JP3177400U - 外断熱材用タイルパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に外断熱材に固定できる外断熱材用タイルパネルを提供すること。
【解決手段】モルタルを介して、建物の躯体外壁部に設けた外断熱材に張り付ける外断熱材用タイルパネルであって、タイルパネルの装飾面に目地溝を形成し、前記目地溝の底面に、タイルパネルの裏面に貫通する孔部を設け、前記孔部に挿通して前記外断熱材に螺挿した固定部材により、前記外断熱材に固定することを特徴とする、外断熱材用タイルパネル。
【選択図】図1

Description

本考案は、外断熱構造の建物の外装仕上げに用いるタイルパネルに関するものである。
建物の断熱構造の一つとして、建物の躯体(コンクリート造・木造等)外壁部に断熱材を取り付ける外断熱構造が知られている。
この外断熱構造において、タイルによる外装仕上げを行う際には、図4のように、躯体外壁部70に取り付けた断熱材20の表面にモルタル40を塗布し、タイル80を張り付けていた。
しかし、従来のタイルによる外装仕上げには、以下のような問題があった。
(1)モルタルを塗布してタイルを張り付けてあるため、モルタルの経年変化によって、タイルが剥離してしまう恐れがある。
(2)材質の異なる部材にモルタルを塗布してタイルを張り付けてあるため、接着強度が小さい。
(3)タイル張り付け時にタイルを叩きつける際の振動やタイルの重さによってモルタルがダレてタイルが下にずれることがある。
本考案の目的は、容易に外断熱材に固定できる外断熱材用タイルパネルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本願の第1考案は、モルタル又は接着剤を介して、建物の躯体外壁部に設けた無機質系の独立気泡の外断熱材に張り付ける外断熱材用タイルパネルであって、タイルパネルの装飾面に目地溝を形成し、前記目地溝の底面に、タイルパネルの裏面に貫通する孔部を設け、前記孔部に挿通して前記外断熱材に螺挿した固定部材により、前記外断熱材に固定することを特徴とする、外断熱材用タイルパネルを提供する。
本願の第2考案は、第1考案の外断熱用タイルパネルにおいて、前記固定部材はビスであり、前記ビスの径が前記目地溝の幅より小さいことを特徴とする、外断熱材用タイルパネルを提供する。
本願の第3考案は、第1考案又は第2考案の外断熱用タイルパネルにおいて、前記目地溝をあり溝状に形成したことを特徴とする、外断熱材用タイルパネルを提供する。
本考案は、上記した課題を解決するための手段により、次のような効果の少なくとも一つを得ることができる。
<1>固定部材によって外断熱材に固定するため、断熱材とタイルパネルとの接着面が剥離しても、タイルパネルが脱落することがない。
<2>固定部材によって外断熱材に固定するため、モルタルが固化する前に、ダレによってタイルパネルが下にずれることを防止できる。
<3>目地溝に固定部材を取り付けるため、目地詰めによって固定部材が隠れ、美観を損ねることがない。
<4>固定部材はねじであり、断熱材に容易に螺挿することができる。
本考案の外断熱材用タイルパネルの説明図 本考案の外断熱用タイルパネルの斜視図 外断熱用タイルパネルの使用状態の説明図 従来のタイルパネルの説明図
以下、図面を参照しながら本考案の実施の形態について説明する。
(1)外断熱材用タイルパネルの概要
本考案の外断熱用タイルパネル10は、矩形やひし形の板体であり、図1に示すように、装飾面11に目地溝111を形成し、目地溝111に孔部112を設けて構成する。
タイルパネル10は、裏面12を断熱材20に塗布したモルタル40や接着剤によって張り付けると共に、固定部材30を介して、断熱材20に固定する。
<1>外断熱材用タイルパネル
外断熱材用タイルパネル10は、装飾面11に目地溝111を設ける。また、裏面12には裏足121を設ける。
目地溝111は、タイルパネル10の装飾面11の端部に、タイルパネル10の全長に亘って連続して形成する。
目地溝111は、タイルパネル10の大きさによって、図2(a)のように中央部に長さ方向に設けたり、図2(b)のように平行に複数本を設けてもよい。
また、目地溝111は図3に示すように、あり溝状に形成してもよい。
目地溝111の底面には、固定部材30を通すための孔部112を設ける。孔部111は、固定するタイルパネル10の大きさに合わせて、1個又は複数個形成する。
<2>断熱材
断熱材20は図3に示すように、断熱を行う建物の躯体外壁部70に取り付けるものである。
断熱材20は、無機質系の独立気泡の軽量発泡体であり、例えば炭酸カルシウム系発泡板が用いられる。
<3>固定部材
固定部材30は、タイルパネル10を固定するための部材であり、図3に示すように、取り付け時にモルタル40を貫通し、断熱材20まで螺挿する長さを有する、ステンレス製のビスからなる。
固定部材30の頭部の径は目地溝111の幅より小さく、孔部112の径より大きいため、タイルパネル10はモルタル40を介して断熱材20に密接して固定される。
(2)外断熱材用タイルパネルの施工方法
次に、外断熱材用タイルパネル10の施工方法について説明する。
<1>タイルパネルの張り付け
まず、建物の躯体外壁部70に取り付けた断熱材20の表面にモルタル40を塗布し、モルタル40にタイルパネル10の裏面12を張り付ける。
裏面12に設けた裏足112間にモルタル40が充填されるため、タイルパネル10とモルタル40との接着力が増す。
モルタル40ではなく、接着剤によってタイルパネルを張り付ける際には、タイルパネル10の裏面12に裏足112を設ける必要がない。
<2>固定部材による固定
次に、モルタル40が硬化する前に、固定部材30を孔部112に挿通し、断熱材20に螺挿する。
断熱材20は無機質系の軽量発泡体であるため多孔質である。このため、容易に固定部材30を螺挿することができる。
また、固定部材30をステンレス製にすることにより、錆による劣化を防止することができる。
断熱材20は多孔質であるため、固定部材30は手押しによって断熱材20に挿入することもできるが、ドライバー等を用いて螺挿することにより、より強固にタイルパネル10を固定することができる。
例えば4mmのタッピングビスを炭酸カルシウム系発泡板の断熱材に30mmの深さで螺入した場合(モルタル不使用)には、引抜き強度は0.19kNとなる。
このように、モルタル40による接着と合わせて、固定部材30によってタイルパネル10を強固に固定するため、モルタル40による接着面が剥離しても、タイルパネル10が脱落することがない。
また、モルタル40硬化前に固定部材30によってタイルパネル10を固定するため、モルタル40のダレによってタイルパネル10がずれるのを防止できる。
複数枚のタイルパネル10を、上記の工程を繰り返して断熱材20のモルタル40塗布面に張り付けていく。
隣接するタイルパネル間には、目地用の間隙50を設けてもよい。
<3>目字詰め
モルタル40硬化後、目地溝112およびタイルパネル10間の目地用の間隙50に目地詰めを行う。
目地材60は、モルタルや合成樹脂からなり、目地溝112や目地間隙50に塗り込み、硬化させる。
目地溝112をあり溝状に形成すると、目地材60の剥落防止効果が増す。
固定部材30の頭部の径は目地溝111の幅より小さいため、固定部材30は目地溝111に入り込む。よって、固定部材30は目地材60によって覆い隠され、美観を損ねることがない。
また、目地材60が硬化して固定部材30を固定するため、固定部材30が断熱材20から抜けるのを防止する。
10 外断熱材用タイルパネル
11 装飾面
111 目地溝
112 孔部
12 裏面
121 裏足
20 断熱材
30 固定部材
40 モルタル
50 目地間隙
60 躯体外壁部

Claims (3)

  1. モルタル又は接着剤を介して、建物の躯体外壁部に設けた無機質系の独立気泡の外断熱材に張り付ける外断熱材用タイルパネルであって、
    タイルパネルの装飾面に目地溝を形成し、
    前記目地溝の底面に、タイルパネルの裏面に貫通する孔部を設け、
    前記孔部に挿通して前記外断熱材に螺挿した固定部材により、前記外断熱材に固定することを特徴とする、
    外断熱材用タイルパネル。
  2. 請求項1に記載の外断熱用タイルパネルにおいて、前記固定部材はビスであり、前記ビスの径が前記目地溝の幅より小さいことを特徴とする、外断熱材用タイルパネル。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の外断熱用タイルパネルにおいて、前記目地溝をあり溝状に形成したことを特徴とする、外断熱材用タイルパネル。
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