JP3174187B2 - ガス識別装置 - Google Patents

ガス識別装置

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JP3174187B2
JP3174187B2 JP02809793A JP2809793A JP3174187B2 JP 3174187 B2 JP3174187 B2 JP 3174187B2 JP 02809793 A JP02809793 A JP 02809793A JP 2809793 A JP2809793 A JP 2809793A JP 3174187 B2 JP3174187 B2 JP 3174187B2
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はガス識別装置に関し、
特に、被検出ガスの種類に応じて出力する複数のガスセ
ンサと、各ガスセンサの出力の組合わせをパターン認識
する情報処理装置とを具えたガス識別装置に関するもの
である。
【0002】
【従来技術およびその問題点】近年、様々な分野で、ガ
スやにおいを選択性良く検出したいという要望が高まっ
ており、これに応えるため、安定性、感度性に優れる種
々のガスセンサが開発されている。しかし、特定のガス
に対する選択性といった面からは、未だ十分満足できる
性能を有するものは開発されていない。
【0003】そこで、一般には、特性の異なるガスセン
サを複数個用意し、これらのガスセンサからの出力信号
の組合わせを一つの出力パターンとしてとらえ、これを
ニューラルネットワークや多変量解析といった手段を有
する情報処理装置でパターン認識することにより、ガス
種を識別しようとする試みが行われている。
【0004】すなわち、識別しようとする全てのガス種
について、予め、各々標準ガスを用いて各ガスセンサか
らの出力信号の組合わせによる出力パターンを求め、こ
れをニューラルネットワークや多変量解析といった手段
を有する情報処理装置でパターン認識して記憶してお
き、実際に測定した被検出ガスの出力パターンと、情報
処理装置に記憶しておいた標準ガスの出力パターンとを
比較し、類似性があるか否かにより被検出ガスのガス種
を判定するようになっている。
【0005】このようなガス種の識別方法にあっては、
実際に測定した被検出ガスの出力パターンが、情報処理
装置に記憶しておいた標準ガスの出力パターンのいずれ
かと一致する場合には問題はないが、測定環境やセンサ
感度の変動等によりセンサの出力にばらつきが生じたよ
うな場合には、情報処理装置に記憶しておいた標準ガス
の出力パターンと実際に測定した被検出ガスの出力パタ
ーンとが完全に一致しないため、再現性のよい識別が困
難となる。
【0006】このような問題を解決するため、標準ガス
の出力パターンを情報処理装置に記憶する際、一つのガ
ス種に対して繰返し複数回の測定を行い、それら測定結
果の全てを標準ガスの出力パターンとして情報処理装置
に記憶し、測定値のばらつきに対応できるようにした方
法がある。
【0007】しかしながら、このような方法にあって
は、識別しようとする対象ガスの種類が多くなればなる
ほど、標準ガスの出力パターンの設定に多大な労力と時
間を要するため、実用性に欠ける。
【0008】この発明は前記のような従来のもののもつ
問題点を解決したものであって、識別しようとするガス
の種類が多い場合においても、標準ガスの出力パターン
の設定を容易に、しかも確実に行うことができるととも
に、再現性のよいガスの識別が可能なガス識別装置を提
供することを目的とするものである。
【0009】
【問題点を解決するための手段】上記の問題点を解決す
るためにこの発明は、特性の異なる複数のガスセンサ
と、このガスセンサの出力値の組合わせをパターン認識
する情報処理装置とを具え、前記情報処理装置に予め記
憶しておいた標準ガスの出力パターンと、実際に測定し
た被検出ガスの出力パターンとを比較し、これを前記情
報処理装置でパターン認識することにより被検出ガスの
種類を識別するようになっているガス識別装置におい
て、前記情報処理装置に標準ガスによる出力パターンを
記憶させる際、実測値による出力パターンと、この出力
パターンの各出力値に乱数を加えるか又は乗じるかする
ことによって得られる計算値からなる出力パターンを、
標準ガスの出力パターンとして前記情報処理装置に記憶
した手段を採用したものであり、また、前記乱数は一定
範囲内の乱数又は正規乱数である手段を採用したもので
ある。
【0010】
【作用】この発明は前記のような手段を採用したことに
より、実測値からなる出力パターンと、実測値に乱数を
加えるか又は乗じるかして得られる計算値からなる出力
パターンが標準ガスの出力パターンとして情報処理装置
に記憶されることになる。したがって、1回の実測を行
うだけで繰り返し実測したのと同数のデータからなる出
力パターンが記憶されることになる。
【0011】
【実施例】以下、この発明によるガス識別装置の実施例
について説明する。図1には、この発明によるガス識別
装置の一実施例のブロック線図が示されていて、このガ
ス識別装置は、前記従来のものと同様に、特性の異なる
複数のガスセンサと、このガスセンサの出力値の組合わ
せをパターンを認識する情報処理装置とを具えており、
具体的にはガスセンサとして特性の異なる6種類の金属
半導体型ガスセンサ(市販品)を用い、情報処理装置と
して多変量解析の一種である主成分分析法を搭載したも
のを用い、被検出ガスとしてイソブタン、エタノール、
メタンの3種類のガスを用いたものである。
【0012】上記のように構成したガス識別装置を用い
て被検出ガスの識別を行うにあたって、まず、前記従来
のものと同様に、識別しようとするガス種について、予
め、標準ガスを用いて各々のガスセンサからの出力信号
の組合わせによる出力パターンを求め、これを情報処理
装置でパターン認識して記憶し、このような作業を識別
しようとする全てのガス種(イソブタン、エタノール、
メタンの3種類のガス)について少なくとも1回行う
(図1参照)。
【0013】次に、各々の標準ガスについて得られた実
測値による出力パターンを構成する各出力値に、一定範
囲内の乱数(または正規乱数)を加えるか又は乗じるか
し、これによって得られる数値の組合わせからなる出力
パターンを前記情報処理装置に記憶させ、このような数
値の組合わせからなる出力パターンを少なくとも各々の
標準ガスについて一種類以上算出する(図1参照)。
【0014】このようにして、情報処理装置に、実測値
からなる出力パターンと、これに乱数を用いて演算処理
した計算値からなる出力パターンを記憶させ、この場
合、演算処理した計算値からなる出力パターンを一種類
以上記憶させることにより、従来のように繰り返し測定
を行った場合と同様の結果、すなわち、標準ガスに対す
る測定を1回行うだけで、実際に複数回測定した場合と
同数のデータからなる出力パターンが得られることにな
る。
【0015】以下、実測値に正規乱数を加えた場合と、
一定範囲内の乱数を加えた場合について図面を参照しつ
つ説明する。
【0016】図2は、実測値に正規乱数を加えることに
より得られる標準ガスの出力パターンについて主成分分
析を行った結果を示す主成分得点散布図である。
【0017】この主成分得点散布図を作成するには、ま
ず、イソブタン・エタノール・メタンの3種類のガス及
びこれらを成分ガスとする混合ガスに対する出力を、各
々のガスセンサにつきそれぞれ1回ずつ測定して求め、
これらの実測値に対して次式(1)により正規乱数を加
える。この場合、一つのセンサ出力に対し5〜12通り
の正規乱数を加え、その全てをセンサ出力パターン(計
算値)とする。
【0018】DC =DM +RSD ……(1) {DC :センサ出力パターン(計算値)、DM :センサ
出力パターン(実測値)、RSD:正規乱数 }
【0019】そして、このようにして得られる2種類の
出力パターン(実測値と計算値)を標準ガスの出力パタ
ーンとして情報処理装置に記憶させ、これらについて多
変量分析法の一つである主成分分析を行う。
【0020】そして、被検出ガスを識別するに際して
は、被検出ガスの実測値による出力パターンを前記主成
分得点散布図に対応させ、類似性があるか否かにより、
被検出ガスのガス種を識別する。
【0021】図4には、従来の方法により、各ガス種に
対し5〜12回の繰り返し測定を行うことにより得られ
る出力パターンをもとにして作成した主成分得点散布図
が示してあり、これと前記図2に示すものを比較する
と、両者がほぼ同一の結果を示していることがよくわか
り、混合ガスに対してもこの実施例によるガス識別装置
が有効であることがわかる。
【0022】このようにこの実施例によるガス識別装置
にあっては、多くの繰り返し測定を行うことにより標準
ガスの出力パターンを求めなければならない従来のもの
と異なり、1回のみの測定で従来のものと同様に繰り返
し測定を行ったのと同数のデータからなる出力パターン
を得ることができる。したがって、標準ガスの出力パタ
ーンの設定に要する時間と労力を大幅に削減することが
できる。
【0023】図3は、実測値に一定範囲内の乱数を加え
ることにより得られる標準ガスの出力パターンについて
主成分分析を行った結果を示す主成分得点散布図であ
る。
【0024】この主成分得点散布図を作成するには、前
記正規乱数を用いた場合と同様に、イソブタン・エタノ
ール・メタンの3種類のガス及びこれらを成分ガスとす
る混合ガスに対する出力を、各々のガスセンサにつきそ
れぞれ1回ずつ測定し、これらの実測値に対して次式
(2)により一定範囲内の乱数を加える。
【0025】DC =DM +RS …………(2) (DC :センサ出力パターン(計算値)、DM :センサ
出力パターン(実測値)、RS :乱数(−0.04〜
0.04)
【0026】そして、このようにして得られる2種類の
出力パターン(実測値と計算値)を、標準ガスの出力パ
ターンとして情報処理装置に記憶させ、これらについて
多変量分析法の一つである主成分分析を行う。
【0027】この主成分得点散布図と図4に示す従来の
主成分得点散布図を比較しても、前記正規乱数を用いた
ものと同様に、両者がほぼ同一の結果を示すことがよく
わかる。
【0028】したがって、実測値に加える乱数は、正規
乱数であっても一定範囲内の乱数であってもよいことに
なる。
【0029】
【発明の効果】この発明は前記のように構成して、標準
ガスの実測値からなる出力パターンと、この出力パター
ンの各出力値に乱数を加えるか又は乗じるかして得られ
る計算値からなる出力パターンを標準ガスの出力パター
ンとして情報処理装置に記憶させるようにしたので、標
準ガスの実測を1回行うだけで繰り返し測定したのと同
数のデータからなる出力パターンが得られることにな
る。したがって、標準ガスの出力パターンを設定するの
に要する時間及び労力を大幅に削減することができるこ
とになる等の優れた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるガス識別装置の一実施例のブロ
ック線図である。
【図2】図1に示すガス識別装置により求めた標準ガス
の出力パターンの各出力値に正規乱数を加えることによ
り得られる計算値からなる出力パターンの主成分分析結
果を示す主成分得点散布図である。
【図3】図1に示すガス識別装置により求めた標準ガス
の出力パターンの各出力値に一定範囲内の乱数を加える
ことにより得られる計算値からなる出力パターンの主成
分分析結果を示す主成分得点散布図である。
【図4】従来のガス識別装置により求めた標準ガスの出
力パターンの主成分分析結果を示す主成分得点散布図で
ある。
【符号の説明】
A……イソブタン B……メタン C……エタノール

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特性の異なる複数のガスセンサと、該ガ
    スセンサの出力値の組合わせをパターン認識する情報処
    理装置とを具え、前記情報処理装置に予め記憶しておい
    た標準ガスの出力パターンと、実際に測定した被検出ガ
    スの出力パターンとを比較し、これを前記情報処理装置
    でパターン認識することにより被検出ガスの種類を識別
    するようになっているガス識別装置において、前記情報
    処理装置に標準ガスによる出力パターンを記憶させる
    際、実測値による出力パターンと、この出力パターンの
    各出力値に乱数を加えるか又は乗じるかすることによっ
    て得られる計算値からなる出力パターンを、標準ガスの
    出力パターンとして前記情報処理装置に記憶したことを
    特徴とするガス識別装置。
  2. 【請求項2】 前記乱数は一定範囲内の乱数又は正規乱
    数である請求項1記載のガス識別装置。
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