ところで、上記特許文献1記載のキリタンポ製造装置では、キリタンポを成形機に製造するのに、ホッパー内に投入された米飯は成形ノズルから、前記成形ノズルの出口前方に上下動可能に設けられた成型上型および成型下型により成形されるのと、成型上型および成型下型を合わせた際に生ずる串通し穴内にプッシャ−から押出されるキリタンポ串を1本づつ挿入しなければならないので、成型上型および成形下型の製作精度が高くなることを必要とし、しかもキリタンポ串が挿着されたキリタンポを成形するためのに工程数が多くなり、製造には多くの時間および手間がかかり、生産効率が低いものであった。
また、キリタンポ串が挿着されたキリタンポを焼くための焼機構部は、成型機の後段に設けられた架台の上面のベース上に、セラミックヒータによる遠赤外線によりキリタンポの中心部まで熱を伝えるための電気炉と、キリタンポの外部全体の水分を飛ばし、表面に焼き目を付けるためのプロパンガスヒーターを有する燃焼部とに、駆動装置により、循環駆動され、しかも、キリタンポは、架台上に設けるベース上の開口に垂直に立設された円筒状のサヤ管内に装着されることによって焼かれるため、構造が複雑で、部品点数が多くなり、製作および組付が容易ではなく、製作コストが高いものであった。
ところで、きりたんぽは、冬期に暖を採るために食すのが、美味しく、成形後に焼き加工を施すことによって日持ちがするものになると言えども、長期間日持ちがする訳ではないので、自動製造機を用いて製造するのに、冬期に製造が集中するため、年中を通して冬期以外の他の季節においては製造が中止されるため、キリタンポの自動製造機の運転はされずに、放置されたままになり、不経済である。
そして、原料生地を串に捲き付けた状態で、練製品を焼き上げると言っても、米飯を蒸したものを原料生地とするきりたんぽとは異なり、小麦粉に水を加えて練り上げたグルテンを含むものを主原料とする車麩、また、魚肉のすり身を主原料として用いる竹輪は、原料生地の種類、および硬軟、乾湿、粘り、形状の形崩れがない保形性等の性状がきりたんぽとは異なる。そのため、練製品としてきりたんぽと、竹輪と、車麩とでは、成形方法が異なるとともに、焼処理も加熱温度、加熱時間等が、それぞれ異なるため、専用の自動製造機が必要とされ、きりたんぽ、車麩、竹輪の全てを製造するには、専用の自動製造機の全てを揃える必要があり、全ての専用の自動製造機を揃える場合を想定すると、機械の購入価格は高額になり、不経済であった。
すなわち、従来例えばきりたんぽ、車麩、竹輪のような練製品の全の原料生地を1台の機械によって自動的に串に捲き付けた状態で、焼き上げると言った練製品の汎用製造機はなかった。
ところで、車麩を自動的に製造するのに、小麦粉に水を加えて混練した原料生地を自動的に串に捲き付けようとすると、小麦粉にはグルテンを含むことにより蒸した米飯を原料生地に用いるキリタンポや魚のすり身を原料生地に用いる竹輪とは異なり、原料生地が高粘度を発揮するから、串自体に限らず、原料生地が接触されるあらゆる場所、あらゆる構成部材に対する付着性が増大するので、串に原料生地をうまく捲き付けることができないという事情があった。
しかも、前述のように原料生地が串に捲き付けられた後もグルテンを含むことにより形状が一定せずに変形し易く、保形性が悪いため、原料生地は自重により変形したり、折角、捲き付けた串から落下してしまう。従って、自動的に串に原料生地を捲き付け、焼機により焼き上げるのは、上記のような幾多の問題点を克服しなければならなかった。
本考案は上記従来の問題点を解決するとともに、例えばきりたんぽ、車麩、竹輪のような練製品を1台の機械により生産効率が良く行え、且つ時期、季節を問わず、年中の製造が行え、製造機自体の製造コストも安価であり、経済的に有利な練製品の汎用製造機を提供しようとするものである。
本考案は上記課題に鑑みてなされ請求項1に記載の考案は、
原料生地を串に捲き付けて焼き上げるきりたんぽ、車麩、竹輪よりなる練製品の汎用製造機であって、
外周に前記串が順次横架されて跨るとともに、該串との間の外周面に前記原料生地が一定量づつ供給される回転ドラムと、
側面視において前記回転ドラム周りに公転可能に設けられて、前記回転ドラムの両側に1対が設けられるとともに、前記串の両端を保持する保持凹部を各々に有する複数の串保持部材を連設した無端チェン機構部と、
前記保持凹部内に保持された前記串の両端部に押付けられて前記無端チェン機構部の一部に対向して設けられ、前記串を前記保持凹部内において自転させるベルトを有するベルト回転機構部と、を備え、
前記回転ドラムと、前記無端チェン機構部と、前記ベルト回転機構部とにより串に原料生地を捲き付ける捲き付け手段が構成され、
前記回転ドラムの回転方向の上流側に前記原料生地を一定量供給可能に前記練製品の前記原料の性状に対応する生地移送手段を配設した供給手段が設けられ、
前記回転ドラムの回転方向の前記原料生地の前記供給手段の上流側に空串を供給可能に空串供給手段が設けられ、
前記捲き付け手段の後段に前記串に捲き付けられた原料生地に対して加熱温度、および加熱時間が変更自在になる焼機構部が接続可能に設けられる
ことを特徴とする。
また、本考案の請求項2に記載された考案は、請求項1において、前記原料生地の供給手段が、原料が投入されるホッパと、前記ホッパ内に投入される前記原料生地を移送可能となす前記生地移送手段と、前記ホッパに対して下方部前方に設けられる供給口と、前記供給口の近傍に設けられ、原料生地が、一定量づつ切断される切断手段と、により構成されることを特徴とする。
また、本考案の請求項3に記載された考案は、請求項1または2において、立壁部を左右端に立設した前記回転ドラムの保持溝内に着脱可能に2つ割構造の中型部材が固定され、この中型部材の表面には半球状の穴が列設されるか、または、多数の突条部が周回りに設けられていることを特徴とする。
また、本考案の請求項4に記載された考案は、請求項1−3において、前記串保持部材が、1つのチェン・リンク単体で構成され、連設された串保持部材の1つ置きに連結されるチェン・リンク単体の外周に、1つ置きに前記串の端部が係合可能になる突子が設けられるとともに、前記突子が設けられた前記チェン・リンク単体間に配置されるチェン・リンク単体に対応する外周の空所を前記保持凹部として構成したことを特徴とする。
また、本考案の請求項5に記載された考案は、請求項1−4の何れかにおいて、前記空串供給手段が、空の串を整列化し、前方へ1本づつ案内移動させる案内通路部と、前記案内通路部の前端に空の前記串を送り込むように回転可能に設けられた外輪車と、前記外輪車に対して対向する方向に回転可能に設けられ外周には前記外輪車により移送される前記串を各々に収容する複数個の収容凹部が設けられるとともに、該串を前記無端チェン機構部の前記保持凹部内に受け渡し可能に設けられる串付け車と、により構成されていることを特徴とする。
また、本考案の請求項6に記載された考案は、請求項1−5の何れかにおいて、前記捲き付手段の後段に設置される前記焼機構部が、ケースに平行に内蔵されたローラを有する複数個のローラ受部材と、該ローラ受部材を介してフレームの長手方向に回転可能に設けられ、内部には螺旋空隙を有する1対の螺旋部材と、前記螺旋部材の前記螺旋空隙には前記原料生地が捲き付けられた前記串の両端が配挿されることにより、該串は自転されながら移送されることを特徴とする。
また、本考案の請求項7に記載された考案は、請求項1−6の何れかにおいて、前記焼機構部が、フレームの長手方向に設けられた前記原料生地の外表面を焼くための赤外線バーナまたはシーズヒータ、ガスバーナよりなる外部加熱手段と、前記串の両端下部に近接して前記フレームの長手方向上部に平行に設けられるか、またはフレームの片側に寄せてフレームの長手方向上部に前記原料生地の内部を焼くための遠赤外線バーナよりなる内部加熱手段と、を備えていることを特徴とする。
本考案の請求項1に記載の考案によれば、原料生地を串に捲き付けて焼き上げるきりたんぽ、車麩、竹輪よりなる練製品の汎用製造機であって、外周に前記串が順次横架されて跨るとともに、該串との間の外周面に前記原料生地が一定量づつ供給される回転ドラムと、側面視において前記回転ドラム周りに公転可能に設けられて、前記回転ドラムの両側に1対が設けられるとともに、前記串の両端を保持する保持凹部を各々に有する複数の串保持部材を連設した無端チェン機構部と、前記保持凹部内に保持された前記串の両端部に押付けられて前記無端チェン機構部の一部に対向して設けられ、前記串を前記保持凹部内において自転させるベルトを有するベルト回転機構部と、を備え、前記回転ドラムと、前記無端チェン機構部と、前記ベルト回転機構部とにより串に原料生地を捲き付ける捲き付け手段が構成され、前記回転ドラムの回転方向の上流側に前記原料生地を一定量供給可能に前記練製品の前記原料の性状に対応する生地移送手段を配設した供給手段が設けられ、前記回転ドラムの回転方向の前記原料生地の前記供給手段の上流側に空串を供給可能に空串供給手段が設けられ、前記捲き付け手段の後段に前記串に捲き付けられた原料生地に対して加熱温度、および加熱時間が変更自在になる焼機構部が接続可能に設けられるので、例えば、きりたんぽを製造させる場合には、蒸された米飯を、また、竹輪を製造する場合には、魚のすり身をホッパ内に投入すると、生地原料は、生地移送手段としてホッパの下部に設けるドラムフレーム内に回転可能に配置される複数個のローラにより所定の状態で練られ、略水平に配置された最下部ローラの終段のローラと、該ローラと対向する上方のローラとのうち、少なくとも何れか一方の周面に軸方向に設けられた歯状部により所定長さ切断され、前記最下部ローラの上方に位置する回動可能な調整弁との間に設けられたスリットにより供給口から原料生地が略一定の厚さでドラムフレームの下部前方に設けられた供給口から送り出される。
また、車麩を製造する場合には、小麦粉に水を加えて混練し、グルテンが含まれる状態でホッパ内に収容されている高粘度であり、付着性が高く、しかも、極めて軟らかく、一定の外形を維持しにくく、保形性が悪い原料生地は、前記ホッパ内に有する生地移送手段が駆動されることによりホッパの下部前方に設けられた供給口から絞り出され、カッタが降下されることによりフッ素樹脂ローラ上で一定量が切断される。
このようにして一定量に切断された原料生地が、回転ドラムの外周と串との間に送り込まれると、横架される金属製の串の両端は、回転ドラムの両側に設けられる1対の無端チェン機構部の保持凹部内に保持される。しかも、このように保持凹部内に保持されている串の両端は、無端チェン機構部とは相対移動されるベルト回転機構部のベルトにより上側から押さえ付けられているので、串は前記ベルトが接触されることによる摩擦、係合により前記保持凹部内に保持されている状態で自転されながら、前記無端チェン機構部により前記回転ドラム周りを回転(公転)して行く。従って、一定量の原料生地は、自転しながら回転される串に順に自動的に捲き付けられて行く。この際、前述のように串は両端が1対の無端チェン機構部の保持凹部内に保持され、しかも、このように保持凹部内に保持されている串の両端は無端チェン機構部とは相対移動されるベルト回転機構部のベルトにより上側から押さえ付けられているので、自転しながら回転ドラム周りを回転(公転)して行く串は、前後左右、上下のあらゆる方向への変位や変心がなく、そのうえ片持ち支持のように回転時において串の先端部の回転振れはなく、常時安定に自転しながら回転(公転)され、原料生地を円滑にかつ高精度に捲き付けることができる。この際、例えばきりたんぽを製造する場合には、蒸された米飯は、前述のように、自転しながら回転ドラム周りを回転(公転)して行く串の片側に寄せて捲付けられる。また、竹輪を製造する場合には、原料生地としてホッパに投入された魚のすり身が、また、車麩を製造する場合には、水が加えられることにより混練され、グルテンが含まれる状態の小麦粉の一定量が、自転しながら回転ドラム周りを回転(公転)して行く串の略中央または片側によせられて捲付けられる。そして、前記捲き付け手段により、前記串に捲き付けられた原料生地は、捲き付け手段の後段に設けられた焼機構部により、きりたんぽ、竹輪、車麩のように異なる練り製品の性状に合わせ、加熱温度を高低変更し、また加熱時間を長短変更することにより、焼き上げることができる。
また、回転ドラムの回転方向の原料生地の供給手段の上流側には、空串供給手段が設けられているので、原料生地が捲き付けられる空の串が前記無端チェン機構部の駆動により回転ドラム周りに自動的に回転され、前述のような原料生地の自動捲き付けに使用されるため、製品の生産効率は向上され、しかも製造機自体、コンパクトになる。
また、本考案の請求項2に記載の考案によれば、請求項1において、前記原料生地の供給手段が、原料が投入されるホッパと、前記ホッパ内に投入される前記原料生地を移送可能となす前記生地移送手段と、前記ホッパに対して下方部に設けられる供給口と、前記供給口の近傍に設けられ、原料生地が、一定量づつ切断される切断手段と、により構成されるので、ホッパ内に原料生地が投入されると、原料生地は、生地移送手段が駆動されることによりホッパに対して下方部前方に設けられた供給口から一定量が切断され、送り出され、串に捲き付けられる。
また、本考案の請求項3に記載の考案によれば、請求項1または2において、立壁部を左右端に立設した前記回転ドラムの保持溝内に着脱可能に2つ割構造の中型部材が固定され、この中型部材の表面には半球状の穴が列設されるか、または、多数の突条部が周回りに設けられているので、立壁部を左右端に立設した回転ドラムの保持溝内に着脱可能に2つ割構造の中型部材を皿ねじを用いて固定し、この中型部材の表面には、例えば半球状の穴を多数列設することにより、団子状のきりたんぽや竹輪を成形することができる。また、中型部材の表面に多数の突条部を周回りに形成することにより、短寸のミニ竹輪、きのこ状の竹輪を成形することができる。
また、本考案の請求項4に記載の考案によれば、請求項1−3の何れかにおいて、前記串保持部材が、1つのチェン・リンク単体で構成され、連設された串保持部材の1つ置きに連結されるチェン・リンク単体の外周に、1つ置きに前記串の端部が係合可能になる突子が設けられるとともに、前記突子が設けられた前記チェン・リンク単体間に配置されるチェン・リンク単体に対応する外周の空所を前記保持凹部として構成したので、ホッパ内に投入される原料生地が捲き付けられる金属製の串の両端は、回転ドラムの両側に設けられる1対の無端チェン機構部の連続的に連結される串保持部材のチェン・リンク単体の外周に、1つ置きに前記串の端部が係合可能になる突子が設けられるとともに、前記突子が設けられた前記チェン・リンク単体間に配置されるチェン・リンク単体に対応する外周の空所により形成される保持凹部内に保持される。しかも、このように保持凹部内に保持されている串の両端は無端チェン機構部とは相対移動されるベルト回転機構部のベルトにより上側から押さえ付けられることにより、串は前記ベルトが接触されることによる摩擦、係合により前記保持凹部内に保持されている状態で自転されながら、回転ドラムに対して同軸に設けられた前記無端チェン機構部により前記回転ドラム周りを回転(公転)して行く。
また、本考案の請求項5に記載の考案によれば、請求項1−4の何れかにおいて、前記空串供給手段が、空の串を整列化し、前方へ1本づつ案内移動させる案内通路部と、前記案内通路部の前端に空の前記串を送り込むように回転可能に設けられた外輪車と、前記外輪車に対して対向する方向に回転可能に設けられ外周には前記外輪車により移送される前記串を各々に収容する複数個の収容凹部が設けられるとともに、該串を前記無端チェン機構部の前記保持凹部内に受け渡し可能に設けられる串付け車と、により構成されているので、空の串は案内通路部により整列化され、前方へ1本づつ案内移動され、この案内通路部の前端に回転可能に設けられた外輪車により送り込まれ、その後、串は前記外輪車に対して対向する方向に回転可能に設けられた串付け車の外周に有する複数個の収容凹部内に順に収容され、無端チェン機構部の駆動により回転ドラム周りに自転されながら回転されて行くので、原料生地の自動捲き付けに使用される。
また、本考案の請求項6に記載の考案によれば、請求項1−5の何れかにおいて、前記捲き付手段の後段に設置される前記焼機構部が、ケースに平行に内蔵されたローラを有する複数個のローラ受部材と、該ローラ受部材を介してフレームの長手方向に回転可能に設けられ、内部には螺旋空隙を有する1対の螺旋部材と、前記螺旋部材の前記螺旋空隙には前記原料生地が捲き付けられた前記串の両端が配挿されることにより、該串は自転されながら移送されるので、原料生地が捲き付けられた串はフレームの長手方向に設けられた1対の螺旋部材が同期して同じ方向に回転されると、その両端が螺旋部材の螺旋空隙との摩擦係合により自転されながら螺旋部材の螺旋空隙内を1ピッチづつ螺進され、フレームの長手方向に搬送されるため、各々の串に捲き付けられた原料生地は、その外表面および内部が、加熱手段により一定時間をかけて平均して加熱される。従って、原料生地をあらゆる方向から、平均して焼きむらなく、焼き上げることができ、製品の信頼度は向上される。また、螺旋部材はローラ受部材を介して回転可能に設けられているので、摩擦抵抗が少なく、定位置にて円滑に回転されるため、串を円滑かつ確実に自転させながら、回転し、移送できる。
また、本考案の請求項7に記載の考案によれば、請求項1−6の何れかにおいて、前記焼機構部が、フレームの長手方向に設けられた前記原料生地の外表面を焼くための赤外線バーナまたはシーズヒータ、ガスバーナよりなる外部加熱手段と、前記串の両端下部に近接して前記フレームの長手方向上部に平行に設けられるか、またはフレームの片側に寄せてフレームの長手方向上部に前記原料生地の内部を焼くための遠赤外線バーナよりなる内部加熱手段と、を備えているので、原料生地の外表面は、フレームの長手方向の略中央下部に設けられた外部加熱手段により加熱されて焼かれる。また、原料生地の内部は串の両端下部に近接してフレームの長手方向上部に平行に設けられた内部加熱手段の熱が金属製の串に熱伝導され、原料生地の内部は焼かれる。このようにして、原料生地は、外部からは外部加熱手段により加熱され、内部は内部加熱手段により内外から全体的にかつ平均して焼き上げられる。
以下、図面に従って本考案を実施するための最良の形態ににつき、詳細に説明する。
本実施形態は、例えば図1、図5、図6、図7に示すように、原料生地Gを串1に捲き付けて焼き上げるきりたんぽ、車麩、竹輪よりなる練製品の汎用製造機であって、外周に前記串1が順次横架されて跨るとともに、該串1との間の外周面に前記原料生地Gが一定量づつ供給される回転ドラム7と、側面視において前記回転ドラム7の周りに公転可能に設けられて、前記回転ドラム7の両側に1対が設けられるとともに、前記串1の両端1a,1bを保持する保持凹部2を各々に有する複数の串保持部材3を連設した無端チェン機構部4と、前記保持凹部2内に保持された前記串1の両端部に押付けられて前記無端チェン機構部4の一部に対向して設けられ、前記串1を前記保持凹部2内において自転させるベルト5を有するベルト回転機構部6と、を備え、前記回転ドラム7と、前記無端チェン機構部4と、前記ベルト回転機構部6とにより串1に原料を捲き付ける捲き付け手段10が構成され、前記回転ドラム7の回転方向イの上流側に前記原料生地Gを一定量供給可能に前記練製品の前記原料の性状に対応する生地移送手段12を配設した供給手段Sが設けられ、前記回転ドラム7の回転方向イの前記原料生地Gの前記供給手段Sの上流側に空の串1を供給可能に空串供給手段11が設けられ、前記捲き付け手段10の後段に前記串1に捲き付けられた原料生地Gに対して加熱温度、および加熱時間が変更自在になる焼機構部22が接続可能に設けられることを特徴とする。
前記串1は金属、例えばステンレスにより形成され、防錆と熱伝導性に優れたものが使用される。この串1の長さおよび太さは、自由に設定される。また、前記捲き付け手段10の後段に接続可能に設けられる焼機構部22は、図示されてはないが、キャスターを下面に設ける等して前記捲き付け手段10の移動と接続を容易に行わせるようにしてもよい。
図5または図6において、Hは練り製品として、前記原料を投入するためのホッパであり、このホッパHには原料生地Gとして、図5に示すように例えばきりたんぽを製造する場合には、蒸した米飯が用いられ、また、竹輪を製造する場合には魚のすり身を主原料としたものが投入され、しかも図6に示すように車麩を製造する場合には、小麦粉に水を加え、混練することによりグルテンが含まれたものが主原料として投入される。
前記生地移送手段12としては、図5に示されるように、きりたんぽまたは竹輪を製造する場合に、原料がホッパH内に投入されると、原料生地Gは、生地移送手段12としてホッパHの下部に設けるドラムフレーム12A内に回転可能に配置される複数個のローラR1,R2,R3,R4,R5,R6・・・により所定の状態で練られ、図5において略水平に配置された最下部のローラR5,R6のうち終段のローラR6と、該ローラR6と対向する上方のローラR4とのうち、少なくとも何れか一方の周面に軸方向に設けられた複数個の歯状部Nにより所定長さ切断され、前記最下部のローラR6の上方に位置する回動可能な調整弁Vとの間に設けられたスリットSLにより米飯が略一定の厚さでドラムフレーム12Aの下部前方に設けられた供給口13から送り出される。なお、ローラの設置個数は、図示するものに限らず、その増減変更は自由に設定される。
なお、きりたんぽや竹輪を製造する場合には、図5では、原料生地Gが最下部の終段のローラR6と、該ローラR6と対向する上方のローラR4とのうち、少なくとも何れか一方の周面に軸方向に設けられた歯状部Nにより所定長さに切断される。また、図には示さないが、最下部の終段のローラR6にピアノ線が押付けられることにより、原料生地Gを所定の長さに切断するようにするものを用いてもよい。また、車麩を製造する場合には、図6に示すように、原料Gとして小麦粉に水を加えて混練され、グルテンを生じたものがホッパH内に投入されることにより、高粘度であり、付着性が高く、しかも、極めて軟らかく、一定の外形を維持しにくく、保形性が悪い原料生地Gは、前記ホッパHに連設される生地移送手段12としての2本のスクリュウコンベアが対向する方向に回転駆動されることによりホッパHの下部前方に設けられた供給口13,13から原料生地Gは絞り出され、カッタ14が降下されることによりフッ素樹脂ローラ16上で一定量が切断される。図6において、15は前記カッタ14の刃先を洗浄するために、図には示さない貯水タンクに接続された注水手段であり、この注水手段15は例えばノズルが使用される。前記フッ素樹脂ローラ16は、原料生地Gの切断時にカッタ14と協働して原料生地Gが付着することなく、切断するためのものである。なお、上述のように、小麦粉に水を加えて練ることによりグルテンを生じて粘性が高くなった原料を用いて車麩を製造する場合には、前記ホッパHに連設される生地移送手段12として2本のスクリュウコンベアが対向する方向に回転駆動される構成によりホッパHの下部前方に設けられた供給口13,13から原料生地Gを絞り出し、カッタ14を降下させることによりフッ素樹脂ローラ16上で原料生地Gを一定量が切断するようにしているけれども、この移送手段12は、きりたんぽ、竹輪の原料を成形する場合に使用することもできる。
また、8Aは前記回転ドラム7の外周に設けられた前記保形溝8の立壁部であり、この立壁部8A,8Aは、少なくとも回転ドラム7の左右端に設けられることにより、串1に捲き付けられる原料生地Gは、その左右端が規制されて保形性を発揮するようになっている。そして、この立壁部8Aの回転ドラム7の幅方向に対する設置個数を増加させることにより、例えばきりたんぽの切断品、短寸のミニ竹輪、車麩の切断品を製造することができる。
図12に示すものは回転ドラム7の第1変形例であり、また、図13に示すものは回転ドラム7の第2変形例である。このうち、図12に示す第1変形例では、立壁部8A,8Aを左右端に立設した回転ドラム7の保持溝8内に着脱可能に2つ割構造の中型部材8′を皿ねじを用いて固定し、この中型部材8′の表面には、例えば半球状の穴8′aを多数列設することにより、団子状のきりたんぽや竹輪を成形することができる。また、図13に示すように、中型部材8′の表面に多数の突条部8′bを周回りに形成することにより、短寸のミニ竹輪、きのこ状の竹輪を成形することができる。
図1に示すように、前記串保持部材3が、1つのチェン・リンク単体17で構成され、連設された串保持部材3,3・・・の1つ置きに連結されるチェン・リンク単体17,17・・・の外周に、前記串1の両端1a,1bが係合可能になる突子18が設けられるとともに、前記突子18が設けられた前記チェン・リンク単体17,17間に配置されるチェン・リンク単体17に対応する外周の空所を前記保持凹部2として構成している。
前記空串供給手段11が、空の串1を整列化し、前方へ1本づつ案内移動させる案内通路部19と、前記案内通路部19の前端に空の前記串1を送り込むように回転可能に設けられた外輪車20と、前記外輪車20に対して対向する方向に回転可能に設けられ外周には前記外輪車20により移送される前記串1,1・・・を各々収容する複数個の収容凹部21a,21a・・・が設けられるとともに、該串1,1・・・を前記無端チェン機構部4,4の前記保持凹部2,2・・・;2,2・・・内に受け渡し可能に設けられる串付け車21と、により構成されている。
図2乃至図4、および図15乃至図19において22は前記捲き付手段10の後段に設置される前記焼機構部であり、この焼機構部22はその周面27aを回転可能に支承する
、図21および図22に示すようなケース23に平行に内蔵されたローラ24,24を有する複数個のローラ受部材25,25・・・を介してフレーム26の長手方向Iに回転可能に設けられ、内部には螺旋空隙27bを有する1対の螺旋部材27と、前記螺旋部材27の前記螺旋空隙27bには前記原料生地Gが捲き付けられた前記串1の両端1a,1bが配挿されることにより、該串1,1・・・は自転されながら移送されるようになっている。
図18において28はフレーム26の長手方向Iの略中央下部に設けられた前記原料生地Gの外表面を焼くための外部加熱手段である。また、29はフレーム26の少なくとも片側に寄せて、すなわち前記串1の少なくとも一端1aまたは他端1bの下部に寄せるか、または図18では両端1a,1bに前記フレーム26の長手方向Iの上部に平行に設けられた前記原料生地Gの内部を焼くための内部加熱手段である。前記外部加熱手段28としては、例えば、赤外線バーナまたはシーズヒータ、ガスバーナが使用され、また前記内部加熱手段29としては、例えば遠赤外線バーナが使用される。
そして、これらの外部加熱手段28と、内部加熱手段29とは、練製品の原料生地Gとして、例えばきりたんぽを製造させる場合には、蒸された米飯を、また、竹輪を製造する場合には、魚のすり身を、そして車麩を製造する場合には、水を加えて練ることによりグルテンを生じた保形性が悪い小麦粉を加熱温度、および加熱時間が変更自在に焼くようになっている。
また、加熱温度を変更自在とするのには、例えば外部加熱手段28としての赤外線バーナ、シーズヒータの通電量を抵抗により加減するか、しかも、外部加熱手段28がガスバーナである場合には、ガスの供給量を加減することにより加熱温度を容易に変更し、調整することができる。また、外部加熱手段28および内部加熱手段29の加熱時間を変更するのには、例えば原料生地Gを捲き付けた串1を焼機構部22において移送するための螺旋部材27による搬送スピードを加減するか、または図には示さないタイマーにより外部加熱手段28および内部加熱手段29の加熱時間を長短調整することにより変更する。
次に本実施形態の練製品の汎用製造機の駆動系の一例につき図5乃至図19を参照して説明する。
先ず、モータMからの回転駆動力は、スプロケットS1,S2、およびこのスプロケットS1,S2間に架設されているチェンC1、スプロケットS3,S4、およびこのスプロケットS3,S4間に架設されているチェンC2、スプロケットS5,S6、およびこのスプロケットS5,S6間に架設されているチェンC3を介して伝達され、軸J1が回転される。
また、モータMからの回転力は前記軸J1に装設されたスプロケットS7と、軸J2に装設されたスプロケットS8、およびこのスプロケットS7,S8間に架設されているチェンC4を介して軸J1からの回転が軸J2に伝達され、そして、軸J2に設けたスプロケットS9と、回転ドラム7が取付けられた軸J3に装着したスプロケットS10と、およびこのスプロケットS9と、スプロケットS10間に架設されているチェンC5とを介して前記回転ドラム7は回転されるようになっている。一方、前記軸J3に前記回転ドラム7とは同軸に設けられた大径スプロケットS11と、軸J4に装設されたスプロケットS12と、およびこの大径スプロケットS11とスプロケットS12間に前記無端チェン機構部4の連続して連結されているチェン・リンク単体17,17が捲回されることにより、前記無端チェン機構部4,4は回転されるようになっている。
また、前記ベルト回転駆動機構部6は、前記軸J2に装設されたプーリP1と、軸J3,J6に設けられたプーリP2、プーリP3と、これらのプーリP1、P2、P3にベルト5が捲回わされることによりベルト5が回転され、串1に押付け可能になっている。また、前記モータMの駆動力は、スプロケットS1,S2、およびこのスプロケットS1,S2間に架設されているチェンC1、スプロケットS′3,S′4、およびこのスプロケットS′3,S′4間に架設されているチェンC′2、スプロケットS′5,S′6、およびこのスプロケットS′5,S′6間に架設されているチェンC′3、スプロケットS′6,S′8、およびこのスプロケットS′6,S′8間に架設されているチェンC′4を介して軸J10が回転され、この軸J10に装設された傘歯車50と、軸J11に装設された傘歯車51を介してその一端が軸J11に固定されている前記螺旋部材27,27は回転されるようになっている。
しかも、前記空串供給手段11は、その串付け車21が、前記プーリP2と同軸に設けられたスプロケットS10と、軸J30に設けられたスプロケットS13と、このスプロケットS10,S13間に捲き回されたチェンC10とによりモータMの駆動力が伝達されるようになっている。
このようにして、本実施形態の練製品の汎用製造機では、1つのモータMの駆動力を利用することにより、主要構成部材、例えば捲き付け手段10の回転ドラム7と、1対の無端チェン機構部4,4のチェンと、ベルト回転機構部6の1対のベルト5,5と、空串供給手段11の串付け車21と、また焼機構部22の1対の螺旋部材27,27とを回転駆動することができ、部品点数は省略化され、構造の簡素化がはかれ、製作および組付けが容易になり、製作費および設備費が安価になるとともに、インバータ機能を発揮させて消費電力の省電力化がはかれ、効率的な運転が可能になり、便利である。
本考案の練製品の汎用製造機の実施形態1は以上の構成からなり、練製品として例えばきりたんぽを製造するのには、蒸された米飯を、また、竹輪を製造する場合には、魚のすり身を図5に示すようにホッパH内に投入すると、原料生地Gは、生地移送手段12としてホッパHの下部に設けるドラムフレーム12A内に回転可能に配置される複数個のローラR1,R2,R3,R4,R5,R6・・・により所定の状態に練られる。そして、図5において略水平に配置された最下部のローラR5,R6のうち終段のローラR6と、該ローラR6と対向する上方のローラR4とのうち、少なくとも何れか一方の周面に軸方向に設けられた複数個の歯状部Nにより練られた原料生地Gは所定長さ切断され、前記最下部のローラR6の上方に位置する回動可能な調整弁Vとの間に設けられたスリットSLにより原料生地Gが略一定の厚さでドラムフレーム12Aの下部前方に設けられた供給口13から送り出される。
また、練製品として車麩を製造する場合には、図6に示すように、原料として小麦粉に水を加えて混練し、グルテンを生じたものをホッパHに投入されることにより、高粘度であり、付着性が高く、しかも極めて軟らかく、一定の外形を維持しにくく、保形性が悪い原料生地Gは、生地移送手段12として2本のスクリュウコンベアが対向する方向に回動されることにより、ホッパHの下部前方に設けた2個の正面視矩形の供給口13,13から絞り出される。そして、カッタ14が降下されることによりフッ素樹脂ローラ16上で原料生地Gの一定量が切断される。このように、グルテンが含まれた高粘度であり、保形性が悪い原料生地Gは、上方からはカッタ14に注水手段15から注水が行われてカッタ14の刃先に原料生地Gが付着するのが防止されるのと、下方からは原料生地Gがフッ素樹脂ローラ16に支持されることから、カッタ14に原料生地Gが付着されることなく、綺麗にかつ正確に一定量が切断される。
その後、きりたんぽを製造する場合には、蒸された米飯を、また、竹輪を製造する場合には、魚のすり身が、さらには、車麩を製造する場合には水を加えることにより混練され、グルテンを生ずることにより、高粘度であり、付着性が高く、しかも極めて軟らかく、一定の外形を維持しにくく、保形性が悪い小麦粉よりなる一定量の原料生地Gは、捲き付け手段10として回転ドラム7の外周に順次横架されて跨る金属製の串1,1・・・との間に送り込まれると、串1,1・・・の両端1a,1bは回転ドラム7の両側に設けられた1対の無端チェン機構部4,4の保持凹部2,2内に保持され、しかも、このように保持凹部2,2内に保持されている串1,1・・・の両端1a,1bは無端チェン機構部4,4とは相対移動されるベルト回転機構部6,6のベルト5,5により上側から押さえ付けられるので、串1,1・・・は前記ベルト5,5が圧接されることによる摩擦、係合により前記保持凹部2,2内に保持されている状態で自転されながら、回転ドラム7の周りを回転(公転)して行く。従って、グルテンを含んだ高粘度で付着性が高く、また、保形性が悪く、形崩れし易い一定量の原料生地Gは、自転しながら回転される1本の串1に順に自動的に捲き付けられて行く。
この際、前述のように串1,1・・・は両端1a,1bが2個1対の無端チェン機構部4,4の保持凹部2,2内に保持され、しかも、このように保持凹部2,2内に保持されている串1,1・・・の両端1a,1bは無端チェン機構部4,4とは相対移動されるベルト回転機構部6,6のベルト5,5により上側から押さえ付けられているので、自転しながら回転ドラム7の周りを回転(公転)して行く串1,1・・・は、前後左右、上下のあらゆる方向への変位や変心がなく、そのうえ片持ち支持のように回転時において串1,1・・・の先端部の回転振れはなく、常時安定に自転しながら回転(公転)され、原料生地Gを円滑にかつ高精度に捲き付けることができる。しかも、回転ドラム7には所望深さの環状の保形溝8,が設けられているので、例えば車麩を製造する場合のように、小麦粉に水を加えて混練することにより高粘度であり、付着性が高く、しかも、極めて軟らかく、一定の外形を維持しにくく、保形性が悪いグルテンを含んだ原料生地Gは、回転ドラム7の外周に設けられた保形溝8により不用意に幅方向に蛇行したり、捻れたり、広がるのが規制されて保形が行われる。
この際、回転ドラム7の前記保形溝8の底部には、含水布帛部材9が設けられているので、例えば車麩を製造する時のグルテンを含む小麦粉のような原料生地Gは、前記含水布帛部材9に含まれている水分により、グルテンが含まれた高粘度であり、付着性が高く、しかも、極めて軟らかく、一定の外形を維持しにくく、保形性が悪い原料生地Gが回転ドラム7に付着されるのが防止されて円滑に串に捲き付けられて行く。
こうして、原料生地Gを自動的に1本の串1毎に捲き付けることができ、生産効率を高めることができる。また、出来上がり製品Kの寸法、形状が一定化し、製品の信頼度を保証できる。
また、図1に示すように、回転ドラム7には、その回転方向イに対して、原料生地Gの供給手段Sの上流側に空串供給手段11が設けられているので、原料生地Gが捲き付けられる空の串1,1・・・は案内通路部19により整列化され、前方へ1本づつ案内移動され、この案内通路部19の前端に回転可能に設けられた外輪車20により前方へ送り込まれ、その後、串1,1・・・は前記外輪車20に対して対向する方向に回転可能に設けられた串付け車21の外周に有する複数個の収容凹部21a,21a・・・内に順に収容される。それから、この串付け車21により無端チェン機構部4,4の保持凹部2,2内に保持され、無端チェン機構部4,4が駆動により串1,1・・・は回転ドラム7周りに回転され、原料生地Gの自動捲き付けに使用される。
このようにして、捲き付手段10により串1,1・・・に原料生地Gが捲き付けられるが、この捲き付手段10の後段には焼機構部22が設けられ、この焼機構部22には1対の螺旋部材27,27が複数個のローラ受部材25,25・・・を介してフレーム26の長手方向Iに回転可能に設けられているので、原料生地Gが捲き付けられた串1,1・・・は、フレーム26の長手方向Iに設けられた1対の螺旋部材27,27が同期して同じ方向に回転されると、その両端1a,1bが螺旋部材27,27の螺旋空隙27bと摩擦係合することにより自転されながら螺旋空隙27b内を1ピッチづつ螺進され、フレーム26の長手方向Iに自転されながら搬送される。
この際、螺旋部材27,27は、図15、図16、図21、図22に示すように、ローラ受部材25,25・・・を介して回転可能に設けられているので、摩擦抵抗が少なく、定位置にて円滑に回転されるため、串1,1・・・を円滑かつ確実に自転させながら、回転し、移送できる。
そして、原料生地Gはフレーム26の長手方向Iの略中央下部に設けられた例えば、赤外線バーナまたはシーズヒータ、ガスバーナのような外部加熱手段28により焼目を付けて焼かれ、しかもフレーム26の少なくとも片側に寄せて、すなわち前記串1の少なくとも一端1aまたは他端1bの下部に寄せるか、または図18では両端1a,1bに前記フレーム26の長手方向Iの上部に平行に設けられた例えば遠赤外線バーナのような内部加熱手段29により串1,1・・・に捲き付けられた前記原料生地Gの内部が焼かれる。
しかも、例えば遠赤外線バーナのような内部加熱手段29の熱が金属製の串1,1・・・に熱伝導されて串1,1・・・に捲き付けられた原料生地Gの内部が焼かれるため、各々の串1,1・・・毎に捲き付けられた原料生地Gは、その外表面および内部に加熱手段により一定時間をかけて内外を全体的にかつ平均して加熱される。このようにして、原料生地Gは、外部からは外部加熱手段28により加熱され、内部は内部加熱手段29により内外から全体的にかつ平均して焼き上げられる。
この際、本実施形態1の焼き機構部22は、例えば外部加熱手段28としての赤外線バーナ、シーズヒータの通電量を抵抗により加減したり、または外部加熱手段28および内部加熱手段29の原料生地Gに対する設置距離を図には示さないが例えば多節リンク部材を伸縮させることにより変化させることにより、加熱温度を変更自在にでき、また、外部加熱手段28がガスバーナである場合には、ガスの供給量を加減することにより加熱温度を容易に変更し、調整することができる。そして、練製品としての原料生地Gが、きりたんぽである場合、また、竹輪である場合、車麩である場合に、それぞれ生地原料Gの種類、および硬軟、乾湿、添加物の配合割合、粘り、形状の形崩れがない保形性等の性状や室内温度に合わせて加熱温度を調整することができる。
また、例えば原料生地Gを捲き付けた串1を焼機構部22において移送するための螺旋部材27による搬送スピードを加減するか、または図には示さないタイマーにより外部加熱手段28および内部加熱手段29の加熱時間を練製品としての原料生地Gが、きりたんぽである場合、また、竹輪である場合、車麩である場合に、それぞれ生地原料Gの原料生地の種類、および硬軟、乾湿、添加物の配合割合、粘り、形状の形崩れがない保形性等の性状や室内温度に合わせて調整し、変更する。
従って、車麩を製造する場合のように、原料生地Gが、水を加えて混練することによりグルテンを生じ、高粘度であり、付着性が高く、しかも、極めて軟らかく、一定の外形を維持しにくく、保形性が悪い小麦粉では、原料生地Gの内部に炭酸ガスによる多数の小気泡を発生し、内部組織が多孔質になるとともに、外容積が膨張し、表面も香ばしさが発揮され、風味と触感を良好に焼き上げることができる。
このようにして、焼機構部22により原料生地Gは焼き上げられるが、図には示さない串抜き機構部により焼き上がった原料生地Gから串1,1・・・が引き抜かれることにより、原料生地Gは出来上がり製品になり、引き抜かれた串1,1・・・は綺麗に洗浄された後に、再び前記空串供給手段11に回送され、再使用に供される。