はat からbt にシ
フトする。すなわち、室温におけるガラス中の引っ張り
応力が増加する。なお、反応層13が高融点化している
様子は、いわゆるXMA等による元素分布状態の解析に
より、定性的にではあるが把握することが可能である。
【0040】第1ガラス層11と第2ガラス層12との
組合せにおいて、見かけの固着点と発生応力との関係を
算出した結果を図13に示す。見かけの固着点の上昇と
ともに引っ張り応力が急激に増大し、発生する応力値は
反応層13の厚みの増加に伴って発生する応力値と略々
同じオーダーであることがわかる。例えば、反応層13
の厚みが0から10μmへ増大するのに伴って見かけの
固着点が425℃から435℃へ上昇すると考えれば、
反応層13の厚みの増加に伴う発生応力の増加を説明で
きる。
【0041】但し、反応層13の厚みが十分大きくなる
と、この厚み増加とともに反り量が増大する現象は、2
層構造体による見かけの固着点の上昇モデルでは説明で
きず、当該熱履歴測定素子を、第1ガラス層11/反応
層13/第2ガラス層12の3層構造体と見なして考え
る必要がある。
【0042】上記熱履歴測定素子は、第2ガラス層12
が軟化変形し得る温度(屈服点Tc以上の温度)では、
機械的変形(反り)が解消される。これは、第2ガラス
層12が軟化変形するため、発生応力がただちに緩和さ
れるからである。そして、熱履歴測定素子は、冷却によ
る第2ガラス層12の粘度増加に伴って応力が発生し、
冷却後、形成された反応層13の厚みに応じた、即ち熱
履歴に応じた反りを示すことになる。
【0043】なお、上記温度測定素子の測定可能な温度
範囲は540℃〜640℃であるが、本発明はこれに限
定されず、材料の組合せを変えることにより400℃〜
1000℃の間で任意の約100℃の温度範囲が測定可
能となる。使用するガラスの102 〜105 psの粘度
範囲に対応する温度範囲が測定可能な範囲である。例え
ば、非晶質ガラスとして、図14に示す特性を有するも
のを用いることにより、温度範囲460℃〜560℃の
温度測定素子が得られる。
【0044】上記温度測定素子について、従来の熱電対
及び示温材との比較を踏まえた特徴をまとめると、以下
に表1のようになる。
【0045】
【表1】
【0046】上記表1において、温度測定の連続性及び
測定温度幅については、熱電対では1000℃の範囲内
で連続的な測定が可能であるのに対して、示温材ではあ
る特定の温度以下或は以上であることがわかるのみであ
る。また、熱電対は測定系内/外の電気的接続が必要で
あり、示温材は加熱時に有機ガスが発生し、温度誤差の
非常に大きい。それに対して、上記温度測定素子は、温
度測定をほぼ連続的に行うことができ、測定温度幅が約
100度と広く、被測定部との接続は不要であり、材料
が無機物であるために加熱の際にガスが発生することは
なく、温度誤差は数℃程度である。このように上記温度
測定素子は、測定の際の各条件の全ての項目を満足して
いる。
【0047】上記実施例に係る温度測定素子において
は、結晶化ガラスよりなる第1ガラス層11と非晶質ガ
ラスからなる第2ガラス層12が互いに溶融接合されて
いるので、加熱により、第1ガラス層11と第2ガラス
層12との界面において反応層13が非可逆的に成長す
ることになる。ここで、反応層13の成長度、即ち反応
層厚は加熱温度と一意の関係がある。
【0048】この反応層13は、非晶質ガラスに比し高
融点化するため、反応層13の成長とともに接合におけ
る見かけの固着点が上昇する。それに伴って、上記非晶
質ガラスに生じる張力が増大してこの張力のかかる方向
に反りが発生する。この反り量は上記反応層厚、すなわ
ち加熱温度と一意的な関係がある。したがって、加熱前
後における上記温度測定素子に生じた非可逆的な反り量
の変化分を測定することによって、被測定物の加熱温度
を正確且つ容易に把握することが可能となる。
【0049】また、このとき、上述のように第1ガラス
層11と第2ガラス層12との界面の反応層13の厚み
は加熱温度と一意の関係があるので、この反応層13の
厚みを直接測定、例えば反応層13の断面を見る等の手
法により測定することによっても被測定物の加熱温度を
正確且つ容易に把握することが可能となる。
【0050】次いで、本発明の第2実施例について説明
する。本例においては、熱履歴測定装置を用い、上記第
1実施例のように温度測定素子の周辺環境である被測定
物の最高加熱温度を測定するのみならず、目的とする温
度領域における被測定物の熱履歴を測定する。
【0051】すなわち、図2の(2),(3)のような
熱履歴を測定する。このとき、温度のみならず、T0
上の状態にある時間も未知であり、且つ一定でない。
【0052】ここで、熱履歴の定義について説明する。
ここでいう熱履歴とは、図15に示すように、第1ガラ
ス層11と第2ガラス層12との界面の反応層13が成
長し得る温度であるT0 以上の温度になった際の、熱履
歴測定素子1の加熱温度と加熱時間を積算したもの、即
ち、図15中斜線で示す領域の面積のことである。
【0053】本第2実施例における熱履歴測定素子は、
上記第1実施例の温度測定素子とほぼ同様な構成を有す
るが、図16に示すように、非晶質ガラスからなる第2
ガラス層12の長幅が結晶化ガラスよりなる第1ガラス
層11の長幅より小とされている点で異なる。このよう
に、第1ガラス層11の上面を第2ガラス層12によっ
て完全には覆わないのは、後述するように当該熱履歴測
定素子をアクチュエータとして使用するに際して第1ガ
ラス層11表面の第2ガラス層12を有しない箇所を所
定の支持体に固定するためである。
【0054】なお、第1実施例の素子において、第2実
施例と同様の構成としても何等差し支えはない。
【0055】上記第1実施例の図8及び図9に示すよう
に、熱履歴測定素子(温度測定素子)は、所定温度(こ
こでは、第2ガラス層12の粘度が105 ポアズ以下と
なる530℃程度)以上の高温状態を経験するほど、ま
た同温度でも保持時間が長いほど、反応層13の厚みが
増大して反り量が増加する。
【0056】すなわち、加熱温度、加熱時間、熱処理回
数等の、被測定物に熱的疲労を生じさせる個々のパラメ
ータは、反応層の厚みとして1つのパラメータに統合す
ることができる。そこで本例においては、この性質を利
用して熱履歴測定素子の経験した熱履歴を測定する。
【0057】本第2実施例においては、熱履歴測定素子
1と、当該熱履歴測定素子1にレーザ光を照射するレー
ザ光照射手段32とから構成される熱履歴測定装置を用
い、当該熱履歴測定装置を図17に示すような被測定物
である系21内に設置される。この系21内には、当該
系21の熱的疲労状態を目視できるインジケータ33が
設けられている。
【0058】ここで、熱履歴測定素子1は、上記系21
内の所定箇所に、支持体31に当該熱履歴測定素子1の
第1ガラス層11表面の第2ガラス層12を有しない箇
所1aにて支持固定される。第1ガラス層11の下面に
はミラーであるレーザ光反射部11bが設置されてお
り、レーザ光照射手段32から照射されたレーザ光Lが
レーザ光反射部11bにて反射し、インジケータ33に
入射する。このとき、熱履歴測定素子1の矢印M方向に
反り量が増加することにより反射光であるレーザ光Lの
インジケータ33に対する入射位置が矢印N方向に移動
し、当該系21を構成する材料の使用限界を含めた使用
状態が目視できるようになっている。なおここで、上記
反り量が増加してインジケータ33に表示された使用限
界を示すマーク33aを越えたときに熱履歴測定素子1
の反りによる力等を用いたスイッチング機構が働いて当
該系21における加熱を停止させることも考えられる。
【0059】通常、当該系21の如き高温に晒される系
は、所定温度以上の高温に長時間晒されることにより熱
的疲労が積算されてゆき、熱的損傷へと至る。この熱的
疲労としては、具体的には例えば、上記系21を構成す
る各種材料間の成分の拡散22や、材料に生じるヒビ割
れ23等が考えられる。
【0060】このような熱的疲労は、所定温度以上の高
温に晒される時間及びその温度に依存して促進するもの
であり、低温では殆ど進行しない。したがって、上記系
21の管理においては、所定温度以上の温度及び使用さ
れた積算時間が問題である。当該熱履歴測定素子1は、
経験した温度・時間等の熱履歴を界面反応層の厚みとし
て記憶するため、上記系21がある所定の一定温度・時
間に晒される場合のみならず、一定でない高温・時間に
晒される場合においても、当該系21の疲労限界等を示
すセンサ・アクチュエータとして機能する。
【0061】ここで、1つの実験例について説明する。
この実験は、550℃以上の温度となると熱的疲労が生
じる系において、素子の作製条件を550℃,1時間と
して、650℃,1時間の熱処理を3回経験させたサン
プルをサンプルA、同条件で作製した素子に650℃,
1時間、500℃,1時間、650℃,1時間の熱処理
を経験させたものをサンプルBとして、それぞれ熱履歴
測定素子1の変位量を逐次測定したものである。その結
果、図18及び図19に示すように、サンプルAとサン
プルBとでは熱履歴に応じた異なる変位量を示した。し
たがって、この結果を利用して、上記系21の疲労状態
を十分に知ることができる。
【0062】次いで、本発明の第3実施例について説明
する。本例は、上記第2実施例と同様に、熱履歴測定素
子1を用いて、熱履歴により生じる熱履歴測定素子の機
械的変形により熱履歴を検出するが、熱履歴測定素子1
をスイッチ機構として用いる点で相違する。
【0063】上記第3実施例の熱履歴測定装置は、図2
0に示すように、上記熱履歴測定素子1と、当該熱履歴
測定素子1の機械的変形を検知する検出手段41とから
構成されている。上記検出手段41は、熱履歴測定素子
1に機械的変形が生じて当接する接触部43と、当該接
触部43を支持する弾性部材42とから構成されてお
り、当該弾性部材42の一端が固定されている。
【0064】上記熱履歴測定装置も、上記第2実施例の
場合と同様に系21内に設置され、熱履歴測定素子1に
はその経験した温度・時間等の熱履歴に応じて矢印M方
向に機械的変形として反りが生じる。この反り量が増大
してある一定値に達すると、当該熱履歴測定素子1と検
出手段41の接触部43とが当接して当該接触部43に
圧力が加わって上方へ移動する。すなわち、上記熱履歴
測定素子1が圧電素子として機能することになり、例え
ば、当該系21に蓄積された熱的疲労が限界に達したと
きにスイッチが入るようにすることができる。
【0065】このように、上記熱履歴測定素子1は、上
記系21に生じる熱的疲労を反応層13の厚みとして記
憶、積算し(センサ機能)、それに応じて生じる機械的
変形量から上記系21に蓄積された熱的疲労を判断し
(プロセッサ機能)、また反りという機械的変形により
外部に対して蓄積された熱的疲労に応じた行動を起こす
(アクチュエータ機能)能力を併有するインテリジェン
ト材料である。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、測温したい場所が例え
ば密閉系や駆動系の内部等の場合でも正確且つ容易に温
度測定が可能であり、しかも約100度の温度範囲を連
続的にカバーすることができ、構造が極めて単純である
ために作製が容易な温度測定素子としての熱履歴測定素
子を提供することができる。
【0067】さらに、本発明によれば、高温に晒される
一般の系に対し、温度のみならず、系が経験する熱履
歴、特に系に熱的疲労を生じさせる熱履歴を選択的に探
知し、記憶し、積算し、その量に応じた機械的変形(反
り)により外部に働きかけることができる熱履歴測定素
子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の熱履歴測定素子の一構成例である
温度測定素子を模式的に示す斜視図である。
【図2】様々な熱履歴を示す特性図である。
【図3】非晶質ガラスの粘度特性を示す特性図である。
【図4】結晶化ガラス及び非晶質ガラスの熱膨張特性を
示す特性図である。
【図5】温度測定素子の材料を模式的に示す斜視図であ
る。
【図6】ガラス融着の熱処理パターンを示す特性図であ
る。
【図7】温度測定素子の加熱前後の反り量変化を示す側
面図である。
【図8】加熱温度(及び粘度)と反り量との関係を示す
特性図である。
【図9】加熱温度(及び粘度)と反応層厚との関係を示
す特性図である。
【図10】反り量と反応層厚との関係を示す特性図であ
る。
【図11】素子の反り量と変位との関係を示す模式図で
ある。
【図12】ガラス接合において見かけの固着点が上昇す
るメカニズムを示す特性図である。
【図13】見かけの固着点と発生応力との関係を算出し
た結果を示す特性図である。
【図14】他の非晶質ガラスの粘度特性を示す特性図で
ある。
【図15】第2実施例の熱履歴測定素子の一構成例を模
式的に示す斜視図である。
【図16】熱履歴の定義を示す特性図である。
【図17】第2実施例の熱履歴測定装置が設置される炉
内を示す模式図である。
【図18】炉内の熱履歴を示す特性図である。
【図19】1回の熱処理を示す特性図である。
【図20】第3実施例の熱履歴測定装置を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
1 熱履歴測定素子 11 第1ガラス層 12 第2ガラス層 13 反応層 21 系 32 レーザ光照射手段 33 インジケータ 41 検出手段

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶化ガラスよりなる第1ガラス層と、
    非晶質ガラスよりなる第2ガラス層とからなり、 前記第1ガラス層と前記第2ガラス層が互いに溶融接合
    されてなることを特徴とする熱履歴測定素子。
  2. 【請求項2】 熱履歴により第1ガラス層と第2ガラス
    層との界面に反応層が形成され、この反応層の厚さとし
    て周辺環境の受けた熱履歴が記憶されることを特徴とす
    る請求項1記載の熱履歴測定素子。
  3. 【請求項3】 熱履歴に応じて機械的変形をすることを
    特徴とする請求項1記載の熱履歴測定素子。
  4. 【請求項4】 機械的変形が反りであり、反り量により
    熱履歴が測定されることを特徴とする請求項3記載の熱
    履歴測定素子。
  5. 【請求項5】 機械的変形によりアクチュエータとして
    機能することを特徴とする請求項3記載の熱履歴測定素
    子。
  6. 【請求項6】 熱履歴として、加熱温度、或は加熱時間
    が測定されることを特徴とする請求項1記載の熱履歴測
    定素子。
  7. 【請求項7】 反応層が成長し得る温度、或は前記温度
    における保持時間が熱履歴として選択的に測定されるこ
    とを特徴とする請求項2記載の熱履歴測定素子。
  8. 【請求項8】 反応層が成長し得る温度領域における加
    熱温度と加熱時間を積算したものが熱履歴として測定さ
    れることを特徴とする請求項2記載の熱履歴測定素子。
  9. 【請求項9】 第1ガラス層の材料である結晶化ガラス
    の軟化点が第2ガラス層の材料である非晶質ガラスの軟
    化点より高いことを特徴とする請求項1記載の熱履歴測
    定素子。
  10. 【請求項10】 第1ガラス層と第2ガラス層を溶融接
    合する際に両層の界面に形成される反応層領域における
    平均軟化点が、第2ガラス層を構成する非晶質ガラスの
    軟化点より高いことを特徴とする請求項9記載の熱履歴
    測定素子。
  11. 【請求項11】 結晶化ガラスよりなる第1ガラス層
    と、非晶質ガラスよりなる第2ガラス層とからなり、前
    記第1ガラス層と前記第2ガラス層が互いに溶融接合さ
    れてなる熱履歴測定素子を被測定物近傍に配し、 この熱履歴測定素子の機械的変形により被測定物近傍の
    熱履歴を測定することを特徴とする熱履歴測定方法。
  12. 【請求項12】 結晶化ガラスよりなる第1ガラス層
    と、非晶質ガラスよりなる第2ガラス層とからなり、前
    記第1ガラス層と前記第2ガラス層が互いに溶融接合さ
    れてなる熱履歴測定素子と、 前記熱履歴測定素子に光を照射する光照射手段とを備え
    てなり、 被測定物近傍に配された熱履歴測定素子に光照射手段よ
    り光を照射し、その反射光の反射方向により熱履歴を検
    知することを特徴とする熱履歴測定装置。
  13. 【請求項13】 光照射手段から照射される光がレーザ
    光であることを特徴とする請求項12記載の熱履歴測定
    装置。
  14. 【請求項14】 結晶化ガラスよりなる第1ガラス層
    と、非晶質ガラスよりなる第2ガラス層とからなり、前
    記第1ガラス層と前記第2ガラス層が互いに溶融接合さ
    れてなる熱履歴測定素子と、 前記熱履歴測定素子の機械的変形を検知する検出手段と
    を備えてなり、 熱履歴により生じる熱履歴測定素子の機械的変形により
    前記検出手段が動作され、熱履歴を検出することを特徴
    とする熱履歴測定装置。
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