JP3175749B2 - セメント着色用材料及びその製造法 - Google Patents

セメント着色用材料及びその製造法

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JP3175749B2 JP25933393A JP25933393A JP3175749B2 JP 3175749 B2 JP3175749 B2 JP 3175749B2 JP 25933393 A JP25933393 A JP 25933393A JP 25933393 A JP25933393 A JP 25933393A JP 3175749 B2 JP3175749 B2 JP 3175749B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B14/00Use of inorganic materials as fillers, e.g. pigments, for mortars, concrete or artificial stone; Treatment of inorganic materials specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone
    • C04B14/02Granular materials, e.g. microballoons
    • C04B14/30Oxides other than silica
    • C04B14/308Iron oxide
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/54Pigments; Dyes

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラーコンクリートあ
るいはカラーモルタル製の構造物に用いられるセメント
着色用材料に関し、その取扱いを容易にするとともに、
セメント混合材への分散性を向上させたセメント着色用
材料及びその製造法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題が大きく取り上げられる
中、コンクリートあるいはモルタル製人工建造物におい
ても自然環境に配慮した外観、色調が求められている。
【0003】これに対応して、白または灰色単色のコン
クリートあるいはモルタル製の構造物に代え周囲の環境
に適合した色彩をもつカラーコンクリートあるいはカラ
ーモルタル製の構造物が要求されている。
【0004】従来、カラーコンクリートあるいはカラー
モルタル製の構造物は、通常、砕石、砂、水、セメント
及びAE減水剤等の各種添加剤からなるセメント混合材
にセメント着色用材料(着色顔料粉体)を5重量%以下
混合することにより調製したカラーセメントを使用して
建設施工されており、自然環境との整合性、美観上の目
的から主としてビル、公園の遊歩道、道路等の法面或い
は海や川の護岸壁等の各種構造物に広く施工されてきて
いる。
【0005】一般に、カラーセメントの製造方法として
は、上述した通り砕石、砂、水、AE減水剤及びセメン
ト等を予め混練して得たセメント混合材が入っているミ
キサー内に直接セメント着色用材料を投入して混練し、
セメント混合材を着色するという方法が採用されてい
る。
【0006】上記の製造方法において使用されているセ
メント着色用材料は、セメント混合材への分散性を考慮
して微粒子状のものが使用され、この為、セメント着色
材料入りのクラフト紙製袋の解袋時、或いはミキサーへ
の投入時において顔料飛散が激しく、作業環境を著しく
悪化させている。また、セメント着色用材料自体は流動
性が悪く付着性に富んでおり、これら取扱いの不便さが
投入工程の機械化(自動化)に際し多くのトラブル発生
原因となっている。
【0007】しかも、セメント着色用材料を一度にミキ
サーへ投入した場合、セメント着色用材料が塊状になっ
たり、セメント混合材表面上に浮遊したりすることによ
りセメント混合材への分散性、発色性が悪くなり、必然
的に混練時間を長くすることを余儀なくされるという問
題点がある。
【0008】また、上記の製造方法においてセメント着
色用材料をミキサー内に投入するに際しては、通常、5
kg〜25kg入りのクラフト紙製袋を解袋して、人力
によって投入するという所謂バッチ方式が採られてい
る。
【0009】セメント着色用材料のセメント混合材への
分散性、飛散防止等の問題点を解消する先行技術とし
て、顔料を含むスラリーを噴霧乾燥して得られる粒状物
の形態のセメント着色用材料が知られている(特表平1
−500586号公報、特開平2−307847号公
報)が、セメント着色用材料として充分満足できる結果
が得られていないのが現状である。
【0010】最近、セメント混和材料としてのセメント
着色用材料をアルカリ可溶性シートで包装し、そのまま
セメント混合物中に添加できる包装体が提案されている
(特開平5−9900号公報)が、セメント着色用材料
の投入時の顔料飛散等は防ぐことができるが、反面セメ
ント着色用材料を一度に投入した場合と同様にセメント
混合材への分散が悪くなり、混練時間が長くなることが
明らかであり、分散性向上に対する対策がなんら示され
ていない。
【0011】一方、セメント着色によって得られる色は
用いられる着色顔料粉体の種類によって決まる。着色顔
料粉体には、無機系、有機系があるが主に用いられてい
るのは無機系であり、例えば白色はチタン白が用いら
れ、赤色はヘマタイト、黄色は含水酸化鉄(ゲータイ
ト)やカドミウムイエロー、クロムイエロー、黒色はマ
グネタイトやカーボンブラック、また茶褐色はマグヘマ
イト等が用いられている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】カラーセメントを調製
するに際して、セメント着色用材料は、砕石、砂、水、
セメント及びAE減水剤等の各種添加剤と比較してその
取扱いに特別の注意が必要である。また黄色を得るため
に使用される黄色顔料粉体は種々存在するが、例えば、
カドミウムイエローやクロムイエローなどは毒物である
カドミウムやクロムを含有するため使用の際には注意が
必要であり、また環境問題にも配慮しなければならな
い。結局、含水酸化鉄(ゲータイト)が安全性、経済性
等に鑑みセメント着色用黄色顔料粉体として適してい
る。しかしながら、含水酸化鉄(ゲータイト)を使用し
た場合、一般に無機着色顔料粉体は等方形状粒子である
が、含水酸化鉄(ゲータイト)は、針状若しくは紡錘形
状粒子であるため、一次粒子が絡みやすく、空気を取り
込んで凝集状態を取る傾向がある。このため一次粒子同
士の長軸方向で固く結合したアグリゲートな凝集状態
(出願人注:(社)色材協会発行「色材」(1988
年)第447頁より引用)を取りやすい。このようなア
グリゲートな凝集状態をほぐすには相当大きな外力を必
要とし、分散性が悪くなることが知られており、長時間
の混練を必要とするなど、これまで非常に困難な条件下
で使用されてきた。従って、これらの含水酸化鉄顔料粉
体を用いたセメント着色用材料の取扱いを容易にすると
ともに、セメント混合材への分散性を向上させることが
カラーセメント業界に於ける最大の技術的課題とされて
いる。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、カラーセ
メントを調製するに際して用いられるセメント着色用材
料(着色顔料粉体)の内、特に黄色を得るために用いら
れる含水酸化鉄(ゲータイト)をセメント着色用材料と
して、取扱いの容易なものとするとともにセメント混合
材への分散性に優れたものとすることによって、前記技
術的課題を解決すべく種々検討を重ねた結果、含水酸化
鉄顔料粉体に該含水酸化鉄顔料粉体に対して0.01〜
10重量%の界面活性剤を添加混合して被処理粉体と
し、この被処理粉体を圧縮脱気処理によって造粒した平
均粒径が300〜1500μmであり、数1によって求
められる気孔率が0.1〜0.3の範囲内にある造粒物
がセメント着色用材料として極めて好適であることを見
出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0014】
【数1】気孔率=1−(粒子の密度/真密度)
【0015】 即ち、本発明は、含水酸化鉄顔料粉体と該
含水酸化鉄顔料粉体重量に対して0.01〜10重量%
の界面活性剤との混合物を圧縮脱気処理によって造粒し
た平均粒径が300〜1500μmの範囲内にあり、且
つ、数1により求められる気孔率が0.1〜0.3の範
囲内にある造粒物からなるセメント着色用材料及び、含
水酸化鉄顔料粉体に該含水酸化鉄顔料粉体重量に対して
0.01〜10重量%の界面活性剤を添加混合して被処
理粉体とし、この被処理粉体を、一定空間内に束縛され
た状態で収納されている被処理粉体の全てに10〜10
0000g/cmの範囲の線圧が加えられている条件下
で、圧縮脱気処理によって造粒することを特徴とするセ
メント着色用材料の製造法である。
【0016】次に、本発明実施にあたっての諸条件につ
いて説明する。
【0017】本発明における含水酸化鉄顔料粉体は、常
法によって得られる針状ゲータイトや紡錘状ゲータイト
が全て使用できる。なお、長軸径が0.05〜20μの
範囲のもの、より好ましくは0.1〜10μの範囲のも
のが用いられる。
【0018】界面活性剤としては、陽イオン性、陰イオ
ン性、非イオン性又は両性の界面活性剤が使用できる。
例えば、陽イオン性界面活性剤としては、アルキルアミ
ン塩系や第4級アンモニウム塩系のものが使用できる。
陰イオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル
系、アルキルベンゼンスルホン酸塩系、ナフタリンスル
ホン酸塩ホルマリン縮合物系、芳香族スルホン酸塩ホル
マリン縮合物、カルボン酸型高分子活性剤等がある。非
イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル等がある。また、両性界面活性剤としては、ラウ
リルベタイン系やラウリルジメチルアミンオキサイド系
等がある。なお、好ましくは陰イオン性界面活性剤が用
いられる。
【0019】界面活性剤の添加量は、含水酸化鉄顔料粉
体に対して0.01〜10重量%の範囲で用いられる。
0.01重量%未満の場合、適度の強度を有した造粒物
の造粒化が困難となり、得られた造粒物は壊れやすいも
のとなりセメント着色用材料の飛散性を防止することが
できない。また、10重量%を越える場合には、見かけ
上セメントペーストの流動性は上がるが実際にはむしろ
セメント混合材への分散が十分でないため、顔料本来の
色を得ることができず、例えば黄色顔料粉体の場合、測
色結果においてJIS Z8729に定めるところの黄
色度を表すb*が低く、十分な黄色度を得ることができ
ない。
【0020】平均粒径が300μm未満の場合には、飛
散の問題が生じ、作業環境を悪化させる。1500μm
を越える場合には、セメント混合材への分散に時間がか
かってしまうため好ましくない。
【0021】数1により求められる気孔率が0.1未満
の場合、含水酸化鉄顔料粉体の集合体中に含まれている
ミクロな空気は充分に脱気されているものの、針状形状
に由来する一次粒子同士の長軸方向で固く結合したアグ
リゲートな凝集状態の発生による強度の強い造粒物とな
り、飛散性の防止はできるが、セメント混合材への均一
分散に長時間かかり、又、発色性も悪くなり好ましくな
い。一方、数1により求められる気孔率が0.3を越え
る場合には、含水酸化鉄顔料粉体の集合体中に含まれて
いるミクロな空気の脱気が充分に行われていない為、本
発明の効果を充分発揮することができない。
【0022】本発明における圧縮脱気処理は、一定空間
内に被処理粉末が束縛された状態で収納されている被処
理粉末の全てに圧縮力が加わるような条件下で行わなけ
ればならない。束縛された状態とは、被処理粉末が加え
た圧縮力に対して自由に動いて応力場から逃げることを
拘束し、粉体層に強制的な圧縮力が加わるようにした状
態のことであって、非束縛的な状態での圧縮脱気処理で
は本発明における効果が発現できない。
【0023】上記条件を満たすことができる圧縮脱気処
理装置としては、サンドミル、加圧プレス、ロールプレ
ス、歯車連続圧縮機等を使用することができる。更に、
シンプソンミル、エッジランナー及びらいかい機等につ
いても被処理粉末の量、処理時の粉体層の層厚等を適宜
選択すれば本発明における圧縮脱気処理装置として使用
できる。ロールプレスが最適である。
【0024】圧縮脱気処理を行うに際して、圧縮するた
めの線圧は、10〜100000g/cmの範囲であ
る。この範囲内であれば被処理粉末の種類、比表面積及
び圧縮脱気処理装置の種類等により適宜選択して設定す
ることができる。好ましくは100〜50000g/c
mの範囲である。
【0025】線圧10g/cm未満の場合にはミクロな
脱気による分散性向上に寄与せず本発明の効果が得られ
ない。線圧100000g/cmを越える場合には、含
水酸化鉄顔料粉体の集合体中に含まれているミクロな空
気の脱気は充分であるが一方、針状形状に由来する一次
粒子同士の長軸方向で固く結合したアグリゲートな凝集
状態が発生してセメント混合材への分散性が悪くなり好
ましくない。
【0026】尚、圧縮脱気処理して得られる造粒物が2
次的な構造として見かけ上やや大きな薄片状のフレーク
を形成することがあるが、適宜破砕整粒し、用途に応じ
た任意の平均粒径の造粒物にすることで流動性が良くな
り、付着性、発塵性において優れた取扱い易いセメント
着色用材料とすることができる。
【0027】尚、圧縮脱気処理して得られる本発明に係
るセメント着色用材料をアルカリ可溶性紙で包装するこ
とにより、そのままセメント混合材へ投入することがで
きて、顔料飛散等がなく取扱いやすくかつ分散性の改善
されたセメント着色用包装体とすることができる。アル
カリ可溶性紙は例えば、水不溶性ないし水難溶性のカル
ボキシルメチルセルロース(CMC)またはカルボキシ
エチルセルロース(CEC)繊維等からなるもの等、公
知のものが使用できる。
【0028】また、本発明に係るセメント着色用材料を
セメント混合材に添加するに当たって、あらかじめ該セ
メント着色用材料を高濃度水懸濁液としておき、これを
セメント混合材に添加することもできる。
【0029】また、本発明に係るセメント着色用材料を
用いるに当たって、調色する必要がある場合には、黒色
顔料粉体であるマグネタイトや赤色顔料粉体であるヘマ
タイト、茶褐色顔料粉体であるマグヘマイト、更には白
色顔料粉体であるチタン白等を適量混合すればよい。
【0030】
【作用】先ず、本発明において最も重要な点は、含水酸
化鉄顔料粉体に該含水酸化鉄顔料粉体重量に対して0.
01〜10重量%の界面活性剤を添加混合して被処理粉
体とし、この被処理粉体を圧縮脱気処理によって造粒し
た平均粒径が300〜1500μmの範囲内にあり、数
1により求められる気孔率が0.1〜0.3の範囲内に
ある造粒物からなるセメント着色用材料が、飛散等のト
ラブルを発生させることなく取扱いが容易であり、セメ
ント混合材への分散性がよく、その結果として流動性、
施工容易性、発色性に優れたカラーセメントペーストが
得られるという事実である。
【0031】本発明において、上記諸特性を具備したセ
メント着色用材料が得られる理由については未だ明らか
ではないが、本発明者は、次のように考えている。圧縮
脱気処理によって含水酸化鉄顔料粉体の集合体に含まれ
るミクロな空気の脱気が行われると共に、最初弱い力で
結びつけられたフローキュレートな凝集体から、さらに
脱気が進むと、一次粒子の一端だけで結合したアグロメ
レートな凝集状態、そして針状形状であるために一次粒
子同士の長軸方向で、部分的に結晶面で固く結合したア
グリゲートな凝集状態へとその凝集状態が変わってい
く。即ち、圧縮脱気処理を強めていくと水との濡れ性や
分散性に良い影響を与えるミクロな脱気が進む一方、分
散性に悪い影響を与える針状形状由来のアグリゲートな
凝集状態もまた次々に発生してくることになる。従っ
て、分散性に悪い影響を与える針状形状由来のアグリゲ
ートな凝集状態よりも分散性向上効果が大きく上回る条
件下において圧縮脱気処理を行えばよいと言える。事
実、本発明者の実験結果によれば最適な分散性を得られ
る線圧の範囲は10〜100000g/cmであり、こ
の範囲においてほぐすのに比較的弱い外力ですむアグロ
メレートな凝集状態が主体となっている。一方、前記の
通り線圧100000g/cmを越えると分散性が悪く
なる。
【0032】本発明者は、上記最適範囲の線圧によって
圧縮脱気処理して得られたセメント着色用材料を混合ミ
キサー内に投入した際には、砕石、砂、セメント等との
相互作用及び攪拌による剪断力により、該セメント着色
用材料が容易にほぐれ、アグリゲートな凝集状態を起こ
すことなく水と空気との置換がうまく行なわれることで
顔料粉体が十分水に濡れるので、流動性、施工容易性、
発色性に優れたカラーセメントペーストが得られるもの
と推定している。
【0033】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を説明
する。以下の実施例、比較例において、数1により求め
られる気孔率の算出に必要な「粒子の密度」の値は液侵
法によりピクノメータを用いて数2より求めた。
【数1】 気孔率=1−(粒子の密度/真密度)
【0034】
【数2】
【0035】カサ密度は次のようにして求めた。水平な
場所に置いた底面の内径が5.0cmである内容量が5
00mlの円筒形定量カップ上にロートをセットし、試
料粉末を静かにロート内から定量カップ内へ落下させ
る。試料粉末が定量カップに山盛りとなったら、試料粉
末の落下を止めてすりきり一杯となるようにへらですり
きる。500mlちょうどになっている定量カップ内の
試料粉末の重量を天秤で計量し、数3によりカサ密度を
産出する。
【0036】
【数3】
【0037】セメント流動性の指標であるモルタルフロ
ー値は次のようにして求めた。JIS R 5201の
定めるように、白色セメント520g、豊浦標準砂10
40gに顔料粉体15.6g及び水338mlを加え、
モルタルミキサーにて低速で3分間混練後、フローテー
ブル中央に置いたフローコーンに該モルタルを詰める。
詰めた後、コーンを抜き取り直ちに15秒間で15回の
上下振動を与え、モルタルの広がりを最大径とそれに直
角な方向の径をmm単位で測定しその平均値を無名数で
表す。該測定を同一のモルタルで2回測定し2回の平均
値をモルタルフロー値とした。
【0038】また、発色性については以下のようにして
評価を行った。モルタルフロー値測定後の残りのペース
トを、平滑なガラス板上に固定した一片の大きさが4c
m×4cm×0.5cmで10連のアクリル製型枠に流
し込み、十分突き棒で成型し、20℃の室内に1日放置
した。翌日型枠から外した試験片を20℃の水中で1日
養生を行った。養生後乾燥させた試験片の平滑な面測を
色差計(スガ試験機(株)製)にて測色を行い、顔料粉
体で着色されたセメント試験片のJIS Z8729に
定めるところの表色指数L* ,a* ,b* 、及びc*
(a* ×a* +b* ×b* 1/2 で定義される彩度指数
* を測定し、評価した。
【0039】実施例1 先ず、含水酸化鉄顔料粉末として針状ゲ−タイト(平均
長軸径0.80μm、気孔率0.689、カサ密度0.
33g/ml)粒子粉末1kgを、陰イオン性界面活性
剤としてベータナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物
のナトリウム塩(商品名:デモールN(花王(株)製)
20gと一緒にハイスピードミキサー中で乾式混合を行
い、陰イオン性界面活性剤で処理された黄色顔料粉体を
得た。次に、該黄色顔料粉体をロールプレス機により線
圧10000g/cmの条件下で圧縮脱気処理を行っ
た。圧縮脱気処理された顔料粉体はフレーク状でその厚
みは1.15mmであった。続いて該圧縮脱気顔料粉体
を常法により破砕、分級を施すことで平均粒径が870
μmで、気孔率0.203、カサ密度が0.88g/m
lの造粒物からなるセメント着色用黄色顔料粉体を得
た。得られたセメント着色用黄色材料の飛散は生じるこ
となく取扱い易いものであった。得られたセメント着色
用黄色顔料粉体のモルタルフロー値は248であり、セ
メント試験片の色差計での測色結果としてL* は77.
0、a* は13.6、b* は46.8、c* は48.7
であった。これらの測定結果を表1に示す。
【0040】実施例1では後出比較例1、2、3に比べ
て黄色度を表すb* の値が高く、彩度指数c* も高く、
より高い黄色度がえられていることが認められた。さら
に、実施例1では後出比較例1、2、3に比べてセメン
ト流動性を表すモルタルフロー値が大きく顔料粉体のセ
メント混合材への分散性が向上していることが認められ
た。
【0041】実施例2 界面活性剤として陰イオン性界面活性剤であるβナフタ
レンスルホン酸フルマリン縮合物のナトリウム塩(商品
名:マイティ100(花王(株)製))25gを用い、
圧縮脱気処理をロールプレスを使用して線圧500g/
cmで行った以外は実施例1と同様にして、平均粒径が
920μmで気孔率0.215、カサ密度0.73g/
mlの造粒物からなるセメント着色用黄色顔料粉体を得
た。得られたセメント着色用黄色顔料粉体のモルタルフ
ロー値、セメント試験片の色差計での測色結果を表1に
示す。
【0042】実施例3 含水酸化鉄顔料粉末として紡錘状ゲ−タイト(平均長軸
径0.50μm、気孔率0.781、カサ密度0.46
g/ml)粒子粉末1kgを、陰イオン性界面活性剤と
してカルボン酸型高分子系(商品名:ポイズ521(花
王(株)製)15gと一緒にハイスピードミキサー中で
乾式混合を行い、陰イオン性界面活性剤で処理された黄
色顔料粉体を得た。次に、該黄色顔料粉体をロールプレ
ス機により線圧45000g/cmの条件下で圧縮脱気
処理を行った。続いて該圧縮脱気顔料粉体を常法により
破砕、分級を施すことで平均粒径が620μmで、気孔
率0.192、カサ密度が0.96g/mlの造粒物か
らなるセメント着色用黄色顔料粉体を得た。得られたセ
メント着色用黄色材料の飛散は生じることなく取扱い易
いものであった。得られたセメント着色用黄色顔料粉体
のモルタルフロー値は274であり、セメント試験片の
色差計での測色結果としてL* は75.3、a* は1
6.2、b* は44.3、c* は47.2であった。こ
れらの測定結果を表1に示す。
【0043】実施例3では後出比較例4、5に比べて黄
色度を表すb* の値が高く、彩度指数c* も高く、より
高い黄色度が得られていることが認められた。
【0044】実施例4 界面活性剤として陽イオン性界面活性剤である第4級ア
ンモニウム塩系(商品名:コータミン24P(花王
(株)製))30gを用い、圧縮脱気処理をサンドミル
を使用して線圧10g/cmで行った以外は、実施例3
と同様にして、平均粒径が860μmで、気孔率0.2
84、カサ密度0.80g/mlの造粒物からなるセメ
ント着色用黄色顔料粉体を得た。得られたセメント着色
用黄色顔料粉体のモルタルフロー値、セメント試験片の
色差計での測色結果を表1に示す。
【0045】比較例1 実施例1の造粒物からなるセメント着色用材料の代わり
に針状ゲータイト(平均長軸径0.80μm、気孔率
0.689、カサ密度0.33g/ml)粒子粉末をそ
のままセメント着色用黄色顔料粉体とした。このセメン
ト着色用黄色顔料粉体のモルタルフロー値、セメント試
験片の色差計での測色結果を表1に示す。
【0046】尚、カラーセメントの調製に際しては、着
色顔料が粉体状態であるため、飛散が生じた。
【0047】比較例2 陰イオン性界面活性剤としてカルボン酸型高分子系(商
品名:ポイズ521(花王(株)製))50gを用い、
圧縮脱気処理を行わなかった以外は、実施例1と同様に
して、平均粒径0.8μmで、気孔率0.720、カサ
密度0.33g/mlの造粒物からなるセメント着色用
黄色顔料粉体を得た。得られたセメント着色用黄色顔料
粉体のモルタルフロー値、セメント試験片の色差計での
測色結果を表1に示す。
【0048】比較例3 圧縮脱気処理をロールプレスを使用して線圧10000
00g/cmで行った以外は、実施例1と同様にして、
平均粒径510μmで、気孔率0.125、カサ密度
1.12g/mlの造粒物からなるセメント着色用黄色
顔料粉体を得た。得られたセメント着色用顔料粉体のモ
ルタルフロー値、セメント試験片での測色結果を表1に
示す。
【0049】比較例4 実施例3の造粒物からなるセメント着色用材料の代わり
に紡錘状ゲータイト(平均長軸径0.50μm、気孔率
0.781、カサ密度0.46g/ml)をそのままセ
メント着色用黄色顔料粉体とした。このセメント着色用
黄色顔料粉体のモルタルフロー値、セメント試験片の色
差計での測色結果を表1に示す。
【0050】比較例5 界面活性剤として陰イオン性界面活性剤であるベータナ
フタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩
(商品名:デモールN(花王(株)製)150gを用
い、圧縮脱気処理をロールプレスを使用して線圧100
000g/cmで行った以外は、実施例3と同様にし
て、平均粒径580μm、気孔率0.167、カサ密度
1.00g/mlの造粒物からなるセメント着色用黄色
顔料粉体を得た。得られたセメント着色用黄色顔料粉体
のモルタルフロー値、セメント試験片での測色結果を表
1に示す。
【0051】比較例5では、界面活性剤を多く用いたこ
とによりセメントペーストの流動性を表すモルタルフロ
ー値は上がっているが、一方実際には十分な分散が行わ
れないために黄色度を表すb* が低く、十分な黄色度が
得られていない。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】以上説明した通りの本発明に係るセメン
ト着色用材料は、前出実施例に示した通り、カラーセメ
ント調製時におけるセメント混合材への分散性を向上さ
せたものであるから、流動性、施工容易性、発色性に優
れたカラーセメントペーストを得ることができる。
【0054】しかも、本発明におけるセメント着色用材
料は造粒物からなっており、流動性に優れ、発塵性にお
いても非常に優れているので、飛散等のトラブル発生が
なく、取扱いが容易であるから、カラーセメント調製工
程の連続化、自動化が期待できる。
【0055】また、本発明に係るセメント着色用材料
は、前出実施例に示した通り、その製造が容易であり、
低コストをもって大量生産が可能である。従って、本発
明の産業利用性は非常に大きいといえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C04B 103:54 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 14/00 - 20/12 C01G 49/02 B01J 2/20 C09C 1/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含水酸化鉄顔料粉体と該含水酸化鉄顔料
    粉体重量に対して0.01〜10重量%の界面活性剤と
    の混合物を圧縮脱気処理によって造粒した平均粒径が3
    00〜1500μmの範囲内にあり、且つ、数1により
    求められる気孔率が0.1〜0.3の範囲内にある造粒
    物からなるセメント着色用材料。 【数1】
  2. 【請求項2】 含水酸化鉄顔料粉体に該含水酸化鉄顔料
    粉体重量に対して0.01〜10重量%の界面活性剤を
    添加混合して被処理粉体とし、この被処理粉体を、一定
    空間内に束縛された状態で収納されている被処理粉体の
    全てに10〜100000g/cmの範囲の線圧が加え
    られる条件下で、圧縮脱気処理によって造粒することを
    特徴とする請求項1記載のセメント着色用材料の製造
    法。
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