JP3170958U - 照明装置 - Google Patents
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Abstract
主照明部となる第1の照明部と、スポットランプとしての副照明となる第2の照明部とを備えつつ、各光源用のスペースを小さくして薄型でコンパクトな構成にするとともに、点灯時にもムラなく見栄えの良い照明装置を提供する。【解決手段】 この照明装置30は、開口部を有するハウジング51内に収容された平面型放電管10と、その開口部を塞ぐとともに、平面型放電管10の表面となる発光面12a1側に対向する透光性のレンズ55を備えたグローブ54と、平面型放電管10の裏面12b1側に配置されたのLED58,58と、ハウジング51の内部52に設けられ、平面型放電管10およびLED58,58に電線を介して接続された回路ユニット59と、から構成されている。LED58から照射された光は、平面型放電管10の非発光領域を透過しレンズを介して外部に照射される。【選択図】図1
Description
本考案は、照明装置に関し、詳しくは、乗用車、ワンボックスカー、バス、トラック等の車両内用の照明装置に関する。
従来、自動車室内用の照明装置として、電球や、小型の蛍光灯、冷陰極管を搭載したルームランプが使用されているが、これに加えて、特定の領域をスポット的に照明することに利用されるランプ(以下、「スポットランプ」という)が用いられるようになってきている。スポットランプは、例えば、運転者あるいは乗員の手元を照明することで、地図等を参照する際の明かりを提供することに利用される。ルームランプには比較的広い範囲を照明できることが必要とされる一方で、スポットランプには限られた領域のみを照明できることが要望されている。
このようにルームランプとスポットランプでは求められる照明範囲が異なることから、例えば、特許文献1に開示されているように、一つの光源によって照明範囲の異なる二種類の照明光を得ることが可能な車両用照明装置が提案されている。この照明装置では、第1の状態のときには光源の光をレンズによって集光してスポットライト的照明光を得るとともに、第2の状態の時には反射鏡を利用するなどして光源の光を、光源の背後に設置された導光板に導いて間接照明光を得ている。
また、その他の従来例として、ルームランプ用の光源とスポットランプ用の光源とをそれぞれ用意し、そしてレンズを用いるなどして各ランプの照明範囲を個別に制御しているものもある。即ち、例えば、図8に示すように、車両内を広く照らすための主照明部となる第1の照明部(レンズ55のうち、55aに相当する部分から光が照射される照明部)と、スポットランプのように書籍や地図など、文字等を確認するための副照明となる第2の照明部(レンズ55のうち、55bに相当する部分から光が照射される照明部)とから形成されている。
第1の照明部の光源としては、いわゆる電球色等の比較的淡い光を照射する電球57を用い、第2の照明部の光源としては、高輝度LED58,58が用いられる。これらの光源は、照明装置50のケース56内に設置され、各々の光源の上側は、ケースを覆うようにして設置された透光性のレンズ55によって覆われている。なお、図8(a)は、前記照明装置の平面図であり、図8(b)は、そのA−A断面図である。また、各光源に接続される配線は省略されており、ランプを点灯するための電源基板等を構成する点灯装置は、同照明装置とは別体とされている。
前述のように、ルームランプとスポットランプとにより、別々の光源を用いて照明装置を構成した場合には、各光源用のスペースをそれぞれ確保する必要があり、結果として照明装置のサイズが大型化してしまう。また、光源数が増大することに伴い、装置全体の構成も複雑化する。さらに、各光源用の配線が必要となることから照明装置を設置する際の配線数が増加し、照明装置の設置時における作業性の低下を引き起こす。
また、特に図8に示した照明装置では、電球57から照射された光は、図8(a)に示す円55a1の内部においては明るく、その外側に向かって徐々に暗くなっている。同様に、円55b1,55b1の内部においては明るく、その外側に向かって徐々に暗くなっている。光源58はスポットライトとしての照明であるため、円55b1,55b1の外側は、円55a1の外側よりも暗くなっている。つまり、照明装置として、ルームランプとスポットランプとが一体として構成されているものの、照明装置の平面側から見た場合、点灯時には、明るさにムラが見られ、決して見栄えの良いものではなかった。
また、これを解決するために、可能な限りレンズ55(55a、55b,55b)と各光源57,58,58との距離H0,H1,H1を大きくすることによって、明るさの強い一様な部分(円55a1、55b1,55b1から照射される光の部分)を大きくすることが可能である。しかし、その副作用として照明装置の高さHが大きくなり、結果として照明装置の大型化になる(厚みが大きくなる)という欠点があった。
また、電球57から照射される光は淡い電球色であり、高輝度LED58から照射される昼光色とは色が異なっていることも、見栄えを悪くする一つの要因であった。そこで、電球57を昼光色の光を照射する光源に取り替えることも考えられたが、収容するスペースが大型化することや、コスト上昇などの問題があり、容易に設計変更できなかった。
一方、特許文献1に開示される照明装置では一つの光源によって二種類の照明光が得られるものの、照明範囲の広い光として間接光が利用されていることから、例えば車両のルームランプに求められるような十分な照度を得ることができない。また、導光板用のスペースを光源の背後に確保する必要があることから、特に奥行き方向に関して装置の小型化が制限を受ける。従って、車両の天井など、奥行き方向に十分な長さを確保することが困難な場所における照明装置としては適当ではなかった。
そこで、本考案は、車両内を広く照らすための主照明部となる第1の照明部と、スポットランプのように書籍や地図など、文字等を確認するための副照明となる第2の照明部とを備えつつ、各光源用のスペースを小さくして薄型でコンパクトな構成にするとともに、点灯時にもムラなく見栄えの良い照明装置を提供することを目的とする。
本考案のうち、請求項1に記載の照明装置は、
開口部を有するハウジング内に収容された板型光源体と、
前記開口部を塞ぐとともに、前記板型光源体の表面となる発光面側に対向する透光性のレンズを備えたグローブと、
前記板型光源の裏面側に配置された点光源体と、
前記ハウジングの内部または外部に設けられ、前記板型光源体および前記点光源体に電線を介して接続された回路ユニットと、を備え、
前記点光源体が前記板型光源体と対向する該板型光源体の一部分には、該点光源体から照射する光が該板状光源体の裏面側から表面側へ透過する透光領域を有する、ことを特徴とする。
開口部を有するハウジング内に収容された板型光源体と、
前記開口部を塞ぐとともに、前記板型光源体の表面となる発光面側に対向する透光性のレンズを備えたグローブと、
前記板型光源の裏面側に配置された点光源体と、
前記ハウジングの内部または外部に設けられ、前記板型光源体および前記点光源体に電線を介して接続された回路ユニットと、を備え、
前記点光源体が前記板型光源体と対向する該板型光源体の一部分には、該点光源体から照射する光が該板状光源体の裏面側から表面側へ透過する透光領域を有する、ことを特徴とする。
ここで、「板型光源体」とは、板状の光源体であるとともに、周縁を除く表面全体から一様な光を照射することが可能な光源を指す。また、「点光源体」とは、指向性の強い照射光によってスポット的に対象物を照らすことが可能な光源を指す。
本考案によれば、ハウジング内に収容された板型光源体の裏面側に点光源体を配置し、回路ユニットによってこれらの光源を点灯することによって、点光源体から照射される光が、板型光源体の一部分を介して表面側へレンズを介して照射されるので、この照明装置をレンズ側から見た場合には、主照明となる板型光源体から照射される部分と、副照明となる点光源体から照射される部分との空間的な区別が明確に見られず、また、板型光源体によって主照明となる光が一様に照射されることから、ムラなく見栄えの良い照明装置となる。前記板状光源体には、前記点光源体と対向する部分に透光領域を設けることによって、前記点光源体から照射される光が、板状光源体の裏面側から表面側に透過するようになる。
また、回路ユニットが当該照明装置の内部に設けられた場合には、光源と回路ユニットを繋ぐ配線が照明装置の外部に表れないので、照明装置の設置時における作業性が向上するとともに、外部空間へ回路ユニットを取り付けるスペースを設けなくてもよい。
また、請求項2に記載の照明装置は、請求項1に記載の照明装置に加えて、
前記透光領域は、前記板型光源体における非発光領域である、ことを特徴とする。
前記透光領域は、前記板型光源体における非発光領域である、ことを特徴とする。
ここで、「非発光領域」とは、光源としての板型光源体において、自ら発光しない領域を指す。つまり、点光源体の光を通過するとともに、板状光源帯自らは発光しないことを意味する。
本考案によれば、板型光源体における非発光領域の部分を介して、点光源体から照射される光を外部へ照射することが可能となる。なお、前述のように、この部分では板型光源体としての発光機能を有しない。従って、板型光源体および点光源体の両方を同時に点灯した場合には、この非発光領域に板型光源体からの光が漏れないため、点光源体から照射された光を交わることがないため、指向性の強い点光源体としての機能が優位に発揮される。また、板型光源体および点光源体の両方を同時に点灯した場合には、照明装置のレンズ側から見た場合、レンズ全体から光が一様に照射されるように見え、非常に見栄えが良い。また、点光源体のみを消灯し、板型光源体のみを点灯した場合には、板型光源体における透光性の非発光領域の部分のみが暗くなる。しかし、その非発光領域の部分の周囲は、発光領域で囲まれているので、主照明である板型光源体によって照射される対象物には、非発光領域の存在によって暗く照らし出される部分はなく、実質的に問題はない。
従来のスポットライトとルームランプを併用する照明装置においては、スポットライトとして機能する照射領域とルームランプとして機能する照射領域とが構造上、明確に区画されていたため、スポットライトが照らすべき領域に対して、ルームランプが照射できる領域でカバーし難くなるという問題があった。
非発光領域として、例えば次の構成がある。
請求項3に記載の照明装置では、請求項2に記載の照明装置に加えて、前記非発光領域は、前記板型光源体の表裏を貫通する貫通孔によって構成される、ことを特徴とする。
請求項3に記載の照明装置では、請求項2に記載の照明装置に加えて、前記非発光領域は、前記板型光源体の表裏を貫通する貫通孔によって構成される、ことを特徴とする。
また、請求項4に記載の照明装置では、請求項2に記載の照明装置に加えて、前記非発光領域は、前記板型光源体の表裏を貫く凹部によって構成される、ことを特徴とする。
以上の考案の照明装置によれば、車両内を広く照らすための主照明部となる第1の照明部と、スポットランプのように書籍や地図など、文字等を確認するための副照明となる第2の照明部とを備えつつ、各光源用のスペースを小さくして薄型でコンパクトな構成にするとともに、点灯時にもムラなく見栄えの良い照明装置を提供することが可能となる。
(第1の実施形態)
図1は、本考案における第1の実施形態の照明装置であって、(a)はその平面図、(b)は、前記平面図におけるA−A断面図である。
図1は、本考案における第1の実施形態の照明装置であって、(a)はその平面図、(b)は、前記平面図におけるA−A断面図である。
<全体構成>
図1に示すように、本実施形態の照明装置は、開口部(52、53,53の上側に相当する)を有するハウジング51内に収容された板型光源体としての平面型放電管10と、その開口部を塞ぐとともに、平面型放電管10の表面となる発光面12a1側に対向する透光性のレンズ55(55a、55b,55b)を備えたグローブ54と、平面型放電管10の裏面12b1側に配置された点光源体としてのLED58,58と、ハウジング51の内部52に設けられ、平面型放電管10およびLED58,58に電線を介して接続された回路ユニット59と、から構成されている。なお、各光源10、58,58を繋ぐ配線は図面の記載を省略している。
図1に示すように、本実施形態の照明装置は、開口部(52、53,53の上側に相当する)を有するハウジング51内に収容された板型光源体としての平面型放電管10と、その開口部を塞ぐとともに、平面型放電管10の表面となる発光面12a1側に対向する透光性のレンズ55(55a、55b,55b)を備えたグローブ54と、平面型放電管10の裏面12b1側に配置された点光源体としてのLED58,58と、ハウジング51の内部52に設けられ、平面型放電管10およびLED58,58に電線を介して接続された回路ユニット59と、から構成されている。なお、各光源10、58,58を繋ぐ配線は図面の記載を省略している。
ハウジング51は、開口部を壁51a、51aによって3つの空間に区画され、収容室53,53には、LED58,58が配置され、収容室59には、回路ユニット59が配置されている。平面型放電管10は、収容室53,53、59の上側を対向して塞ぐようにハウジング51の開口部を覆って固定されている。
平面型放電管10(厚さ3〜4mm)は、一対の対面する誘電体平板としてのガラス基板12a、12bの周囲を封止部材13によって封止して放電空間16を形成し、この放電空間16内に放電ガスとしてのキセノンガスを封入されている。一対のガラス基板12a、12bの外面12a1、12b1には、薄膜状電極14a、14bが設けられている。なお、薄膜状電極14aは透明であるが、薄膜状電極14bはかならずしも透明である必要はない。また、薄膜状電極14a,14bは、板状電極であってもよく、このような薄型の電極を含む。また、ガラス基板12a、12bの内面(放電空間16内)には、蛍光体膜15a、15bが設けられている。通常、このような平面型放電管においては、発光面(表面)となる側のガラス基板12aの内面に形成される蛍光体膜15aの膜厚さを薄くし、発光面と反対側(裏面)となる側のガラス基板12bの内面に形成される蛍光体膜15bの膜厚さを厚く形成する。この理由は、放電空間内で生じた発光現象による光を、表面側には透過しやすくし、裏面側には透過させにくくするためである。なお、蛍光体膜15a、15bのいずれか一方を省略することも可能であるが、前述の観点から、蛍光体膜15aを省略するのが好ましい。
この一対の薄膜状電極14a、14bに高電圧を付加すると、放電空間16内に放電が起こり、これによってキセノンガスが励起され、蛍光体膜15a、15bの作用によって光が、発光面12a1からガラス基板12aおよび薄膜状電極14aを介して外部へ照射される。なお、放電ガスはキセノンガスに限定されず、他の種類の放電ガスでもかまわない。
LED58が対向する平面型放電管10の一部分においては、その部分に対応する部分にのみ放電空間を設けていない。即ち、放電距離dに相当する高さおよびほぼ断面がほぼ円形の透明なリブ12c、12cが設けられている。このリブ12cは、透明なガラス製であり、ガラス基板12bと一体にして形成されている。このリブ12cの上面は、ガラス基板12aの内面に形成された蛍光体膜15aに当接して密着しているため、このリブ12cの部分だけは、放電ガスが存在しない領域となる。したがって、平面型放電管10を点灯してもリブ12cが存在する部分からは、表面に向けて光が照射されず、非発光領域となる。LED58,58を点灯した場合、LED58,58から照射された光は、一対の誘電体平板としての透光性のガラス基板12a,12bと、非発光領域としてのリブ12cを介して、平面型放電管10の表面側に照射される。なお、蛍光体膜15aの部分が省略された場合には、前記リブ12cは、ガラス基板12aの内面と直接、当接して密着する。なお、蛍光体膜15aを、このリブ12cの上面がガラス基板12aの内面と当接して密着する部分のみだけ省略することもできる。このようにして、一対の誘電体平板としてのガラス基板12a、12bの間に、リブ12cが形成されることによって、非発光領域が構成される。なお、本実施形態において、平面型放電管10におけるLED58と対向する部分である光の透過が可能となる部分(非発光領域)が、本考案における「透光領域」に相当する。
グローブ54は、ハウジング51の開口部に配置された平面型放電管10を覆うようにして上側から被せられ、ハウジング51の周縁部と接続固定される。また、グローブ54には、平面型放電管10の発光面12a1と対向するように透光性のレンズ55が設けられている。LED58および平面型放電管10から照射された光は、このレンズ55を介して外部へ照射される。レンズ55は、平面型放電管10の発光面12a1から照射された光を透過させるレンズ部分55aと、LED58から照射された光を透過させるレンズ部分55b,55bとから構成されいる。レンズ部分55bは、ほぼ円形であり、LED58から発光される光の照射角度に相当する分の内径を有する。レンズ部分55bの周りは、レンズ部分55aが取り囲んでいる。なお、レンズ部分55bは円形に限定する必要はない。
また、レンズ部分55aの内面には、レンズカットが施されている。平面型放電管10の放電空間16内の各所には、両ガラス基板12a,12bを支えるリブ(図示しない)が設けられている。平面型放電管10の点灯時には、このリブの部分のみが暗く映る。この対策として、レンズ部分55aの内面にレンズカットを設けることによって、リブによる陰の部分が外面に表れないようにしている。
<作用・機能>
次に、本実施形態の照明装置30と図8に示した従来の照明装置50との点灯した場合の比較を以下に示す。図2は、本実施形態の照明装置30が対象物100を照らした場合の状態を模式的に示している。図9は、図8に示した従来の照明装置50が対象物100を照らした場合の状態を模式的に示している。
次に、本実施形態の照明装置30と図8に示した従来の照明装置50との点灯した場合の比較を以下に示す。図2は、本実施形態の照明装置30が対象物100を照らした場合の状態を模式的に示している。図9は、図8に示した従来の照明装置50が対象物100を照らした場合の状態を模式的に示している。
図9は、従来の照明装置50を屋内や車両等の天井に取り付けた場合の光の照射状態を示している。よって、照射面(図7(a)の平面図に相当する面)が下向きとなる。図9(a)は、主照明となる電球57および副照明となるLED58の両光源を点灯させた場合を示している。照明装置50の下面から所定距離をおいて対象物100を照射した場合、電球57から照射された主な強い光は、幅B1の領域を照らし、LED58,58から照射された強い光は、幅B2,B2の領域を照らす。なお、レンズ55aの円形以外の部分から照射される主照明としての弱い光は、幅B1’のように広い領域を照らすようになっている。
図9(b)は、副照明となるLED58のみを点灯させた場合を示している。この場合、スポットライトとしての機能を有しているため、幅B2,B2の領域を明るく照らし出す。図9(c)は、主照明となる電球57のみを点灯させた場合を示している。この場合、幅B1の領域が強い光が照射され、幅B1’の領域は弱い光が照射される。よって、図9(b)および(c)の場合、対象物100を照らす面には、明るさの強弱が場所によって様々であり、結果的に広い空間を一定の明るさで照射する機能に欠けていることがわかる。一方、図9(b)のように、LED58を点灯した場合においても、B2の領域は強い光が照射されるが、その周囲へ漏れる光を遮っていないため、周囲がぼんやりとした明かりに覆われ、決して見栄えのよい配光の状態とはなっていなかった。
図2は、本実施形態の照明装置30を屋内や車両等の天井に取り付けた場合の光の照射状態を示している。よって、照射面(図2(a)の平面図に相当する面)が下向きとなる。図2(a)は、主照明となる平面型放電管10および副照明となるLED58の両光源を点灯させた場合を示している。照明装置30の下面から所定距離をおいて対象物100を照射した場合、平面型放電管10から照射された主な強い光は、幅B4の領域を照らし、LED58,58から照射された強い光は、幅B3,B3の領域のみを照らす。
図2(b)は、副照明となるLED58,58のみを点灯させた場合を示している。この場合、スポットライトとしての機能を有しているため、幅B3,B3の領域のみを明るく照らし、その周辺部分への光漏れは、平面型放電管10における非発光領域およびレンズ55bによって、配光が制限されているためほとんど生じない。よって、外部から見た場合、スポット照明としてのくっきりとした理想的な部分照射が実現される。
図2(c)は、主照明となる平面型放電管10のみを点灯させた場合を示している。この場合、レンズ55aの部分から照射される光は、レンズ55b,55bの周囲を取り囲んでおり、しかも平面型放電管10から照射される光の照射角度αは、LED58から照射される光の照射角度βよりもかなり大きいため(矢印92を参照)、図2(c)の網掛け部91,91のような領域を除いては、レンズ55b,55bの円形部分の直下となる対象物100の部分をも明るく照らし出す。よって、平面型放電管10の光の照射によれば、広範囲な幅B4となる領域を主照明として一様な明るさで照射することが可能となる。
<第1の実施形態から把握される作用・効果>
第1の実施形態から把握される作用・効果を以下に列記する。
(1)ハウジング51内に収容された板型光源体としての平面型放電管10の裏面側に点光源体としてのLED58を配置し、回路ユニット59によってこれらの光源を点灯するようにした。このため、LED58から照射される光が、平面型放電管10の一部分を介して表面側へ、円形であるレンズ55bを介して照射されるので、この照明装置30をレンズ側から見た場合には、平面型放電管10のみ点灯した場合であっても、主照明となる平面型放電管10から照射される部分と、副照明となる点光源体から照射される部分との空間的な区別が明確に見られず、また、板型光源体によって主照明となる光が一様に照射されることから、ムラなく見栄えの良い照明装置となる(図2(c)参照)。
第1の実施形態から把握される作用・効果を以下に列記する。
(1)ハウジング51内に収容された板型光源体としての平面型放電管10の裏面側に点光源体としてのLED58を配置し、回路ユニット59によってこれらの光源を点灯するようにした。このため、LED58から照射される光が、平面型放電管10の一部分を介して表面側へ、円形であるレンズ55bを介して照射されるので、この照明装置30をレンズ側から見た場合には、平面型放電管10のみ点灯した場合であっても、主照明となる平面型放電管10から照射される部分と、副照明となる点光源体から照射される部分との空間的な区別が明確に見られず、また、板型光源体によって主照明となる光が一様に照射されることから、ムラなく見栄えの良い照明装置となる(図2(c)参照)。
(2)主照明電源に平面型放電管10を用い、ハウジング51の開口部の上部に配置したので、従来電球57を配置していた空間52に回路ユニット59を配置することが可能となった。よって、光源と回路ユニットを繋ぐ配線が照明装置の外部に表れないので、照明装置の設置時における作業性が向上するとともに、外部空間へ回路ユニットを取り付けるスペースを設けなくてもよい。
(3)主照明電源に平面型放電管10を用い、ハウジング51の開口部の上部に配置した。この平面型放電管10の厚さは3〜4mmで非常に薄く、しかも発光面12a1から一様な光が広範囲に照射されるため、従来のようにレンズと光源の距離を大きくする必要がない。そのため、従来の照明装置の厚さH(図8参照)と比較して、照明装置の厚さH’が小さくなる(図1参照)。
(4)副照明であるLED58と対向する平面型放電管10の放電空間16の部分には、ガラス基板12bと一体にして形成される透光性のリブ12cを設けた。これによって、この部分において放電現象を発生させないようにし、LED58から照射される光のみを透過させるようにしている。このような構成とすることによって、容易に透光性の非発光領域を形成できる。
(第2の実施形態)
図3(a)は、本考案における第2の実施形態の照明装置である。この図では、この断面図に示す内部構造が左右対称となっているため、その一部断面図(左側)のみを示している。本実施形態では、平面型放電管10の非発光領域となる部分、即ち、放電空間16内部にリブが存在する部分において、一対のガラス基板12a、12bの外面には、薄膜状電極14a、14bを設けないようにした。これによって、非発光領域における光の透過率が上昇し、LED58から照射される光の減衰を少なくすることが可能となる。なお、薄膜状電極14a、14bのうち、いずれか一方を省略するようにしてもよい。また、図3(b)に示すように、蛍光体膜15aを省略してもよい。
図3(a)は、本考案における第2の実施形態の照明装置である。この図では、この断面図に示す内部構造が左右対称となっているため、その一部断面図(左側)のみを示している。本実施形態では、平面型放電管10の非発光領域となる部分、即ち、放電空間16内部にリブが存在する部分において、一対のガラス基板12a、12bの外面には、薄膜状電極14a、14bを設けないようにした。これによって、非発光領域における光の透過率が上昇し、LED58から照射される光の減衰を少なくすることが可能となる。なお、薄膜状電極14a、14bのうち、いずれか一方を省略するようにしてもよい。また、図3(b)に示すように、蛍光体膜15aを省略してもよい。
(第3の実施形態)
図4は、本考案における第3の実施形態の照明装置である。この図では、この断面図に示す内部構造が左右対称となっているため、その一部断面図(左側)のみを示している。本実施形態では、図4(a)に示すように、一方のガラス基板12bの外面側に型成形によって凹部12fを設け、内面側となる凸部12gの高さを放電空間16の放電空間距離とほぼ同じくする。そして、この凸部上面をもう一方のガラス基板の内面に当接させることで、放電現象を生じない領域を形成させる。このような構成とすることによって、容易に透光性の非発光領域を形成できる。なお、ガラス基板12aにおいて、その内面側に凸部を設けるようにしてもよい。また、ガラス基板12bに凹凸部を設けた場合には、その凹部内にLED58の先端を近づけて配置することが可能となり(図4(b)参照)、その分だけ、照明装置の厚さH’’が小さくなる(H’>H’’)。
図4は、本考案における第3の実施形態の照明装置である。この図では、この断面図に示す内部構造が左右対称となっているため、その一部断面図(左側)のみを示している。本実施形態では、図4(a)に示すように、一方のガラス基板12bの外面側に型成形によって凹部12fを設け、内面側となる凸部12gの高さを放電空間16の放電空間距離とほぼ同じくする。そして、この凸部上面をもう一方のガラス基板の内面に当接させることで、放電現象を生じない領域を形成させる。このような構成とすることによって、容易に透光性の非発光領域を形成できる。なお、ガラス基板12aにおいて、その内面側に凸部を設けるようにしてもよい。また、ガラス基板12bに凹凸部を設けた場合には、その凹部内にLED58の先端を近づけて配置することが可能となり(図4(b)参照)、その分だけ、照明装置の厚さH’’が小さくなる(H’>H’’)。
(第4の実施形態)
図5は、本考案における第4の実施形態の照明装置である。この図では、この断面図に示す内部構造が左右対称となっているため、その一部断面図(左側)のみを示している。本実施形態では、一対のガラス基板12a、12bのいずれかにおいて、穴を形成し、その結果生じた放電空間16の一部分を封止部材13aによって封止する。このような構成とすることで、平面型放電管10の一部分に非発光領域を形成し、LED58から照射される光を透過させるようにしている。図6(a)は、ガラス基板12bのみに穴12dを形成した場合であるが、ガラス基板12aのみに穴を形成するようにしても良い。図6(b)は、一対のガラス基板12a,12bともに穴12d、12eを形成した場合を示している。
図5は、本考案における第4の実施形態の照明装置である。この図では、この断面図に示す内部構造が左右対称となっているため、その一部断面図(左側)のみを示している。本実施形態では、一対のガラス基板12a、12bのいずれかにおいて、穴を形成し、その結果生じた放電空間16の一部分を封止部材13aによって封止する。このような構成とすることで、平面型放電管10の一部分に非発光領域を形成し、LED58から照射される光を透過させるようにしている。図6(a)は、ガラス基板12bのみに穴12dを形成した場合であるが、ガラス基板12aのみに穴を形成するようにしても良い。図6(b)は、一対のガラス基板12a,12bともに穴12d、12eを形成した場合を示している。
(第5の実施形態)
図6(a)は、本考案における第5の実施形態の照明装置である。この図では、この断面図に示す内部構造が左右対称となっているため、その一部断面図(左側)のみを示している。通常の平面型放電管10の裏面側(発光面と反対側)のガラス基板12bの内面に形成される蛍光体膜15bの膜厚さは厚くしている。これは、放電空間から照射される光を裏面側に透過させないようにするためであるが、同時にLED58からの光を容易に通過させないようになっていた。本実施形態では、平面型放電管10の透光領域となる部分を実現させる手段として、その部分に対応する放電空間16内には、蛍光体膜15bを設けないようにしている。この場合、この領域では放電現象は生じるものの、蛍光体膜15bによる発光現象が生じないため、LED58から照射される光は、膜厚さの薄い蛍光体膜15aを介して平面型放電管10を透過する。
図6(a)は、本考案における第5の実施形態の照明装置である。この図では、この断面図に示す内部構造が左右対称となっているため、その一部断面図(左側)のみを示している。通常の平面型放電管10の裏面側(発光面と反対側)のガラス基板12bの内面に形成される蛍光体膜15bの膜厚さは厚くしている。これは、放電空間から照射される光を裏面側に透過させないようにするためであるが、同時にLED58からの光を容易に通過させないようになっていた。本実施形態では、平面型放電管10の透光領域となる部分を実現させる手段として、その部分に対応する放電空間16内には、蛍光体膜15bを設けないようにしている。この場合、この領域では放電現象は生じるものの、蛍光体膜15bによる発光現象が生じないため、LED58から照射される光は、膜厚さの薄い蛍光体膜15aを介して平面型放電管10を透過する。
なお、蛍光体膜15aによって励起発光する光は、平面型放電管10の表面側に透過する。このため、LED58から照射される光が、平面型放電管10内を透過する時点においては、蛍光体膜15aによって励起発光する光と交わらないが、平面型放電管10内を透過した以降においては、蛍光体膜15aによって励起発光する光と交わる。しかし、この蛍光体膜15aによって励起発光する光は、蛍光体膜15aの膜厚さが薄く発光が弱いために、LED58から照射される光の妨げにはならない。なお、図6(b)のように、この部分において蛍光体膜15aを省略してもよい。このようにすれば、蛍光体膜15aによって励起発光される光が生じないので、LED58から照射された光と交わることはなくなる。
(第6の実施形態)
図7は、本考案における第6の実施形態の照明装置である。この図では、この断面図に示す、内部構造が左右対称となっているため、その一部断面図(左側)のみを示している。本実施形態では、平面型放電管10の透光領域となる部分を実現させる手段として、その部分に対応する放電空間16内には、蛍光体膜15a、15bを設けないようにするとともに、一対のガラス基板12a、12bの外面には、薄膜状電極14a、14bを設けないようにした。これによって、この領域では放電現象および蛍光体膜による発光現象が生じないため、結果として容易に透光領域を形成することが可能となる。なお、このような透光領域においては、直接の放電現象による発光は生じないが、その周縁から照射される光が存在するため、ぼんやりとした薄明かりが漏れる。このため、平面型放電管10による完全な非発光領域とはならない。
図7は、本考案における第6の実施形態の照明装置である。この図では、この断面図に示す、内部構造が左右対称となっているため、その一部断面図(左側)のみを示している。本実施形態では、平面型放電管10の透光領域となる部分を実現させる手段として、その部分に対応する放電空間16内には、蛍光体膜15a、15bを設けないようにするとともに、一対のガラス基板12a、12bの外面には、薄膜状電極14a、14bを設けないようにした。これによって、この領域では放電現象および蛍光体膜による発光現象が生じないため、結果として容易に透光領域を形成することが可能となる。なお、このような透光領域においては、直接の放電現象による発光は生じないが、その周縁から照射される光が存在するため、ぼんやりとした薄明かりが漏れる。このため、平面型放電管10による完全な非発光領域とはならない。
(応用例等)
ところで、本考案は前記の実施形態に限定するものではなく、本考案の要旨を変更しない範囲で様々な実施が可能である。
・ 前記実施形態において使用した主照明となる平面型放電管10は、一対のガラス基板の外面に薄膜状電極を有する構造となっているが、これに限定されず、少なくとも一方の薄膜状電極が、ガラス基板の内面に配置するようにしても良い。また、一対の薄膜状電極を両ガラス基板の内面に配置する場合は、少なくともいずれか一方の薄膜状電極の上面に誘電体膜を形成させる必要がある。
ところで、本考案は前記の実施形態に限定するものではなく、本考案の要旨を変更しない範囲で様々な実施が可能である。
・ 前記実施形態において使用した主照明となる平面型放電管10は、一対のガラス基板の外面に薄膜状電極を有する構造となっているが、これに限定されず、少なくとも一方の薄膜状電極が、ガラス基板の内面に配置するようにしても良い。また、一対の薄膜状電極を両ガラス基板の内面に配置する場合は、少なくともいずれか一方の薄膜状電極の上面に誘電体膜を形成させる必要がある。
・ 前記実施形態において、LED58を照明装置30の両端に1個ずつ配置しているが、これに限定されない。LEDは複数個用いても良いし、1個でも良く、例えば照明装置30の中央部に配置することも可能である。
・ 前記実施形態において、LED58の光の照射方向と平面型放電管10の光の照射方向を、照明装置30の設置面に対し垂直としているが、これに限定することはない。LED58の配置を斜めにして、スポット照明としての照射方向を変えても良いし、方向を固定せず、可変するような構成としてもよい。
・ 前記実施形態において、LED以外の点光源体を使用してもよく、例えば、指向性の強い電球でもよい。
・ 前記実施形態において、平面型放電管10の透光領域以外に相当する裏面側には、裏面側に光を透過させないための不透明部材を設けても良い。なお、この部材において平面型放電管に貼り付ける面側には、反射部材を設けるようにしてもよい。また、薄膜状電極14bを不透明電極とし、透光領域に相当する部分には、これを形成しないようにしても良い。
・ 点光源体には、昼光色を発するLEDとされることが多いが、板型光源体としての平面型放電管を用いれば、蛍光体の種類をLEDと同様の昼光色系の発光色にすることによって、両光源の点灯時においても、ムラなく見栄えの良い照明状態となる。
・ 本考案における「板型光源体」は、前記実施形態において適用された平面型放電管に限定されない。例えば、ナノシリコンやナノカーボンなどの電子放出源を用いた電子放出型の平面発光パネルを利用することも可能である。また、有機ELを用いた発光パネルを利用することも可能である。
10…板型光源体としての平面型放電管、58…点光源体としてのLED、30…照明装置、51…ハウジング、55…レンズ、54…グローブ、12c…非発光領域を形成するリブ。
Claims (4)
- 開口部を有するハウジング内に収容された板型光源体と、
前記開口部を塞ぐとともに、前記板型光源体の表面となる発光面側に対向する透光性のレンズを備えたグローブと、
前記板型光源の裏面側に配置された点光源体と、
前記ハウジングの内部または外部に設けられ、前記板型光源体および前記点光源体に電線を介して接続された回路ユニットと、を備え、
前記点光源体が前記板型光源体と対向する該板型光源体の一部分には、該点光源体から照射する光が該板状光源体の裏面側から表面側へ透過する透光領域を有する、
ことを特徴とする照明装置。 - 前記透光領域は、前記板型光源体における非発光領域である、ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
- 前記非発光領域は、前記板型光源体の表裏を貫く凹部によって構成される、ことを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
- 前記非発光領域は、前記板型光源体の表裏を貫通する貫通孔によって構成される、ことを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
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