JP3178106U - 頭部冷暖装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】患者の頭部の冷却及び加温が可能であり、しかも、迅速に温度を調整できる頭部冷暖装置を提供する。
【解決手段】この頭部冷暖装置は、頭部に装着する形状の頭部装着部2と、それを制御する制御部と、を備えて構成され、頭部装着部2は、ペルチェ素子が内蔵されたペルチェ素子モジュール21と、ペルチェ素子モジュール21の裏面が一部に押し当てるか接触させられ熱伝導材22と、熱伝導材22の外方に設けられた断熱材23と、頭部の温度を検知する温度センサー24と、を有し、制御部は、温度センサー24が検知した温度に基づいてペルチェ素子に流れる電流を制御する。
【選択図】図2

Description

本考案は、治療を受ける患者の頭部の温度を調節する頭部冷暖装置に関する。
癌などの治療を目的として化学療法を受ける患者の脱毛を緩和するために、頭部を冷却することが行われている。例えば、特許文献1には、頭部カバーの縁から天頂にかけて数本の管を設けてその中に冷却液を流すことによって頭部を冷却する頭部冷却装置が記載されている。
特表2001−502207号公報
しかし、このような頭部冷却装置は大規模であり、また、冷却液の温度を迅速に調整したり微妙に上げ下げしたりするのはそれほど容易ではない。本願考案者は、もっと簡易であって、頭部の冷却時に迅速に温度を調整できる装置を鋭意研究した。更に、本願考案者は、頭部の癌細胞を温熱療法で死滅させる目的として、頭部の加温も可能であって迅速に温度を調整できる装置を鋭意研究した。
本考案は、係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、患者の頭部の冷却及び加温が可能であり、しかも、迅速に温度を調整できる頭部冷暖装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の頭部冷暖装置は、頭部に装着する形状の頭部装着部と、それを制御する制御部と、を備えて構成され、前記頭部装着部は、ペルチェ素子が内蔵されたペルチェ素子モジュールと、ペルチェ素子モジュールの裏面が一部に押し当てるか接触させられる熱伝導材と、熱伝導材の外方に設けられた断熱材と、頭部の温度を検知する温度センサーと、を有し、前記制御部は、温度センサーが検知した温度に基づいてペルチェ素子に流れる電流を制御することを特徴とする。
請求項2に記載の頭部冷暖装置は、請求項1に記載の頭部冷暖装置において、前記熱伝導材は黒鉛シートを有して構成されることを特徴とする。
請求項3に記載の頭部冷暖装置は、請求項1に記載の頭部冷暖装置において、前記熱伝導材は炭素繊維の短繊維がランダムに配向した炭素繊維フェルトを有して構成されることを特徴とする。
本考案に係る頭部冷暖装置によれば、ペルチェ素子に流れる電流の方向を変えることにより患者の頭部の冷却及び加温が可能であり、また、設定温度付近では電流の量や方向を変えることにより迅速に温度を調整できる。
本考案の実施形態に係る頭部冷暖装置1を示す模式図である。 同上の頭部冷暖装置1の頭部装着部2の断面図である。 同上の頭部冷暖装置1のペルチェ素子モジュール21を示すものであって、(a)が正面図、(b)が右側面図である。
以下、本考案を実施するための好ましい形態を説明する。本考案の実施形態に係る頭部冷暖装置1は、図1に示すように、患者の頭部に装着する形状の頭部装着部2と、それを制御する制御部3と、を備えて構成される。頭部装着部2は、図2に示すように、ペルチェ素子モジュール21と、ペルチェ素子モジュール21の裏面211が一部に接触或いは押し当てられる熱伝導材22と、熱伝導材22の外方に設けられた断熱材23と、頭部の温度を検知する温度センサー24と、を有している。ペルチェ素子モジュール21は、図3に示すように、ペルチェ素子210を内蔵している。制御部3は、温度センサー24が検知した温度に基づいて、各ペルチェ素子210に流れる電流を一対の配線コード4A、4Bを介して制御するものである。図中の4Cは、温度センサー24からの温度信号を制御部3に送るための温度信号ケーブルである。
ペルチェ素子モジュール21は、平板状であって、薄い側面の1つに2個の端子21A、21Bが設けられている。その端子21A、21B間に電圧を印加すると、ペルチェ素子210に電流が流れ、電流の方向に応じて裏面211が吸熱したり放熱したりする。ペルチェ素子モジュール21の表面212は、裏面211が吸熱のときは放熱し、放熱のときは吸熱する。ペルチェ素子モジュール21の裏面211の温度は、制御部3による電流の制御によって、例えば−40℃〜+150℃の範囲の調節が可能である。頭部装着部2において、ペルチェ素子モジュール21は、通常、複数個用いられ、各々に割り当てられた一対の配線コード4A、4Bが接続される。場合によっては、全てのペルチェ素子モジュール21に共通の一対の配線コード4A、4Bを接続してもよい。
熱伝導材22は、高い熱伝導性を有するものであって、ペルチェ素子モジュール21の裏面211の温度を伝達するものである。熱伝導材22は、黒鉛シートを有して構成されるのが好ましい。黒鉛シートは、通常、膨張黒鉛が箔状になったものである。或いは、炭素繊維の短繊維がランダムに配向した炭素繊維フェルトを有して構成されるのが好ましい。黒鉛シートや炭素繊維フェルトは、せん断などに対する強度が高く、かつ、可撓性を有する。黒鉛シートや炭素繊維フェルトは、更に、加温したときに遠赤外線を多量に放射するので、頭部の癌細胞を温熱療法で死滅させる目的の場合に、熱が伝導し難い頭蓋骨を通過して、内部の加温も容易になる。熱伝導材22が黒鉛シートの場合は、頭部装着部2の厚みを非常に薄くできる。また、黒鉛シートの中に金属線を縦横の網目状に埋め込んで強度を高めることも可能である。
断熱材23は、熱伝導材22を外気から熱的に遮断するものである。既知の保温性の良い素材を用いればよい。温度センサー24は、サーミスタなどである。
制御部3は、配線コード4A、4Bが接続される端子と、温度信号ケーブル4Cが接続される端子と、現在温度、設定温度、経過時間などが表示される表示パネル(図示せず)と、電源オンオフや温度設定などのためのスイッチ(図示せず)などが設けられている。制御部3により低温が設定されると、ペルチェ素子モジュール21の裏面211の温度が低くなるように、すなわち冷却するように配線コード4A、4Bに電流を流す。設定温度に近づくと、電流量を減少したり、電流を止めたり、或いは多少加温するように逆方向に電流を流したりして、迅速に温度を調整して設定温度に一致させることができる。一方、制御部3により高温が設定されると、ペルチェ素子モジュール21の裏面211の温度が高くなるように、すなわち加温するように配線コード4A、4Bに電流を流す。設定温度に近づくと、電流量を減少したり、電流を止めたり、或いは多少冷却するように逆方向に電流を流したりして、迅速に温度を調整して設定温度に一致させることができる。また、治療の途中で設定温度を変更した場合、電流の方向や量を変えることによって冷却又は加温して迅速に温度を調整できる。
なお、ペルチェ素子モジュール21の表面212には、風を当てて放熱や吸熱をし易いようにしておくのが好ましい。
以上、本考案の実施形態に係る頭部冷暖装置1について説明したが、本考案は、上述の実施形態に記載したものに限られることなく、実用新案登録請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。例えば、頭部の感触ためや熱伝導材22の汚れ防止などのために、薄い部材を熱伝導材22の内方に設けてもよい。また、頭部装着部2の具体的な形状はさまざまなものが可能である。頭部装着部2の所々に孔を開けるようにすることも可能である。
1 頭部冷暖装置
2 頭部装着部
21 ペルチェ素子モジュール
210 ペルチェ素子
22 熱伝導材
23 断熱材
24 温度センサー
3 制御部

Claims (3)

  1. 頭部に装着する形状の頭部装着部と、それを制御する制御部と、を備えて構成され、
    前記頭部装着部は、ペルチェ素子が内蔵されたペルチェ素子モジュールと、
    ペルチェ素子モジュールの裏面が一部に押し当てるか接触させられる熱伝導材と、
    熱伝導材の外方に設けられた断熱材と、
    頭部の温度を検知する温度センサーと、を有し、
    前記制御部は、温度センサーが検知した温度に基づいてペルチェ素子に流れる電流を制御することを特徴とする頭部冷暖装置。
  2. 請求項1に記載の頭部冷暖装置において、
    前記熱伝導材は黒鉛シートを有して構成されることを特徴とする頭部冷暖装置。
  3. 請求項1に記載の頭部冷暖装置において、
    前記熱伝導材は炭素繊維の短繊維がランダムに配向した炭素繊維フェルトを有して構成されることを特徴とする頭部冷暖装置。
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