JP3176512B2 - 二サイクル・ユニフロー火花点火機関 - Google Patents

二サイクル・ユニフロー火花点火機関

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JP3176512B2
JP3176512B2 JP18347794A JP18347794A JP3176512B2 JP 3176512 B2 JP3176512 B2 JP 3176512B2 JP 18347794 A JP18347794 A JP 18347794A JP 18347794 A JP18347794 A JP 18347794A JP 3176512 B2 JP3176512 B2 JP 3176512B2
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意成 北澤
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
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    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、予圧された混合気をシ
リンダ室に供給し、それをピストンで圧縮して火花点火
により燃焼させ、シリンダ室から排気ガスをユニフロー
式で排気ポートへ掃気するようにされた二サイクル・ユ
ニフロー火花点火機関に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の二サイクル・ユニフロー火花点
火機関にあっては、それから排出される排気ガス中に、
HC(燃料の未燃成分)、NOx(燃料の燃焼成分)、
CO(燃料の不完全燃焼成分)等の有害成分が不可避的
に含まれるが、最近においては環境汚染の防止を主目的
として、それらの有害成分の排出量を低減させる方策が
種々試みられている。
【0003】その試みの一つとして、本発明の出願人は
先に、特公平3−9288号公報に所載のように、新規
な二サイクル・ユニフロー火花点火機関を提案してい
る。この公報のものは、簡略に説明すれば(以下の括弧
付き符号は該公報の添付図面の各部の符号を示す)、ク
ランク室(5)に吸入された流体(空気又は混合気)を
該クランク室(5)内でピストン(3)の下降行程によ
って加圧し、該加圧流体をシリンダ(1)の全周に設け
た環状掃気室(13)に圧送してそこで蓄圧させるとと
もに、前記ピストン(3)の下降行程の終期において前
記環状掃気室(13)とシリンダ室(2)とを連通させ
る複数の掃気口(16)から前記蓄圧流体を掃気流体と
して前記シリンダ室(2)のうちの前記ピストン(3)
より上方部分に吐出させて旋回を伴うユニフロー流れを
生成するようにされてなるものである。
【0004】そして、この公報の第1実施例(該公報の
図1〜図4)のものでは、クランク室(5)には空気の
みを吸入するようにされ、前記シリンダ室(3)に複数
(三つ)の燃料噴射ノズル(18)を隣接配置して、前
記掃気口(16)からの蓄圧流体(空気)の吐出に同期
ないし若干遅れて前記複数(3本)の燃料噴射ノズル
(18)から燃料を前記ピストン(3)の上方でかつ中
心軸線(O)に向かうように噴射供給するようにされて
いる。
【0005】また、前記公報の第2実施例(該公報の図
5)のものでは、クランク室(5)に気化器(28)か
らの混合気を吸入し、この混合気を予圧して掃気流体と
して掃気導入路(14)から環状掃気室(13)に供給
して蓄圧した後、掃気口(16)からシリンダ室(2)
内へ吐出させるようにされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した公報に所載の
二サイクル・ユニフロー火花点火機関においては、掃気
流体(空気又は混合気)を加圧・蓄圧してシリンダ室に
吐出するようにされているので、該掃気流体により燃焼
ガス(排気ガス)が追い出され易くなり、燃焼時にシリ
ンダ室に残留する排気ガスの量が減少し、掃気効率が高
められる。また、残留する排気ガスが減少することか
ら、着火性が高められ、失火率が小さくなるので、出力
特性も向上する。そして、前記のように掃気効率及び燃
焼性が高められることから、排気ポートから排出される
排気ガス中の未燃成分であるHC及び不完全燃焼成分で
あるCOが大幅に低減されることになる。
【0007】特に、前記公報の第1実施例のものは、ク
ランク室に空気のみを吸入し、掃気口からの空気の吐出
に同期ないし若干遅れて燃料噴射ノズルから燃料をシリ
ンダ室に噴射供給するようにされるので、掃気行程初期
においてシリンダ室におけるピストンより上方の空間に
は、排気ポート側の最上部に排気ガスの層ができ、その
下側に掃気口から吐出された空気の層ができ、その下側
でピストンの頂面上には燃料噴射ノズルからの微粒化さ
れた燃料と空気との混合気の層ができる。このように、
シリンダ室におけるピストン上に、上から順に排気ガス
層、空気層、混合気層の三層が形成されることにより、
その後ピストンが上昇して掃気が完了するまでの期間に
おいて、上方の二層を形成する排気ガス及び空気の一部
は順次排気ポートから外部に排出されるが混合気は最下
層に位置しているので最後まで残留することになる。そ
のため、燃焼に供せられることなく排出される混合気量
いわゆる吹き抜け損失が大幅に低減されることになり、
燃費が向上するとともに有害成分であるHC、CO等の
排出量が一層低減される。
【0008】しかしながら、このものでは、複数本の燃
料噴射ノズルをシリンダ室外周に臨設配置しなければな
らないため構造が複雑となるとともに、燃料噴射ノズル
や燃料噴射ポンプ等の高価で精密さが要求される部品・
装置が必要となるので、信頼性やコストの面で問題が生
じるおそれがあった。また、前記第2実施例のものは、
燃料噴射ノズル等を必要としないが、シリンダ室に空気
のみを吸入させるものではなく、混合気を吸入するもの
であるから、シリンダ室で各流体を積層して三層状とす
ることはできなかった。
【0009】かかる点に鑑み本発明は、燃料噴射ノズル
等の高価で精密さが要求される部品・装置を必要とする
ことなく、比較的簡単にかつ安価に製作できる構成であ
りながら、掃気効率を高めて出力特性を向上させ得ると
同時に、燃費の向上及び有害成分であるHC、CO等の
排出量の低減を図ることのできる二サイクル・ユニフロ
ー火花点火機関を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成すべ
く、本発明に係る二サイクル・ユニフロー火花点火機関
は、ピストンの上昇行程においてクランク室に混合気を
吸入するとともに、外部から空気取り入れ弁を介してシ
リンダブロックの外周部に設けられた環状掃気室及びこ
の環状掃気室と前記クランク室とを連通させる掃気導入
路に空気を吸入し、その吸入された混合気と空気とから
なる成層流体を前記ピストンの下降行程において該ピス
トンにより前記クランク室内で加圧して蓄圧した後、前
記ピストンの下降行程の終期において前記環状掃気室と
シリンダ室とを連通させる前記シリンダ室の中心軸線を
通る半径線に対して傾斜せしめられた複数の掃気口から
前記加圧した成層流体を掃気流体として、その上層を形
成する空気を先行させて前記ピストン上方の前記シリン
ダ室内に吐出してユニフロー流れを生成するようにされ
てなるとともに、前記シリンダ室における前記掃気口よ
り下側に前記掃気導入路の上部と前記シリンダ室とを連
通させる複数の吹出口が設けられ、前記ピストンの頂部
中央に凹部が設けられ、前記ピストンの下降行程の終期
において前記吹出口と前記凹部とを連通させるように前
記ピストンの頂部に複数の案内路が放射状に設けられて
いるものである。
【0011】
【0012】
【作 用】前述の如くの構成とされた本発明に係る二サ
イクル・ユニフロー火花点火機関においては、掃気流体
として用いられる空気と混合気との成層流体が加圧・蓄
圧された後にシリンダ室に吐出されるので、該掃気流体
により排気ガスが追い出され易くなり、燃焼時にシリン
ダ室に残留する排気ガスの量が減少し、掃気効率が高め
られる。また、残留する排気ガスが減少することから、
着火性が高められ、失火率が小さくなるので、出力特性
も向上する。そして、前記のように掃気効率及び燃焼性
が高められることから、排気ポートから排出される排気
ガス中の未燃成分であるHC及び不完全燃焼成分である
COが大幅に低減される。
【0013】それに加え、成層流体はその上層を形成す
る空気を先行させて、つまり環状掃気室及び掃気導入路
内で圧縮されている空気が先にシリンダ室の排気ガスを
排気ポート側に追い出すように下降行程にあるピストン
の上方に吐出され、その後に混合気がピストン上方に吐
出されるので、掃気行程初期においてシリンダ室におけ
るピストンより上方の空間には、排気ポート側の最上部
に排気ガスの層ができ、その下側に掃気口から吐出され
た空気の層ができ、その下側でピストンの頂面上には混
合気の層ができる。このように、シリンダ室におけるピ
ストン上に、上から順に排気ガス層、空気層、混合気層
の三層が積層形成されることにより、その後ピストンが
上昇して掃気が完了するまでの期間において、上方の二
層を形成する排気ガス及び空気の一部は順次排気ポート
から外部に排出されるが、混合気は最下層に位置してい
るので最後までシリンダ室内に残留することになる。そ
のため、燃焼に供せられることなく排出される混合気
量、いわゆる吹き抜け損失が大幅に低減されることにな
り、燃費が向上するとともに有害成分であるHC、CO
等の排出量が一層低減される。
【0014】そして、本発明の機関は、燃料噴射ノズル
や燃料噴射ポンプ等の高価で精密さが要求される部品・
装置が不要であり、構成もシンプルであるので、比較的
容易にかつ安価に製作でき、故障を低減できて信頼性を
高めることが可能となる。
【0015】
【実施例】以下に添付の図を参照して本発明の実施例を
詳細に説明する。図1は、本発明に係る二サイクル・ユ
ニフロー火花点火機関の一実施例を示しており、図示例
の機関1は、ピストン4が摺動自在に嵌挿されたシリン
ダ室3を有するシリンダブロック2と、このシリンダブ
ロック2の下側に連設された内部にクランク室6が形成
されているクランクケース5と、前記シリンダブロック
2の上側に配設された排気ポート40を有するシリンダ
ヘッド7とを備えている。
【0016】前記クランク室6は密閉された短円筒形を
しており、その前後端の中央部分にクランク軸30が軸
支され、該クランク軸30のクランクピン31には連接
ロッド32を介して前記ピストン4が連結されるととも
に、前記連接ロッド32を挟むように前記クランクピン
31の前後に一対の扇形状の重錘34が固定されてい
る。この重錘34は、その円弧状外周面と前記クランク
室6の内面との間に極僅かな隙間をあけた状態で前記ク
ランク軸30と一体に回転せしめられる。つまり、前記
重錘34は前記ピストン4の下降行程において該ピスト
ン4と協動して前記クランク室6内の流体(混合気)を
加圧するポンプのように働く。
【0017】前記クランクケース5の一側部には内外の
圧力差に応動する吸入リード弁37,37により開閉さ
れる吸入口35,35が設けられており、この吸入口3
5,35を介して外部に配設された図示しないダイヤフ
ラム式等の気化器からの混合気が前記クランク室6に吸
入されるようになっている。また、前記シリンダヘッド
7には、前記排気ポート40を開閉するための排気弁4
2、この排気弁42を常時閉成方向に付勢するコイルバ
ネ44及びカム軸43等からなる動弁機構が配されると
ともに、前記シリンダ室3内に臨むように、図示しない
電気火花式点火装置に接続された点火プラグ50が装着
されている。
【0018】そして、前記シリンダブロック2の外周部
における前記ピストン4が下死点にあるとき(図1の状
態)においてその上端面の上側に位置する部位には、前
記シリンダ室3を周回するように環状掃気室10が設け
られ、さらに、図3をも参照すればよくわかるように、
この環状掃気室10と前記クランク室6側とを連通させ
るように縦方向に三つの掃気導入路14が等角度(12
0度)間隔をもって形成されるとともに、平面視で前記
三つの掃気導入路14の間に位置する部位(3箇所)に
それぞれ外部と前記環状掃気室10とを連通させる空気
導入ポート17が等角度間隔をもって設けられ、この空
気導入ポート17を開閉すべく、その内端側に空気取り
入れ弁とされる舌状の弾性片からなる逆止リード弁19
が配設されている。なお、前記各空気導入ポート17に
は、適宜のエアークリーナを装着せしめておくと、好適
である。
【0019】また、前記環状掃気室10における平面視
で前記三つの掃気導入路14の間に位置する部位(3箇
所)には、それぞれ3個づつ計9個の掃気口12,1
2,12が形成されている。各掃気口12は前記シリン
ダ2の中心軸線Oを通る半径線に対して等しい傾斜角度
(ここでは約45度)を持つようになっている。さら
に、前記シリンダ室3における前記掃気口12より下側
には、前記掃気導入路14の上部と前記シリンダ室3と
を直接連通させる3個の吹出口15が等角度間隔をもっ
て設けられ、前記ピストン4には、その頂部中央に短円
柱状の凹部21が設けられるとともに、該ピストン4の
下降行程の終期において前記3個の吹出口15と前記凹
部21とを連通させるように、前記ピストン4の頂部周
縁に3本の案内路22が等角度間隔で前記中心軸線Oを
通る半径線に沿う方向に設けられている。
【0020】また、前記ピストン4のスカート部には、
該ピストン4が下死点にあるとき前記掃気導入路14の
下端開口面に対面する3個の矩形状の掃気窓24が等角
度間隔で設けられている。次に、上記した如くの構成を
有する本実施例の二サイクル・ユニフロー火花点火機関
1の動作を図4の作動線図を参照しながら説明する。
【0021】まず、前記ピストン4が下死点(図1の状
態)から上昇行程に入った直後には、前記クランク室6
の内圧が低下して前記吸入リード弁37,37が開き、
前記吸入口35,35を通じて外部に配設された図示し
ない気化器からの混合気が前記クランク室6に吸入され
始めるとともに、空気取り入れ弁とされる前記逆止リー
ド弁19も開いて前記空気導入ポート17から前記シリ
ンダブロック2の外周部に設けられた前記環状掃気室1
0及びこの環状掃気室10と前記クランク室6側とを連
通させる前記掃気導入路14に外部からの空気が吸入さ
れ始め、前記ピストン4が上死点に達する頃には、図2
に示される如くに、前記環状掃気室10と前記掃気導入
路14と前記クランク室6側における前記ピストン4の
下側近傍部分には空気層Aが形成され、前記クランク室
6側の下部には混合気層Mが形成される。
【0022】続いて、前記ピストン4が下降行程に入っ
た直後には、前記クランク室6側の内圧上昇に伴い前記
吸入リード弁37及び逆止リード弁19が閉じ、混合気
及び空気の吸入過程が終了して、前記混合気層Mと空気
層Aとからなる成層流体が前記ピストン4の下降行程に
より加圧されて蓄圧される。そして、前記ピストン4の
下降行程の途中で先ず前記排気弁42が開いて排気ガス
が前記排気ポート40を通じて外部に排出され始め、そ
の直後の前記ピストン4の下降行程の終期において、そ
れまで前記ピストン4により閉じられていた前記環状掃
気室10と前記シリンダ室3とを連通させる前記した計
9個の掃気口12が一斉に開口せしめられるとともに、
それまで前記ピストン4により閉じられていた前記吹出
口15と前記ピストン4の頂部に設けられた前記案内路
22とが対面して前記吹出口15も開口する。前記掃気
口12及び吹出口15が開口せしめられると、図5に示
される如くに、前記加圧・蓄圧されている混合気層Mと
空気層Aとからなる成層流体が掃気流体として、その上
層を形成する空気(A)を先行させて前記ピストン4上
方に吐出される。
【0023】すなわち、まず、前記掃気口12及び吹出
口15が開口せしめられた直後(図5)には加圧・蓄圧
されている成層流体のうちの上層を占める空気(A)の
みが前記ピストン4の上方に吐出される。この場合、前
記掃気口12は前記のように前記シリンダ2の中心軸線
Oを通る半径線に対して傾斜せしめられているので、そ
こから吐出された空気は前記シリンダ室3の内壁面に沿
うように旋回して渦流(スワール)を形成しつつ上方に
向かうユニフロー流れを生成し、それによって燃焼ガス
(排気ガス)Eが前記排気ポート40へ効果的に追い出
される。
【0024】そして、前記ピストン4が下死点に至る直
前には、前記成層流体のうちの空気層Aの大部分は前記
ピストン4上方に吐出されているので、前記吹出口15
からは主として加圧・蓄圧されていた混合気(M)が吐
出される。前記吹出口15から吐出された混合気は前記
3本の案内路22を通じて前記ピストン4の頂部に設け
られた前記凹部21内に導かれ、そこで互いに衝突して
混合せしめられ、燃料の微粒化が促進される。
【0025】次いで、前記ピストン4が下死点を通過し
て上昇行程に入った直後には、前記の如く逆止リード弁
19及び吸入リード弁37が開いて吸入が開始され、次
いで前記排気弁42が閉じられ、その後に前記吹出口1
5及び掃気口12が前記ピストン4により閉じられて掃
気過程も終了し、続いて、前記ピストン4の上昇により
該ピストン4上方に吐出供給された混合気(M)が圧縮
され、上死点直前で前記点火プラグ50により点火せし
められて燃焼せしめられる。
【0026】上記のように本実施例の機関1では、掃気
流体として用いられる空気(A)と混合気(M)との成
層流体が加圧・蓄圧された後に前記シリンダ室3の前記
ピストン4上方に吐出されるので、掃気流体(空気)に
より排気ガスが追い出され易くなり、燃焼時に前記シリ
ンダ室3に残留する排気ガスの量が減少し、掃気効率が
高められる。また、残留する排気ガスが減少することか
ら、着火性が高められ、失火率が小さくなるので、出力
特性も向上する。そして、前記のように掃気効率及び燃
焼性が高められることから、前記排気ポート40から排
出される排気ガス中の未燃成分であるHC及び不完全燃
焼成分であるCOが大幅に低減される。
【0027】それに加え、成層流体はその上層を形成す
る空気(A)を先行させて、つまり前記環状掃気室10
及び掃気導入路14内で圧縮されている空気が先に前記
シリンダ室3の排気ガスを排気ポート40側に追い出す
ように下降行程にある前記ピストン4の上方に吐出さ
れ、その後に混合気(M)が前記ピストン4上方に吐出
されるので、掃気行程初期において前記シリンダ室4に
おける前記ピストン4より上方の空間には、前記排気ポ
ート40側の最上部に排気ガスの層Eができ、その下側
に掃気口から吐出された空気の層Aができ、その下側で
前記ピストン4の頂面上には混合気の層Mができる。こ
のように、前記シリンダ室3における前記ピストン4上
に、上から順に排気ガス層E、空気層A、混合気層Mの
三層が形成されることにより、その後前記ピストン4が
上昇して掃気が完了するまでの期間において、上方の二
層を形成する排気ガス(E)及び空気(A)の一部は順
次前記排気ポート40から外部に排出されるが、混合気
(M)は最下層に位置しているので最後まで残留するこ
とになる。そのため、燃焼に供せられることなく排出さ
れる混合気量、いわゆる吹き抜け損失が大幅に低減され
ることになり、燃費が向上するとともに有害成分である
HC、CO等の排出量が一層低減される。
【0028】そして、本実施例の機関は、燃料噴射ノズ
ルや燃料噴射ポンプ等の高価で精密さが要求される部品
・装置が不要であり、構成もシンプルであるので、比較
的容易にかつ安価に製作でき、故障を低減できて信頼性
を高めることが可能となる。図6(A)、(B)、
(C)は、上記した本実施例の機関1の効果を確認すべ
く、比較例イとして前述した特公平3−9288号公報
の第2実施例の機関を用い、また比較例ロとして従来よ
り汎用されているシュニューレ掃気式の機関を用いて、
同一条件のもとで排気ガス中のHC成分、CO成分、及
びNOx成分の含有量(g/ps−h)の測定結果を、
横軸に燃料消費率(g/ps−h)をとって示したもの
である。図において、実線は本実施例のもの、破線は比
較例イ、一点鎖線は比較例ロのものを示している。
【0029】図6(A)〜(C)から、本実施例の機関
1は比較例イ、ロに比して、同一燃料消費率のもとでは
HC、CO、NOxのいずれの成分の排出量も大幅に削
減もしくは改善されることが理解されるであろう。な
お、上述した実施例はあくまで一例であって本発明はそ
れに限られることはなく、特に、掃気口12、掃気導入
路14、逆止リード弁19等の形状構造等は適宜変更し
てもよいことは勿論である。
【0030】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明に係る二サイクル・ユニフロー火花点火機関は、燃料
噴射ノズル等の高価で精密さが要求される部品・装置を
必要とすることなく、比較的簡単にかつ安価に製作でき
る構成でありながら、掃気効率を高めて出力特性を向上
させることができるとともに、燃費の向上及び有害成分
であるHC等の排出量の低減を図ることができるという
優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る二サイクル・ユニフロー火花点火
機関の一実施例の縦断面図。
【図2】図1に示される機関の動作説明に供される縦断
面図。
【図3】図1に示される機関の拡大横断面図。
【図4】図1に示される機関の動作説明に供される作動
線図。
【図5】図1に示される機関の動作説明に供される拡大
縦断面図。
【図6】図1に示される機関の効果の確認するために行
った排気ガス成分の測定結果を示すグラフ。
【符号の説明】
1…機関 2…シリンダブロック 3…シリンダ室 4…ピストン 6…クランク室 10…環状掃気室 12…掃気口 14…掃気導入路 15…吹出口 19…逆止リード弁(空気取り入れ弁) 21…凹部 22…案内路 A…空気 M…混合気 O…シリンダ室の中心軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−183520(JP,A) 特開 昭58−5423(JP,A) 特開 昭58−41216(JP,A) 実開 昭51−16119(JP,U) 実開 昭53−82615(JP,U) 特公 平3−9288(JP,B2) 特公 平4−4445(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 25/04 F02B 25/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストン(4)の上昇行程においてクラ
    ンク室(6)に混合気(M)を吸入するとともに、外部
    から空気取り入れ弁(19)を介してシリンダブロック
    (2)の外周部に設けられた環状掃気室(10)及びこ
    の環状掃気室(10)と前記クランク室(6)とを連通
    させる掃気導入路(14)に空気(A)を吸入し、その
    吸入された混合気(M)と空気(A)とからなる成層流
    体を前記ピストン(4)の下降行程において該ピストン
    (4)により前記クランク室(6)内で加圧して蓄圧し
    た後、前記ピストン(4)の下降行程の終期において前
    記環状掃気室(10)とシリンダ室(3)とを連通させ
    る前記シリンダ室(3)の中心軸線(0)を通る半径線
    に対して傾斜せしめられた複数の掃気口(12)から前
    記加圧した成層流体を掃気流体として、その上層を形成
    する空気(A)を先行させて前記ピストン(4)上方の
    前記シリンダ室(3)内に吐出してユニフロー流れを生
    成するようにされてなるとともに、 前記シリンダ室(3)における前記掃気口(12)より
    下側に前記掃気導入路(14)の上部と前記シリンダ室
    (3)とを連通させる複数の吹出口(15)が設けら
    れ、前記ピストン(4)の頂部中央に凹部(21)が設
    けられ、前記ピストン(4)の下降行程の終期において
    前記吹出口(15)と前記凹部(21)とを連通させる
    ように前記ピストン(4)の頂部に複数の案内路(2
    2)が放射状に設けられていることを特徴とする二サイ
    クル・ユニフロー火花点火機関。
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