JP3167653U - 食用油用噴射器 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘度が高い食用油の散布を可能にするトリガースプレータイプの噴射器を提供する。【解決手段】トリガーの揺動運動をピストンの往復動に変換して、ポンプ作用により食用油を容器内より吸い込むと共に加圧して噴射筒先端のスピンナー10に送り出し、スピンナーにより食用油を渦流化してノズルチップ20から散布させる食用油用噴射器において、表面に回転の手がかりとなる摘み片23を突設させたノズルチップをオリフィス24を中心として噴射筒に対して回転自在に設けると共に、底部に向かうに従い狭まる断面形状とした直線状の規制溝25をその中央部にオリフィスの開口端が連通するようにオリフィスと直交してノズルチップの表面に設ける。【選択図】図1

Description

この考案は、食用油を散布するためのトリガースプレータイプの噴射器に関する。
トリガーの揺動運動をピストンの往復動に変換して、ポンプ作用により液体を容器内より吸い込むと共に加圧して霧状に噴出させる液体噴霧器が広く使用されている(例えば特許文献1)。この種の噴霧器においては、ピストンが噴射筒内に進入することによりその内圧を高めて液体を噴出し、噴射筒内より退出することによりその内圧を低めて負圧により容器内の液体を吸い込む作用を果たす。そして、この場合、ピストンは指先により連結されたトリガーを手前に引くことにより噴射筒内に進入し、指先の力を弱めることにより予め設けられた圧縮コイルバネの附勢力により噴射筒内より退出していた。そして、噴射筒から圧送される液体は噴射筒先端のスピンナーに送り出され、スピンナーにより渦流化されてノズルチップから霧状に噴射される。
ところで噴射される液体は多様化しており、食用油もその一つである。食用油は拡散して調理器具や食品に散布されることによりこれらに均一に付着するので、直接垂らす場合に比べてむらがなく、また、使用量も軽減でき経済的であり、迅速な調理にも寄与する。そのための噴射器としてはガス圧により食用油を散布するエアゾールタイプのものが使用されていたが、噴射圧力が高いので散布される油が細かい霧状になり過ぎ、引火しやすい危険があった。また、ガスを供給するためのボンベの大きさには限界があるので持続時間に難があり、さらにガスが環境に与える現代的な問題も考慮しなければならなかった。
これに対し、トリガースプレータイプの噴射器は前記の問題がない。しかしながら、この種の噴射器は本来粘性の低い液体を対象として開発されたものであり、それを例えばサラダオイルや液状マーガリンなどの食用油に使用した場合、粘度が低い液体を想定したオリフィスでは径が小さすぎ内部抵抗が大きくなり、目詰まりを起こす現象を生じた。一方、オリフィスの径を大きくすると噴射される食用油がうまく拡散されず、一本の棒状にしか噴射されない現象を生じた。
以上の問題を解消するための一助として、底部に向かうに従い狭まる断面形状とした直線状の規制溝をその中央部にオリフィスの開口端が連通するようにオリフィスと直交してノズル表面に設ける発明が提案されている(特許文献2)。
特公昭61−920号公報 特表2001−518000号公報
前記特許文献2に記載の発明によれば、オリフィスの開口端から噴射される食用油は規制溝の内壁に当たった開口に向かって広がるように散布される。その結果、食用油は通常の噴射器のように逆円錐状に拡散して散布されるのではなく、幅狭の扇状に散布されることとなる。
しかしながら、前記の成果は単に前記のような規制溝を設ければ得られるというものではなく、その前提として散布される食用油を充分な噴射量をもって圧送すると共に、充分に渦流化しないと、うまく拡散されず、一本の棒状にしか噴射されない結果に終わってしまうおそれがあった。
そして、そのためにはオリフィスの径やスピンナーの形状、スピンナーとノズルチップとの間に形成されるスピンナー室の大きさの設定に関し綿密な配慮を要した。
ところで、従来技術においては噴射筒の先端に螺着により外装されるノズルキャップを先端が閉塞した有底筒状とし、そこにオリフィスの開口端を設けることによりノズルチップとノズルキャップを一体化していた(特許文献1)。この場合、液体が逆円錐状に拡散して噴射される従来技術の液体用噴射器のよう噴射範囲に方向性がない場合は何ら問題はないが、食用油を対象とした場合のように幅狭の扇状に散布される場合は散布範囲に方向性を有することになり、散布対象によっては噴射器自体を回転して散布しなければならなかった。
しかしながら、噴射器自体を回転する作業は煩わしく、また、回転角度によっては食用油の吸引作用に支障をきたすおそれもあった。そこで、使用者において噴射器に対しノズルキャップを回転して散布範囲を変えることがあったが、この場合は螺動により綿密に設定したスピンナーとノズルチップ(ノズルキャップ)との間の距離が変化してしまい、食用油の散布作用に悪影響を及ぼすこととなった。
この考案は以上の問題点を解消した食用油用噴射器を提供することを目的として創作されたものであり、トリガーの揺動運動をピストンの往復動に変換して、ポンプ作用により食用油を容器内より吸い込むと共に加圧して噴射筒先端のスピンナーに送り出し、スピンナーにより食用油を渦流化してノズルチップから散布させる食用油用噴射器において、表面に回転の手がかりとなる摘み片を突設させたノズルチップをオリフィスを中心として噴射筒に対して回転自在に設けると共に、底部に向かうに従い狭まる断面形状とした直線状の規制溝をその中央部にオリフィスの開口端が連通するようにオリフィスと直交してノズルチップの表面に設けたことを特徴とする。
以上の構成よりなるこの考案の食用油用噴射器によれば、ノズルチップを噴射筒に対して回転自在とすると共に、表面に回転の手がかりとなる摘み片を突設しているので散布範囲を変えたい場合に、噴射器はそのままで指先でノズルチップの回転角度を変更することができる効果を奏する。また、この場合、ノズルチップとスピンナーとの距離は変化しないので食用油の散布作用に悪影響を及ぼすこともない。
この考案の食用油用噴射器の要部の分解斜視図。 同上、断面図。 この考案の食用油用噴射器の要部の一部切り欠き側面図。 この考案の食用油用噴射器の要部の一部切り欠き側面図。 この考案の食用油用噴射器の要部の側面図。 この考案の食用油用噴射器の要部の斜視図。 この考案の食用油用噴射器の側面図。
以下、この考案の具体的実施例を添付図面に基づいて説明する。図7はこの考案の食用油用噴射器の全体を示す側面図である。この噴射器の本体Pは、トリガーの揺動運動をピストンの往復動に変換して、ポンプ作用により液体を容器内より吸い込むと共に加圧して送出する例えば特許文献1に示すような従来公知のトリガースプレータイプの噴射器の構造を備えたものである。すなわち、この噴射器の本体Pはピストンが噴射筒1内に進入することによりその内圧を高めて液体を噴出し、噴射筒内より退出することによりその内圧を低めて負圧により吸入チューブ2を介して容器内の液体を吸い込む作用を果たす。そして、この場合、ピストンは指先により連結されたトリガーTを手前に引くことにより噴射筒内1に進入し、指先の力を弱めることにより予め設けられた圧縮コイルバネの附勢力により噴射筒内より退出する。そして、噴射筒から圧送される液体は噴射筒先端のスピンナーに送り出され、スピンナーにより渦流化されてノズルチップから霧状に噴射される。
この考案の特徴部分は前記の噴射器のスピンナーとノズルチップの構造にある。以下、図1〜図5にこの考案の要部を示す。図中符号1の噴射筒の外周には雄螺子1Aが刻設されており、その先端には内周に雌螺子20Aが刻設されているノズルキャップ30が螺合により外装される。上記ノズルキャップ30は有底筒状に構成されるが、底部分となる先端箇所には円形の窓部31が開口する。
噴射筒1の先端にはスピンナー10の後方部12が嵌入により固着される。このスピンナー10は先端にスピンナー部11が膨出し、このスピンナー部11の外周壁はノズルキャップ30の内周壁に密接される。スピンナー部11の表面には円形の凹所11Cが凹設され、この凹所の接線方向には互いに平行な一対の流路11B、11Bが凹所11Cと連通して凹設され、これらの流路の先端は噴射筒1の内部に連通する孔11A、11Aに連通する。
前記のスピンナー10のスピンナー部11表面とノズルキャップ30の先端裏面との間にはノズルチップ20が回転自在に摺嵌され、スピンナー部表面とノズルチップ裏面とに間に渦流室Rが形成される。上記ノズルチップ20の外側には外周壁がノズルキャップ30の内周壁に摺接する円形の回転子部分21が膨出され、この回転子部分をもってノズルチップがスピンナー部11表面とノズルキャップ30の先端裏面との間に回転自在に挟持される。
前記のノズルチップ20の表面の中心にはノズルチップの裏面に連通するオリフィス24の開口端が位置し、底部に向かうに従い狭まる断面形状とした直線状の規制溝25がその中央部にオリフィスの開口端が連通するようにオリフィスと直交して凹設される。この実施例では規制溝25の断面形状をV字状としている。
さらに、ノズルチップ20の表面にはノズルキャップの窓部31内に遊嵌される環状の突起22が突設されると共に、この突起22の先端対向位置には一対の摘み片23、23が突設される。なお、上記摘み片はノズルキャップの窓部より突出することによりノズルチップを指先で回動させるときの手がかりとなるものであればよく、その形状、個数は図示のものに限定されないことは勿論である。
以上の構成からなる食用油用噴射器においては、ポンプ作用により噴射器の本体Pから圧送された食用油は噴射筒1の先端からスピンナー10の孔11A、11Aに流入し、スピンナー部11表面において連通する一対の流路11B、11Bから凹所11Cに圧送される過程で渦流を形成する。渦流を形成した食用油は渦流室Rからオリフィス24を経てノズルチップ20の表面の開口端から噴射され、そこにおいて規制溝25の内壁に当たった開口に向かって広がるように扇状に噴射される。
前記の場合において、使用者においてノズルキャップの窓部より突出したノズルチップ20の摘み片23を摘んでノズルチップを回動することにより扇状に噴射される食用油の噴射方向を変化させることができる(図3、4参照)。
1 噴射筒
10 スピンナー
20 ノズルチップ
24 オリフィス
23 摘み片
25 規制溝
30 ノズルキャップ
31 窓

Claims (3)

  1. トリガーの揺動運動をピストンの往復動に変換して、ポンプ作用により食用油を容器内より吸い込むと共に加圧して噴射筒先端のスピンナーに送り出し、スピンナーにより食用油を渦流化してノズルチップから散布させる食用油用噴射器において、表面に回転の手がかりとなる摘み片を突設させたノズルチップをオリフィスを中心として噴射筒に対して回転自在に設けると共に、底部に向かうに従い狭まる断面形状とした直線状の規制溝をその中央部にオリフィスの開口端が連通するようにオリフィスと直交してノズルチップの表面に設けたことを特徴とする食用油用噴射器。
  2. 噴射筒の先端に螺着により外装されるノズルキャップと、ノズルキャップ内にして噴射筒の先端に固着されるスピンナーと、スピンナー表面とノズルキャップの先端裏面との間に回転自在に摺嵌されるノズルチップを有し、ノズルキャップの先端に開口した窓部よりノズルチップ表面のオリフィスの開口端および規制溝が露出すると共に、ノズルチップ表面に立設した摘み片が突出する請求項1記載の食用油用噴射器。
  3. 規制溝の断面形状はV字状である請求項1または2記載の食用油用噴射器。
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WO2016140142A3 (ja) * 2015-03-02 2016-10-27 株式会社三谷バルブ 内容物放出構造ならびにこの内容物放出構造を備えたエアゾール式製品およびポンプ式製品
JP2019177902A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 株式会社吉野工業所 吐出器

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