JP3175647U - 対丈着物 - Google Patents

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Abstract

【課題】誰もが簡単に着用できて着崩れもしないデザイン性に優れた対丈着物の提供。
【解決手段】着用者から採寸された各曲線情報に基づいて各別に裁断された上身頃体12と下身頃体32とをウエストラインWの位置にて一体化される対丈着物11は、所定位置に各別に固定された第1結び紐42〜第6結び紐47を備え、その着用時には、第3結び紐44と第4結び紐45とを結んで下前を若干せり上がらせ、第5結び紐46と第6結び紐47とを結んで下前左裾をさらに若干せり上がらせるとともに、第1結び紐42と第2結び紐43とを結んで上前右裾を若干せり上がらせるようにして裾周りの仕舞いを美しくして着用できるようにした。
【選択図】図1

Description

本考案は、着崩れの原因である着丈調整用の御端折り部分をなくした対丈着物に関する技術である。
従来からある着物は、例えば5.5cm程度の広幅な衿が付いているのが普通である。また、着物は、その全体が直線縫いであることから、身体を着物に合わせる必要があり、その際に、寸胴の体型となるようにタオルを腰に巻き付けたりして体型補正を行っているのが一般的であった。
また、従来からある着物は、まず、肌襦袢を着た上で、これを紐で巻いて固定し、その上に長襦袢を着て、これも紐で巻いて固定し、さらにその上に着物を着て御端折りを作るため、また何本も紐を巻いて御端折りが崩れないようにしっかり固定しながら着付けていく必要があった。そのため、御端折り部分に関しては、生地が何枚も重なっておなか周りがどっしりとした感じになってしまうため、髪をアップにして付け毛などをしてボリューム感を出して頭を大きく見せるようにしないとバランスがとれないことになる。また、このような何枚も重なった御端折り部分は、着崩れの大きな原因ともなっていた。
着物着用にまつわるこのような問題は、着用者が美容室等で髪をセットしてもらったり、着付けをしてもらったりすることで解決することができるものの、そのための作業時間が必要になったり、少なからざる費用がかかったりするという新たに発生する問題があった。
このため、着物の御端折りにまつわる上記したような問題の解消を図ろうする試みも、例えば特許文献1に開示されている「簡易着付け着物」のように従来から行われてきている。
特開2003−336107号公報
しかし、特許文献1の「簡易着付け着物」による場合には、着付けにおいて難しいとされている御端折りの形成を簡易に形成することはできるとしても、御端折り自体をなくすものではなかった。
一方、着物から御端折りをなくしたものとしては、例えば特許文献2に開示されている「簡易式対丈着物とその着用方法」が既に提案されている。
特開2006−2270号公報
御端折りを不要とする特許文献2の「簡易式対丈着物」は、着物本体に上下前の腰紐を取り付け、かつ、左右脇部に紐通し穴を穿設し、該紐通し穴に上下前の腰紐を通して着用者の胴部に巻き付け締着してなる簡易着付けの着物としている。また、上記着物は、着物本体の衿を下方向に幅広くして取り付けるとともに、該衿の上縁部に半衿をも着脱可能に取り付けることにより、一人で簡単に着られるだけでなく、衿の形が広衿の着物を着たときと同じ形にできるほか、衿に半衿をつけて長襦袢感覚を出すことにより普通の着物を着たときと同じ着姿とすることができるとしている。
しかし、特許文献2の「簡易式対丈着物」による場合には、衿幅が広いため着用時に首周りにアクセサリーをつけても衿に隠れてみえなくなってしまうばかりでなく、人によっては首自体が衿に隠れてあたかも首がないようにみえてしまうといったような不都合があった。また、上記着物は、腰紐を身体に巻き付けて固定するものであることから、着用時の締め付けによる圧迫感からは依然として解放されないという不具合もあった。
本考案者らは、日本の民族衣装ともいうべき着物を大多数の日本人が一人で着用できないという現状を打破して伝統を復活せんとする信念のもとで、着物の着用にかかわる上記問題を解決して着付けを簡単にして誰もが気軽に着用できるようにした上で、さらに広幅な衿をなくすなどしてデザインを現代風にアレンジすることで、洋服のVネックのような感覚のもとで衿元のおしゃれを楽しむことなどもできる対丈着物の開発に向けて鋭意努力を重ねてきた。
すなわち、本考案は、従来からある着物にみられた上記課題に鑑み、誰もが簡単に着用できて着崩れもしないデザイン性に優れた対丈着物を提供することを目的とする。
本考案は、上記目的を達成すべくなされたものであり、着用者の別にバスト、アンダーバスト、ウエストおよびヒップを含む身体各部から採寸された各曲線情報に基づく曲線を付与して各別に裁断された上身頃体と下身頃体とを、御端折りを介在させることなくウエストラインの位置にて立体的に縫い合わせて一体化される対丈着物は、右側縫い線からやや内側に入った下側前表面の前記ウエストラインの上側にその一端部が固着された第1結び紐と、左側縫い線からやや内側に入った上側前裏面の前記ウエストラインの下側にその一端部が固着された第2結び紐と、右側開放端からやや内側に入った下側前裏面の前記ウエストラインの下側にその一端部が固着された第3結び紐と、左側縫い線の延長線からやや内側に入った前記ウエストライン上側にその一端部が固着された第4結び紐と、右側開放端からやや内側に入り、かつ、前記下身頃体の縦長さ方向での中間位置から12cm前後上方に位置する部位にその一端部が固着された第5結び紐と、左側縫い線の外側に沿わせ、かつ、前記下身頃体の縦長さ方向での中間位置から17cm前後上方に位置する部位にその一端部が固着された第6結び紐とを備え、その着用時には、前記第3結び紐と前記第4結び紐とを結んで下前を若干せり上がらせ、前記第5結び紐と前記第6結び紐とを結んで下前左裾をさらに若干せり上がらせるとともに、前記第1結び紐と前記第2結び紐とを結んで上前右裾を若干せり上がらせるようにして裾周りの仕舞いを美しくしたことを最も主要な特徴とする。
この場合、前記上身頃体の前記曲線は、首周りのラインとウエスト位置から袖脇に至るラインとに付与し、前記下身頃体の曲線は、ウエスト位置から裾に向けて徐々にすぼまらせるようにして付与するのが好ましい。また、前記上身頃体と前記下身頃体とは、襦袢生地を用いて総裏とすることもできる。また、前記上身頃体は、袖無しとしたり、小袖を備えたり、長袖を備えるものであってもよい。しかも、前記上身頃体が前記小袖を備えるものである場合は、別途用意される中袖、中振袖、振袖との間でこれら中袖、中振袖、振袖を選択的に着脱するための着脱部を形成してもよい。さらに、前記上身頃体と前記下身頃体とは、裏地のない単衣として形成するとともに、前記上身頃体には、小袖と幅狭な衿とを具備させてもよい。
本考案のうち、請求項1に記載の考案によれば、お端折りをなくした対丈着物として提供することができるので、着用者は、着用時における着崩れのほか、窮屈で苦しさを伴う紐の巻き付けというお端折りに由来する不具合を解消させることができる。
また、着用者は、第1結び紐〜第6結び紐につき、それぞれの対応位置にあるものを相互に結んで着用した際に裾先を若干せり上がらせることで、裾周りの仕舞いを美しくすることができる。
しかも、第5結び紐と第6結び紐とは、これらを相互に結んだ際に着用者の膝上部分に位置する結果、比較的大きな歩幅での歩行を可能とすることで、現代の生活習慣に合わせた歩幅でゆったり、かつ、颯爽と歩くこともできる。
請求項2に記載の考案によれば、下身頃体の曲線は、ウエスト位置から裾に向けて徐々にすぼまらせるようにして付与されているので、裾周りの仕舞いを美しくして洋風なファッションを楽しむことができる。
請求項3に記載の考案によれば、着物の裏地に襦袢の生地を総裏として用いることで、着物と襦袢とを一体化させることができるので、着物とは別に襦袢を着用する必要をなくして着付けをそれだけ簡素化することができる。
請求項4に記載の考案によれば、上身頃体が袖無しで形成されているので、あたかも洋服のVネックにも似た感覚のもとで各種装飾品で首周りを飾ることで、衿元のおしゃれを楽しむことができる。また、細い帯を用いて着用することにより、足元もハイヒールやミュールやブーツと組み合わせることで、洋風なドレス感覚のもとで海外のパーティーなどでも違和感のない美しさを発揮させることができる。
請求項5に記載の考案によれば、上身頃体が小袖付きで形成されているので、食事をしたり、子供を抱いたり世話をする際であっても袖を気にすることなく楽に着用することができる。
請求項6に記載の考案によれば、小袖に対し別途用意される中袖、中振袖、振袖のいずれかを選択的に取り付けたり取り外したりすることができるので、一人で簡単に着崩れしない振袖着物として着用することができるほか、着る目的や場所に応じて最適な袖長さとなるように調節することで、長期にわたって着用することができる。
請求項7に記載の考案によれば、上身頃体が長袖付きで形成されているので、見た目には従来の着物と同様な感覚を発揮させることで、結婚式や入学・卒業式などのような比較的正式な催しに出席する際であっても上品さを伴って着用することができる。
請求項8に記載の考案によれば、裏地のない単衣として形成される上身頃体と下身頃体とのうち、上身頃体は、小袖と幅狭な衿とを備えているので、着用時に袖がじゃまにならず動きやすく、しかも、衿はついているものの狭幅なので首周りをすっきりとさせ、かつ、従来の広幅な衿のようなごわごわ感もなくしてバランスよく、かつ、家庭でも日常着として気軽に着用することができる。
本考案の一例を示す正面図 本考案の一例における上身頃体を示す説明図であり、そのうちの(a)は上側後身頃部を、(b)は上側前身頃部をそれぞれ示す。 本考案の一例における下身頃体を示す説明図であり、そのうちの(a)は下側後身頃部を、(b)は下側前身頃部をそれぞれ示す。 本考案の他例における上身頃体を示す説明図であり、そのうちの(a)は上側後身頃部を、(b)は上側前身頃部を、(c)は小袖の袖口の下端縁に付与される丸みをそれぞれ示す。 本考案における上身頃体の変形例を示す説明図であり、そのうちの(a)は上側後身頃部を、(b)は上側前身頃部を、(c)は小袖の袖口の下端縁に付与される丸みをそれぞれ示す。 本考案における第1結び紐〜第6結び紐の配置関係を(a)〜(c)として示す説明図。 本考案の着用プロセスを(a)〜(c)として例示する説明図。 本考案の着用状態時におけるイメージ例を場合分けして(a)〜(d)として示す説明図。 図8(b)に示す例に適用される変形例を示す説明図。
本考案に係る対丈着物11の全体は、着用者の別にバスト、アンダーバスト、ウエストおよびヒップを含む身体各部から採寸された各曲線情報に基づく曲線を付与して各別に裁断された上身頃体12と下身頃体32とを、御端折りを介在させることなく図1に示されているようにウエストラインWの位置にて立体的に縫い合わせることで一体化されている。なお、上身頃体12と下身頃体32との裏側は、襦袢生地を用いた総裏として形成することもできる。
この場合、上身頃体12と下身頃体32とは、例えば上質のポリエステル素材などのように、しわになりにくく、虫に食われることもなく、かつ、汚れがつきにくく、家庭でも洗濯でき、保存も容易な素材を用いて形成するのが好ましい。
また、本考案における上身頃体12には、図2および図8(a)に示す第1例であるノースリーブタイプ(図1では上身頃体12の実線部分)と、図4および図8(b)に示す第2例である小袖付きタイプと、図5および図8(c)に示す第3例である長袖付きタイプ(図1では上身頃体12の一点鎖線部分)と、図4および図8(d)に示す第2例の変形例である裏地のない単衣として形成された狭幅衿・小袖付きタイプとがある。なお、図3に示す下身頃体22は、上記いずれのタイプの上身頃体12にも共用して組み合わせることで、本発明に係る対丈着物11が形成されることになる。
ここで、第1例であるノースリーブタイプの上身頃体12について詳しく説明すれば、図2(a)に示す上側後身頃部13は、着用者の首の後ろ周りが位置する部位に形成された湾曲部14と、ウエスト位置から袖脇へと至る部位に形成された袖脇曲線部15とを備えている。
また、図2(b)に示す上側前身頃部16は、ウエスト位置に形成されたウエスト側曲線部17と、ウエスト位置から袖脇へと至る部位に形成された袖脇側曲線部18と、衿周りに形成された衿周り曲線部19とを備えている。
図3は、図1に示す下身頃体32を上身頃体12と分離した状態で示す説明図であり、そのうちの(a)は下側後身頃部33を、(b)は下側前身頃部36をそれぞれ示す。同図(a)によれば、適宜の面サイズ、例えば縦幅が98cm程度で横幅が27cm程度の面サイズの下側後身頃部33は、図3(a)では左側に位置している一側縁34が直線ラインとなり、右側に位置している他側縁35がウエスト部位が1cm程度内側に入り込み、膝下部位が裾33a位置で1cm程度内側に入り込む非直線ラインとなって形成されている。
また、下側前身頃36は、図3(b)では衽(おくみ)39の左方に位置している一側縁37がウエスト部位が1cm程度内側に入り込み、膝下部位が裾36a位置で1cm程度内側に入り込む非直線ラインとなり、右側に位置している他側縁38が直線ラインとなって形成されているため、両者を組み合わせた下身頃体32は、ウエスト位置がややくびれ、裾33a,36a側が徐々にすぼまった状態となって形成されることになる。
一方、第2例である小袖付きタイプの上身頃体12について詳しく説明すれば、図4(a)に示す上側後身頃部13は、小袖23を除けば図2に示す上身頃体12と同様に着用者の首の後ろ周りが位置する部位に形成された湾曲部14と、ウエスト位置から袖脇へと至る部位に形成された袖脇曲線部15とを備えている。
また、図4(b)に示す上側前身頃部16は、小袖23を除けば図2に示す上身頃体12と同様にウエスト位置に形成されたウエスト側曲線部17と、ウエスト位置から袖脇へと至る部位に形成された袖脇側曲線部18と、衿周りに形成された衿周り曲線部19とを備えている。
しかも、小袖23は、図4(a),(b)にその一部が直線の一点鎖線として示されているように腕が動かしやすい昔ながらの機能的な筒袖として形成したり、実線で示されているように筒袖よりも袖幅をやや広くし、かつ、袖口を下方から少し縫い込んで袖口を狭くすることで従来からある袖のイメージに近づけて形成することができる。この場合、従来からある袖のイメージに近づけて形成されているタイプの小袖23については、図4(a),(b)において円形破線で囲繞した部位に位置する袖口24の下端縁24aの丸みを例えば図4(c)に示すようにして形成することで、その着用時に気軽さ、柔らかさおよび普段着的な雰囲気を醸し出すことができるようにしておくのが好ましい。
図9は、図4に示されている小袖23の変形例を示す説明図であり、該小袖23は、別途用意される振袖52、中袖53、中振袖54との間でこれら振袖52、中袖53、中振袖54を選択的に着脱するための着脱部51が形成されている。
すなわち、この例における着脱部51は、小袖23の下縁部23aに設けられた一側着脱部51aと、振袖52、中袖53、中振袖54におけるそれぞれの上縁部52a,53a,54a側に設けられた他側着脱部51bと構成されている。この場合、一側着脱部51aが小袖23の下縁部23aの内側の複数箇所に取り付けられたボタンであれば、他側着脱部51bは、振袖52、中袖53、中振袖54におけるそれぞれの上縁部52a,53a,54aにおける前記ボタンと対応する複数箇所に形成されたボタン穴として形成することができる。また、着脱部51が面ファスナーである場合には、一側着脱部51aを小袖23の下縁部23aの内側の複数箇所に取り付けられたフックテープまたはループテープで形成し、他側着脱部51bを振袖52、中袖53、中振袖54におけるそれぞれの上縁部52a,53a,54aの外側の対応位置に取り付けられたループテープまたはフックテープにより形成されることになる。また、着脱部51は、プルタブにより着脱操作されるスライドファスナーを一側着脱部51aと他側着脱部51bとすることで形成することもできる。なお、小袖23は、その内側下縁部を非縫合部23bとして形成し、振袖52の内側縁部に設けた非縫合部52bや、中袖53の内側縁部に設けた非縫合部53ab、中振袖54の内側縁部に設けた非縫合部54bと、その取着時に連続するようにして形成するのが望ましい。
次に、第3例である長袖付きタイプの上身頃体12について詳しく説明すれば、図5(a)に示す上側後身頃部13は、長袖25を除けば図2に示す上身頃体12と同様に着用者の首の後ろ周りが位置する部位に形成された湾曲部14と、ウエスト位置から袖脇へと至る部位に形成された袖脇曲線部15とを備えている。
また、図5(b)に示す上側前身頃部16は、長袖25を除けば図2に示す上身頃体12と同様にウエスト位置に形成されたウエスト側曲線部17と、ウエスト位置から袖脇へと至る部位に形成された袖脇側曲線部18と、衿周りに形成された衿周り曲線部19とを備えている。
この場合、長袖25は、従来からある着物が備える袖の形状に近いものとして形成されている。この例における長袖25は、円形破線で囲繞した部位に位置する袖口26側の下端縁26aの丸みを着用者の年令に応じて例えば図5(c)に示す3パターンのもとで適宜変えることができるようになっている。
さらに、第2例である小袖付きタイプの変形例である裏地のない単衣として形成された狭幅衿・小袖付きタイプの上身頃体12は、図4(a),(b)に実線として示されている小袖23を備えて図8(d)に示すように形成されており、この変形例における第2例との違いは、その全体が裏地のない単衣として形成されているほか、狭幅な衿27を備えている点である。
すなわち、この変形例として図8(d)に示す衿27は、従来の着物の衿の幅が5.5cm程度の広幅であったものとは異なり、4cm程度の狭幅に形成されたものが縫着されており、これにより首周りをすっきりとさせ、かつ、ごわつき感もなくせるようになっている。
上記した構成の上身頃体12と下身頃体32とをウエストラインWの位置にて立体的に縫い合わせることで一体化されてなる対丈着物11は、図1および図6(a)〜(c)に示されているように、さらに第1結び紐42〜第6結び紐47を備えて形成されている。
これらのうち、第1結び紐42は、図6(a)に示されているように右側縫い線L1から長さa分(例えば5cm)だけ内側に入った位置にある下側前表面52のウエストラインWの上側にその一端部42aを逢着するなどして固着されている。
第2結び紐43は、図6(c)に示されているように衽39の身幅分だけ内側に入った位置にある上側前裏面54のウエストラインWの下側にその一端部43aを逢着するなどして固着されている。
第3結び紐44は、図6(b)に示されているように右側開放端40から長さa分(例えば5cm)だけ内側に入った下側前裏面53のウエストラインWの下側にその一端部44aを逢着するなどして固着されている。
第4結び紐45は、図6(c)に示されているように左側縫い線L2から長さb分(例えば3cm)だけ内側に入ったウエストラインWの上側にその一端部45aを逢着するなどして固着されている。
第5結び紐46は、図6(b)に示されているように右側開放端40から長さa分(例えば5cm)だけ内側に入り、かつ、下身頃体32の縦長さA方向での中間位置A/2から長さc分(例えば12cm)上方に位置する部位にその一端部46aを逢着するなどして固着されている。
第6結び紐47は、図6(c)に示されているように左側縫い線L2の外側に沿わせ、かつ、下身頃体32の縦長さA方向での中間位置A/2から長さd分(例えば17cm)上方に位置する部位にその一端部47aを逢着するなどして固着されている。
このため、本考案によれば、図1に示すようなお端折りをなくした対丈着物11として提供することができるので、着用者は、着用時における着崩れのほか、窮屈で苦しさを伴う紐の巻き付けというお端折りに由来する不具合を解消させることができる。
しかも、上身頃体12と下身頃体32との裏側が襦袢生地を用いた総裏として形成されている場合には、着物と襦袢とが一体化されることになるので、着物とは別に襦袢を着用する必要をなくして着付けをそれだけ簡素化することができることになる。
また、着用に際しては、第3結び紐44と第4結び紐45とを結んで図7(a)に示すように下前を若干せり上がらせ、第5結び紐46と第6結び紐47とを結んで下前左裾をさらに若干せり上がらせるとともに、図7(b)に示すように第1結び紐42と第2結び紐43とを結んで上前右裾を若干せり上がらせるようにすることで、図7(c)に示すように帯を締めることにより下裾周りの仕舞いを美しくして着用することができる。
しかも、第5結び紐46と第6結び紐47とは、これらを相互に結んだ際に着用者の膝上部分に位置する結果、比較的大きな歩幅での歩行を可能とすることで、現代の生活習慣に合わせた歩幅でゆったり、かつ、颯爽と歩くこともできる。
また、上身頃体12の曲線が首周りのラインとウエスト位置から袖脇に至るラインとに付与され、下身頃体32の曲線がウエスト位置から裾に向けて徐々にすぼまらせるようにして付与されている場合には、裾周りの仕舞いをさらに美しくして洋風なファッションを楽しむことができる。
さらに、上身頃体12が袖無しで形成されている場合には、図8(a)に示す状態のもとで細い帯を用いるほか、足元もハイヒールやミュールやブーツと組み合わせることで、洋風なドレス感覚を発揮させながら海外のパーティーなどでも違和感なく着用することができる。
さらにまた、上身頃体が小袖23付きで形成されている場合には、図8(b)に示す状態のもとで細い帯を巻くことにより、食事をしたり、子供を抱いたり世話をする際であっても袖を気にすることなく楽に着用することができる。
しかも、図8(b)に示す小袖23に対し、図9に示すように別途用意される振袖52、中袖53、中振袖54のいずれかを選択的に取り付けたり取り外したりすることができる場合には、一人で簡単に着崩れしない振袖着物として着用することができるほか、着る目的や場所に応じて最適な袖長さとなるように調節することで、長期にわたって着用することができる。
また、上身頃体12が長袖25付きで形成されている場合には、図8(c)に示す状態のもとで見た目には従来の着物と同様な感覚を発揮させることで、結婚式や入学・卒業式などのような比較的正式な催しであっても上品さを伴って着用することができる。
しかも、裏地のない単衣として形成される上身頃体12と下身頃体32とのうち、上身頃体12は、小袖23と幅狭な衿27とを備えている場合には、図8(d)に示す状態のもとで着用時に袖がじゃまにならず動きやすく、しかも、衿27はついていても狭幅なので首周りをすっきりとさせ、かつ、従来の広幅な衿のようなごわごわ感もなくしてバランスよく、かつ、家庭でも日常着として気軽に着用することができる。
11 対丈着物
12 上身頃体
13 上側後身頃部
14 湾曲部
15 袖脇曲線部
16 上側前身頃部
17 ウエスト側曲線部
18 袖脇側曲線部
19 衿周り曲線部
23 小袖
23a下縁部
23b非縫合部
24 袖口
24a 下端縁
25 長袖
26 袖口
26a 下端縁
27 衿
32 下身頃体
33 下側後身頃部
33a 裾
34 一側縁
35 他側縁
36 下側前身頃部
36a 裾
37 一側縁
38 他側縁
39 衽
42 第1結び紐
42a 一端部
43 第2結び紐
43a 一端部
44 第3結び紐
44a 一端部
45 第4結び紐
45a 一端部
46 第5結び紐
46a 一端部
47 第6結び紐
47a 一端部
51 着脱部
51a 一側着脱部
51b 他側着脱部
52 振袖
52a 上縁部
52b 非縫合部
53 中袖
53a 上縁部
53b 非縫合部
54 中振袖
54a 上縁部
54b 非縫合部

Claims (8)

  1. 着用者の別にバスト、アンダーバスト、ウエストおよびヒップを含む身体各部から採寸された各曲線情報に基づく曲線を付与して各別に裁断された上身頃体と下身頃体とを、御端折りを介在させることなくウエストラインの位置にて立体的に縫い合わせて一体化される対丈着物は、
    右側縫い線からやや内側に入った下側前表面の前記ウエストラインの上側にその一端部が固着された第1結び紐と、左側縫い線からやや内側に入った上側前裏面の前記ウエストラインの下側にその一端部が固着された第2結び紐と、右側開放端からやや内側に入った下側前裏面の前記ウエストラインの下側にその一端部が固着された第3結び紐と、左側縫い線の延長線からやや内側に入った前記ウエストライン上側にその一端部が固着された第4結び紐と、右側開放端からやや内側に入り、かつ、前記下身頃体の縦長さ方向での中間位置から12cm前後上方に位置する部位にその一端部が固着された第5結び紐と、左側縫い線の外側に沿わせ、かつ、前記下身頃体の縦長さ方向での中間位置から17cm前後上方に位置する部位にその一端部が固着された第6結び紐とを備え、
    その着用時には、前記第3結び紐と前記第4結び紐とを結んで下前を若干せり上がらせ、前記第5結び紐と前記第6結び紐とを結んで下前左裾をさらに若干せり上がらせるとともに、前記第1結び紐と前記第2結び紐とを結んで上前右裾を若干せり上がらせるようにして裾周りの仕舞いを美しくしたことを特徴とする対丈着物。
  2. 前記上身頃体の前記曲線は、首周りのラインとウエスト位置から袖脇に至るラインとに付与し、前記下身頃体の曲線は、ウエスト位置から裾に向けて徐々にすぼまらせるようにして付与した請求項1に記載の対丈着物。
  3. 前記上身頃体と前記下身頃体とは、襦袢生地を用いて総裏とした請求項1または2に記載の対丈着物。
  4. 前記上身頃体は、袖無しとした請求項1ないし3のいずれかに記載の対丈着物。
  5. 前記上身頃体は、小袖を備える請求項1ないし3のいずれかに記載の対丈着物。
  6. 前記小袖と、別途用意される中袖、中振袖、振袖との間には、これら中袖、中振袖、振袖を選択的に着脱するための着脱部を形成した請求項5に記載の対丈着物。
  7. 前記上身頃体は、長袖を備える請求項1ないし3のいずれかに記載の対丈着物。
  8. 裏地のない単衣として形成される前記上身頃体と前記下身頃体とのうち、前記上身頃体には、小袖と幅狭な衿とを具備させた請求項1または2に記載の対丈着物。
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