JP3177560U - バンドヒータおよびバンドヒータを用いたオーブン - Google Patents

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Abstract

【課題】バンドヒータとその外周に巻きつけられる加熱対象との間に隙間を生じることなく常に密着性が維持され、バンドヒータの加熱性能が低下することがないバンドヒータとそれを用いたオーブンを提供する。
【解決手段】バンドヒータ1の両端部の一方側の連結部5aに貫通孔を穿設してロッド6を挿通するとともに、ロッド6の先端部をバンドヒータ1の他方側の連結部5bに固定し、ロッド6の他端部に貫通孔より外径の大きなワッシャ7を挿設する。ワッシャ7とバンドヒータ1の連結部5aとの間に圧縮バネ9を配設してなる係止機構10により、バンドヒータ1の両連結部5a、5bを連結して、圧縮バネ9の弾性力の作用のもとに、バンドヒータ1を加熱対象(オーブン2の側面壁4)の外周に巻きつけて取り付ける。
【選択図】図1

Description

本考案は、バンドヒータおよびバンドヒータを用いたオーブンに関し、特に、加熱対象の外周に巻きつけて用いるバンドヒータの係止機構に関する。
分析機器に用いる試薬や分析試料は、その分析条件によって長時間にわたり一定温度に保つ必要があるが、通常、それら試薬や分析試料はバイアル内に収容され、これをオーブンの室内に収納して一定温度に維持するようにしている。しかも、この種オーブンの温度領域としては、低温域(室温〜約100℃)から高温域(約200℃〜約300℃)までの幅広い温度領域で使用されるのが普通である。
このようなオーブンの加熱手段としては、たとえば、バンドヒータがオーブンの室内を形成する側面壁の外周に巻きつけられて用いられる。
また、オーブンの側面壁の材料には、加熱の均一性や効率を高めるため、伝熱性に優れた純アルミニウムまたはアルミニウム合金などが用いられることが多い。
一般的なバンドヒータは、通電により発熱するニクロム線を耐熱マイカ板で絶縁し、ステンレス鋼板(SUS)で外装した薄肉円筒形のヒータであるが、このようなバンドヒータを加熱対象(筒状部材)の外周へ装着固定する係止手段としては、たとえば、特許文献1には、平行な状態で間隔を隔てて配置された二つの軸部を有し、一方の軸部がハウジング(ヒータ)の一方の端部に周方向に回動自在に係止された掛け具と、ハウジングの他方の端部に設けられ、掛け具の他方の軸部が係脱自在に係止されるフック部とを有し、掛け具が、一方の軸部と他方の軸部とを、各軸部の間で各軸部と平行に設けられた第三の軸部で揺動可能な状態で保持する構造、たとえば、一方の軸部をもつ板状の本体と他方の軸部をもつとともに第三の軸部で板状の本体に接続された自由辺部とを備えたクランプ機構が記載されている(図1参照)。
また、特許文献2には、バンドヒータ本体を、加熱対象の筒状部材に巻装した後、治具本体の係止長孔にバンドヒータ本体の一方の座金部を挿入係止し、かつ、治具の掛止具自由辺部を、バンドヒータ本体の他方の座金部に係止させ、この状態から板状部材を回動させることで、バンドヒータ本体の両端部を引き寄せつつ、バンドヒータ本体に装着された掛け具の一辺を、バンドヒータ本体の他方のフック部に係止させてバンドヒータ本体の両端部を連結する構成が記載されている(図1参照)。
さらに、ハウジング(ヒータ)の両端部から外方に突設された連結筒部をもち、この連結筒部を貫通する螺子孔にボルトナットを装着して、これを緊締することで加熱対象の筒状部材の外周に装着固定する構造が記載されている(図6、図7参照)
特開2007−87905号公報 特開2000−18473号公報
しかしながら、従来のクランプ機構やボルトナットのように剛性の高い部品で加熱対象の筒状部材に係止または緊締する構成のバンドヒータを、バイアルを暖めるオーブンのように幅広い温度領域の加熱手段として使用するにあたっては、従来の設計では、低温域での使用時におけるバンドヒータとオーブンの側面壁外周との密着性を保つように調整される。したがって、高温域の温度領域においては、純アルミニウムまたはアルミニウム合金などの伝熱性に優れた材料で作製されたオーブンの側面壁とステンレス鋼板(SUS)で外装したバンドヒータには熱膨張率に大きな差があるため、オーブンの側面壁は剛性が失われると同時に大きく膨張し、あまり膨張しないバンドヒータによってオーブンの側面壁が過度に締め付けられ変形することまたは歪むことがあった。
逆に、高温域での使用時におけるオーブンの側面壁の膨張をあらかじめ想定してオーブンの側面壁外周にある程度の隙間をもってバンドヒータを係止または緊締する場合には、低温域ではバンドヒータが緩み、オーブンの側面壁とバンドヒータとの間の密着性が悪くなり、加熱能力および加熱の均一性が低下する問題があった。
本考案は、このような従来技術の課題を解決するため、バイアルを暖めるオーブンのような低温域から高温域の幅広い温度領域においても効率よく加熱対象の筒状部材(オーブンの側面壁)を加熱することができるように、バンドヒータをその外周に容易かつ好適に取り付ける係止機構を備えたバンドヒータおよびそのようなバンドヒータを用いたオーブンを提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、請求項1記載の本考案のバンドヒータは、バンドヒータの両端部に外方向に突起した連結部を設け、連結部の一方側に貫通孔を穿設し、貫通孔にロッドを挿通するとともに、ロッドの先端部をバンドヒータの連結部の他方側に固定し、ロッドの他端部に貫通孔より外径の大きな鍔部を形成し、鍔部とバンドヒータの連結部の一方側との間に圧縮バネを配設してなる係止機構によりバンドヒータの両端部を連結し、圧縮バネの弾性力を利用して、バンドヒータを加熱対象の筒状部材(オーブンの側面壁)に取り付けるようにしたものである。
ロッドの先端部をバンドヒータの連結部の他方側に固定するにあたっては、好適には、ロッドとして先端部に雄ネジが切られたネジ棒を用い、バンドヒータの連結部の他方側にはネジ穴(雌ネジ)を切っておき、ロッドの先端部(雄ネジ)をバンドヒータの連結部の他方側のネジ穴にねじ込むことにより行う。
なお、ロッドの他端部の鍔部としてワッシャを用いることができ、また、ネジ棒の頭部を代用することもできる。また、バンドヒータの両端部に設ける外方向に突起した連結部
は、バンドヒータの両端部を外方向に折り曲げて形成することもできる。
また、請求項2記載の本考案のバンドヒータは、バンドヒータの両端部に外方向に突起した連結部を設け、両連結部に貫通孔を穿設し、貫通孔にロッドを挿通するとともに、ロッドの両端部に貫通孔より外径の大きな鍔部を形成し、鍔部とバンドヒータの両連結部との間の一方または両方に圧縮バネを配設してなる係止機構によりバンドヒータの両端部を連結し、圧縮バネの弾性力を利用して、バンドヒータを加熱対象の筒状部材(オーブンの側面壁)に取り付けるようにしたものである。
なお、鍔部とバンドヒータの両連結部との間のいずれか一方側にのみ圧縮バネを配設した場合には、ロッドの他方側はバンドヒータの連結部の他方側に作用的には固定された状態となる。
さらに、請求項3記載の本考案のオーブンは、オーブン室内を形成する側面壁外周に加熱手段を巻きつけてその室内を一定温度に保つオーブンにおいて、加熱手段として請求項1または2に記載のバンドヒータを用いたものである。
本考案のバンドヒータによれば、バンドヒータの両端部を圧縮バネの弾性力により連結するようにしているので、加熱対象の筒状部材(オーブンの側面壁)とバンドヒータの熱膨張率が異なる場合であっても、膨張と収縮を圧縮バネが吸収し、常にバンドヒータは加熱対象の筒状部材との間に隙間が生じることなく良好な密着性が維持され、加熱性能が低下することはない。
特に、低温域から高温域の幅広い温度領域において使用するオーブンであっても、温度変化によるオーブンの側面壁の膨張と収縮を圧縮バネが吸収し、オーブンの側面壁を変形させることなく良好な密着性を保つことができ、結果としてオーブンを高温に保つことができる効果がある。また、オーブンの純アルミニウムまたはアルミニウム合金製の側面壁がバンドヒータにより過度に締め付けられて変形することがないので、常に密着性が維持され温度勾配もつかずバンドヒータの寿命も長くなる。
このように本考案のバンドヒータによれば、圧縮バネの弾性力によりバンドヒータの両連結部を互いに近づける方向に作用させるので、圧縮バネの弾性力が均一にバンドヒータに作用し、膨張と収縮の影響を受けることなく密着性を高めることができる。
本考案のバンドヒータを巻きつけたオーブンの実施形態を示す斜視図である。 図1に示した本考案のバンドヒータの係止機構の実施形態を示す図である。 本考案のバンドヒータの他の係止機構の実施形態を示す図である。 本考案のバンドヒータのさらに他の係止機構の実施形態を示す図である。
以下、図を使って、本考案のバンドヒータおよびそのようなバンドヒータを用いたオーブンの実施形態の一例を説明する。
図1は、本考案の実施形態であるバンドヒータを巻きつけたオーブンの実施形態を示す斜視図であり、図2は、図1に示した本考案のバンドヒータの係止機構の実施形態を示す図である。
図1において、本考案のバンドヒータ1は、試薬や分析試料などを収容したバイアル(図示せず)が収納されるオーブン2の室内3を形成する側面壁4の外周に巻きつけられている。バンドヒータ1の構成は、たとえば、導線(図示せず)を通して通電により発熱するニクロム線を耐熱マイカ板で絶縁し、ステンレス鋼板(SUS)で外装した薄型円筒形のヒータであるが、これ以外にも種々のものを用いることができる。
また、オーブン2の側面壁4を形成する材料としては、加熱の均一性や効率を高めるため、伝熱性に優れた純アルミニウムまたはアルミニウム合金などが用いられる。
バンドヒータ1の両端部には、外方向に突起した状態で連結部5a、5bが設けられている。図示の実施形態では、突出した連結部5a、5bは棒状の部材で形成しているが、この棒状部材の代わりにバンドヒータ1の両端部を外方向に折り曲げて連結部5a、5bとすることもできる。また、連結部5a、5bを含めてバンドヒータ1の両端部にはバンドヒータ1の係止機構10を備えている。係止機構10の詳細を図2を参照しながら説明する。
図2において、一方側の連結部5aには貫通孔11が穿設されており、その貫通孔11にロッド6が挿通されている。ロッド6は先端部に雄ネジが切られたネジ棒である。バンドヒータ1の他方側の連結部5bにはネジ穴(雌ネジ)が切られており、貫通孔11に挿通されたロッド6の先端部(雄ネジ)をその連結部5bのネジ穴にねじ込むことにより、ロッド6は連結部5bに固定される。なお、8はナットであり、ロッド6を連結部5bに最終的に固定するためのものである。また、このナット8はなくてもよい。
ロッド6の他端部には、貫通孔11より外径の大きな鍔部としてワッシャ7が挿入されている。ワッシャ7に代えネジ棒の頭部を鍔部とすることもできる。ワッシャ7とバンドヒータ1の一方側の連結部5aとの間には圧縮バネ9が介設されている。この圧縮バネ9の弾性力により、矢印で示すように、バンドヒータ1の連結部5a、5bが互いに近づくように引っ張られて、バンドヒータ1はオーブン2の側面壁4の外周に適度な密着度をもって取り付けられることになる。
バンドヒータ1の両端部は、このような係止機構10により連結され、圧縮バネ9の弾性力のもとに、バンドヒータ1はオーブン2の室内3を形成する側面壁4の外周に効果的に取り付けられるので、オーブン2の側面壁(純アルミニウムまたはアルミニウム合金)4とバンドヒータ(SUS)1の熱膨張率が異なる場合であっても、その熱膨張率の相違による膨張と収縮を圧縮バネ9が吸収し、常にバンドヒータ1はオーブン2の側面壁4との間に隙間を生じることなく密着性が維持され、加熱性能が低下することがない。
特に、試薬や分析試料を収容したバイアルを長時間にわたり一定温度に保つオーブン2のような低温域から高温域の幅広い温度領域における加熱手段として、このようなバンドヒータ1を用いるとき、温度変化によるオーブン2の側面壁4の膨張と収縮を圧縮バネ9が吸収し、オーブン2の側面壁4を変形させずに密着性を保つことができ、結果としてオーブン2を高温に保つことができる。また、オーブン2の側面壁4が変形することがないので温度勾配もつかず、バンドヒータ1の寿命も長くなる。
図3には、係止機構10の他の実施形態を示す。図3において、バンドヒータ1の両連結部5a、5bにそれぞれ貫通孔11a、11bが穿設され、その貫通孔11a、11bにボルトのロッド6が挿通されている。ロッド6の両端部には、貫通孔11a、11bより外径の大きな鍔部としてワッシャ7が挿入されている。ワッシャ7に代えロッド(ネジ棒)6の頭部およびネジ棒に嵌合するナット8を鍔部として代用することもできる。ワッシャ7とバンドヒータ1の一方側の連結部5aとの間には圧縮バネ9が介設されている。
すなわち、図3の実施形態では、図2の実施形態と比較して、ロッド6の先端部が他方側の連結部5bに機械的に固定(ネジ止め)されていない点で相違するが、作用的には固定されている状態といえる。すなわち、圧縮バネ9の弾性力の作用により、矢印で示すように、バンドヒータ1の連結部5a、5bは互いに近づくように引っ張られて、バンドヒータ1がオーブン2の側面壁4の外周に適度な密着度をもって巻きつけられる構成は、図2の実施形態と同様である。
図4には、係止機構10のさらに他の実施形態を示す。図4において、バンドヒータ1の両連結部5a、5bにそれぞれ貫通孔11a、11bが穿設され、その貫通孔11a、11bにロッド6が挿通されている。このような構成は図3の実施形態と同じであるが、ロッド6の両端部には、貫通孔11a、11bより外径の大きな鍔部としてワッシャ7がそれぞれ挿入され、ワッシャ7とバンドヒータ1の両連結部5a、5bとの間にそれぞれ圧縮バネ9が配設されている点で相違する。この実施形態では、圧縮バネ9の弾性力はバンドヒータ1の両連結部5a、5bの両方に均等に負荷される。
このような係止機構10により、バンドヒータ1の両連結部5a、5bをバネの弾性力により互いに近づける方向に作用させることができ、圧縮バネ9の弾性力が均一にバンドヒータ1に負荷され、密着性をより高めることができる。
なお、図4において、ワッシャ7とバンドヒータ1の両連結部5a、5bのいずれか一方側にのみ圧縮バネ9が介設される場合には、図3の実施形態と同一の構成となる。
1 バンドヒータ
2 オーブン
3 室内
4 側面壁
5a、5b 連結部
6 ロッド
7 ワッシャ
8 ナット
9 圧縮バネ
10 係止機構
11、11a、11b 貫通孔

Claims (3)

  1. バンドヒータの両端部に外方向に突起した連結部を設け、前記連結部の一方側に貫通孔を穿設し、前記貫通孔にロッドを挿通するとともに、ロッドの先端部を前記バンドヒータの前記連結部の他方側に固定し、前記ロッドの他端部に前記貫通孔より外径の大きな鍔部を形成し、前記鍔部と前記バンドヒータの連結部の一方側との間に圧縮バネを配設してなる係止機構により前記バンドヒータの前記両端部を連結したことを特徴とするバンドヒータ。
  2. バンドヒータの両端部に外方向に突起した連結部を設け、前記両連結部に貫通孔を穿設し、前記貫通孔にロッドを挿通するとともに、ロッドの両端部に前記貫通孔より外径の大きな鍔部を形成し、前記鍔部と前記バンドヒータの前記両連結部との間の一方または両方に圧縮バネを配設してなる係止機構により前記バンドヒータの前記両端部を連結したことを特徴とするバンドヒータ。
  3. オーブン室内を形成する側面壁外周に加熱手段を巻きつけてその室内を一定温度に保つオーブンにおいて、前記加熱手段として請求項1または2に記載のバンドヒータを用いたことを特徴とするオーブン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR200482926Y1 (ko) * 2015-10-02 2017-03-16 (주)씨에스텍 뒤틀림 현상을 감소시킨 유기금속 화학증착프로세싱 챔버용 오메가형 히터

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