本考案は、差込みフィルム付き網戸に関する。
近年、エネルギー資源の有効利用、及び二酸化炭素の排気制限が行われる等、環境保全対策が進められているが、その一環として、節電対策も重要な役割の一つである。
家庭で使用される電力のうち、夏場のエアコンの消費電力は大きく、節電対策としては、消費電力が大きい夏場のエアコンの使用を抑えるのが望ましい。
夏場のエアコンの使用を抑えた場合の暑さ対策としては、例えば、窓を開けて網戸にして自然の風を利用する方法が考えられるが、窓を開けて網戸にした場合、風が強いと室内にある書類等が風で吹き飛ぶという問題点がある。また、窓を開けることによるプライバシーの侵害にも配慮する必要がある。
そこで、これらの問題点を解決すべく、様々な網戸が提案されている。
例えば、文献1として実開昭61−131497号公報「窓掛け付網戸」が挙げられる。この考案は、窓に取り付ける虫避け網戸の網面にカーテン様部材の四隅等に小鉤状の多数の嵌止突起を表面に持つ嵌着布を固着してなる窓掛けの嵌止突起部を対接させて押圧して止め付けることを特徴とした柔軟なフィルム・シート若しくは硬質な平板から成るカーテン様部材に小さい孔を多数あけた窓掛け付網戸である。
また、窓を開けて網戸にした場合、室内には風の他、紫外線も侵入してくるが、人間が長時間にわたって紫外線にさらされると、皮膚、目、免疫系へ急性もしくは慢性の疾患を引き起こすという問題点もある。
この問題点を解決するものとして、例えば、文献2として実開平1−118089号公報「紫外線防止網戸」が挙げられる。この考案は、アルミサッシの窓枠を組み立て、その中央に紫外線防止用のフィルムを網状にしたものをかぶせた紫外線防止網戸である。
実開昭61−131497号公報
実開平1−118089号公報
しかし、文献1に係る考案によると、網戸の一部を遮蔽する構成であるため、風が強くても室内の書類等が飛ばなくなる利点はあるが、その反面、室内に風が入らなくて暑苦しく、臭気の拡散、若しくは、息苦しさを感ずるおそれが考えられる。
また、文献2に係る考案は、紫外線防止用のフィルムを網状にしたものをアルミサッシの窓枠にかぶせる構成であり、従来の網戸に設置するというものではない。従って、従来の網戸に設置できないという改良点がある。
本考案はかかる問題点に鑑み、次のような差込みフィルム付き網戸を提供する。
請求項1に記載の考案によれば、フィルムに穴を設けていることによって通気性を良くし、自然の風を室内に自由に取り入れられるため、夏場のエアコンの使用を抑えて、消費電力の低減を図ることができる特徴がある。また、シートの穴の数を自由に調節することによって、室内へ入る風の量も自由に調節することができること、また、書類の飛散防止に有効である。さらに、室内への日射の侵入を遮り、室内気温を低く抑える効果がある。また、差込みフィルムと網戸が強固に係止することができる。
請求項1は、縦横框を枠組みした框に網を張設した網戸と、複数の穴が開設されたフィルム、及びこのフィルムの両端に設けた係止部材で構成した差込みフィルムとで構成される差込みフィルム付き網戸において、
前記縦框には、内側の所定の位置に係止孔を設け、
前記係止部材には、側面に係止突起を設け、
前記係止部材に設けた係止突起を、前記縦框の溝に係止するように構成した差込みフィルム付き網戸である。
請求項2に記載の考案によれば、網戸の高さに対して差込みフィルムの位置を調節することができる。
請求項2は、請求項1に記載の差込みフィルム付き網戸であって、
前記係止孔を網戸の高さに対して中位から上に設けたことを特徴とした差込みフィルム付き網戸である。
請求項3に記載の考案によれば、網戸の高さに対して差込みフィルムの位置を調節することができる。
請求項3は、請求項1に記載の差込みフィルム付き網戸であって、
前記係止孔を網戸の高さに対して中位から下に設けたことを特徴とした差込みフィルム付き網戸である。
請求項4に記載の考案によれば、請求項1と同様の目的を達成する他、差込みフィルムと網戸が強固に係止することができる。
請求項4は、縦横框を枠組みした框に網を張設した網戸と、複数の穴が開設されたフィルムとで構成される差込みフィルム付き網戸において、
前記縦横框には、複数の被係止杆、又は被係止穴でなる複数の被係止部を設け、
前記フィルムの周辺には、複数の係止穴、又は係止杆でなる複数の係止部を設け、
前記被係止部と、係止部とを係止することで、前記縦横框に、前記フィルムを係止するように構成した差込みフィルム付き網戸である。
請求項1の考案は、縦横框を枠組みした框に網を張設した網戸と、複数の穴が開設されたフィルム、及びフィルムの両端に設けた係止部材で構成した差込みフィルムとで構成される差込みフィルム付き網戸において、
縦框には、内側の所定の位置に係止孔を設け、
係止部材には、側面に係止突起を設け、
係止部材に設けた係止突起を、縦框の溝に係止するように構成した差込みフィルム付き網戸である。
したがって、請求項1に記載の考案によれば、フィルムに穴を設けていることによって通気性を良くし、自然の風を室内に自由に取り入れられるため、夏場のエアコンの使用を抑えて、消費電力の低減を図ることができる特徴がある。また、シートの穴の数を自由に調節することによって、室内へ入る風の量も自由に調節することができること、また、書類の飛散防止に有効である。さらに、室内への日射の侵入を遮り、室内気温を低く抑える効果がある。また、差込みフィルムと網戸が強固に係止することができる。
請求項2の考案は、請求項1に記載の差込みフィルム付き網戸であって、
係止孔を網戸の高さに対して中位から上に設けたことを特徴とした差込みフィルム付き網戸である。
したがって、請求項2は、網戸の高さに対して差込みフィルムの位置を調節することができる。
請求項3の考案は、請求項1に記載の差込みフィルム付き網戸であって、
係止孔を網戸の高さに対して中位から下に設けたことを特徴とした差込みフィルム付き網戸である。
したがって、請求項3は、網戸の高さに対して差込みフィルムの位置を調節することができる。
請求項4の考案は、縦横框を枠組みした框に網を張設した網戸と、複数の穴が開設されたフィルムとで構成される差込みフィルム付き網戸において、
縦横框には、複数の被係止杆、又は被係止穴でなる複数の被係止部を設け、
フィルムの周辺には、複数の係止穴、又は係止杆でなる複数の係止部を設け、
被係止部と、係止部とを係止することで、縦横框に、フィルムを係止するように構成した差込みフィルム付き網戸である。
したがって、請求項4は、請求項1と同様の目的を達成する他、差込みフィルムと網戸が強固に係止することができる。
フィルムの斜視図
フィルムの断面図
穴あけ冶具の斜視図
一の実施例である、縦框の内側周辺部に取付溝を形成した網戸の斜視図
一の実施例である縦框に、差込みフィルムを差込む途中の状態の要部拡大図
一の実施例である縦框に、差込みフィルムを差込む途中の状態の全体図
一の実施例である縦框に、差込みフィルムの差込みが完了した状態の全体図
縦框の内側周辺部に設けた取付け溝を弾性体で形成し、この取付け溝に、フィルムの周辺に設けたブッシュ材を差し込む途中の状態の図
図8の差し込みが完了した状態の図
フィルムと紫外線吸収フィルムの正面図
フィルムと紫外線吸収フィルムを網戸に設けた状態の図
フィルムと紫外線吸収フィルムを重ね合わせた状態の一部決裁正面図
他の実施例である差込みフィルムの斜視図
図13の差込みフィルムの使用状態を表した図
取付シートをフィルムに設けた例の正面図
取付シートを介して、シートを網戸の四辺の角部に止めた状態の一部決裁した要部拡大図
他の実施例の框とフィルムとの係止関係を示した図
図17の要部拡大図
さらに他の実施例の框とフィルムとの係止関係を示した図
図18の要部拡大図
従来例の網戸の使用状態の図
本考案の網戸の使用状態の図
以下、本考案について説明する。
周知の如く、図示しない、カーテン、ブラインド、シャッタ等の開閉手段は、閉めると、室内には、外気が入りにくいが、プライバシーの保護が図れる。しかし、開ければ、外気が入るが、プランバシーの保護が図れない等の如く、一長一短がある。この開閉手段の中で、ブラインド、シャッタは、風が吹くと不快な音がする場合がある。このような問題点を解決するのが、本考案であり、色付きのもの、又は半透明でなるフィルム1を使用するものである。
このフィルム1は、柔軟で、かつ、薄いものが望ましい。その利点は、網戸A及び/又は框等に対する負担軽減と、取付け及び/又は交換等の容易化、低廉化等に有益である。
そして、また、フィルム1の材質としては様々なものが考えられる。例えば、ポリカーボネート、アクリル、耐候性樹脂等である。その他、塩化ビニリデン、塩化ビニール、又はポリエチレン製等の調理用ラップ等も考えられる。
このフィルム1として、必要不可欠な物性として、例えば、紫外線を反射、若しくは吸収する紫外線防止剤(例えば、酸化チタン)を含有させることが好ましい。例えば、市場のUVカット素材が、汎用性と手当ての容易化、取扱の容易化、低コスト化等の見地から好ましい。
その他として、フィルム1には、芳香剤・虫の忌避剤を含有させることが好ましい。含有される芳香剤としては、例えば、酢酸テルピニル(ラベンダーのような香り)、酢酸ゲラニル(バラの花の香り)酢酸シトロネリル(ローズのような香り)等を挙げることができる。忌避剤としては、蚊、昆虫、害虫、小動物等を寄付けない薬液が望ましい。
尚、例えば、フィルム1等に抗ウィルス性塗料を塗布することによって、室内にウィルスの侵入を防止することもできる。
フィルム1の材質を利用することが、さらに重宝するものであり、例えば、穴1dの数を増やしたい場合は、爪楊枝や、図3で図示した穴あけ冶具4等で開設する(穴1dを開ける)。また、穴1dの大きさを変更することも可能であり、前記穴あけ冶具4を利用する際に便利である。そして、穴1dの数及び/又は大きさ、開設する場所等を調整して、室内へ入り込む風の量を調節することができる。例えば、多数の穴1dが形成されたフィルム1を使用すると、風の入り込む量が多くなる。また、フィルム1の穴1dは、円形が強度的に優れ、破れるおそれがないが、これに限定されず、三角形等の多角形、楕円形又はその他の不定形であってもよい。
この穴1dの向きに関して説明すると、例えば、図2のように、側面視して傾斜したものや、側面視して水平のもの等、様々な向きが考えられる。部屋の状態、人の生活環境とか、間取り、事務所の構造等を考慮して決定する。例えば、図19、図20の如く、事務所等においては、室内の机の上の書類Cを吹き飛ばさないことを考慮し、穴1dを上方に向けて傾斜させるか、又は水平にする等の方法が望ましい。さらに、室内の高い位置にあるカレンダー、メモ等を風でばたつかせないようにするためには、穴1dの位置を下方に向けて傾斜させるか、あるいは、水平にするのが望ましい。
網戸Aの網A1の穴A2と、フィルム1の穴1dを合わせると、多くの風を室内に入れることが可能となる。一方、網戸Aの網A1の穴A2と、フィルム1の穴1dをずらすと、プライバシーの保護が図れることとなる。
このように、網戸Aの網A1の穴A2と、フィルム1の穴1dの位置を適宜選択することによって、室内への風量の調節や、プライバシーの保護を図ることができる。
フィルム1を利用した各実施例を以下に説明する。先ず、図4〜図9にあるように、縦框11の内側周辺部に取付け溝20を形成し、この取付け溝20を弾性体で形成するか、又は弾性シール材(図示せず)を取付け、フィルム1の周辺に設けたブッシュ材21を差込み係止する構造を採用することで、差込みフィルム20を、縦框11に強固かつ弾性的に設置できる特性がある。同様な趣旨で、図13、図14は、フィルム1を、差込みフィルム30とする構造であり、一方のフィルム30bと、他方のフィルム30cの二組の構造である。その一例は、一方のフィルム30bと、他方のフィルム30cには、複数の穴30a1、30a2が開設されるが、この穴30a1、30a2は異質な構造とする。例えば、穴30a1は大きく、穴30a2は小さくするか、又は穴30a1の数を少なく、穴30a2の数を多くする等とする。従って、この異質の穴30a1と、穴30a2を適宜組合せて、風の通過量と、風の方向を自由に選択する。また、この例では、一方のフィルム30bと、他方のフィルム30cを、縦框11の上下方向において、自由な移動を図るために、例えば、一方のフィルム30bと、他方のフィルム30cとを、係止部材31に張装する構造とするとともに、この係止部材31に係止突起32を設ける構造とし、この係止突起32を、縦框11の溝に挿設可能とする。この構造を利用して、この一方のフィルム30bと、他方のフィルム30cとを適宜移動することを特徴とすることで、風の通過量と、風の方向を自由に選択する。また、図示しないが、縦框11の溝を、網戸Aの高さに対して中位から上に設ける構成や、又は網戸Aの高さに対して中位から下に設ける構成とすることによって、差込みフィルム30を好みの位置に設置することができ、前述の特徴を享受できる。
次に、図15、図16の例では、フィルム1に、粘着剤1bを備えた取付シート40を設ける構造であって、この取付シート40を、網戸Aの四辺の角部、又は適所に設けて固定し、フィルム1を取付ける方法である。この方法は、取付けの容易化と同時に、剥離及び交換の容易化を意図する。
そして、図17と図18の一例では、フィルム1の四隅、又は周辺に、係止部、例えば、係止穴5、又は係止杆6を設けるとともに、網戸Aの框11の四隅、又は周辺に、被係止部、例えば、被係止杆8、又は被係止穴7を設ける構成がある。そして、図17では、係止穴5を、被係止杆8に被嵌し、このフィルム1を網戸Aに止着する構造を示している。また、図18では、係止杆6を、被係止穴7に差込み、フィルム1を網戸Aに止着する構造を示している。具体的には、フィルム1の一隅を把持し、この一隅の係止穴5を、網戸Aの框の一隅の被係止杆8に被嵌して係止する。この作業を順次行い、フィルム1を、網戸Aに係止する。或いは、フィルム1の一隅を把持し、この一隅の係止杆6を、網戸Aの框の一隅の被係止穴7に差込み係止する。この作業を順次行い、フィルム1を、網戸Aに係止する。
1 フィルム
1b 粘着剤
1d 穴
4 穴あけ冶具
5 係止穴
6 係止杆
7 被係止穴
8 被係止杆
10 フィルム
11 縦框
11a 支持溝
11b 係止孔
12 横框
15 紫外線吸収フィルム
20 取付け溝
21 ブッシュ材
30 差込みフィルム
30a1 穴
30a2 穴
30b フィルム
30c フィルム
31 係止部材
32 係止突起
35 係止孔
40 取付シート
A 網戸
A1 網
A2 穴
C 書類
本考案は、差込みフィルム付き網戸に関する。
近年、エネルギー資源の有効利用、及び二酸化炭素の排気制限が行われる等、環境保全対策が進められているが、その一環として、節電対策も重要な役割の一つである。
家庭で使用される電力のうち、夏場のエアコンの消費電力は大きく、節電対策としては、消費電力が大きい夏場のエアコンの使用を抑えるのが望ましい。
夏場のエアコンの使用を抑えた場合の暑さ対策としては、例えば、窓を開けて網戸にして自然の風を利用する方法が考えられるが、窓を開けて網戸にした場合、風が強いと室内にある書類等が風で吹き飛ぶという問題点がある。また、窓を開けることによるプライバシーの侵害にも配慮する必要がある。
そこで、これらの問題点を解決すべく、様々な網戸が提案されている。
例えば、文献1として実開昭61−131497号公報「窓掛け付網戸」が挙げられる。この考案は、窓に取り付ける虫避け網戸の網面にカーテン様部材の四隅等に小鉤状の多数の嵌止突起を表面に持つ嵌着布を固着してなる窓掛けの嵌止突起部を対接させて押圧して止め付けることを特徴とした柔軟なフィルム・シート若しくは硬質な平板から成るカーテン様部材に小さい孔を多数あけた窓掛け付網戸である。
また、窓を開けて網戸にした場合、室内には風の他、紫外線も侵入してくるが、人間が長時間にわたって紫外線にさらされると、皮膚、目、免疫系へ急性もしくは慢性の疾患を引き起こすという問題点もある。
この問題点を解決するものとして、例えば、文献2として実開平1−118089号公報「紫外線防止網戸」が挙げられる。この考案は、アルミサッシの窓枠を組み立て、その中央に紫外線防止用のフィルムを網状にしたものをかぶせた紫外線防止網戸である。
実開昭61−131497号公報
実開平1−118089号公報
しかし、文献1に係る考案によると、網戸の一部を遮蔽する構成であるため、風が強くても室内の書類等が飛ばなくなる利点はあるが、その反面、室内に風が入らなくて暑苦しく、臭気の拡散、若しくは、息苦しさを感ずるおそれが考えられる。
また、文献2に係る考案は、紫外線防止用のフィルムを網状にしたものをアルミサッシの窓枠にかぶせる構成であり、従来の網戸に設置するというものではない。従って、従来の網戸に設置できないという改良点がある。
本考案はかかる問題点に鑑み、次のような差込みフィルム付き網戸を提供する。
請求項1に記載の考案によれば、フィルムに穴を設けていることによって通気性を良くし、自然の風を室内に自由に取り入れられるため、夏場のエアコンの使用を抑えて、消費電力の低減を図ることができる特徴がある。また、シートの穴の数を自由に調節することによって、室内へ入る風の量も自由に調節することができること、また、書類の飛散防止に有効である。さらに、室内への日射の侵入を遮り、室内気温を低く抑える効果がある。また、差込みフィルムと網戸が強固に係止することができる。
請求項1は、縦横框を枠組みした框に網を張設した網戸と、複数の穴が開設されたフィルム、及びこのフィルムの周辺の外側に設けた係止部材で構成した差込みフィルムとで構成される差込みフィルム付き網戸において、
前記縦框の内側に溝を設け、
前記係止部材の側面に係止突起をそれぞれ設け、
前記各係止部材に設けた係止突起を、前記縦框の各溝にそれぞれ係止するように構成した差込みフィルム付き網戸である。
請求項2に記載の考案によれば、網戸の高さに対して差込みフィルムの位置を調節することができる。
請求項2は、請求項1に記載の差込みフィルム付き網戸であって、
前記係止孔を網戸の高さに対して中位から上に設けたことを特徴とした差込みフィルム付き網戸である。
請求項3に記載の考案によれば、網戸の高さに対して差込みフィルムの位置を調節することができる。
請求項3は、請求項1に記載の差込みフィルム付き網戸であって、
前記係止孔を網戸の高さに対して中位から下に設けたことを特徴とした差込みフィルム付き網戸である。
請求項4に記載の考案によれば、請求項1と同様の目的を達成する他、差込みフィルムと網戸が強固に係止することができる。
請求項4は、縦横框を枠組みした框に網を張設した網戸と、複数の穴が開設されたフィルム、及びこのフィルムの周辺に設けたブッシュ材とで構成される差込みフィルム付き網戸において、
前記縦框には、複数の被係止杆、又は被係止穴でなる複数の被係止部を設け、
前記ブッシュ材には、複数の係止穴、又は係止杆でなる複数の係止部を設け、
前記各被係止部と、各係止部とをそれぞれ係止することで、前記縦框に、前記差込みフィルムを係止するように構成した差込みフィルム付き網戸である。
請求項1の考案は、縦横框を枠組みした框に網を張設した網戸と、複数の穴が開設されたフィルム、及びフィルムの周辺の外側に設けた係止部材で構成した差込みフィルムとで構成される差込みフィルム付き網戸において、
縦框の内側に溝を設け、
係止部材の側面に係止突起をそれぞれ設け、
各係止部材に設けた係止突起を、縦框の各溝にそれぞれ係止するように構成した差込みフィルム付き網戸である。
したがって、請求項1に記載の考案によれば、フィルムに穴を設けていることによって通気性を良くし、自然の風を室内に自由に取り入れられるため、夏場のエアコンの使用を抑えて、消費電力の低減を図ることができる特徴がある。また、シートの穴の数を自由に調節することによって、室内へ入る風の量も自由に調節することができること、また、書類の飛散防止に有効である。さらに、室内への日射の侵入を遮り、室内気温を低く抑える効果がある。また、差込みフィルムと網戸が強固に係止することができる。
請求項2の考案は、請求項1に記載の差込みフィルム付き網戸であって、
係止孔を網戸の高さに対して中位から上に設けたことを特徴とした差込みフィルム付き網戸である。
したがって、請求項2は、網戸の高さに対して差込みフィルムの位置を調節することができる。
請求項3の考案は、請求項1に記載の差込みフィルム付き網戸であって、
係止孔を網戸の高さに対して中位から下に設けたことを特徴とした差込みフィルム付き網戸である。
したがって、請求項3は、網戸の高さに対して差込みフィルムの位置を調節することができる。
請求項4の考案は、縦横框を枠組みした框に網を張設した網戸と、複数の穴が開設されたフィルム、及びフィルムの周辺に設けたブッシュ材とで構成される差込みフィルム付き網戸において、
縦框には、複数の被係止杆、又は被係止穴でなる複数の被係止部を設け、
ブッシュ材には、複数の係止穴、又は係止杆でなる複数の係止部を設け、
各被係止部と、各係止部とをそれぞれ係止することで、縦框に、差込みフィルムを係止するように構成した差込みフィルム付き網戸である。
したがって、請求項4は、請求項1と同様の目的を達成する他、差込みフィルムと網戸が強固に係止することができる。
フィルムの斜視図
フィルムの断面図
穴あけ冶具の斜視図
一の実施例である、縦框の内側周辺部に取付溝を形成した網戸の斜視図
一の実施例である縦框に、差込みフィルムを差込む途中の状態の要部拡大図
一の実施例である縦框に、差込みフィルムを差込む途中の状態の全体図
一の実施例である縦框に、差込みフィルムの差込みが完了した状態の全体図
縦框の内側周辺部に設けた取付け溝を弾性体で形成し、この取付け溝に、フィルムの周辺に設けたブッシュ材を差し込む途中の状態の図
図8の差し込みが完了した状態の図
フィルムと紫外線吸収フィルムの正面図
フィルムと紫外線吸収フィルムを網戸に設けた状態の図
フィルムと紫外線吸収フィルムを重ね合わせた状態の一部決裁正面図
他の実施例である差込みフィルムの斜視図
図13の差込みフィルムの使用状態を表した図
取付シートをフィルムに設けた例の正面図
取付シートを介して、シートを網戸の四辺の角部に止めた状態の一部決裁した要部拡大図
他の実施例の框とフィルムとの係止関係を示した図
図17の要部拡大図
さらに他の実施例の框とフィルムとの係止関係を示した図
図18の要部拡大図
従来例の網戸の使用状態の図
本考案の網戸の使用状態の図
以下、本考案について説明する。
周知の如く、図示しない、カーテン、ブラインド、シャッタ等の開閉手段は、閉めると、室内には、外気が入りにくいが、プライバシーの保護が図れる。しかし、開ければ、外気が入るが、プランバシーの保護が図れない等の如く、一長一短がある。この開閉手段の中で、ブラインド、シャッタは、風が吹くと不快な音がする場合がある。このような問題点を解決するのが、本考案であり、色付きのもの、又は半透明でなるフィルム1を使用するものである。
このフィルム1は、柔軟で、かつ、薄いものが望ましい。その利点は、網戸A及び/又は框等に対する負担軽減と、取付け及び/又は交換等の容易化、低廉化等に有益である。
そして、また、フィルム1の材質としては様々なものが考えられる。例えば、ポリカーボネート、アクリル、耐候性樹脂等である。その他、塩化ビニリデン、塩化ビニール、又はポリエチレン製等の調理用ラップ等も考えられる。
このフィルム1として、必要不可欠な物性として、例えば、紫外線を反射、若しくは吸収する紫外線防止剤(例えば、酸化チタン)を含有させることが好ましい。例えば、市場のUVカット素材が、汎用性と手当ての容易化、取扱の容易化、低コスト化等の見地から好ましい。
その他として、フィルム1には、芳香剤・虫の忌避剤を含有させることが好ましい。含有される芳香剤としては、例えば、酢酸テルピニル(ラベンダーのような香り)、酢酸ゲラニル(バラの花の香り)酢酸シトロネリル(ローズのような香り)等を挙げることができる。忌避剤としては、蚊、昆虫、害虫、小動物等を寄付けない薬液が望ましい。
尚、例えば、フィルム1等に抗ウィルス性塗料を塗布することによって、室内にウィルスの侵入を防止することもできる。
フィルム1の材質を利用することが、さらに重宝するものであり、例えば、穴1dの数を増やしたい場合は、爪楊枝や、図3で図示した穴あけ冶具4等で開設する(穴1dを開ける)。また、穴1dの大きさを変更することも可能であり、前記穴あけ冶具4を利用する際に便利である。そして、穴1dの数及び/又は大きさ、開設する場所等を調整して、室内へ入り込む風の量を調節することができる。例えば、多数の穴1dが形成されたフィルム1を使用すると、風の入り込む量が多くなる。また、フィルム1の穴1dは、円形が強度的に優れ、破れるおそれがないが、これに限定されず、三角形等の多角形、楕円形又はその他の不定形であってもよい。
この穴1dの向きに関して説明すると、例えば、図2のように、側面視して傾斜したものや、側面視して水平のもの等、様々な向きが考えられる。部屋の状態、人の生活環境とか、間取り、事務所の構造等を考慮して決定する。例えば、図19、図20の如く、事務所等においては、室内の机の上の書類Cを吹き飛ばさないことを考慮し、穴1dを上方に向けて傾斜させるか、又は水平にする等の方法が望ましい。さらに、室内の高い位置にあるカレンダー、メモ等を風でばたつかせないようにするためには、穴1dの位置を下方に向けて傾斜させるか、あるいは、水平にするのが望ましい。
網戸Aの網A1の穴A2と、フィルム1の穴1dを合わせると、多くの風を室内に入れることが可能となる。一方、網戸Aの網A1の穴A2と、フィルム1の穴1dをずらすと、プライバシーの保護が図れることとなる。
このように、網戸Aの網A1の穴A2と、フィルム1の穴1dの位置を適宜選択することによって、室内への風量の調節や、プライバシーの保護を図ることができる。
フィルム1を利用した各実施例を以下に説明する。先ず、図4〜図9にあるように、縦框11の内側周辺部に取付け溝20を形成し、この取付け溝20を弾性体で形成するか、又は弾性シール材(図示せず)を取付け、フィルム1の周辺に設けたブッシュ材21を差込み係止する構造を採用することで、差込みフィルム30を、縦框11に強固かつ弾性的に設置できる特性がある。同様な趣旨で、図13、図14は、フィルム1を、差込みフィルム30とする構造であり、一方のフィルム30bと、他方のフィルム30cの二組の構造である。その一例は、一方のフィルム30bと、他方のフィルム30cには、複数の穴30a1、30a2が開設されるが、この穴30a1、30a2は異質な構造とする。例えば、穴30a1は大きく、穴30a2は小さくするか、又は穴30a1の数を少なく、穴30a2の数を多くする等とする。従って、この異質の穴30a1と、穴30a2を適宜組合せて、風の通過量と、風の方向を自由に選択する。また、この例では、一方のフィルム30bと、他方のフィルム30cを、縦框11の上下方向において、自由な移動を図るために、例えば、一方のフィルム30bと、他方のフィルム30cとを、係止部材31に張装する構造とするとともに、この係止部材31に係止突起32を設ける構造とし、この係止突起32を、縦框11の溝に挿設可能とする。この構造を利用して、この一方のフィルム30bと、他方のフィルム30cとを適宜移動することを特徴とすることで、風の通過量と、風の方向を自由に選択する。また、図示しないが、縦框11の溝を、網戸Aの高さに対して中位から上に設ける構成や、又は網戸Aの高さに対して中位から下に設ける構成とすることによって、差込みフィルム30を好みの位置に設置することができ、前述の特徴を享受できる。
次に、図15、図16の例では、フィルム1に、粘着剤1bを備えた取付シート40を設ける構造であって、この取付シート40を、網戸Aの四辺の角部、又は適所に設けて固定し、フィルム1を取付ける方法である。この方法は、取付けの容易化と同時に、剥離及び交換の容易化を意図する。
そして、図17と図18の一例では、フィルム1の四隅、又は周辺に、係止部、例えば、係止穴5、又は係止杆6を設けるとともに、網戸Aの框11の四隅、又は周辺に、被係止部、例えば、被係止杆8、又は被係止穴7を設ける構成がある。そして、図17では、係止穴5を、被係止杆8に被嵌し、このフィルム1を網戸Aに止着する構造を示している。また、図18では、係止杆6を、被係止穴7に差込み、フィルム1を網戸Aに止着する構造を示している。具体的には、フィルム1の一隅を把持し、この一隅の係止穴5を、網戸Aの框の一隅の被係止杆8に被嵌して係止する。この作業を順次行い、フィルム1を、網戸Aに係止する。或いは、フィルム1の一隅を把持し、この一隅の係止杆6を、網戸Aの框の一隅の被係止穴7に差込み係止する。この作業を順次行い、フィルム1を、網戸Aに係止する。
1 フィルム
1b 粘着剤
1d 穴
4 穴あけ冶具
5 係止穴
6 係止杆
7 被係止穴
8 被係止杆
10 フィルム
11 縦框
11a 支持溝
11b 係止孔
12 横框
15 紫外線吸収フィルム
20 取付け溝
21 ブッシュ材
30 差込みフィルム
30a1 穴
30a2 穴
30b フィルム
30c フィルム
31 係止部材
32 係止突起
35 係止孔
40 取付シート
A 網戸
A1 網
A2 穴
C 書類