JP3176478B2 - 居眠り運転防止装置 - Google Patents

居眠り運転防止装置

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JP3176478B2 JP12899393A JP12899393A JP3176478B2 JP 3176478 B2 JP3176478 B2 JP 3176478B2 JP 12899393 A JP12899393 A JP 12899393A JP 12899393 A JP12899393 A JP 12899393A JP 3176478 B2 JP3176478 B2 JP 3176478B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は居眠り運転防止装置に関
し、特に空調手段による冷風等の種々の警報媒体(刺激
媒体)の発生により居眠り運転を防止する装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】空調手段からの冷風吹き出しにより居眠
り運転を防止する装置としては、従来より例えば特公昭
57-30683号公報に開示されたものがあり、この装置にお
いては、車両等の送風装置から運転者の顔首付近等に開
口する通路を設け、この通路内に開閉弁及びブロワを設
置して、図19に示すように一定時間(30分)が経過
したとき特定運転条件が成立していれば、該開閉弁を開
くとともに該ブロワを駆動して送風装置のエバポレータ
からの冷風を該通路から運転者の顔首付近に一定の吹き
出し時間・吹き出し間隔で送ることにより該運転者に居
眠り運転防止のための警告を与えるようにしていた。
【0003】ここで、車両等を長距離または長時間運転
し続けたときの居眠り運転の発生危険度は時間の経過と
共に大きくなること(つまり、運転者の覚醒度が低下す
る)が知られており、これは図19においては、居眠り
運転の発生危険度(又は運転者の覚醒度低下)が時間A
<時間B<時間Cであることに他ならない。尚、図19
において、Aは運転開始後30分を越え60分までの3
0分間を、Bは60分を越え90分までの30分間を、
更にCは90分を越え120分までの30分間を示して
いる。
【0004】ところが、上記の特公昭57-30683号公報の
装置では冷風の吹き出し時間(T)・吹き出し間隔
(t)を一定としていたためその制御が発生危険度或い
は運転者の覚醒度に合わず、具体的には下記の不具合が
あった。
【0005】(1) 吹き出し間隔(T)が小さい(例えば
1分)と、覚醒度が高い図19のAの時に頻繁に冷風が
吹き出て運転者に不快感を与えることになり、反対に間
隔が大きい(例えば10分)と、同図のAの時には良い
が覚醒度が低下した同図のB更にCの時には冷風がなか
なか吹き出て来ないので、その間に居眠り運転に陥る危
険性がある。
【0006】(2) 吹き出し時間(t)が短い(例えば2
秒)と、同図のAの時には良いが、同図のB及びCの時
には十分の覚醒効果が得られず、反対に吹き出し時間が
長い(例えば3分)と、覚醒度の高い同図のAの時に運
転者に非常に不快に感じさせてしまう。
【0007】そこで、経時的居眠り運転発生危険度の増
大或いは運転者の覚醒度の低下に適した居眠り運転防止
制御を行う装置が必要とされ、このような制御を行うも
のとして、更に特開昭60-85031号公報に開示された装置
がある。
【0008】この装置においては、運転者に対して指定
のボタンを押すよう合成音声で指示する指示手段と、該
指示に対して運転者が正しいボタンを押したか否かをチ
ェックする応答検出手段と、運転者にブザーによる警告
を与える警告手段と、該応答が所定時間内で行われたか
否かを判定する判定手段と、該判定手段の出力に基づき
該警告手段を行使する制御手段と、を備えている。
【0009】そして、制御手段は、運転開始後所定の時
間(例えば30分)が経過したと判定すると指示手段に
より運転者に指定のボタンを押すよう指示し、運転者が
所定時間内(例えば2分)に正しいボタンを押したか否
かをチェックし、所定時間内に押さなかったと判定する
と運転者の覚醒度が低い、つまり居眠り運転の可能性が
大きいと判定し、ブザーを鳴らして運転者に警告を与え
ていた。
【0010】また、この制御手段は、指示を発してから
ボタンが押されるまでの時間により、この時間が短い時
は運転者の覚醒度が高いと判定して次の指示発生までの
時間(指示発生の間隔)を長く、反対にボタンが押され
るまでの時間が長いと所定時間内ではあっても運転者の
覚醒度が低いと判定して次の指示発生までの時間を短く
制御していた。
【0011】更に、上記のように運転者の覚醒度が低い
と判定した場合には、ボタンが所定時間内に押されなか
ったためブザーを鳴らす時間を長く或いは音量を大きく
し、反対に覚醒度が高いと判定した場合には時間を短く
或いは音量を小さくするよう制御していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開昭60-85031号公報に開示された装置でのブザーによ
る警報は、一旦警報した後は継続的な繰り返し警報は行
わず単なるその場限りの警報であり、抜本的な居眠り運
転防止の効果が小さい言う問題点があった。
【0013】また、この装置では運転者の覚醒度合を運
転者に運転以外の操作を求めているため、ボタンを押す
場合、前方不注意になる虞れがある。また、このボタン
操作は本来運転に必要無いものなのでこれを強要された
運転者は非常に不快に感じることになる。
【0014】そこで本発明は、運転者に不快感を与えず
且つ居眠り運転防止の効果が大きく安価な居眠り運転防
止装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る居眠り運転防止装置は、車速検出手段
と、車両の室温検出手段と、車室内に設けられて運転者
へ警報媒体(例えば、冷風、芳香ガス、音声、振動、熱
風、警報水、ランプ光、表示光、接触冷温、接触圧力)
を与える警報媒体発生手段と、複数のタイマと、各検出
手段及び各タイマの出力から車両が走行中であり室温が
継続して設定温度を越えていることが分かったときその
継続時間に比例して該警報媒体の発生時間が延長され該
継続時間に反比例して該警報媒体の発生間隔が短縮され
るように該警報媒体発生手段を制御する制御手段と、を
備えている。
【0016】ただし本発明では、該室温が該設定温度を
越えているだけでなく眠気を催す上限設定温度以下であ
るときのみ該制御手段が制御を開始し、該警報媒体が冷
風のとき、該警報媒体発生手段が、該冷風の吹き出し前
に該制御手段によって設定された一定時間だけ吹出口側
に溜まっている温風を予めバイパスさせて逃がしてお
く。
【0017】
【0018】更に上記の本発明では、該制御手段が、該
継続時間のタイマカウント中に停車状態が生じたときに
は該タイマカウントを一時停止させ、走行が再開された
時点で該タイマカウントを再開させることもできる。
【0019】更に上記の本発明では、該制御手段による
オートモードと手動で警報媒体の吹き出しを行うマニュ
アルモードとの切替スイッチを設け、該切替スイッチの
操作により該オートモードからマニュアルモードに切り
替えられた後、一定時間、該オートモードへの復帰を停
止させることも可能である。
【0020】
【作用】本発明に係る居眠り運転防止装置において、制
御手段は、室温検出手段と車速検出手段及びタイマの出
力とから車両の室温が居眠り運転が発生し易いとして予
め設定した温度を越えており且つ走行状態が所定時間継
続したと判定すると居眠り運転発生危険度が増大した状
態、即ち運転者の覚醒度が低下した状態と判断して警報
媒体発生手段を駆動し運転者に警報媒体を断続的に与え
ることにより運転者に居眠り運転の警報を送ると共に室
温を低下させて居眠り運転発生の危険度を減少させてい
る。そして、この断続的な警報媒体発生を、室温が設定
値より下がるか又は走行停止まで継続する。
【0021】そしてこの制御手段は、上記のような運転
者の覚醒度の低下による居眠り運転発生の危険度が増大
する状態が継続した時間に比例して警報媒体発生時間を
長くすると共に警報媒体発生間隔をその継続時間に反比
例して短くするよう制御することにより、運転者に対す
る覚醒のための刺激及び室温低下効果を継続時間に比例
して大きくしている。
【0022】このように、本発明に係る居眠り運転防止
装置においては、経時的居眠り運転発生危険度の増大或
いは運転者の覚醒度低下に適した居眠り運転防止を図っ
ているが、本発明では、さらに、車両の室温が上記の設
定温度を越えているだけでなく、夏期等において異常な
高温になった場合には眠気を催さないにも関わらず上記
の様に警報媒体の発生を行ってしまうので、これを防ぐ
ため、上記の設定温度以上で眠気を催す上限設定温度以
下の時のみ上記の制御手段による警報媒体の発生制御を
開始する様にしている。
【0023】
【0024】そしてには、警報媒体発生手段が空調手
段であるとき、該空調手段が最初に警報媒体としての冷
風の吹出を行う時には、その空調手段に溜まっている温
風が吹き出してしまうことがあるため、制御手段が一定
時間だけ設定して空調手段の吹出口側に溜まっている温
風を予めバイパスさせて逃がしておき、最初に冷風が吹
き出した時に覚醒効果のある冷風の吹出を行うように
ている。
【0025】更に本発明では、上記の継続時間をタイマ
カウントする間、走行と停車を繰り返すような場合にも
適用されることがない様にするため、停車状態が生じた
時には、タイマカウントを一旦停止させ、走行が再開さ
れた時点でタイマカンウトを再開させることにより走行
中の正確な継続時間をタイマカウントすることができ
る。
【0026】更に本発明では、上記のような制御手段に
よるオート制御モードで警報媒体の発生を行うだけでな
く、運転者の好みの時点で警報媒体の発生を行うために
マニュアルモードに切り替えるためのスイッチを設けた
場合、この切替スイッチの操作によりオートモードから
マニュアルモードに切替えて警報媒体を発生した後、オ
ートモードに復帰させる場合、上記の継続時間のタイマ
カウントが働かない様にするため、一定時間はオートモ
ードへの復帰を停止させることも出来る。
【0027】
【実施例】〔1〕警報媒体が冷風のときの実施例:図1〜図10 図1は本発明に係る居眠り運転防止装置の実施例の構成
を示すブロック図であり、この実施例では警報媒体(刺
激媒体)発生手段として空調手段を用い、該警報媒体と
して冷風を用いている。
【0028】図において、1は車速検出手段としての車
速センサ、2は車両の室温を検出する手段としての室温
センサ、3〜6はそれぞれ設定室温を超えた状態が継続
する時間t1、冷風吹出間隔(冷風の吹出開始時点の間
隔)t2、冷風吹出時間(冷風の吹出開始時点からの期
間)t3、及び車両停止時間t4を検出するためのタイ
マ、7は空調手段としてのエアコン駆動回路、8はダン
パ駆動回路、81はダンパ駆動回路8により駆動される
エアコン(図示せず)のダンパ、そして100は車速セ
ンサ1と室温センサ2とタイマ3〜6の各出力を読み込
んでエアコン駆動回路7及びダンパ駆動回路8を動作さ
せる制御手段としてのCPU(Central Processing Uni
t) である。
【0029】また、図2は本発明に係る居眠り運転防止
装置に使用する空調手段の実施例の構成を概略的に示し
た図であり、71は車内(図示せず)に風を送り込むブ
ロワ、72はブロワ71からの風の通路であるダクト、
73はダクト72内に設置したブロワ71からの風を冷
却するエバポレータ、74は冷風75を運転者に向かっ
て吹き出すようインストルメントパネル91上に設置し
た吹出口、81は図1のダンパ駆動回路8により駆動さ
れ吹出口74を開閉するダンパ、そして、92は運転者
に操作されるハンドルである。
【0030】尚、本実施例では上記のように専用の吹出
口74を設けているが従来のエアコンでも運転者の顔首
付近に冷風を送出できる吹出口が有れば特に専用の吹出
口を設けなくてもよい。
【0031】次に図3及び図4は図1に示したCPU1
00に記憶され且つ実行されるプログラムのフローチャ
ート図であり、以下、これらの図に基づき、図1及び図
2に示した実施例の動作を説明する。
【0032】このプログラムがスタートすると、CPU
100は、フラグF=0とし(図3のステップS1)、
エアコン制御ルーチンによりエアコン駆動回路7に信号
を送出しエアコンを作動させ(同ステップS2)、室温
Pが予め設定した所定値P0(これは運転者が居眠りを
起こし易い温度として設定した温度であり例えば27°
C)を越えたか否かをチェックし(同ステップS3)、
越えたと判定するまでこのチェックを繰り返す。これ
は、冬期等においてなかなか室温が上がらず運転者が寒
さを感じている時には冷風が吹き出さないようにするた
めである。
【0033】そして、室温Pが所定値P0を越えたと判
定すると、CPU100は、フラグF2=0とし(同ス
テップS4)、続けて現在車両が走行中か、つまり車速
V>所定値V0(例えば5Km/h)か否かをチェックし
(同ステップS5)、V≦V0の停車時は続けてフラグ
F2=0か否かチェックし(同ステップS6)、フラグ
F2≠0の時はステップS9へ飛ぶが、フラグF2=0
の時はF2=1とし(同ステップS7)、タイマ6の時
間t4をリセット・スタートさせ(同ステップS8)、
V≦V0の状態が所定時間t40(これは、車両が信号
や渋滞等で一時的に停まっているのか否かを判定する時
間であり例えば5分)を越えているか否かをチェックし
(同ステップS9)、越えていない時はステップS5か
らのチェックを繰り返すが、越えたと判定すると車両、
即ち運転者が休憩しているものと判断しこの制御を終了
する。
【0034】一方、ステップS5においてV>V0、即
ち、走行中であると判定するとCPU100は、フラグ
F=0か否かをチェックし(同ステップS10)、F≠
0の時はステップS13に飛ぶが、F=0の時はF=1
とし(同ステップS11)、タイマ3の時間t1をリセ
ット・スタートさせ(同ステップS12)、車両が走行
中で且つ室温P>所定値P0の継続時間を示すt1が第
1段階としての所定時間t11(例えば30分)を越え
たか否かをチェックし(同ステップS13)、越えてい
ない時はステップS2に戻る。これは、運転を始めた直
後は、通常、運転者の覚醒度が高く居眠り運転の発生危
険度は低く、この時期に冷風を吹き出すことは運転者に
とって余計なこととなり不快となるので所定の時間t1
1を越えるまで待機させるものである。
【0035】ステップS13でt1>t11と判定する
とCPU100は、続けてt1<t12(第2段階とし
ての所定時間であり例えば60分)か否かをチェックし
(同ステップS14)、t1<t12の時、冷風吹出指
令信号発生し(同ステップS15)、ダンパ駆動回路8
を介しダンパ81を図2に示した位置にして冷風75を
吹出口74から吹き出させる。
【0036】続けてタイマ5の時間t3をリセット・ス
タートさせ(図4のステップS16)、冷風吹出時間t
3が所定時間t32(例えば5秒)を越えたか否かのチ
ェックを行い(同ステップS17)、越えたと判定する
と冷風吹出指令信号を消滅させた後(同ステップS1
8)、タイマ4の時間t2をリセット・スタートさせ
(同ステップS19)、冷風吹出間隔t2が所定時間t
22(例えば10分)を越えたか否かのチェックを行い
(同ステップS20)、越えたと判定するとステップS
2に戻る。
【0037】ここで、図5は本発明において実行する冷
風吹出制御を経時的に示したものであり、上記のステッ
プS13からステップS20までの制御を図5に基づい
て説明すると、ステップS13からS20を実行する時
間t1は、図5の時間Aに相当するものである。この時
間Aにおいては運転を始めてから30分しか経過してい
ないため運転者の覚醒度低下が少なく居眠り運転発生危
険度も小さいものなので冷風吹出による運転者への警報
及び室温低下のための冷風吹出間隔t2をt22=10
分、また、冷風吹出時間t3をt32=5秒と短い値に
設定していることが分かる。
【0038】ステップS14に戻って、t1≧t12と
判定するとCPU100は続けてt1<t13(例えば
90分)か否かをチェックし(図3のステップS2
1)、t1<t13の時は上記ステップS15〜ステッ
プS20と同様に冷風吹出制御を行う(図3のステップ
S22〜図4のステップS27)。尚、この制御を行う
時間(t12<t<t13)は図5において時間Aの次
の時間Bに相当し、この時間Bは時間Aより居眠り運転
発生危険度が大きく運転者の覚醒度が低下すると考えら
れるので、この時間における運転者への警報及び室温低
下効果を時間Aの場合より大きくするため吹出間隔t2
をt23=6分、また、冷風吹出時間t3をt33=1
0秒としている。
【0039】更に、上記ステップS21においてt1≧
t13と判定するとCPU100は、続けてt1<t1
4(例えば120分)か否かをチェックし(同ステップ
S28)、上記と同様にステップS29〜S34の制御
またはステップS35〜S40の制御を上記居眠り運転
発生危険度大・運転者覚醒度低下の条件が消滅するまで
繰り返す。
【0040】尚、上記の実施例では、設定室温を超えた
状態が継続する時間t1を区切る値としてt1,t2,
3,t4の4つを例に挙げたが、これに限らず種々の時
間値を比較対象とすることができる。
【0041】即ち、本発明においては、運転継続時間t
1が、t11(30分),t12(60分),t12
(90分),t14(120分),・・・と長くなるに
連れて冷風吹出間隔t2をt22(10分),t23
(6分),t24(3分),t25(1.5分),・・
・と短くして行き、反対に冷風吹出時間t3をt32
(5秒),t33(10秒),t34(20秒),t3
5(30秒),・・・というように長くしており、運転
継続時間に従って運転者への警報及び室温低下効果を大
きなものにしている。
【0042】変形例(1):図6 上記の図3に示した実施例では、運転者が眠気を催し易
い状況として車両の室温P>P0(ステップS3)とし
ているが、これは冬期などにおいて中々室温が上がらず
運転者が寒さを感じている時には、エアコン制御ルーチ
ン(ステップS2)のみを実行させ、その後の冷風を吹
き出す制御を行わない様にするためであったが、これに
は次のような欠点がある。
【0043】即ち、夏期などにおいては駐車中の車両の
室温は場合によっては80℃以上になるので、図3のフ
ローチャートにおいては、ステップS3を通り抜けてし
まう。
【0044】すると、運転者が非常に暑い室内で不快感
を感じながらエアコンを利かし、ようやく快適温度にな
ったところでステップS13の条件t1>t11が成立
してしまいステップS14以降の冷風発生サイクルが始
まってしまう。
【0045】この状態はエアコンを利かした結果、室内
が快適な状態になっており、眠気を催すような状態には
なっていないわけである。
【0046】そこで、この変形例においては、眠気を催
す様な状態を設定温度P0より大きいという条件だけで
なく上限設定温度P1(例えば35℃)を用いる様に
し、図6に示す如くステップS2の後にステップS3の
代わりにステップS3Aを用い、車両の室内温度Pが上
限温度P1と下限温度P0の単調で居眠りし易い状態に
ある時のみステップS4以降の制御に移る様にする事が
望ましい。
【0047】変形例(2):図7,図8 上記の図3及び図4に示した実施例においては、冷風吹
出指令信号発生ステップS15,S22,S29,S3
5に基づきタイマ(t3)をリセットしスタートさせる
ことによりダンパ駆動回路8を介してダンパ81を開く
制御を行う時、ブロア71から送り出されたエアーが吹
出口74から吹き出される時、車両が長い間日射を受け
る等の状態によって冷風を吹き出す最初の状態において
温風が吹き出してしまうことがあり、運転者に不快感を
与えてしまうことがある。
【0048】これを避けるため、この変形例においては
図2の空調手段の実施例を次のように変形している。
【0049】即ち、図7に示す様に、図2には示されて
いないが通常設けられている顔面、デフロスター及び足
元に対する吹出口扉〜に加えてバイパス管BPに対
して設けたバイパス扉及びが設けられている。ま
た、ヒータHの一端を回転軸とする温度調節扉も通常
設けられているものである。これらの扉〜を図8に
示すフローチャートに従ってCPU100が制御する様
になっている。
【0050】まず、冷風吹出指令信号をステップS1
5,S22,S29,S35で発生した後、まず吹出口
扉〜を図示の実線位置に閉じる(ステップS4
1)。そして、バイパス扉及びをやはり図示の実線
位置まで開き(同S42)、温度調節扉をヒータH側
にし且つクーラーコンプレッサ(図示せず)を作動する
(同S43)。
【0051】これにより、ブロア71からのエアーはエ
バポレータEVで冷却され、衝立PLの上側を通ってバ
イパス扉に達し、バイパス管BPを通ってブロア71
に戻ってくる。
【0052】そして更にタイマ(t10)をリセットす
ると共にスタートさせ(同S44)、このタイマ(t1
0)が所定の値T10(例えば5秒)経過したか否かを
判定し(同S45)、この設定時間T10が経過した後
はバイパス扉を点線位置に閉じる(同S46)。
【0053】この設定時間T10だけ上記のように吹出
口扉〜付近に最初に溜まっていた温風をバイパス管
BPを介して循環させることとなり、この間に徐々に温
風から冷風に変わって行く。
【0054】そして、最後に吹出扉を開き(同S4
7)、タイマ(t3)をリセット且つスタートさせる
(ステップS16,S23,S30,S36)。
【0055】尚、上記の変形例ではバイパス時間を一定
時間としたが、このバイパス管BPの空気の温度を計っ
てこの温度が当初の温度から所定値(例えば5℃)だけ
下がるまでバイパスする様にしても良い。
【0056】また、上記の実施例ではバイパス口を各吹
出口とは独立して設けたが、吹出口扉の外側(顔面へ
の吹出口直前)からバイパスさせても良い。
【0057】更に、上記の様に冷風を出す際の温風防止
についての対策の他、逆に温風を出す際の冷風防止につ
いても同様に適用することが出来る。
【0058】変形例(3):図9 図3に示した様な実施例においてはステップS5に続く
ステップS10〜ステップS13においては車両が走行
した後のタイマ(t1)をリセット・スタートさせるも
のであり、ステップS6〜ステップS9においては運転
者が休憩しているか、或いは信号待ちや渋滞等で一時的
に停車しているかどうかを判定している。
【0059】従ってこの様な実施例においては、走行と
停車が繰り返されるような例えば渋滞時には次のような
問題が生じる。
【0060】即ち、一旦ステップS5において車両が走
行状態にあると判定されると、その後に停車してステッ
プS5からステップS6〜S9に進んでもタイマ(t
1)のタイマカウントが続けられる形となるので、例え
ば渋滞のため、1分走っては5分止まり、また1分走っ
ては5分止まるというパターンが繰り返された場合、タ
イマ(t1)が一定時間t11を越えてしまい(ステッ
プS13)、冷風が発生してしまう。
【0061】しかしながら、実際には、この運転者は眠
気を催すような単調な運転を僅かな時間しか続けていな
いわけであるから、冷風吹出タイミング及びその量は不
必要なものとなってしまい、その後の冷風吹出タイミン
グにまで悪影響を与えてしまう。
【0062】そこで、この変形例においては、図9に示
すように、ステップS5において停車状態であると判定
した時には、タイマ(t1)を一旦停止させ(同S5
A)、ステップS6に進む。
【0063】その後、車両が走行を再開した時には、ス
テップS5からステップS5Bに進ませ、このステップ
においてフラグF2=1のとき(前に停車状態であった
とき)にはステップS5Cに進んでタイマ(t1)を再
スタートさせてステップS10に進むこととし、ステッ
プS5BにおいてフラグF2≠1の時には、走行状態が
継続しているものとしてステップS5Cをスキップしス
テップS10に進む様にしている。
【0064】この様にして、走行と停車を繰り返す様な
場合には、走行している時のみタイマ(t1)のカウン
トを積算することとし、その結果、t11〜t14と比
較してそれぞれ上記のような所定の冷風吹出を行う様に
している。
【0065】変形例(4):図10 上記の実施例および変形例においては、CPU100に
よる自動的な冷風吹出制御を行うものであるが、冷風の
吹出タイミングは予めプログラムされたものであるの
で、冷風が出ていない所で運転者が眠気を催すというこ
とがあり得る。
【0066】そこで、そういう時には冷風をマニュアル
で運転者が発生させることが出来るスイッチを設けるこ
とが好ましく、その為、この変形例においては図10に
示すようなフローチャートにおいて上記の問題を改良し
ている。
【0067】即ち、図3に示したステップS4の後、モ
ード切替スイッチがマニュアル側にあるかオート側にあ
るかをステップS51で判定し、この結果、オート側に
あることが分かった時には、図3と同様にステップS5
に進むが、そうでなくマニュアル側に切り替わっている
時には、冷風吹出指令信号の発生を命ずる(同S5
2)。
【0068】これにより、上記と同様の冷風吹出が実行
されるが、次にモード切替スイッチがオート側に戻され
ているか否かを判定し(同S53)、オート側に戻され
ていることが判明した時点でタイマ(t5)をリセット
すると共にスタートさせ(同S54)、このタイマ(t
5)が一定時間T5(例えば1分)を越えたか否かを判
定し(同S55)、この所定時間T5を経過した時点で
上記のステップS5に戻る様にしている。
【0069】この様にすることにより冷風吹出をマニュ
アルで発生した後にオートモードに戻った場合、上記の
タイマ(t1)が所定時間t11〜t14のいずれかに
達してしまうような事がなくなり、一定時間T5が経過
して初めてオートモードによる冷風吹出が行われること
となる。
【0070】〔2〕警報媒体の他の実施例:図11〜図
18 上記のように警報媒体(刺激媒体)としては空調手段に
よって発生される冷風がある他、次のような種々の警報
媒体を用いることも可能である。従って、上記の図1〜
図10の実施例において記載されている『冷風』はそれ
ぞれ下記のように入れ替えて実施することができる。ま
た、図1におけるエアコン駆動回路7は下記のそれぞれ
の警報媒体を発生する手段(装置)に置き換えられ、C
PU100からの制御信号を受けることとなる。
【0071】(1)香りの場合:図11 この変形例では芳香ガスを充填したボンベ11が電磁弁
12に接続されており、CPU100は電磁弁12の開
閉を制御することにより芳香ガス13が出力され、運転
者10への覚醒作用を呈する。この場合、ボンベ11と
電磁弁12とで警報媒体発生手段を構成している。
【0072】このとき、CPU100は、図5に示した
ような継続時間(t3)及び時間間隔(t2)で電磁弁
12を制御している。従って、運転者10への刺激は芳
香ガス13の継続時間を増加させれば強くなる。
【0073】(2)音声の場合:図12,図13 この変形例では、テープレコーダ14とスピーカ15を
用意し、CPU100がテープレコーダ14を制御して
スピーカ15から出力される警報媒体としての音声の継
続時間及び時間間隔を変化させる。この場合、テープレ
コーダ14とスピーカ15とで警報媒体発生手段を構成
している。
【0074】この場合、音声が一定の音(ブザーやアラ
ーム等)は音の継続時間が増加するが、人の声等の場合
は、図14(a) に示すように単一警報メッセージの繰り
返し回数が増加する場合と、同図(b) に示すように次第
に警報メッセージの内容が変化する場合の2通りが考え
られる。
【0075】尚、上記音声の継続時間については、同図
(a) 及び(b) の両方共に予めテープレコーダ14に録音
しておいた音声の再生時間を次第に長くして行けばよ
い。
【0076】(3)振動の場合:図14 この変形例では、シート16の座部に設けたマッサージ
器やボディーソニック等の警報媒体発生手段としての振
動発生器17に対してCPU100が制御信号を与える
ことにより運転者10に対して警報媒体としての振動を
上記と同様に図5に示す如く与えることができる。
【0077】(4)窓開けによる外気の場合:この変形例
では、図1におけるエアコン駆動回路7(及びダンパ駆
動回路8)の代わりに通常車両に設けられている「窓ガ
ラス開閉装置駆動回路」を警報媒体発生手段として用い
る。
【0078】そして、上記の継続時間は窓の開放時間を
指し、時間間隔は窓を開放する時間間隔を指している。
【0079】(5)熱風の場合:この変形例では、冷風の
代わりに熱風を用いるものであり、図2に示した空調手
段において冷房状態でなく暖房状態となるように温度設
定等により切り替えておけば運転者に警報媒体としての
熱風を与えることができる。
【0080】(6)警報水の場合:図15 この変形例では、同図(a) に示すように車両30の天井
30aに警報媒体としての警報水を満たしたタンク18
を設け、同図(b) に更に拡大して示すようにタンク18
の下部に電磁弁19を設けている。
【0081】そして、CPU100はこの電磁弁19を
制御することにより警報水20を運転者10に対して掛
けることにより運転者を覚醒させている。
【0082】この場合、時間が経過するにつれて警報水
の一滴の分量を多くして継続時間の増加に対応させ、更
に警報水の落下回数を増加させれば時間間隔を短くする
ことに対応する。
【0083】或いは、同図(c) に示すように水スプレー
21を設け、電磁弁22をCPU100により継続時間
と時間間隔を制御して警報水23を運転者の顔首付近に
当てるようにしてもよい。
【0084】(7)ランプ点灯の場合:図16 この変形例では、図示のように警報媒体発生手段として
CPU100に接続されたトランジスタ24とこのトラ
ンジスタ24によって点灯されるランプ25が用いられ
る。そして、このランプ25が点灯したときのランプ光
が警報媒体として冷風の場合と同様に時間が経つにつれ
てランプ点灯時間(継続時間)を長くし点灯間隔(時間
間隔)を短くして行くことになる。
【0085】(8)表示光の場合:この変形例では、上記
の変形例(2) に示した音声警報に相当する文字も車両の
インパネ内に設けたディスプレイに表示する。そして、
このディスプレイ表示による表示光を警報媒体としてそ
の継続時間及び時間間隔を制御することとなる。
【0086】(9)接触冷温の場合:図17 この変形例では、警報媒体発生手段として電源26とス
イッチ27とに接続されたペルチェ素子28がシート1
6に設けられており、電源26の電圧を印加することに
よりペルチェ素子28が発熱したり冷却したりする特性
を利用して運転者10の尻や背中に直接接触して冷温を
与えたりシートベルトに付けて胸に接触冷温を与えて警
報する。
【0087】この場合の冷却効果はCPU100によっ
てスイッチ27のON/OFF継続時間と間隔を制御す
ればよい。
【0088】(10)接触圧力の場合:図18 この変形例では、警報媒体発生手段としてコンプレッサ
29と電磁弁30とシート16に組み込んだ空気袋31
で構成しており、CPU100により電磁弁30をON
/OFF制御することによりコンプレッサ29で生成さ
れる圧縮エアを空気袋31に与える。
【0089】これにより運転者10には空気により接触
圧力を与えて刺激することができる。
【0090】或いは、シート16に内蔵したアクチェー
タ(図示せず)によりマッサージ機と同じ圧力刺激を与
えることができる。
【0091】この場合の圧力効果はCPU100によっ
て電磁弁30のON/OFF継続時間と間隔を制御すれ
ばよい。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る居眠
り運転防止装置では、下記の特有の効果を得ることがで
きる。
【0093】運転者の居眠り状態を直接検知すること
無しに危険な状態を回避させることができる。 運転者に本来運転に必要無い操作を要求することが無
い。 運転者の覚醒度が高い時の警報は小さく、反対に覚醒
度が低い時の警報は大きくしているので、運転者に不快
感を与えずに大きな居眠り運転防止効果が得られる。
【0094】警報媒体発生手段として空調装置を用い
た場合には、冷風吹出により警報を発生すると同時に室
温を低下させ居眠り運転の起き難い状態を継続して作り
出す、即ち、居眠り運転予防の効果を得られる。 従来の空調装置をそのまままたは若干の改造を施すこ
とにより使用できるのでコストが低い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る居眠り運転防止装置の実施例の構
成ブロック図である。
【図2】本発明に係る居眠り運転防止装置に用いる空調
手段の実施例を示す図である。
【図3】本発明に係る居眠り運転防止装置において実行
されるプログラムのフローチャート図(その1)であ
る。
【図4】本発明に係る居眠り運転防止装置において実行
されるプログラムのフローチャート図(その2)であ
る。
【図5】本発明に係る居眠り運転防止装置において実行
される冷風吹出制御動作を説明するためのグラフ図であ
る。
【図6】本発明に係る居眠り運転防止装置の変形例
(1)の動作を示すために図3のフローチャーと組み合
わされる部分フローチャート図である。
【図7】本発明に係る居眠り運転防止装置の変形例
(2)としての空調手段の別の構造を示した図である。
【図8】本発明に係る居眠り運転防止装置の変形例
(2)としての空調手段の動作を説明するためのフロー
チャート図である。
【図9】本発明に係る居眠り運転防止装置の変形例
(3)の動作を示すために図3のフローチャーと組み合
わされる部分フローチャート図である。
【図10】本発明に係る居眠り運転防止装置の変形例
(4)の動作を示すために図3のフローチャーと組み合
わされる部分フローチャート図である。
【図11】本発明に係る居眠り運転防止装置において警
報媒体として芳香ガスを用いた場合の変形例を示した概
略図である。
【図12】本発明に係る居眠り運転防止装置において警
報媒体として音声を用いた場合の変形例を示した概略図
である。
【図13】本発明に係る居眠り運転防止装置において警
報媒体として音声を用いた場合の時間的経過を示した図
である。
【図14】本発明に係る居眠り運転防止装置において警
報媒体として振動を用いた場合の変形例を示した概略図
である。
【図15】本発明に係る居眠り運転防止装置において警
報媒体として警報水を用いた場合の変形例を示した概略
図である。
【図16】本発明に係る居眠り運転防止装置において警
報媒体としてランプ光を用いた場合の変形例を示した概
略図である。
【図17】本発明に係る居眠り運転防止装置において警
報媒体として接触冷気を用いた場合の変形例を示した概
略図である。
【図18】本発明に係る居眠り運転防止装置において警
報媒体として接触圧力を用いた場合の変形例を示した概
略図である。
【図19】従来の居眠り運転防止装置において実行され
る冷風吹出制御を説明するためのグラフ図である。
【符号の説明】
1 車速センサ 2 室温センサ 3〜6 タイマ 7 エアコン駆動回路 71 ブロワ 72 ダクト 73 エバポレータ 74 吹出口 75 冷風 8 ダンパ駆動回路 81 ダンパ 11 芳香ガスボンベ 13 芳香ガス 14 テープレコーダ 15 スピーカ 16 シート 17 振動発生器 18 警報水タンク 21 水スプレー 25 ランプ 28 ペルチェ素子 29 コンプレッサ 31 空気袋 100 CPU 〜 吹出口扉 , バイパス扉 温度調節扉 BP バイパス管 図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 二宮 理憙 東京都府中市若松町3−30−28 (56)参考文献 特開 平3−276816(JP,A) 実開 平1−152282(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 28/06 B60R 21/00 626 G08B 21/00 G08G 1/00 - 9/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車速検出手段と、車両の室温検出手段
    と、車室内に設けられて運転者へ警報媒体を与える警報
    媒体発生手段と、複数のタイマと、各検出手段及び各タ
    イマの出力から車両が走行中であり室温が継続して設定
    温度を越えていることが分かったときその継続時間に比
    例して該警報媒体の発生時間が延長され該継続時間に
    反比例して該警報媒体の発生間隔が短縮されるように該
    警報媒体発生手段を制御する制御手段とを備え、該室温
    が該設定温度を越えているだけでなく眠気を催す上限設
    定温度以下であるときのみ該制御手段が制御を開始し、
    該警報媒体発生手段が空調手段であり、該警報媒体とし
    ての冷風の吹き出し前に該制御手段によって設定された
    一定時間だけ吹出口側に溜まっている温風を予めバイパ
    スさせて逃がしておくようにしたことを特徴とする居眠
    り運転防止装置。
  2. 【請求項2】 該制御手段が、該継続時間のタイマカウ
    ント中に停車状態が生じたときには該タイマカウントを
    一時停止させ、走行が再開された時点で該タイマカウン
    トを再開させることを特徴とした請求項1記載の居眠
    り運転防止装置。
  3. 【請求項3】 該制御手段によるオートモードと手動で
    警報媒体の発生を行うマニュアルモードとの切替スイ
    ッチを設け、該切替スイッチの操作により該オートモー
    ドからマニュアルモードに切り替えられた後、一定時
    間、該オートモードへの復帰を停止させることを特徴と
    した請求項1又は2に記載の居眠り運転防止装置。
  4. 【請求項4】 該警報媒体が、冷風の代わりに、芳香ガ
    ス、音声、振動、熱風、警報水、ランプ光、表示光、接
    触冷温、及び接触圧力の内のいずれかであることを特徴
    とした請求項1から3のいずれかに記載の居眠り運転防
    止装置。
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