JP3170717B2 - 投影露光装置及び方法 - Google Patents

投影露光装置及び方法

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JP3170717B2 JP18255791A JP18255791A JP3170717B2 JP 3170717 B2 JP3170717 B2 JP 3170717B2 JP 18255791 A JP18255791 A JP 18255791A JP 18255791 A JP18255791 A JP 18255791A JP 3170717 B2 JP3170717 B2 JP 3170717B2
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体ウェハや液晶用ガ
ラスプレート等の基板に塗布された感光層を露光する投
影露光装置に関し、特にオフ・アクシス方式のアライメ
ント系(投影光学系の外部に固定された系、又は投影光
学系のみを介して基板を観察する系)を備えた投影露光
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、オフ・アクシス・アライメント系
を備えた投影露光装置(以下、便宜上ステッパーと呼
ぶ)では、特開昭53−56975号公報、特開昭56
−134737号公報等に開示されているように、感光
基板(以下、ウェハとする)を保持してステップ・アン
ド・リピート方式で2次元移動するウェハステージ上
に、基準となるマーク板を固設し、この基準マーク板を
使ってオフ・アクシス・アライメント系と投影光学系と
の間の距離、所謂ベースライン量を管理していた。図4
は上記各公報に開示されたベースライン計測の原理を模
式的に表わした図である。図4において、主コンデンサ
ーレンズICLは、露光時にレチクル(マスク)Rを均
一に照明するものである。レチクルRはレチクルステー
ジRSTに保持され、このレチクルステージRSTはレ
チクルRの中心CCを投影レンズPLの光軸AXと合致
させるように移動される。一方、ウェハステージWST
上には、ウェハ表面に形成されたアライメントマークと
同等の基準マークFMが付設され、この基準マークFM
が投影レンズPLの投影視野内の所定位置にくるように
ステージWSTを位置決めすると、レチクルRの上方に
設けられたTTR(スルーザレチクル)方式のアライメ
ント系DDAによって、レチクルRのマークRMと基準
マークFMとが同時に検出される。マークRMとレチク
ルRの中心CCとの距離Laは設計上予め定まった値で
あり、投影レンズPLの像面側(ウェハ側)におけるマ
ークRMの投影点と中心CCの投影点との距離は、La
/Mとなる。ここでMは、ウェハ側からレチクル側を見
たときの投影レンズPLの倍率であり、1/5縮小投影
レンズの場合はM=5である。
【0003】また投影レンズPLの外側(投影視野外)
には、オフ・アクシス方式のウェハ・アライメント系O
WAが固設される。ウェハ・アライメント系OWAの光
軸は、投影像面側では投影レンズPLの光軸AXと平行
である。そしてウェハ・アライメント系OWAの内部に
は、ウェハ上のマーク、又は基準マークFMをアライメ
ントする際の基準となる指標マークTMがガラス板に設
けられ、投影像面(ウェハ表面、又は基準マークFMの
面)とほぼ共役に配置される。
【0004】さて、ベースライン量BLは、図4に示す
ように、レチクルマークRMと基準マークFMとがアラ
イメントされたときのステージWSTの位置X1 と、指
標マークTMと基準マークFMとがアライメントされた
ときのステージWSTの位置X2 とをレーザ干渉計等で
計測し、その差(X1 −X2 )を計算することで求めら
れる。このベースライン量BLは、後でウェハ上のマー
クをウェハ・アライメント系OWAでアライメントして
投影レンズPLの直下に送り込むときの基準量となるも
のである。すなわちウェハ上の1ショット(被露光領
域)の中心とウェハ上のマークとの間隔をXP、ウェハ
マークが指標マークTMと合致したときのウェハステー
ジWSTの位置をX3 とすると、ショット中心とレチク
ル中心CCとを合致させるためには、ウェハステージW
STを次式の位置に移動させればよい。
【0005】 X3 −BL−XP(又はX3 −BL+XP) 尚、この計算式は原理的に一次元方向のみを表わしてい
るだけで、実際には2次元で考える必要があり、さらに
TTRアライメント系DDA(すなわちマークRM)の
配置、ウェハ・アライメント系OWAの配置等によって
も計算方法が異なる。
【0006】いずれにしろ、オフ・アクシス方式のウェ
ハ・アライメント系OWAを用いてウェハ上のマーク位
置を検出した後、一定量だけウェハステージWSTを送
り込むだけで、ただちにレチクルRのパターンをウェハ
上のショット領域に正確に重ね合わせて露光することが
できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き従来の技術
では、オフ・アクシス方式のアライメント系OWAの検
出中心点(指標マークTMの中心)と、レチクルRのマ
ークRMの投影レンズPLによる投影点との位置関係
(ベースライン量BL)を計測する際、その相対距離
は、ウェハステージWSTを移動させてレーザ干渉計で
求めている。このため、ウェハステージWSTが図4の
位置X1 にある時と、位置X2 にある時とで、ウェハス
テージWSTの走り精度、特にヨーイングによる誤差が
生じる。通常、ウェハステージWSTの座標位置は、ス
テージ移動平面内で互いに直交する測長軸をもつ1組の
レーザ干渉計(X方向用とY方向用)によって計測され
ているが、この1組のレーザ干渉計は投影レンズPLに
対してアッベ条件を満すように配置される。このためオ
フ・アクシス・アライメント系OWAで基準マークFM
を検出する場合、そのマークFMの測定位置(X2 )に
はアッベ誤差が含まれることになる。このアッベ誤差、
あるいはステージWSTのヨーイングによって、各アラ
イメントセンサー(DDA、OWA)の検出分解能をい
くら高めたとしても、ベースライン量BLの計測精度に
は自ずと限界が生じてしまう。
【0008】そこで本発明は、ベースライン計測時に生
じるステージのヨーイングに起因した計測精度の劣化を
極力押えるような構成、及びシーケンスを備えた投影露
光装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決する為の手段】本発明では、オフ・アクシ
ス・アライメント系を備えた投影露光装置に関するもの
で、ここで言うオフ・アクシス・アライメント系とは、
投影光学系の外部に別設されてウェハ上、又は基準板上
のマークを検出する系、もしくはレチクルを介さずに投
影光学系のみを介してウェハ上、又は基準板上のマーク
を検出する系の両方を意味する。
【0010】さらに本発明では、オフ・アクシス・アラ
イメント系の検出中心点に対してアッベ条件を満すよう
に配置され、基板ステージ(WST)の2次元座標位置
を計測する1対の第1干渉計(IFX1 、IFY)と、
従来と同様に投影光学系の光軸位置に対してアッベ条件
を満す1対の第2干渉計(IFX2 、IFY)とを設け
る。
【0011】そして、レチクルの装置に対するアライメ
ントのために、基板ステージ上に固定された基準マーク
板(FP)が投影光学系(PL)の直下に位置したと
き、第1干渉計による座標測定値(Lf)と第2干渉計
による座標測定値(Le)とが互いに等しくなるよう
に、主制御系(14)からの指令(設定手段)によっ
て、いずれか一方の干渉計の内部カウンタ(UDC1
2)の計数値(DX2 )を、他方の干渉計の内部カウン
タ(UDC11)へプリセットするようにした。
【0012】
【作用】本発明では、投影光学系に関してアッベ条件を
満す第2干渉計と、オフ・アクシス・アライメント系に
関してアッベ条件を満す第1干渉計とを設け、レチクル
アライメント時、又はレチクルのアライメント誤差のチ
ェック時に基準マーク(FP)が投影光学系の下に位置
するような基準ステージ位置で第1干渉計と第2干渉計
の測定値を同一にプリセットする。このため、そのプリ
セット以後、オフ・アクシス・アライメント系(OW
A)を使って第1干渉計で検出されたウェハ上のマーク
の位置情報は、第2干渉計の測定値に基づいた基板ステ
ージの位置制御にそのまま導入することができる。すな
わち、ヨーイングによる誤差量を計測して、ベースライ
ン量に補正として加える等の処理が不要となるととも、
プリセット後は第1干渉計、第2干渉計のどちらの測定
値に切り替えてステージ位置制御を行なっても、何ら支
障が生じない。
【0013】
【実施例】図1は本発明の実施例による投影露光装置の
構成を示し、図2は図1の装置のウェハステージとレー
ザ干渉計との配置、及び制御系のブロックを示す。図1
において、所定のパターン領域PAを有するレチクルR
は不図示のレチクルステージ上に保持され、パターン領
域PAの中心点に投影レンズPLの光軸AXが通るよう
に位置決めされる。このレチクルステージは、モータに
よって同図中のx方向、y方向、及びθ(光軸AXを中
心とした回転)方向に微動され、投影レンズPLを介し
たウェハとのアライメント(ダイ・バイ・ダイアライメ
ント)や、レチクルR自体の装置に対するアライメント
(レチクルアライメント)のためにレチクルRを移動す
る。またレチクルRのパターン領域PAの周辺4ヶ所に
は、レチクルアライメント(又はダイバイダイアライメ
ント)用のマークRMx 1 、RMx 2 、RMy 1 、RM
y 2 が設けられる。マークRMx 1 、RMx 2 はレチク
ル側の直交座標系xyのx軸方向の位置合わせや、位置
ずれ検出に使われ、マークRMy 1 、RMy2 は直交座
標系xyのy軸方向の位置合わせ、位置ずれ検出に使わ
れる。これら4つのマークはいずれも投影レンズPLの
視野領域内に配置される。
【0014】さて、図2に示したように、レチクルRの
パターン領域PAの投影像は感光基板としてのウェハW
上に結像される。ウェハWはステップアンドリピート方
式、又はステップアンドスキャン方式で直交座標系XY
内を平行移動するウェハステージWST上にホルダーW
Hを介して保持される。ホルダーWHはステージWST
上でθ方向に微動可能であり、ウェハWのプリアライメ
ント後のローテーションを補正する。またステージWS
Tの周囲2辺には、直交座標系XYのX軸と平行な反射
面を有する移動鏡IMyと、Y軸と平行な反射面を有す
る移動鏡IMxとが固定されている。移動鏡IMyの反
射面には、Y軸と平行にレーザ干渉計IFYからのレー
ザビームが照射される。干渉計IFYは移動鏡IFYか
らの反射ビームと所定位置に固設された参照鏡からの反
射ビームとを干渉させて、移動鏡IMy、すなわちウェ
ハステージWSTのY方向に関する基準位置からの移動
距離を測定する。
【0015】同様に、移動鏡IMxに対しては2つのレ
ーザ干渉計IFX1、IFX2 がX方向に対向して設け
られている。このうち干渉計IFX2 のレーザビームの
中心である測長軸と、干渉計IFYの測長軸(ビーム中
心)との各延長線は、投影レンズPLの光軸AXの位置
で直交するように設定される。図2において、光軸AX
を中心とした円Ifは投影レンズPLの視野領域(イメ
ージフィールド)であり、イメージフィールドIfが含
まる大きさの基準板FPは、ウェハW上の表面とほぼ同
じ高さになるようにステージWSTに固定される。
【0016】この基準板FPには図1に示したように、
その中心点Fccが投影レンズPLの光軸AXと合致した
とき、レチクルRの4つのマークRMx1 、RMx 2
RMy 1 、RMy 2 の夫々の投影像とアライメントされ
る4つの基準マークFMX1 、FMX2 、FMY1 、F
MY2 が形成されている。この4つの基準マークFMは
投影レンズPLとレチクルRとを介して、4つの対応す
るレチクルマークRMとともにスルーザレチクル方式
(以下、TTR方式と呼ぶ)のアライメント系(マーク
検出手段)DDX1 、DDX2 、DDY1 、DDY2
夫々によって検知される。このTTR方式のアライメン
ト系については、いくつかの方式が実用化され、公知に
なっているため、ここではその詳細な説明を省略する
が、代表的な方式としては、投影レンズPLによってレ
チクルR側へ逆投影された基準マークFMの像とレチク
ルマークRMの像とをテレビカメラ等で撮像し、その画
像信号に基づいて位置ずれ検出を行なう方式や、集光さ
れたレーザビームのスポット光をレチクルR、投影レン
ズPLを介して基準板FP上に照射し、レチクルマーク
RM、基準マークFMを横切るように1次元走査したと
きに各マークから発生する回折光や散乱光を、投影レン
ズPLの瞳EPと共役な面内で選択的に光電検出して基
準マークFMとレチクルマークRMとの位置ずれ量を検
出する方式等がある。TTR方式のアライメント系は、
その他に、ウェハW上のショット領域に付随したアライ
メントマーク(ウェハマークとする)とレチクルマーク
RMとの位置ずれ検出に使うこともある。
【0017】さて、本実施例では、図1のように、投影
レンズPLの外側にオフ・アクシス方式のアライメント
系(マーク検出手段)OWAが固定されている。このオ
フ・アクシス・アライメント系OWAは、ウェハW上の
アライメントマークを画像として検出するために、顕微
鏡対物レンズと、その拡大像を撮像するテレビカメラ
(CCD等)とを含む。また、アライメント系OWAは
投影レンズPLとは別設されているため、独自に色消し
が行なわれた光学系(対物レンズ)を有し、対物レンズ
を介してウェハW上の観察領域を一様照明する光は、2
00〜350nm程度の波長幅を持つハロゲンランプ等か
ら作られる。その照明光は当然のことながらウェハW上
のレジストの感光帯域をはずしてある。
【0018】このようなオフ・アクシス・アライメント
系OWAの内部には、例えばウェハW上のマークの位置
ずれを検出するための指標マークが設けられ、この指標
マークとウェハマークとの拡大像がテレビカメラで撮像
される。従ってオフ・アクシス・アライメント系OWA
によってウェハW上のマーク位置を検出する場合は、指
標マークとウェハマークとをテレビカメラで撮像してい
るときのウェハステージWSTの座標位置(Xw、Y
w)を記憶しておき、指標マークとウェハマークとの
X、Y方向の位置ずれ量(ΔX、ΔY)を画像信号処理
によって求めた後、座標値(Xw−ΔX、Yw−ΔY)
として算出する必要がある。このようにウェハステージ
WSTの座標位置を読み取る必要があるため、図2にも
示したように、オフ・アクシス・アライメント系OWA
の検出中心点Pdは、Y方向用の干渉計IFYの測長軸
の延長線とX方向用の干渉計IFX1 の測長軸の延長線
とが直交する点に設定されている。ここでオフ・アクシ
ス・アライメント系OWAの検出中心点Pdとは、必ず
しも対物レンズの光軸位置とは限らず、むしろ内部の指
標マークによって決まる仮想的な点である。すなわち、
指標マークを対物レンズを介してウェハW上に投影した
とき、その指標マークの投影点を基準として一定の位置
のところに検出中心点Pdが存在すると考え、オフ・ア
クシス・アライメント系OWAが、検出中心点Pdに対
するウェハマークの位置ずれ量(ΔX、ΔY)を求めて
いると考えるのである。
【0019】以上のように、干渉計IFY、IFX1
オフ・アクシス・アライメント系OWAとを配置する
と、アライメント系OWAによるマーク位置検出のと
き、アッベ誤差(サイン誤差)は零になる。同様に干渉
計IFY、IFX2 についても、投影レンズPLに対し
てアッベ条件を満すように配置されたことになる。さ
て、図2において干渉計IFX1 から出力されるアップ
ダウンパルスUDP1は、プリセット可能なアップダウ
ンカウンタ(UDC)11で可逆計数され、その計数値
DX1 はステージWSTのX方向の座標値として主制御
系14へ出力される。同様に干渉計IFX2 から出力さ
れるアップダウンパルスUDP2 はプリセット可能なU
DC12で計数され、その計数値DX2 はステージWS
TのX方向の座標値として主制御系14へ出力される。
干渉計IFY1 についても同様にして、UDC10によ
ってアップダウンパルスが計数され、その計数値DYが
主制御系14へ送られる。これら各干渉計からのアップ
ダウンパルスは、ステージWSTが、例えば0.01μm
移動するたびに1パルスとなるように定められている。
【0020】主制御系14はUDC10、11、12の
夫々にプリセット(又はリセット)の信号S1 、S2
3 を出力する。このうちUDC11、12については
プリセット信号S1 、S2 に応答して特別なプリセット
が行なわれる。すなわち、プリセット信号(パルス)S
1 が出力されたときは、UDC12の計数値DX2がU
DC11にプリセットされ、プリセット信号(パルス)
2 が出力されたときは、UDC11の計数値DX1
UDC12にプリセットされる。尚、UDC10、1
1、12には、ウェハステージWSTを原点位置に位置
決めしたとき、零リセット信号が主制御系14から送ら
れるようになっている。
【0021】さてTTRアライメント処理系16は、T
TR方式のアライメント系DDX1 、DDX2 、DDY
1 、DDY2 の夫々で検出されたマーク位置ずれ情報S
1 、SX2 、SY1 、SY2 に基づいて各種アライメ
ント誤差やレチクルステージ、又はウェハステージWS
Tの位置補正量を算出し、主制御系14へその結果を出
力する。オフ・アクシスアライメント処理系18はアラ
イメント系OWAで検出された複数のウェハマークの
X、Y方向の各位置ずれ情報SGx、SGyに基づい
て、ウェハW上のショット領域の中心点座標、ショット
領域の配列の規則性、ウェハWの伸縮、歪み等を演算に
よって求め、その結果を主制御系14へ出力する。ステ
ージドライバー20は、ウェハステージWSTをX方
向、Y方向の夫々へ駆動するためのモータ21、22を
制御するもので、先の処理系16、18からの結果とU
DC10、11、12からの座標値(DX1 、DX2
DY)とに基づいてウェハステージWSTを精密に位置
決めする。
【0022】次に本実施例の動作について説明するが、
全体的なシーケンスは概ね公知であるため、詳しい説明
は省略し、特徴となるシーケンスのみについて説明す
る。まず、ウェハWをホルダーWH上にプリアライメン
トして載置する前に、レチクルRをレチクルステージ上
に載置する。レチクルRについても機械的なプリアライ
メントによってレチクルステージ上に保持される。この
際、干渉計IFY、IFX1 、IFX2 のUDC10、
11、12はウェハステージWSTの原点位置におけて
零リセットされているものとする。
【0023】次に主制御系14は、ステージドライバー
20を介してウェハステージWSTを図1、又は図2の
ように位置決めするようにモータ21、22を制御す
る。ウェハステージWSTの原点位置に対する図1(又
は図2)の位置は予め決まっているので、基準板FPの
中心点Fccは、投影レンズPLの光軸AXに対して数μ
m程度の精度で位置決めされる。この位置決めが達成さ
れると、ウェハステージWSTは干渉計IFY、IFX
2 の制御のもとでサーボロックされる。
【0024】その後、TTR方式のアライメント系DD
1 、DDX2 、DDY1 、DDY 2 を使って、レチク
ルマークRMと基準マークFMとの位置ずれ量SX1
SX 2 、SY1 、SY2 を求める。処理系16はそれら
の位置ずれ量に基づいてレチクルRの中心点と基準板F
Pの中心点FccとのX、Y方向の位置ずれ量と、θ方向
の相対回転誤差量とを算出する。主制御系14は、この
位置ずれ量と回転誤差量とがともに零に追い込まれるよ
うに、レチクルステージを微動するためのモータ(不図
示)等を駆動する。レチクルステージの駆動は、TTR
アライメント系でマーク位置ずれを逐次検出して処理系
16から得られる位置ずれ量や回転誤差量に基づいたク
ローズ制御でもよいし、レチクルステージの位置を高精
度に測定するセンサーがある場合は、オープン制御でも
よい。
【0025】以上の動作によって、レチクルRは基準板
FP上の基準マークFMを基準としてアライメントされ
たことになる。このように基準板FPに対してレチクル
Rを精密にアライメントするときのウェハステージWS
Tの位置で、2つの干渉計IFX1 、IFX2 の各UD
C11、12が相互にプリセットされる。具体的には、
その時点でウェハステージWSTのサーボロックに使っ
ている干渉計IFX2 用のUDC12の測定値DX
2が、他方の干渉計IFX1 用のカウンタUDC11へ
プリセットされるように、主制御系14はプリセット信
号S1 を出力する。
【0026】ただし、その直前にカウンタUDC11の
測定値DX1 が主制御系14に読み込まれ、測定値DX
2 との差分が演算されて、その差分もしくは読み込まれ
た測定値DX1 が記憶される。これら記憶した値は、干
渉計IFX1 とIFX2 との相互の測定関係を元に戻す
際に必要となる。以上までの動作が本発明で特徴的なシ
ーケンスであり、後は基準板FP上の基準マークFMが
オフ・アクシス・アライメント系OWAで順次検出され
るように、ウェハステージWSTを移動、位置決めし、
そのときのウェハステージWSTの各位置を干渉計IF
1 、IFYによって測定して記憶する。さらにオフ・
アクシスアライメント処理系18によって検出中心Pd
に対する各基準マークFMの位置ずれ量を求め、その位
置ずれ量と記憶されたステージの各位置との情報に基づ
いて、直交座標系XY上での検出中心点Pdとレチクル
Rの中心点の投影点との相対位置関係(ベースライン)
を算出して記憶する。
【0027】以後、ウェハWをホルダーWH上に載置
し、オフ・アクシス・アライメント系OWAでウェハW
上のいくつかのショット領域に付随したウェハマークを
検出するとき等は、ウェハステージWSTの座標位置計
測として干渉計IFX1 、IFYを用いるようにし、露
光を行なうときは干渉計IFX2 、IFYの測定値のも
とでウェハステージWSTの位置制御を行なうようにす
る。
【0028】すなわち、基準板FPを基準としてレチク
ルRをアライメントすることができるウェハステージW
STの位置で、2つの干渉計IFX1 、IFX2 の夫々
の内部カウンタ(UDC11、UDC12)を同一値に
プリセットした後では、オフ・アクシス・アライメント
系OWAによるマーク検出時に干渉計IFX1 で測定さ
れた値を、露光時に干渉計IFX2 の測定値に基づいて
ウェハステージWSTを位置決めするために必要な値と
してそのまま導入することができる。つまり、ウェハス
テージWSTのヨーイングによる位置誤差が、オフ・ア
クシスアライメント時と露光時との間で生じないことに
なる。
【0029】以上で説明したシーケンスについて、図3
を参照してさらに詳しく述べる。図3はレチクルアライ
メント時における基準マークFMと移動鏡IMy、及び
干渉計IFY、IFX1 、IFX2 の配置関係を誇張し
て表わしたものである。まず前提として、干渉計IFY
の測長軸と干渉計IFX1 、IFX2 の各測長軸とは、
精密に直交しているものとし、オフ・アクシス・アライ
メント系OWAのX方向の検出中心PDxとY方向の検
出中心とPDyの交点(Pd)と、基準板FPの中心点
Fccとは干渉計IFYの測長軸上に位置するものとす
る。さて、基準板FPはウェハステージWST上へ取り
付ける際に、移動鏡IMxの反射面に対して回転誤差θ
fをもつ。そこでこの回転誤差θfを予め精密に測定し
ておき、レチクルアライメントの際に誤差θfが補正さ
れるようにレチクルステージを位置決めすると、図3中
のr2 に示すようにレチクルRは移動鏡IMxの反射面
に対してローテーションなくアライメントされる。尚、
図3中のr1 は基準マークFMに対してレチクルマーク
RMを誤差零でアライメントしたときのレチクルの位置
を示し、中心点Fccを通る直線K1 はレチクルRの中心
を通りY方向に伸びる線を表わし、誤差θfが補正され
るようにレチクルRをアライメントしたとき、直線K1
は移動鏡IMxの反射面と平行になる。
【0030】一方、この状態のときウェハステージWS
Tの位置決めサーボ制御は干渉計IFX2 、IFYに基
づいて行なわれているが、このときの干渉計IFX2
測定値(DX2 )をLe、干渉計IFX1 の測定値(D
1 )をLfとすると、主制御系14はそのΔLy(L
f−Le)を算出して記憶する。測定値Le、Lfはウ
ェハステージWSTが原点位置にあったときの移動鏡I
Mxの反射面の位置を基準にしたものであり、その基準
は図3中に直線Lirで表わされる。そこで差ΔLyを記
憶した後に、干渉計IFX1 の測定値Lfが干渉計IF
2 の測定値Leと等しくなるようにUDC11をプリ
セットすると、2つの干渉計IFX1 、IFX2 の基準
は直線Lir' のように変化する。この直線Lir' は移動
鏡IMxの反射面と平行になり、かつ直線K1 とも平行
になる。従って、以後オフ・アクシス・アライメント系
OWAでウェハW上のマーク、又は基準板FP上の基準
マークFMを検出し、そのX方向の位置を干渉計IFX
1 を使って検出した座標値は、そのまま干渉計IFX2
で計測される値と一対一に対応し、露光時のウェハステ
ージWSTの位置決め制御は、ステージのヨーイング等
を考慮した補正演算等をすることなく干渉計IFX2
IFYによる制御へ切り替えられる。
【0031】尚、ステップアンドリピート方式でウェハ
ステージWSTを、例えばY方向にステッピングされる
場合、ステージWSTは移動鏡IMxの反射面の方向に
沿って移動していく。このため、レチクルRをr2 のよ
うに誤差θf だけ補正してアライメントしておくと、ウ
ェハW上に露光された複数のショット領域の配列によっ
て決まる配列座標系に対して、ショット領域毎のローテ
ーション、いわゆるチップローテーションが無視できる
程に小さくなる。
【0032】また、本実施例では、オフ・アクシス・ア
ライメント系OWAは1本しか設けていないが、2本以
上を設ける場合でも、同様にアッベ条件を満足する干渉
計を増設すればよい。さらに投影レンズのイメージフィ
ールドが大きく、イメージフィールド内の周辺部に検出
中心点を有するTTLオフ・アクシス・アライメント系
(実質的に投影レンズのみを介してウェハマークを検出
する方式)に対してもアッベ条件を満すように干渉計を
配置してよい。またX方向の干渉計が2本とY方向の干
渉計が2本の場合は、X方向用とY方向用とでそれぞれ
相互プリセットを行なえばよい。また、図3での説明で
は、干渉計IFX2 のUDC12の測定値Le(D
2 )を、干渉計IFX1 のUDC11にプリセットす
るとしたが、その逆方向にプリセットしたもよい。すな
わち、UDC11の測定値LfをUDC12へプリセッ
トしてもよい。ただし、この場合はプリセットの前に、
ウェハステージWSTの位置決め制御を干渉計IF
1 、IFYによる制御に切り替えておく必要がある。
【0033】ところで図1に示したTTR方式のアライ
メント系DDX1 、DDX2 、DDY1 、DDY2 、あ
るいはオフ・アクシス・アライメント系OWAとして
は、例えば特開平2−231504号公報に開示されて
いるように、2本の可干渉性ビームをレチクル上、又は
ウェハ上で所定の角度で交差するように照射し、レチク
ル、又はウェハ上の格子パターン上に干渉縞を作り、格
子パターンから生ずる回折光(±1次光、又は0次、±
2次光)を光電検出することによって、ウェハ上の格子
パターンの座標位置、あるいはレチクルの格子パターン
とウェハ上の格子パターンとの相対位置ずれ量を求める
2光束干渉アライメント方式を採用してもよい。この方
式は、特に基準板FPを使ったレチクルRのアライメン
ト時に極めて有効である。すなわち、基準板FP上の各
基準マークFMを格子パターンにし、レチクルR上の各
レチクルマークRMも格子パターンとし、2光束干渉ア
ライメント方式のTTRアライメント系で各レチクルマ
ークRMと各基準マークFMとの位置ずれ量を求める。
この位置ずれ量の計測分解能は、干渉計IFX1 、IF
2 、IFYの分解能(±0.01μm)よりも高くする
ことができる。
【0034】そして求まった位置ずれ量に、基準板FP
の取り付け誤差θfによる各マークのオフセット量を加
えてレチクルステージをX、Y、θ方向にサーボ制御す
ればよい。尚、レチクルRがアライメントされた後、2
光束干渉アライメント方式のTTRアライメント系でレ
チクルRに対して基準板FPが位置サーボ制御されるよ
うに、TTRアライメント系で検出される位置ずれ量の
みに基づいたステージドライバー20の制御を開始し、
ウェハステージWSTの位置を、アライメントされたレ
チクルRを基準としてサーボロックした状態で、2つの
干渉計IFX1 、IFX2 の測定値を等しくプリセット
するようにしてもよい。この場合、2つの干渉計IFX
1 、IFX2 はウェハステージWSTの位置制御に寄与
していないので、両方をプリセットしてもよい。
【0035】また、レチクルアライメント、あるいはレ
チクルアライメント後の残留誤差のチェックについて
は、TTRアライメント系以外に、ウェハステージWS
Tの基準板FP上に設けた発光型のマークをレチクルR
へ逆投影し、発光マークの像とレチクルマークRMとの
相対位置を検出する方式、あるいは基準板FPのスリッ
ト状のマークの下に光電素子を設け、基準板上に結像し
たレチクルマークRMの投影像を、その光電素子で受光
して投影像の位置を検出する方式でもよい。
【0036】ところで、基準板FPの取り付け誤差θf
を予め精密に測定する方法として、試し焼きを使う方法
がある。この場合、ステッパー評価用のテストレチクル
等を図1中に示してTTRアライメント系DDX1 、D
DX2 、DDY1 、DDY2 を使って基準板FPに対し
て精密にアライメントする。すなわち、このレチクルア
ライメントでは、取り付け誤差θfを伴った基準板FP
に対してテストレチクルが位置合わせされ、その結果、
テストレチクルは図3中のr1 のようにセットされる。
【0037】次にその状態で、ウェハホルダーWH上に
レジストを塗布したテストウェハ(ベア・シリコン等)
を、フラットOFを基準としてプリアライメントして載
置する。そして、テストレチクルのパターン領域PAの
投影像の大きさに応じたピッチでウェハステージWST
をX方向、Y方向にステッピッグさせては露光すること
を繰り返す。このとき、ウェハステージWSTのX方
向、Y方向の移動はあくまでも移動鏡IMx、IMyの
反射面に従ったものとなる。
【0038】図5は、このときテストウェハW上に形成
されるテストレチクルのショット領域TSの露光時にお
ける配置を誇張して示したものである。図5において、
直交座標系Xr、Yrはテストレチクルの座標系であ
り、ウェハW上の複数のショット領域TSの夫々は、い
ずれもその座標系Xr、Yrに対して回転ずれはない。
ところがステップアンドリピート方式でのウェハステー
ジWSTのスッテピングは移動鏡IMx、IMyに従っ
て行なわれるから、各ショット領域TSの中心点で規定
される配列座標系(直交)αβは移動鏡IMx、IMy
の各反射面と平行になる。このため図5から明らかなよ
うに、ウェハ上の各ショット領域TSは配列座標系αβ
を基準としてみると、あたかもチップローテーションが
生じたかのように観測される。
【0039】従って、このようにテスト露光されたウェ
ハを現像した後、各ショット領域TS内のテストマーク
(バーニア等)を使って、配列座標系αβに対する各シ
ョット領域TSの平均的な回転誤差量Δθcをステッパ
ーの計測機能、もしくは他の測定機を使って求めれば、
その誤差量Δθcが実質的に取り付け誤差θfと等しい
ことになる。
【0040】尚、チップローテーション計測のためのテ
スト露光の際に特殊なスッテピングを行なう手法があ
る。それはテストレチクルのパターン領域PAの最外周
部の複数ヶ所に配置されたバーニアパターンが、隣接す
るショット領域の露光時に互いにオーバーラップするよ
うにスッテピングさせるのである。その具体例を図6
(A)、(B)、(C)に示す。
【0041】図6(A)はテストレチクルTRのパター
ン領域PA内のバーニアパターン配置の一例を示し、領
域PAの周辺の4辺の夫々には、図6(B)に示した回
折格子状のバーニアパターンGPの複数個が所定位置に
形成されている。これらバーニアパターンGPのうち、
座標Xr、YrのYr軸と平行なパターン領域PAの辺
に沿って形成されたものは、いずれも回折格子のピッチ
方向がYr方向と一致するように定められ、Xr軸と平
行なパターン領域PAの辺に沿って形成されたものは、
いずれも回折格子のピッチ方向がXr方向と一致するよ
うに定められる。またそれら複数のバーニアパターンG
Pの夫々は、テストレチクルTRの中心点CRに対して
予め決められた位置に形成され、その位置関係は他の測
定機によって精密に計測され、テストレチクルのバーニ
ア配置精度(誤差)として求められているものとする。
【0042】さて図6(B)に示した回折格子状のバー
ニアパターンGPは、一定ピッチ(ウェハ上で例えば4
μm)でラインアンドスペースを形成したもので、各ラ
インとスペースはウェハ上で例えば2μmである。この
ようなバーニアパターンGPを有するパターン領域PA
をスッテピングによりウェハへ焼き付けるとき、図6
(C)に示すように、隣接するショット領域同志がX方
向、Y方向の各ステップ方向に一部オーバーラップする
ようにステップ移動する。図6(C)は、図5に示した
複数のショット領域のうちの1つを特定のショット領域
TSaとして着目し、それに隣接した4つのショット領
域TS 1 、TS2 、TS3 、TS4 の配置を誇張して示
したものである。図5からもわかるように、チップロー
テーションが存在すると、隣接するショット領域同志は
スッテピング方向とほぼ直交する方向に相対位置ずれを
起したように観察される。例えば図6(C)において、
α(X)方向のステッピングによって形成されるショッ
ト領域TS1 とTS3 は、着目するショット領域TSa
に対してβ(Y)方向にずれ、β(Y)方向のステッピ
ングによって形成されるショット領域TS 2 、TS
4 は、ショット領域TSaに対してα(X)方向にずれ
ている。そこで各ショット領域のオーバーラップ部分
(斜線部)に、チップローテーションによってずれる方
向と格子状バーニアパターンGPのピッチ方向とを合致
させ、かつ隣接ショット領域の各バーニアパターンがス
テッピング方向に少しずれて並置されるようにステッピ
ングを行なう。
【0043】こうして焼き付けられたウェハを現像する
と、ショット領域TSaの周辺の4辺の夫々に、一対の
格子状バーニアパターンGPのレジスト像が形成され
る。一対のバーニアレジストパターンはチップローテー
ションによって、ピッチ方向にわずかに位置ずれを起こ
している。この位置ずれ量を高精度に測定することによ
って、チップローテーション量Δθc、すなわち、取り
付け誤差θfが求まる。
【0044】ここで、具体例をあげると、図6(A)の
テストレチクル中のバーニアパターンGPのうち、レチ
クル中心点CRを通りXr軸と平行な線上に、中心点C
Rに対して対称的に位置する2つのバーニアパターンG
Pa、GPbに着目する。このとき、ショット領域TS
aとショット領域TS1 とのオーバーラップ部分(左側
のオーバーラップ部とする)では、領域TSaに付随し
たバーニアレジストパターンGPaに対して、領域TS
1 のバーニアレジストパターンGPbはY方向の正に位
置ずれを起し、ショット領域TSaとショット領域TS
3 とのオーバーラップ部分(右側のオーバーラップ部と
する)では、領域TSaに付随したバーニアレジストパ
ターンGPbに対して、領域TS3 のバーニアレジスト
パターンGPaはY方向の負に位置ずれを起す。
【0045】そこでテストレチクル上でのバーニアパタ
ーンGPa、GPbのXr方向の間隔をウェハ側に換算
した値をLDとして、左側のオーバーラップ部で求めた
Y方向の位置ずれ量をΔYg 1 とし、右側のオーバーラ
ップ部で求めたY方向の位置ずれ量をΔYg 2 としたと
き、チップローテーションΔθc(=θf)は次式で算
出される。
【0046】 Δθc≒(ΔYg 1 −ΔYg 2 )/LD このような手法で、着目するショット領域TSa内の他
の複数対のバーニアレジストパターンGPの相対位置ず
れ量を求めて複数個のチップローテーション量Δθcを
算出した後、それらを平均化することによって、より精
度の高い取り付け誤差θfが求まる。またウェハ上の複
数の異なる位置に着目するショット領域TSaを設定
し、その複数位置の夫々で求めた平均化されたチップロ
ーテーション量Δθcを、さらに平均化すると、ウェハ
ステージWSTのランダムなステッピング誤差による影
響が低減されることになる。
【0047】尚、図6(B)のバーニアパターンGPの
レジスト像の2つがピッチ方向と直交する方向に並置さ
れた場合、2つのバーニアレジストパターンのピッチ方
向の位置ずれ量は、例えば特開昭62−56818号公
報に開示されているような干渉縞を使った位置ずれ測定
機を使うことで極めて高精度に測定できる。この公報に
開示された方式によれば、2つのバーニアレジストパタ
ーンの夫々にピッチ方向に対称的に傾いた2本のレーザ
ビームを同時に照射して、バーニアレジストパターンの
格子ピッチPgの1/2のピッチの干渉縞を作るととも
に、2本のレーザビーム間に一対の周波数差Δfを与え
る。このとき2つのバーニアレジストパターンの夫々か
ら垂直に発生する±1次回折光の干渉光は周波数Δfの
ビート光となり、この干渉光を個別に光電検出すると、
周波数Δfの2つの交流信号(正弦波)が得られる。と
ころが、2つのバーニアレジストパターンがピッチ方向
に位置ずれ(格子ピッチPgの1/2以内)を起してい
ると、その位置ずれ量に比例して、2つの交流信号に位
相差φが生じる。そこで位相差計等を用いて2つの交流
信号の位相差φ(±180°以内)を計測し、それを位
置ずれ量に換算すればよい。ちなみに位相差計測にフー
リエ変換を利用したとすると、位相差計測の分解能とし
て±0.5°程度が安定に得られる。格子ピッチPgがウ
ェハ上で4μmであるとすると、Pg/2の位置ずれが
位相差の360°に対応(±Pg/4が±180°に対
応)するから、±0.5°の位相計測分解能のとき、位置
ずれ検出分解能は±Pg/(4・180/0.5)とな
り、約±2.8nmとなる。この値は通常の測長用のレーザ
干渉計の分解能に対して1桁以上高いものである。
【0048】従って、このような干渉縞を使った位置ず
れ測定機能がステッパーのアライメント系に組み込まれ
ているときは、現像後のウェハをそのステッパーに載せ
て自動計測を行なうことで、ただちにチップローテーシ
ョンΔθc、及び基準板FPの取り付け誤差θfが求ま
るので、その値をステッパーのコンピュータ内に装置定
数として記憶させるまでの動作が自動でできるといった
利点がある。また、そのような高分解能、高精度な自己
計測システムを備えたステッパーであれば、基準板FP
の取り付け誤差は、直接基準マークの位置関係を測定す
ることによっても求めることができる。この場合は、基
準マークの一部に図5と同様の回折格子状のマークを入
れておく必要がある。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、第1干渉
計を使って感光基板上のマーク位置を検出した結果は、
そのまま第2干渉計を使った露光時のステージ位置制御
につかえることになり、ステージのヨーイング等を考慮
した補正演算を逐次行う必要がないといった利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による投影露光装置の構成を示
す斜視図である。
【図2】図1の装置のウェハステージ上の構成と制御系
の構成を示す図である。
【図3】本実施例の動作を説明する図である。
【図4】従来の投影露光装置におけるベースライン計測
を説明する図である。
【図5】基準板の取り付け誤差を試し焼きによって求め
る際のウェハ上のショット配列を示す図である。
【図6】チップローテーション計測のためのテストレチ
クルのパターン配置とステッピングの方法とを説明する
図である。
【主要部分の符号の説明】
PL 投影レンズ R レチクル RMx 1 、RMx 2 、RMy 1 、RMy 2 レチクルマ
ーク W ウェハ WST ウェハステージ FP 基準板 FMX1 、FMX2 、FMY1 、FMY2 基準マーク OWA オフ・アクシス・アライメント系 Pd 検出中心点 DDX1 、DDX2 、DDY1 、DDY2 TTR方式
のアライメント系 IFY、IFX1 、IFX2 レーザ干渉計 10、11、12 アップダウンカウンタ(UDC) 14 主制御系 S1 、S2 、S3 プリセット信号

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクのパターン像を感光基板上に投影
    する投影光学系と、前記感光基板を保持するステージ
    と、前記ステージの位置情報を検出する互いに測長軸が
    平行な第1及び第2干渉計とを備えた投影露光装置にお
    いて、 前記基板ステージに設けられ、基準マークが形成された
    基準板と、 前記基準板上の基準マークが前記投影光学系の投影視野
    領域内に配置されるように前記ステージ位置決めされ
    た状態で、前記第1干渉計の測定値と前記第2干渉計の
    測定値とを対応付ける設定手段とを有することを特徴と
    する投影露光装置。
  2. 【請求項2】 前記設定手段は、前記第1及び第2干渉
    計の各測定値を同一値に設定することを特徴とする請求
    項1に記載の投影露光装置。
  3. 【請求項3】 マスクのパターン像を感光基板上に投影
    する投影光学系と、前記感光基板を保持するステージ
    と、前記ステージの位置情報を検出する互いに測長軸が
    平行な第1及び第2干渉計とを備えた投影露光装置にお
    いて、 前記投影光学系を介して前記ステージ上の基準マークを
    検出する検出手段と、 前記検出手段が前記基準マークを検出するときの前記ス
    テージの位置で、前記第1及び前記第2干渉計の各測定
    値を対応付ける設定手段とを備えたことを特徴とする投
    影露光装置。
  4. 【請求項4】 前記検出手段は、前記基準マークと前記
    マスクに形成される特定マークとを検出することによっ
    て各マークの相対的な位置関係を検出し、 前記設定手段は、前記検出手段が前記相対的な位置関係
    を検出するときの前記ステージの位置で、前記第1及び
    前記第2干渉計の各測定値を対応付ける ことを特徴とす
    る請求項3に記載の投影露光装置。
  5. 【請求項5】 マスクのパターン像を感光基板上に投影
    する投影光学系と、前記感光基板を保持するステージ
    と、前記ステージの位置情報を検出する互いに測長軸が
    平行な第1及び第2干渉計とを備えた投影露光装置にお
    いて、 前記投影光学系を介して前記基準マークと前記マスクに
    形成される特定マークとの相対的な位置関係を検出する
    検出手段と、 前記検出手段が前記相対的な位置関係を検出するときの
    前記ステージの位置で 、前記第1干渉計の測定値を設定
    する設定手段とを備えたことを特徴とする投影露光装
    置。
  6. 【請求項6】 前記検出手段は、前記マスクに形成され
    る複数の特定マークの各々と前記基準マークとを検出す
    ることを特徴とする請求項4又は5に記載の投影露光装
  7. 【請求項7】 前記検出手段から出力される前記特定マ
    ークと前記基準マークとの相対位置関係に関する複数の
    情報に基づいて、前記第1干渉計、又は前記第2干渉計
    によって規定される座標系に対する前記マスクのアライ
    メントを行う位置合わせ手段を更に備えたことを特徴と
    する請求項に記載の投影露光装置。
  8. 【請求項8】 前記基準マークは、前記複数の特定マー
    クにそれぞれ対応する複数のマークを有することを特徴
    とする請求項6又は7に記載の投影露光装置。
  9. 【請求項9】 前記複数のマークは、前記ステージに設
    けられる単一の基準板に形成されることを特徴とする請
    求項に記載の投影露光装置。
  10. 【請求項10】 前記感光基板上のマークを検出するア
    ライメント系と、前記検出手段と前記アライメント系と
    でそれぞれ前記基準マークを検出して、前記アライメン
    ト系のベースライン量を決定する計測手段とを更に備え
    たことを特徴とする請求項3〜のいずれか一項に記載
    の投影露光装置。
  11. 【請求項11】 前記アライメント系は、前記投影光学
    系を介して前記感光基板上のマーク、又は前記基準マー
    クを検出することを特徴とする請求項10に記載の投影
    露光装置。
  12. 【請求項12】 前記アライメント系は、前記投影光学
    系の外部に別設される対物光学系を有し、前記対物光学
    系を介して前記感光基板上のマーク、又は前記基準マー
    クを検出することを特徴とする請求項10に記載の投影
    露光装置。
  13. 【請求項13】 前記アライメント系は、前記感光基板
    上のマーク、又は前記基準マークにブロードバンドの照
    明光を照射し、前記対物光学系を介して前記マークの像
    を撮像素子で検出することを特徴とする請求項12に記
    載の投影露光装置。
  14. 【請求項14】 前記アライメント系はその検出中心点
    が前記第1干渉計の測長軸上に配置されることを特徴と
    する請求項10〜13のいずれか一項に記載の投影露光
    装置。
  15. 【請求項15】 前記アライメント系は、前記感光基板
    上のマーク、又は前記基準マークの検出時に前記第1干
    渉計で検出される位置情報を用いることを特徴とする請
    求項14に記載の投影露光装置。
  16. 【請求項16】 前記第2干渉計はその測長軸が前記投
    影光学系の光軸位置を通り、前記感光基板の露光時に前
    記第2干渉計で検出される位置情報を用いて前記ステー
    ジの移動を制御する駆動制御手段を更に備えることを特
    徴とする請求項3〜15のいずれか一項に記載の投影露
    光装置。
  17. 【請求項17】 互いに平行な測長軸を有する第1及び
    第2干渉計を用いて、感光基板を保持するステージを移
    動して、投影光学系を介してマスクのパターンを前記感
    光基板上に投影露光する方法において、 前記基準板上の基準マークが前記投影光学系の投影視野
    領域内に配置されるように前記ステージを位置決めし、
    前記ステージが位置決めされた状態で前記第1干渉計の
    測定値と前記第2干渉計の測定値とを対応付けることを
    特徴とする投影露光方法。
  18. 【請求項18】 互いに平行な測長軸を有する第1及び
    第2干渉計を用いて、感光基板を保持するステージを移
    動して、投影光学系を介してマスクのパターンを前記感
    光基板上に投影露光する方法において、 前記投影光学系を介して前記ステージ上の基準マークが
    検出されるときの前記ステージの位置で、前記第1及び
    前記第2干渉計の各測定値を対応付けることを特徴とす
    る投影露光方法。
  19. 【請求項19】 前記ステージは、前記基準マークと前
    記マスクに形成される特定マークとが検出されるように
    位置決めされることを特徴とする請求項18に記載の投
    影露光方法。
  20. 【請求項20】 互いに平行な測長軸を有する第1及び
    第2干渉計を用いて、感光基板を保持するステージを移
    動して、投影光学系を介してマスクのパターンを前記感
    光基板上に投影露光する方法において、 前記投影光学系を介して前記基準マークと前記マスクに
    形成される特定マーク との相対的な位置関係が検出され
    るときの前記ステージの位置で、前記第1干渉計の測定
    値を設定することを特徴とする投影露光方法。
  21. 【請求項21】 前記ステージは、前記マスクに形成さ
    れる複数の特定マークの各々と前記基準マークとが検出
    されるように位置決めされることを特徴とする請求項
    9又は20に記載の投影露光方法。
  22. 【請求項22】 前記ステージの位置決め時に、前記基
    準マークと前記特定マークとの相対位置関係に基づい
    て、前記第1干渉計又は前記第2干渉計によって規定さ
    れる座標系に対する前記マスクのアライメントを行うこ
    とを特徴とする請求項19〜21のいずれか一項に記載
    の投影露光方法。
  23. 【請求項23】 前記感光基板上のマークを検出するア
    ライメント系で前記基準マークを検出し、前記アライメ
    ント系の検出結果と前記基準マークと前記マスク上の特
    定マークとの相対位置関係とに基づいて、前記アライメ
    ント系のベースライン量を決定することを特徴とする請
    求項19〜22のいずれか一項に記載の投影露光方法。
  24. 【請求項24】 前記第1干渉計の測長軸は前記感光基
    板上のマークを検出するアライメント系の検出中心点と
    対応付けられ、前記アライメント系による前記感光基板
    上のマーク、又は前記基準マークの検出時に前記第1干
    渉計で検出される位置情報を用いることを特徴とする請
    求項17〜23のいずれか一項に記載の投影露光方法。
  25. 【請求項25】 前記第2干渉計の測長軸は前記投影光
    学系の光軸位置と対応付けられ、前記感光基板の露光時
    に前記第2干渉計で検出される位置情報を用いて前記ス
    テージの移動を制御することを特徴とする請求項17〜
    24のいずれか一項に記載の投影露光方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110379941A (zh) * 2019-07-31 2019-10-25 昆山梦显电子科技有限公司 高分辨率Micro-OLED的制备方法以及显示模组

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