JP3177210B2 - トルマリン粒子含有有機化学繊維 - Google Patents

トルマリン粒子含有有機化学繊維

Info

Publication number
JP3177210B2
JP3177210B2 JP12828598A JP12828598A JP3177210B2 JP 3177210 B2 JP3177210 B2 JP 3177210B2 JP 12828598 A JP12828598 A JP 12828598A JP 12828598 A JP12828598 A JP 12828598A JP 3177210 B2 JP3177210 B2 JP 3177210B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tourmaline
fiber
particle size
particles
organic chemical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP12828598A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11302918A (ja
Inventor
裕圀 深谷
宏昭 福沢
Original Assignee
株式会社ファスニングニジュウイチ
裕圀 深谷
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ファスニングニジュウイチ, 裕圀 深谷 filed Critical 株式会社ファスニングニジュウイチ
Priority to JP12828598A priority Critical patent/JP3177210B2/ja
Publication of JPH11302918A publication Critical patent/JPH11302918A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3177210B2 publication Critical patent/JP3177210B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルマリン粒子を
繊維内部に含有する有機化学繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】トルマリン(tourmaline)
は、ホウ素を含むシクロケイ酸塩鉱物であり、特に花崗
岩ペグマタイトなどからは巨晶が産出される。トルマリ
ンは、その美麗なものが宝石として使用されているだけ
でなく、一般的に著しい圧電性を有し、焦電性も有して
いるので、測定計器や偏光板などに利用されている。ま
た、最近では、トルマリン微粒子を繊維表面に接着又は
付着させたエレクトレット繊維の形態で、遠赤外線放射
作用などを利用する技術も知られている。
【0003】更に、特公平6−104926号公報に
は、粒径2μm以下のトルマリン微粒子を、有機質繊維
に対し3〜4重量%の割合で繊維内部に含有するエレク
トレット繊維、すなわち、トルマリン粒子含有有機化学
繊維が記載されている。また、この特許公報の実施例に
は、ナイロンの紡糸用融解液中に粒径2μm以下のトル
マリン粉末を3重量%の割合で加えてから、紡糸するこ
とによりナイロン繊維を製造し、その遠赤外線放射量を
測定したことが記載されている。
【0004】また、特開平4−327207号公報に
は、繊維の内部に平均粒度0.5μmの鉱物製エレクト
レットを含有する帯電性レーヨン繊維が記載されてお
り、この特許公報の実施例には、鉱物製エレクトレット
としてトルマリンを使用したトルマリン混入レーヨン繊
維を製造し、その遠赤外線放射量を測定したことが記載
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
なトルマリン粒子含有繊維から充分な遠赤外線放射量を
得るためには、トルマリン粒子含有繊維内において、ト
ルマリン粒子群が全体として或る程度以上の容量を占め
ていることが必要である。そして、トルマリン粒子含有
繊維の単位体積当たりに、全体として或る一定容量以上
のトルマリン粒子群を含有させる場合に、粒径が小さい
微粒子を用いると、それらの微粒子を繊維の構成樹脂内
に高密度で分散させる必要があるので、樹脂層の連続性
が妨げられ、繊維の風合の悪化や、溶融紡糸が困難化す
る原因となる。例えば、前記の各特許公報に記載のエレ
クトレット繊維に含まれているトルマリン微粒子は、粒
径が極めて小さいので、充分な遠赤外線放射量を得るた
めには、比較的多量のトルマリン微粒子を繊維に含有さ
せる必要があり、そのことにより種々の困難が発生す
る。すなわち、繊維内に含有させるトルマリン微粒子の
量が多くなると繊維の風合が悪化したり、紡糸による繊
維化が困難ないし不可能になるという欠点があり、逆
に、繊維の風合を悪化させない量のトルマリン微粒子を
含有させるだけでは、必ずしも充分な遠赤外線放射量を
得ることができないという欠点がある。
【0006】本発明者は、前記の欠点を解消する手段を
鋭意研究していたところ、逆に粒径の比較的大きなトル
マリン粒子群を用いると、均一に分散させても、風合が
実質的に悪化することがなく、更に溶融紡糸による繊維
化の困難性も解消することができることを見出した。繊
維内部に含有させるトルマリン粒子の粒径については、
前記特公平6−104926号公報に、粒径が2μmよ
り大きい微粒子では、エレクトレットとしての性能を充
分に発揮することができず、繊維の手触り感が損なわ
れ、製品に加工した場合の品質劣化を免れないとの記載
がある。従って、粒径が2μmより大きいトルマリン粒
子を用いることにより、優れた品質を有するトルマリン
粒子含有有機化学繊維を簡便な方法で製造することがで
きることは予想外のことである。また、粒径の比較的大
きなトルマリン粒子を得る粉砕・分級コストは、粒径の
比較的小さなトルマリン粒子を得る粉砕・分級コストよ
りも廉価になるので、製造コストの点でも好ましい。
【0007】更に、本発明者は、粒径の比較的大きなト
ルマリン粒子群を用いると、単位体積当たりのトルマリ
ン粒子の重量含有量を多くすることができ、その結果と
しても、充分な遠赤外線放射量を得ることができること
も見出した。繊維内部に含有させるトルマリン粒子の含
有量についても、前記特公平6−104926号公報
に、含有量が4重量%よりも多いと、隣接するトルマリ
ン同士の電荷が作用して見掛けの電荷を打ち消すおそれ
があるとの記載がある。従って、4重量%よりも多い含
有量でトルマリン粒子を用いることにより、優れた品質
を有するトルマリン粒子含有有機化学繊維を簡便な方法
で製造することができることも、同様に予想外のことで
ある。本発明は、こうした知見に基づくものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、3〜
9μmの範囲の粒径の頻度が80%以上であり、3μm
未満の粒径の頻度と9μmを越える粒径の頻度との合計
が20%以下であるトルマリン粒子を、繊維全体の合計
重量に対して4〜10重量%の量で、繊維内に分散して
含有することを特徴とする、有機化学繊維に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明によるトルマリン粒子含有
有機化学繊維には、従来公知の任意のトルマリンを用い
ることができる。トルマリンは、3配位のホウ素を含む
シクロケイ酸塩鉱物であり、電気石又はアクローアイト
(achroite)とも呼ばれている。トルマリンの
代表例としては、化学組成の異なるドラバイト(dra
vite)トルマリン、スコール(schorl)トル
マリン、ウバイト(uvite)トルマリン、又はエル
バイト(elbaite)トルマリンなどが知られてい
る。本発明においては、種々の天然トルマリン及び/又
は人工トルマリンを用いることができる。天然トルマリ
ンは、例えば、結晶片岩、片麻岩、又は接触変成岩など
から産出され、花崗岩ペグマタイトからは巨晶が産出さ
れる。
【0010】トルマリンは、極めて硬い(モース硬度=
7〜7.5)鉱物であり、その鉱石を粉砕及び分級して
調製したトルマリン粒子は、ほとんどが針状、柱状、あ
るいは楕球状や楕円板状などの形状となり、球形粒子は
ほとんど含まれていない。そこで、本明細書において
は、本発明で用いるトルマリン粒子の粒径を、粒径頻度
によって規定する。ここで、粒径の頻度とは、粒径測定
室の気体内に無作為に分散させたトルマリン粒子に、一
方向からレーザーを当てて測定される粒径の頻度を意味
する。
【0011】本発明で用いることのできるトルマリン粒
子は、前記のとおり、3〜9μmの範囲の粒径の頻度が
80%以上であり、3μm未満の粒径の頻度と9μmを
越える粒径の頻度との合計が20%以下(特には、3μ
m未満の粒径の頻度が10%以下であり、9μmを越え
る粒径の頻度が10%以下)である。好ましいトルマリ
ン粒子は、4〜8μmの範囲の粒径の頻度が80%以上
であり、4μm未満の粒径の頻度と8μmを越える粒径
の頻度との合計が20%以下(特には、4μm未満の粒
径の頻度が10%以下であり、8μmを越える粒径の頻
度が10%以下)である。より好ましいトルマリン粒子
は、4〜8μmの範囲の粒径の頻度が90%以上であ
り、4μm未満の粒径の頻度と8μmを越える粒径の頻
度との合計が10%以下(特には、4μm未満の粒径の
頻度が5%以下であり、8μmを越える粒径の頻度が5
%以下)である。最も好ましいトルマリン粒子は、4〜
8μmの範囲の粒径の頻度が95%以上であり、4μm
未満の粒径の頻度と8μmを越える粒径の頻度との合計
が5%以下(特には、4μm未満の粒径の頻度が2.5
%以下であり、8μmを越える粒径の頻度が2.5%以
下)である。
【0012】3μm未満の粒径の頻度が10%〜20%
を越えると、充分な遠赤外線放射量を得るために必要な
単位体積当たりの粒子数が増加するため、繊維化が困難
になる。一方、9μmを越える粒径の頻度が10%〜2
0%を越えると、繊維の直径に対して比較的大きな粒径
を有するトルマリン粒子の量が増えるので、繊維の切断
が発生しやすくなる。
【0013】本発明によるトルマリン粒子含有有機化学
繊維は、繊維全体の合計重量に対して、4〜10重量
%、好ましくは5〜7重量%のトルマリン粒子を含有す
る。本発明によるトルマリン粒子含有有機化学繊維に含
有されるトルマリン粒子の量が4重量%未満であると、
充分な遠赤外線放射量を得ることができないことがあ
り、10重量%を越えると、繊維化が困難になるか、あ
るいは繊維化することができても繊維が切断され易くな
る。
【0014】本発明によるトルマリン粒子含有有機化学
繊維において基材として使用することのできる繊維材料
は、有機化学繊維である限り、特に限定されるものでは
ない。本明細書において「有機化学繊維」とは、繊維を
天然繊維と化学繊維とに大別した場合の化学繊維の内、
無機繊維(例えば、ガラス繊維又は炭素繊維)を除いた
繊維を意味する。それらの有機化学繊維の具体例として
は、再生繊維、例えば、セルロース系再生繊維(例え
ば、ビスコースレーヨン又は銅アンモニアレーヨン)、
又はタンパク質系再生繊維(例えば、牛乳タンパクカゼ
イン繊維);半合成繊維、例えば、セルロース系半合成
繊維(例えば、アセテート)、又はタンパク質系半合成
繊維(例えば、プロミックス);又は合成繊維、例え
ば、ポリアミド系合成繊維(例えば、ナイロン)、ポリ
エステル系合成繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレ
ート又はポリブチレンテレフタレート);ポリアクリロ
ニトリル系合成繊維(例えば、アクリル);ポリビニル
アルコール系合成繊維(例えば、ビニロン);ポリ塩化
ビニル系合成繊維;ポリ塩化ビニリデン系合成繊維;ポ
リオレフィン系合成繊維(例えば、ポリエチレン又はポ
リプロピレン);ポリウレタン系合成繊維;ポリ塩化ビ
ニル−ポリビニルアルコール共重合系合成繊維(例え
ば、ポリクラール);ポリアルキレンパラオキシベンゾ
エート系合成繊維;ポリフルオロエチレン系合成繊維
(例えば、ポリテトラフルオロエチレン);又はフェノ
ール系合成繊維を挙げることができる。
【0015】本発明によるトルマリン粒子含有有機化学
繊維の形状(長さ及び太さなど)は、特に限定されるも
のではない。例えば、繊維の長さは、短繊維からフィラ
メントまでを含む所望の長さであることができる。ま
た、本発明によるトルマリン粒子含有有機化学繊維の太
さも特に限定されるものではないが、3デニール以上で
あることが好ましい。上限も特に限定されず、例えば、
900デニール程度であることもできる。しかしなが
ら、3〜8デニールが好ましく、3〜6デニールがより
好ましい。
【0016】本発明によるトルマリン粒子含有有機化学
繊維は、トルマリン粒子を繊維内に分散して(好ましく
は、実質的に均一に分散して)含有しており、例えば、
以下の製造方法によって調製することができる。すなわ
ち、本発明によるトルマリン粒子含有有機化学繊維は、
(1)前記の所定粒径頻度を有するトルマリン粒子と有
機化学樹脂材料とを、前記トルマリン粒子が前記有機化
学樹脂材料に固相にて実質的に均一に分散することので
きる量比で混合し、その混合物を溶融押出し、押出体を
乾燥してマスターバッチを製造する工程(以下、マスタ
ーバッチ製造工程と称する)、及び、(2)前記の有機
化学樹脂材料と前記マスターバッチとを、紡糸後のトル
マリン粒子の含有量が繊維全体の合計重量に対して4〜
10重量%(好ましくは5〜7重量%)となるように混
合し、その混合物を溶融し、溶融体から紡糸する工程
(以下、紡糸工程と称する)を含む。
【0017】本発明で使用するトルマリン粒子は、通常
の方法で粉砕し、分級して得ることができる。例えば、
直径が約5〜15cmのトルマリン鉱石を粗粉砕して米
粒程度の大きさのトルマリン粒とし、続いて、その粗粉
砕トルマリン粒から通常の粉砕・分級装置によって、前
記の所定粒径頻度を有する本発明で使用するトルマリン
粒子を得ることができる。
【0018】次に、所定の粒径頻度を有するトルマリン
粒子と、基材となる有機化学樹脂材料とを別々に計量
し、適当量のトルマリン粒子及び有機化学樹脂材料を混
合する。両者の混合比は、使用する有機化学樹脂材料の
大きさによって異なるが、一般的な溶融紡糸法に用いる
チップ形状の有機化学樹脂材料を使用する場合には、ト
ルマリン粒子の含有量が、マスターバッチ全体の合計重
量に対して好ましくは10〜90重量%、より好ましく
は10〜50重量%となるように、トルマリン粒子と有
機化学樹脂材料チップとを混合すると、前記トルマリン
粒子を前記有機化学樹脂材料チップに固相にて実質的に
均一に分散することができる。この混合物から溶融押出
により、均一に分散されているトルマリン粒子を含有す
るマスターバッチを製造することができる。続いて、前
記のマスターバッチと、そのマスターバッチの製造に用
いた有機化学樹脂材料(好ましくはそのチップ)とを別
々に計量し、適当量のマスターバッチ及び有機化学樹脂
材料(好ましくはそのチップ)を混合する。次に、この
混合物から、溶融紡糸法により、均一に分散されている
トルマリン粒子を含有する繊維を製造することができ
る。必要により、紡糸後に延伸して繊維径を細くした
り、クリンピング処理を行うことができる。
【0019】トルマリン粒子と有機化学樹脂材料とを、
前記のように2段階に分けて混合せずに、トルマリン粒
子と有機化学樹脂材料チップとを一度に混合した場合に
は、トルマリン粒子と有機化学樹脂材料チップとを均一
に分散させることは実質的に不可能である。これは、ト
ルマリンの比重(通常3.0〜3.3)が、基材となる
有機化学樹脂材料の比重よりもかなり高いので、トルマ
リン粒子と有機化学樹脂材料とを均一に混合することが
難しいからである。勿論、トルマリン粒子を溶融状態の
有機化学樹脂材料に加えても、均一に分散させることは
実質的に不可能である。
【0020】本発明によるトルマリン粒子含有有機化学
繊維は、任意の形態の糸(例えば、フィラメント糸、紡
績糸、又は撚糸)であることができ、更にそれらの糸か
ら製造することのできる任意の繊維製品(織物、編物、
又は不織布)に適用することができる。特に、トルマリ
ンの特性(例えば、遠赤外線効果)を利用することによ
り有用性が向上する種々の糸や繊維製品、例えば、寝具
(例えば、布団、毛布、若しくは枕)の中綿若しくはカ
バー(シーツを含む)、服の芯地、パット(例えば、肩
パット)、又は湿布の基布などに使用することが好まし
く、更には、原綿状又は不織布として用いる繊維製品に
適用することが特に好ましい。
【0021】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
【実施例1】《トルマリン粒子含有ポリエステル繊維の
調製》黒色トルマリン(スコールトルマリン)の粗粉砕
粒(米粒大)を、分級機〔TC−25型分級機;日清エ
ンジニアリング(株)〕に挿入して粉砕・分級し、所定
の粒径頻度を有するトルマリン粒子を得た。このトルマ
リン粒子の粒径頻度を前記の分級機にて測定した結果を
表1に示す。
【0022】
【表1】 粒径(μm) 累積(%) 頻度(%) 3.27 0.00 0.00 3.89 2.01 2.01 4.62 16.08 14.07 5.50 52.05 35.97 6.54 85.46 33.41 7.78 97.83 12.37 9.25 100.00 2.17 11.00 100.00 0.00
【0023】なお、粒径頻度の累積比率が10%になる
粒径は4.40μmであり、粒径頻度の累積比率が50
%になる粒径は5.45μmであり、そして粒径頻度の
累積比率が90%になる粒径は6.82μmであった。
また、前記表1の結果をグラフ化して図1に示す。図1
において、棒グラフは粒径頻度(単位=%)であり、折
れ線グラフは小粒径から大粒径への累積比率(単位=
%)を示す。
【0024】得られたトルマリン粒子30重量部とポリ
エステルチップ70重量部とを均一になるまで充分に混
合し、この混合物から溶融押出成形により、マスターバ
ッチを得た。続いて、得られたマスターバッチ16.6
5重量部とポリエステルチップ83.35重量部とを、
両者が均一に分散するまで充分に混合し、この混合物か
ら溶融紡糸して、繊維径が25μmの繊維を得、これを
延伸して繊維径が17μmでトルマリン粒子5重量%を
含むポリエステル繊維を得た。こうして得られた本発明
によるトルマリン粒子含有ポリエステル繊維の顕微鏡写
真を図2(横断面)及び図3(縦断面)に示す。
【0025】
【実施例2】《遠赤外線放射率の測定》本実施例では、
前記実施例1で製造したトルマリン粒子含有ポリエステ
ル繊維を用いて、常法に従ってニードルパンチ処理を行
い、トルマリン粒子含有ポリエステルパンチング綿(以
下、トルマリン粒子含有ポリエステル綿と称する)を製
造した。一方、比較用として、トルマリン粒子を含有し
ないポリエステルパンチング綿(以下、トルマリン粒子
不含ポリエステル綿と称する)を常法に従って別途製造
し、それぞれのポリエステル綿について、遠赤外線放射
率を測定した。なお、トルマリン粒子不含ポリエステル
綿の色が、白色であるのに対して、トルマリン粒子含有
ポリエステル綿の色は、グレー色であった。測定機器と
して、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)(日
本電子製;JIR−3505)及び赤外放射ユニット
(日本電子製;IR−IRR200)を使用し、検出器
として、広帯域MCTを使用した。波長4.5〜20.
0μmの範囲で、かつ16cm-1の分解能で測定を実施
し、測定温度は40℃であった。なお、前記の測定温度
は、測定対象の表面温度であって、T熱電対を用いて測
定した温度である。
【0026】結果を図4に示す。図4は、トルマリン粒
子含有ポリエステル綿及びトルマリン粒子不含ポリエス
テル綿における分光放射エネルギー強度(分光放射輝
度)スペクトルを、黒体(標準試料)のスペクトルと一
緒に示すグラフである。図4において、曲線aはトルマ
リン粒子含有ポリエステル綿の結果であり、曲線bはト
ルマリン粒子不含ポリエステル綿の結果であり、曲線c
は黒体の結果である。図4において、横軸は波長(単位
=μm)を示し、縦軸は分光放射輝度(spectra
l radiance;単位=W・cm-2・str-1
μm-1・10-2)を示す。これらの結果から算出した積
分放射率(4.5〜20.0μm)は、トルマリン粒子
含有ポリエステル綿においては74%であり、トルマリ
ン粒子不含ポリエステル綿では、64%であった。
【0027】
【発明の効果】本発明によるトルマリン粒子含有有機化
学繊維は、比較的大きな粒径のトルマリン粒子を含有し
ているので、製造コストが低廉になるだけでなく、単位
体積当たりに含まれるトルマリン粒子の容量が大きくな
り、充分な遠赤外線放射量を得ることができる。また、
比較的多量のトルマリン粒子を含有させた状態で溶融紡
糸することができ、この点からも充分な遠赤外線放射量
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で使用したトルマリン粒子の粒径頻度
及び粒径累積比率を示すグラフである。
【図2】実施例1で得られた本発明のトルマリン粒子含
有ポリエステル繊維の横断面の状態を示す、図面に代わ
る顕微鏡写真である。
【図3】本発明によるトルマリン粒子含有ポリエステル
繊維の縦断面の状態を示す、図面に代わる顕微鏡写真で
ある。
【図4】トルマリン粒子含有ポリエステル綿及びトルマ
リン粒子不含ポリエステル綿における分光放射エネルギ
ー強度(分光放射輝度)スペクトルを、黒体のスペクト
ルと一緒に示すグラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3〜9μmの範囲の粒径の頻度が80%
    以上であり、3μm未満の粒径の頻度と9μmを越える
    粒径の頻度との合計が20%以下であるトルマリン粒子
    を、繊維全体の合計重量に対して4〜10重量%の量
    で、繊維内に分散して含有することを特徴とする、有機
    化学繊維。
JP12828598A 1998-04-22 1998-04-22 トルマリン粒子含有有機化学繊維 Expired - Fee Related JP3177210B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12828598A JP3177210B2 (ja) 1998-04-22 1998-04-22 トルマリン粒子含有有機化学繊維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12828598A JP3177210B2 (ja) 1998-04-22 1998-04-22 トルマリン粒子含有有機化学繊維

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11302918A JPH11302918A (ja) 1999-11-02
JP3177210B2 true JP3177210B2 (ja) 2001-06-18

Family

ID=14981049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12828598A Expired - Fee Related JP3177210B2 (ja) 1998-04-22 1998-04-22 トルマリン粒子含有有機化学繊維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3177210B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100377333B1 (ko) * 2000-06-10 2003-03-29 주식회사 크로스시스템 토르말린이 포함된 시이트 제조방법 및 그 시이트
JP2015027315A (ja) * 2013-07-30 2015-02-12 株式会社キャピタル医薬ゲルマ研究所 就寝時における寝具セットの使用方法及びこれに用いる寝具セット
CN104651971A (zh) * 2015-02-11 2015-05-27 泉州海天材料科技股份有限公司 一种可释放负氧离子的针织面料及其生产方法
JP7147750B2 (ja) 2018-04-11 2022-10-05 東レ株式会社 紡糸口金および繊維ウェブの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11302918A (ja) 1999-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106958049B (zh) 含有火山灰的聚酯纤维的复合抗菌功能纤维制造方法
KR100815459B1 (ko) 이온광석 분말이 함유된 섬유 및 마스터뱃치의 제조방법
EP1291405A1 (en) Composition for far infrared irradiation with excellent antistatic property and fiber and textile product both containing the same
US20100200800A1 (en) Fibers comprising nanodiamond and platinum nanocolloid, and bedding formed thereby
CN104884687A (zh) 多功能聚酯纤维的制备方法和由此制备的多功能聚酯纤维
GB2303375A (en) Far I.R.-radiating polyester fibres
KR101651757B1 (ko) 축열 보온성 플리스 및 그의 제조방법
JP3177210B2 (ja) トルマリン粒子含有有機化学繊維
Yuan et al. Researches on preparation and properties of polypropylene nonwovens containing rare earth luminous materials
JP2022009122A (ja) 農業用資材及び植物の生育方法
KR101503637B1 (ko) 심초구조의 편평형 이형단면 복합사의 제조방법 및 그에 의하여 제조된 심초구조의 편평형 이형단면 복합사
JPH101820A (ja) 人造繊維およびその製品
KR101213899B1 (ko) 복합기능성 나일론 섬유의 제조방법 및 그에 의한 복합기능성 나일론 섬유
TWM328457U (en) Fiber products having multi-function thermal diffusive and cooling performances
JP2006273590A (ja) 遠赤外線放射材料
KR101907688B1 (ko) 원적외선 방사기능을 갖는 잠재권축 필라멘트사 및 이의 제조방법
KR102298553B1 (ko) 흑운모 입자를 포함하는 원사 및 이의 제조방법
Ebrahimzade et al. Preparation and characterisation of luminous polypropylene/phosphor strontium aluminate nanocomposite fibres with enhanced dyeability
CN111087630A (zh) 一种母粒的加工方法
JP2017020141A (ja) 繊維
Lai et al. Crystallization and luminescence properties of polypropylene fiber containing rare earth aluminates and a sorbital derivative nucleating agent
JPH11302921A (ja) 耐久性に優れた高中空ポリエステル繊維及びこれを用いてなる繊維製品
JPH01280016A (ja) 遠赤外線を放射するポリエステル繊維の製造方法
KR100337572B1 (ko) 맥반석과숯을함유한폴리프로필렌수지조성물로부터제조된베개용칩및그제조방법
JP2015105444A (ja) 機能性複合糸

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees