JP2018073081A - 動作特定装置、動作特定方法及び動作特定プログラム - Google Patents

動作特定装置、動作特定方法及び動作特定プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2018073081A
JP2018073081A JP2016211434A JP2016211434A JP2018073081A JP 2018073081 A JP2018073081 A JP 2018073081A JP 2016211434 A JP2016211434 A JP 2016211434A JP 2016211434 A JP2016211434 A JP 2016211434A JP 2018073081 A JP2018073081 A JP 2018073081A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spectrum
input
probability
motion
learning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016211434A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6258442B1 (ja
Inventor
賢一 小池
Kenichi Koike
賢一 小池
泰興 飯田
Yasuoki Iida
泰興 飯田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Information Systems Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Information Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Information Systems Corp filed Critical Mitsubishi Electric Information Systems Corp
Priority to JP2016211434A priority Critical patent/JP6258442B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6258442B1 publication Critical patent/JP6258442B1/ja
Publication of JP2018073081A publication Critical patent/JP2018073081A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Image Analysis (AREA)

Abstract

【課題】動体の動作を適切に特定可能とすることを目的とする。【解決手段】入力スペクトル計算部23は、動体の動作を表す波形データを入力データとして、入力データのスペクトルである一次スペクトルを計算する。入力スペクトル計算部23は、計算された一次スペクトルのスペクトルである二次スペクトルを入力スペクトルとして計算する。そして、動作特定部24は、入力スペクトル計算部23によって計算された入力スペクトルから動体の動作の種別を特定する。【選択図】図1

Description

この発明は、移動体の動作を特定する技術に関する。
人等の動作を特定する技術として、機械学習を用いた方法がある(特許文献1参照)。最近では、人等の動作を特定する技術として、ディープラーニングを用いた方法も研究されている。
特開2005−202653号公報
ディープラーニングを用いた方法は、特定精度は高くなるものの、学習用に多くのデータが必要であること、学習に長い時間が必要であること、誤って動作が特定された際の解析が困難であることといった課題があった。
この発明は、動体の動作を適切に特定可能とすることを目的とする。
この発明に係る動作特定装置は、
動体の動作を表す波形データを入力データとして、前記入力データのスペクトルである一次スペクトルを計算し、計算された一次スペクトルのスペクトルである二次スペクトルを入力スペクトルとして計算する入力スペクトル計算部と、
前記入力スペクトル計算部によって計算された入力スペクトルから前記動体の動作の種別を特定する動作特定部と
を備える。
前記動作特定装置は、さらに、
複数の対象種別それぞれについて、その対象種別の動作を表す波形データを学習データとし、各学習データを対象として、対象の学習データのスペクトルである一次スペクトルを計算し、計算された一次スペクトルのスペクトルである二次スペクトルを学習スペクトルとして計算する学習スペクトル計算部と、
前記学習スペクトル計算部によって計算された各学習データについての学習スペクトルから、対象種別毎の二次スペクトルの発生確率を表す確率モデルを生成するモデル生成部と
を備え、
前記動作特定部は、前記モデル生成部によって生成された確率モデルに基づき、前記入力スペクトルから前記動体の動作の種別を特定する。
前記動作特定部は、前記確率モデルに基づき、前記複数の対象種別それぞれについて前記入力スペクトルが得られる確率を計算して、前記入力スペクトルが得られる確率が最も高い対象種別を、前記動体の動作の種別として特定する。
前記入力スペクトル計算部は、前記入力データから切り出された各波形データの入力スペクトルを計算し、
前記動作特定部は、前記複数の対象種別それぞれについて、前記各波形データの入力スペクトルが得られる確率を合算した合算確率を計算して、前記合算確率が最も高い対象種別を、前記動体の動作の種別として特定する。
前記動作特定部は、全ての対象種別について前記合算確率が基準確率より低い場合には、前記動体の動作の種別を前記対象種別とは異なる種別と特定する。
前記動作特定部は、全ての対象種別について前記合算確率が基準確率より低く、かつ、前記各波形データの入力スペクトルの分散が第1基準値よりも小さい場合には、前記動体の動作の種別を異常な動作の種別と特定し、全ての対象種別について前記合算確率が基準確率より低く、かつ、前記各波形データの入力スペクトルの分散が第2基準値よりも大きい場合には、前記動体の動作の種別を前記対象種別から他の対象種別へ移り変わる中間動作の種別と特定する。
前記学習スペクトル計算部は、複数の対象種別それぞれについて、複数の動体の波形データを学習データとして、各学習データについての学習スペクトルを計算し、
前記モデル生成部は、前記学習スペクトルから対象種別毎の二次スペクトルの発生確率を表す確率モデルを全体モデルとして生成するとともに、前記動作特定部によって前記全体モデルに基づき特定の動体の動作の種別が基準数以上特定されると、前記特定の動体についての前記入力スペクトルから前記特定の動体についての二次スペクトルの発生確率を表す確率モデルを個別モデルとして生成する。
前記動作特定部は、前記個別モデルが生成された場合には、前記特定の動体の前記特定の動作について前記入力スペクトルが得られる確率を、前記個別モデルに基づき計算する。
この発明に係る動作特定方法は、
コンピュータが、動体の動作を表す波形データを入力データとして、前記入力データのスペクトルである一次スペクトルを計算し、計算された一次スペクトルのスペクトルである二次スペクトルを入力スペクトルとして計算し、
コンピュータが、前記入力スペクトルから前記動体の動作の種別を特定する。
この発明に係る動作特定プログラムは、
動体の動作を表す波形データを入力データとして、前記入力データのスペクトルである一次スペクトルを計算し、計算された一次スペクトルのスペクトルである二次スペクトルを入力スペクトルとして計算する入力スペクトル計算処理と、
前記入力スペクトル計算処理によって計算された入力スペクトルから前記動体の動作の種別を特定する動作特定処理と
をコンピュータに実行させる。
この発明では、動作を表す波形データのスペクトルのスペクトルを用いて動作の種別を特定する。これにより、動体の動作を適切に特定可能になる。
実施の形態1に係る動作特定装置10の構成図。 実施の形態1に係る全体学習処理のフローチャート。 実施の形態1に係る波形データの切り出し方法の説明図。 実施の形態1に係るプリエンファシスフィルタの説明図。 実施の形態1に係るハミング窓フィルタの説明図。 実施の形態1に係る波形データのスペクトルの説明図。 実施の形態1に係る人が歩いている場合の波形データから計算された一次スペクトルの例を示す図。 実施の形態1に係る人が階段を下っている場合及び人がキーボードを打っている場合の波形データから計算された一次スペクトルの例を示す図。 実施の形態1に係る丸め処理の説明図。 実施の形態1に係る二次スペクトルの説明図。 実施の形態1に係る図7に示す一次スペクトルから計算された二次スペクトルを示す図。 実施の形態1に係る図8に示す一次スペクトルから計算された二次スペクトルを示す図。 実施の形態1に係るモデル生成処理の説明図。 実施の形態1に係るモデル生成処理の説明図。 実施の形態1に係る特定処理のフローチャート。 実施の形態1に係る合計確率計算処理の説明図。 変形例3に係る動作特定装置10の構成図。 実施の形態2に係る動作特定装置10の構成図。 実施の形態2に係る個別学習処理のフローチャート。 実施の形態3に係る異常な動作の種別を特定する処理の説明図。 実施の形態3に係る中間動作の種別を特定する処理の説明図。 実施の形態4に係る動作例の説明図。
実施の形態1.
***構成の説明***
図1を参照して、実施の形態1に係る動作特定装置10の構成を説明する。
動作特定装置10は、コンピュータである。
動作特定装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信インタフェース14とのハードウェアを備える。プロセッサ11は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
プロセッサ11は、プロセッシングを行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ11は、具体例としては、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
メモリ12は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ12は、具体例としては、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)である。
ストレージ13は、データを保管する記憶装置である。ストレージ13は、具体例としては、HDD(Hard Disk Drive)である。また、ストレージ13は、SD(Secure Digital)メモリカード、CF(CompactFlash)、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD(Digital Versatile Disk)といった可搬記憶媒体であってもよい。
通信インタフェース14は、外部の装置と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース14は、具体例としては、Ethernet(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標,High−Definition Multimedia Interface)のポートである。
動作特定装置10は、機能構成要素として、学習スペクトル計算部21と、モデル生成部22と、入力スペクトル計算部23と、動作特定部24とを備える。学習スペクトル計算部21と、モデル生成部22と、入力スペクトル計算部23と、動作特定部24との機能はソフトウェアにより実現される。
ストレージ13には、学習スペクトル計算部21と、モデル生成部22と、入力スペクトル計算部23と、動作特定部24との機能を実現するプログラムが記憶されている。このプログラムは、プロセッサ11によりメモリ12に読み込まれ、プロセッサ11によって実行される。これにより、学習スペクトル計算部21と、モデル生成部22と、入力スペクトル計算部23と、動作特定部24との機能が実現される。
また、ストレージ13は、全体モデル31を記憶する。全体モデル31は、動体の動作を特定するための確率モデルである。
図1では、プロセッサ11は、1つだけ示されている。しかし、動作特定装置10は、プロセッサ11を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、学習スペクトル計算部21と、モデル生成部22と、入力スペクトル計算部23と、動作特定部24との機能を実現するプログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、プロセッサ11と同じように、プロセッシングを行うICである。
動作特定装置10は、クラウドシステムとして構築することができる。
***動作の説明***
図2から図16を参照して、実施の形態1に係る動作特定装置10の動作を説明する。
実施の形態1に係る動作特定装置10の動作は、実施の形態1に係る動作特定方法に相当する。また、実施の形態1に係る動作特定装置10の動作は、実施の形態1に係る動作特定プログラムの処理に相当する。
実施の形態1に係る動作特定装置10の動作は、全体学習処理と、特定処理とに大別される。
図2から図14を参照して、実施の形態1に係る全体学習処理を説明する。
<全体学習処理の概要>
学習スペクトル計算部21は、複数の対象種別それぞれについて、その対象種別の動作を表す波形データを学習データとする。学習スペクトル計算部21は、各学習データを対象として、対象の学習データのスペクトルである一次スペクトルを計算し、計算された一次スペクトルのスペクトルである二次スペクトルを学習スペクトルとして計算する。そして、モデル生成部22は、学習スペクトル計算部21によって計算された各学習データについての学習スペクトルから、対象種別毎の二次スペクトルの発生確率を表す確率モデルを生成する。
<全体学習処理の詳細>
(ステップS101:学習データ受付処理)
学習スペクトル計算部21は、複数の学習データを受け付ける。複数の学習データは、複数の対象種別それぞれについて、その対象種別の動作を複数の動体それぞれが行った結果を表す波形データである。対象種別は、動体の対象とする動作の種別である。学習データは、一定時間(例えば、10秒)以上の時間の動体の動作を表すものとする。
実施の形態1では、動体は人である。そのため、対象種別は、歩く、走る、階段を上るといった人の動作の種別である。つまり、実施の形態1では、複数の学習データは、歩く、走る、階段を上るといった動作の種別それぞれについて、その種別の動作を複数の人それぞれが行った結果を表す波形データである。なお、動体は、人に限らず、犬、猫といった動物であってもよい。また、動体は、動物に限らず、車両、船といった乗り物であってもよいし、生産設備といった機械であってもよい。
実施の形態1では、学習データは、加速度を示すデータであるとする。そのため、実施の形態1では、学習データは、人が加速度センサを備えたウェアラブル端末を装着した状態で、対象種別の動作を行って計測された加速度を示す波形データである。なお、学習データは、加速度を示すデータに限らず、動体の移動量を示すデータであってもよい。
続いて、ステップS101で受け付けられた各学習データについて、ステップS102からステップS111の処理が実行される。
ステップS102からステップS107の処理を学習スペクトル計算処理と呼ぶ。学習スペクトル計算処理では、学習データから学習スペクトルが計算される。
(ステップS102:データ切り出し処理)
学習スペクトル計算部21は、対象とする学習データから、時系列に基準時間分ずつ波形データを切り出す。基準時間は、後述する処理においてスペクトルを計算することが可能な時間以上の時間である。スペクトルを計算するためには、波形が確認できる長さのデータが必要になる。実施の形態1では、基準時間は、4秒とする。
具体的には、図3に示すように、学習スペクトル計算部21は、学習データの先頭から、一定時間(ここでは、1秒)ずつずらしながら、基準時間分の波形データを順に切り出す。つまり、10秒分の学習データから7個の波形データが切り出される。これにより、少ない量の学習データを有効に利用することができる。
続いて、ステップS102で切り出された各波形データについて、ステップS103からステップS111の処理が実行される。
(ステップS103:プリエンファシスフィルタ計算処理)
学習スペクトル計算部21は、対象の波形データをプリエンファシスフィルタに入力して、波形データを補正する。図4に示すように、プリエンファシスフィルタでは、波形データの平均値が0になるように補正されるとともに、波形データの高い周波数成分が強調されるように補正される。
なお、重力により常に下向きの力が加わるため、加速度を表す波形データの平均値は0にならないが、プリエンファシスフィルタを通すことにより、平均値が0になる。
(ステップS104:ハミング窓フィルタ計算処理)
学習スペクトル計算部21は、ステップS103で補正された波形データをハミング窓フィルタに入力して、波形データを補正する。図5に示すように、ハミング窓フィルタでは、波形データの両端の値が概ね0になるように滑らかに補正される。
後述する処理においてスペクトルを計算する際、波形データの両端の値が一致していないと、正しいスペクトルが得られない。ハミング窓フィルタを通すことにより、波形データの両端の値が概ね0になり、一致する。
(ステップS105:一次スペクトル計算処理)
学習スペクトル計算部21は、ステップS104で補正された波形データを離散フーリエ変換して、波形データのスペクトルである一次スペクトルを計算する。実施の形態1では、学習スペクトル計算部21は、38次元の一次スペクトルを計算する。なお、一次スペクトルの次元数はこれに限らず、他の次元でもよい。但し、ある程度適切に周波数成分が現れる程度の次元数にする必要がある。
図6の(A)(B)に示すように、波形データのスペクトルを計算すると、波形データの周波数が得られる。つまり、図6の(A)では、波形データは1秒間に10回振幅しているため、スペクトルでは10Hzにピークがくる。同様に、図6の(B)では、波形データは1秒間に3回振幅しているため、スペクトルでは3Hzにピークがくる。また、図6の(C)に示すように、図6の(A)(B)の波形データを合成した波形データのスペクトルを計算すると、10Hzと3Hzとにピークがくる。つまり、合成された波形は、スペクトルを計算することにより周波数成分に分解される。
具体例としては、図7に示すように、人が歩いている場合の波形データから一次スペクトルを計算すると、2Hzと8Hzにピークがくる。2Hzのピークは、1秒間に2歩移動した、つまり左右の足を動かしたことを表していると推測される。また、8Hzのピークは、骨格の揺れ等を表していると推測される。また、人が階段を下っている場合の一次スペクトルは、図8の(A)に示すようになり、歩いている場合よりも振動のリズムに幅がある。また、人がキーボードを打っている場合の一次スペクトルは、図8の(B)に示すようになり、短い周期の振動が多くなる。
(ステップS106:丸め処理)
学習スペクトル計算部21は、ステップS105で計算された一次スペクトルを丸めて次元数を落とす。実施の形態1では、学習スペクトル計算部21は、38次元の一次スペクトルを12次元に丸める。
具体的には、図9に示すように、学習スペクトル計算部21は、38次元の一次スペクトルの両端の値を除外して36次元にする。学習スペクトル計算部21は、36次元の一次スペクトルについて、先頭から3点毎にグループ分けする。そして、学習スペクトル計算部21は、各グループについて3点の値の和を計算し、計算された値の対数(log10)を計算する。これにより、12次元に丸められた一次スペクトルが計算される。
12次元に丸めることにより、動作の種別に応じたスペクトルの特徴が抽出される。
(ステップS107:二次スペクトル計算処理)
学習スペクトル計算部21は、ステップS106で丸められた一次スペクトルを離散コサイン変換して、一次スペクトルのスペクトルである二次スペクトルを学習スペクトルとして計算する。
図10の(A)(B)に示すように、波形データのスペクトルを計算すると、一次スペクトルの周波数が得られる。図10の(A)では、9Hzにピークがきて、図10の(B)では、5Hzにピークがきている。また、図10の(C)に示すように、図10の(A)(B)の波形データを合成した波形データのスペクトルを計算すると、9Hzと5Hzとにピークがくる。つまり、合成された波形は、スペクトルを計算することにより周波数成分に分解される。
具体例としては、図7の(B)に示す一次スペクトルのスペクトルを計算すると、図11の(A)のようになる。図7の(B)に示す一次スペクトルは、最初と最後とが3目盛以上の値になっているため、周波数の低い大きな波の一部を構成しているとみなされる。その結果、図11の(A)に示すように、最初の値が最大となる。このままでは、他の値の変化が分かりづらいので、最初の値を除いた残りの部分を拡大すると図11の(B)のようになる。同様に、図8の(A)に示す一次スペクトルのスペクトルを計算し、最初の値を除いた部分を拡大すると、図12の(A)のようになり、図8の(B)に示す一次スペクトルのスペクトルを計算し、最初の値を除いた部分を拡大すると、図12の(B)のようになる。
一次スペクトルのままでは、人によってグラフが左右にずれる。具体的には、図7の例では、1秒間に2歩移動するため、2Hzにピークがきていた。しかし、人によっては1秒間に3歩移動するかもしれないし、1秒間に1.5歩移動するかもしれない。これに伴い、骨格の揺れの回数も変わる。そのため、同じ歩くという動作の場合、波形は同じような形状でも、人によってグラフが左右にずれてしまう。一次スペクトルのスペクトルを計算すると、この左右のずれが吸収され、左右にずれたグラフが同じものとなる。
続いて、ステップS108からステップS111の処理が実行される。ステップS108からステップS111の処理を、モデル生成処理と呼ぶ。モデル生成処理では、対象種別毎の二次スペクトルの発生確率を表す確率モデルが生成される。実施の形態1では、隠れマルコフモデルにより、確率モデルが生成される。
隠れマルコフモデルは、複数の状態の間の遷移確率と、各状態における確率分布とで表される。ここでは、各状態は、各対象種別が表す動作を分類したそれぞれの状態になる。具体例としては、歩くという動作は、歩き始めの加速時の動作と、一定速度で歩いている動作と等に分類される。この加速時の動作と、一定速度で歩いている動作とが、歩くという動作における状態である。そして、ここでは、二次スペクトルの波形は、同じ動作であっても人によって少しずつ異なるため、各状態における確率分布を、離散的な確率分布ではなく正規分布により表す。
隠れマルコフモデルにより確率モデルを生成する方法には、Baum−Welchアルゴリズムがある。しかし、Baum−Welchアルゴリズムは、原則として、各状態における確率分布が離散的な確率分布である場合に適用される。そこで、ここでは、モデル生成部22は、非特許文献1:http://www.seas.ucla.edu/spapl/weichu/htkbook/に記載された、各状態の確率分布が正規分布により表された場合に対してBaum−Welchアルゴリズムを応用した方法により、確率モデルを生成する。この方法は、既知のものであるため、詳細な説明は省略し、概要のみ説明する。
(ステップS108:発生確率計算処理)
モデル生成部22は、ストレージ13から全体モデル31を読み出して、全体モデル31に基づき、ステップS107で計算された学習スペクトルが発生する発生確率を計算する。具体的には、モデル生成部22は、各状態について、その状態における正規分布を用いて、学習スペクトルが発生する発生確率を計算する。
なお、ストレージ13には、正規分布の平均及び分散を固定値に、状態間の遷移確率は同じ確率に初期化された全体モデル31が事前に記憶されているものとする。初めて全体学習処理が実行される場合には、この初期化された全体モデル31が読み出される。
(ステップS109:遷移確率更新処理)
モデル生成部22は、ステップS108で計算された発生確率に基づき、全体モデル31における状態間の遷移確率を更新する。
例えば、2つの状態X,Yがある場合に、状態Xについての発生確率が状態Yについての発生確率よりも非常に高い場合には、状態Xから状態Xへの遷移確率が高くなり、状態Xから状態Yへの遷移確率が低くなる。また、状態Yから状態Xへの遷移確率が高くなり、状態Yから状態Yへの遷移確率が低くなる。
(ステップS110:正規分布更新処理)
モデル生成部22は、ステップS109で更新された遷移確率に基づき、各状態における正規分布を更新する。つまり、モデル生成部22は、更新された遷移確率で各状態に遷移したとして、各状態における正規分布を学習スペクトルを考慮して更新する。
具体例としては、図13に示すように、学習スペクトルが新たにプロットされる。図13では、図示を容易にするため、12次元ある学習スペクトルのうち、先頭の2次元だけを表した2次元グラフを示している。実際には、12次元グラフ上に学習スペクトルがプロットされる。図13では、×印が過去の学習スペクトルを表しており、星印が新たにプロットされた学習スペクトルを表している。そして、図13では、状態1と状態2との2つの状態があり、黒点がそれぞれの状態についての正規分布の平均を表し、黒点を中心とする楕円がそれぞれの状態についての分散を表している。
図14に示すように、12次元グラフ上に学習スペクトルがプロットされ、各次元の一方の正規分布が状態1に対応し、他方の正規分布が状態2に対応している。図14では、図示を容易にするため、12次元ある学習スペクトルを2次元ずつ分けて6個の2次元グラフにより表している。
ステップS108では、新たにプロットされた点の位置から、各状態における学習スペクトルが発生する発生確率が計算される。ステップS109では、計算された発生確率から、遷移確率が更新される。そして、ステップS110では、更新された遷移確率と、プロットされた点の位置、点の出現順とから、各状態における正規分布の平均及び分散が更新される。
(ステップS111:終了判定処理)
モデル生成部22は、ステップS109からステップS110で更新された確率モデルに基づき、ステップS107で計算された学習スペクトルが発生する発生確率を各状態について計算する。モデル生成部22は、各状態について計算された発生確率の合計と、ステップS108で各状態について計算された発生確率の合計との差が基準値以下であれば、対象の波形データについての処理を終了する。一方、差が基準値よりも大きい場合には、処理をステップS109に戻して、確率モデルを更新する。処理をステップS109に戻した場合、ステップS109では、ステップS111で計算された発生確率に基づき、状態間の遷移確率を更新する。
なお基準値とは、動作特定装置10の操作者が計算された発生確率の合計と前回の発生確率の合計との差異がそれ以上の向上が見込めない数値として、予め定める数値であり、モデル生成部22が用いるように設定される数値である。例えば、0.001と定める。
図15から図16を参照して、実施の形態1に係る特定処理を説明する。
<特定処理の概要>
入力スペクトル計算部23は、動体の動作を表す波形データを入力データとして、入力データのスペクトルである一次スペクトルを計算し、計算された一次スペクトルのスペクトルである二次スペクトルを入力スペクトルとして計算する。動作特定部24は、モデル生成部22によって生成された確率モデルである全体モデル31に基づき、入力スペクトル計算部23によって計算された入力スペクトルから動体の動作の種別を特定する。
<特定処理の詳細>
(ステップS201:入力データ受付処理)
入力スペクトル計算部23は、入力データを受け付ける。入力データは、動作の種別を特定する対象の動体の動作を表す波形データである。入力データは、一定時間(例えば、5.5秒)以上の時間の動作を表すものとする。
実施の形態1では、入力データは、学習データと同じ、加速度を示すデータであるとする。そのため、実施の形態1では、入力データは、対象の動体である人が加速度センサを備えたウェアラブル端末を装着した状態で計測された加速度を示す波形データである。なお、学習データが加速度を示すデータではなく、他の種別のデータである場合、入力データも学習データと同じ他の種別のデータであることが、動作の種別を特定する上で望ましい。
ステップS202からステップS207の処理を入力スペクトル計算処理と呼ぶ。入力スペクトル計算処理では、入力データから入力スペクトルが計算される。
(ステップS202:データ切り出し処理)
入力スペクトル計算部23は、ステップS201で受け付けられた入力データから、時系列に基準時間分ずつ波形データを切り出す。基準時間は、後述する処理においてスペクトルを計算することが可能な時間以上の時間である。スペクトルを計算するためには、波形が確認できる長さのデータが必要になる。実施の形態1では、基準時間は、4秒とする。
具体的には、入力スペクトル計算部23は、入力データの先頭から、1フレームずつずらしながら、基準時間分の波形データを順に切り出す。
続いて、ステップS202で切り出された各波形データについて、ステップS203からステップS208の処理が実行される。
ステップS203からステップS207の処理は、図2のステップS103からステップS107の処理と同様である。そこで、ステップS203からステップS207の処理については、簡単に説明する。
ステップS203では、入力スペクトル計算部23は、対象の波形データをプリエンファシスフィルタに入力して、波形データを補正する。ステップS204では、入力スペクトル計算部23は、ステップS203で補正された波形データをハミング窓フィルタに入力して、波形データを補正する。ステップS205では、入力スペクトル計算部23は、ステップS204で補正された波形データを離散フーリエ変換して、波形データのスペクトルである38次元の一次スペクトルを計算する。ステップS206では、入力スペクトル計算部23は、ステップS205で計算された一次スペクトルを丸めて次元数を12次元に落とす。ステップS207では、入力スペクトル計算部23は、ステップS206で丸められた一次スペクトルを離散コサイン変換して、一次スペクトルのスペクトルである二次スペクトルを入力スペクトルとして計算する。
(ステップS208:発生確率計算処理)
動作特定部24は、ストレージ13から全体モデル31を読み出して、全体モデル31に基づき、複数の対象種別それぞれについてステップS207で計算された入力スペクトルが得られる確率を計算する。
具体的には、動作特定部24は、複数の対象種別それぞれの各状態について、その状態における正規分布を用いて、入力スペクトルが発生する発生確率を計算する。
(ステップS209:合計確率計算処理)
動作特定部24は、複数の対象種別それぞれについて、各波形データについてステップS208で計算された発生確率と、状態間の遷移確率とから、合計確率を計算する。
具体例としては、図16に示すように、ある対象種別について状態1と状態2との2つの状態があり、状態1から状態1への遷移確率が0.9、状態1から状態2への遷移確率が0.1、状態2から状態1への遷移確率が0.9、状態2から状態2への遷移確率が0.1であったとする。また、ステップS202で3つの波形データが切り出され、1つ目の波形データについての入力スペクトルの発生確率は、状態1が0.2で状態2が0.4、2つ目の波形データについての入力スペクトルの発生確率は、状態1が0.3で状態2が0.3、3つ目の波形データについての入力スペクトルの発生確率は、状態1が0.4で状態2が0.3であったとする。
この場合、1つ目の波形データが状態1、2つ目の波形データが状態1、3つ目の波形データが状態1であった確率は、0.2×0.9×0.3×0.9×0.4=0.01944となる。また、1つ目の波形データが状態1、2つ目の波形データが状態1、3つ目の波形データが状態2であった確率は、0.2×0.9×0.3×0.1×0.3=0.00162となる。このように、動作特定部24は、全ての遷移パターンについての確率を計算する。そして、動作特定部24は、計算された確率を合計して合計確率を計算する。
(ステップS210:動作決定処理)
動作特定部24は、ステップS209で計算された合計確率が最も高い対象種別を、動体の動作の種別として特定する。
***実施の形態1の効果***
以上のように、実施の形態1に係る動作特定装置10は、動作を表す波形データのスペクトルのスペクトル、つまり二次スペクトルを用いて動作の種別を特定する。動作を表す波形データのスペクトルのスペクトルは、適切に動体の動作を表す場合が多い。そのため、少ない学習量で適切に動体の動作を特定することが可能である。
特に、二次スペクトルは、同じ動作の種別における人(例えば体型、体格、年齢、性別による差異)によるグラフの差異を吸収している。そのため、動作を表す波形データのスペクトルのスペクトルを用いることにより、精度よく人の動作の種別を特定することが可能である。また人に限らず、動物、動体等の大きさ、性格、性能等による差異を吸収することができる。
また、実施の形態1に係る動作特定装置10は、隠れマルコフモデルを用いて確率モデルである全体モデル31を生成する。これにより、ディープラーニングを用いる従来の方法等と比べ、少ない学習量とすることができる。
また、ディープラーニングを用いる従来の方法と異なり、実施の形態1に係る動作特定装置10は、動作の種別を誤って特定した場合に、一次スペクトル及び二次スペクトルを解析することにより原因の特定が可能である。そのため、特定された原因に応じた対処をすることにより、動作の種別の特定精度をさらに高くすることが可能である。
動作特定装置10をクラウドシステムとして構築する場合、学習データを収集しやすくなる。また学習データが多く収集できることにより、学習スペクトルの精度向上が見込まれる。また学習データが多く収集できることにより、データベースの拡張が必要になった場合にもクラウトシステムであれば、容易に実現することができる。
***他の構成***
<変形例1>
実施の形態1では、学習データ及び入力データを、加速度を示すデータであるとした。しかし、学習データ及び入力データは、動体の移動量を示すデータであってもよい。具体例としては、学習データ及び入力データは、動画データにおける動体の移動量が抽出されたデータであってもよい。例えば、学習データ及び入力データは、動画データに含まれるある動体の部位の移動を表した波形データであってもよい。また、学習データ及び入力データは、位置情報に基づき特定された動体の移動を表した波形データであってもよい。
入力データが動画データにおける動体の移動量が抽出されたデータの場合、カメラで撮影された動画データ中の動体の動作の種別を特定するといったことが可能である。
<変形例2>
実施の形態1では、隠れマルコフモデルに基づき全体モデル31が生成された。しかし、隠れマルコフモデルでなく、ベイズの定理等に基づく他のモデルに基づき全体モデル31が生成されてもよい。
<変形例3>
実施の形態1では、動作特定装置10の各機能構成要素の機能がソフトウェアで実現された。しかし、変形例3として、動作特定装置10の各機能構成要素の機能はハードウェアで実現されてもよい。この変形例3について、実施の形態1と異なる点を説明する。
図17を参照して、変形例3に係る動作特定装置10の構成を説明する。
各機能構成要素の機能がハードウェアで実現される場合、動作特定装置10は、プロセッサ11とメモリ12とストレージ13とに代えて、処理回路15を備える。処理回路15は、動作特定装置10の学習スペクトル計算部21と、モデル生成部22と、入力スペクトル計算部23と、動作特定部24との機能とメモリ12とストレージ13との機能とを実現する専用の電子回路である。
処理回路15は、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA(Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)が想定される。
学習スペクトル計算部21と、モデル生成部22と、入力スペクトル計算部23と、動作特定部24との機能を1つの処理回路15で実現してもよいし、学習スペクトル計算部21と、モデル生成部22と、入力スペクトル計算部23と、動作特定部24との機能を複数の処理回路15に分散させて実現してもよい。
<変形例4>
変形例4として、一部の機能がハードウェアで実現され、他の機能がソフトウェアで実現されてもよい。つまり、動作特定装置10の各機能構成要素のうち、一部の機能がハードウェアで実現され、他の機能がソフトウェアで実現されてもよい。
プロセッサ11とメモリ12とストレージ13と処理回路15とを、総称して「プロセッシングサーキットリー」という。つまり、学習スペクトル計算部21と、モデル生成部22と、入力スペクトル計算部23と、動作特定部24との機能は、プロセッシングサーキットリーにより実現される。
実施の形態2.
実施の形態2は、動体毎に個別モデル32を生成し、個別モデル32に基づき動作を特定する点が実施の形態1と異なる。実施の形態2では、この異なる点を説明する。
***構成の説明***
図18を参照して、実施の形態2に係る動作特定装置10の構成を説明する。
動作特定装置10は、ストレージ13に動体毎に個別モデル32が記憶されている点が図1に示す動作特定装置10と異なる。個別モデル32は、対象の動体の動作を特定するための確率モデルである。
***動作の説明***
図19を参照して、実施の形態2に係る動作特定装置10の動作を説明する。
実施の形態2に係る動作特定装置10の動作は、実施の形態2に係る動作特定方法に相当する。また、実施の形態2に係る動作特定装置10の動作は、実施の形態2に係る動作特定プログラムの処理に相当する。
実施の形態2に係る動作特定装置10の動作は、全体学習処理と、特定処理とに加え、個別学習処理を含む。
図19を参照して、実施の形態2に係る個別学習処理を説明する。
<個別学習処理の概要>
モデル生成部22は、動作特定部24によって個別モデル32に基づき特定の動体の特定の動作の種別が特定されると、特定の動体についての入力スペクトルから特定の動体の特定の動作の種別について、二次スペクトルの発生確率を表す確率モデルを個別モデルとして生成する。
<個別学習処理の詳細>
個別学習処理は、図15のステップS210で動体の動作の種別が特定されると実行される。ここでは、動体Xについて、動作の種別Yであると特定されたとして説明する。
ステップS202で切り出された各波形データについて、ステップS301からステップS303の処理が実行される。
(ステップS301:遷移確率更新処理)
モデル生成部22は、動体Xについての個別モデル32におけるステップS210で特定された動作の種別Yについての個別モデル32をストレージ13から読み出す。モデル生成部22は、ステップS208で計算された発生確率に基づき、読み出された個別モデル32における状態間の遷移確率を更新する。遷移確率を更新する方法は、ステップS109と同じである。
なお、モデル生成部22は、ストレージ13に対象の個別モデル32が存在しない場合には、図2に示す全体学習処理と同様の処理にて、個別モデル32を生成し、ストレージ13に書き込む。
(ステップS302:正規分布更新処理)
モデル生成部22は、ステップS301で更新された遷移確率に基づき、各状態における正規分布を更新する。正規分布の更新方法は、ステップS110と同じである。
(ステップS303:終了判定処理)
モデル生成部22は、ステップS301からステップS302で更新された確率モデルに基づき、ステップS107で計算された学習スペクトルが発生する発生確率を各状態について計算する。モデル生成部22は、各状態について計算された発生確率の合計と、ステップS108で各状態について計算された発生確率の合計との差が基準値以下であれば、対象の波形データについての処理を終了する。
図19に示した個別学習処理は、動体Xについて動作の種別Yと特定された数が1つでもあれば開始するように構成してもよい。また動体Xについて動作の種別Yと特定された数が一定以上収集されたときに、開始するように構成してもよい。一定以上収集されたときに開始するように構成すると、より精度が高い個別モデル32が最初に生成される可能性が高くなる。つまり、ある動体について特定の動作の種別が基準数(1以上の整数)以上特定された場合に、個別学習処理を開始して、個別モデルを生成すればよい。
特定処理では、図15のステップS208からステップS209の処理において、対象の動体についての個別モデル32がストレージ13に存在する場合には、全体モデル31に代えて対象の動体についての個別モデル32を用いる。
但し、ある程度個別モデル32についての学習が済むまでは全体モデル31を用いてもよい。具体例としては、ステップS210で対象の動体に対して閾値回数以上、動作の種別が特定されるまでは全体モデル31を用いてもよい。
***実施の形態2の効果***
以上のように、実施の形態2に係る動作特定装置10は、全体モデル31を用いて特定された動作の種別と、動作の種別を特定する際に用いられた入力データとを用いて、対象の動体についての個別モデル32を生成する。個別モデル32は、動体毎の確率モデルであるため、対象の動体の動作がより適切に表されている。そのため、適切に動体の動作を特定することができる。
実施の形態3.
実施の形態3は、対象種別にない動作を特定する点が実施の形態1,2と異なる。実施の形態3では、この異なる点を説明する。
***動作の説明***
図15と、図20から図21を参照して、実施の形態3に係る動作特定装置10の動作を説明する。
実施の形態3に係る動作特定装置10の動作は、実施の形態3に係る動作特定方法に相当する。また、実施の形態3に係る動作特定装置10の動作は、実施の形態3に係る動作特定プログラムの処理に相当する。
図15のステップS210では、動作特定部24は、ステップS209で計算された少なくともいずれかの対象種別についての合計確率を所定の回数計算し、その算出された合計確率を乗じた確率が基準確率以上の場合には、合計確率が最も高い対象種別を、動体の動作の種別として特定する。一方、動作特定部24は、ステップS209で計算された全ての対象種別についての合計確率が基準確率よりも低い場合には、動体の動作の種別を対象種別とは異なる種別と特定する。全ての対象種別についての合計確率が基準確率よりも低い場合、いずれの対象種別の動作でもない可能性が高いためである。
なお基準確率とは、動作特定装置10の操作者が予め定める数値であり、所定の回数とは、例えば30回である。
また、図20に示すように、動作特定部24は、全ての対象種別についての合計確率が基準確率よりも低く、かつ、各波形データの入力スペクトルの分散が予め定められた第1基準値よりも小さい場合には、動体の動作の種別を異常な動作の種別と特定する。図20では、星印が各波形データの入力スペクトルを表している。
異常な動作とは、対象種別として定義されていない別の動作、あるいは、対象種別として定義された動作をしているにも関わらず、動作が通常と異なっている状態である。具体例としては、工事現場の作業員の動作の種別を特定している場合であれば、異常な動作とは、工事現場の作業以外の動作と、怪我をしている、あるいは、工具が壊れたといった環境変化に対応した状態における工事現場の作業の動作と、漫然作業と等である。
また、図21に示すように、動作特定部24は、全ての対象種別についての合計確率が基準確率よりも低く、かつ、各波形データの入力スペクトルの分散が予め定められた第2基準値よりも大きい場合には、動体の動作の種別を対象種別から他の対象種別へ移り変わる中間動作の種別と特定する。つまり、この場合には、動作特定部24は、動作間のノイズであると判定する。図21では、図20と同様に、星印が各波形データの入力スペクトルを表している。
***実施の形態3の効果***
以上のように、実施の形態3に係る動作特定装置10は、全ての対象種別についての合計確率が基準確率よりも低い場合には、動体の動作の種別を対象種別とは異なる種別と特定する。つまり、いずれの対象種別の動作でもない可能性が高い場合には、いずれの対象種別の動作でもないと特定する。これにより、誤って特定された動作の種別を用いて、誤った判断がされるといった可能性を低くすることが可能である。
実施の形態4.
実施の形態4は、実施の形態1〜3で説明した方法を、他の方法と組み合わせて動体の動作の種別、あるいは、対象の種類等を特定する点が実施の形態1〜3と異なる。実施の形態4では、この異なる点を説明する。
実施の形態1〜3で説明した動体の動作の種別を特定する方法と、ディープラーニングを用いて動体の動作の種別を特定する方法とを組み合わせて、動体の動作の種別を特定する。
具体例としては、図22に示すように、動画データを入力としてディープラーニングを行い、動体の動作の種別を特定する。また、動画データに含まれるある動体の部位の移動を表した波形データを入力として、実施の形態1〜3で説明した動体の動作の種別を特定する方法により、動体の動作の種別を特定する。そして、2つの方法による特定結果を統合して、最終的に動作の種別を特定する。具体例としては、確度の高い方の特定結果が採用されてもよい。
また、入力データの二次スペクトルをディープラーニングの入力の1つとして用いてもよい。これにより、ディープラーニングの特定精度を高めることが可能になる。
また、動画データを入力としてディープラーニングを行い対象の種類を特定する際、実施の形態1〜3で説明した方法により特定された動体の動作の種別を考慮するようにしてもよい。例えば、ディープラーニングといった方法では、杖を特定することが難しい場合がある。この場合に、実施の形態1〜3で説明した方法により杖を使った歩行であるといった動作の種別を特定することで、対象が杖であるということを正確に特定できるようになる可能性がある。
***実施の形態4の効果***
以上のように、実施の形態4に係る動作特定装置10は、実施の形態1〜3で説明した方法を、ディープラーニングといった他の方法と組み合わせて、動作の種別等を特定する。これにより、適切に動作を特定することが可能である。
以上、この発明の実施の形態及び変形例について説明した。これらの実施の形態及び変形例のうち、いくつかを組み合わせて実施してもよい。また、いずれか1つ又はいくつかを部分的に実施してもよい。なお、この発明は、以上の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
10 動作特定装置、11 プロセッサ、12 メモリ、13 ストレージ、14 通信インタフェース、21 学習スペクトル計算部、22 モデル生成部、23 入力スペクトル計算部、24 動作特定部、31 全体モデル、32 個別モデル。

Claims (10)

  1. 動体の動作を表す波形データを入力データとして、前記入力データのスペクトルである一次スペクトルを計算し、計算された一次スペクトルのスペクトルである二次スペクトルを入力スペクトルとして計算する入力スペクトル計算部と、
    前記入力スペクトル計算部によって計算された入力スペクトルから前記動体の動作の種別を特定する動作特定部と
    を備える動作特定装置。
  2. 前記動作特定装置は、さらに、
    複数の対象種別それぞれについて、その対象種別の動作を表す波形データを学習データとし、各学習データを対象として、対象の学習データのスペクトルである一次スペクトルを計算し、計算された一次スペクトルのスペクトルである二次スペクトルを学習スペクトルとして計算する学習スペクトル計算部と、
    前記学習スペクトル計算部によって計算された各学習データについての学習スペクトルから、対象種別毎の二次スペクトルの発生確率を表す確率モデルを生成するモデル生成部と
    を備え、
    前記動作特定部は、前記モデル生成部によって生成された確率モデルに基づき、前記入力スペクトルから前記動体の動作の種別を特定する
    請求項1に記載の動作特定装置。
  3. 前記動作特定部は、前記確率モデルに基づき、前記複数の対象種別それぞれについて前記入力スペクトルが得られる確率を計算して、前記入力スペクトルが得られる確率が最も高い対象種別を、前記動体の動作の種別として特定する
    請求項2に記載の動作特定装置。
  4. 前記入力スペクトル計算部は、前記入力データから切り出された各波形データの入力スペクトルを計算し、
    前記動作特定部は、前記複数の対象種別それぞれについて、前記各波形データの入力スペクトルが得られる確率を合算した合算確率を計算して、前記合算確率が最も高い対象種別を、前記動体の動作の種別として特定する
    請求項3に記載の動作特定装置。
  5. 前記動作特定部は、全ての対象種別について前記合算確率が基準確率より低い場合には、前記動体の動作の種別を前記対象種別とは異なる種別と特定する
    請求項4に記載の動作特定装置。
  6. 前記動作特定部は、全ての対象種別について前記合算確率が基準確率より低く、かつ、前記各波形データの入力スペクトルの分散が第1基準値よりも小さい場合には、前記動体の動作の種別を異常な動作の種別と特定し、全ての対象種別について前記合算確率が基準確率より低く、かつ、前記各波形データの入力スペクトルの分散が第2基準値よりも大きい場合には、前記動体の動作の種別を前記対象種別から他の対象種別へ移り変わる中間動作の種別と特定する
    請求項5に記載の動作特定装置。
  7. 前記学習スペクトル計算部は、複数の対象種別それぞれについて、複数の動体の波形データを学習データとして、各学習データについての学習スペクトルを計算し、
    前記モデル生成部は、前記学習スペクトルから対象種別毎の二次スペクトルの発生確率を表す確率モデルを全体モデルとして生成するとともに、前記動作特定部によって前記全体モデルに基づき特定の動体の動作の種別が基準数以上特定されると、前記特定の動体についての前記入力スペクトルから前記特定の動体についての二次スペクトルの発生確率を表す確率モデルを個別モデルとして生成する
    請求項2から6までのいずれか1項に記載の動作特定装置。
  8. 前記動作特定部は、前記個別モデルが生成された場合には、前記特定の動体の前記特定の動作について前記入力スペクトルが得られる確率を、前記個別モデルに基づき計算する
    請求項7に記載の動作特定装置。
  9. コンピュータが、動体の動作を表す波形データを入力データとして、前記入力データのスペクトルである一次スペクトルを計算し、計算された一次スペクトルのスペクトルである二次スペクトルを入力スペクトルとして計算し、
    コンピュータが、前記入力スペクトルから前記動体の動作の種別を特定する動作特定方法。
  10. 動体の動作を表す波形データを入力データとして、前記入力データのスペクトルである一次スペクトルを計算し、計算された一次スペクトルのスペクトルである二次スペクトルを入力スペクトルとして計算する入力スペクトル計算処理と、
    前記入力スペクトル計算処理によって計算された入力スペクトルから前記動体の動作の種別を特定する動作特定処理と
    をコンピュータに実行させる動作特定プログラム。
JP2016211434A 2016-10-28 2016-10-28 動作特定装置、動作特定方法及び動作特定プログラム Active JP6258442B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016211434A JP6258442B1 (ja) 2016-10-28 2016-10-28 動作特定装置、動作特定方法及び動作特定プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016211434A JP6258442B1 (ja) 2016-10-28 2016-10-28 動作特定装置、動作特定方法及び動作特定プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6258442B1 JP6258442B1 (ja) 2018-01-10
JP2018073081A true JP2018073081A (ja) 2018-05-10

Family

ID=60940233

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016211434A Active JP6258442B1 (ja) 2016-10-28 2016-10-28 動作特定装置、動作特定方法及び動作特定プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6258442B1 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09185716A (ja) * 1995-11-02 1997-07-15 Yamaha Corp 動作判定方法および動作判定装置
JP2005202653A (ja) * 2004-01-15 2005-07-28 Canon Inc 動作認識装置及び方法、動物体認識装置及び方法、機器制御装置及び方法、並びにプログラム
JP2006268639A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Yamaguchi Univ 対象物の動作を認識する方法、対象物の動作の認識装置、動作の認識による入力装置及び対象物の動作の認識のためのプログラムを記録した記録媒体
JP2008287340A (ja) * 2007-05-15 2008-11-27 Tokai Univ 発話内容識別装置及び個人識別装置
JP2011176535A (ja) * 2010-02-24 2011-09-08 Yamaha Corp 信号処理装置
JP2013232208A (ja) * 2007-08-20 2013-11-14 Qualcomm Inc 高度な語彙外単語の拒否のための方法、デバイス、コンピュータ可読記録媒体、および装置
WO2014147785A1 (ja) * 2013-03-21 2014-09-25 富士通株式会社 動作検知装置,動作検知方法,プログラム及び記録媒体
JP2016039999A (ja) * 2011-03-31 2016-03-24 クアルコム,インコーポレイテッド 携帯デバイスの位置を推論するデバイス、方法、および装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09185716A (ja) * 1995-11-02 1997-07-15 Yamaha Corp 動作判定方法および動作判定装置
JP2005202653A (ja) * 2004-01-15 2005-07-28 Canon Inc 動作認識装置及び方法、動物体認識装置及び方法、機器制御装置及び方法、並びにプログラム
JP2006268639A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Yamaguchi Univ 対象物の動作を認識する方法、対象物の動作の認識装置、動作の認識による入力装置及び対象物の動作の認識のためのプログラムを記録した記録媒体
JP2008287340A (ja) * 2007-05-15 2008-11-27 Tokai Univ 発話内容識別装置及び個人識別装置
JP2013232208A (ja) * 2007-08-20 2013-11-14 Qualcomm Inc 高度な語彙外単語の拒否のための方法、デバイス、コンピュータ可読記録媒体、および装置
JP2011176535A (ja) * 2010-02-24 2011-09-08 Yamaha Corp 信号処理装置
JP2016039999A (ja) * 2011-03-31 2016-03-24 クアルコム,インコーポレイテッド 携帯デバイスの位置を推論するデバイス、方法、および装置
WO2014147785A1 (ja) * 2013-03-21 2014-09-25 富士通株式会社 動作検知装置,動作検知方法,プログラム及び記録媒体

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
和井田将広, 外3名: ""呼吸音検出アルゴリズムの為の音響特徴量の抽出"", 日本音響学会 2014年 春季研究発表会講演論文集, JPN6017035161, 12 March 2014 (2014-03-12), pages 805 - 808, ISSN: 0003641586 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP6258442B1 (ja) 2018-01-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108875510B (zh) 图像处理的方法、装置、系统及计算机存储介质
US10757125B2 (en) Anomaly detection method and recording medium
US11234890B2 (en) Method and apparatus for recognizing gait task
EP2958049A2 (en) Method and apparatus for extracting feature regions from point cloud
US20170032276A1 (en) Data fusion and classification with imbalanced datasets
JP5166102B2 (ja) 画像処理装置及びその方法
JP2016184424A5 (ja)
JP6397385B2 (ja) 学習装置、探索装置、方法、及びプログラム
Janko et al. A new frontier for activity recognition: The Sussex-Huawei locomotion challenge
US10417487B2 (en) Pattern recognition apparatus, pattern recognition method, and storage medium
JP5509153B2 (ja) 歩容解析方法、歩容解析装置及びそのプログラム
US11604999B2 (en) Learning device, learning method, and computer program product
US20220142850A1 (en) Method and apparatus for recognizing gait task
US9459103B2 (en) Non-transitory computer readable medium storing program, movement situation determining method, and movement situation determining device
JP6258442B1 (ja) 動作特定装置、動作特定方法及び動作特定プログラム
JP6236135B1 (ja) 動作特定装置、動作特定方法及び動作特定プログラム
JP6393495B2 (ja) 画像処理装置および物体認識方法
US20170168666A1 (en) Extracting skill-level-based command execution patterns from catia command log
US20220309321A1 (en) Quantization method, quantization device, and recording medium
CN115267667A (zh) 井下高精度定位修正方法、装置、设备及存储介质
JP2009204434A (ja) 目標検出装置、目標検出方法及び目標検出プログラム
JP5809663B2 (ja) 分類精度推定装置、分類精度推定方法、およびプログラム
US10304181B2 (en) Method, apparatus for attitude estimating, and non-transitory computer-readable storage medium
JP5824429B2 (ja) スパムアカウントスコア算出装置、スパムアカウントスコア算出方法、及びプログラム
JPWO2009151002A1 (ja) パターン識別方法、装置およびプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171101

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171114

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6258442

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250