JP3170134B2 - 金属薄膜表面の汚れ除去方法 - Google Patents

金属薄膜表面の汚れ除去方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属薄膜表面の汚れの
除去方法に関し、更に詳しくは、走査型プローブ顕微鏡
の原理を応用して記録再生を行う記録媒体用の電極等に
用いられる、平板状結晶群からなる極めて平滑性の高い
金等の金属薄膜表面の汚れの除去方法に関する。更に、
オゾン等によるアッシング(灰化)による方法では、フ
ォトレジスト中に含まれる重金属は除去することが出来
ないという問題がある。
【0002】
【従来の技術】昨今、走査型トンネル顕微鏡或は原子間
力顕微鏡(以上総称して「走査型プローブ顕微鏡」と呼
ぶ)が開発され、物体の表面を原子レベルの解像度で観
察することが可能となっている。更に、これらの原理を
応用して原子レベルの大きさの加工をすることにより記
録媒体上に記録再生を行う方法が提案されており、この
際に使用される記録媒体用の電極として、平板状の結晶
面を有する極めて平滑性が高い金属薄膜を形成すること
が望まれる。又、この金属薄膜の形成材料としては、と
りわけ化学的に安定な貴金属である金等を用いることが
有望と考えられる。
【0003】この様な平滑性の高い金薄膜は、代表的な
例として、以下に述べる2つの方法で作成されている。
第一の方法として、真空蒸着を用いる方法があるが、こ
の方法は、マイカ(雲母)等の基板を加熱した後、通
常、10-6torr以下の真空中で、電子ビーム加熱や
抵抗加熱により金を蒸気相にして搬送し、基板上に堆積
させるものである(C.E.D.Chidsey他、S
urface Science 200(1988)4
5−66)。
【0004】第二の方法としては、[AuI4- 或は
[AuI2- 等の金錯体溶液中の金錯体を分解処理す
ることにより、基板上に平板状の金単結晶群からなる金
薄膜を形成した例があるが、この方法については後に詳
述する。上記の何れの方法でも、1μm×1μm程度の
エリアにおける凹凸が数原子ステップという様な非常に
平滑性の高い表面を持つ金薄膜が得られており、特に、
第二の金錯体の分解処理による方法によれば、数μm×
数μm〜数mm×数mmの連続した平滑な金結晶面が得
られる。
【0005】上述の様にして作製された金薄膜を記録媒
体用の電極等として用いる為には、半導体素子の作製等
と同様に、薄膜のパターニングや基板の溝切りや切断等
を行い、所望の形状に加工することが必要となる。そし
て、この様な加工の際には、フォトリソグラフフィーや
加工時の保護膜として、フォトレジスト等の有機膜が金
薄膜表面に塗布される。加工時に使用されるこれらのフ
ォトレジスト等の有機膜は、加工後には完全に薄膜上か
ら除去されることが望ましい。
【0006】フォトレジスト等のこれらの有機膜を除去
する方法としては、例えば、硫酸・過酸化水素混合液等
の様な強力な酸化剤を用いて有機膜を分解することが行
なわれているが、この様な強力な酸化剤の使用によって
は、下地である金薄膜表面にダメージを与えてしまう場
合がある。従って、従来は、フォトレジスト等の有機膜
の除去を、有機溶剤系の剥離剤及び洗浄液中で超音波洗
浄等により洗い流すことにより行っている。又、オゾン
等によるアッシング(灰化)により除去する等の方法も
行われている。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記の様な従来のフォトレジスト等の有機膜の除去方法に
は、以下の様な種々の問題点があった。走査型プローブ
顕微鏡の原理を応用した記録再生方法においては、記録
ビットが極めて小さく、原子レベルの大きさであること
から、これに用いられる記録媒体用の電極表面には極め
て高い平滑性が要求される為、汚れの除去工程で僅かで
も金属薄膜表面にダメージが与えられると、表面の平滑
性が損なわれ実用上大きな問題が生じる。更に、これに
加えて、記録媒体用の電極として用いられる金属薄膜を
構成する平板状結晶の表面には、例え、通常の半導体素
子の製造等の場合には何等問題とならない様な程度の極
めて薄い汚れでも、汚れが付着していると記録再生に支
障をきたす場合がある。
【0008】即ち、従来の、硫酸・過酸化水素混合液等
の様な強力な酸化剤を用いた分解方法を用いれば、ほぼ
完全にフォトレジスト等の有機膜を除去することが出来
るが、上記した通り、下地の金属薄膜表面にダメージを
与えてしまい金属薄膜表面の平滑性が損なわれてしまう
という問題がある。又、有機溶剤系の剥離剤及び洗浄液
中で超音波洗浄等により汚れを洗い流す方法では、金属
薄膜上に塗布したフォトレジスト等の有機膜を、走査型
プローブ顕微鏡の原理を応用した記録再生に問題のない
程度まで完全に除去するのは極めて困難であり、多くの
場合に、レジスト残渣等の汚れが僅かに付着して残り、
記録再生に支障をきたすという問題がある。更に、オゾ
ン等によるアッシング(灰化)による方法では、フォト
レジスト中に含まれる重金属は除去することが出来ない
という問題がある。
【0009】従って、本発明の目的は、平板状金属結晶
群からなる金属薄膜表面の極めて高い平滑性を損なうこ
となく、例えば、加工時に金属薄膜表面に塗布されるフ
ォトレジスト等の有機膜を、走査型プローブ顕微鏡の原
理を応用した記録再生に問題のない程度にまで完全に除
去することの出来る金属薄膜表面の汚れ除去方法を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明に
よって達成される。即ち、本発明は、走査型プローブ顕
微鏡の原理を応用して記録再生を行う記録媒体の電極に
用いられる極めて平滑性の高い金属薄膜(以下、単に金
属薄膜という)表面にプラズマ又はプラズマより発生
する荷電粒子を1kV以下の加速電圧で印加して照射
し、金属薄膜表面に付着している汚れを除去することを
特徴とする金属薄膜表面の汚れ除去方法である。
【0011】
【作用】本発明にかかる金属薄膜表面の汚れ除去方法に
よれば、プラズマ又はプラズマより発生する荷電粒子
を、1kV以下の低い電圧で加速して金属薄膜表面に照
射することにより、金属薄膜表面に付着している汚れ
が、低いエネルギーの粒子によってスパッタされて除去
される。即ち、本発明によれば、汚れの除去が物理的な
スパッタにより行われる為、従来のオゾン等によるアッ
シング(灰化)方法等では除去することの出来なかった
重金属を含むレジスト等の汚れをも除去することが出
来、且つスパッタに際し低エネルギー粒子が用いられて
いる為、金属薄膜表面にダメージを与えることがなく、
平板状金結晶群等からなる金属薄膜表面の有する極めて
高い平滑性が損なわれずに維持される。
【0012】
【好ましい実施態様】次に、図面に基づき本発明を更に
詳しく説明する。本発明にかかる金属薄膜表面の汚れ除
去方法は、平板状結晶群からなる極めて高い平滑性を有
する金属薄膜表面に、プラズマ又はプラズマより発生す
る荷電粒子を1kV以下の加速電圧で印加することによ
り照射し、金属薄膜表面に付着している汚れを除去する
ことを特徴とする。本発明に用いられるプラズマ又はプ
ラズマにより発生する荷電粒子の照射方法の一例として
は、図1に示した様な装置を用い、プラズマ6中から加
速電極7に印加された電圧イオン等の荷電粒子を引き出
して、加速電圧を印加して平板状結晶群からなる金属薄
膜1に照射する方法や、図3に示した様な装置を用い、
プラズマ6を、陽極8と基板2との間に印加したバイア
ス電圧によって金属薄膜1に照射する方法等が用いられ
る。
【0013】本発明においては、金属薄膜表面に与える
ダメージを小さくする為、プラズマ又はプラズマにより
発生する荷電粒子の加速電圧を、1kV以下の低い電
圧、更に好ましくは、0.1〜0.5kVで金属薄膜表
面に加速し、金属薄膜表面に照射する。 更に、照射角度
も照射面に対し垂直に照射するのではなく、照射面に対
し、例えば、60°程度の角度で照射すれば、金属薄膜
表面に与えるダメージを小さくすることが出来る。
【0014】又、プラズマとして用いるガスとしては、
衝突により金属薄膜に与えるダメージを小さく抑える為
に、分子量が小さいガスを用いるのが好ましい。特に好
ましくは、平均分子量が32以下の、例えば、O2 、N
e、He又はH2 等のガスが好適に使用される。
【0015】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説
明する。 実施例1 先ず、本実施例で用いた表面の平滑性の高い平板状金単
結晶群からなる金薄膜の作製方法の例について述べる。
先ず、蒸留水にヨウ化カリウム及びヨウ素を投入して、
ヨウ素水溶液を形成した後、金を投入し、混合撹拌し
て、[AuI4]- 及び[AuI2]- を含有する金錯体溶
液を形成する。この時、溶液中には、これらの金錯体の
他、I3 -及びK+イオンが存在するものと考えられる。
次いで、基板の表面を金錯体溶液に接する様にした後、
溶液を30〜100℃に昇温し、この温度を保ちヨウ素
成分の揮発を促進させる。尚、基板には、本実施例では
Si単結晶ウエハを用いた。
【0016】金錯体溶液系内では、I3 -の状態で存在す
るヨウ素成分の揮発による溶液系内の平衡状態の維持の
為、[AuI4- 及び[AuI2- からのI成分の解
離による分解、又は[AuI4- 及び[AuI2-
形で存在する金錯体中のヨウ素成分の直接の揮発による
分解が進行し、金は基板表面に核として析出する。この
後、析出による核の形成はしばらく続くが、ある程度の
数の核が形成されると核の増加が止まり、核が自己整合
的に単結晶群へと成長する。
【0017】図2に、以上の様にして作製された金単結
晶群の代表的な光学顕微鏡写真の一例を示す。図2に示
されている様に、この金単結晶群は、通常の多結晶薄膜
とは異なり、夫々の結晶が基板の面内方向の粒径に対す
る垂直方向の厚さのアスペクト比の小さい平板状金単結
晶の集合である。尚、以上の様な平板状金単結晶は、基
板に対して(111)方位が優先配向したものである。
【0018】以上述べた様な方法によって、数μm〜数
mm程度の結晶粒径を有する平板状の金単結晶群からな
る金薄膜を基板上に作製する。尚、この様な平板状金単
結晶群からなる金薄膜の作製に用いられる金錯体として
は、本実施例では、[AuI4- 及び[AuI2-
用いたが、本実施例以外のものとして、[AuCl4-
、[Au(CN)2- 及び[Au(CN)3-等を用いる
ことも出来る。
【0019】又、金錯体の分解処理手段としては、本実
施例では、加熱による揮発性成分の揮発による方法を用
いたが、その他、還元剤を用いる方法等がある。この際
に使用される還元剤としては、例えば、ハイドロキノ
ン、ピロガロール、パイロカテキン、グクシン、メトー
ルハイドロキノン、アミドール、メトール、亜硫酸ソー
ダ、チオ硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等、溶液中
で還元作用を有する各種の物質が用いられる。
【0020】上記の様にして得られた平板状金単結晶群
について、位相差顕微鏡による光学観察と、走査型トン
ネル顕微鏡及び原子間力顕微鏡による観察を行ったとこ
ろ、結晶の成長過程で必然的に発生する1段が1原子層
に相当する数段のステップのみが観察され、それ以上の
大きな段差や穴は確認されなかった。
【0021】この様にして作製した平板状の金単結晶群
からなる金薄膜に対して、以下の様にして、フォトリソ
グラフィーによるパターニング加工を行った。先ず、上
記の様にして得られた金薄膜上にフォトレジストを塗布
し、所望のパターンを露光、現像した後、CCl22
等のプラズマを用いたドライエッチングや、或はKI+
2 水溶液により不溶部分の金単結晶群をエッチング
し、その後、有機溶剤系の洗浄液中で超音波洗浄するこ
とでフォトレジストを除去することによりパターニング
加工を行なう。上記の様なパターニング加工を行った後
の平板状金単結晶群からなる金薄膜表面について、パタ
ーニング加工前と同様にして、走査型トンネル顕微鏡及
び原子間力顕微鏡による観察を行ったところ、結晶の表
面に汚れの付着が確認され、パターニング加工前に観察
された極めて平滑な金属薄膜表面は観察されなかった。
【0022】この汚れの付着した平板状金単結晶群から
なる金薄膜に対して、以下の様にして汚れの除去を行っ
た。図1に、本実施例に用いた汚れの除去装置の概略図
を示す。図1中、1は前記したパターニング加工後の平
板状金単結晶群からなる金薄膜、2は金薄膜1が乗って
いる基板、3は真空排気用ポンプ、4は真空チャンバ
ー、5はガス導入管、6はプラズマ、7は加速電極を示
す。先ず、真空チャンバー4内に、汚れの付着した平板
状金単結晶群からなる金薄膜1が乗った基板2を設置し
た後、真空排気用ポンプ3を用いて真空チャンバー4内
を排気した。
【0023】続いて、ガス導入管5からガスを導入し、
プラズマ6を発生させた。本実施例においては、ガスに
2 を用い、プラズマ6の部分でのガス圧力を数Paと
した。本実施例におけるプラズマの発生方法としては、
加速電極7により適当な電圧を印加して行った。この様
にして発生させたプラズマを、加速電極7に印加した
0.5kVの電圧で加速し、平板状金単結晶群からなる
金薄膜1の表面にプラズマを2分間照射した。この際、
金薄膜1の表面に対するプラズマ照射の入射角は、60
°となる様にした。
【0024】この様にして汚れを除去した本実施例の平
板状金単結晶群からなる金薄膜1について、位相差顕微
鏡による光学的観察と、走査型トンネル顕微鏡及び原子
間力顕微鏡による観察を行ったところ、パターニング加
工前と全く同様の極めて平滑な表面が観察され、汚れが
完全に除去されていると同時に、金薄膜に全くダメージ
がなく、平滑性が損なわれていないことが確認された。
【0025】実施例2 先ず、実施例1と全く同様にして、本実施例に用いる極
めて平滑性の高い平板状金単結晶群からなる金薄膜の作
製を行った後、やはり実施例1と同様にして、フォトリ
ソグラフィーによるパターニング加工を行った。この平
板状金単結晶群からなる金属薄膜に対し、実施例1と同
様にパターニング加工前後に、走査型トンネル顕微鏡及
び原子間力顕微鏡による観察を行ったところ、実施例1
と同様に、加工前のものでは、金単結晶の成長過程で必
然的に発生する1段が1原子層に相当する数段のステッ
プのみが観察され、それ以上の大きな段差や穴は確認さ
れなかった。しかし、パターニング加工後では、単結晶
の表面に汚れの付着が確認され、パターニング加工前の
極めて平滑性の高い金薄膜表面は観察されなかった。
【0026】この汚れの付着したパターニング加工後の
平板状金単結晶群からなる金薄膜に対し、以下の方法で
汚れの除去を行った。図3に本実施例に用いた汚れの除
去装置の概略図を示す。図3において、1は前記したパ
ターニング加工後の平板状金単結晶群からなる金薄膜
1、2は金薄膜1の乗った基板、3は真空排気用ポン
プ、4は真空チャンバー、5はガス導入管、6はプラズ
マ、8は陽極を示す。先ず、真空チャンバー4内に平板
状金単結晶群からなる金属薄膜1が乗った基板2を設置
した後、真空排気用ポンプ3を用いて真空チャンバー4
内を排気した。
【0027】続いてガス導入管5からガスを導入し、プ
ラズマ6を発生させた。本実施例においては、ガスにH
2 を用い、プラズマ6の部分でのガス圧力は数Paとし
た。又、プラズマの発生方法として、本実施例において
は、基板側に高周波電圧を印加し、それと同時に基板2
に、0.1kVの負電位バイアスが印加される様にし
た。この様にして、平板状金単結晶群からなる金薄膜1
に5分間プラズマ照射を行い、金属薄膜1の表面に付着
していた汚れの除去を行った。
【0028】以上の様にして汚れを除去した本実施例の
平板状金単結晶群からなる金薄膜1について、実施例1
と同様に、位相差顕微鏡による光学的観察と、走査型ト
ンネル顕微鏡及び原子間力顕微鏡による観察を行ったと
ころ、前記パターニング加工前と同様の平滑な表面が観
察され、汚れが完全に除去されていると同時に全く平滑
性が損なわれていないことが確認された。
【0029】実施例3 先ず、本実施例の汚れの除去方法に用いる、表面の平滑
性の高い金薄膜の作製方法の例を述べる。本実施例で
は、大気中で劈開したマイカ(雲母)基板を用い、通常
の真空蒸着法を用いた方法により金薄膜を作製した。先
ず、基板温度を250℃とし、10-6Torr以下の真
空中で抵抗加熱法により金を蒸発させて、約1nm/s
ec.の堆積速度で金を前記マイカ基板上に200nm
の厚さに堆積した。この様にして作製した金薄膜は、平
均して数μmの粒径を持つ結晶群からなる多結晶薄膜で
あった。上記の金薄膜について、走査型トンネル顕微鏡
及び原子間力顕微鏡による観察を行ったところ、1μm
×1μm程度エリアにおける凹凸が、数原子ステップの
様な非常に高い平滑性を持つものであることが確認され
た。
【0030】この様にして作製した金薄膜に対して、保
護膜としてフォトレジストを塗布した後、表面に対する
溝入れ加工と切断加工を行った。この加工後に、フォト
レジストを有機溶剤系の洗浄液中で超音波洗浄すること
で除去した。上記の様な加工を行った後の金薄膜につい
て、加工前と同様にして走査型トンネル顕微鏡、及び原
子間力顕微鏡による観察を行ったところ、結晶の表面に
汚れの付着が確認され、加工前の平滑な表面は観察され
なかった。
【0031】この汚れの付着した金薄膜に対し、実施例
1と同様の装置を用いて汚れの除去を行った。実施例1
と同様に、先ず真空チャンバー4内に金薄膜1の乗った
基板2を設置した後、真空排気用ポンプ3を用いて真空
チャンバー4内を排気した。これに続いてガス導入管5
からガスを導入し、実施例1と同様の方法でプラズマ6
を発生させた。本実施例においては、ガスとしてHeを
用い、プラズマ6の部分でのガス圧力は数Paとした。
【0032】以上の様にして発生したプラズマを、加速
電極7に0.5kVの電圧を印加することで加速し、金
薄膜1の表面に対する入射角が60°となる様にして、
金薄膜1の表面にに5分間照射した。以上の様にして汚
れを除去した金薄膜1について、走査型トンネル顕微鏡
及び原子間力顕微鏡(走査型プローブ顕微鏡)による観
察を行ったところ、加工前と同様の平滑な表面が観察さ
れ、汚れが完全に除去されていると同時に、全く金薄膜
1の平滑性が損なわれていないことが確認された。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、走査型プローブ顕微鏡
の原理を応用して記録を行う為の記録媒体用の電極とし
て用いられる、平板状結晶群からなる金薄膜の様な極め
て高い平滑性が要求される表面に付着した汚れを、結晶
表面の平滑性を損なうことなく、且つ走査型プローブ顕
微鏡の原理を応用した記録に問題のない程度まで完全に
除去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1及び実施例3に用いる装置の
概略図である。
【図2】代表的な平板状金単結晶群の結晶構造を示す光
学顕微鏡写真である。
【図3】本発明の実施例2に用いる装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
1:金薄膜 2:基板 3:真空排気用ポンプ 4:真空チャンバー 5:ガス導入管 6:プラズマ 7:加速電極 8:陽極
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−138094(JP,A) 特開 平4−341947(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走査型プローブ顕微鏡の原理を応用して
    記録再生を行う記録媒体の電極に用いられる極めて平滑
    性の高い金属薄膜表面にプラズマ又はプラズマより発
    生する荷電粒子を1kV以下の加速電圧で印加して照射
    し、金属薄膜表面に付着している汚れを除去することを
    特徴とする金属薄膜表面の汚れ除去方法。
  2. 【請求項2】 プラズマとして用いるガスの平均分子量
    が32以下である請求項1に記載の金属薄膜表面の汚れ
    除去方法。
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