JP3168827U - バイトブロック - Google Patents

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啓介 細谷
啓介 細谷
崇至 趙
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昭裕 森本
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啓介 細谷
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Abstract

【課題】気管内挿管チューブを沿わせて固定することが容易で、口腔内の粘膜等に潰瘍が発生するリスクを低減することのできるバイトブロックを提供する。【解決手段】口唇部位における気管内挿管チューブの閉塞防止および挿入位置のずれを防止するためのバイトブロック1を、軸方向に延びる筒状の本体11と、この筒状本体の外面11aに配設された上顎用フランジ部12aと下顎用のフランジ部12bとから構成し、各フランジ部12a,12bを、筒状本体11の軸方向に互いに距離を空けた位置に配置する。【選択図】図1

Description

本考案は、患者等の口から気管に向けて挿入された気管内挿管チューブを保護するために用いられるバイトブロックに関する。
全身麻酔下の手術時や、自発呼吸困難な重症患者の治療の際には、患者等の口から気管に向けてチューブ(気管内挿管チューブ)を挿入し、人工呼吸器等を用いて呼吸を補助することが行われる。その際、挿入した気管内挿管チューブを患者等が噛み潰すことによるチューブの閉塞や、このチューブの位置ずれを防止するために、「バイトブロック」と呼ばれる医療用器具が使用される(特許文献1,2等を参照)。
図3は、従来の一般的なバイトブロックの構成を示す図である。
この図に示すバイトブロック30は、略筒状の本体31と、この本体31の外周面31aに配設されたフランジ部32とからなり、樹脂やゴム等の弾性材料または硬質材料を用いて、噛み潰されない程度の剛性を有するように形成されている。
上記筒状の本体31は、全体として中空の円筒状で、その長手方向(軸方向)の一端側(使用時の先端側であり、咽頭側)は、口腔への挿入が容易なように、外径が端部に向けて徐々に小径(テーパー状)となる先細部31cに形成されている。また、その外周面31aは、円状,楕円状,小判状等、口(唇)を開いた時の形状に略沿った形状に形成されているとともに、その内周(中空部31b)には、口腔内の唾液の吸引等の処置に利用することのできる孔が形成されている。
上記バイトブロック30のフランジ部32は、上記筒状本体31の外周面31aにおける他端側(使用時の後端側であり、口唇側)の位置に、この本体の外周面31aに一体に、あるいは、後から取り付けて配設されており、その形状は、上記外周面31aから突出する鍔(つば)状または略円形,楕円形等の円盤状に形成されている。このフランジ部32には、図3のような、切り欠き(へこみ)形状のチューブ収容部32aが設けられており、先に気管に挿入されている上記気管内挿管チューブを、このチューブ収容部32aの凹形状に嵌め入れることにより、気管内挿管チューブを位置決めできるようになっている。
上記バイトブロック30を使用する際は、このバイトブロック30の口腔内への挿入に先立って、上記気管内挿管チューブが患者等の気管に挿入される。つぎに、上記バイトブロックの筒状本体31の先端(先細部31c)側を、患者等に銜えさせるようにして口腔内に挿入する。そして、図4に示すように、上記バイトブロックのフランジ部32の上端および下端を、患者等の上唇と上顎前歯との間、および、下唇と下顎前歯との間(両者とも「口腔前庭」という)にそれぞれ挟み込んだ状態で、このフランジ部32のチューブ収容部32aを、口腔左右方向の適切な側に回動させて配置し、上記チューブ収容部32aに気管内挿管チューブ40を嵌め入れる。そして、その状態で、テープやバンド等を用いて、バイトブロック30と気管内挿管チューブ40とを固定することにより、このチューブ40の保護(噛み潰し防止)と位置ずれの防止が実現されている。
なお、上記チューブ収容部32aは、上記フランジ部32を貫通する穴として形成される場合もある。他にも、上記チューブ収容部32aは、上記筒状本体31の外周面31aに、長手方向に沿った平坦部や凹状の溝として設けられる場合や、上記筒状本体の内周の中空部31bが兼用する場合もある。上記兼用する場合、気管チューブや気管内挿管チューブ等は、上記中空部31bに挿通される。
特開平8−47535号公報 特開2001−190675号公報
ところで、バイトブロックは、使用する際に、上記気管内挿管チューブがバイトブロックに沿わず、その固定が難しい場合がある。この理由は以下のように考えられる。すなわち、バイトブロックを口腔内に挿入する際は、このバイトブロックのフランジ部を口唇と前歯との間(口腔前庭)に差し入れるために、通常、患者等の口(口唇)を大きく開けた状態(下顎が普段の位置より手前に引き出された状態)で行う。その後、上記バイトブロックおよび気管内挿管チューブの固定のために、患者等の口を、上下前歯がバイトブロックの筒状本体に当接するまで閉じさせるのであるが、この際、下顎が普段の位置まで後退するため、上顎前歯と下顎前歯の噛み合わせ(咬み合わせ)にずれが生じる。
この時、従来のバイトブロック30のフランジ部32は、筒状本体の軸方向同じ位置に、先に述べたような鍔状または円盤状に形成されているため、図4に示すように、上記噛み合わせのずれに伴ってこのフランジ部32が傾き、結果的に筒状本体を含むバイトブロック30全体が傾いて口腔内に留置されることになる。このように、バイトブロック30が傾いて留置されると、口腔内に先に挿入されている気管内挿管チューブ40と角度が一致せず、上記フランジ部32のチューブ収容部32aに、この気管内挿管チューブ40が嵌まり難くなってしまう。
また、従来のバイトブロックは、上で述べたように、上記筒状本体31の先端部(咽頭側先細部31c)が上顎方向(または、まれに下顎方向)に向かって移動することから、この先端部が口腔内で接触した部位(図4中のX位置)を圧迫するため、この部位に潰瘍が発生してしまうおそれがある。さらに、この傾きにより、フランジ部32が上唇(まれに下唇)を圧迫し、口唇部内側(図4中のY,Y’位置)にも潰瘍が発生する場合も報告されており、その改善が望まれている。
本考案は、このような事情に鑑みてなされたもので、気管内挿管チューブを沿わせて固定することが容易で、口腔内の粘膜等に潰瘍が発生するリスクを低減することのできるバイトブロックを提供することをその目的とする。
上記の目的を達成するため、本考案は、口唇部位における気管内挿管チューブの閉塞防止および挿入位置のずれを防止するためのバイトブロックであって、軸方向に延びる筒状の本体と、この筒状本体の外面に配設された上顎用フランジ部と下顎用のフランジ部とを備え、これら上顎用フランジ部と下顎用のフランジ部とは、上記筒状本体の軸方向から見た場合に、この軸を挟んで対向する位置に設けられ、各フランジ部が、上顎歯列と下顎歯列の噛み合わせのずれに応じて上記筒状本体の軸方向に互いに距離を空けて配設されていることを特徴とする。
また、本考案のバイトブロックは、上記筒状本体の軸方向一端側に、外径が端部に向けて徐々に小径となる挿入用先細部が設けられ、上記上顎用フランジ部および下顎用フランジ部の少なくとも一方が、その筒状本体側の根元部から外径側の先端部にかけて上記先細部側に傾斜する形状に形成されている構成(請求項2)を好適に採用する。
さらに、本考案のバイトブロックは、上記上顎用フランジ部および下顎用フランジ部の少なくとも一方が、上顎前歯列または下顎前歯列のならびに沿って湾曲する形状に形成されていても良い(請求項3)。
一方、本考案のバイトブロックは、上記上顎用フランジ部と下顎用フランジ部とは、上記筒状本体の軸方向から見た場合、これら各フランジ部の該筒状本体周りの周方向位置が、互いに重ならないように形成され、上顎用フランジ部と下顎用フランジ部とに挟まれた周方向の領域が、気管内挿管チューブを上記筒状本体に沿って軸方向に挿通させるためのチューブ収容部に形成されている構成(請求項4)を好適に採用することができる。
本考案は、使用時に、口腔前庭に配置されるバイトブロックのフランジ部を、従来品における1枚の鍔型(円盤型)から、上顎用と下顎用の2つに分割し、これら分割型の各フランジ部の形成位置に、人が口を閉じた時に生じる「上顎前歯と下顎前歯の噛み合わせの差」に対応した前後差を設けることにより、所期の目的を達成しようとするものである。
すなわち、本考案のバイトブロックは、筒状本体の外周外面に、上顎用および下顎用の2つのフランジ部が設けられ、これら各フランジ部が、上顎前歯と下顎前歯の噛み合わせ(咬み合わせ)の差に応じて、上記筒状本体の軸方向に距離を空けて(軸方向の位置をずらせて)形成されている。そのため、このバイトブロックは、上記上顎用フランジ部を上唇と上顎前歯との間に差し入れ、下顎用フランジ部を下唇と下顎前歯との間に差し入れて、これら上顎前歯と下顎前歯とが筒状本体に当たるまで口が閉じられた場合(筒状本体が口腔内に留置された場合)でも、この筒状本体の先端部(奥側)が咽頭側に向かって真っ直ぐに挿入された状態を保つ。そのため、このバイトブロックは、口腔内に先に挿入されている気管内挿管チューブと、その挿入角度が一致し、簡単かつ容易に上記気管内挿管チューブをバイトブロックに沿わせて配置することができる。したがって、本考案のバイトブロックは、気管内挿管チューブを所定位置に固定することが容易になるとともに、歯等による噛み潰しを確実に防止することができる。
さらに、このバイトブロックは、上記のように、口が閉じられた場合でも、この筒状本体の先端部(奥側)が咽頭側に向かって真っ直ぐに挿入された状態を保つことから、その先端部が口腔内の粘膜等に接触したりこれを圧迫したりすることが抑制される。これにより、本考案のバイトブロックは、口腔内の粘膜等に潰瘍が発生するリスクを低減することができる。
また、本考案のバイトブロックのなかでも、上記筒状本体の軸方向一端側に、外径が端部に向けて徐々に小径となる挿入用先細部が設けられ、上記上顎用フランジ部および下顎用フランジ部の少なくとも一方が、その筒状本体側の根元部から外径側の先端部にかけて上記先細部側に傾斜する形状に形成されているバイトブロックは、上記上顎用フランジ部または下顎用フランジ部が、上顎前歯または下顎前歯の形状により一致したものとなり、気管内挿管チューブを所定位置に固定することがさらに容易になる。しかも、上記上顎用フランジ部または下顎用フランジ部が、口腔前庭や口唇部内側等を圧迫することが緩和され、この部位に潰瘍が発生することが、より確実に防止される。
さらに、本考案のバイトブロックのなかでも、上記上顎用フランジ部および下顎用フランジ部の少なくとも一方が、上顎前歯列または下顎前歯列のならびに沿って湾曲する形状(すなわち、上記挿入用先細部側に傾斜し、かつ、口腔前庭の形状に沿って口の左右方向に回りこむ形状)に形成されているバイトブロックは、上顎用フランジ部および/または下顎用フランジ部が、前歯および口腔前庭の形状により完全に一致する。したがって、本考案のバイトブロックは、気管内挿管チューブの固定が、より容易になるとともに、口腔内の粘膜等に潰瘍が発生するのをほぼ完全に抑制することができる。
また、本考案のバイトブロックにおいて、上記上顎用フランジと下顎用フランジ部とが、上記筒状本体の軸方向から見た場合、これら各フランジ部の該筒状本体周りの周方向位置が、互いに重ならないように形成され、上顎用フランジ部と下顎用フランジ部とに挟まれた周方向の領域が、気管内挿管チューブを上記筒状本体に沿って軸方向に挿通させるためのチューブ収容部に形成されているバイトブロックは、このバイトブロックが保護すべき気管内挿管チューブを、該バイトブロックの左右位置のどちらにでも挿通させ、このバイトブロックに沿って簡単に固定することができる。
なお、上顎前歯と下顎前歯の噛み合わせ方向と、上記気管内挿管チューブの収容位置を考慮すると、上顎用フランジ部と下顎用フランジ部とは、上記筒状本体の軸方向の中心軸を挟んで対向する位置に配置し、これらに挟まれた筒状本体左右の領域を、上記チューブ収容部とすることが、構成上、最も合理的な配置である。
また、上記上顎用フランジ部と下顎用フランジ部の少なくとも一方を、上記筒状本体の軸方向に移動可能に形成しても良い。このようにフランジ部を軸方向へスライド移動させることにより、上記上顎前歯と下顎前歯の噛み合わせの「個人差」、すなわち口唇形状や口腔内形状の個体差に、よりきめ細かく対応することが可能になり、もって、口腔内における潰瘍発生のリスクを、より低減することができる。
そして、上記バイトブロックには、上記上顎用フランジ部と下顎用フランジ部とを識別するためのマークを形成しても良い。このマークにより、バイトブロックの挿入時の方向(上下方向)を間違えることが防止される。したがって、このバイトブロックは、誰でも、それを適正な位置に留置でき、医療ミス等を防止することが可能になる。
本考案の第1実施形態におけるバイトブロックの上面図(a)、側面図(b)および挿入方向から見た軸方向端面図(c)である。 本考案の第2実施形態におけるバイトブロックの上面図(a)、側面図(b)である。 従来のバイトブロックの構成を示す斜視図である。 従来のバイトブロックの使用状態を説明する図である。
つぎに、本考案の実施の形態を、図面にもとづいて詳しく説明する。ただし、本考案は、この実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本考案の第1実施形態におけるバイトブロック1の構成を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は挿入方向の軸方向から見た端面図である。なお、図中のz方向は、このバイトブロック1使用時の上下方向を表す。また、筒状の本体11の軸方向(一点鎖線)は、バイトブロック1の長手方向(x方向)と一致しており、口唇への挿入方向を示すものとする。
この第1実施形態におけるバイトブロック1も、基本的な構造は従来のバイトブロック(30)と同様であり、略筒状の本体11と、この本体11の外面11aに配設されたフランジ(12a,12b)とからなる。上記バイトブロック1の特徴は、図1(c)のように、フランジが上下2つのフランジ部(上顎用フランジ部12aと下顎用フランジ部12b)に分けて形成され、これら上顎用フランジ部12aと下顎用フランジ部12bとが、図1(b)のように、上記筒状本体11の軸方向(図示x方向)に距離L(本例においては5mm)を空け、位置をずらして配設されている点である。
また、本第1実施形態におけるバイトブロック1のもう一つの特徴は、上記筒状本体11の軸方向一端側(図示x側)に、外径がこの端部に向けて徐々に小径となる挿入用先細部11cが設けられ、図示上側の上顎用フランジ部12aが、筒状本体11側の根元部(12a)から外径側の先端部(12a)にかけて、上顎前歯列の傾きに沿った所定の角度θ(本例においては10度)傾斜するように形成されており、図示下側の下顎用フランジ部12bも、筒状本体11側の根元部(12b)から外径側の先端部(12b)にかけて、下顎前歯列の傾きに沿った所定の角度θ(本例においては5度)傾斜するように形成されている点である。
なお、上記上顎用フランジ部12aと下顎用フランジ部12bとの間の軸方向距離Lの好適な範囲は、大人用,子供用等により異なるが、一般的に1〜20mm、好ましくは2〜10mm、さらに好ましくは3〜6mm程度である。
また、上記上顎用フランジ部12aが、筒状本体11側の根元部(12a)から外径側の先端部(12a)にかけて、筒状本体11の先細部11c側に傾斜する角度θは1〜30度が好ましく、さらに好ましくは5〜15度、理想的には10度前後である。同様に、上記下顎用フランジ部12bが、筒状本体11側の根元部(12b)から外径側の先端部(12b)にかけて、筒状本体11の先細部11c側に傾斜する角度θは1〜30度が好ましく、さらに好ましくは1〜10度、理想的には5度前後である。
上記バイトブロック1の構成を、より詳しく説明すると、上記筒状の本体11は、全体として中空の筒状で、その長手方向(軸方向)の一端側(使用時の先端側であり咽頭側:図示右側)は、口腔への挿入が容易なように、小径テーパー状の先細部11cになっている。さらに、その外形は、その外面11a(軸方向断面)が略方形状であり、その角部が丸められた形状をしている。そして、筒状本体11の両側面には、気管内挿管チューブを沿わせて固定するための凹部11d,11dが形成されているとともに、その内周(中空部11b)には、口腔内の唾液の吸引等の処置に利用することのできる孔が形成されている。なお、この中空部11b内にチューブを挿通させることもできる。
また、上記上顎用フランジ部12aと下顎用フランジ部12bとは、図1(c)のように、筒状本体11の軸方向(x方向)から見た場合、上記筒状本体11周りの周方向位置が、互いに重ならないように(この例の場合は、中心軸を挟んで対向する位置に)形成されており、これら上顎用フランジ部12aと下顎用フランジ部12bとに挟まれた、筒状本体11周辺の周方向領域(空間S,S’)が、上記凹部11d,11dと一体になって、気管内挿管チューブを上記筒状本体11に沿って軸方向に挿通させることのできる「チューブ収容部」となっている。
なお、バイトブロック1を、筒状本体11の軸方向(x方向)から見た場合、上記筒状本体11の外側(口唇外側)端面には、図1(c)のように、このバイトブロックの使用方向の上下(天地)を示すマークMが設けられている。
以上のような構成のバイトブロック1を使用する際も、このバイトブロック1の口腔内への挿入に先立って、気管内挿管チューブが患者等の気管に挿入される。ついで、上記バイトブロックの筒状本体11の先端側(図示右側の先細部11c)を、患者等に銜えさせるようにして口腔内に挿入する。そして、上記バイトブロック1の上顎用フランジ部12aを、患者等の上唇と上顎前歯との間に、下顎用フランジ部12bを、下唇と下顎前歯との間にそれぞれ挟み込み(図4参照)、この状態で、上記筒状本体11側面の凹部11d,11dのどちらかに、気管内挿管チューブを嵌め入れるように配置する。
ここで、上記バイトブロック1の口腔内への挿入に際しては、先に述べたように、筒状本体11の口唇外側の端面(すなわち、患者等の口唇により隠れない位置)に、上記バイトブロック1の使用方向の上下(天地)を示すマークMが設けられていることから、このバイトブロック1を挿入する医療従事者等は、その挿入方向を間違うことなく、該バイトブロック1を適正な方向に挿入することができる。
また、バイトブロック1のフランジが、上顎専用のフランジ部12aと下顎専用のフランジ部12bに分割され、これらの間に、人が口を閉じた時に生じる「上顎前歯と下顎前歯の噛み合わせの差」に対応した軸方向の前後差(距離L)が設けられていることから、このバイトブロック1は、上記のように口腔内に留置され、患者等の口が閉じられた場合でも、上記筒状本体11の先端部(奥側)が咽頭側に向かって真っ直ぐに挿入された状態を保つ。そのため、このバイトブロック1は、気管内挿管チューブが、上記筒状本体11側面の凹部11dおよびチューブ収容部に沿いやすく、上記気管内挿管チューブを簡単に固定することができる。
さらに、本実施形態のバイトブロック1は、上顎用フランジ部12aと下顎用フランジ部12bとが、「上顎前歯と下顎前歯の噛み合わせの差」に起因して生じる口腔前庭の傾きに沿って配置されるため、上唇と下唇およびこれら口唇部内側にも圧迫が加わらず、無理なく銜え続けることができる。その結果、本実施形態におけるバイトブロック1は、長時間使用しても、口腔内粘膜や口唇部内側に潰瘍等の発生がなく、安心して使い続けることができる。
そして、上顎用フランジ部12aと下顎用フランジ部12bとに挟まれた領域(空間S,S’)がチューブ収容部に形成されていることから、上記気管内挿管チューブを筒状本体11に沿って、その左右のどちらにでも挿通させることができる。
つぎに、本考案の第2実施形態について説明する。
図2は、本考案の第2実施形態におけるバイトブロック2の構成を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。なお、第1実施形態と同様、図示の上下方向(z方向)は、このバイトブロック2使用時の上下方向を示す。また、筒状の本体の軸方向(一点鎖線)は、バイトブロック2の長手方向(x方向)と一致しているものとする。
本実施形態におけるバイトブロック2が、先の第1実施形態におけるバイトブロック1と異なる点は、上顎用フランジ部22aと下顎用フランジ部22bとが、筒状本体21の軸方向にスライド移動可能に形成されている点である。なお、図2中の符号21eは、上記筒状本体1の外面21aに設けられ、各フランジ部22a,22bをスライド移動可能に支承する凹溝であり、符号21fは、各フランジ部22a,22bの軸方向の位置決め(仮固定)するための多段段部である。
このように各フランジ部22a,22bを軸方向へスライド移動可能とすることにより、上顎前歯と下顎前歯の噛み合わせの「個人差」、すなわち口唇形状や口腔内形状の個体差に、よりきめ細かく対応することが可能になる。したがって、このバイトブロック2は、気管内挿管チューブのバイトブロック1に沿った固定が、より容易になるとともに、口腔内における潰瘍発生のリスクを、さらに低減することができる。
また、本実施形態におけるバイトブロック2のもう一つの特徴は、図2(b)のように、上記スライド移動する上顎用フランジ部22aが、上顎前歯列のならびの外側形状に沿って湾曲する形状に形成され、下顎用フランジ部22bが、下顎前歯列のならびの外側形状に沿って湾曲する形状に形成されている点である。すなわち、上記上顎用フランジ部22aと下顎用フランジ部22bとは、図2のように、上記挿入用先細部側に傾斜し、かつ、口腔前庭の形状に沿って口の左右方向に回りこむ形状に形成されている。この構成によって、上顎用フランジ部22aおよび下顎用フランジ部22bの口腔前庭や口唇部内側等に対する圧迫がより緩和され、本実施形態におけるバイトブロック2は、この部位における潰瘍の発生をさらに抑制することができる。
なお、上記2つの実施形態において、各バイトブロック1,2の筒状本体11,21および各フランジ部12a,12b,22a,22b等を構成する材料としては、シリコンゴムや、ブチルゴム,スチレン・ブタジエンゴム,二トリルゴムなど、ある程度の硬さと弾力性を両方兼ね備えるものが好ましい。もちろん、その他のゴム類の他、軟質塩ビ等のような可撓性を有する樹脂、あるいは、ポリエチレン(PP),ポリプロピレン(PE),ポリアミド(PA),PET,PENや塩化ビニール樹脂等、公知のプラスチックのなかで、人体に無害なものを使用することも可能である。
さらに、上記シリコンゴム等のゴム類を材料として使用する場合、形成する部位によってその硬さ(JIS K 6253に準拠したショアA硬度 デュロメータ−タイプAで測定)を変えても良い。例えば、人体に接触する各フランジ部と筒状本体の表層(外層)を、硬度20〜40°(ショアA)のシリコンゴムから形成し、筒状本体の内層を、歯の噛み潰しの圧力に耐える硬度60〜80°(ショアA)のシリコンゴムから形成するようにしても良い。
本考案のバイトブロックは、患者等の口から気管に向けて挿入された気管内挿管チューブを保護する用途に適する。
1 バイトブロック
2 バイトブロック
11 筒状本体
11a 外面
11b 中空部
11c 先細部
11d 凹部
12a 上顎用フランジ部
12a 根元部 12a 先端部
12b 下顎用フランジ部
12b 根元部 12b 先端部
21 筒状本体
21a 外面
21b 中空部
21c 先細部
21d 凹部
21e 凹溝
21f 多段段部
22a 上顎用フランジ部
22b 下顎用フランジ部
30 バイトブロック
31 筒状本体
31a 外周面
31b 中空部
31c 先細部
32 フランジ部
32a チューブ収容部
40 チューブ
S,S’ チューブ収容部
M マーク

Claims (4)

  1. 口唇部位における気管内挿管チューブの閉塞防止および挿入位置のずれを防止するためのバイトブロックであって、軸方向に延びる筒状の本体と、この筒状本体の外面に配設された上顎用フランジ部と下顎用のフランジ部とを備え、これら上顎用フランジ部と下顎用のフランジ部とは、上記筒状本体の軸方向から見た場合に、この軸を挟んで対向する位置に設けられ、各フランジ部が、上顎歯列と下顎歯列の噛み合わせのずれに応じて上記筒状本体の軸方向に互いに距離を空けて配設されていることを特徴とするバイトブロック。
  2. 上記筒状本体の軸方向一端側に、外径が端部に向けて徐々に小径となる挿入用先細部が設けられ、上記上顎用フランジ部および下顎用フランジ部の少なくとも一方が、その筒状本体側の根元部から外径側の先端部にかけて上記先細部側に傾斜する形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のバイトブロック。
  3. 上記上顎用フランジ部および下顎用フランジ部の少なくとも一方が、上顎前歯列または下顎前歯列のならびに沿って湾曲する形状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のバイトブロック。
  4. 上記上顎用フランジ部と下顎用フランジ部とは、上記筒状本体の軸方向から見た場合、これら各フランジ部の該筒状本体周りの周方向位置が、互いに重ならないように形成され、上顎用フランジ部と下顎用フランジ部とに挟まれた周方向の領域が、気管内挿管チューブを上記筒状本体に沿って軸方向に挿通させるためのチューブ収容部に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバイトブロック。
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