JP3166307B2 - 反射型高圧放電灯 - Google Patents

反射型高圧放電灯

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JP3166307B2
JP3166307B2 JP15749692A JP15749692A JP3166307B2 JP 3166307 B2 JP3166307 B2 JP 3166307B2 JP 15749692 A JP15749692 A JP 15749692A JP 15749692 A JP15749692 A JP 15749692A JP 3166307 B2 JP3166307 B2 JP 3166307B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は反射型高圧放電灯、特に
外球に取り付けられる口金の構造の改良に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電灯の外球部分の製造方法としては、空
気を送り込みながらガラスを成形する吹きガラス方式
や、型にガラスを流し込んで成形する型ガラス方式など
が知られている。吹きガラスは、精度の点で型ガラスに
は劣るが、精密な製造機械などを必要としないので、少
量生産の外球の製造には適している。一方、型ガラス
は、高精度の外球を形成することが可能であるが、製造
機械の精密性を要求されるので、少量生産においては設
備償却のコストがかかり最終製品がコスト高になるとい
う問題がある。従って、比較的量産される白熱ランプな
どでは型ガラスが広く用いられ、一方、比較的少量産性
の高圧放電ランプにおいては吹きガラスが用いられてい
る。
【0003】しかしながら、ランプの高品質を図る上で
は、型ガラスの使用が好適であり、量産された白熱ラン
プ用の外球をそのまま高圧放電ランプの外球として用い
ることができれば最も好適である。図4は一般的な白熱
ランプの外観を示す概略斜視図である。図において、型
ガラスにて形成された外球10には、口金12が取り付
けられている。口金12はスカート部14、ねじ部16
及びねじ部16とアイレット20を絶縁する絶縁部18
から形成されている。そして、ねじ部16にはスカート
部14内から引き出された導線22が半田あるいは溶接
にて接続されている。すなわち、ねじ部16をソケット
に差し込むことによりアイレット20並びに導線22に
よって電流経路が構成されるようにしている。
【0004】なお、スカート部14に形成されたスリッ
ト24は、口金12を外球10に取り付ける際に両者の
取付部相互の寸法のばらつきを吸収するためのものであ
る。次に、図5はこのような白熱ランプの内部構造を示
す概略断面図である(実公昭59−28603号公報参
照)。図示のように、外球10内には支持部と導線とを
兼ねた2本の支持線26a、26bに支持されたフィラ
メント28が収納されている。支持線26a、26bは
外球10に形成された貫通孔10a、10bから外方へ
導かれている。この支持線26の引出し部には金属製キ
ャップであるフェルール30が取り付けられ、支持線2
6をカバーし、支持線26が他の部材に接触することの
ないように上方に導いている。
【0005】支持線26aは最上端のアイレット20に
接続され、支持線26bは口金12のスカート部14に
形成された切欠15から口金外部に引き出されねじ部1
6に半田付け等により接続されている。図6は、上記型
ガラスにて形成された外球10と同様の形状の外球を用
いて高圧放電ランプを構成した例が示されている。図示
のように、外球10及び貫通孔10aの構造は図5に示
したものと同様であり、口金12の構造も同様である。
【0006】図5の構成と異なる点は、外球10内部に
設置されるものがフィラメント28ではなく発光管32
であることである。すなわち、支持線26a、26bに
掛けられたアーム34a、34bにて発光管32が支持
されており、発光管32の2つのリード線32a、32
bは、それぞれ接続線36a,36bを介して支持線2
6に接続されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、通常の
白熱ランプに用いる外球10や口金12を用いて高圧放
電灯を構成することは可能である。しかしながら、メタ
ルハライドランプなどの高圧放電灯にあっては、通常の
白熱ランプが電源電圧100Vまたは200Vを用いる
のに対し、一般に二次無負荷電圧を300V〜500V
程度に上げ、さらに始動時において2000V〜300
0V程度のパルス電圧を印加することが行われている。
【0008】従って、そのパルス電圧の印加の際にリー
ド線と口金スカート部14の間の絶縁破壊が生じ、使用
者が口金に触れた場合に感電するおそれがある。すなわ
ち、上記のように通常の白熱ランプと同様の構成とする
と、口金12のスカート部14の内壁とフェルール30
の外壁との間の隙間Lが2.0mm前後と比較的小さく
なっていることから、この部分が比較的容易に絶縁破壊
してしまうことによる。このように、既に量産されてい
る通常の白熱ランプ用の型ガラスをそのまま高圧放電に
用いることは感電の危険性から困難であるという問題が
あった。本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたも
のであり、その目的は型ガラスを使用し、かつ始動時に
おけるパルス電圧による口金部分の絶縁破壊を有効に防
止することのできる高圧放電を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る高圧放電は、口金のスカート部の前記
金属製キャップに最も近い部分の所定範囲を前記金属製
キャップから遠ざかるように外方へ拡げた拡張部とした
ことを特徴とする。
【0010】
【作用】上記構成の高圧放電灯によれば、口金のスカー
ト部のうち内部の金属キャップの部分と最も近い部分の
所定範囲に拡張部が形成されており、その拡張部は金属
製キャップから遠ざかる方向に広がっている。従って、
スカート部と金属製キャップとの間の間隔はこの拡張部
において拡げられたこととなる。また、拡張部は上記の
ように所定範囲のみに形成されるので口金の外球への取
り付けに支障を生じさせることもない。なお、後述する
ように実験によれば、金属製キャップとスカート部との
間隔は約3mm程度あれば始動時のパルス電圧に十分耐
え得ることが証明されている。従って、この拡張部によ
り従来の約2mm程度であった間隔を例えば1mm程度
広げることにより始動時における口金部分の絶縁破壊を
防止することができ、人が口金に触れた際に感電すると
いうおそれを有効に回避することができる。
【0011】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の好適な実施例に
ついて説明する。図1(A)及び(B)は、本発明の一
実施例にかかる反射型高圧放電灯の特徴的構成部分であ
る口金12の底面図及び側面図をそれぞれ示している。
なお、図4と対応する部分には同一の符号を付しその説
明を省略する。本実施例において特徴的なことは、スカ
ート部14の所定箇所、すなわち設置状態において内部
のフェルール30に最も近い位置にある部分に拡張部3
8を形成していることである。この拡張部38は、スカ
ート部14の側壁に形成されたT字状のスリット40に
囲まれた部分14aを外方へ押し拡げることによって形
成している。
【0012】本実施例では、同図(C)に示したように
拡張部38の拡張幅Wは約1.5mmとなっている。こ
のように構成した口金12を外球10に取り付けた状態
の概略部分断面図が図2に示されている。図示のよう
に、拡張部38の部分とフェルール30との間の距離L
は、上記部分14aの曲り分だけ拡げられている。すな
わち、本実施例では1.5mm程度拡げられているの
で、十分に3mm以上の間隔が確保されている。なお、
実験結果により得られた拡張部38とフェルール30と
の間の距離Lとこの部分で絶縁破壊を防ぐことのできる
パルス電圧との関係は以下の表1に示したものとなる。
【0013】
【表1】 ─────────────────────────────────── L(mm) 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 ─────────────────────────────────── 1000V × ○ ○ ○ ○ 2000V × × ○ ○ ○ 3000V × × × ○ ○ 4000V × × × ○ ○ 5000V × × × × × ───────────────────────────────────
【0014】なお、上記のような絶縁破壊の発生は、高
圧放電灯の最初の点灯時よりもランプを点灯し高圧放電
灯が十分高い温度となっているときに、一旦スイッチを
切って再度スイッチを入れた場合に生じ易いことから、
実験においては一旦スイッチをオンし温度を十分に高め
てから行っている。これは、温度が十分に高い状態にお
いては発光管32の内部のガスが高温のため絶縁性が高
くなっており、両電極間での放電が開始されにくくなっ
ていることによるものである。図1に示した実施例にか
かる口金12を用いてメタルハライドランプ(150
W)を構成し、上記のような高温状態で始動時のパルス
電圧を2500Vとして実験したがパルス電圧の漏れは
生じなかった。
【0015】以上のように本実施例にかかる高圧放電灯
によれば、既存の型ガラスにて形成された外球を用いて
反射型高圧放電灯を形成することができる。次に、図3
(A)、(B)及び(C)は、スカート部14の拡張部
38を種々異なる構成とした例が示されている。同図
(A)及び(B)は、スカート部14にスリットを形成
することなく所定箇所を外方へ張り出させることによっ
て形成している。同図(A)は円弧状に、同図(B)は
矩形状に張り出させた例が示されている。また、同図
(C)ではスリット40をT字状ではなく1本の直線状
スリットとし、その両サイドを外方へ屈曲させて拡張部
38を構成した例が示されている。以上のように、口金
12を外球10に取り付けた際にフェルール30に対向
する部分が所定距離外方へ拡げられた構成であれば拡張
部38は種々の構造とすることが可能である。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る反射
型高圧放電灯によれば、型ガラスにて形成された外球を
用いて高圧放電灯を構成した場合でも、スカート部と内
部のフェルールとの間でのパルス電圧による絶縁破壊を
有効に防止することができる。従って、吹きガラスにて
外球を構成する場合よりもより精度の高い外球を用いる
ことができかつ反射型高圧放電灯の製造費の低廉化を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)及び(C)はそれぞれ実施例の
主要構成である口金の底面図、側面図及び拡張部の説明
図である。
【図2】図1の実施例の機能説明図である。
【図3】(A)、(B)及び(C)はスカート部に形成
された拡張部の種々の構成例を示す部分概略斜視図であ
る。
【図4】従来の一般的白熱ランプの外観を示す斜視図で
ある。
【図5】従来の一般的白熱ランプの内部構成を示す概略
断面図である。
【図6】従来の白熱ランプの外球を用いて構成した高圧
放電灯の内部構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10 外球 12 口金 14 スカート部 16 ねじ部 30 フェルール 38 拡張部 40 スリット

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に発光管の収納された外球と、 該外球の外表面に固定され前記発光管から外球の外方へ
    導かれた電流供給用導線を覆う金属製キャップと、 前記外球に前記金属製キャップのさらに外方から取り付
    けられ、スカート部にて該金属製キャップを覆う口金
    と、 を有する高圧放電灯において、 前記口金のスカート部の前記金属製キャップに最も近い
    部分の所定範囲を前記金属製キャップから遠ざかるよう
    に外方へ拡げた拡張部としたことを特徴とする反射型高
    圧放電灯。
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