JP3175474B2 - 手話生成装置 - Google Patents

手話生成装置

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JP3175474B2
JP3175474B2 JP06426094A JP6426094A JP3175474B2 JP 3175474 B2 JP3175474 B2 JP 3175474B2 JP 06426094 A JP06426094 A JP 06426094A JP 6426094 A JP6426094 A JP 6426094A JP 3175474 B2 JP3175474 B2 JP 3175474B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械等の操作や施設等
の案内を聴覚障害者に手話の画像で行うため、その手話
を画像に生成するための手話生成装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】聴覚障害者にとって最も自然で、理解し
やすい言語として手話がある。従って、施設等の案内は
勿論のこと、装置の操作法などの案内も手話により行な
うことが望ましい。しかしながら、手話のできる人が希
少であるため、予め話す文章が決まっている場合には、
手話を画像に生成してその画像を見せることにより手話
で説明する方法が実用化されている。従来の手話の生成
装置としては、カメラで録画した画像をそのまま用い
る方法とコンピュ−タグラフィックスにより生成され
たアニメ−ション画像で手話を生成する方法とがある。
このうち、前者の方法は、録画したものをそのまま用
いるので、明瞭性や自然さに優れている。しかし、表示
できる手話は、録画されたものに限定され、任意の語彙
を生成できない。また、録画されていない手話を新たに
追加しようとしたとき、現在の手話を収録したときの手
話を行なった人がいなくなってしまうことがある。ここ
で、違う人の手話を追加することは、異なった人の手話
が混在することになり、個人差はそれほど問題にはなら
ないとしても、顔形が違ってしまうため不自然さを与え
る。このため、初めから全部を作り直すことも必要とな
り、それだけ手数がかかってしまう。
【0003】一方、後者のアニメ−ションによる方法
では、任意の語彙を生成できるとともに、全て同一人の
手話で行うことができるので、上記の問題を全て解決
できる。しかしながら、生成される手話の自然性や正確
さ、明瞭性において劣ってしまう欠点がある。自然性や
正確さを向上させる方法として、例えば、特願平5−3
6346号明細書および図面(93.2.25出願)がある。こ
の方法は、予め人が行った手話における手話単語の手形
状や手の位置や向きなどの動作パタ−ンのデ−タをセン
サから取り込んでメモリに格納し(いわゆる、データグ
ローブ(商品名)を使用する)、このデ−タに基づいて
アニメ−ションを動かす。格納されたデ−タは、人が実
際に手話を演じたデ−タであるため、アニメ−ションを
人が実際に演じたように動作させることが可能であり、
自然な手話を生成することができる。 また、この方法
では、単語間の手の移動であるわたり部分(単語と単語
の間のつなぎの部分)の生成が必要である。わたり部分
の動作が不自然であると、手話全体が不自然に感じられ
るのみならず、違った意味になってしまう場合も少なく
ない。例えば、ある手形状と次の手形状がそれぞれ1つ
の手話単語A,Bを形成するとともに、前者の最後の形
状と後者の最初の形状とで1つの手話単語Cを形成する
場合、わたり部分が短か過ぎると、説明中に手話単語C
がないにもかかわらず、それが挿入されてしまうため、
全く異なる説明になったり、意味不明な説明になってし
まう。つまり、わたり部分の長短や不自然さによって、
誤解を与えたり、誤った情報を伝えてしまう場合が生じ
る。この自然なわたり部分の動作の生成法として、例え
ば、特願平5−236119号明細書および図面(93.
9.23出願)がある。これは、本発明の基礎となる特許出
願である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来よ
り、自然なわたり部分を生成する方法が提案されていた
が、その方法では、わたり部分の手の動作時間がわたり
部分の移動距離のみに基づいて決定されており、わたり
部分の始終端、つまり前の手話の終端と後の手話の始端
における動作速度等に関しては考慮されていなかった。
しかしながら、わたり部分の移動距離のみでは、例えば
その手の動作時間を正しく生成できないという問題が生
じる。すなわち、わたり部分の始端と終端の速度は遅
く、中間に高速度で移動する部分があるので、全てが等
速で移動するのは不自然である。わたり部分の動作が不
自然であると、手話全体が不自然に感じられるのみなら
ず、メリハリのない判りにくい手話となったり、さらに
は違った意味にとらえられてしまう場合も少なくない。
すなわち、従来の方法では、相手に誤解を与えたり、誤
った情報を伝えてしまう場合が生じるという問題があ
る。本発明の目的は、このような従来の課題を解決し、
手話における自然なわたり部分の動作を実時間で生成す
ることができ、自然で正確な手話の文を生成することが
可能な手話生成装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の手話生成装置は、(イ)人間が行った手話
単語の手形状や手の位置や向きなどの動作パターンのデ
ータを登録した辞書から手話単語のデータを読み出し、
読み出した各データを接続してアニメーションを動作さ
せることにより手話を生成する手話生成装置において、
該辞書から手話単語の動作パターンのデータを読み出す
とともに、各単語間の手の移動であるわたり区間を生成
するため、該わたり区間の前の手話単語の終点と該わた
り区間に後続する手話単語の始点の間の距離および該わ
たり区間の前の手話単語の終点と該わたり区間に後続す
る手話単語の始点における手の動作速度に基づき、わた
り区間の手の動作時間を求め、該動作時間と前記終点お
よび始点における手の動作速度に基づき、該わたり区間
における手の動作の最高速度を求め、該最高速度と前記
終点および始点における手の動作速度との関係から前記
動作時間を調整して、各単語間のわたり区間のデータを
生成する補間処理手段を設けたことを特徴としている。
また、 (ロ)前記補間処理手段は、生成したわたり区間の動作
速度の時間変化の形状が、山型の形状とならなかった場
合には、該わたり区間の手の動作時間を予め定めた値に
減少させることも特徴としている。また、 (ハ)人間が行った手話単語の手形状や手の位置や向き
などの動作パターンのデータを登録した辞書から手話単
語のデータを読み出し、読み出した各データを接続して
アニメーションを動作させることにより手話を生成する
手話生成装置において、該辞書から手話単語の動作パタ
ーンを読み出すとともに、各単語間の手の移動であるわ
たり区間を生成するため、該わたり区間の前の手話単語
の終点と該わたり区間に後続する手話単語の始点の間の
距離に基づき、該わたり区間における手の動作の最高速
度候補を求め、該最高速度候補と生成するわたり区間の
前の手話単語の終点と該わたり区間に後続する手話単語
の始点における手の動作速度に基づいて該わたり区間の
手の動作時間や移動速度を決定する単語パターン検出手
段と、決定された各わたり区間の手の動作時間や移動速
度に基づいて、各単語間のわたり区間のデータを生成す
る補間処理手段とを設けたことも特徴としている。
【0006】
【作用】本発明においては、予め手話単語の手形状や手
の位置や向きなどの動作パタ−ンのデ−タをセンサから
取り込み、手話単語辞書に格納する。次に、この格納さ
れた手話単語のデ−タを接続して手話を生成する。この
接続において、単語間の移動動作であるわたり部分を生
成するため、生成するわたり部分の前の手話単語の終点
と、わたり部分に後続する手話単語の始点における手形
状や手の位置、速度などの情報に基づいて、わたり部分
の手の手形状や向きおよび手の動作時間や移動速度を決
定する。生成するわたり部分の動作速度は、わたり部分
の前の手話単語の終点の動作速度を初速度として速度を
上昇させた後、わたり部分に後続する手話単語の始点の
動作速度まで速度を減少させる動作速度の変化パタ−ン
により決定する。また、わたり部分の手の動作時間なら
びに動作速度は、生成するわたり部分の前の手話単語の
終端と、わたり部分に後続する手話単語の始点との距離
のみでなく、動作速度に基づいて決定する。なお、前述
の基礎発明では、わたり部分の前の手話単語の終点と後
の手話単語の始点の動作速度は考慮しておらず、手の動
作時間から最高速度を求める方法を示したものである。
また、本発明では、生成したわたり部分の動作速度の時
間構造が、山型の形状(つまり、わたり部分の中間が最
高速度で終始端が最低速度の速度特性)とならなかった
場合には、わたり部分の手の動作時間を予め定めた短い
時間に減少させる。このように、動作速度は、わたり部
分の前の手話単語の終点の動作速度を初速度とし、わた
り部分に後続する手話単語の始点の動作速度を終点の速
度として変化させるため、動作速度の不連続は生じな
い。また、わたり部分の動作速度の形状が常に山型の形
状となるので、メリハリのある理解しやすい動作の手話
が得られる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を用いて詳細
に説明する。図1は、本発明の一実施例を示すもので、
日本語を手話に変換する手話生成装置の構成図である。
本発明の手話生成装置においては、予め装置内に登録し
た個々の手話単語の動作パタ−ンを、必要とする文章に
対応する順序で接続し、接続された手話単語相互間のつ
なぎ部分を生成し、これらの動作パターン、つまり手の
位置座標、向き、関節の角度の各信号に従ってアニメー
ションの人形に動作させ、この動作を画像にすることに
より生成する。図1において、1は人が演じた手話の動
作パタ−ンを入力するセンサであり、例えば、1/30
秒毎に手の動作の特徴として、手の位置、向きおよび指
の曲がり角度を検出する。指の曲がり角度は、こぶしの
第1関節と5本の指の第2関節に対して角度で示され
る。2は、センサ1を通じて入力される手話単語毎の動
作パタ−ンを格納するための手話単語辞書、3は、キ−
ボ−ド(図示しない)などから入力される日本語を手話
の単語列に変換する日本語・手話変換部で、通常では日
本語を解析して、手話の単語列(通常は日本語手話は日
本語の単語名に対応させている)に翻訳する処理を行
う。
【0008】4は、日本語・手話変換部3から入力され
る手話の単語列に基づいて、手話単語辞書2から該当す
る手話単語の動作パタ−ンを読みだす単語パタ−ン検出
部であって、手話単語列により順次、手話単語辞書2か
ら単語に該当する動作パターン、つまり手の位置である
X,Y,Z座標信号、手の向き、および各指の関節の曲
がり角度を示す各信号を読み出して、読み出された単語
1、単語2、単語3、・・・の各信号を次の補間処理部
に渡す。5は、読み出された手話単語間の動作(以下わ
たり区間と呼ぶ)を生成する補間処理部、6は、得られ
た手話パタ−ンに基づいて、コンピュ−タグラフィック
スによるアニメ−ションの人形を動作させて手話を表示
する手話画像生成部である。すなわち、手話画像生成部
6は、手話単語辞書2から読み出された手の位置である
X,Y,Z座標毎の信号、手の向き、および各指の関節
の曲がり角度、ならびに補間処理部5で生成されたわた
り区間の手の位置であるX,Y,Z座標信号、手の向
き、および各指の関節の曲がり角度に従って、アニメー
ションの人形を動作させる。ここで、センサ1として
は、例えば、デ−タグロ−ブ(VPL Researc
h社製)を用いることにより実現可能である。
【0009】以下、手話生成の基本的な処理について説
明する。手話生成に先立って、先ず手話単語辞書2に生
成したい手話の単語を登録する。例えば、センサ1から
は次の手話の動作の特徴が1/30秒毎に求められる。
手の位置(x:X座標、y:Y座標、z:Z座標),手
の向き(ang1:上下、ang2:左右、ang3:
回転)、ならびに各指の第1、2関節の曲がり角度(f
ang)であって、これらはそれぞれ信号で表わされ
る。以下、この1/30秒単位の各信号をフレ−ムと呼
ぶ。日本語・手話変換部3においては、日本語解析を行
って各単語に分割した後、それらの単語に対応する手話
単語に変換する。日本語の解析は、既存の形態素、構
文、意味解析の各処理を行うことにより実現可能であ
る。また、手話単語への変換は、日本語と手話の単語の
対応表を作っておくことにより、対応可能である。 日
本語・手話変換部3は、次の手話単語列Wを出力する。 W=(w0,w1,w2,・・・,wn) ・・
・・・・・・・(1) ここで、wiは先頭からi+1
番目の手話単語である。手話画像生成部6は、手話単語
辞書2に登録された手話の動作パタンに基づいてアニメ
−ションを動作させる。この方法は、例えば、前述の特
願平5−36346号明細書および図面に記載された方
法により実現可能である。このようにして、日本語を対
応する手話に変換して、手話をアニメ−ションの動作で
表示する。 この場合、単語内は登録された手話の動作
パタンに基づいて生成されるため、自然で正確な手話を
生成できるが、手話単語間のわたり区間の動作は、前後
の単語によって変化する。このため、状況に応じて生成
する必要がある。このわたり動作が不自然であれば、手
話全体が不自然となるのみでなく、理解できない手話と
なってしまうこともある。以下に、このわたり区間の動
作を生成する補間処理部5について説明する。
【0010】図2は、本発明において生成する手話のわ
たり部分の動作速度の変化パターンを示す図である。補
間処理に先立ち、単語パタ−ン検出部4は、日本語・手
話変換部3から送られてくる手話単語列Wに基づいて、
手話単語辞書2から手話単語の動作パタンを読みだす。
さらに、各単語の始終点の速度vs,veならびに隣接
単語間の距離Dを求める。例えば、単語wiのフレ−ム
長をmとすると、単語wiの終点の速度veは次のよう
に求めることができる。 ve=30*√Xe Xe={(xi(m)−xi(m−1))2+ (yi(m)−yi(m−1))2+ (zi(m)−zi(m−1))2} ・・・・・・(2) ここで、xi(m),yi(m),zi(m)は、それ
ぞれ、単語wiのmフレ−ムにおけるX座標、Y座標、
Z座標位置である。また、30は1/30秒単位の値で
あるため秒単位に変換するための乗数、*は乗算記号で
ある。そして、三次元の距離であるため、それぞれの終
点とその前の点の差を二乗したものを加え、その和の平
方根を求めることにより、空間的な直線として終端速度
を算出する。
【0011】全く同様に、単語wiの始点の速度vsは
次のように求めることができる。 vs=30*√Xs Xs={(xi(1)−xi(0))2+ (yi(1)−yi(0))2+ (zi(1)−zi(0))2}・・・・・・・・・(3) ここで、xi(0),yi(0),zi(0)は、それ
ぞれ、単語wiの0フレ−ムにおけるX座標、Y座標、
Z座標位置であり、xi(1),yi(1),zi
(1)は、単語wiの1フレームにおける各座標位置で
ある。また、隣接する単語(wi,wi+1)間の距離
Diは、次のように求めることができる。 Di=√{(xi(m)−x(i+1)(0))2+ (yi(m)−y(i+1)(0))2+ (zi(m)−z(i+1)(0))2}・・・・(4) ここで、xi(m),yi(m),zi(m)は、それ
ぞれ単語wiの終端であるmフレームにおけるX座標、
Y座標、Z座標位置であり、x(i+1)(0),y
(i+1)(0),z(i+1)(0)は、後続の単語
wi+1の始端である0フレームにおける各座標位置で
ある。さて、手話のわたり区間において、その動作は、
一般に、速度の上昇−減衰のパタ−ンを示す。このた
め、わたり区間における動作速度は、例えば、図2のよ
うな曲線を描く。すなわち、隣接単語(wi,wi+
1)の間のわたりの区間の速度は、単語wiの終端の速
度veを初期速度として、わたり区間の中心位置で最高
速度vmaxまで上昇し、その後、後続の単語wi+1
の始点の速度vsで終了する等加速度運動により近似す
る。
【0012】図3は、図1における補間処理部の動作フ
ローチャートであり、図4は補間処理部の手の動作時間
の決定処理を示す基準値のテーブルである。図2の動作
をさせるためには、わたり区間の手の動作時間Δtと最
高速度vmaxを決定する必要がある。補間処理部5で
は、図3に示す動作フローに従って処理を実行する。ま
ず、ステップ51でわたり区間の手の動作時間Δtを決
定する。手話では、わたり区間の手の動作時間Δtが一
定に保たれる傾向にある。このため、隣接する単語(w
i,wi+1)間の距離Dと単語wiの終端の速度ve
と後続の単語wi+1の始点の速度vsの平均速度vs
eに基づいて、例えば、手の動作時間Δtを400ms
ecか600msecのいずれか一方に設定する。すな
わち、距離Dが短いときや、始点と終点の速度が大きい
ときには、当然のことながら手の動作時間は短いので、
400msecを選択することになる。手の動作時間を
決定する規則は、図4に示すように、わたり区間の移動
距離Dと両端の平均速度で決定される。すなわち、距離
Dがしきい値θ1より短かければ、400msec、し
きい値θ2より長ければ600msecである。ただ
し、速度veとvsが大きいと、手の動作時間は短くな
る(400msec)。このため、距離Dがしきい値θ
1とθ2の間であり、平均速度vesがしきい値θ3未
満であれば600msec、平均速度vesがしきい値
θ3以上であれば400msecとする。また、右手と
左手により手の動作時間Δtが異なるときには、長い方
を選択する。ここで、しきい値θ1、θ2としては、例
えば、15cm、30cmとする。
【0013】図3のステップ52では、最高速度vma
xを計算して求める。先ず、わたり区間では手が直線的
に動くと仮定すると、図2の斜線で示した面積が、隣接
する単語(wi,wi+1)間の距離Dとなる。最高速
度vmaxは、求めた距離Dと、求められた手の動作時
間Δtおよび単語wiの終端の速度veと後続の単語w
i+1の始点の速度vsから次のように求められる。 vmax=2*D/Δt−(vs+ve)/2 ・・・・・・・・(5) すなわち、図2の斜線の部分の面積である距離Dは、手
の動作時間の半分のΔt/2を低辺とし、最高速度vm
ax+(ve+vs)/2を高さとする矩形の面積と同
一である。従って、最高速度vmaxを求めるために
は、上式(5)に示すように、2D/Δt−(vs+v
e)/2を算出すればよい。ここで、求めたvmax
が、少なくとも速度veと速度vsのどちらかよりも低
い場合は(ステップ53)、当然のことながら速度パタ
−ンの形状が山型にならない。山型にならないと、単語
との境界で速度の極小点が生成されないので、メリハリ
のない手話となってしまう。このため、ステップ54で
は、速度パタ−ンの形状が山型にならない場合、手の動
作時間Δtを短くする。例えば、手の動作時間が600
msecであったならば、短い方の400msecに、
手の動作時間が400msecであったならば、実測値
としてわたり区間の最も短い値の267msecにす
る。この修正結果に応じて、ステップ52で、最高速度
vmaxを再計算する。ステップ55では、この関数に
したがって、わたり区間の各フレ−ムごとの手の位置の
座標を計算して求める。ステップ56では、手の向きや
指の曲げ角の補間を行なう。例えば、角度の線形補間を
行なう。すなわち、手の動作時間Δtが決まるので、単
語wiの終端の角度をange、後続の単語wi+1の
始点の角度をangsとすると、わたり区間の中間位置
の角度は、(ange+angs)/2で求めることが
できる。本発明では、以上の補間により、処理量を増加
させることなく、自然でかつ正確な手話の文の生成が可
能となる。
【0014】図5は、本発明の他の実施例を示すもの
で、わたり区間の移動距離と最高速度の関係を示す特性
図であり、図6は、図5の特性を用いた手の動作時間の
決定処理のフローチャートである。図3のステップ51
におけるわたり区間の手の動作時間Δtは、次の方法で
も求めることができる。すなわち、図5に示すように、
隣接する単語(wi,wi+1)間の距離Dと最高速度
vmaxの間には相関が見られる。すなわち、複数の文
およびそれらの文の各単語間のわたり区間の移動距離D
により、最高速度vmaxを実測すると、図5の枠内の
点が集合しているように、これらの間には相関があるこ
とがわかる。このため、まず、図6のステップ511で
は、図5の距離Dと最高速度vmaxの回帰直線から、
最高速度候補を求める。回帰直線は、例えば、次のよう
に与えられ、距離Dから最高速度候補Cvmaxが得ら
れる。 最高速度候補Cvmax=a*距離D+b ・・・・・・・・・・(6) ここで、a,bは定数であって、aは傾斜を示す係数、
bは初期値つまり移動距離0のときの最高速度である。
次に、ステップ512では、求められた最高速度候補C
vmaxを用いて、図2のモデルから以下のように手の
動作時間Δtを求める。 Δt=2*D/{Cvmax+(vs+ve)/2}・・・・・・(7) 上式(7)は、前式(5)の等号の左右の値を入れ替え
ることにより導かれる。 なお、手話の動作は1/30
秒毎に生成されるため、求められた手の動作時間Δtを
1/30秒の離散値に丸めた値を最終的な手の動作時間
Δtとする。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
処理量を増加させることなく、自然でかつ正確な任意の
手話の文を生成することが可能となるので、聴覚障害者
に対して機械等の操作や施設等の案内をする場合に説明
が容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す手話生成装置の構成図
である。
【図2】生成する手話のわたり区間における動作速度の
変化パタ−ンを示す図である。
【図3】本発明における補間処理部の処理を示すフロー
チャートである。
【図4】本発明における補間処理部の手の動作時間の決
定処理を示す規則の図である。
【図5】本発明の他の実施例を示すもので、わたり区間
の移動距離と最高速度の関係を示す図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す補間処理部の手の動
作時間の決定処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1‥センサ、2‥手話単語辞書、3‥日本語・手話変換
部、4‥単語パタ−ン検出部、5‥補間処理部、6‥手
話画像生成部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大木 優 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 金子 洋一 東京都小平市上水本町5丁目20番1号 日立超エル・エス・アイ・エンジニアリ ング株式会社内 (56)参考文献 アニメーションによる日本語手話表現 に関する基礎的検討 寺内美奈 長嶋祐 二 三原浩樹 長嶋秀世 大和玄一 情 報処理学会研究報告 Vol.92,N o.15,P.49〜54 92−HI−41(ヒ ューマンインタフェース 41−7)社団 法人情報処理学会発行 1992年3月2日 発行 知的通信方式手話画像伝送のための手 話画像生成システム 棚橋真 除軍 青 木由直 テレビジョン学会技術報告(情 報ディスプレイ 無線・光伝送 画像通 信システム 画像応用)Vol.17,N o.8,P.25〜30 社団法人テレビジ ョン学会発行 1993年1月28日公知 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06T 13/00 G09B 21/00 特許ファイル(PATOLIS) JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人間が行った手話単語の手形状や手の位
    置や向きなどの動作パターンのデータを登録した辞書か
    ら手話単語のデータを読み出し、読み出した各データを
    接続してアニメーションを動作させることにより手話を
    生成する手話生成装置において、 該辞書から手話単語の動作パターンのデータを読み出す
    とともに、各単語間の手の移動であるわたり区間を生成
    するため、該わたり区間の前の手話単語の終点と該わた
    り区間に後続する手話単語の始点の間の距離および該わ
    たり区間の前の手話単語の終点と該わたり区間に後続す
    る手話単語の始点における手の動作速度に基づき、わた
    り区間の手の動作時間を求め、該動作時間と前記終点お
    よび始点における手の動作速度に基づき、該わたり区間
    における手の動作の最高速度を求め、該最高速度と前記
    終点および始点における手の動作速度との関係から前記
    動作時間を調整して、各単語間のわたり区間のデータを
    生成する補間処理手段を設けたことを特徴とする手話生
    成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の手話生成装置におい
    て、前記補間処理手段は、 生成したわたり区間の動作速度の
    時間変化の形状が、山型の形状とならなかった場合に
    は、該わたり区間の手の動作時間を予め定めた値に減少
    させることを特徴とする手話生成装置。
  3. 【請求項3】 人間が行った手話単語の手形状や手の位
    置や向きなどの動作パターンのデータを登録した辞書か
    ら手話単語のデータを読み出し、読み出した各データを
    接続してアニメーションを動作させることにより手話を
    生成する手話生成装置において、 該辞書から手話単語の動作パターンを読み出すととも
    に、 各単語間の手の移動であるわたり区間を生成するため、
    該わたり区間の前の手話単語の終点と該わたり区間に後
    続する手話単語の始点の間の距離に基づき、該わたり区
    間における手の動作の最高速度候補を求め、該最高速度
    候補と生成するわたり区間の前の手話単語の終点と該わ
    たり区間に後続する手話単語の始点における手の動作速
    度に基づいて該わたり区間の手の動作時間や移動速度を
    決定する単語パターン検出手段と、 決定された各わたり区間の手の動作時間や移動速度に基
    づいて、各単語間のわたり区間のデータを生成する補間
    処理手段とを設けたこと を特徴とする手話生成装置。
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Title
アニメーションによる日本語手話表現に関する基礎的検討 寺内美奈 長嶋祐二 三原浩樹 長嶋秀世 大和玄一 情報処理学会研究報告 Vol.92,No.15,P.49〜54 92−HI−41(ヒューマンインタフェース 41−7)社団法人情報処理学会発行 1992年3月2日発行
知的通信方式手話画像伝送のための手話画像生成システム 棚橋真 除軍 青木由直 テレビジョン学会技術報告(情報ディスプレイ 無線・光伝送 画像通信システム 画像応用)Vol.17,No.8,P.25〜30 社団法人テレビジョン学会発行 1993年1月28日公知

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