JP3169209B2 - 飲料缶誘導加熱装置 - Google Patents
飲料缶誘導加熱装置Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、購入者が一定の硬
貨を入れると、自動的に飲料缶が出てくる飲料缶用自動
販売機に係り、特に、この自動販売機に収納されている
飲料缶を、その飲料液の賞味を損なわないように販売時
に加熱するための飲料缶誘導加熱装置と、この誘導加熱
装置における加熱コイル及び加熱コイルに交流電力を供
給するインバータに関する。
貨を入れると、自動的に飲料缶が出てくる飲料缶用自動
販売機に係り、特に、この自動販売機に収納されている
飲料缶を、その飲料液の賞味を損なわないように販売時
に加熱するための飲料缶誘導加熱装置と、この誘導加熱
装置における加熱コイル及び加熱コイルに交流電力を供
給するインバータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の飲料缶用の自動販売機は、通常、
飲料缶を収納する4つ乃至6つのコラムを有し、各コラ
ム毎に4列のコラムシュートが設けられている。このコ
ラム単位別に販売する飲料缶の温度はコントロールさ
れ、例えばコールド用の飲料缶を収納するコラムでは5
〜10℃、ホット用の飲料缶を収納するコラムでは50
〜60℃に温度コントロールされている。したがって、
購入者が一定の硬貨をコイン口に入れ、選択ボタンを押
すと、購入者が選択した飲料缶が、コラムシュートから
取出口に排出される仕組みになっている。しかしなが
ら、ホット用の飲料缶は、上記のように高温に維持され
ているコラムに収納されるため、高温で貯蔵すると、変
質したり細菌が増殖したりし易い飲料液、例えば牛乳、
乳飲料、柑橘系飲料等のような飲料液を封入した飲料缶
を販売することができなかった。
飲料缶を収納する4つ乃至6つのコラムを有し、各コラ
ム毎に4列のコラムシュートが設けられている。このコ
ラム単位別に販売する飲料缶の温度はコントロールさ
れ、例えばコールド用の飲料缶を収納するコラムでは5
〜10℃、ホット用の飲料缶を収納するコラムでは50
〜60℃に温度コントロールされている。したがって、
購入者が一定の硬貨をコイン口に入れ、選択ボタンを押
すと、購入者が選択した飲料缶が、コラムシュートから
取出口に排出される仕組みになっている。しかしなが
ら、ホット用の飲料缶は、上記のように高温に維持され
ているコラムに収納されるため、高温で貯蔵すると、変
質したり細菌が増殖したりし易い飲料液、例えば牛乳、
乳飲料、柑橘系飲料等のような飲料液を封入した飲料缶
を販売することができなかった。
【0003】近年、ホット用の飲料缶を販売する場合、
上記のように飲料缶をコラム内で高温に収納しておく自
動販売機に代えて、コラム内の飲料缶を高温収納せず、
常温に近い温度(約35℃)に収納しておき、購入者が
押す選択ボタンの販売信号に基づき、選択された飲料缶
をコラムシュートから誘導加熱装置に搬送させ、この飲
料缶を加熱して販売する方式の誘導加熱装置付き自動販
売機が知られるようになった。この自動販売機では、コ
ラム内の飲料缶を高温収納せず、常温に近い温度に収納
しておき、販売時に高温に加熱するため、収納時におけ
る飲料缶の内容液の品質劣化を防ぎ、品質の良いホット
な飲料液を購入者に提供できる機能を有している。
上記のように飲料缶をコラム内で高温に収納しておく自
動販売機に代えて、コラム内の飲料缶を高温収納せず、
常温に近い温度(約35℃)に収納しておき、購入者が
押す選択ボタンの販売信号に基づき、選択された飲料缶
をコラムシュートから誘導加熱装置に搬送させ、この飲
料缶を加熱して販売する方式の誘導加熱装置付き自動販
売機が知られるようになった。この自動販売機では、コ
ラム内の飲料缶を高温収納せず、常温に近い温度に収納
しておき、販売時に高温に加熱するため、収納時におけ
る飲料缶の内容液の品質劣化を防ぎ、品質の良いホット
な飲料液を購入者に提供できる機能を有している。
【0004】この種の自動販売機に使用される飲料缶誘
導加熱装置は、加熱コイルと、この加熱コイルに所定周
波数の交流電力を供給するインバータと、飲料缶を収納
するコラムシュートから誘導加熱装置に搬送する搬送機
構と、加熱時に飲料缶を長尺軸線を中心に回動させる回
転機構とを備えている。一般に、飲料缶は、有底筒状缶
体に飲料液を封入した後、蓋で巻締められている。加熱
コイルは、この飲料缶の外側壁全体を包囲する形状の円
筒状コイル、あるいは飲料缶の外側壁の一部を覆うヘア
ピン形状あるいは鞍形のものが使用されている。
導加熱装置は、加熱コイルと、この加熱コイルに所定周
波数の交流電力を供給するインバータと、飲料缶を収納
するコラムシュートから誘導加熱装置に搬送する搬送機
構と、加熱時に飲料缶を長尺軸線を中心に回動させる回
転機構とを備えている。一般に、飲料缶は、有底筒状缶
体に飲料液を封入した後、蓋で巻締められている。加熱
コイルは、この飲料缶の外側壁全体を包囲する形状の円
筒状コイル、あるいは飲料缶の外側壁の一部を覆うヘア
ピン形状あるいは鞍形のものが使用されている。
【0005】ところで、現在販売されている飲料缶は、
缶体の材質から分類して、スチール製缶体(スチール
缶)とアルミニウム製缶体(アルミ缶)とに分けられ
る。さらに、有底筒状缶体プレス加工で一体成形して蓋
を付ける2ピース缶とスチール板を巻いて筒状ピースを
形成してから底と蓋を付ける3ピース缶とに分けられ
る。なお、アルミ缶は、その全部が2ピース缶である。
3ピース缶は、スチール板を巻いて缶体側壁部をなす筒
状ピースの成形時に、必ず継ぎ目が形成される。スチー
ル板の継ぎ方には、溶接による方法と熱溶着性樹脂を用
いた接着による手法とがあり、前者を溶接缶、後者を接
着缶と称している。溶接缶は、継ぎ目部分に導電性があ
るが、接着缶の場合は、継ぎ目部分に絶縁性部材である
熱溶着性樹脂が介在するため、缶体側壁部は円周方向に
おいて継ぎ目部分で電気的に絶縁されている。
缶体の材質から分類して、スチール製缶体(スチール
缶)とアルミニウム製缶体(アルミ缶)とに分けられ
る。さらに、有底筒状缶体プレス加工で一体成形して蓋
を付ける2ピース缶とスチール板を巻いて筒状ピースを
形成してから底と蓋を付ける3ピース缶とに分けられ
る。なお、アルミ缶は、その全部が2ピース缶である。
3ピース缶は、スチール板を巻いて缶体側壁部をなす筒
状ピースの成形時に、必ず継ぎ目が形成される。スチー
ル板の継ぎ方には、溶接による方法と熱溶着性樹脂を用
いた接着による手法とがあり、前者を溶接缶、後者を接
着缶と称している。溶接缶は、継ぎ目部分に導電性があ
るが、接着缶の場合は、継ぎ目部分に絶縁性部材である
熱溶着性樹脂が介在するため、缶体側壁部は円周方向に
おいて継ぎ目部分で電気的に絶縁されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、飲料缶の誘導
加熱では、上述の円筒状コイルやヘアピン形(あるいは
鞍形)コイルを用いて飲料缶の缶体表面に誘導電流を流
し、そのジュール熱で飲料缶を加熱するが、飲料缶が接
着缶である場合は、その構造上、誘導加熱の際に不都合
な現象が発生する。このことを図10及び図11を参照
して説明する。
加熱では、上述の円筒状コイルやヘアピン形(あるいは
鞍形)コイルを用いて飲料缶の缶体表面に誘導電流を流
し、そのジュール熱で飲料缶を加熱するが、飲料缶が接
着缶である場合は、その構造上、誘導加熱の際に不都合
な現象が発生する。このことを図10及び図11を参照
して説明する。
【0007】図10(a)は、円筒状の加熱コイル1に
より飲料缶を誘導加熱する場合の概要説明図であり、図
10(b)は、そのA−A断面図である。飲料缶2が接
着缶である場合、缶体側壁部に接着部2Wが形成される
のは前述のとおりである。この飲料缶2を、自動販売機
内の所定位置でその長尺軸線を中心として回転自在に保
持し、加熱コイル1に高周波電流I1を流すと、加熱コ
イル1の周辺に磁界が発生し、その磁界を打ち消す方向
に誘導電流I2が流れる。この誘導電流I2は、図中、一
点鎖線で示すように高周波電流I1と逆向きであり、そ
れによる加熱分布2Aは、ほぼ加熱コイル1の形状に対
応したものになる。
より飲料缶を誘導加熱する場合の概要説明図であり、図
10(b)は、そのA−A断面図である。飲料缶2が接
着缶である場合、缶体側壁部に接着部2Wが形成される
のは前述のとおりである。この飲料缶2を、自動販売機
内の所定位置でその長尺軸線を中心として回転自在に保
持し、加熱コイル1に高周波電流I1を流すと、加熱コ
イル1の周辺に磁界が発生し、その磁界を打ち消す方向
に誘導電流I2が流れる。この誘導電流I2は、図中、一
点鎖線で示すように高周波電流I1と逆向きであり、そ
れによる加熱分布2Aは、ほぼ加熱コイル1の形状に対
応したものになる。
【0008】溶接缶や一体成形の2ピース缶の場合、缶
体側壁部には絶縁部分が無いため、誘導電流が缶体側壁
部を一巡して問題なく誘導加熱されるが、接着缶の場合
は、図示のように接着部2Wにおいて誘導電流I2が一
旦留められ、その留められた部分で集中加熱が起こる。
また、一旦留められた誘導電流I2が缶体の底蓋と天蓋
の方に分かれて流れようとする。このため、加熱分布2
Bは、接着部2Wに沿って集中したものとなり、接着部
2Wにおける熱溶着性樹脂が再溶解して継ぎ目が剥が
れ、缶体から液が漏れ出す場合がある。また、接着部2
Wの上下端部2W1,2W2に誘導電流I2が特に集中し
て流れるため、缶体が局所的に焼けるという問題があっ
た。
体側壁部には絶縁部分が無いため、誘導電流が缶体側壁
部を一巡して問題なく誘導加熱されるが、接着缶の場合
は、図示のように接着部2Wにおいて誘導電流I2が一
旦留められ、その留められた部分で集中加熱が起こる。
また、一旦留められた誘導電流I2が缶体の底蓋と天蓋
の方に分かれて流れようとする。このため、加熱分布2
Bは、接着部2Wに沿って集中したものとなり、接着部
2Wにおける熱溶着性樹脂が再溶解して継ぎ目が剥が
れ、缶体から液が漏れ出す場合がある。また、接着部2
Wの上下端部2W1,2W2に誘導電流I2が特に集中し
て流れるため、缶体が局所的に焼けるという問題があっ
た。
【0009】このような問題は、ヘアピン形の加熱コイ
ルを用いた飲料缶誘導加熱装置の場合にも同様に生じ
る。図11(a)は、ヘアピン形の加熱コイル1Aによ
り飲料缶を誘導加熱する場合の概要説明図であり、図1
1(b)は、図11(a)のA−A断面図である。この
加熱コイル1Aに高周波電流I1Aを流すと、図11
(a),(b)に示す向きに誘導電流I2Aが流れる。こ
の状態で、飲料缶2の接着部2Wが回転によって加熱コ
イル1Aから外れた場合、加熱分布は、図11(c)に
示すように加熱コイル1Aの形状に沿った分布2Cとな
り、正常に誘導加熱される。この加熱分布は、溶接缶や
2ピース缶の場合も同じである。ところが、飲料缶2の
回転により、接着部2Wが加熱コイル1A内に入った場
合(図11(a)の状態)、飲料缶2の側壁円周方向に
流れようとする誘導電流I2Aは、接着部2Wで妨げられ
るため、その部分が集中加熱される。そのため、この場
合の加熱分布は、図11(c)に示すように、接着部2
Wに沿った加熱分布2Dとなり、円筒状の加熱コイル1
の場合と同様に、接着部2Wにおける継ぎ目部分の剥が
れや缶体の焼けが生じる。ただし、加熱コイルの形状が
ヘアピン形の場合は、円筒状の場合と違って缶体の回転
の限られた時間だけ加熱コイル内にあるので、集中加熱
の度合いが相対的に軽減されてはいる。
ルを用いた飲料缶誘導加熱装置の場合にも同様に生じ
る。図11(a)は、ヘアピン形の加熱コイル1Aによ
り飲料缶を誘導加熱する場合の概要説明図であり、図1
1(b)は、図11(a)のA−A断面図である。この
加熱コイル1Aに高周波電流I1Aを流すと、図11
(a),(b)に示す向きに誘導電流I2Aが流れる。こ
の状態で、飲料缶2の接着部2Wが回転によって加熱コ
イル1Aから外れた場合、加熱分布は、図11(c)に
示すように加熱コイル1Aの形状に沿った分布2Cとな
り、正常に誘導加熱される。この加熱分布は、溶接缶や
2ピース缶の場合も同じである。ところが、飲料缶2の
回転により、接着部2Wが加熱コイル1A内に入った場
合(図11(a)の状態)、飲料缶2の側壁円周方向に
流れようとする誘導電流I2Aは、接着部2Wで妨げられ
るため、その部分が集中加熱される。そのため、この場
合の加熱分布は、図11(c)に示すように、接着部2
Wに沿った加熱分布2Dとなり、円筒状の加熱コイル1
の場合と同様に、接着部2Wにおける継ぎ目部分の剥が
れや缶体の焼けが生じる。ただし、加熱コイルの形状が
ヘアピン形の場合は、円筒状の場合と違って缶体の回転
の限られた時間だけ加熱コイル内にあるので、集中加熱
の度合いが相対的に軽減されてはいる。
【0010】このように、接着缶に対して誘導加熱を行
う場合の問題が解消されていないため、現在のところ、
接着缶を対象とした飲料缶誘導加熱装置は、実用化に至
っていない。また、前述のように、現在販売されている
飲料缶の中には、アルミ缶もあるが、アルミ缶を誘導加
熱する場合の高周波電流の周波数はスチール缶の場合と
は異なるため、両材質の飲料缶を同一周波数条件で効率
的に加熱する飲料缶誘導加熱装置も実用化されていなか
った。
う場合の問題が解消されていないため、現在のところ、
接着缶を対象とした飲料缶誘導加熱装置は、実用化に至
っていない。また、前述のように、現在販売されている
飲料缶の中には、アルミ缶もあるが、アルミ缶を誘導加
熱する場合の高周波電流の周波数はスチール缶の場合と
は異なるため、両材質の飲料缶を同一周波数条件で効率
的に加熱する飲料缶誘導加熱装置も実用化されていなか
った。
【0011】そこで、本発明の課題は、飲料缶の製造方
法や材質等に拘束されずに、飲料缶の誘導加熱を効率的
に行うことができる、改良された飲料缶誘導加熱装置を
提供することにある。
法や材質等に拘束されずに、飲料缶の誘導加熱を効率的
に行うことができる、改良された飲料缶誘導加熱装置を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の飲料缶誘導加熱
装置は、有底筒状缶体に飲料液が封入された飲料缶を当
該飲料缶の自動販売機内で誘導加熱する装置であって、
前記自動販売機の所定位置で一時的に保持される前記飲
料缶の長尺軸線方向に延び、且つその端面が飲料缶外側
壁を指向する突出端部を有する断面U字状のフェライト
コアと、加熱コイルと、所定周波数の交流電力を前記加
熱コイルに供給するインバータとを備え、前記飲料缶が
前記所定位置で保持され、且つ前記加熱コイルが通電し
ているときに、飲料缶外側壁の前記長尺軸線方向に誘導
電流が集中的に発生するようにしたことを特徴とする。
前記加熱コイルは、フェライトコアの突出端部を中央部
に貫装した状態で装備され、該突出端部を含んで形成さ
れる磁路において磁束が同一方向に生じるように電気的
に接続された複数の加熱コイルとすることができる。あ
るいは、前記加熱コイルは、前記フェライトコアの溝部
をその中央部に貫装した状態で装備される少なくとも一
つの加熱コイルとすることもできる。
装置は、有底筒状缶体に飲料液が封入された飲料缶を当
該飲料缶の自動販売機内で誘導加熱する装置であって、
前記自動販売機の所定位置で一時的に保持される前記飲
料缶の長尺軸線方向に延び、且つその端面が飲料缶外側
壁を指向する突出端部を有する断面U字状のフェライト
コアと、加熱コイルと、所定周波数の交流電力を前記加
熱コイルに供給するインバータとを備え、前記飲料缶が
前記所定位置で保持され、且つ前記加熱コイルが通電し
ているときに、飲料缶外側壁の前記長尺軸線方向に誘導
電流が集中的に発生するようにしたことを特徴とする。
前記加熱コイルは、フェライトコアの突出端部を中央部
に貫装した状態で装備され、該突出端部を含んで形成さ
れる磁路において磁束が同一方向に生じるように電気的
に接続された複数の加熱コイルとすることができる。あ
るいは、前記加熱コイルは、前記フェライトコアの溝部
をその中央部に貫装した状態で装備される少なくとも一
つの加熱コイルとすることもできる。
【0013】前記フェライトコアは、単数であってもよ
いが、誘導電流の集中を分散する場合は、前記長尺軸線
方向に分割配列された同一姿態の複数のコアで構成する
とともに、各コア間に前記誘導電流の分布を変えるため
の間隙を形成する。フェライトコア及び加熱コイルの発
熱も問題になる場合は、これらの周囲に冷媒を伝達する
冷却手段をさらに備え、前記間隙が、冷媒の伝達経路を
形成するように構成する。
いが、誘導電流の集中を分散する場合は、前記長尺軸線
方向に分割配列された同一姿態の複数のコアで構成する
とともに、各コア間に前記誘導電流の分布を変えるため
の間隙を形成する。フェライトコア及び加熱コイルの発
熱も問題になる場合は、これらの周囲に冷媒を伝達する
冷却手段をさらに備え、前記間隙が、冷媒の伝達経路を
形成するように構成する。
【0014】各突出端部の前記飲料缶外側壁を指向する
面は、なるべく飲料缶外側壁に対して略平行となるよう
に形成する。このようにすれば、前記面と飲料缶外側壁
とが接近する面積がより大きくなり、誘導電流がより多
く流れるようになる。また、フェライトコアの全ての突
出端部が前記飲料缶の両端部の周縁の蓋巻締部よりも中
央側に位置するように構成して蓋巻締部の加熱が抑制さ
れるようにすることが好ましい。
面は、なるべく飲料缶外側壁に対して略平行となるよう
に形成する。このようにすれば、前記面と飲料缶外側壁
とが接近する面積がより大きくなり、誘導電流がより多
く流れるようになる。また、フェライトコアの全ての突
出端部が前記飲料缶の両端部の周縁の蓋巻締部よりも中
央側に位置するように構成して蓋巻締部の加熱が抑制さ
れるようにすることが好ましい。
【0015】なお、前記インバータは、5kHz乃至1
5kHzの共振周波数のいずれか一波であって、前記有
底筒状缶体に用いられる非磁性材と磁性材との等価抵抗
値が漸近する周波数の交流電力を生成する共振回路を含
んで構成される。
5kHzの共振周波数のいずれか一波であって、前記有
底筒状缶体に用いられる非磁性材と磁性材との等価抵抗
値が漸近する周波数の交流電力を生成する共振回路を含
んで構成される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。 (第1実施形態)図1は、本発明の第1実施形態による
飲料缶誘導加熱装置の要部を示す斜視図であり、従来技
術において説明したものと同一の要素については同一符
号を付してある。以下の説明では、便宜上、飲料缶2が
接着缶であるものとして説明する。
施の形態を詳細に説明する。 (第1実施形態)図1は、本発明の第1実施形態による
飲料缶誘導加熱装置の要部を示す斜視図であり、従来技
術において説明したものと同一の要素については同一符
号を付してある。以下の説明では、便宜上、飲料缶2が
接着缶であるものとして説明する。
【0017】この飲料缶誘導加熱装置では、U字溝形の
フェライトコア4の一対の突出端部4A,4Bをそれぞ
れ加熱コイル3A、3Bの中央部に貫装させ、各加熱コ
イル3A,3Bにインバータ10から高周波電流I11が
供給されるように構成している。加熱コイル3A,3B
は、突出端部4A,4Bを含んで形成される磁路におい
て磁束5が同一方向に生じるように電気的に接続する。
フェライトコア4及び各突出端部4A,4Bは飲料缶2
の長尺軸線方向に延び、その長さは、飲料缶2の長さ、
つまり、缶体の蓋部と側壁部との接合部(蓋巻締部)間
の距離よりも短く設計されている。各突出端部4A,4
Bの端面4Cは、飲料缶2の外側壁を指向しており、該
指向面が当該飲料缶2の外側壁に対して略平行に形成さ
れる。すなわち飲料缶外側壁の形状に合わせてV字形あ
るいは円弧状にカットされ、より広い面積で飲料缶外側
壁に接近できるようになっている。
フェライトコア4の一対の突出端部4A,4Bをそれぞ
れ加熱コイル3A、3Bの中央部に貫装させ、各加熱コ
イル3A,3Bにインバータ10から高周波電流I11が
供給されるように構成している。加熱コイル3A,3B
は、突出端部4A,4Bを含んで形成される磁路におい
て磁束5が同一方向に生じるように電気的に接続する。
フェライトコア4及び各突出端部4A,4Bは飲料缶2
の長尺軸線方向に延び、その長さは、飲料缶2の長さ、
つまり、缶体の蓋部と側壁部との接合部(蓋巻締部)間
の距離よりも短く設計されている。各突出端部4A,4
Bの端面4Cは、飲料缶2の外側壁を指向しており、該
指向面が当該飲料缶2の外側壁に対して略平行に形成さ
れる。すなわち飲料缶外側壁の形状に合わせてV字形あ
るいは円弧状にカットされ、より広い面積で飲料缶外側
壁に接近できるようになっている。
【0018】図2は、本実施形態の飲料缶誘導加熱装置
により飲料缶2を誘導加熱する場合の概要説明図であ
り、図3は図2におけるA−A断面図である。これらの
図に示されるように、飲料缶2と加熱コイル3A,3B
との間には、実際には飲料缶受け用絶縁板6が介在して
おり、飲料缶2は、長尺軸線を中心としてローラ7A,
7Bによって飲料缶受け用絶縁板6上で回転自在に収容
されている。符号8は加熱コイル部ケースを示してい
る。
により飲料缶2を誘導加熱する場合の概要説明図であ
り、図3は図2におけるA−A断面図である。これらの
図に示されるように、飲料缶2と加熱コイル3A,3B
との間には、実際には飲料缶受け用絶縁板6が介在して
おり、飲料缶2は、長尺軸線を中心としてローラ7A,
7Bによって飲料缶受け用絶縁板6上で回転自在に収容
されている。符号8は加熱コイル部ケースを示してい
る。
【0019】この飲料缶誘導加熱装置において、飲料缶
2の接着部2Wが加熱コイル3A,3Bの作用領域に入
った状態で、加熱コイル3A,3Bに高周波電流
I11A,I1 1Bが流れると、図4に示すように、飲料缶2
の外側壁に同一方向の誘導電流I22が発生する。この誘
導電流I22は、フェライトコア4の溝部(凹部)に生じ
る磁界によって飲料缶2の長尺軸線方向に集中して発生
する。一方、接着部2Wを直角に横切る電流成分は発生
しない。そのため、このときの加熱分布は、狭い幅で長
尺軸線方向に延びた分布2E(図4参照)となり、接着
部2Wにおける集中加熱が抑制される。また、接着部2
Wの両側の蓋巻締部付近では誘導電流が分散しており、
さらに、突出端部の長さが飲料缶2の長さより短い分、
側壁部よりも磁界が相対的に弱くなっているため、蓋巻
締部付近の加熱も抑制される。したがって、飲料缶2に
流れる誘導電流I22の向きを極力長尺軸線方向のみとす
ることができ、接着缶であっても、溶接缶と同様に、不
都合なく誘導加熱することができる。
2の接着部2Wが加熱コイル3A,3Bの作用領域に入
った状態で、加熱コイル3A,3Bに高周波電流
I11A,I1 1Bが流れると、図4に示すように、飲料缶2
の外側壁に同一方向の誘導電流I22が発生する。この誘
導電流I22は、フェライトコア4の溝部(凹部)に生じ
る磁界によって飲料缶2の長尺軸線方向に集中して発生
する。一方、接着部2Wを直角に横切る電流成分は発生
しない。そのため、このときの加熱分布は、狭い幅で長
尺軸線方向に延びた分布2E(図4参照)となり、接着
部2Wにおける集中加熱が抑制される。また、接着部2
Wの両側の蓋巻締部付近では誘導電流が分散しており、
さらに、突出端部の長さが飲料缶2の長さより短い分、
側壁部よりも磁界が相対的に弱くなっているため、蓋巻
締部付近の加熱も抑制される。したがって、飲料缶2に
流れる誘導電流I22の向きを極力長尺軸線方向のみとす
ることができ、接着缶であっても、溶接缶と同様に、不
都合なく誘導加熱することができる。
【0020】なお、ローラ7A,7Bの回転軸は、加熱
対象となる飲料缶2の外形寸法に応じて中心方向に移動
する。例えば図2に二点鎖線で示される比較的小形の飲
料缶2Sを誘導加熱する場合は、ローラ7A,7Bの回
転軸が当該飲料缶2Sの中心方向に移動してその外側壁
に当接し、該飲料缶2Sを回転させる。この場合のロー
ラ7A,7Bの移動制御は、飲料缶感知センサとその出
力とに基づき、図示しない制御手段によって自動的に行
われる。これにより、飲料缶の外形寸法に拘束されない
誘導加熱が可能になる。
対象となる飲料缶2の外形寸法に応じて中心方向に移動
する。例えば図2に二点鎖線で示される比較的小形の飲
料缶2Sを誘導加熱する場合は、ローラ7A,7Bの回
転軸が当該飲料缶2Sの中心方向に移動してその外側壁
に当接し、該飲料缶2Sを回転させる。この場合のロー
ラ7A,7Bの移動制御は、飲料缶感知センサとその出
力とに基づき、図示しない制御手段によって自動的に行
われる。これにより、飲料缶の外形寸法に拘束されない
誘導加熱が可能になる。
【0021】次に、本実施形態による高周波電流
I11A,I11Bの周波数と飲料缶2の加熱効率との関係に
ついて説明する。飲料缶2が存在するときに加熱コイル
3A,3Bの入力端子からみた等価抵抗値をR、飲料缶
2をとり去った状態(無負荷時)での等価抵抗値をR0
とすると、飲料缶2の加熱効率ηは、下記式より誘出さ
れる。
I11A,I11Bの周波数と飲料缶2の加熱効率との関係に
ついて説明する。飲料缶2が存在するときに加熱コイル
3A,3Bの入力端子からみた等価抵抗値をR、飲料缶
2をとり去った状態(無負荷時)での等価抵抗値をR0
とすると、飲料缶2の加熱効率ηは、下記式より誘出さ
れる。
【0022】
【数1】η={1−(R0/R)}×100[%]
【0023】図5(a)は、上記各等価抵抗値R、R0
の周波数特性図であり、図5(b)は各等価抵抗値R、
R0に基づく加熱効率ηの算出結果を示すグラフであ
る。これらのグラフより、5kHzから15kHzの間
の周波数領域では、アルミ缶であっても非常に良好な加
熱効率η(90%以上)が得られている。一方、スチー
ル缶の場合は、約10kHzを境にして、それ以上の周
波数では非常に加熱効率ηが良好であるが、10kHz
以下では、徐々に悪化している。しかし、この場合も、
5kHzから15kHzの間の周波数領域では、90%
以上の実用的な加熱効率が得られている。したがって、
加熱コイル3A,3Bを流れる高周波電流I11A,I11B
の周波数、つまりインバータ10における共振周波数
を、5kHzから15kHzの任意の一波とすることに
より、スチール缶のほかに、アルミ缶等の非磁性缶を同
一の周波数条件で誘導加熱することができることがわか
る。このように、本実施形態によれば、飲料缶の製造方
法,材質,外形寸法に拘束されない飲料缶誘導加熱装置
及び自動販売機の制作が可能になる。
の周波数特性図であり、図5(b)は各等価抵抗値R、
R0に基づく加熱効率ηの算出結果を示すグラフであ
る。これらのグラフより、5kHzから15kHzの間
の周波数領域では、アルミ缶であっても非常に良好な加
熱効率η(90%以上)が得られている。一方、スチー
ル缶の場合は、約10kHzを境にして、それ以上の周
波数では非常に加熱効率ηが良好であるが、10kHz
以下では、徐々に悪化している。しかし、この場合も、
5kHzから15kHzの間の周波数領域では、90%
以上の実用的な加熱効率が得られている。したがって、
加熱コイル3A,3Bを流れる高周波電流I11A,I11B
の周波数、つまりインバータ10における共振周波数
を、5kHzから15kHzの任意の一波とすることに
より、スチール缶のほかに、アルミ缶等の非磁性缶を同
一の周波数条件で誘導加熱することができることがわか
る。このように、本実施形態によれば、飲料缶の製造方
法,材質,外形寸法に拘束されない飲料缶誘導加熱装置
及び自動販売機の制作が可能になる。
【0024】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態を説明する。図6は、第2実施形態の飲料缶誘導加
熱装置により飲料缶2を誘導加熱する場合の概要説明図
であり、図7は図6におけるA−A断面図である。な
お、図2及び図3に示した要素と同一のものについては
同一符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみに
ついて説明する。
形態を説明する。図6は、第2実施形態の飲料缶誘導加
熱装置により飲料缶2を誘導加熱する場合の概要説明図
であり、図7は図6におけるA−A断面図である。な
お、図2及び図3に示した要素と同一のものについては
同一符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみに
ついて説明する。
【0025】この実施形態では、第1実施形態における
フェライトコア4に代えて、飲料缶2の長尺軸線方向に
一定間隙で分割配列された同一姿態の二つのコア41,
42で構成するとともに、各コア41,42の下部、冷
却手段の一例となる冷却ファン9を配置している。冷却
ファン9からは、冷媒の一例である空気(冷却風)9F
が外部より取り込まれて加熱コイル3A,3B及びコア
41,42及びその間に形成されている間隙に向けて送
風される。この場合、間隙は、冷却風9Fの通風路を形
成しており、加熱コイル3A,3B等が効果的に空冷さ
れるようになっている。なお、間隙に冷却風9Fの流通
に支障がない程度でスペーサを設け、コア41,42を
配列する際の便宜を図るようにしてもよい。
フェライトコア4に代えて、飲料缶2の長尺軸線方向に
一定間隙で分割配列された同一姿態の二つのコア41,
42で構成するとともに、各コア41,42の下部、冷
却手段の一例となる冷却ファン9を配置している。冷却
ファン9からは、冷媒の一例である空気(冷却風)9F
が外部より取り込まれて加熱コイル3A,3B及びコア
41,42及びその間に形成されている間隙に向けて送
風される。この場合、間隙は、冷却風9Fの通風路を形
成しており、加熱コイル3A,3B等が効果的に空冷さ
れるようになっている。なお、間隙に冷却風9Fの流通
に支障がない程度でスペーサを設け、コア41,42を
配列する際の便宜を図るようにしてもよい。
【0026】図8に示すように、各コア41,42に
は、それぞれ一対の突出端部41A,41B,42A,
42Bが形成され、その最も外側に離れたもの同士の距
離は、飲料缶2の長さ、つまり、缶体の蓋部と側壁部と
の接合部(蓋巻締部)間の距離よりも短く設計されてい
る。各突出端部41A,41B,42A,42Bの端面
41C,42Cの形状、及びインバータ10から加熱コ
イル3A,3Bに供給される高周波電流I11について
は、第1実施形態の場合と同じである。
は、それぞれ一対の突出端部41A,41B,42A,
42Bが形成され、その最も外側に離れたもの同士の距
離は、飲料缶2の長さ、つまり、缶体の蓋部と側壁部と
の接合部(蓋巻締部)間の距離よりも短く設計されてい
る。各突出端部41A,41B,42A,42Bの端面
41C,42Cの形状、及びインバータ10から加熱コ
イル3A,3Bに供給される高周波電流I11について
は、第1実施形態の場合と同じである。
【0027】この実施形態により得られる加熱分布は、
図8に示す通りである。すなわち、第1実施形態の場合
の加熱分布2Eと比較すると、フェライトコアが分割配
列されたことにより、磁界の強い部分も飲料缶2の外側
壁側に沿って分割され、加熱部分がピーナッツ状に2ヶ
所強くなって、全体的には、より細長く改善された分布
2Fとなっている。また、冷却ファン9によって加熱コ
イル3A,3Bやコア41,42が空冷されるので、こ
れらの発熱が防止される。
図8に示す通りである。すなわち、第1実施形態の場合
の加熱分布2Eと比較すると、フェライトコアが分割配
列されたことにより、磁界の強い部分も飲料缶2の外側
壁側に沿って分割され、加熱部分がピーナッツ状に2ヶ
所強くなって、全体的には、より細長く改善された分布
2Fとなっている。また、冷却ファン9によって加熱コ
イル3A,3Bやコア41,42が空冷されるので、こ
れらの発熱が防止される。
【0028】(第3実施形態)次に、本発明の第3実施
形態を説明する。図9は、本発明の第3実施形態の飲料
缶誘導加熱装置の要部外観斜視図である。この実施形態
では、第1実施形態によるフェライトコア4の溝部(凹
部)をその中央部に貫装した一つの加熱コイル3Cを用
い、この加熱コイル3Cに第1実施形態と同一の高周波
電流I11が供給されるようにする。これにより、誘導電
流がこの高周波電流I11を打ち消す方向に流れ、第1実
施形態とほぼ同様の加熱分布が得られる。
形態を説明する。図9は、本発明の第3実施形態の飲料
缶誘導加熱装置の要部外観斜視図である。この実施形態
では、第1実施形態によるフェライトコア4の溝部(凹
部)をその中央部に貫装した一つの加熱コイル3Cを用
い、この加熱コイル3Cに第1実施形態と同一の高周波
電流I11が供給されるようにする。これにより、誘導電
流がこの高周波電流I11を打ち消す方向に流れ、第1実
施形態とほぼ同様の加熱分布が得られる。
【0029】第1実施形態に示した飲料缶誘導加熱装置
は、フェライトコア4の幅、すなわち飲料缶2の長尺軸
線方向と直角の方向の長さが不問の場合に有効となる
が、この実施形態の飲料缶誘導加熱装置は、フェライト
コア4の高さは不問であるが、その幅が制限される場合
により有効となる。なお、この実施形態でも、第2実施
形態の場合と同様に、フェライトコア4を複数に分割す
ることにより、加熱分布をさらに改善することができ
る。
は、フェライトコア4の幅、すなわち飲料缶2の長尺軸
線方向と直角の方向の長さが不問の場合に有効となる
が、この実施形態の飲料缶誘導加熱装置は、フェライト
コア4の高さは不問であるが、その幅が制限される場合
により有効となる。なお、この実施形態でも、第2実施
形態の場合と同様に、フェライトコア4を複数に分割す
ることにより、加熱分布をさらに改善することができ
る。
【0030】以上、本発明を複数の実施形態を示して説
明したが、本発明の飲料缶誘導加熱装置は、誘導電流を
飲料缶の長尺軸線方向に沿って同一方向に集中的に発生
させる点に主眼があるので、フェライトコアの形状、そ
の分割配列数、加熱コイルの形状等については、上記各
実施形態に限定されるものでないのは勿論である。
明したが、本発明の飲料缶誘導加熱装置は、誘導電流を
飲料缶の長尺軸線方向に沿って同一方向に集中的に発生
させる点に主眼があるので、フェライトコアの形状、そ
の分割配列数、加熱コイルの形状等については、上記各
実施形態に限定されるものでないのは勿論である。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の飲料缶誘導加熱装置によれば、飲料缶外側壁にその長
尺軸線に沿って狭い幅で同一方向の誘導電流が集中的に
発生するので、従来は不可能であった接着缶の誘導加熱
が可能になるという特有の効果がある。
の飲料缶誘導加熱装置によれば、飲料缶外側壁にその長
尺軸線に沿って狭い幅で同一方向の誘導電流が集中的に
発生するので、従来は不可能であった接着缶の誘導加熱
が可能になるという特有の効果がある。
【0032】また、加熱コイルに供給する高周波電力の
周波数が5kHzから15kHzの間の任意の一波とし
たので、スチール缶の他に、アルミ缶等の非磁性缶の併
用加熱が可能になるという効果もある。さらに、飲料缶
の径が変化した場合であってもその飲料缶を回転させる
ことができるので、飲料缶の外形寸法に拘束されない誘
導加熱も可能になる。
周波数が5kHzから15kHzの間の任意の一波とし
たので、スチール缶の他に、アルミ缶等の非磁性缶の併
用加熱が可能になるという効果もある。さらに、飲料缶
の径が変化した場合であってもその飲料缶を回転させる
ことができるので、飲料缶の外形寸法に拘束されない誘
導加熱も可能になる。
【0033】したがって、現在市販されている殆ど全て
の種類の飲料缶についての誘導加熱を同一の周波数条件
で行うことが可能となり、飲料缶誘導加熱装置、ひいて
はこの飲料缶誘導加熱装置を内蔵した自動販売機の普及
に多大な貢献を果たすことができる。この経済的効果に
は絶大なものがある。
の種類の飲料缶についての誘導加熱を同一の周波数条件
で行うことが可能となり、飲料缶誘導加熱装置、ひいて
はこの飲料缶誘導加熱装置を内蔵した自動販売機の普及
に多大な貢献を果たすことができる。この経済的効果に
は絶大なものがある。
【図1】本発明の第1実施形態の飲料缶誘導加熱装置の
要部を示す斜視図。
要部を示す斜視図。
【図2】第1実施形態の飲料缶誘導加熱装置により飲料
缶を誘導加熱する場合の概要説明図。
缶を誘導加熱する場合の概要説明図。
【図3】図2のA−A断面図。
【図4】第1実施形態による飲料缶の加熱分布を示す説
明図。
明図。
【図5】(a)は、飲料缶が存在するときに加熱コイル
の入力端子からみた等価抵抗値Rと、飲料缶をとり去っ
た状態(無負荷時)での等価抵抗値をR0の周波数特性
図であり、(b)は各等価抵抗値R、R0に基づく加熱
効率ηの算出結果を示すグラフである。
の入力端子からみた等価抵抗値Rと、飲料缶をとり去っ
た状態(無負荷時)での等価抵抗値をR0の周波数特性
図であり、(b)は各等価抵抗値R、R0に基づく加熱
効率ηの算出結果を示すグラフである。
【図6】本発明の第2実施形態の飲料缶誘導加熱装置に
より飲料缶を誘導加熱する場合の概要説明図。
より飲料缶を誘導加熱する場合の概要説明図。
【図7】図6のA−A断面図。
【図8】第2実施形態による飲料缶の加熱分布を示す説
明図。
明図。
【図9】本発明の第3実施形態の飲料缶誘導加熱装置の
要部外観斜視図。
要部外観斜視図。
【図10】(a)は円筒形加熱コイルによる従来の飲料
缶誘導加熱装置の正面断面と接着缶を加熱した場合の加
熱分布を示す説明図、(b)はそのA−A断面図。
缶誘導加熱装置の正面断面と接着缶を加熱した場合の加
熱分布を示す説明図、(b)はそのA−A断面図。
【図11】(a)はヘアピン形加熱コイルによる従来の
飲料缶誘導加熱装置の正面図と接着缶を加熱した場合の
加熱分布を示す説明図、(b)はそのA−A断面図、
(c)は接着缶の加熱分布を示す説明図。
飲料缶誘導加熱装置の正面図と接着缶を加熱した場合の
加熱分布を示す説明図、(b)はそのA−A断面図、
(c)は接着缶の加熱分布を示す説明図。
1,1A,3A,3B,3C 加熱コイル 2,2S 飲料缶 2A〜2F 加熱分布 2W 飲料缶の接着部(継ぎ目部分) 2W1,2W2 接着部2Wの上下端部 4,41,42 フェライトコア 4A,4B,41A,41B,42A,42B 突出端
部 4C,41C,42C 突出端部の端面 5 磁束 6 飲料缶受け用絶縁板 7A,7B 飲料缶回転用ローラ 8 加熱コイル部ケース 9 冷却用ファン 9F 冷却風 I1、I1A、I1B、I11A、I11B,I11 加熱コイルに
供給される高周波電流 I2、I2A、I22 誘導電流
部 4C,41C,42C 突出端部の端面 5 磁束 6 飲料缶受け用絶縁板 7A,7B 飲料缶回転用ローラ 8 加熱コイル部ケース 9 冷却用ファン 9F 冷却風 I1、I1A、I1B、I11A、I11B,I11 加熱コイルに
供給される高周波電流 I2、I2A、I22 誘導電流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉岡 健 東京都中央区日本橋2丁目1番10号 大 和製罐株式会社内 (72)発明者 石間 勉 東京都調布市柴崎2丁目1番地3 島田 理化工業株式会社内 (72)発明者 田内 良男 東京都調布市柴崎2丁目1番地3 島田 理化工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−161621(JP,A) 実開 平2−55388(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G07F 11/70
Claims (7)
- 【請求項1】 有底筒状缶体に飲料液が封入された飲料
缶を当該飲料缶の自動販売機内で誘導加熱する装置であ
って、 前記自動販売機の所定位置で一時的に保持される前記飲
料缶の長尺軸線方向に延び、且つその端面が飲料缶外側
壁を指向する一対の突出端部が、飲料缶の長尺軸線を中
心として、左右両側に配置される断面U字状のフェライ
トコアと、 前記フェライトコアの各突出端部を中央部に貫装した状
態で複数配列された加熱コイルと、 前記一対の 突出端部を含んで形成される磁路において磁
束が同一方向に生じるように電気的に接続され、所定周
波数の交流電力を前記加熱コイルに供給するインバータ
とを備え、 前記飲料缶が前記所定位置で保持され、且つ前記加熱コ
イルが通電しているときに、飲料缶外側壁の前記長尺軸
線方向に誘導電流が集中的に発生するようにしたことを
特徴とする飲料缶誘導加熱装置。 - 【請求項2】 有底筒状缶体に飲料液が封入された飲料
缶を当該飲料缶の自動販売機内で誘導加熱する装置であ
って、 前記自動販売機の所定位置で一時保持される前記飲料缶
の長尺軸線方向に延び、且つその端面が飲料缶外側壁を
指向する一対の突出端部が、飲料缶の長尺軸線を中心と
して、左右両側に配置される断面U字状のフェライトコ
アと、 前記フェライトコアの溝部をその中央部に貫装した状態
で、飲料缶の長尺軸線に沿って同一方向に配列された少
なくとも一つの加熱コイルと、 所定周波数の交流電力を前記加熱コイルに供給するイン
バータとを備え、前記飲料缶が前記所定位置で保持さ
れ、且つ前記加熱コイルが通電しているときに、飲料缶
外側壁の前記長尺軸線方向に誘導電流が集中的に発生す
るようにしたことを特徴とする飲料缶誘導加熱装置。 - 【請求項3】 前記フェライトコアが、前記長尺軸線方
向に分割配列された同一姿態の複数のコアから成り、各
コア間に前記誘導電流の分布を変えるための間隙が形成
されていることを特徴とする請求項1または2記載の飲
料缶誘導加熱装置。 - 【請求項4】 前記フェライトコア及び加熱コイルの周
囲に、前記フェライトコア側からそれらの間に形成され
ている間隙に向けて冷媒を伝達する冷却手段をさらに備
え、前記間隙が前記冷媒の伝達経路を形成していること
を特徴とする請求項3記載の飲料缶誘導加熱装置。 - 【請求項5】 前記フェライトコアの全ての突出端部
が、前記飲料缶の両底部の周縁の蓋巻締部よりも中央側
に位置することを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
かの項記載の飲料缶誘導加熱装置。 - 【請求項6】 各突出端部の前記飲料缶外側壁を指向す
る面が、該飲料缶外側壁に対して略平行に形成されてい
ることを特徴とする請求項5記載の飲料缶誘導加熱装
置。 - 【請求項7】 前記インバータは、5kHz乃至15k
Hzの共振周波数のいずれか一波であって、前記有底筒
状缶体に用いられる非磁性材と磁性材との等価抵抗値が
漸近する周波数の交流電力を生成する共振回路を含むこ
とを特徴とする請求項1ないし6のいずれかの項記載の
飲料缶誘導加熱装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26704296A JP3169209B2 (ja) | 1996-10-08 | 1996-10-08 | 飲料缶誘導加熱装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26704296A JP3169209B2 (ja) | 1996-10-08 | 1996-10-08 | 飲料缶誘導加熱装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10111981A JPH10111981A (ja) | 1998-04-28 |
JP3169209B2 true JP3169209B2 (ja) | 2001-05-21 |
Family
ID=17439242
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26704296A Expired - Fee Related JP3169209B2 (ja) | 1996-10-08 | 1996-10-08 | 飲料缶誘導加熱装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3169209B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2981883B1 (fr) * | 2011-10-28 | 2014-09-12 | Michelin Soc Tech | Presse de vulcanisation de pneumatique comprenant des moyens de chauffage par induction |
EP3190860B1 (en) * | 2014-09-05 | 2019-08-21 | Nippon Steel Corporation | Induction heating device for metal strip |
-
1996
- 1996-10-08 JP JP26704296A patent/JP3169209B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10111981A (ja) | 1998-04-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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