JP3172954B2 - エンジンの潤滑油供給装置 - Google Patents

エンジンの潤滑油供給装置

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JP3172954B2
JP3172954B2 JP27766892A JP27766892A JP3172954B2 JP 3172954 B2 JP3172954 B2 JP 3172954B2 JP 27766892 A JP27766892 A JP 27766892A JP 27766892 A JP27766892 A JP 27766892A JP 3172954 B2 JP3172954 B2 JP 3172954B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01MLUBRICATING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; LUBRICATING INTERNAL COMBUSTION ENGINES; CRANKCASE VENTILATING
    • F01M3/00Lubrication specially adapted for engines with crankcase compression of fuel-air mixture or for other engines in which lubricant is contained in fuel, combustion air, or fuel-air mixture
    • F01M3/02Lubrication specially adapted for engines with crankcase compression of fuel-air mixture or for other engines in which lubricant is contained in fuel, combustion air, or fuel-air mixture with variable proportion of lubricant to fuel, lubricant to air, or lubricant to fuel-air-mixture

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、切換弁の切り換え動作
によって潤滑油をエンジン側と潤滑油タンク側へ流す2
サイクルエンジンの潤滑油供給装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】2サイクルエンジンの潤滑油供給装置と
して、従来、エンジン回転数に応じた吐出量を有するエ
ンジン駆動式潤滑油ポンプを採用すると共に、例えば図
14の特性線aに示すように、エンジン回転数,アクセ
ル開度に応じて上記潤滑油ポンプのプランジャストロー
クを変化させ、これによってポンプ自体の吐出量をエン
ジン出力カーブbに沿った量に制御するようにした装置
が一般的である。
【0003】しかし、この従来の潤滑油供給装置では、
例えば低速走行状態からアクセルを大きく開けて加速す
ると、プランジャストロークが図14の特性線cに示す
ように必要以上に大きくなり、そのため潤滑油がエンジ
ンに過剰に供給され、結局エンジンの運転状態に対応し
た潤滑油量制御は困難である。
【0004】そこで、上述したような問題を解消できる
装置として、潤滑油の供給通路に戻り通路を接続し、そ
の接続部に、供給通路側または戻り通路の何れか一方を
開いたときに他方を閉じる三方電磁弁を配設し、この電
磁弁をデューティ制御するようにした潤滑油供給装置が
提案されている(例えば特開平2−139307号公報
参照)。この公報に開示された潤滑油供給装置は、三方
電磁弁を制御するに当たって絞り弁の開度信号が取り入
れられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、絞り弁の開
度によって潤滑油供給量をデューティ制御したのでは、
供給量が少量のときには供給量が不正確になってしまう
という問題があった。すなわち、例えばエンジンが低回
転のときに急にアクセルを開けて加速するような場合に
は、潤滑油供給量が必要量より多くなって排気管から白
煙が生じやすくなってしまう。
【0006】また、切換弁を切り換えて潤滑油供給量を
デューティ制御する場合、切換弁で供給通路側を開いた
ときにエンジン側へ潤滑油が供給されるが、この切換弁
の開時と閉時には駆動信号に対して弁体が作動遅れを起
こす。すなわち、デューティ制御する場合には、その作
動遅れによる影響がなるべく少なくなるように制御しな
ければ潤滑油供給量が不正確になってしまう。
【0007】前記作動遅れによる影響を少なくしてデュ
ーティ制御時の供給精度を向上させるには、供給時間
(吐出時間)を可能な限り長く設定すればよい。これ
は、作動遅れは供給時間(吐出時間)に関係なく一定で
あり、供給時間が長くなればなる程誤差の寄与率が少な
くなるからである。
【0008】ところが、供給時間を長く設定すると潤滑
油を戻し通路側へ流す戻し時間も増えることになるた
め、潤滑油戻し中にエンジン運転状態が急変する可能性
が高くなってしまう。すなわち、エンジン側へ潤滑油が
供給されていないときにエンジン運転状態が急変して潤
滑油消費量が急に増えた場合には、エンジンが高速回転
している場合には潤滑油が不足気味になりやすい。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係るエンジ
ンの潤滑油供給装置は、エンジン駆動式潤滑油ポンプの
吐出側に、潤滑油通路をエンジン側供給通路と、潤滑油
ポンプ吸込側に連通された戻り通路とに選択的に切り換
える切換弁を設け、前記エンジン側供給通路に潤滑油が
供給される供給状態と、この供給状態の後に前記戻り通
路に潤滑油が戻される戻し状態とを1回の潤滑油供給サ
イクルとしてこのサイクルが継続して繰り返されるよう
に前記切換弁を制御する制御装置を備えたエンジンの潤
滑油供給装置であって、前記切換弁が供給状態になって
いる期間としての潤滑油供給時間を予め設定して前記制
御装置に記憶させ、この制御装置は、前記切換弁の戻し
状態を終了させる時期である潤滑油戻し終了時期をその
ときのエンジン運転状態に応じて決定する供給開始時期
設定手段を備え、この供給開始時期設定手段は、潤滑油
必要量が多くなるエンジン運転状態のときに潤滑油戻し
時間が相対的に短くなるように潤滑油戻し終了時期を設
定し、潤滑油必要量が少なくなるエンジン運転状態のと
きに潤滑油戻し時間が相対的に長くなるように潤滑油戻
し終了時期を設定する構成を採っているものである。
【0010】第2の発明に係るエンジンの潤滑油供給装
置は、第1の発明に係るエンジンの潤滑油供給装置にお
いて、供給開始時期設定手段を、エンジン側への潤滑油
供給量をエンジン回転数から算出する供給量算出手段
と、エンジン回転数、スロットル開度に基づいてエンジ
ンでの潤滑油消費量を算出する消費量算出手段と、前記
潤滑油供給量と潤滑油消費量とが一致したときに切換弁
を戻り通路側から供給通路側へ切り換える残量検出手段
とによって構成したものである。
【0011】第3の発明に係るエンジンの潤滑油供給装
置は、前記第2の発明に係るエンジンの潤滑油供給装置
において、消費量算出手段を、エンジン回転数、スロッ
トル開度および潤滑油供給開始時からの経過時間とから
エンジンでの潤滑油消費量を算出する構成としたもので
ある。
【0012】第4の発明に係るエンジンの潤滑油供給装
置は、第1〜第3の発明に係るエンジンの潤滑油供給装
置において、潤滑油供給時間を、潤滑油供給サイクル毎
にエンジン運転状態に応じて変更可能とするものであ
る。
【0013】第5の発明に係るエンジンの潤滑油供給装
置は、第1〜第3の発明に係るエンジンの潤滑油供給装
置において、潤滑油供給時間を、潤滑油供給サイクル毎
に、エンジン運転状態に適合する潤滑油供給量が得られ
る予め定めたデューティ比と、そのときのエンジン回転
数とに応じて変更可能とするものである。
【0014】
【作用】第1の発明に係るエンジンの潤滑油供給装置に
よれば、潤滑油戻し量がそのときのエンジン運転状態に
よって変えられるから、エンジン運転状態が変化すると
共に潤滑油供給量がそのエンジン運転状態に適合する量
となる。
【0015】第2,3の発明に係るエンジンの潤滑油供
給装置によれば、切換弁からエンジン側へ供給された潤
滑油が消費された後に、新たに潤滑油がエンジン側へ供
給される。
【0016】第4,5の発明に係るエンジンの潤滑油供
給装置によれば、エンジン運転状態に応じて、潤滑油供
給時間を潤滑油供給サイクル毎に変更するので、ある状
態では潤滑油供給時間を長くして切換弁の作動遅れによ
る影響を小さくし、また、ある状態では潤滑油供給時間
を短くして制御周期を短くすることにより、エンジン運
転状態の変化に対して潤滑油供給量が追従性よく変化す
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図8に
よって詳細に説明する。図1は本発明に係る自動二輪車
用2サイクルエンジンの潤滑油供給装置の構成を示すブ
ロック図、図2は本発明に係る自動二輪車用2サイクル
エンジンの潤滑油供給装置に使用する制御ユニットのブ
ロック図、図3は同じく制御ユニットの供給停止手段に
用いるデューティ比マップを示す図、図4は本発明に係
る自動二輪車用2サイクルエンジンの潤滑油供給装置を
使用したときの潤滑油供給量を示すグラフである。
【0018】図5は本発明に係る自動二輪車用2サイク
ルエンジンの潤滑油供給装置の動作を説明するためのフ
ローチャート、図6は本発明に係る自動二輪車用2サイ
クルエンジンの潤滑油供給装置での供給時間設定動作を
説明するためのフローチャート、図7は本発明に係る自
動二輪車用2サイクルエンジンの潤滑油供給装置の動作
を説明するためのグラフで、同図(a)はエンジンの要
求流量の経時変化を示すグラフ、同図(b)は潤滑油ポ
ンプ作動時の油圧変化を示すグラフ、同図(c)は切換
弁のソレノイドのオンオフ切り換え時期を示すグラフ、
同図(d)は供給潤滑油量の変化を示すグラフ、同図
(e)は潤滑油の供給量と消費量との関係を示すグラ
フ、同図(f)は供給量から消費量を差し引いて得られ
る潤滑油残量を示すグラフである。
【0019】図8は制御タイミングチャートで、同図
(a)は供給時間が長いときの状態を示し、同図(b)
は供給時間が短いときの状態を示す。
【0020】これらの図において、1は本発明に係るエ
ンジン用潤滑油供給装置である。この潤滑油供給装置1
は、制御対象であるエンジンとしての2サイクルエンジ
ン2にエンジン駆動式の潤滑油ポンプ3を供給通路4を
介して接続し、前記潤滑油ポンプ3の吸込側にオイルタ
ンク5を導入路6を介して接続すると共に、前記供給通
路4とオイルタンク5とを、前記潤滑油ポンプ3,導入
路6をバイパスするように戻り通路7で接続した構成に
なっている。
【0021】また、前記潤滑油ポンプ3は、プランジャ
(図示せず)がエンジン2によって駆動される構造のも
のが採用されている。
【0022】そして、前記戻り通路7と供給通路4との
接続部には切換弁としての三方電磁弁8が配設されてい
る。この三方電磁弁8は、前記供給通路4側に連通する
供給口9a,戻り通路7側に連通する戻り口9bを有す
るバルブケース9と、このバルブケース9内に配置され
前記供給口9a,戻り口9bの何れか一方を開いたとき
他方を閉じる弁体10と、この弁体10を、供給口9a
が開く位置に付勢する付勢ばね11と、前記弁体10
を、通電時に戻り口9bが開く位置に移動させる電磁コ
イル12とから構成されている。
【0023】このように構成された三方電磁弁8では、
電磁コイル12が通電されて励磁されると、弁体10が
図1において下側に移動して戻り通路7が供給通路4に
連通され、通電が遮断されると、弁体10が復帰して供
給通路4がエンジン2に連通されることになる。
【0024】すなわち、電磁コイル12が通電されたと
き(ON時)には、潤滑油ポンプ3から吐出された潤滑
油は三方電磁弁8から戻り通路7を介して潤滑油タンク
5へ戻される。また、電磁コイル12の通電が遮断され
たとき(OFF時)には、潤滑油は三方電磁弁8からエ
ンジン2に供給されることになる。
【0025】13は前記三方電磁弁8の動作を制御する
ための制御ユニットで、この制御ユニット13は、前記
供給通路4に潤滑油が供給される供給状態と、この供給
状態の後に前記戻り通路7に潤滑油が戻される戻し状態
とを1回の潤滑油供給サイクルとしてこのサイクルが継
続して繰り返されるように前記電磁コイル12のON、
OFFを切り換え、エンジン2側へ供給される潤滑油量
を制御するように構成されている。電磁コイル12のO
FF時間{前記三方電磁弁8が供給状態になっている期
間であって潤滑油がエンジン2に供給される時間(以
下、これを単に潤滑油供給時間という)}は、予め設定
して後述するように制御ユニット13に記憶させてあ
り、エンジンが高回転時であってエンジンが必要とする
潤滑油供給量が少ない場合にそれ以外の場合に較べて短
くされ、ON時間{前記三方電磁弁8が戻し状態になっ
ている期間であって潤滑油が潤滑油タンク5に戻される
時間(以下、これを単に潤滑油戻し時間という)}は、
後述する手法によりエンジンの運転状態に応じて変える
構成になっている。
【0026】そして、この制御ユニット13は、メイン
スイッチ14を介してバッテリー15に接続されてお
り、エンジン2の回転数を算出するためにエンジン2の
点火系に接続されると共に、スロットル開度を検出する
ためにスロットル系に接続されている。なお、16はエ
ンジン2の点火ユニットを示し、17はスロットルを示
す。また、制御ユニット13に設けられた前記電磁コイ
ル12の給電回路は、図1に示したようなトランジスタ
回路が採用されている。
【0027】電磁コイル12と制御ユニット13との接
続をこのようにすることで、アース側がショートした際
に電磁コイル12がON状態(潤滑油がエンジンへ供給
されなくなる状態)となるのを防ぐことができ、エンジ
ンの焼付を防止することができる。なお、本実施例では
電磁コイル12がOFF状態となったときにエンジンに
潤滑油が供給されるので、結線外れ時や電源不足時など
には開放状態となる関係から、この点からもエンジンの
焼付防止効果が得られる。
【0028】ここで、前記制御ユニット13の詳細構成
を図2によって説明する。制御ユニット13は、図2に
示すように回転数計算手段21と、タイマー22と、供
給停止手段23と、供給量算出手段24と、消費量算出
手段25と、残量検出手段27等を備えている。本発明
に係る供給開始時期設定手段は、この制御ユニット13
に設けている。
【0029】前記回転数計算手段21は、点火ユニット
16の点火ピックアップからの回転数信号によってエン
ジン2の平均回転数を計算するように構成されている。
前記タイマー22は、エンジン2の始動直後から計時を
開始し、一定時間(例えば80mS)経過毎にトリガー
信号を発生させてトリガー数を積算する構成とされてい
る。
【0030】23は三方電磁弁8の電磁コイル12に通
電して潤滑油を戻り通路7へ流すための供給停止手段
で、この供給停止手段23は、前記タイマー22での積
算トリガー数が設定値に達したときに電磁コイル12に
通電するように構成されている。すなわち、この供給停
止手段23が作動するまでは潤滑油がエンジン2側へ供
給されることになる。
【0031】積算トリガー数の設定値としては、通常
は、エンジン2がアイドリング状態のときに白煙が生じ
ない程度の必要最小限の量だけ供給停止手段23の作動
前に潤滑油が供給されるような値とされている。例え
ば、トリガー信号が80mS毎に生じるとすると、前記
設定値としては12となる。この場合では、潤滑油供給
時間としては960mSとなる。
【0032】また、エンジン2での潤滑油必要量が少な
くかつエンジン回転数が高回転域であるときには、前記
積算トリガー数の設定値が通常状態よりも少ない値に変
更されるように構成されている。
【0033】エンジンでの潤滑油必要量は、エンジン運
転状態に最も適した潤滑油供給量が得られるように仮に
三方電磁弁8をデューティ制御するようにした場合のデ
ューティ比から求める。ここでいうデューティ比とは、
潤滑油がエンジン2側に供給される潤滑油供給時間と、
潤滑油タンク5に戻される潤滑油戻し時間とを加えた制
御周期によって前記潤滑油供給時間を除して算出され
る。
【0034】すなわち、三方電磁弁8がOFFとなって
いる時間(エンジン2へ潤滑油が供給されている時間)
をOFF時間として、ONとなっている時間(潤滑油タ
ンク5へ潤滑油が戻されている時間)をON時間とする
と、デューティ比(%)=〔OFF時間/(ON時間+
OFF時間)〕×100となる。このデューティ比はエ
ンジン回転数とスロットル開度を元にして実験によって
求められ、図3に示すデューティ比マップとして供給停
止手段23に記録されている。
【0035】そして、供給停止手段23は、エンジン回
転数とスロットル開度から求められるデューティ比が予
め定めた値(後述する図6に示すA)よりも大きいとき
(図3中T1 で示す領域のとき)や、エンジン回転数が
予め定めた回転数(後述する図6に示すB)より小さい
とき(図3中T2 で示す領域のとき)には長い潤滑油供
給時間を選択し、デューティ比が予め定めた値Aより小
さくかつエンジン回転数が予め定めた回転数Bより大き
いとき(図3中T3 で示す領域のとき)には短い潤滑油
供給時間を選択するように構成されている。
【0036】前記供給停止手段23によって三方電磁弁
8が切り換えられるまでにエンジン2側に供給される潤
滑油量は、図3に示したデューティ比マップ26,エン
ジン回転数およびスロットル開度等から決まり、図4に
示す通りとなる。すなわち、エンジン回転数がある程度
の回転数に達するまではスロットルを大きく開けたとし
ても潤滑油供給量は少なくなる。このため、エンジン回
転数が低,中速域であってスロットル開度が大きいとき
に潤滑油供給量が少なくなると共に、空ぶかし時の潤滑
油供給量も少なくなる。なお、この図4に示したグラフ
は、エンジン運転状態に対応する潤滑油消費量あるいは
潤滑油必要量をも示している。
【0037】ここで、図3に示すデューティ比マップに
ついて詳細に説明する。デューティ比マップは、エンジ
ン回転数およびスロットル開度が最も大きくなったとき
にデューティ比が最高の100%となるように構成され
ている。そして、デューティ比が100%となるエンジ
ン回転数およびスロットル開度は、それぞれある程度の
回転数幅,開度幅をもたせてあり、デューティ比が10
0%となる領域(図3中最上部)は平坦となっている。
【0038】また、エンジン回転数が小さいときのデュ
ーティ比はエンジン2に必要な潤滑油供給量が得られる
だけの最低値となっており、デューティ比が最低値とな
る領域もエンジン回転数およびスロットル開度にある程
度の回転数幅,開度幅をもたせることによって平坦にな
っている。なお、上述したようにデューティ比が100
%となる領域や最低値となる領域を平坦としても、潤滑
油ポンプとしてエンジン駆動式のものを使用している関
係から、潤滑油ポンプでの吐出量はエンジン回転数に比
例するので、潤滑油供給量を図4に示すように増減させ
ることができる。
【0039】このようにデューティ比が100%となる
領域や最低値となる領域を平坦としてデューティ比マッ
プを形成すると、エンジン運転状態に対応するデューテ
ィ比が100%と最低値との間となるときの制御を細分
化することができる。すなわち、所望のエンジン運転領
域においてとり得るデューティ比の幅を大きくできるの
で、各エンジン状態に応じて潤滑油供給量を高精度に設
定できるようになる。
【0040】24はエンジン2側への潤滑油供給量を算
出するための供給量算出手段で、この供給量算出手段2
4は、三方電磁弁8の電磁コイル12がOFFの時のエ
ンジン回転数を元にして潤滑油供給量を算出するように
構成されている。この潤滑油供給量としては、エンジン
1回転当たりの潤滑油ポンプ3での吐出量に、前記潤滑
油供給時間中のエンジン回転数を乗じて算出される。
【0041】25はエンジン2で消費される潤滑油量を
算出するための消費量算出手段である。この消費量算出
手段25は、エンジン回転数およびスロットル開度から
得られる単位時間当たりの潤滑油消費量と、潤滑油供給
開始時からの経過時間とから潤滑油消費量を算出するよ
うに構成されている。なお、エンジン回転数およびスロ
ットル開度から得られる単位時間当たりの潤滑油消費量
は、図3に示したデューティ比マップ26から計算され
る。なお、単位時間当たりの潤滑油消費量をグラフとし
て表すと図4に示した通りとなる。
【0042】27はエンジン2側へ供給された潤滑油が
消費されたときに三方電磁弁8の電磁コイル12での通
電を遮断して潤滑油を供給通路4へ流す残量検出手段で
ある。この残量検出手段27は、前記供給量算出手段2
4で算出された潤滑油供給量から、前記消費量算出手段
25で算出された潤滑油消費量を減算し、その値を積分
してその値が0以下となったときに、三方電磁弁8の電
磁コイル12での通電を遮断するように構成されてい
る。前記積分値が0以下になったときが本発明に係る潤
滑油戻し終了時期である。なお、この残量検出手段27
では、電磁コイル12での通電を遮断する以前に、前記
タイマー22での積算トリガー数を0へリセットする。
【0043】すなわち、エンジン2側での潤滑油残量が
なくなると同時に新たにエンジン2側に潤滑油が供給さ
れることになる。このため、潤滑油必要量が多くなるエ
ンジン運転状態のときには、潤滑油が早く消費されるた
めに潤滑油戻し時間が相対的に短くなり、潤滑油必要量
が少なくなるエンジン運転状態のときには、上記とは逆
に潤滑油戻し時間が相対的に長くなる。
【0044】また、前記残量検出手段27は、何らかの
理由によって潤滑油戻し時間が長くなるのを防ぐため
に、前記積分を行なった後に潤滑油戻し時間(供給停止
手段23が作動開始してからの経過時間)が予め定めた
時間より長くないか否かを判断し、長いときには積分結
果如何に係わらず電磁コイル12での通電を遮断するよ
うに構成されている。
【0045】次に、上述したように構成された2サイク
ルエンジン用潤滑油供給装置1の動作を図5および図6
に示すフローチャートによって説明する。
【0046】メインスイッチ14がONされると、図5
中P1 で制御ユニット13がリセットされて初期設定が
行なわれ、P2 でタイマー22がセットされる。このと
きにタイマー22内の積算トリガー数が0とされる。
【0047】エンジン2が始動されると、P3 において
点火ユニット16等のエンジン制御系の各装置が制御さ
れる。そして、エンジン始動開始と共にタイマー22が
計時を開始し、P4 でトリガー信号を出力してP5 でト
リガー数を1加算する。そして、供給停止手段23がP
6 において潤滑油供給時間(積算トリガー数の設定値)
を設定してP7 で積算トリガー数が設定値に達したか否
かを判定する。すなわち、供給停止手段23によって設
定された潤滑油供給時間に達するまでタイマー22がト
リガー数を積算することになる。なお、潤滑油ポンプ3
もエンジン2と共に作動を開始し、潤滑油が三方電磁弁
8へ吐出される。
【0048】そして、タイマー22での積算トリガー数
が設定値より少ないときには、三方電磁弁8の電磁コイ
ル12へは通電されていない関係から、潤滑油は三方電
磁弁8からエンジン2側へ供給される。なお、潤滑油が
エンジン2側へ供給されるときには、供給量算出手段2
4によって潤滑油供給量が算出される。ここで、潤滑油
供給時間(積算トリガー数の設定値)を設定する手順を
図6によって詳細に説明する。
【0049】P6 では、供給停止手段23がステップS
1 でエンジン回転数Rとスロットル開度を読み込み、S
2 においてそのエンジン回転数Rとスロットル開度を元
に図3で示したデューティ比マップからそのときのエン
ジン運転状態に適合するデューティ比Dを読み出す。
【0050】次いで、供給停止手段23がステップS3
において前記デューティ比Dが予め定めた値A以下であ
るか否かを判断する。デューティ比DがAより大きいと
き、すなわち、エンジン2での潤滑油必要量が多いとき
には、ステップS4 へ進んで潤滑油供給時間をT1 時間
とし、ステップS5 にてT1 時間とする出力信号をタイ
マー22に出力する。
【0051】前記S3 でデューティ比DがA以下である
とき、すなわち、エンジン2での潤滑油必要量が少ない
ときには、供給停止手段23がS6 にてエンジン回転数
Rが予め定めた回転数B以下であるか否かを判断する。
エンジン回転数Rが回転数B以下であるときには、S7
に進んで潤滑油供給時間をT2 時間とし、S8 にてT2
時間とする出力信号をタイマー22に出力する。
【0052】S6 でエンジン回転数Rが回転数Bより大
きいと判断されたときには、S9 に進んで潤滑油供給時
間をT3 時間とし、S10にてT3 時間とする出力信号を
タイマー22に出力する。そして、S5,S8,S10でそ
れぞれ出力信号を出力した後は、ステップP6 に進む。
【0053】すなわち、潤滑油供給時間は、図3におけ
るデューティ比Aとなる太線L1と、エンジン回転数B
となる太線L2 とで分けられた3つの領域のうちエンジ
ン運転状態が何れの領域と対応するかによって決定され
る。エンジン運転状態が図3中T1 の領域にあるときに
は潤滑油供給時間がT1 時間とされ、エンジン運転状態
がT2 の領域にあるときにはT2 時間とされ、同じくT
3 の領域にあるときにはT3 時間とされる。本実施例で
は、T1 時間とT2 時間とを同等の比較的長い時間と
し、T3 時間をT1,T2時間より短く設定した。
【0054】なお、潤滑油供給時間を設定する時期とし
ては、エンジン始動後であって判定フローP7 より前で
あれば何時でもよい。本実施例で示したように積算トリ
ガー数と設定値を比較する判定フローP7 の直前とする
と、トリガー数が1加算される度にエンジン運転状態が
読み込まれるようになるので、精度が高くなる。
【0055】P7 において積算トリガー数が設定値に達
した後は、P8 で供給停止手段23によって三方電磁弁
8の電磁コイル12に通電され、潤滑油はエンジン2側
へは供給されずに潤滑油タンク5へ戻されるようにな
る。
【0056】前記供給停止手段23が作動して潤滑油タ
ンク5へ潤滑油が戻されるようになると、P9 において
消費量算出手段25によって図7(e)中のBに示すよ
うに潤滑油消費量が算出される。そしてP10において潤
滑油供給量から潤滑油消費量が減算されて潤滑油残量が
算出される。そして、上述した残量算出動作と一連にP
11において減算結果が積分される。
【0057】次いで、消費量算出手段25は、前記積分
後にP12において潤滑油戻し時間が設定時間より長くな
いか否かを判断し、潤滑油戻し時間が予め定めた最長制
御時間より短く正常であるときにはP13へ進んで積分値
が0以下であるか否かを判断する。0以下であるときに
は、P14にてタイマー22の積算トリガー数を0とし、
15で三方電磁弁8の電磁コイル12への通電を遮断す
る。これによって、潤滑油は三方電磁弁8からエンジン
2側へ再び供給されることになる。本発明に係る潤滑油
供給装置1では、上述した一連の動作を1サイクルとし
て作動し、P15にて潤滑油供給状態とした後は、P2
戻って2サイクル目の動作を行なう。
【0058】なお、前記P12において潤滑油戻し時間が
最長制御時間より長いと判定されたときには、P14へ進
み、直ちに電磁コイル12での通電を遮断する。また、
前記P13において積分値が0以下でない場合にはステッ
プP2 へ戻るように構成されている。
【0059】本発明に係る潤滑油供給装置1の動作は、
図7(a)〜(f)に示した通りとなる。図7では、エ
ンジン2を低速運転状態から急加速して高速運転状態と
し、その後再び低速運転状態となるように運転した場合
を示す。
【0060】上述したようにエンジン2を運転すると、
エンジン2での潤滑油要求量は同図(a)に示すように
エンジン回転数に応じて変化し、同図(b)に示すよう
に、潤滑油ポンプ3から潤滑油が吐出される時間および
吐出回数もエンジン回転数に応じて変化する。
【0061】また、切り換え動作される三方電磁弁8
は、同図(c)に示すように、電磁コイル12が通電さ
れない時間(潤滑油供給時間)はエンジン運転状態に応
じてT1〜T3と変更される。そして、潤滑油供給量は、
同図(d)に示すようにエンジン回転数に応じて多くな
る。図7(d)においては潤滑油供給量をハッチングに
よって示す。また、C1〜C7は、制御動作サイクルを示
す。
【0062】潤滑油供給時間がT1時間,T2時間のとき
の制御タイミングチャートとしては図8(a)に示す通
りとなり、潤滑油供給時間がT3 時間のときの制御タイ
ミングチャートとしては図8(b)に示す通りとなる。
図8においてt1,t2は三方電磁弁8の開時の作動遅れ
と閉時の作動遅れを示す。
【0063】図8(a)に示すように、潤滑油供給時間
を長く設定することで作動遅れt1,t2による影響が少
なくなり、供給精度が向上する。また、図8(b)に示
すように、潤滑油供給時間を比較的短いT3 時間とする
ことで、制御周期が短くなって三方電磁弁8がONして
いるときの潤滑油戻し時間が短くなるから、エンジン運
転状態の変化に対する潤滑油供給量の追従性が向上す
る。すなわち、エンジン2の運転状態が急変してエンジ
ン2での潤滑油必要量が急に増え、エンジン回転数が高
いことに起因して供給済の潤滑油が早く消費されてしま
ったとしても、速やかに次の制御周期となって新たに潤
滑油が供給されるようになる。
【0064】また、潤滑油供給量の積分値としては、図
7(e)中にAで示す通り供給期間中は増加し戻り期間
中は一定となり、潤滑油消費量の積分値としてはBで示
す通り供給開始時から増加するようになる。そして、潤
滑油供給量から潤滑油消費量を減算した値(潤滑油残
量)は、図7(f)に示す通りとなる。同図(f)によ
れば、残量がなくなってから新たに潤滑油が供給される
ことが分かる。
【0065】したがって、本発明に係る2サイクルエン
ジン用潤滑油供給装置1によれば、潤滑油戻し終了時期
が潤滑油供給サイクル毎にエンジン2の運転状態に応じ
て変えられることになり、三方電磁弁8からエンジン2
側へ供給された潤滑油が消費された後、新たに潤滑油が
エンジン2側へ供給される。
【0066】また、潤滑油供給時間は、エンジン2での
潤滑油必要量が少ないときであってエンジン回転数が予
め定めた回転数より大きいときにはそれ以外のときに較
べて短いT3 時間とされるから、そのときには制御周期
が短くなってエンジン運転状態の変化に対して潤滑油供
給量が追従性よく変化するようになる。このように制御
周期が短くなるとき以外は、潤滑油供給時間を比較的長
いT1時間およびT2時間として三方電磁弁8の作動遅れ
による影響を少なくするから、そのときには潤滑油の供
給精度が高くなる。
【0067】なお、本発明を実施するに当たっては制御
ユニットを図9に示すように構成し、図10に示すよう
に動作させることもできる。図9は制御ユニットの他の
実施例を示すブロック図、図10は図9に示した制御ユ
ニットを用いた場合の動作を示すフローチャートであ
る。この図9,図10に示す実施例は前記実施例の理解
を深めるためのもので、その要旨は前記実施例と同一で
ある。また、図9および図10において前記図1ないし
図8で説明したものと同一もしくは同等部材について
は、同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0068】図9において符号31は供給停止手段2
3,残量検出手段27と三方電磁弁8との間に介装され
た信号保持手段で、この信号保持手段31は、供給停止
手段23から三方電磁弁8へON状態とする切換信号が
入力されたときに三方電磁弁8へ給電して三方電磁弁8
をON状態とし、また、残量検出手段27から三方電磁
弁8をOFF状態とする切換信号が入力されたときに三
方電磁弁8への給電を断って三方電磁弁8をOFF状態
とする構成になっている。さらに、三方電磁弁8のO
N、OFFが切り換えられた後は、再びON,OFF切
換信号が入力されるまでは三方電磁弁8を同状態に保つ
ように構成されている。
【0069】次に図10に示したフローチャートに基づ
いて動作を説明する。メインスイッチがONされエンジ
ンが始動されると、図10中P1 で制御ユニット13が
リセットされて初期設定が行なわれ、P2 でタイマー2
2がセットされる。このときにタイマー22内の積算ト
リガー数が0とされ、タイマー22が計時を開始する。
【0070】そして、P3 で供給量算出手段24にエン
ジン状態(エンジン回転数,スロットル開度)が入力さ
れ、供給量算出手段24がP4 で潤滑油供給時間を設定
する。潤滑油供給時間を設定するに当たっては前記図6
に示した手順通りに行われる。すなわち、P3 で入力さ
れたエンジン回転数,スロットル開度に対応するデュー
ティ比を前記図3に示されたデューティ比マップ26か
ら読み出して行われる。なお、エンジン始動直後では三
方電磁弁8はOFF状態となっているためにエンジンに
潤滑油が供給される。
【0071】次に、P5でタイマー22がトリガー信号
を出力し、P6で消費量算出手段25にそのときのエン
ジン状態が入力される。P6 でもエンジン回転数,スロ
ットル開度が入力される。そして、P7 において、消費
量算出手段25は入力されたエンジン回転数,スロット
ル開度から図3に示されたデューティ比マップ26に基
づいて単位時間当たりの潤滑油消費量を求め、この単位
時間当たりの潤滑油消費量に、エンジン始動後の初回は
潤滑油供給開始時からの経過時間を乗じ、2回目以降で
はトリガー信号発生間隔に相当する時間(以下、単にト
リガー時間という)を乗じて潤滑油消費量を計算する。
【0072】すなわち、エンジン始動後の初回ではP2
からP7までの間にエンジンによって消費された潤滑油
の量が計算され、2回目以降ではトリガー時間の間に消
費された潤滑油の量が計算されることになる。そして、
消費量算出手段25は、上述したように潤滑油消費量を
計算した後、P8において潤滑油消費量を積分する。
【0073】P9 は三方電磁弁8がON状態であるの
か、OFF状態であるのかを判定する判定フローで、三
方電磁弁8がOFF状態であるときにはP10に進み、O
N状態であるときにはP15に進む。エンジン始動直後の
最初の潤滑油供給サイクルのときには三方電磁弁8はO
FF状態であるためP10に進む。
【0074】P10では供給量算出手段24が潤滑油供給
開始時からの潤滑油供給量を計算する。この計算は、エ
ンジン1回転当たりの潤滑油ポンプでの吐出量に、トリ
ガー信号発生間隔に相当する時間の間にエンジンが回転
した数(エンジン回転数の総和)を乗じて行なわれる。
このエンジン回転数の総和は、P6 で入力されたエンジ
ン回転数がトリガー時間の間は一定であると仮定して算
出する。すなわち、P6 のときのエンジン回転数にトリ
ガー時間を乗じてエンジン回転数の総和が算出される。
そして、供給量算出手段24はP11で潤滑油消費量を積
分する。
【0075】上述したように潤滑油消費量を積分した後
は、P12でトリガー数を1加算し、P13で供給停止手段
23が前記P4 で設定された供給時間だけ潤滑油が供給
されたか否かを判定する。このときには、タイマー22
が発するトリガー数と供給時間相当数とを比較し、トリ
ガー数が供給時間相当数より少ないときには前記P5
戻って上述した動作を繰り返し、トリガー数が供給時間
相当数以上であるときには三方電磁弁8をON状態に切
り換える。なお、供給時間相当数は、P4 で設定された
潤滑油供給時間をトリガー信号発生間隔で除して求めた
数値のことである。すなわち、P4 で設定された潤滑油
供給時間が経過するまではエンジンに潤滑油が供給され
ることになる。
【0076】P14で三方電磁弁8がON状態とされた後
はP5 へ戻り、P5〜P8で潤滑油消費量の積分値を求め
てからP9 を経てP15へ進む。P15では前記P11で求め
た潤滑油供給量の積分値からP8 で求めた潤滑油消費量
の積分値を残量検出手段27が減算して潤滑油残量を計
算する。
【0077】このように潤滑油残量を求めた後、P16
消費量算出手段25が潤滑油戻し時間(P14で三方電磁
弁8がON状態となってからの時間)が設定時間より長
くないか否かを判断し、潤滑油戻し時間が予め定めた最
長制御時間より短く正常であるときにはP17へ進んで潤
滑油残量が0以下であるか否かを判断する。
【0078】潤滑油残量が0より大きいときには、前記
5 に戻ってP5 〜P16の動作を繰り返してトリガー時
間毎に潤滑油消費量およびその積分値を求め、この潤滑
油消費量の積分値を潤滑油供給量の積分値から減算して
潤滑油残量を算出する。この動作はP17で潤滑油残量が
0と判断されるまで行われる。
【0079】潤滑油残量が0以下であるときには、P18
にてタイマー22をリセットして積算トリガー数を0と
し、P19で三方電磁弁8をOFF状態としてから前記P
2 に戻って2サイクル目の動作を行う。行なう。
【0080】なお、前記P16において潤滑油戻し時間が
最長制御時間より長いと判定されたときには、P18へ進
み、直ちにタイマー22をリセットして三方電磁弁8を
OFF状態に切り換える。
【0081】このように構成しても図1〜図8に示した
実施例と同様に潤滑油戻し終了時期が潤滑油供給サイク
ル毎にエンジン2の運転状態に応じて変えられることに
なり、三方電磁弁8からエンジン2側へ供給された潤滑
油が消費された後、新たに潤滑油がエンジン2側へ供給
されることになる。
【0082】また、潤滑油供給時間を求めるためのデュ
ーティ比マップとしては、図3に示したものに限らず、
図11に示すように構成することもできる。図11に示
したデューティ比マップを使用した他の実施例を以下に
説明する。
【0083】図11はデューティ比マップの他の例を示
す図、図12は図11に示したデューティ比マップを用
いたときの潤滑油供給量を示すグラフ、図13は図11
に示したデューティ比マップを用いたときの潤滑油供給
時間設定動作を示すフローチャートである。これらの図
において前記図1ないし図8で説明したものと同一もし
くは同等部材については、同一符号を付し詳細な説明は
省略する。
【0084】図11に示したデューティ比マップは、エ
ンジン回転数が回転数B以下のときにもデューティ比A
以上となるような領域(図11中T4 で示す)が設けら
れている。このデューティ比マップを使用した場合の潤
滑油供給量としては、図12に示すように、エンジン回
転数およびスロットル開度が大きくなるにしたがって次
第に多くなる。
【0085】潤滑油供給時間を設定するには図13のフ
ローチャートに示した通りに行なう。図13に示したフ
ローチャートは、前記図6に示したフローチャートのS
3 とS4 の間にS11のエンジン回転数判定フローを設
け、デューティ比DがAより大きいときであってエンジ
ン回転数Rが回転数Bより大きいときにS4 へ進んで潤
滑油供給時間をT1 とするように構成されている。ま
た、エンジン回転数Rが回転数B以下であるときには、
12に進んで潤滑油供給時間をT4 とし、その後、S13
にてT4 時間とする出力信号をタイマー22に出力する
ように構成されている。なお、T4 時間は前記T1,T2
時間と同等の長い時間とされている。
【0086】このように構成したとしても前記2つの実
施例と同等の効果が得られる。
【0087】
【0088】なお、上述した各実施例では制御対象のエ
ンジンとして自動二輪車用2サイクルエンジンを使用し
たが、例えば、空気および燃料を燃焼室内に噴射する構
造の2サイクルエンジンにも適用できる。また、2サイ
クル,4サイクルを問わずエンジンの摺動部に潤滑油を
吹きかけたり、潤滑部へ直接給油する構造の潤滑油供給
装置にも本発明を適用できる。なお、本発明を適用する
エンジンとしては、自動二輪車用エンジン,自動車用エ
ンジンや、船外機,芝刈り機,ゴルフカー等の作業機械
に使用するエンジンがあげられる。
【0089】さらに、図3および図11のデューティ比
マップには、エンジン回転数がゼロか、またはアイドル
回転以下となる極端に低いときにデューティ比が100
%となる領域を設けることもできる。言い換えれば、エ
ンジン回転数がゼロか、またはアイドル回転以下となる
極端に低いときには、三方電磁弁8への駆動信号をOF
Fするようにすることもできる。このようにすると、エ
ンジンが始動する以前には三方電磁弁8への通電を遮断
でき、三方電磁弁8の電磁コイル12での電力消費を抑
えることができる。
【0090】さらにまた、本発明に係る2サイクルエン
ジンの潤滑油供給装置1では、エンジン2をキック式始
動装置で始動させるときにはエンジン2が始動するまで
は三方電磁弁8を1回だけ開動作させるようにすること
もできる。そのようにする場合には、メインスイッチ1
4がONされてから最初の1回目のキック時にのみ三方
電磁弁8を開動作させることによって行なう。
【0091】加えて、エンジン2を長期間放置した後に
始動させる場合にはエンジン2内に潤滑油が溜まってい
ることが考えられるので、エンジン2が始動した直後に
エンジン回転数が予め定めた回転数より大きくなるか、
または予め定めた時間が経過するまでは、潤滑油戻し時
間を本発明の装置によって決められた時間よりも補正に
より長くすることもできる。また、エンジン始動直後に
エンジン回転数が予め定めた回転数より大きくなるか、
または予め定めた時間が経過するまでは、本発明の制御
を開始しないようにすることもできる。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明に係るエ
ンジンの潤滑油供給装置は、潤滑油供給時間を予め設定
し、潤滑油戻し終了時期をそのときのエンジン運転状態
に応じて決定する供給開始時期設定手段を備えているた
め、潤滑油戻し量がそのときのエンジン運転状態によっ
て変えられるから、エンジン運転状態が変化すると共に
潤滑油供給量がそのエンジン運転状態に適合する量とな
る。このため、エンジン運転状態の変化に対する潤滑油
供給の追従性を高めることができ、しかも、単純な手法
で潤滑油の供給精度を高めることができる。
【0093】第2の発明に係るエンジンの潤滑油供給装
置は、第1の発明に係るエンジンの潤滑油供給装置にお
いて、供給開始時期設定手段を、エンジン側への潤滑油
供給量をエンジン回転数から算出する供給量算出手段
と、エンジン回転数、スロットル開度に基づいてエンジ
ンでの潤滑油消費量を算出する消費量算出手段と、前記
潤滑油供給量と潤滑油消費量とが一致したときに切換弁
を戻り通路側から供給通路側へ切り換える残量検出手段
とによって構成したものであり、第3の発明に係るエン
ジンの潤滑油供給装置は、前記第2の発明に係るエンジ
ンの潤滑油供給装置において、消費量算出手段を、エン
ジン回転数、スロットル開度および潤滑油供給開始時か
らの経過時間とからエンジンでの潤滑油消費量を算出す
る構成としたものであるため、切換弁からエンジン側へ
供給された潤滑油が消費された後に、新たに潤滑油がエ
ンジン側へ供給される。このため、常に適切な供給量を
もって潤滑油を供給することができるので、エンジンか
ら白煙が生じるのを可及的抑えることができる。
【0094】第4の発明に係るエンジンの潤滑油供給装
置は、第1〜第3の発明に係るエンジンの潤滑油供給装
置において、潤滑油供給時間を、潤滑油供給サイクル毎
にエンジン運転状態に応じて変更可能とするものであ
り、第5の発明に係るエンジンの潤滑油供給装置は、第
1〜第3の発明に係るエンジンの潤滑油供給装置におい
て、潤滑油供給時間を、潤滑油供給サイクル毎に、エン
ジン運転状態に適合する潤滑油供給量が得られる予め定
めたデューティ比と、そのときのエンジン回転数とに応
じて変更可能とするため、エンジン運転状態に応じて、
一定とした潤滑油供給時間を潤滑油供給サイクル毎に変
更するので、ある状態では潤滑油供給時間を長くして切
換弁の作動遅れによる影響を小さくし、また、ある状態
では潤滑油供給時間を短くして制御周期を短くすること
により、エンジン運転状態の変化に対して潤滑油供給量
が追従性よく変化することになる。このため、潤滑油が
不足気味となるようなことを抑えつつ切換弁の作動遅れ
による影響を小さく抑えて潤滑油供給精度を高めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動二輪車用2サイクルエンジン
の潤滑油供給装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る自動二輪車用2サイクルエンジン
の潤滑油供給装置に使用する制御ユニットのブロック図
である。
【図3】制御ユニットの供給停止手段に用いるデューテ
ィ比マップを示す図である。
【図4】本発明に係る自動二輪車用2サイクルエンジン
の潤滑油供給装置を使用したときの潤滑油供給量を示す
グラフである。
【図5】本発明に係る自動二輪車用2サイクルエンジン
の潤滑油供給装置の動作を説明するためのフローチャー
トである。
【図6】本発明に係る自動二輪車用2サイクルエンジン
の潤滑油供給装置での供給時間設定動作を説明するため
のフローチャートである。
【図7】本発明に係る自動二輪車用2サイクルエンジン
の潤滑油供給装置の動作を説明するためのグラフで、同
図(a)はエンジンの要求流量の経時変化を示すグラ
フ、同図(b)は潤滑油ポンプ作動時の油圧変化を示す
グラフ、同図(c)は切換弁のソレノイドのオンオフ切
り換え時期を示すグラフ、同図(d)は供給潤滑油量の
変化を示すグラフ、同図(e)は潤滑油の供給量と消費
量との関係を示すグラフ、同図(f)は供給量から消費
量を差し引いて得られる潤滑油残量を示すグラフであ
る。
【図8】制御タイミングチャートで、同図(a)は供給
時間が長いときの状態を示し、同図(b)は供給時間が
短いときの状態を示す。
【図9】制御ユニットの他の実施例を示すブロック図で
ある。
【図10】図9に示した制御ユニットを用いた場合の動
作を示すフローチャートである。
【図11】デューティ比マップの他の例を示す図であ
る。
【図12】図11に示したデューティ比マップを用いた
ときの潤滑油供給量を示すグラフである。
【図13】図11に示したデューティ比マップを用いた
ときの潤滑油供給時間設定動作を示すフローチャートで
ある。
【図14】従来の潤滑油供給装置の問題点を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
1 2サイクルエンジン用潤滑油供給装置 2 エンジン 3 潤滑油ポンプ 4 供給通路 7 戻り通路 8 三方電磁弁 13 制御ユニット 23 供給停止手段 24 供給量算出手段 25 消費量算出手段 27 残量検出手段

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン駆動式潤滑油ポンプの吐出側
    に、潤滑油通路をエンジン側供給通路と、潤滑油ポンプ
    吸込側に連通された戻り通路とに選択的に切り換える切
    換弁を設け、前記エンジン側供給通路に潤滑油が供給さ
    れる供給状態と、この供給状態の後に前記戻り通路に潤
    滑油が戻される戻し状態とを1回の潤滑油供給サイクル
    としてこのサイクルが継続して繰り返されるように前記
    切換弁を制御する制御装置を備えたエンジンの潤滑油供
    給装置であって、前記切換弁が供給状態になっている期
    間としての潤滑油供給時間を予め設定して前記制御装置
    に記憶させ、この制御装置は、前記切換弁の戻し状態を
    終了させる時期である潤滑油戻し終了時期をそのときの
    エンジン運転状態に応じて決定する供給開始時期設定手
    段を備え、この供給開始時期設定手段は、潤滑油必要量
    が多くなるエンジン運転状態のときに潤滑油戻し時間が
    相対的に短くなるように潤滑油戻し終了時期を設定し、
    潤滑油必要量が少なくなるエンジン運転状態のときに潤
    滑油戻し時間が相対的に長くなるように潤滑油戻し終了
    時期を設定する構成を採っていることを特徴とするエン
    ジンの潤滑油供給装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエンジンの潤滑油供給装
    置において、供給開始時期設定手段を、エンジン側への
    潤滑油供給量をエンジン回転数から算出する供給量算出
    手段と、エンジン回転数、スロットル開度に基づいてエ
    ンジンでの潤滑油消費量を算出する消費量算出手段と、
    前記潤滑油供給量と潤滑油消費量とが一致したときに切
    換弁を戻り通路側から供給通路側へ切り換える残量検出
    手段とによって構成したことを特徴とするエンジンの潤
    滑油供給装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のエンジンの潤滑油供給装
    置において、消費量算出手段を、エンジン回転数、スロ
    ットル開度および潤滑油供給開始時からの経過時間とか
    らエンジンでの潤滑油消費量を算出する構成としたこと
    を特徴とするエンジンの潤滑油供給装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3記載のエンジンの潤
    滑油供給装置において、潤滑油供給時間を、潤滑油供給
    サイクル毎にエンジン運転状態に応じて変更可能とする
    ことを特徴とするエンジンの潤滑油供給装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項3記載のエンジンの潤
    滑油供給装置において、潤滑油供給時間を、潤滑油供給
    サイクル毎に、エンジン運転状態に適合する潤滑油供給
    量が得られる予め定めたデューティ比と、そのときのエ
    ンジン回転数とに応じて変更可能とすることを特徴とす
    るエンジンの潤滑油供給装置。
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