JP3168658U - エクステンション用まつげ - Google Patents
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Abstract
【課題】抗菌性を有するエクステンション用まつげを提供する。【解決手段】まつげの長さを延長するエクステンション用まつげ100であって、先端部11と末端部15とを有する人工まつげ本体部10と、人工まつげ本体部10に含有された銀イオンとを備え、人工まつげ本体部10の末端部15の径は、先端部11の径よりも太い。【選択図】図2
Description
本考案は、エクステンション用まつげに関し、特に、抗菌効果を持ったエクステンション用まつげに関する。
まつげに長さやボリュームを与え、より大きく、美しく、魅力的な目元を演出するためのアイテムの一つとして、つけまつげがある。つけまつげは、複数本の人工まつげを一纏めにして、その末端に接着部を設け、その接着部を使用者のまぶたに付けることによって、使用者のまつげに長さやボリュームを与えることができる(例えば、特許文献1、2など)。つけまつげは、使用者の皮膚に接着するため、装着感が悪く、場合によっては皮膚がかぶれるおそれがある。
これに対して、近年では、一本のまつげとほぼ同等の形状で長さや太さにボリュームを持たせた所謂エクステンションと呼ばれる人工まつげが提案されている(例えば、特許文献3など)。このエクステンション(人工まつげ)は、まぶたには接着せずに、接着剤を用いてまつげに直接接着するため、装着感が良く、皮膚がかぶれるおそれが少ない。また、エクステンションは、まつげ一本に対して一本ずつ接着するので、つけまつげに比べて自然な感じでまつげに長さやボリュームを与えることができる。
エクステンションは、直接まぶたには装着しないので、皮膚がかぶれるおそれが少なく、それゆえに、エクステンションに抗菌性を持たせるという発想が、エクステンション業界にはなかった。しかしながら、エクステンションは常時まつげに装着しているものであるので、エクステンションに雑菌が繁殖することは好ましくない。
本考案はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、抗菌性を有するエクステンション用まつげを提供することにある。
本考案に係るエクステンション用まつげは、まつげの長さを延長するエクステンション用まつげであり、先端部と末端部とを有する人工まつげ本体部と、前記人工まつげ本体部に含有された銀イオンとを備え、前記人工まつげ本体部の末端部の径は、先端部の径よりも太い。
ある好適な実施形態において、前記人工まつげ本体部は、樹脂から構成されており、前記銀イオンは、前記樹脂に分散されている。
ある好適な実施形態において、前記樹脂は、ポリブチレンテレフタレートであり、前記人工まつげ本体部の断面は円形形状を有している。
本考案のエクステンション用まつげによれば、人工まつげ本体部に銀イオンが含有されているので、銀イオンの抗菌効果によって、エクステンション用まつげに抗菌性を持たせることができる。
以下、図面を参照しながら、本考案の実施の形態を説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。なお、本考案は以下の実施形態に限定されない。
図1を参照しながら、本考案の実施形態に係るエクステンション用まつげ100について説明する。図1は、本実施形態のエクステンション用まつげ100を、使用者(装着者)のまつげ50に取り付けた様子を示す図である。
本実施形態のエクステンション用まつげ100は、使用者55のまつげ50の長さを延長する人工まつげである。なお、本実施形態では、エクステンション用まつげを「エクステンション」と称する。
本実施形態のエクステンション100は、人工まつげ本体部10と、人工まつげ本体部10に含有された銀イオン(Ag+)とを備えている。人工まつげ本体部10は、まつげ型の形状を有しており、具体的には、人工まつげ本体部10の末端部15の径(ここでは、直径)は、先端部11の径(直径)よりも太い。人工まつげ本体部10は、かるく湾曲しており、先端部11のトップは尖っている。本実施形態の人工まつげ本体部10の長さは、例えば5mm〜20mmであり、末端部15の端面15aの直径(または厚さ)は例えば0.07mm〜0.3mmである。
本実施形態のエクステンション100では、末端部15に接着剤(グルー)20が付けられる。そして、エクステンション100は、接着剤20によってまつげ50に接着されて固定される。
図2は、本実施形態のエクステンション100の構成を示す斜視図である。図3は、図2中のA−A線に沿った断面図を示している。図4は、図2中のB部分における断面図を示している。
本実施形態の構成では、人工まつげ本体部10は、樹脂12から構成されており、そして、銀イオン(Ag+)30は、樹脂12に分散されている。なお、図3及び図4における銀イオン30の表記は、説明のための模式的なものである。図3及び図4では、末端部15における直径φを表記している。
本実施形態の人工まつげ本体部10を構成する樹脂は、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル、アクリル、塩化ビニール、ナイロンから構成されている。この例の人工まつげ本体部10は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)から構成されている。なお、人工まつげ本体部10は、黒色の他、着色された材料から構成されていてもよい。人工まつげ本体部10は、例えば、ダークブラウン、パープル、ブルー、ピンク、シルバー、グリーン、ライトオレンジ、ライトゴールド、レッド、ワインレッド、ホワイト、イエローなどの色にすることができ、それによって、カラーエクステンションを実現することが可能である。
本実施形態の人工まつげ本体部10は、樹脂12に銀イオン(Ag+)30を配合して、両者(12、30)を混合した後、その混合物を、人工まつげ本体部10の形状を規定する開口部を有する金型から押し出しすることによって得ることができる。より詳細には、銀イオン30を含有した樹脂12を金型から押し出して、繊維状の材料を作製した後、その繊維状の材料を、人工まつげ本体部10と同じ長さに切断する。その後、その切断で得られた人工まつげ本体部10の一部を薬品に浸して、人工まつげ本体部10の先端部11を細くすることによって、本実施形態のエクステンション100を得ることができる。
本実施形態の構成では、銀イオン30を樹脂(例えば、PBT)12に配合する。銀イオン30の配合割合(質量%)は、10%以下であり、典型的には5%または5%程度である。
銀イオン30が抗菌効果を有することは知られているが、エクステンション100を構成する樹脂12に含有された銀イオン30が抗菌効果を有するかどうかは知られていなかった。本願考案者は、本実施形態のエクステンション100の抗菌性について試験を行ったところ、以下の結果が得られた。
なお、試験方法は、JIS L 1902(2008)の菌液吸収法である。供試菌は、黄色ぶどう球菌(Staphylococcus aureus NBRC 12732)である。試料は、界面活性剤(Tween80)を添加した試験菌懸濁液を使用した。試料Aは、本実施形態のエクステンション100であり、試料Bは、銀イオンが含有されていない比較例のエクステンションである。
試料A(エクステンション100)の場合、生菌数の常用対数値は、菌液接種直後4.3で、18時間培養後4.3であり、18時間培養後でも数値は変わらなかった。静菌活性値は2.8であった。この検査結果から、エクステンション100に抗菌性が認められた。
一方、試料B(比較例)の場合、生菌数の常用対数値は、菌液接種直後4.3で、18時間培養後6.4であり、18時間培養後で数値の増加が確認された。静菌活性値は0.7であった。この検査結果から、比較例のエクステンションには抗菌性は認められなかった。
参考として、綿標準白布の場合、生菌数の常用対数値は、菌液接種直後4.3で、18時間培養後7.2であった。ここで、抗菌効果の認定基準として、静菌活性値が2.2以上であることを利用することができる。静菌活性値は、(Mb−Ma)−(Mc−Mo)で求められる。そして、静菌活性値≧2.2であると、抗菌性ありと認定することができる。
なお、Mbは、無加工布(又は標準布)の18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値である。Maは、無加工布(又は標準布)の接種直後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値である。Mcは、抗菌加工布(ここでは、エクステンション材料)の18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値である。Moは、抗菌加工布(ここでは、エクステンション100)の接種直後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値である。
上述のように、本実施形態のエクステンション100では抗菌性が認められ、一方、比較例のエクステンションでは抗菌性は認められなかった。両者の抗菌性の結果の差は、顕著であった。
本実施形態のエクステンション100によれば、人工まつげ本体部10に含有された銀イオンの抗菌効果により、細菌(雑菌)の繁殖を抑制することができる。すなわち、エクステンションに抗菌性を持たせることができる。したがって、エクステンション100の場合、それを長時間まつげ50に付けていても、細菌の増殖による弊害を抑えることができる。
なお、銀イオンは、各種の細菌の細胞に強く吸着し、細菌の細胞酵素をブロッキングして死滅させることができる。したがって、銀イオンによって細菌の繁殖を制御することができる。また、銀イオンは、抗菌効果が比較的強い特徴を有するとともに、人体に対して極めて安全性が高いという特徴を有しており、したがって、エクステンション100が間違って人間の口に入ったとしても、銀イオンによる問題は実質的に生じない。
次に、図5(a)から(c)を参照しながら、本実施形態のエクステンション100をまつげ50に取り付ける方法を説明する。
まず、図5(a)に示すように、エクステンション100の一部をピンセット70で掴み、そして末端部15に接着剤20を塗布した状態で、エクステンション100をまつげ50の近くに持っていく。
次に、図5(b)に示すように、エクステンション100の接着剤20をまつげ50に付けて、エクステンション100をまつげ50に密着させる。そして、接着剤20が硬化して、エクステンション100がまつげ50に固定されたならば、図5(c)に示すように、ピンセット70を外して、エクステンション100の取り付けが完了する。この作業を各まつげ50について行う。
本実施形態のエクステンション100は抗菌性を有しているので、図5(a)から(c)のいずれの段階において、ピンセット70でなく、手の指でエクステンション100を触ったとしても、細菌の増殖を抑制することができる。加えて、エクステンション100をまつげ50に装着した後に、使用者(装着者)が指でエクステンション100を触ったとしても、細菌の増殖を抑制することが可能である。
図6は、上まつげ50のそれぞれにエクステンション100を取り付けた様子を示している。図6に示すように、数多くのエクステンション100が上まつげ50に取り付けられており、エクステンション100に指や皮膚が接触する機会も増える。しかし、本実施形態のエクステンション100は抗菌効果を有しているので、従来のエクステンションと比較して、細菌の増殖を抑制することが可能である。
なお、図3に示したエクステンション100では、断面が円形であるものを示したが、それに限らず、楕円形(または実質的に楕円形または長円形)のものであっても構わない。加えて、エクステンション100の断面を多面形(六角形、八角形など)にすることも可能であるし、断面を星形(六角形の星形、八角形の星形)にすることも可能である。
以上、本考案を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。図6に示した例では、上まつげ50にエクステンション100を装着したが、下まつげにエクステンション100を装着しても構わない。
本考案によれば、抗菌性を有するエクステンション用まつげ(エクステンション)を提供することができる。
10 本体部
11 先端部
12 樹脂
15 末端部
20 接着剤
30 銀イオン(Ag+)
55 使用者
70 ピンセット
100 エクステンション
11 先端部
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55 使用者
70 ピンセット
100 エクステンション
Claims (3)
- まつげの長さを延長するエクステンション用まつげであって、
先端部と末端部とを有する人工まつげ本体部と、
前記人工まつげ本体部に含有された銀イオンと
を備え、
前記人工まつげ本体部の末端部の径は、先端部の径よりも太いことを特徴とする、エクステンション用まつげ。 - 前記人工まつげ本体部は、樹脂から構成されており、
前記銀イオンは、前記樹脂に分散されている、請求項1に記載のエクステンション用まつげ。 - 前記樹脂は、ポリブチレンテレフタレートであり、
前記人工まつげ本体部の断面は円形形状を有している、請求項1または2に記載のエクステンション用まつげ。
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