JP3170623U - 直管楽器用のストラップ - Google Patents

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Abstract

【課題】伸縮性を有する吊り紐の下端に直管楽器に係止させる係止具を取り付けた直管楽器用ストラップにおいて、操作する指がストラップと接触しないようにしたストラップを提供する。【解決手段】帯体10の一方の端部にはその長さを調整できるように、帯体の折り返し部13とバックル12とからなる調整部11を設けている。帯体10の他方の端部と折り返し部13には連結環14、15を介してゴム紐の外側に繊維層を設けた伸縮紐16を取り付ける。合成樹脂製棒体を半円形の屈曲させた部材18の上端を伸縮紐16の中間部で支持させてあり、屈曲部材18の下端には、楽器に係止するためのリング状の係止具20を遊間させた伸縮紐19を取り付ける。【選択図】図3

Description

本考案は、伸縮性を有する紐体で全部または一部を構成した吊り紐の下端に直管楽器に係止させる係止具を取り付けた直管楽器用ストラップに関するもので、ソプラノクラリネット、ソプラノサックス、オーボエなどの比較的軽量の直管楽器を演奏する際に使用される。
直管楽器、例えばソプラノクラリネット1を演奏する場合には、楽器のサムレスト2(指掛け部)の下に右手親指を位置させて楽器を支え、マウスピース3を口にくわえて指で操作を行う(図1参照)。演奏中は、右手親指と操作する指とで楽器を把持するため、右手親指はで楽器の重量を直接受けることになる。そのため、この親指に掛かる負担が極めて大きくなり、多くの演奏家は親指のCM関節を傷めて関節炎との闘いを余儀なくされることがある。
出願人は、この問題を解決するために、特許文献1に示した構成の直管楽器用ストラップを先に提案した。
この公知技術においては、吊り紐の左右の下部は、その全部または一部を伸縮性を有する紐体で構成してストラップの長さに実質的な余裕を持たせ、メロディーやリズムに合わせて体や楽器を動かす際に、紐体の伸縮を利用してストラップの当初の長さを越えて楽器を移動させることを可能にしたものである。ストラップに張力が発生しても、伸縮性の紐体がこれを吸収するためストラップ自体が張力による衝撃を受けることはない。したがって、右手親指への過度の負荷が防止され、楽器の演奏を円滑に行なうことができる利点がある。
ところで、前記の直管楽器の裏側には左手親指で操作するレジスターキィー5やホール6が設けられているから(図2参照)、体の向きや楽器の演奏角度によっては、操作中に親指の背面側がストラップと接触し、演奏者が違和感を覚え或いは指が緊張感を増して演奏に対する集中力が削がれることがあった。
操作中に左手親指の背面側が伸縮紐と接触しないようにするための方策として、ストラップを胸の正面に位置させないようにすることが考えられる。特許文献2においては、両肩から吊るすストラップを開示していて、ストラップはレジスターキィー5やホール6と対面しない状態となる。
しかしながら、肩からストラップを吊るそうとすると、専用の着衣や部品が必要となって、吊り下げ具(装置)自体が大掛かりとなる。また、楽器や体を動かす際に二つの支点と楽器とが大きな三角形を形成することになるから、紐の移動が窮屈となり、肩に引っ張り感が生れ、とりわけ左右方向への動きがぎこちなくなる不都合もある。
実用新案登録第3153387号公報 特開2008−268737号公報
本考案は、伸縮性を有する紐体で全部または一部を構成した吊り紐の下端に直管楽器に係止させる係止具を取り付けた直管楽器用ストラップにおいて、レジスターキィーなどを操作する左手親指がストラップと接触しないようにすることを課題としたものである。
この技術的課題を解決するための第一の技術的手段は、吊り紐の左手親指に対応する部分に凹状屈曲部材を介挿させたこと、である。
第二の技術的手段は、上記ストラップにおいて、吊り紐の下端部と係止具との間に係止具の着脱を容易にするための支持具を取り付けたことであり、第三の技術的手段はこれらの吊り紐の長さの調節を可能としたことである。
第一の技術的手段において、吊り紐の左手親指に対応する部分に凹状屈曲部材が介挿させられているから、吊り紐を楽器に係止させた状態における左手親指の操作は、屈曲部材の凹部を利用した空間で行われることになる。したがって、レジスターキィーなどを操作する左手親指がストラップと接触することはない。
伸縮性を有する紐体は、ストラップのどの位置に設けてもよい。ゴム紐や柔軟性を有する袋体内に細いコイルバネを装入させたものなどを好適に使用できる。楽器を吊るした状態から数cm〜10cm程度の範囲で伸縮するようにしておけばよい。
凹条屈曲部材は、楽器を傷めないように合成樹脂や木などの材質のもので形成することが望ましく、半円形・半楕円形・「く」字形乃至「コ」字形などに屈曲させた棒状体や板体を用い、凹部側を楽器に向けてストラップに介挿する。
凹状屈曲部材の取り付け位置は、楽器係止具の係止位置とレジスターキィーなどの位置とで決定されることに成る。
第二の技術的手段では、上記のストラップにおいて、吊り紐の左右の下部と係止具との間に係止具の着脱を容易にするための支持具が取り付けられているから、楽器の係止部の形状に対応して係止具を選択し、これを容易に交換することができる。この場合、係止具を支持具に遊嵌させておくと、楽器を左右に振っても演奏中に抵抗感や違和感を覚えることはほとんどない。
また、演奏者は、それぞれ身長や腕の長さが異なるし、演奏者が用いる各楽器の長さも相違するから、吊り紐自体の長さを調節できるようにしておくことによって、楽器を最適の位置(高さ)に吊るすことができる。
レジスターキィーなどを操作する際に左手親指がストラップと接触しない結果、レジスターキィーやホールの操作を円滑に行うことができ、この指に特別の違和感や緊張感が生れることもないから、快適な演奏を楽しむことができる。
ソプラノクラリネットの正面図 ソプラノクラリネットの要部背面図 ストラップの斜視図
図3は、本考案に係るストラップを示したものである。
上部の首に掛かる部分は非伸縮性帯体10で形成している。帯体10の一方の端部にはその長さを調整できるように、帯体の折り返し部13とバックル12とからなる調整部11を設けている。
帯体10の他方の端部と折り返し部13には連結環14、15を介してゴム紐の外側に繊維層を設けた伸縮紐16を取り付けている。
この実施例では、合成樹脂製棒体を半円形の屈曲させた部材18の上端を伸縮紐16の中間部で支持させてあり、屈曲部材18の下端には、図示しない楽器に係止するためのリング状の係止具20を遊間させた伸縮紐19を取り付けている。
なお、伸縮紐16、19のいずれかを非伸縮性の紐に代えることもできる。
また、この実施例では、スライド片17、17の左右の端部を伸縮紐16に挿通させ、下段のスライド片17を屈曲部材18側に移動させることによって、屈曲部材18の支持を安定させ、上段のスライド片17を帯体11側に移動させることによって、伸縮紐16を並行状態に維持させられるようにしている。
係止具は、J字やレ字状のフック、方形ないし矩形のリング或いはループ状の紐や強靱な糸で構成することができる。楽器の係止部に対応させた形態のものを適宜選択することになる。
なお、係止具の種類を選択できるように、係止具の着脱を可能にした支持具を介して係止具を取り付けるようにしてもよい。
1ソプラノクラリネット、 2サムレスト、 3マウスピース、 5レジスターキー、 6ホール、 11ストラップ上部を構成する帯体、 12バックル、 14、15帯体の環状部、 14、15連結環、 16、19ゴム製の伸縮紐、 17スライド片、 18凹条屈部材、 20係止具、

Claims (3)

  1. 伸縮性を有する紐体で全部または一部を構成した吊り紐の下端に直管楽器に係止させる係止具を取り付けた直管楽器用ストラップにおいて、吊り紐の左手親指に対応する部分に凹状屈曲部材を介挿させたストラップ。
  2. 吊り紐の下端部と係止具との間に係止具の着脱を容易にするための支持具を取り付けた請求項1に記載の直管楽器用ストラップ。
  3. 吊り紐の長さの調節を可能とした請求項1、2又は3に記載の直管楽器用ストラップ。
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