JPH09185716A - 動作判定方法および動作判定装置 - Google Patents

動作判定方法および動作判定装置

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JPH09185716A
JPH09185716A JP8286466A JP28646696A JPH09185716A JP H09185716 A JPH09185716 A JP H09185716A JP 8286466 A JP8286466 A JP 8286466A JP 28646696 A JP28646696 A JP 28646696A JP H09185716 A JPH09185716 A JP H09185716A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】指揮動作等の動作検出の精度信頼性を向上す
る。 【解決手段】状態判定部2は、センサ出力を一定時間毎
にラベル化する。レジスタ3は、状態判定部2から入力
されたラベルを最新のものから動作ラベルとして記憶す
る。レジスタ3は、例えば拍ラベル+動作ラベルのラベ
ル系列を確率計算部4に入力する。HMM(隠れマルコ
フモデル)記憶部5には各拍の動作を学習したHMMが
記憶されており、入力されたラベル系列の出力確率(ゆ
う度)を全てのHMMについて計算する。拍判定部6は
全てのHMMのゆう度を比較し、最大のゆう度のものを
選択して動作を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、動作に応じたセ
ンサ出力をベクトル量子化し、これによって生成された
ラベル系列を隠れマルコフモデル(HMM)が出力する
確率を計算することにより、その動作の内容を判定する
動作判定方法および動作判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人の動作を判定する装置や方法は従来よ
り種々提案されている。その手法は、一般に、単純なフ
ィルタや大小比較等の信号処理、二次元動作信号の角度
や角度差などであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、人間の動作は
極めて曖昧、且つ不安定なため、従来の単純な信号処理
だけでは、検出や判別の精度、信頼性が低く、検出ミス
や判別誤りが頻繁に発生した。
【0004】このため、例えばこの動作判定を用いて音
楽のテンポやダイナミクスを制御しようとした場合、 指揮動作の認識率が極めて低いため、機械が認識し易
い動作を操作者が習熟することが必要となり、ユーザが
システムに慣れるのに時間を要する。 動作意図と異なる反応、すなわち誤認識が頻発し、安
定した音楽演奏が困難である。 等の不都合が生じていた。
【0005】この発明は、HMMを用いることにより指
揮動作などの動作検出の精度や信頼性を向上した動作判
定方法および動作判定装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この出願の請求項1の発
明は、動作を検出するセンサから出力された検出値を一
定時間毎にラベル化してラベル系列に編集し、特定の動
作に対応するラベル系列を学習させた隠れマルコフモデ
ルが該ラベル系列を出力する確率を計算し、この計算結
果に基づいて前記センサが検出した動作の内容を判定す
ることを特徴とする。
【0007】この出願の請求項2の発明は、請求項3の
発明において、判定された動作の内容に基づいてラベル
を生成し、これを前記ラベル系列に挿入することを特徴
とする。
【0008】この出願の請求項3の発明は、動作を検出
して検出値を出力するセンサと、該センサから入力され
る検出値を一定時間毎にラベル化する状態判定部と、前
記状態判定部から一定時間毎に出力されるラベルをラベ
ル系列に編集するラベル系列生成部と、特定の動作に対
応するラベル系列を学習させた隠れマルコフモデルを記
憶するHMM記憶部と、前記ラベル系列生成部からラベ
ル系列を入力し前記HMM記憶部に記憶されている隠れ
マルコフモデルが該ラベル系列を出力する確率を計算す
る確率計算部と、該確率計算部の計算結果に基づいて前
記センサが検出した動作の内容を判定する動作判定部と
からなることを特徴とする。
【0009】この出願の請求項4の発明は、前記ラベル
系列生成部は、前記動作判定部が判定した動作の内容に
基づくラベルを前記ラベル系列に挿入する手段を含むこ
とを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】図1を参照してこの発明に用いら
れる隠れマルコフモデル(HMM)について説明する。
HMMは、種々のラベル系列をそれぞれ所定の確率で出
力するものであり、N個の状態(S1 ,S2 ,…,
N )をもち、一定周期ごとに状態を次々に遷移すると
ともに、その遷移の際にラベルを1つずつ出力するもの
である。つぎにどの状態に遷移するか、またその際にど
のラベルを出力するか否かはそれぞれ「遷移確率」,
「出力確率」によって確率的に決められている。また、
HMMの出力側からみた特定のラベル系列が出力される
確率を「ゆう度」といい、本願特許請求の範囲の「確
率」はこの「ゆう度」を意味している。
【0011】図1に示すHMMは、3つの状態S1 ,S
2 ,S3 で構成され、2種類のラベルaとbのみからな
るラベル系列を出力する。初期状態S1 からは0.3の
確率でS1 自体に遷移する(その際に、ラベルaかbを
それぞれ0.8,0.2の確率で出力する)か、0.5
の確率でS2 に遷移する(その際に常にaを出力する)
か、0.2の確率で最終状態S3 に遷移する(その際に
常にbを出力する)。状態S2 からは、0.4の確率で
2 自体に遷移する(その際に、aかbをそれぞれ0.
3,0.7の確率で出力する)か、0.6の確率で最終
状態S3 に遷移する(その際にaかbを等確率で出力す
る)。
【0012】ここで、このHMMがラベル系列aabを
出力する確率を考えてみる。このHMMが出力すること
のできる状態遷移の系列は、自己遷移を繰り返すことが
できるため、状態遷移数に制限を加えなければ無数にあ
るが、aabを出力する可能性のあるものはS1 1
2 3 とS1 2 2 3 とS1 1 1 3 の3つだ
けであり、それぞれの状態遷移の系列をとる確率は、 0.3 ×0.8 ×0.5 ×1.0 ×0.6 ×0.5 =0.036 0.5 ×1.0 ×0.4 ×0.3 ×0.6 ×0.5 =0.018 0.3 ×0.8 ×0.3 ×0.8 ×0.2 ×1.0 =0.01152 であり、このHMMからラベル系列aabが出力される
確率の合計、すなわち、ラベル系列aabのゆう度は、 0.036 +0.018 +0.01152 =0.06552 である。なお、HMMからaabが出力されても上記3
種類の状態遷移の系列のいずれによるのもかは出力側か
ら観測されないことから、この形態のマルコフモデルを
隠れ(Hidden)マルコフモデルという。HMMは、従来よ
り単語音声認識など音声認識の分野で用いられている。
【0013】音声認識は、入力音声を10ms程度のフ
レーム時間毎にラベル化し、このラベル系列の出力確率
をそれぞれ異なる単語の発音を出力するように学習され
た複数のHMMについて計算し、最もそのゆう度の高い
HMMの単語をその入力音声の単語であると認識すると
いうものである。この技術に関しては、電子情報通信学
会誌1987年4月号352頁〜358頁「マルコフモ
デルによる音声認識(大河内正明)」に詳しい。
【0014】次に、この実施形態においてHMMを用い
て検出・判定する指揮法、すなわち、指揮棒の揺動動作
について説明する。図2は3拍子を指揮するときの指揮
棒の軌跡を示す図である。図3は4拍子を指揮する場合
の指揮棒の軌跡を示す図である。図4は2拍子を指揮す
る場合の指揮棒の軌跡を示す図である。
【0015】図2において同図(A)は通常(ノンレガ
ート)、同図(B)はレガート、同図(C)は軽いスタ
ッカート、同図(D)は強いスタッカートの場合の指揮
棒の軌跡を示している。これらの図から明らかなように
第1拍の指示動作は、上から下への振り下ろし動作であ
り、その動作の下端が第1拍の拍打点である。そして軽
いスタッカート(同図(C))以外は振り下ろしの反動
の短い振り上げ動作を伴う。また、第2拍の指示動作
は、右方向への揺動動作であり、奏法によりその動作中
に拍打点がある場合(ノンレガート(同図(A)),レ
ガート(同図(B)))と、右向きの動作の右端に拍打
点がある場合(スタッカート(同図(C),(D)))
とがある。また、第3拍の指示動作は、右下から左上へ
の振り上げ動作であり、軽いスタッカート(同図
(C))がその終点(第1拍の振り下ろしの開始点)に
拍打点があるのを除いては、その動作途中に拍打点があ
る。なお、図中拍打点をその拍番号の数字で示している
が□で囲んでいるものは指揮棒がその点で停止する拍打
点であり、○で囲んでいるものは指揮棒がある速度でそ
の点を通過または折り返しする拍打点である。
【0016】図3において同図(A)は通常(ノンレガ
ート)、同図(B)はレガート、同図(C)は軽いスタ
ッカート、同図(D)は強いスタッカートの場合の指揮
棒の軌跡を示している。4拍子の指揮法は3拍子の指揮
法と類似しており、4拍子の第1拍指示動作と3拍子の
第1拍指示動作、4拍子の第3拍指示動作と3拍子の第
2拍指示動作、4拍子の第4拍指示動作と3拍子の第3
拍指示動作がほぼ対応する。そして4拍子の第2拍指示
動作は、第1拍指示動作の終了点から左方向への揺動動
作であり、奏法によりその動作中に拍打点がある場合
(ノンレガート(同図(A)),レガート(同図
(B)))と、左向きの動作の左端に拍打点がある場合
(スタッカート(同図(C),(D)))とがある。
【0017】また、図4において、2拍子の拍指示はほ
ぼ上下動で行われる。ノンレガート(同図(A)),レ
ガート(同図(B))および強いスタッカート(同図
(D))において、第1拍の指示動作は、上から下への
振り下ろし動作と、その反動の短い振り上げ動作からな
り,振り下ろし動作の下端が第1拍の拍打点である。ま
た、第2拍の指示動作は、短い予備動作である振り下ろ
し動作と、下から上(第1拍指示動作の開始点)への振
り上げ動作からなり,振り下ろし動作の下端が第2拍の
拍打点である。
【0018】HMMを用いて、指揮棒の揺動から上記指
揮法を分析する指揮動作分析装置を図5に示す。また、
図6は同指揮動作分析装置の状態判定部の状態判定動作
を説明する図、図7は同指揮動作分析装置のHMM記憶
部5に記憶されるHMMを例示する図である。
【0019】この指揮動作分析装置は、センサ1,状態
判定部2,レジスタ3,確率計算部4,HMM記憶部
5,拍判定部6からなっており、拍判定部6が判定した
内容は自動演奏装置7に入力される。センサ1は、操作
者が手に持って上記指揮法にしたがって揺動させるコン
トローラに内蔵された角速度や加速度を検出するセンサ
である。指揮法に従って揺動させるコントローラとして
は指揮棒状のものが一般的であるが、この他にハンドグ
リップ状のものや手に直接貼りつけるものなどが考えら
れる。このセンサ1は、図6(A)に示すような揺動角
度の領域を検出するために用いられるため、たとえば、
揺動の垂直方向成分を検出する垂直方向センサおよび揺
動の水平方向成分を検出する水平方向センサからなって
いる。このような垂直・水平方向センサを有する指揮棒
については、未公開であるが、先願の特願平7−110
549号に詳細に説明されている。このセンサ1の検出
値は状態判定部2に入力される。
【0020】状態判定部2は、以下の動作を行う。セ
ンサ1の出力を10msずつのフレームに分割する。
揺動速度(角速度)の領域を判断し、図6(A)の区分
で各フレームをラベル付け(動作ラベル:l1〜l5)す
る。ラベルをレジスタ3に入力する。この動作は10
msのフレームクロック毎に繰り返し実行する。なお、
図6(B)のラベルリストのうちl6〜l14 は拍判定部6
が出力する拍ラベルである。
【0021】なお、図6(A)の揺動動作のラベル付け
は、一例であって本発明がこれに限定されるものではな
い。使用するセンシングシステム(コントローラやセン
サの種類)、操作者、センサ部の把持方法等によって、
入力動作に対応するセンサ出力が異なるため、これらに
対応しラベル付けの精度を向上するためには、複数の操
作者、複数のセンサ把持方法など様々な態様の拍指示動
作のデータを大量に採取し、類似する動作のデータの代
表点を求めてラベル付けをするようにすればよい。
【0022】レジスタ3は図5(B)のような構成にな
っている。後述の拍判定部6が判定した拍判定情報(拍
ラベル)を記憶する拍ラベルレジスタ30、前記状態判
定部2から入力されるラベル(動作ラベル)を50個記
憶する50段のシフトレジスタ31、および、前記拍ラ
ベルと動作ラベルを連結して確率演算部4に入力する合
成部32からなっている。シフトレジスタ31は、10
msのフレームクロックで記憶内容をシフトしてゆき、
状態判定部2から入力される動作ラベルを最新のものか
ら50個(500ms分)記憶する。
【0023】上記レジスタは、拍ラベルと動作ラベルを
別に記憶し、拍ラベルが必ずラベル系列の先頭になるよ
うに拍ラベルと動作ラベルを連結するようにしている
が、これは以下の理由による。シフトレジスタ31の長
さが1拍以上になると今回の拍打ち動作のみならず、前
拍の拍打ち動作のラベルも含まれることになり分析が複
雑になる。そこで、シフトレジスタ31の長さを500
ms分に制限したが、そうすると、拍ラベルを動作ラベ
ルと同様にシフトレジスタ31に時系列に入力したので
は、次の拍タイミングにはシフトレジスタ31から出て
しまっていることになる。そこで、拍ラベルのみ別に記
憶するようにした。
【0024】ただし、同図(C)のようにシフトレジス
タを十分1拍以上の長さに構成して拍ラベルを動作ラベ
ルと同様に時系列に入力し、必ず前拍の拍ラベルと前拍
打ちの動作ラベルがラベル系列中に時系列的に含まれる
ようにすることもできる。この場合には、前拍の拍打ち
動作の動作も含めて分析することにより、分析は複雑に
なるがより正確に拍種類を判定することができる。
【0025】ただし、シフトレジスタの段数やフレーム
クロックの周波数は上記実施形態に限定されるものでは
ない。
【0026】確率計算部4は、1個の拍ラベルと50個
の動作ラベルからなる51個のラベルで構成されたラベ
ル系列を出力する確率、すなわち、該ラベル系列のゆう
度をHMM記憶部5に記憶されている全てのHMMにつ
いて計算する。HMM記憶部5には図7(A)に示すよ
うに各種拍打動作のラベル系列を出力する複数のHMM
が記憶されている。これらのHMMは、認識対象である
指揮動作が時間に変動する状態を、有限個の状態遷移確
率でモデル化したものであり、自己遷移経路を持つ3〜
4の状態数で構成され、学習によって状態遷移確率およ
び各ラベルの出力確率を決定すればよい。確率計算部4
が計算したゆう度は拍判定部6に出力される。
【0027】ここで、図7(B),(C)は、4拍子の
1拍目のラベル系列を学習したHMM、すなわち、M41
の例を示す図である。同図(B)は、図5(B)の構成
のレジスタから、必ず拍ラベルが先頭にあるラベル系列
が入力される場合のHMMの構成を示し、同図(C)は
図5(C)の構成のレジスタから、前拍の拍打ちの動作
ラベル−前拍の拍ラベル−今回の拍打ちの動作ラベルか
らなるラベル系列が入力される場合のHMMの構成を示
している。図7(B)では拍ラベルは必ず先頭で1個の
みであるため、HMMは、状態S1 から必ず(遷移確率
=1で)状態S2 に遷移し、そのときいずれかの拍ラベ
ルl6〜l14 を出力する。状態S2 および状態S3 では動
作ラベルl1〜l5のみ出力する。一方、同図(C)では前
拍の拍打ちの動作ラベル,前拍の拍ラベルおよび今回の
拍打ちの動作ラベルを分析するため状態数が4となり、
全ての遷移(自己遷移を含む)時に、全てのラベルl1
l14 を出力する可能性がある。なお、HMMの構成は上
記例に限定されるものではない。
【0028】拍判定部6は、確率計算部4から入力され
た各HMMのゆう度を比較して最も高いものを選出し、
その最も高いものが一定の閾値を越えている場合に、拍
タイミングであり、そのときの拍種類(拍子および拍番
号)は最高のゆう度を出力したHMMの拍種類であると
判定する。入力されたゆう度のうち最も値の大きいもの
でも前記一定の閾値を越えていない場合には、拍タイミ
ングでないとして何も出力しない。
【0029】すなわち、レジスタ3は拍タイミングであ
るか否かに拘らず各フレームタイミング毎に51個のラ
ベル系列を確率計算部4に出力し、確率計算部4はこの
入力されたラベル系列に基づいて各HMMのゆう度をフ
レームタイミング毎に出力する。このように拍判定部6
には拍タイミングであるか否かに拘らず全HMMのゆう
度が入力されることになるが、拍タイミングに入力され
たラベル系列に対するゆう度とそれ以外のタイミングに
入力されたラベル系列に対するゆう度とでは絶対的な値
が異なる。したがって、適当な閾値を定め、ゆう度がそ
れ以下の場合には、拍タイミングでないと判定すること
によって、拍判定部6は、最大ゆう度を出力したHMM
に基づいて拍種類を判定するのに同期して、拍タイミン
グを検出することができる。
【0030】拍判定部6が拍タイミングとその拍の拍種
類を判定すると、その拍種類を自動演奏装置7に出力す
る。自動演奏装置7は、入力された拍タイミングとその
拍種類情報に基づいて演奏の拍タイミング,拍種類が入
力された拍タイミング,拍種類に一致するように演奏の
テンポを制御する。さらに、拍判定部6はこの拍種類に
応じた拍ラベル (l6〜l14)を生成してレジスタ3に入力
する。レジスタ3は入力された拍ラベルを拍ラベルレジ
スタ30に記憶する。
【0031】以上の構成により、指揮動作検出装置は、
操作者の指揮による拍指示動作を検出して自動演奏装置
7を制御することができる。この装置においては、拍判
定部6の拍判定結果を拍ラベルに変換してレジスタ3に
入力し、動作ラベルとは別のレジスタに記憶するように
しているが、動作ラベルと同様にシフトレジスタにその
発生タイミングに応じた順位で記憶するようにしてもよ
い。
【0032】なお、HMM記憶部5に記憶されるHMM
に対してより高度な学習を施して認識に反映させること
ができる。なお、ここで学習とは「ある動作に対して付
与されたラベル系列Lに対して当該動作を表現するHM
MのモデルMのゆう度Pr(L:M)を最大にするよう
に、モデルMのパラメータ(遷移確率と出力確率)を調
整すること」である。この学習としては、 特定個人向けのカスタマイズ:その個人のデータだ
けで代表点を計算しなおす方式 一般化:より多くの人のデータを採取し、代表点を
計算しなおす方式 演奏中の微小チューニング:演奏者のデータが、相
当するラベルに予め設定してある代表値から常にズレて
いる場合は、代表値を定期的に微調整する。
【0033】などがある。学習は、パラメータに適当な
初期値を与えておき、データに基づく反復計算で収束さ
せる方法で行われる。
【0034】なお、HMMを用いた指揮法のモデル化
は、ラベル,扱うパラメータの種類,HMMの構造,そ
の他種々の要素を如何に決定するかにより種々の手法が
考えられ、上記実施形態は、これら種々のモデル化手法
の一例に過ぎない。
【0035】また、扱うパラメータや状態ラベルを増や
して、認識する動作の種類や音楽情報の種類や増やした
り、認識率を向上することも可能である。例えば、動作
の大きさや速度からダイナミクスを認識したり、二次元
平面内での動作軌跡曲率などを参照してレガート,スタ
ッカート等を認識することもできる。すなわち、拍打時
点での軌跡の曲率が小さい(滑らかな)動作であればレ
ガート(スラー/エスプレッシーヴォ)であると判断す
ることができ、曲率が大きい(クッキリした)動作であ
ればスタッカートであると判断することができる。
【0036】また、ラベル化に用いるパラメータとして
は、揺動の方向と速度(角速度)を用いたが、指揮(拍
指示)の軌跡の形状から主な動作方向の成分を求め、第
1成分の軸を縦方向,第2成分の軸を横方向という変換
を施して演奏者の把持方法の違いや、クセの成分を減ら
したりしてもよい。
【0037】また、揺動の方向,速度(角速度)以外に
以下のようなパラメータを用いることもできる。
【0038】二次元面内または三次元空間内の基準点か
らの角度,位置,速度,加速度等 時間域波形のピーク,谷,絶対値など、 前の拍の種類 前の拍打点(拍タイミング)からの差(角度,速度,位
置など) 前の拍タイミングからの時間 前サンプルとの差 動作の中心から見た象限 これらのうちのいずれかを使ってもよいし、複数組み合
わせて使ってもよい。また、これら複数パラメータの空
間的偏りをクラスタ分析し、代表ベクトルを求めてラベ
ルにしてもよい。
【0039】また、上記指揮動作分析装置は、拍タイミ
ングと拍種類を認識するための装置であるが、これの一
段上位の階層の認識、すなわち、拍種類の連鎖による拍
子の分析にHMMを適用することができる。例えば「2
拍目→3拍目→1拍目と遷移したら今は3拍子を演奏
中」などの認識を行わせる。この場合において、ラベル
を出力せずに状態遷移するナル遷移を導入することで、
全ての拍を打たなくても拍子を認識させることができ
る。例えば、3拍子の認識用のHMMにおいて、1拍目
から3拍目へのナル遷移を許すと、必ずしも2拍目を打
たなくても3拍子として認識可能となる。
【0040】このように、この実施形態では、自動演奏
のテンポなどを制御する指揮動作判定装置に本発明を適
用しているが、指揮動作は時系列に一定のルールに基づ
いて繰り返される連続動作であるため、HMMの構造決
定や学習が容易であり、高い判定精度を期待することが
できる。
【0041】また、図5の装置は指揮動作の判定に用い
るのみでなく、人や物の動作全般の判定に用いることが
可能である。例えば、マルチメディアインタフェースへ
の応用として、バーチャルリアリティ(VR)における
動作のインタフェースに適用することができる。VRで
用いられるセンサとしては、三次元内での位置,角度な
とを検出する三次元位置・角度センサ、指間接の曲げ角
度を検出するグローブ型間接曲げ角度検出センサ(デー
タグラブ)、スーツ型間接曲げ角度検出センサなどがあ
る。また、カメラで撮影した動作画像を認識することも
できる。図8は上記センサが検出した動作の状態をラベ
ル化し(同図(A))、ゲーム内での動作を上記ラベル
の時間遷移を学習させたHMM(同図(B))で判定す
る。例えば、パンチに対応するHMMは、手を握り
(l8),肘を伸ばしつつあり(l2),肘を伸ばしきった(l4)
という動作状態のラベル系列に対して高い確率を出力す
るように学習されている。
【0042】また、図5の装置を手話認識に用いること
も可能である。この場合においてもカメラやデータグラ
ブなどで指の形状や手の位置を検出し、これを図9
(A)のようにラベル化する。このラベル系列に基づい
て同図(B)に示すようなHMMにより表現される単語
を認識する。また、指の形状や手の位置に限定されず、
体全体の動作に基づいて動作を検出するようにしてもよ
い。
【0043】なお、動作認識の手法としてはHMM以外
に、ファジィ制御やニューラルネットワークが知られて
いるが、ファジィ制御は、検出/判別ルールを全て記述
する必要があるのに対してHMMはルールの記述が不要
で、学習によってルールを内蔵することができるためシ
ステム構築が容易である。また、ニューラルネットワー
クでは、ネットワークに学習させるために非常に複雑な
演算が必要であるが、HMMは単純な演算で学習を行わ
せることができ、学習が容易である。したがって、これ
らファジィ制御やニューラルネットワークよりも動作認
識に有効である。
【0044】また、HMMは、実際の動作の揺らぎをフ
ァジィ制御やニューラルネットワークよりも正確に反映
することができる。これは、出力確率がその状態が発生
する確率的な揺らぎに対応し、遷移確率が時間軸方向の
揺らぎに対応しているからである。また構造が簡略であ
るため、統計理論や情報理論等による理論的展開がし易
く、確率の概念を用いて上位階層レベルの認識に統合す
ることが容易である。
【0045】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、HMM
に特定の動作を学習させ、動作に基づくセンサ出力をラ
ベル化して該HMMのゆう度を算出するようにしたこと
により、動作の速度や動きのスペクトルまたはそれらの
揺らぎを吸収して正確な動作判定が可能になる。
【0046】また、動作判定結果に基づいてラベルを生
成し、これをHMMに与えるラベル系列に含めることに
より、過去の動作内容が次の動作内容の判定に影響を与
えることになり、連続した動作を判定する場合に高い精
度の動作判定が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】HMMの簡単な例を示す図
【図2】3拍子を指揮するときの指揮棒の軌跡を示す図
【図3】4拍子を指揮する場合の指揮棒の軌跡を示す図
【図4】2拍子を指揮する場合の指揮棒の軌跡を示す図
【図5】この発明の実施形態である指揮動作分析装置の
構成を示す図
【図6】同指揮動作分析装置の状態判定部の状態判定動
作を説明する図
【図7】同指揮動作分析装置のHMM記憶部に記憶され
るHMMを例示する図
【図8】本発明の動作分析装置をゲームに適用した場合
のラベルとHMMを示す図
【図9】本発明の動作分析装置を手話認識に適用した場
合のラベルとHMMを示す図
【符号の説明】
1…センサ、2…状態判定部、3…レジスタ、4…確率
計算部、5…HMM記憶部、6…拍判定部、7…自動演
奏装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動作を検出するセンサから出力された検
    出値を一定時間毎にラベル化してラベル系列に編集し、
    特定の動作に対応するラベル系列を学習させた隠れマル
    コフモデルが該ラベル系列を出力する確率を計算し、こ
    の計算結果に基づいて前記センサが検出した動作の内容
    を判定することを特徴とする動作判定方法。
  2. 【請求項2】 判定された動作の内容に基づいてラベル
    を生成し、これを前記ラベル系列に挿入することを特徴
    とする請求項1に記載の動作判定方法。
  3. 【請求項3】 動作を検出して検出値を出力するセンサ
    と、 該センサから入力される検出値を一定時間毎にラベル化
    する状態判定部と、 前記状態判定部から一定時間毎に出力されるラベルをラ
    ベル系列に編集するラベル系列生成部と、 特定の動作に対応するラベル系列を学習させた隠れマル
    コフモデルを記憶するHMM記憶部と、 前記ラベル系列生成部からラベル系列を入力し、前記H
    MM記憶部に記憶されている隠れマルコフモデルが該ラ
    ベル系列を出力する確率を計算する確率計算部と、 該確率計算部の計算結果に基づいて前記センサが検出し
    た動作の内容を判定する動作判定部と、 からなる動作判定装置。
  4. 【請求項4】 前記ラベル系列生成部は、前記動作判定
    部が判定した動作の内容に基づくラベルを前記ラベル系
    列に挿入する手段を含む請求項3に記載の動作判定装
    置。
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