JP3169533U - 介護用シーツ - Google Patents

Abstract

【課題】材料として環境上、健康上好ましい天然素材の材料を用い、交換洗浄が可能で、寝ている被介護人の体を滑り移動しやすく構成し、しかも介護人の労力は極めて少なくする。万一失禁などがあっても、下面方向に流して、自身の意志では動けない被介護人を衛生的に保護することと、特に、洗浄再使用がしやすい材料で、かなりの年月医療的効果を発揮する材料を用いた介護用シーツを提供する。【解決手段】イ草を緯条１１とし、麻糸、綿糸、合成繊維糸から選択された糸を経糸１２として編まれた畳表１３をシーツとし、周辺に布製の縁部１４を設けてなる介護用シーツとする。必要に応じて縁部１４で布シーツまたはプラスチックシーツと分離可能にスライドファスナーで連結する。【選択図】図１

Description

本考案は、寝具に横たわる被介護人と寝具の間に介装し、被介護人が好ましい環境を保持し、介護人が被介護人の体位変換や移動を容易に行うことができる介護用シーツに関する。

高齢者や身体の不自由な長期療養の病人など介護を要する人間は、身体の移動や寝返りもままならず、介護人の手助けがなければ、シーツの摩擦抵抗に起因して、身体の移動や寝返りもできないので、床ずれなどを起こしやすく、また一般的に用いられているシーツは摩擦抵抗が大きく介護人は非常に大きい体力を要求されている。

この問題を解決するものとして特許文献１では、平面矩形状の滑りシートと、滑りとめシートとでなる体位変換補助シートが提案されているが、複雑構造で、コスト高で、介護人の労力を解決したとまでは言えず、なお失禁などの対応や、環境特に医療効果の点で優れた天然素材の材料を使用していないものであった。

特許文献２に示されているものは、ベッドシーツに適したタオルケット状の布に18メッシュシートのポリプロピレン系のネットを縫製結合したもので、コスト高で、なお失禁などの対応や、環境特に医療効果の点で優れた天然素材の材料を示していないものであった。

特許文献３に示されているものは、摩擦係数の大きい係止面よりなる材質で、シーツ・エアマット上に敷くことで滑り止め防止を効果とするもので、褥創を防止できるとされているが、介護人の労力を解決したとまではいえない。また、環境特に医療効果の点で優れた天然素材の材料を示していないものであった。

特開２００６-１０９９２８号公報 実用新案登録第３０６９６８２号公報 実用新案登録第３１１４９７６号公報

本考案は、以上のような実情に鑑み、材料として環境上、健康上好ましいイ草を用いた畳表をシーツとして用いたもので、イ草は中空で身体に対する感触が良く、クッション性に富み、これを編んだ畳表は必要に応じて、交換、水洗浄が可能で、イ草の配列が緯条であることで、寝ている非介護人の体を横方向に滑り移動しやすく構成され、しかも介護人の労力は極めて少なくなり、比較的太いイ草の畳の有する水透過性から、万一失禁などがあっても、下面方向に流れやすいので、動けない非介護人を衛生的に保護することとなり、特に、水洗浄再使用がしやすいほか、かなりの年月イ草の香りで、非介護人を好ましい環境に置くことができる。

本考案は上述せる課題に鑑みてなされたもので、本考案の請求項1に記載の介護用シーツは、イ草を緯条とし、麻糸、綿糸、合成繊維糸から選択された糸を経糸として編まれた畳表をシーツとし、周辺に布製の縁部を設けてなることを特徴とする。
本考案の請求項2に記載の介護用シーツは、前記介護用シーツの裏面に吸湿性布シーツを重ね、相互の縁部で分離可能に連結したことを特徴とする。
本考案の請求項3に記載の介護用シーツは、前記請求項１または請求項2の介護用シーツの裏面に非透水性で柔軟性のプラスチックシートを重ね、縁部で分離可能に連結したことを特徴とする。

以上の説明から明らかなように、本考案にあってはイ草を主材料として用いているので身体にクッション作用がよく、長期にわたり、シーツとして使用することは、イ草の有する空気浄化作用、特に、湿度を調整する作用、二酸化窒素やホルムアルデヒドを吸収し、シックハウス症候群に対処できること、森林浴同様な効果があり、香りは鎮静効果があることから健康回復に有利である。

また、畳同様の物理的感触からベッドの上に敷かれても好ましく、しかも畳同様に、水分の透過性があるので、万一お漏らしがあっても、下側に移行し、特に背面に吸収性の布シーツを設けておけば、不快感がなく、背面にプラスチックの不浸透性シーツを設けておけばベッドが全体的に汚染されるのを防止でき、更に、畳表と同様の織物であるから、裏に上記の如き布シーツやプラスチックシーツを設けても、これを取り外せば容易に水洗乾燥して再使用ができる。この際表の畳表と、背面の吸収性の布製のシーツもしくは非透水性で柔軟性のあるプラスチックとは縁部でスライドファスナーや面ファスナーもしくはホックあるいはボタン等で脱着容易に結合できるので、便利である。

特にイ草が幅方向すなわち緯方向に織られているので、被介護人を容易に横方向に滑らせ転移させることができ、更に被介護人がたとえば頭を上げて体を動かすときに、尻がシーツの足先方向にずれることがあっても、介護人はわずかな力で上方に被介護人の体を滑らせて移動できることが確認された。すなわち、常に被介護人の体を本考案の介護用シーツにおくことにより、改めて移動用具を挿入しなくても被介護人の体を移動できるので、介護人の負担を著しく軽減できる。

本考案の最良の形態の斜視図である。 本考案のシーツの緯条としてのイ草と、経糸との織り状態を示す横断面図である。 本考案のシーツの背面に布製のシーツをスライドファスナーで結合した場合の結合部の部分斜視図である。

図１、図２に示すように、イ草を緯条１１とし、麻糸、綿糸、合成繊維糸から選択された糸を経糸１２として編まれた畳表１３をシーツとし、周辺に布製の縁部１４を設けてなる介護用シーツであり、イ草が緯条として用いられているために、介護人が僅かな力で被介護人の身体を転移させることができ、床ずれの発生を予防できるばかりでなく、起き上がりを容易にしたり、車椅子に乗せたり、身体を拭いたり、風呂に入れたりすることが、従来のシーツより容易になるという効果がある。

更に図３に示すように例えば、畳表の介護用シーツの裏面に吸湿性ある布製のシーツ（図示せず）を重ね、畳表の縁部１４と布製のシーツの縁部１５とを相互に分離可能にスライドファスナー１６などで連結することができる。このスライドファスナー１６のスライダー及びストッパーの構成は、従来公知の構成のものを種々用いることが出来る。この介護用シーツでは人体から発生する水分の吸収効果があるし、お漏らしを吸収して寝ている人に不快感を与えることが少ない。

また、図に示してないが、吸湿性ある布製のシーツ15に代えて非透水性で柔軟性のプラスチックシートを用いれば、お漏らしの場合にベッドの下部までこれを浸透させずに処理することができる。両者の結合部は畳表の縁部と布製のシーツの縁部の結合と同様に実施できる。

本考案は病院、老人ホームなどの介護施設で有効に利用できる。

１１ イ草条
１２ 経糸
１３ 畳表
１４ 縁部
１５ 布製のシーツの縁部
１６ スライドファスナー

Claims (3)

1. イ草を緯条とし、麻糸、綿糸、合成繊維糸から選択された糸を経糸として編まれた畳表をシーツとし、周辺に布製の縁部を設けてなることを特徴とする介護用シーツ。
2. 前記介護用シーツの裏面に吸湿性布シーツを重ね、相互の縁部で分離可能に連結したことを特徴とする請求項1記載の介護用シーツ。
3. 前記介護用シーツの裏面に非透水性で柔軟性のプラスチックシートを重ね、相互の縁部で分離可能に連結したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の介護用シーツ。