JP3175851B2 - 吸収性物品及びその製造方法 - Google Patents
吸収性物品及びその製造方法Info
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Description
むつ、失禁者用パッド、母乳シート等の吸収性物品に関
し、更に詳しくは、表面シートと吸収体とを湿潤時にお
いても剥がれないように固定した吸収性物品及びその製
造方法に関する。
吸収性物品は、血液、尿等の液を吸収する吸収体と、該
吸収体の表面を覆い肌にあてられる表面シートと上記吸
収体の裏面を覆い液漏れを防ぐ防漏シートとを具備して
構成されている。吸収性物品の表面シートは、血液、尿
等の液を速やかに吸収体へ移行させ、該吸収体に吸収さ
せる為の液吸収透過機構が要求される。このような表面
シートから吸収体への液の移動は、両者が密に接触する
ことによって達成されるものであり、これらが分離した
状態にあれば、表面シートから吸収体への液移動は極度
に低下し、表面シートにおける液拡散、液保持を生じ、
これにより液漏れが生じてしまう。
って生じる液吸収不良は、それ自身に吸収性を持たない
フィルムタイプ表面シート(孔開フィルム、ネット等)
である立体有孔シートの場合には特に問題であり、表面
シートと吸収体の分離は吸収性物品として致命的な問題
となる。このような観点から、特に、フィルムタイプの
立体有孔シートを使用した吸収性物品において、吸収体
と表面シートの分離を防止する為の技術が種々提案され
ている。
開昭60ー259261号公報には、表面シートに液吸
引用の繊維を粘着材を介して一体化し、表面シートから
吸収体への液移動をスムースにする技術が開示されてい
る。
公報に開示の技術としては、立体有孔シート自体が吸収
性を持たないことによって生じる不利益を解消すること
が可能となるが、バラバラの繊維を表面シートに付着さ
せるのみであるので、表面シートと一体化した一部分の
繊維のみが吸収体から容易に剥離し、本質的には何等表
面シートと吸収体との一体化ができないとともに、部分
的に付着した部分が、その部分における表面シートから
吸収体への液移動を阻害し、表面シートにおける液保
持、液拡散を助長し、液漏れを生じさせるという問題点
がある。
吸収体への液移動をスムースに行うことによって、液漏
れを防止することができる吸収性物品及びその製造方法
を提供することにある。
面シートと、液防漏性の防漏シートと、これら両シート
間に位置する吸収体とを有する吸収性物品において、上
記表面シートは、無数の凹部が形成された立体有孔シー
トであり、該凹部の少なくとも一部に開孔が形成されて
おり、該凹部の先端部のみに塗布された接着剤により上
記吸収体に接着されており、上記接着剤の塗布パターン
全てが吸収性物品の長手方向に平行な軸線に対して60
°以下の角度で線状に配置されていることを特徴とする
吸収性物品を提供することにより、上記目的を達成した
ものである。
製造する方法として、上記無数の凹部が形成された表面
シートの凹み量に対応した間隙をもって、周面に接着剤
が塗布されたグラビアロールと支持ロールとを配置し、
上記支持ロールと上記グラビアロールとの間に上記表面
シートを供給し、上記グラビアロールの周面を表面シー
トの凹部の先端部にのみ接触させることによって、上記
接着剤を該凹部の該先端部にのみ塗工し、続いて、上記
表面シートの下面に吸収体を合わせて上記表面シートに
上記接着剤を介して該吸収体を接着する工程を備えたこ
とを特徴とする吸収性物品の製造方法を併せて提供する
ものである。
収体へと移動するが、このとき表面シートと吸収体と
は、凹部の先端部のみが接着剤によって接着されている
ので、表面シートから吸収体への液移動が阻害されるこ
とがなく、体液がスムースに吸収体へ移動する。
吸収体とは、凹部の先端部のみにおいて部分的に接着さ
れ、且つ接着剤の塗布パターンが長手方向に平行な軸線
に対して60°以下の角度を持っていることにより、吸
収性物品の幅方向の柔軟性が損なわれることがなく、身
体に対するフィット性がよくなり、違和感がない。
て、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。図1は
本発明の実施例による生理用ナプキンの斜視図、図2は
本発明の実施例による表面シートの接着状態を示す断面
図、図3は本発明の他の実施例による表面シートの接着
状態を示す断面図、図4は接着剤塗布パターンを示す平
面図、図5は他の接着剤塗布パターンを示す平面図、図
6は本発明の吸収性物品の製造方法を示す工程図、図7
は本発明の製造方法に用いられるグラビアロールの斜視
図である。
ナプキン1は、液透過性の表面シート2と、液防漏性の
防漏シート3と、これら両シート間に位置する吸収体4
とを有する吸収性物品において、上記表面シート2は、
無数の凹部5が形成された立体有孔シートであり、該凹
部5の壁部5bに貫通孔(開孔)8が形成されており、
該凹部5の先端部(又は底部)5aのみに塗布された、
接着剤6により上記吸収体4に接着されており、接着剤
6の塗布パターン全てが吸収性物品の長手方向に平行な
軸線に対して60°以下の角度で線状に配置されている
ことを特徴とする。
れており、吸収された液について遮蔽性を付与するた
め、不透明であることが好ましく、また、液不透過性材
料として樹脂フィルムが用いられるが、樹脂フィルムと
繊維層とを重ね合わせたものを用いてもよい。かかる樹
脂フィルムとしては、例えば、ポリオレフィン、オレフ
ィンと他のモノマーの共重合樹脂、合成繊維及びこれら
のブレンドポリマー等が挙げられる。尚、繊維層には繊
維同士が絡合または接着により固定されてなるいわゆる
不織布または紙が用いられる。
成された立体有孔シートであり、各凹部5は、図2に拡
大して示すように、頂部(又は表面部)5cから吸収体
4側に突出している先端部(又は底部)5aと、壁部5
bとから構成されており、凹部5の壁部5bには、貫通
孔8が形成されている。このように貫通孔8が壁部5b
に形成されていることにより、吸収体に吸収された血液
等を遮蔽することができる。
るが、該接着剤6は一つの先端部5a全面に塗布されて
いなくとも良く、該先端部5aの一部に塗布されていれ
ばよい。更に、無数の凹部5全てに塗布されるのではな
く、所定の線状の塗布パターンに従って、該当する凹部
の先端部5aに塗布されていればよい。上記線状の形態
は、点の連続からなる線状でもよい。接着剤塗布パター
ンは、生理用ナプキン1の長手方向の軸線Nと接着剤の
塗布線Mがなす角度αが60°以下に設定される。角度
αを60°以下としたのは、αを60°より大きくする
と幅方向の柔軟性を妨げることになるからである。角度
αは好ましくは、20°〜50°である。
チレン・ブタジエン共重合体;例えばPー618B(商
品名:東洋ペトロライト(株)製)、HTー400ZB
(商品名:新田ゼラチン(株)製)、MQー916(商
品名:カネボウNSC(株)製)、アクリル酸エステル
共重合体;例えばモビニール810(商品名:ヘキスト
合成(株)製)、酢酸ビニル、エチレン・オレフィン共
重合体、石油系粘着樹脂、コールドグルー等が使用され
る。
り、特に好ましくは、10g以上である。5gより低い
と使用中に表面材と吸収体との剥離がおこるケースが多
くなるからである。接着剤の塗布量は、坪量0.1g/
m2 〜20g/m2 が好ましい。0.1g/m2 より少
ないと、充分な接着強度がえられないからであり、20
g/m2 より多いと吸収阻害を与えるおそれがあるばか
りか風合いを大きく損ねる事になり好ましくないからで
ある。
いられているポリラミ防水紙、フィルム等が好適に使用
できる他、熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸した蒸
気を透過させる透湿性のある液不透過性シートや、肌着
に近い感触を有したもの、例えば、フィルムと不織布と
の複合材あるいはフィルムと織布との複合材等が用いら
れる。
し、高分子吸収ポリマー及び吸収紙を併用したもの等が
好適に使用できるが、特に限定されるものではない。次
に、図6及び図7を参照して、本実施例の生理用ナプキ
ン(吸収性物品)の製造方法について説明する。生理用
ナプキンの製造方法は、無数の凹部5が形成された表面
シート2の凹部の深さに対応した間隙をもって、支持ロ
ール9aとグラビアロール9bとを配置し、上記支持ロ
ール9aと上記グラビアロール9bとの間に上記表面シ
ート2を供給し、上記グラビアロール9bの周面を表面
シート2の凹部5の先端部5aにのみ接触させることに
よって、接着剤6を該先端部5aにのみ塗工し、続い
て、表面シート2の下面に吸収体4を合わせて表面シー
ト2に上記接着剤を介して上記吸収体4を接着する工程
を備えたことを特徴とする。
ラビアロールコート方式であり、、表面シート2の搬送
路に支持ロール9aとグラビアロール9bが所定間隔を
あけて配置し、これらのロール9a、9b間に、表面シ
ート2を凹部5の先端部5aを下にして搬送している。
グラビアロール9bは、その周面の一部が接着剤6が満
たされた接着剤タンク11に浸漬されており、表面シー
ト2の凹部5の先端部5cに接触して該先端部5cに接
着剤を塗布するようになっている。
に、その塗工面(周面)に、所望の塗工パターンが形成
されており、本実施例では格子状のパターンを形成して
いる。従って、塗工パターンは所定のパターンが形成さ
れたグラビアロールを交換すことによって容易に変更す
ることができる。接着剤が塗布された表面シート2は、
ロール12a、12bにおいて、吸収体4に合わせられ
て接合される。その後、防漏シート3部分を形成して吸
収性物品1を製造する。
明する。 (実施品1)秤量45g/m2 のラミネート不織布から
なる図2に示すような孔を有する立体有孔シートを表面
材として用い、吸収体として秤量260g/m2 のパル
プの上に0.3gの高吸収ポリマーを散布し、これを秤
量18g/m2 の吸収紙で包みこんだものを用いた。ま
た、防水フィルムとしては、秤量29g/m2 のポリラ
ミ防水紙を用いた。表面材と吸収体との接着は、接着剤
としてトプコP−618B(東洋ペトロライト)を用
い、グラビアロールコーターで塗布量3g/m2 、図5
に示す塗布パターンC(α=50°)にて行い、図1に
示す様な構成の生理用ナプキンを構成し、これを実施品
1とした。 (実施品2)上記実施品1において、接着剤としてニッ
タイトHT−400ZB(新田ゼラチン(株)製)を用
い塗布量10g/m2 、図5に示す塗布パターンD(α
=20°)とし、その他は実施例1と同様に設定し、実
施品2を得た。 (実施品3)実施品1において図5に示す塗布パターン
A(α=0°)を用い、それ以外は実施例1と同様に設
定し、実施品3を得た。 (実施品4)実施品1において表面材としてポリエチレ
ンフィルムからなる図3に示す孔を有す立体有孔シート
を用い、その他は実施品1と同様に設定し、実施品4を
得た。 (比較品1)実施品2において、図8に示す塗布パター
ンをE(α=90°)とし、その他は実施品2と同様に
設定し、比較品1を得た。 (比較品2)実施品1において、表面材と吸収体の接着
手段として、スパイラルスプレーを用い、スプレー塗工
で吸収体との接着面全面に接着剤を塗布した比較品2を
得た。 (比較品3)実施品1において接着剤による接着をまっ
たく行わないでサンプルを作成し、これを比較品3とし
た。
の比較試験を行った。 (1)接着力の測定 表面シートと吸収シートの接着を施した試験片を25m
m(幅)×70mm(長さ)の大きさに切り出し、これ
を試験サンプルとする。試験サンプルはテンシロン引張
試験機にてチャック間30mm(サンプルは長手方向端
部を20mm剥がした後、表面シート及び吸収シートを
チャック間に把持する。)引張速度300mm/分の条
件で180°剥離試験を行い、この時に得られた剥離速
度を接着力とする。 (液吸収時間の測定)実施品及び比較品として得られ
た、図1に示すような試験用の生理用ナプキンを水平に
置き、直径10mmの注入口のついたアクリル板をのせ
る、試験用の生理用ナプキンに5g/cm2 の荷重がか
かるように調整する。注入口から脱繊維馬血(日本バイ
オテスト研究所(株)製)6gを注入し、液が完全に吸
収されるまでの吸収時間を求める。 (風合い試験)実施品及び比較品として得られた試験用
の生理用ナプキンについて、20人のモニターに手触り
テストをしてもらい、以下の基準で風合いを判断した。
比較例で得られたサンプル21を装着し、歩行状態(1
00歩/分)にて、注入チューブ22より疑血を注入
し、該可動式女性腰部モデル20から漏れを生じるまで
に、サンプル21が吸収した液量を測定し、動的吸収量
とした。またこの際、表面材と吸収体との接着状態につ
いて剥離が生じていないか確認を行った。その結果を下
記表1に示す。
て、使用時の風合いを損なうことなく且つ安定した液吸
収性を発現させる効果がある。本発明は上述した一実施
例に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々変形可能である。
は、図3に示すように、その先端部5aが開孔するもの
であってもよい。この場合、先端部5aは開孔端部縁で
あり、接着剤6はこの開孔端部縁5aに配置される。ま
た、表面シート2における接着剤の塗布パターンは、図
5の(A)に示すように、交差角度αが約0°、即ち軸
線Nに平行に線状に配置したものであってもよく、ま
た、図5の(B)に示すように、図5の(A)に示す線
状は点の連続からなる線状であってもよく、更に、図5
の(C)に示すように、直線による格子状に配置したも
のであってもよい。
シートから吸収体への液移動をスムースに行うことによ
って、液漏れを防止することができる。特に、接着剤は
表面シート凹部の先端部のみに塗布しているから、体液
の表面シートから吸収体への移行を阻害せず、また吸収
性物品全体の柔軟性を損なうことがない。
て、60°以下であることにより、長手方向に可撓軸を
生じ易くなり、表面シートと吸収体との分離を充分に抑
制することができる。また、本発明による吸収性物品の
製造方法によれば、上記吸収性物品を好適に製造するこ
とができる。
である。
示す断面図である。
態を示す断面図である。
ある。
の斜視図である。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 液透過性の表面シートと、液防漏性の防
漏シートと、これら両シート間に位置する吸収体とを有
する吸収性物品において、 上記表面シートは、無数の凹部が形成された立体有孔シ
ートであり、該凹部の少なくとも一部に開孔が形成され
ており、該凹部の先端部のみに塗布された接着剤により
上記吸収体に接着されており、上記 接着剤の塗布パターン全てが吸収性物品の長手方向
に平行な軸線に対して60°以下の角度で線状に配置さ
れていることを特徴とする吸収性物品。 - 【請求項2】 上記接着剤による上記表面シートの上記
吸収体に対する接着強度が5g以上であることを特徴と
する請求項1記載の吸収性物品。 - 【請求項3】 上記表面シートの上記凹部の壁部に開孔
が形成されていることを特徴とする請求項1記載の吸収
性物品。 - 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の吸収性物
品の製造方法であって、上記無数の凹部が形成された表
面シートの凹み量に対応した間隙をもって、周面に接着
剤が塗布されたグラビアロールと支持ロールとを配置
し、上記支持ロールと上記グラビアロールとの間に上記
表面シートを供給し、上記グラビアロールの周面を表面
シートの凹部の先端部にのみ接触させることによって、
上記接着剤を該凹部の該先端部にのみ塗工し、続いて、
上記表面シートの下面に吸収体を合わせて上記表面シー
トに上記接着剤を介して該吸収体を接着する工程を備え
たことを特徴とする吸収性物品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30942891A JP3175851B2 (ja) | 1991-11-25 | 1991-11-25 | 吸収性物品及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30942891A JP3175851B2 (ja) | 1991-11-25 | 1991-11-25 | 吸収性物品及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH05137752A JPH05137752A (ja) | 1993-06-01 |
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Family
ID=17992890
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30942891A Expired - Fee Related JP3175851B2 (ja) | 1991-11-25 | 1991-11-25 | 吸収性物品及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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KR100353700B1 (ko) * | 1993-11-18 | 2003-10-04 | 더 프록터 앤드 갬블 캄파니 | 직조된 착용자-접촉면을 갖는 흡수제품용 웹 |
KR20000030721A (ko) * | 2000-03-14 | 2000-06-05 | 김정곤 | 흡수 속도 기능을 강화한 생리대용 시트 제조방법 |
JP4990003B2 (ja) * | 2007-03-30 | 2012-08-01 | 花王株式会社 | 吸収性物品 |
WO2013129332A1 (ja) * | 2012-02-29 | 2013-09-06 | ユニ・チャーム株式会社 | 吸収性物品 |
-
1991
- 1991-11-25 JP JP30942891A patent/JP3175851B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH05137752A (ja) | 1993-06-01 |
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