JP3176364B2 - 金属蒸気放電灯 - Google Patents

金属蒸気放電灯

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、紫外線源として使用される金属蒸気放電灯
に関する。
〔従来の技術〕
光化学反応、塗料やインキの硬化等の技術分野におい
ては、一般に波長域が280〜400nmの紫外線が利用される
が、そのような紫外線源として、通常、金属蒸気放電灯
が使用される。そして金属蒸気放電灯において、波長域
が280〜400nmの紫外線の放射強度を高めるためには、35
0〜400nmの波長域に連続スペクトルを有する鉄を水銀と
ともに発光管の内部に封入することが有効である。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、鉄が封入された従来の金属蒸気放電灯では、
点灯時間の経過とともに鉄が発光管の内壁に付着して薄
膜が形成されるため、発光に寄与する鉄の量が減少し、
またこの鉄の薄膜によって紫外線の透過が阻害されて紫
外線の放射強度が経時的に大幅に低下する問題がある。
また、発光管内に設けられた一対の電極間の距離が特
に750mm以上であるような長い発光長を有し、鉄が封入
された金属蒸気放電灯は、それが水平方向に延びる姿勢
で点灯された場合にも、鉄の発光スペクトルの強度分布
が発光管の管軸方向において不均一となる問題があるこ
とが判明した。これは、発光管内において鉄の分布が均
一とならず、中央部のみまたは片側のみに集中すること
によると考えられる。さらに、発光長が長い場合には、
安定なアークが形成されず、アークに部分的なあるいは
全体的なゆらぎが生ずる問題がある。
紫外線源として使用される金属蒸気放電灯において、
上記のような発光スペクトル強度の不均一や、アークの
ゆらぎが発生すると、当然の結果として安定な紫外線照
射を行うことができない。また、アークにゆらぎが発生
すると、ハロゲンサイクルが阻害されて発光管の内壁に
鉄が付着する現象が促進される、という問題もある。
本発明は、以上の問題を解決するためになされたもの
であって、第1の目的は、発光管内に鉄が封入され、長
い発光長を有しながら、発光管の内壁に鉄が付着せず、
さらに均一な鉄の発光スペクトルの強度分布が得られる
金属蒸気放電灯を提供するにある。
本発明の第2の目的は、発光管内に鉄が封入され、長
い発光長を有しながら、ゆらぎのない安定なアークが形
成される金属蒸気放電灯を提供することにある。
本発明の第3の目的は、発光管内に鉄が封入され、長
い発光長を有しながら、発光管の内壁に鉄が付着するこ
とがなく、均一な鉄の発光スペクトルの強度分布が得ら
れ、さらにゆらぎのない安定なアークが形成される金属
蒸気放電灯を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の金属蒸気放電灯は、内径が18〜35mmの長尺な
発光管内に一対の電極が750mm以上の電極間距離で設け
られ、当該発光管の内部に、当該発光管の内容積1cc当
り0.6〜2.0mgとなる量の水銀と、希ガスと、鉄と、ハロ
ゲンとともにビスマスが封入されてなり、ビスマスの鉄
に対するグラム原子数比Bi/Feが1/20〜6/1であることを
特徴とする。
さらに、内径が18〜35mmの長尺な発光管内に一対の電
極が750mm以上の電極間距離で設けられ、当該発光管の
内部に、水銀と、希ガスと、鉄と、ハロゲンとともにビ
スマスが封入されてなり、ビスマスの水銀に対するグラ
ム原子数比Bi/Hgが1/2000〜1/25であることを特徴とす
る。
また、内径が18〜35mmの長尺な発光管内に一対の電極
が750mm以上の電極間距離で設けられ、当該発光管の内
部に、当該発光管の内容積1cc当り0.6〜2.0mgとなる量
の水銀と、希ガスと、鉄と、ハロゲンとともにビスマス
が封入されてなり、ビスマスの鉄に対するグラム原子数
比Bi/Feが1/20〜6/1で、かつ、ビスマスの水銀に対する
グラム原子数比Bi/Hgが1/2000〜1/25であることを特徴
とする。
〔作用〕
以上の構成によれば、発光長が長い金属な放電灯にお
いて、鉄とともに特定の範囲の量でビスマスが封入され
ること、および発光管の内容積1cc当りの水銀の封入量
が特定の範囲内であることにより、鉄と水銀の発光スペ
クトルに悪影響を与えることなしに発光管の内壁に鉄が
付着することが有効に防止され、さらに均一な鉄の発光
スペクトルの強度分布が得られる。
また、発光長が長い金属蒸気放電灯において、鉄とと
もにビスマスが封入され、しかもビスマスの封入量が水
銀に対して特定の範囲内であることにより、アークが安
定でゆらぎのないアークが形成される。
さらに、発光長が長い金属蒸気放電灯において、鉄と
ともに特定の範囲の量でビスマスが封入されること、発
光管の内容積1cc当りの水銀の封入量が特定の範囲内で
あること、並びにビスマスの封入量が水銀に対して特定
の範囲内であることにより、鉄と水銀の発光スペクトル
に悪影響を与えることなしに発光管の内壁に鉄が付着す
ることが有効に防止され、さらに均一な鉄の発光スペク
トルの強度分布が得られ、しかもアークが安定でゆらぎ
のないアークが形成される。
〔実施例〕
以下、図面によって本発明の実施例を具体的に説明す
る。
参考例 第1図は本発明に係金属蒸気放電灯の基本的構成の一
例を示す。この金属蒸気放電灯は、石英ガラスからなる
長尺な発光管1内の両端において一対の電極2が互いに
管軸方向に対向するよう配置され、発光管1の両端のシ
ール部11に封止されたモリブデンよりなる金属箔3を介
して、電極2と外部リード4とが電気的に接続されてい
る。
以上の構成に従い、内径が22mmの発光管内に下記の封
入物を封入して、電極間距離250mm、定格消費電力4KWの
金属蒸気放電灯を作製した。
封入物:金属水銀…120mg、沃化水銀…12mg、鉄…4mg、
沃化ビスマス…5.3mg、キセノンガス…20mmHg ここに、ビスマスの鉄に対するグラム原子数比は1/8
である。
この金属蒸気放電灯を消費電力4KW(ランプ電流12.2
A、ランプ電圧365V)で1000時間連続点灯させたが、発
光管の内壁に鉄は全く付着せず、鉄の薄膜は形成されな
かった。またこの点灯実験において、波長域280〜400nm
の紫外線の放射強度を測定したが、第2図に曲線Aで示
すように、紫外線の放射強度の経時変化は非常に小さ
く、点灯時間が1000時間を経過した時点の点灯初期の放
射強度に対する出力維持率は90%であった。
一方、上記と同一の構成を有し、封入物のうち沃化ビ
スマスを除外し、その他は同様にしてビスマスが封入さ
れていない比較用の金属蒸気放電灯を作製し、上記と同
様にして点灯させたところ、点灯初期には同等の紫外線
放射強度が得られたが、点灯時間が数十時間を経過した
頃から発光管の内壁に鉄が付着し始め、鉄の薄膜の傾城
が認められた。この比較用の金属蒸気放電灯の紫外線の
放射強度の経時変化は第2図に曲線aで示すとおりであ
り、点灯時間が1000時間を経過した時点の出力維持率は
51%であった。
以上のように、発光管内にビスマスを封入することに
よって鉄の付着が防止されることを見出したことから、
さらに有効なビスマスの封入量を求めるため、ビスマス
の封入量の変化によって紫外線の放射状態がどのように
変化するかを調べた。すなわち、ビスマスの鉄に対する
グラス原子数比を変化させた他は同一の構成によって金
属蒸気放電灯を作製し、同一の条件で点灯させて点灯初
期の紫外線放射強度(ビスマスが封入されていない場合
を100としたときの相対値)および連続点灯時間が1000
時間を経過した時点の出力維持率並びに発音管の鉄の付
着状態を観察した。結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように、鉄に対するビスマスのグ
ラム原子数比Bi/Feが1/20〜6/1という特定の範囲内であ
れば、点灯初期にビスマスを封入しないときと同等に高
い紫外線放射強度が得られるとともに、鉄の発光管の内
壁への付着を有効に防止することができ、波長域280〜4
00nmの紫外線が高い放射強度で長時間にわたり安定に放
射される。
これに対して、ビスマスの封入量が少なくて当該グラ
ム原子数比Bi/Feが1/20未満であると、鉄の発光管の内
壁への付着が発生して点灯時間の経過とともに波長域28
0〜400nmの紫外線出力が大きく低下する。またビスマス
の封入量が多くて当該グラム原子数比Bi/Feが6/1を超え
る場合には、点灯初期における水銀および鉄の発光スペ
クトル強度が大幅に低くなる。
以上のように、鉄に対するビスマスのグラム原子数比
Bi/Feが1/20〜6/1という特定の範囲内であれば、ビスマ
スを封入することによって、鉄と水銀の発光スペクトル
に悪影響を与えることなしに鉄の付着が防止される。当
該グラム原子数比Bi/Feは特に1/10〜3/1であることが好
ましい。
実施例1 第1図に示した構成に従い、内径が22mmの発光管内に
下記の封入物を封入して、電極間距離1450mm、定格消費
電力24KWの金属蒸気放電灯を作製した。
封入物:金属水銀…800mg、沃化水銀…50mg、鉄…8mg、
沃化ビスマス…42mg、キセノンガス…20mmHg ここに、発光管の内容積1cc当たりの水銀の封入量は
約1.4mg、ビスマスの鉄に対するグラス原子数比は1/2で
ある。
この金属蒸気放電灯を消費電力24KW(ランプ電流11.8
A、ランプ電圧2260V)で1000時間連続点灯させたとこ
ろ、参考例の場合と同様の結果が得られた。すなわち、
点灯初期はビスマスが封入されていないものと同様の高
い紫外線放射強度を示し、点灯時間が1000時間を経過し
た時点においても、発光管の内壁に鉄の付着は全く認め
られず、出力維持率は88%であった。
また、この金属蒸気放電灯について、発光管の管軸方
向における鉄の発光スペクトルの強度分布を調べたとこ
ろ、第3図に曲線Bで示すように発光管の全長にわたっ
て高い均一性を示すことが確認された。しかもこの状態
は、点灯周波数を45〜65Hzの間で変化させたときにも、
特に変動することはなかった。
一方、上記と同一の構成を有し、封入物のうち沃化ビ
スマスを除外し、その他は同様にしてビスマスが封入さ
れていない比較用の金属蒸気放電灯を作製し、上記と同
様にして点灯させたところ、点灯初期には同等の紫外線
放射強度が得られたが、添加時間が数十時間を経過した
頃から発光管の内壁に鉄が付着し始め、鉄の薄膜の傾城
が認められた。この比較用の金属蒸気放電灯の紫外線の
放射強度の経時変化は第2図の曲線aと同様であり、点
灯時間が1000時間を経過した時点の出力維持率は約50%
であった。
また、上記と同一の構成を有し、封入される水銀の全
量を280mg(発光管の内容積1cc当たりの水銀の封入量は
約0.5mgである)に変更し、その他は同様にして比較用
の金属蒸気放電灯を作製し、上記と同様の条件で点灯さ
せて鉄の発光スペクトルの強度分布を調べたところ、第
3図に曲線bで示すように、鉄の発光スペクトルが強く
放射されている部分は発光管の一方の端部側のみであ
り、他方の端部側では鉄の発光は大幅に低下していた。
しかもこの不均一状態は時間の経過とともに変動し、鉄
の発光スペクトルが強く放射されている発光管の個所が
移動し、点灯周波数を変化させたときも同様であった。
以上のように、ビスマスを封入した場合に、長尺な発
光管における鉄の発光スペクトルの強度分布の均一性が
水銀の封入量によって異なる現象を見出したことから、
さらに有効な水銀の封入量を求めるため、水銀の封入量
の変化によって鉄の発光スペクトルの強度分布がどのよ
うに変化するかを調べた。すなわち、水銀の封入量のみ
を変化させた他は同一の構成によって金属蒸気放電灯を
作製して同一の条件で点灯させ、発光管の管軸方向にお
ける鉄の発光スペクトルの強度分布を調べ、不均一性の
程度を表わす分布の幅を知るために、発光強度の最小値
に対する最大値の割合を求めた。
結果を第2表に示す。
第2表のように、発光管の内容積1cc当たりの水銀の
封入量が0.6〜2.0mgの範囲では、鉄の発光スペクトルの
強度分布は全体に均一であった。しかし水銀の封入量が
0.6mg/cc未満の場合は既述のように鉄の発光スペクトル
強度分布が非常に不均一となり、また2.0mg/ccを超える
と、アークが細くなって電極近傍で上方へ持ち上がった
り、全体に上方へ持ち上がったりして安定せず、アーク
と触れる部位の発光管壁に失透が生じた。
実施例2 第1図に示した構成に従い、内径が32mmの発光管内に
下記の封入物を封入して、電極間距離1450mm、定格消費
電力34.8KWの金属蒸気放電灯を作製した。
封入物:金属水銀…1400mg、沃化水銀…55mg、鉄…10m
g、沃化ビスマス…45mg、キセノンガス…50mmHg ここに、発光管の内容積1cc当たりの水銀の封入量は
約1.2mg、ビスマスの鉄に対するグラム原子数比は1/2.3
5である。
この金属蒸気放電灯を消費電力34.8KW(ランプ電流11
A、ランプ電圧3515V)で1000時間連続点灯させたとこ
ろ、参考例の場合と同様の結果が得られた。すなわち、
点灯初期にはビスマスが封入されていないものと同様の
高い紫外線放射強度を示し、また点灯時間が1000時間を
経過した時点においても、発光管の内壁に鉄の付着は全
く認められず、出力維持率は89%であった。
一方、上記と同一の構成を有し、封入物のうち沃化ビ
スマスを除外し、その他は同様にしてビスマスが封入さ
れていない比較用の金属蒸気放電灯を作製し、蒸気と同
様にして点灯させたところ、点灯初期には同等の紫外線
放射強度が得られたが、点灯時間が数十時間を経過した
頃から発光管の内壁に鉄が付着し始め、鉄の薄膜の形成
が認められた。この比較用の金属蒸気放電灯の紫外線の
放射強度の経時変化は第2図の曲線aと同様であり、点
灯時間が1000時間を経過した時点の出力維持率は約50%
であった。
また、この実施例と同じ金属蒸気放電灯について、発
光管の管軸方向における鉄の発光スペクトルの強度分布
を調べたところ、第3図の曲線Bと同様に発光管の全長
にわたって高い均一性を示すことが確認された。しかも
この状態は、点灯周波数を45〜65Hzの間で変化させたと
きにも、特に変動することはなかった。
一方、上記と同一の構成を有し、封入される水銀の全
量を590mg(発光管の内容積1cc当たりの水銀の封入量は
約0.5mgである)に変更し、その他は同様にして比較用
の金属蒸気放電灯を作製し、上記と同様の条件で点灯さ
せて鉄の発光スペクトルの強度分布を調べたところ、第
3図の曲線bと同様に、鉄の発光スペクトルが強く放射
されている部分は発光管の一方の端部側のみであり、他
方の端部側では鉄の発光は大幅に低下していた。この不
均一性の状態は時間の経過とともに変動し、また点灯周
波数を変化させたときも変動した。
また、水銀の封入量が鉄の発光スペクトルの強度分布
に及ぼす影響を調べた結果は第2表と同様であり、発光
管の内容積1cc当たりの水銀の封入量が0.6〜2.0mgの範
囲では均一な鉄の発光スペクトル強度が得られた。
実施例3 第1図に示した構成に従い、内径が22mmの発光管内に
下記の封入物を封入して、電極間距離1450mm、定格消費
電力24KWの金属蒸気放電灯を作製した。
封入物:金属水銀…1.0mg/cc、沃化鉄…0.06mg/cc、沃
化ビスマス…0.03mg/cc、キセノンガス…30mmHg ここに、ビスマスの水銀に対するグラム原子数比は1/
100である。
この金属蒸気放電灯を消費電力24KW(ランプ電流11.8
A、ランプ電圧2260V)で点灯させたところ、アーク5の
状態は第4図に模式的に示すようにきわめて良好で安定
しており、ゆらぎは全く認められず、波長域280〜400nm
の紫外線の放射強度は安定であり、連続点灯1000時間後
に、発光管の内壁への鉄の付着は生じていなかった。
一方、上記と同一の構成を有し、封入物のうち沃化ビ
スマスを除外し、その他は同様にしてビスマスが封入さ
れていない比較用の金属蒸気放電灯を作製し、蒸気と同
様にして点灯させたところ、第5図に模式的に示すよう
に、発光管の全長にわたってアーク5にゆらぎが生じ、
波長域280〜400nmの紫外線の放射強度が不安定であっ
た。さらに、連続点灯1000時間後に、発光管の内壁に鉄
が付着しており、ハロゲンサイクルが十分でないものと
して認められた。
以上のように、ビスマスを封入することによって、鉄
を封入した長尺な発光管ではアークのゆらぎが消失する
ことを見出したことから、ビスマスの水銀に対する割合
を変化させた他は同一の構成によって金属蒸気放電灯を
作製し、同一の条件で点灯させてアークの状態を観察し
た。その結果、水銀に対するビスマスのグラム原子数比
Bi/Hgが1/2000〜1/25の範囲ではゆらぎのない良好で安
定なアークが形成され、波長域280〜400nmの紫外線の放
射強度が安定に得られることが確認された。
これに対して、当該グラム原子数比Bi/Hgが1/2000未
満の場合にはアークのゆらぎが大きく、一方、当該グラ
ム原子数比Bi/Hgが1/25を超える場合には、水銀の発光
スペクトル強度が著しく低下し、波長域280〜400nmの紫
外線の放射強度が不十分であった。
以上において、発光管内に封入される封入物の形態は
限定されず、例えばビスマスは金属ビスマスの形態であ
っても、ハロゲン化ビスマスの形態であってもよい。希
ガスとしてはキセノン以外にアルゴン、クリプトン、ネ
オンなどを単独でまたは2種以上を混合して用いてもよ
い。
〔発明の効果〕
本発明の金属蒸気放電灯によれば、発光長が長い場合
にも、鉄に対して特定の量のビスマスが封入されている
ので、鉄および水銀の発光スペクトル強度に悪影響を与
えることなしに発光管の内壁への鉄の付着を十分有効に
防止することができ、従って波長域280〜400nmの紫外線
を高い放射強度で長時間にわたり安定に放射することが
できると共に、発光管内の単位容積当たりの水銀の量が
特定の範囲内とされることにより、発光管の管軸方向に
おける鉄の発光スペクトル強度が十分均一で安定な紫外
線放射が得られ、 さらにビスマスの水銀に対する割合を特定の範囲内と
することにより、ゆらぎのない良好で安定なアークが形
成されて有利な紫外線放射が達成される。
このように、本発明の金属蒸気放電灯によれば所望の
紫外線を安定した放射強度で良好に放射させることがで
き、種々の技術分野において均一な紫外線照射を有利に
達成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は金属蒸気放電灯の基本的構成を示す断面図、第
2図は波長域280〜400nmの紫外線放射強度の経時変化を
示す特性曲線図、第3図は発光管の管軸方向における鉄
の発光スペクトルの強度分布を示す特性曲線図、第4図
は本発明に係る金属蒸気放電灯のアークの状態を模式的
に示す説明図、第5図は比較用の金属蒸気放電灯のアー
クの状態を模式的に示す説明図である。 1……発光管、11……シール部 2……電極、3……金属箔 4……外部リード、5……アーク
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−16888(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 61/00 - 61/28 H01J 61/50 - 65/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内径が18〜35mmの長尺な発光管内に一対の
    電極が750mm以上の電極間距離で設けられ、当該発光管
    の内部に、当該発光管の内容積1cc当り0.6〜2.0mgとな
    る量の水銀と、希ガスと、鉄と、ハロゲンとともにビス
    マスが封入されてなり、ビスマスの鉄に対するグラム原
    子数比Bi/Feが1/20〜6/1であることを特徴とする金属蒸
    気放電灯。
  2. 【請求項2】内径が18〜35mmの長尺な発光管内に一対の
    電極が750mm以上の電極間距離で設けられ、当該発光管
    の内部に、水銀と、希ガスと、鉄と、ハロゲンとともに
    ビスマスが封入されてなり、ビスマスの水銀に対するグ
    ラム原子数比Bi/Hgが1/2000〜1/25であることを特徴と
    する金属蒸気放電灯。
  3. 【請求項3】内径が18〜35mmの長尺な発光管内に一対の
    電極が750mm以上の電極間距離で設けられ、当該発光管
    の内部に、当該発光管の内容積1cc当り0.6〜2.0mgとな
    る量の水銀と、希ガスと、鉄と、ハロゲンとともにビス
    マスが封入されてなり、ビスマスの鉄に対するグラム原
    子数比Bi/Feが1/20〜6/1で、かつ、ビスマスの水銀に対
    するグラム原子数比Bi/Hgが1/2000〜1/25であることを
    特徴とする金属蒸気放電灯。
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