JP3171767B2 - 衝突予知システム - Google Patents

衝突予知システム

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JP3171767B2
JP3171767B2 JP08496995A JP8496995A JP3171767B2 JP 3171767 B2 JP3171767 B2 JP 3171767B2 JP 08496995 A JP08496995 A JP 08496995A JP 8496995 A JP8496995 A JP 8496995A JP 3171767 B2 JP3171767 B2 JP 3171767B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の衝突予知シス
テムに係わり、特に超音波のドップラー効果を用いて求
めた障害物との相対速度に基づきその衝突を予知するも
のに関する。
【0002】
【従来の技術】超音波のドップラー波(ドップラー効果
により周波数がシフトした波)を用いた速度計測方法
は、従来よりよく知られており、つぎのような分野に使
用されている。例えば、道路上方に固定し車両の通行
量、速度のモニタを行う(特公平5−22190)、
車両下部に固定し、自車速度を測定する(特開平2−1
16775)、船に取り付け、自船の速度や潮流の流
速を検知する(特開平3−216578)等がある。そ
して、その速度計測の信号処理方法は主につぎのように
分類される。すなわち、一定時間内に計数されるドッ
プラー波数に基づき速度計算を行う方法(定時法)、
一定のドップラー波数を計数するために要する時間から
速度計算を行う方法(定波法)、送信波と受信波のう
なりの周波数に基づき速度計算を行う方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のドッ
プラー波を用いた速度計測方法を衝突予知システムに適
用する場合は、つぎのような特質を考慮する必要があ
る。すなわち、衝突予知システムでは障害物との相対速
度を測定するため、障害物が自車に接近してくる対向車
の場合を想定し、相対速度の測定範囲を0〜200km
/h程度に設定しておく必要がある。また、乗員保護装
置の作動要否の判断に使用されることを想定し、かつ衝
突までは短時間であるため高速応答性が要求され(10
ms程度のサンプリング周期での測定が必要)、かつ高
精度、高信頼性が要求される。また、広範囲なエリアの
障害物を検知するため超音波が適している。このような
特質を考慮すると、特に高速応答性の観点から上述の速
度計測方法では定時法、うなりによる方法は測定に比較
的時間を要するため適さず、時間を要しない定波法が適
する。
【0004】しかしながら、定波法にはつぎのような問
題がある。すなわち、定波法は図5(a)に示すよう
に、超音波素子で受信され電圧値に変換されたドップラ
ー波32を(ある電圧の)基準値31を設けてコンパレ
ータでデジタル化(33)し、このデジタル化した波形
の所定の波数(図示例では2つ)を計数するための時間
tを求め、この時間tから速度を算出するものである。
前記基準値31はノイズを除去するためのものである。
しかしながら、図5(b)に示すように、受信波34に
基準値31を越えるノイズ35が含まれている場合は、
このノイズが1つの波としてカウント(誤カウント)さ
れるため前記計数時間taが小さくなる。ドップラー波
は対象物との相対速度が大きくなるほど周期が短くなる
ので、この誤カウントにより相対速度が実際の相対速度
より大きめに算出される。また、衝突予知システムで
は、対象物が電柱のように小さい場合や、形状、材料が
種々あり、反射波(ドップラー波)の強度が低い時があ
る。また、測定速度範囲が広いため受信器(超音波素
子)の感度が低い周波数領域で使う場合がある。このた
め、図5(c)に示すように、受信波37の中のある波
37aが基準値31に達せず、カウントされない(カウ
ント漏れ)場合(37a′)がある。このような場合
は、前記計数時間tbが大きくなり、相対速度が実際の
相対速度より小さめに算出される。このように、定波法
を衝突予知システムにそのまま適用すると、誤カウント
やカウント漏れが生じ相対速度が誤って算出されるとい
う問題点があった。
【0005】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、高速応答性を有し、且つ誤カウントやカウント
漏れを防止して高信頼性、高精度な衝突予知システムを
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明における衝突予知システムは、超音波を用い
て車両の周囲の障害物を検知するとともに、該障害物か
ら反射されるドップラー波の所定個数の波を受信するの
に要する時間から障害物との相対速度を算出し、この相
対速度に基づき前記障害物との衝突を予知する衝突予知
システムにおいて、前記のドップラー波の受信から前記
相対速度算出までの過程において、該相対速度算出の基
礎となるデータ全体についての第1の平均値を求める第
1の平均手段と、この第1の平均値に基づき上下のしき
い値を設定するしきい値設定手段と、この上下のしきい
値外のデータを排除した残りのデータについて第2の平
均値を求める第2の平均手段とを有してなるものであ
る。
【0007】また、前記しきい値設定手段は、音速と、
前記相対速度に対し予め設定された検出範囲と、前記の
ドップラー波の所定個数とに基づき前記の上下のしきい
値を設定するものとすることができる。
【0008】また、前記障害物の検知は、車両の極近傍
の所定範囲内を行うものとすることができる。
【0009】また、前記第2の平均値を前回算出した第
2の平均値と比較し、両者の差が所定値内のときにのみ
前記第2の平均値を有効とする判別手段を備えてなるも
のとすることができる。
【0010】
【作用】上記構成によれば、定波法により相対速度を算
出するので高速応答性を有する。そして、相対速度算出
の基礎となるデータ全体について、まず第1の平均値を
求め、この第1の平均値に基づき上下のしきい値を設定
し、この上下のしきい値外のデータを排除するので、し
きい値を適宜選択することにより、誤カウントやカウン
ト漏れに基づく誤ったデータが排除される。そして、こ
の誤ったデータを排除した残りのデータについて第2の
平均値を求め、このデータを基礎として相対速度を算出
するので正しい相対速度を得ることができる。
【0011】また、相対速度をドップラー波の所定個数
を受信するのに要する時間から算出するので、波数をカ
ウントミス(誤カウントやカウント漏れ)すると、その
検出される時間は不連続に変化する。このため、このカ
ウントミスによる誤ったデータを含む時間データの全
体、及びこの時間データに基づき算出される相対速度の
全体は離散分布に近い分布となる。そして、この分布間
の相対速度差の絶対値の最小値は、後述する式及び
式に示すように、音速、設定された相対速度の検出範囲
(以下想定相対速度範囲という)、及びドップラー波の
所定個数(以下検出波数という)に依存する。そこで、
音速と、想定相対速度範囲と、検出波数とに基づき上下
のしきい値を設定するものとすると、誤ったデータを適
切に排除して、正しいデータについての平均値を容易に
得ることができる。
【0012】また、障害物の検知は、車両の極近傍の所
定範囲内を行うものとすると、衝突不可避を予知するこ
とができる。この場合において、上記の如く、高応答
性、高信頼性、高精度を備えるので最適な衝突予知シス
テムとなる。
【0013】また、第2の平均値を前回算出した第2の
平均値と比較し、両者の差が所定値内のときにのみ前記
第2の平均値を有効とする判別手段を備えてなるものと
すると、実際に衝突していない状態では急ブレーキ等を
考慮してもある時間内での速度変化には限界があり、そ
れを越えるデータは無効とすることにより、さらに高信
頼性のデータが得られる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
つつ説明する。図1は本発明の衝突予知システムの機器
配置を示す上面図、図2は受信以降の構成を示すブロッ
ク図、図3は制御器及び作動制御器の作動を示すグラフ
図、図4は作動制御器の演算処理を示す相対速度分布図
である。
【0015】まず、構成を説明する。図1において、車
両1の前部に送信器2と受信器3とからなる超音波送受
信器が取り付けられている。この超音波送受信器の送受
波は制御器5で制御され、制御器5はCPUからなる作
動制御器6に接続されている。また、制御器5は後述す
る信号処理回路4を内蔵している。この超音波送受信器
2、3、制御器5、作動制御器6が衝突予知システム1
0を構成する。また、車両の前方適所に衝突検知センサ
7が、ハンドルの中央部にエアバッグ装置8がそれぞれ
取り付けられ、作動制御器6に接続されており、作動制
御器6は制御器5と衝突検知センサ7からの信号を受け
てこのエアバッグ装置8を作動させるようになってい
る。
【0016】つぎに、つぎに反射波(ドップラー波)の
受信以降の回路構成を説明する。図2において、受信器
3で障害物からの反射波を受信し、信号処理回路4で増
幅、デジタル化等の信号処理を行う。作動制御器6で
は、速度算出手段11でこのデジタル化された信号から
障害物とのm個の相対速度Vi(i=1〜m)を算出
し、想定速度範囲外のデータを排除し残ったデータにつ
いて第1の平均手段12で第1の平均値Vaを算出す
る。しきい値設定手段13でこの平均値Vaに基づきし
きい値Va±xを設定し、m個の相対速度Viから前記
しきい値Va±x外のデータを除いた残りのデータにつ
いて、第2の平均手段14で第2の平均値Va′を算出
する。この相対速度の平均値Va′が所定値以上の場合
にはエアバッグを展開すべきと判断し、その場合には衝
撃検知センサから衝撃検知信号が入力されると、エアバ
ッグを作動させる。衝撃検知センサは、衝突が予知され
た場合でも実際には衝突しない場合(例えば対向車との
極至近距離でのすれ違いなど)の誤動作を防ぐ役割を担
い、また強力なノイズなどによる障害物の誤検知などの
場合の誤動作を防ぐ役割を持つ。
【0017】つぎに、上述の制御器5及び作動制御器6
の作動を図1〜図4により説明する。図1、図3
(a)、図3(b)において、制御器5は、送信器2か
ら周波数f0 =40kHzの超音波aを10ms毎に3
msの間送信し、受信器3では、周期10ms内の時刻
7msの経過後時刻10msまでの反射波bを受信する
ように受信ゲート21(受信許可信号)が設定されてい
る。その結果、図1に示されるように、送信波aとその
反射波bの伝わる空間の経路長が、音速が10ms間に
伝わる距離よりも短い範囲内が検知範囲Xになる。すな
わち、この範囲Xは送信器2と受信器3とを焦点とする
楕円内であって、車両1の中央部前方約1メートルの範
囲となる。この範囲Xに障害物9が存在すると反射波b
が検知され、検知範囲X内に障害物があると判断され
る。この場合、車両の中央部前方1メートルであるか
ら、衝突不可避な障害物の有無だけが確実に検出され
る。
【0018】つぎに、受信された反射波22の周波数
は、自車1と障害物9との相対速度Vに基づくドップラ
ー効果を受け、f=f0 ×(c+V)/(c−V)の計
算式で近似される周波数fにシフトした状態で検出され
る。ここで、cは音速である。そして、信号処理回路4
において、この受信波22は図3(c)〜(e)に示さ
れるように、信号処理回路でフィルタにより雑音が排除
された後に増幅され、所定の基準値31を用いてコンパ
レータでデジタル化(23)される。
【0019】つぎに、作動制御器6では、速度算出手段
11において、タイマーが時間測定を行っており、図3
(f)に示されるように、前記信号24のn波(n=3
〜10が適当、図示例ではn=5)分(n回立ち上がり
を捉えるまで)をカウントするのに要した時間ti(t
1〜tm)を測定する。
【0020】つぎに、この時間tiにより受信波の周波
数f=n/tiが計算され、これにより相対速度Viが
計算される。すなわち、n=5の場合、 f=5/ti ここで、f0 ;送信周波数、v1;自車速度、v2;障
害物速度、c;音速、f;受信周波数とし、v1及びv
2は接近する方向を正とすると、ドップラー効果の式
は、 f=f0 ×(c+v2)/(c−v1)×(c+v1)/(c−v2) =f0 ×(c2 +(v1+v2)c+v1・v2)/(c2 −(v1+v2 )c+v1・v2)となる。 ここで、c2 >>v1・v2として、 f≒f0 ×(c+(v1+v2))/(c+(v1+v2))、 v1+v2=V(相対速度)とおくと、 f=f0 ×(c+V)/(c+V)、 変形すると、V=(f−f0 )/(f+f0 )×cとな
る。この式よりそのタイミングにおける速度Viが算出
される。
【0021】つぎに、第1の平均手段12において、あ
る一定時間(本例では3ms)内に得られたm個の相対
速度データV1、V2、・・・Vmから想定相対速度範
囲(0〜200km/h)から外れるデータを除外して
1回目の平均処理を行う。この1回目の平均処理を行っ
た相対速度データには誤カウントやカウント漏れを含む
データにより得られた誤った相対速度値も含まれてい
る。なお、この相対速度データ数は、本例ではm=10
〜20である。
【0022】この処理を詳説する。図4(a)におい
て、相対速度Viは、上記のカウント時間tiから算出
するので、n=5であれば、1波の誤カウントでは前記
時間tiは4/5、1波のカウント漏れでは6/5と不
連続に変化するため、この時間データ及びこの時間デー
タに基づき算出された相対速度V全体の分布は図示する
ように、正しい値の分布26を中心に、その上下に誤カ
ウント1波及び2波の分布27、28、カウント漏れ1
波及び2波の分布29、30が間をおいて分布する離散
分布に近い分布となる。この分布は、音速c、想定相対
速度範囲、及び検出波数nに基き計算により導くことが
できる。この具体的な計算方法を以下に説明する。上述
の記号を用いると、正常にカウントされた結果に基づき
算出される相対速度Vは、V=(f−f0 )/(f+f
0 )×cで計算される。一方、1個の波を誤カウントし
た結果により計算される速度V+1、及び1個の波をカウ
ント漏れした結果により計算される相対速度V-1は、そ
れぞれ下記の式で表される。
【0023】
【数1】 また、fとf0 との間にはドップラー効果により下記の
式が導かれる。 f=(c+V)/(c−V)×f0 、 以上の式から、各分布間の間隔を求めると、1個の誤カ
ウントにより算出される相対速度V+1と正常なカウント
により算出される相対速度Vとの差ΔV+1、及び1個の
カウント漏れにより算出される相対速度V-1と正常なカ
ウントにより算出される相対速度Vとの差ΔV-1は下記
の式で表される。
【0024】
【数2】 すなわち、ΔV+1及びΔV-1の絶対値は、想定相対速度
範囲及び波数nに依存し、想定相対速度範囲が0〜20
0km/h、波数n=5の場合にはV=200km/h
の時最小となり、これら最小値はそれぞれ式及び式
より約130km/h及び約110km/hとなる。従
って、1波の誤カウントでは正しいデータに基づき算出
された値より約130km/h以上高い値を示し、逆に
1波のカウント漏れでは110km/h以上低い値を示
す。
【0025】従って、相対速度範囲0〜200km/h
の想定条件を満足しないデータを排除すると、残るデー
タは正しいデータと1波の誤カウントの場合(図4
(b)に相対速度50km/hの場合を例示する)と、
正しいデータと1波のカウント漏れの場合(図4(c)
に150km/hの場合を例示する)に限られる。そこ
で、上記の第1の平均値Vaを求めるとこの第1の平均
値Vaは、図4(b)又は図4(c)にそれぞれ示すよ
うに正しいデータに基づき算出された分布26と、誤カ
ウントに基づき算出された分布27又はカウント漏れに
基づき算出された分布29との間であって、正しいデー
タに基づき算出された分布26に近い値となる。
【0026】つぎに、図4(a)〜図4(c)におい
て、しきい値設定手段13では、この第1の平均値Va
の上下にxkm/hのしきい値が設定される。このしき
い値の設定は以下のように行われる。すなわち、不要な
データの分布を確実に排除するには分布間の相対速度差
が最小の場合の値に基づき設定することが必要なので、
上述のΔV+1とΔV-1の取りうる値の最小値を求める必
要がある。ΔV+1とΔV-1の絶対値の最小値は、上述の
ようにV=200km/hの時、ΔV-1が最小となり、
その値は約110km/hとなる。従って、しきい値の
幅を110km/h以下にすればしきい値内に2つ以上
の分布が含まれることはなく、不要なデータを確実に排
除できる。実際には1回目の平均値に対して上記値の半
分以下となるような値、即ち55km/h以下、好まし
くは30〜50km程度に設定される。なお、音速cは
温度に依存するため、使用温度範囲が広い場合は温度セ
ンサ等を用いて補正をかけることが望ましい。
【0027】つぎに、この上下のしきい値Va±xの範
囲内から外れるデータが排除される。すると図から判る
ように、容易に誤カウントの分布27又はカウント漏れ
の分布29を排除して、正しい値の分布26のデータの
み残すことができる。そして、最後に第2の平均手段1
4において、この残りのデータについて第2の平均値V
a′を求める。すると、誤カウントやカウント漏れした
データの影響を受けない高精度な相対速度が容易に得ら
れる。
【0028】そして、作動回路15において、この相対
速度Va′に基づき、衝突が起こった場合の衝撃の度合
いが予測され、エアバッグの作動の要否及び作動させる
場合は実際の衝突後の作動タイミングが決定される。な
お、実際の衝突の検知は衝撃検知センサによる。
【0029】なお、上述の実施例では、検出波数n=5
の場合を説明したが、他の検出波数の場合でも、波数n
が大きくなる程、しきい値の全幅±xが小さくなるもの
の、同様に本発明を適用することができる。
【0030】また、上述の実施例では、10msのサイ
クルで送信→受信→相対速度計算を繰り返しているが、
当該第2の平均値を前回算出した第2の平均値と比較
し、両者の差が所定値内のときにのみ当該第2の平均値
を有効とする判別手段を図2の作動制御器6に設ける
と、急ブレーキ等を考慮してもある時間内での速度変化
には限界があるので、それを越えるデータは無効とする
ことにより、さらに高信頼性のデータを得ることができ
る。
【0031】また、上述の実施例では、図2において、
受信波の所定の波数をカウントするのに要した時間ti
から一度相対速度Viを求めて、その複数のデータにつ
いて平均以降の処理を行ったが、最初に得られるデータ
である当該時間tiの複数のデータについて平均化以降
の処理を行い、最後に当該時間の平均値を速度に換算し
てもよい。このような構成とすると、計算量が減少し、
処理時間の短縮につながる。
【0032】また、上述の実施例では、前方衝突の予知
に本発明を適用する場合を説明したが、側方衝突、後方
衝突、斜め衝突に対しても本発明を同様に適用すること
ができる。なお、側方衝突の場合は一般に衝突してから
エアバッグを作動させるまでの時間が前方衝突の場合に
較べて短い。従って本方式のように衝突を事前に予知可
能な方式は極めて有効である。
【0033】
【発明の効果】本発明の衝突予知システムは上述のよう
に、ドップラー波の受信から前記相対速度算出までの過
程において、該相対速度算出の基礎となるデータ全体に
ついての第1の平均値を求める第1の平均手段と、この
第1の平均値に基づき上下のしきい値を設定するしきい
値設定手段と、この上下のしきい値外のデータを排除し
た残りのデータについて第2の平均値を求める第2の平
均手段とを有してなるものであるので、自動車の衝突予
知において重要な高速応答性を有しつつ、誤カウントや
カウント漏れを防止することができる。
【0034】特に、しきい値設定手段を、音速と、想定
相対速度範囲と、検出波数とに基づき前記の上下のしき
い値を設定するものとすると、誤カウントやカウント漏
れによる誤ったデータに基づき算出される、相対速度全
体の分布間の差の絶対値の最小値は、音速、想定相対速
度範囲、及び検出波数に依存するので、誤ったデータを
適切に排除することができ、より高信頼性、高精度な衝
突予知システムを提供することができる。
【0035】また、障害物の検知は、車両の極近傍の所
定範囲内を行うものとすると、高応答性、高信頼性、高
精度を備え、且つ衝突不可避を予知可能な最適な衝突予
知システムとなる。
【0036】また、第2の平均値を前回算出した第2の
平均値と比較し、両者の差が所定値内のときにのみ前記
第2の平均値を有効とする判別手段を備えてなるものと
すると、さらに高信頼性の衝突予知システムとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の衝突予知システムの機器配置を示す上
面図である。
【図2】受信以降の構成を示すブロック図である。
【図3】制御器及び作動制御器の作動を示すグラフ図で
ある。
【図4】作動制御器の演算処理を示す相対速度分布図で
ある。
【図5】従来の定波法による相対速度算出方法を示すグ
ラフ図である。
【符号の説明】
Vi 相対速度 X 検知範囲 1 車両 9 障害物 10 衝突予知システム 12 第1の平均手段 13 しきい値設定手段 14 第2の平均手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下田 敏章 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所 神戸総合技術研 究所内 (56)参考文献 特開 平5−172943(JP,A) 特開 昭60−50470(JP,A) 特開 平3−216578(JP,A) 特公 平5−22190(JP,B2) 特公 昭62−13632(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/64 G01S 15/00 - 15/96 G01S 13/00 - 13/95

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波を用いて車両(1)の周囲の障害
    物(9)を検知するとともに、該障害物(9)から反射
    されるドップラー波の所定個数の波を受信するのに要す
    る時間から障害物(9)との相対速度(Vi)を算出
    し、この相対速度(Vi)に基づき前記障害物(9)と
    の衝突を予知する衝突予知システム(10)において、 前記のドップラー波の受信から前記相対速度(Vi)算
    出までの過程において、該相対速度(Vi)算出の基礎
    となるデータ全体についての第1の平均値を求める第1
    の平均手段(12)と、この第1の平均値に基づき上下
    のしきい値を設定するしきい値設定手段(13)と、こ
    の上下のしきい値外のデータを排除した残りのデータに
    ついて第2の平均値を求める第2の平均手段(14)と
    を有してなることを特徴とする衝突予知システム。
  2. 【請求項2】 前記しきい値設定手段(13)は、音速
    と、前記相対速度(Vi)に対し予め設定された検出範
    囲と、前記のドップラー波の所定個数とに基づき前記の
    上下のしきい値を設定するものである請求項1に記載の
    衝突予知システム。
  3. 【請求項3】 前記障害物の検知は、車両(1)の極近
    傍の所定範囲(X)内を行うものである請求項1又は2
    に記載の衝突予知システム。
  4. 【請求項4】 前記第2の平均値を前回算出した第2の
    平均値と比較し、両者の差が所定値内のときにのみ前記
    第2の平均値を有効とする判別手段を備えてなる請求項
    1又は3に記載の衝突予知システム。
JP08496995A 1995-03-15 1995-03-15 衝突予知システム Expired - Lifetime JP3171767B2 (ja)

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