JP3169474B2 - 搬送装置における搬送物移動装置 - Google Patents

搬送装置における搬送物移動装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、搬送装置における搬送
物移動装置に関し、特に、搬送物を搬送装置内に収納、
搬出するための鉛直面内で回動する2リンク式の搬送物
移動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、半導体ウエハ、磁気ディ
スク、光ディスク、コンパクトディスク、液晶等の製造
等のクリーンな環境下において半導体ウエハ等を収納す
るカセット等の搬送物を搬送装置内に収納、搬出するた
めの搬送物移動装置として、ロボットアームのように各
リンク毎に駆動装置を持つものや、図4(b)に示すよ
うな搬送装置側の第1リンク11と先端側の第2リンク
12の長さを同一長さとし、第1リンク11と第2リン
ク12を連動するリンク連動機構を設け、該リンク連動
機構の駆動により第2リンクの先端部19を図示19A
から19B又はその逆方向に水平に移動するようにした
2リンク式のものがあった。しかしながら、前者の場
合、制御及び構造が複雑であるとともに、搬送物移動装
置自体が大形化なものとなり、また、後者の場合、搬送
物を搬送装置内に収納する際搬送物の移動高さに対して
必要となる第1リンク11の上方寸法が大きく、搬送装
置全体が大形化し、このため、いずれの場合も搬送物移
動装置を含め通過スペースが大きくなるとともに搬送装
置を駆動するために大きな駆動力が必要となる等によ
り、搬送装置全体のレイアウトの制約や製造コストが高
くつくという問題点を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の
送装置における搬送物移動装置の問題点を解決し、搬送
物を搬送装置内に収納する際必要となる第1リンクの上
方寸法が従来のものと比較して小さくコンパクトで、か
つ構造が簡単で摩耗部品が少なく信頼性の高い、鉛直面
内で回動する2リンク式の搬送装置における搬送物移動
装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、走行部と、該走行部の上部に設けた搬送
物移動装置と、搬送物及び搬送物移動装置を覆うカバー
とで構成した、搬送物を搬送装置内に収納、搬出する搬
送装置における搬送物移動装置において、前記搬送物移
動装置は、搬送物を搬送装置内に収納、搬出するための
鉛直面内で回動する2リンク式の搬送物移動装置からな
り、搬送装置側の第1リンクの長さを先端側の第2リン
クの長さより長く形成するとともに、前記第1リンクの
回転より第2リンクの回転比率を高めることにより第2
リンクの先端部を略水平に移動するようにする第1リン
クと第2リンクを連動させるリンク連動機構を設け、前
記第1リンクを回動することによりリンク連動機構を介
して第2リンクを回動し、第2リンクの先端部を略水平
に移動するようにしたことを要旨とする。
【0005】
【作用】本発明によれば、長い搬送装置側の第1リンク
の回動に短い先端側の第2リンクをリンク連動機構によ
り連動させて回動することにより、第2リンクの先端部
を略水平に移動することが可能となる。この際、すなわ
ち搬送物を搬送装置内に収納する際必要となる第1リン
クの上方寸法を小さくすることができる。
【0006】
【実施例】以下本発明を図示の実施例に基づいて説明す
る。図3に示すように、搬送装置は、走行部13と、走
行部13の上部に設けた搬送物移動装置14と搬送物1
0を把持するチャック装置15からなるロボット部と、
ロボット部を覆うカバー16で構成される。
【0007】走行部13は、レール20上をガイドさ
れ、走行駆動装置(図示せず)の牽引等によって矢印方
向に走行するように構成されている。なお図3は、カバ
ー16の一部を開放した状態を示しているが、開口17
の大きさは、搬送物10の大きさ等に応じて適宜変更す
ることができる。
【0008】図1及び図2に示すように、搬送物移動装
置14は、鉛直面内で駆動軸7を中心に回動する第1リ
ンク1と、第1リンク1と従動軸8によりピン結合する
とともに従動軸8に固定され、鉛直面内で回動する第2
リンク2と、搬送装置側フレーム6に固定された第1リ
ンク1のプーリ3、従動軸8に固定された第2リンク2
のプーリ4及び第1リンク1のプーリ3と第2リンク2
のプーリ4とに掛け渡したベルト5からなるリンク連動
機構とから構成する。ここで、第1リンク1の回転より
第2リンク2の回転比率を高めるようにリンク連動機構
のプーリ3とプーリ4の径を決定する。また、駆動軸7
には第1リンク1を回動するためのモータ(図示せず)
等を連結し、第2リンクの先端部9には搬送物10を把
持するチャック装置15を設ける。なお、上記実施例に
おいては、リンク連動機構をプーリ3,4及びベルト5
で構成したが、これに限定されず、スプロケット及びチ
ェーン、歯車機構等で構成することもできる。
【0009】上記のように構成された搬送装置を半導体
ウエハ搬送装置として使用する場合について以下説明す
る。この場合、搬送物10は、複数の工程の各製造装置
に設けられた受渡口に置かれている。受渡口の前面に搬
送装置を停止させ、開口17を開き、搬送物移動装置1
4を駆動し、チャック装置15を搬送物10の受渡口に
移動し、チャック装置15により搬送物10を把持し、
搬送物移動装置14を駆動して搬送物10をカバー16
内部に収容した後、開口17を閉じる。その後、搬送装
置は、次の工程の製造装置までレール20上をガイドさ
れながら走行駆動装置に牽引されて走行する。なお、上
記使用方法は、製造装置に設けられた受渡口に置かれて
いる搬送物10を搬送装置内部に収容する工程について
のみ説明したが、搬送装置内部に収容されている搬送物
10を製造装置に設けられた受渡口に搬出する場合も、
搬送物移動装置14及びチャック装置15を順に作動さ
せることにより行う。
【0010】次に、図1、図2及び図4により、搬送物
移動装置14の動作についてさらに詳細に説明する。駆
動軸7を反時計回りに回動すると従動軸8は、8Aから
8Bに向けて移動する。ところで、第1リンク1のプー
リ3は搬送装置側フレーム6に固定されているため、第
1リンク1のプーリ3と第2リンク2のプーリ4とに掛
け渡されたベルト5により第2リンク2のプーリ4とこ
のプーリ4と従動軸8を介して固定されている第2リン
ク2は、時計回りに回動し、搬送物10を把持するチャ
ック装置15を設けた第2リンクの先端部9は、略水平
レベルLを保ちながら9Aから9Bに向けて移動する。
ここで、上記実施例の搬送物移動装置及び従来の搬送物
移動装置の各部材等の寸法の設計例を以下に示すが、一
般には搬送物移動装置の寸法はこれに限定されず、搬送
物移動装置の用途に応じて適宜変更することができる。 第1リンク長:R1=410mm,R11=265mm 第2リンク長:R2=200mm,R21=265mm 第1リンクのプーリの直径:P1=140mm,P11
=140mm 第2リンクのプーリの直径:P2=56mm,P12=
70mm ストローク長:S=500mm,S1=500mm 水平レベル上方必要寸法:H=228mm,H1=30
0mm 水平レベル上方必要寸法の差:H1−H=72mm
【0011】以上、本発明の搬送装置における搬送物移
動装置を半導体ウエハ搬送装置に組み込んで使用する場
合について説明したが、本発明の対象は、半導体ウエハ
のほか、磁気ディスク、光ディスク、コンパクトディス
ク、液晶等の製造等の工程で対象製品を収納するカセッ
ト等の搬送物のほか、広く一般の搬送物を搬送装置内に
収納、搬出するために広範囲に使用できるものである。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、搬送物を搬送装置内に
収納する際必要となる第1リンクの上方寸法を従来のも
のと比較してはるかに小さくすることができるととも
に、鉛直面内で回動する2リンク式の搬送物移動装置に
おいて、搬送物を把持するチャック装置を設ける第2リ
ンクの先端部を略水平に移動するようにしているため、
半導体ウエハのほか、磁気ディスク、光ディスク、コン
パクトディスク、液晶等の製造等の工程で対象製品を収
納するカセット等の搬送物に塵埃が付着するのを防止す
るカバーを含む搬送装置全体をコンパクトにすることが
でき、また、搬送物を上下動することなく安定して移動
することができ、さらに、搬送物移動装置の構造が簡単
でありかつ摩耗部品が少ないため、信頼性の高いコンパ
クトでかつクリーンな環境に適した鉛直面内で回動する
2リンク式の搬送物移動装置を提供することができる。
また、搬送物移動装置を含め搬送装置を駆動するための
駆動力も小出力のものでよく、搬送装置全体のレイアウ
トの制約を少なくできるとともに搬送装置全体の製造コ
ストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の搬送装置における搬送物移動装置の概
念図。
【図2】本発明の搬送装置における搬送物移動装置の断
面図。
【図3】本発明の搬送装置における搬送物移動装置を組
み込んだ搬送装置の外観斜視図。
【図4】本発明の搬送装置における搬送物移動装置と従
来の搬送物移動装置の概念図。
【符号の説明】
1 第1リンク 2 第2リンク 3 第1リンクのプーリ 4 第2リンクのプーリ 5 ベルト
フロントページの続き (72)発明者 林田 憲明 兵庫県尼崎市下坂部3丁目11番1号 日 立機電工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−10779(JP,A) 特開 平1−157547(JP,A) 特開 昭63−251180(JP,A) 特開 平6−198589(JP,A) 実開 昭63−57089(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B25J 9/06 B25J 19/00 B65G 49/07 H01L 21/68

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行部と、該走行部の上部に設けた搬送
    物移動装置と、搬送物及び搬送物移動装置を覆うカバー
    とで構成した、搬送物を搬送装置内に収納、搬出する搬
    送装置における搬送物移動装置において、前記搬送物移
    動装置は、搬送物を搬送装置内に収納、搬出するための
    鉛直面内で回動する2リンク式の搬送物移動装置からな
    り、搬送装置側の第1リンクの長さを先端側の第2リン
    クの長さより長く形成するとともに、前記第1リンクの
    回転より第2リンクの回転比率を高めることにより第2
    リンクの先端部を略水平に移動するようにする第1リン
    クと第2リンクを連動させるリンク連動機構を設け、前
    記第1リンクを回動することによりリンク連動機構を介
    して第2リンクを回動し、第2リンクの先端部を略水平
    に移動するようにしたことを特徴とする搬送装置におけ
    搬送物移動装置。
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