JP3165956U - 透水性型枠及び透水性型枠用パネル - Google Patents

透水性型枠及び透水性型枠用パネル Download PDF

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Abstract

【課題】コンクリート表面に大きな凹凸が転写されることがなく、現場加工作業等にも対応できるなど、実用上支障なく使用可能でありながら、打設されたコンクリート中の余剰水の排出を行える透水性型枠及び透水性型枠用パネルを提供する。【解決手段】透水性型枠及び透水性型枠用パネルは、打設したコンクリート中の余剰水や気泡を型枠外へ排出可能な透水性型枠であって、板状の型枠本体には、表裏に貫通した排水孔が設けられ、上記型枠本体のコンクリート打設面には、骨材を結合材により結合して表裏に連通した空隙を有する連続多孔体からなる透水層が形成された構成とする。【選択図】図1

Description

本考案は、コンクリート構造物を作る際に使用されるコンクリート型枠に透水性能を持たせた透水性型枠及び透水性型枠用パネルに関する。
従来より、コンクリートを型枠中に流し込んでコンクリート構造物を作る際、コンクリート表面に気泡やジャンカ(セメントが十分混合されていない粗骨材の集合部分。「アバタ」ともいう。)等が発生することが知られている。例えば、傾斜のあるコンクリート構造物を型枠を用いて施工する時は、コンクリート構造物の上面側に気泡やジャンカ等のコンクリートが十分充填できていない部分が発生し易い。これは単にコンクリート構造物の外観が悪くなるだけでなく、コンクリートの緻密さ不足による強度の低下、中性化の促進、凍結融解による劣化等のコンクリートの品質低下を引き起こす原因となることが多い。このような問題を解決するために、コンクリート型枠に透水性を持たせて、型枠の外側にコンクリート中の余剰水を排出させることにより、コンクリート表面の気泡やジャンカを減少させてコンクリートの外観を向上するとともに、コンクリートの緻密化によるコンクリートの品質の向上を図ることが提案されている。
従来、この種の透水性型枠は、鋼板等の型枠本体に多数の水抜孔を設け、この型枠本体のコンクリート打設面にポリエステル織布等からなる透水シートを張り付けた構成とし、打設したコンクリート中の余剰水を透水シートを透過させて型枠本体の水抜孔から型枠外に排出させるようにしている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
特開平7−34660号公報 特開平1−158179号公報 特開昭63−44074号公報
しかしながら、上記透水性型枠は、透水シートを型枠本体に取り付ける時にしわを作らず十分に張って固定することの困難さやコンクリートを流し込んだ時に透水シートの伸びやしわが生じ、この透水シートのしわがコンクリート表面の外観不良となり補修を必要とする問題があった。また、建築現場で透水性型枠を切断やスペーサの取り付け等のための穴開けを行った場合、型枠本体にステープル等で取り付けた透水シートが欠損し易く、透水性型枠の現場加工作業に十分に対応できない問題があった。すなわち、コンクリート型枠は、型枠の持ち運びやハンドリング、現場での型合わせや調整、コンクリート打設、脱型後の清掃、繰り返し使用など種々の性能が要求されるが、上記透水性型枠は、型枠本体に透水シートを取り付けたものであるため、使用時に透水シートのしわや破損などが生じ、上記性能が要求される型枠としては実用上の問題があり、普及には至っていないのが現状である。
本考案は、上記事情に鑑みてなされたものであり、コンクリート表面に大きな凹凸が転写されることがなく、現場加工作業等にも対応できるなど、実用上支障なく使用可能でありながら、打設されたコンクリート中の余剰水や気泡の排出を行える透水性型枠及び透水性型枠用パネルを提供することである。
本考案に係る透水性型枠は、
打設したコンクリート中の余剰水や気泡を型枠外へ排出可能な透水性型枠であって、
板状の型枠本体には、表裏に貫通した排水孔が設けられ、
上記型枠本体のコンクリート打設面には、骨材を結合材により結合して表裏に連通した空隙を有する連続多孔体からなる透水層が形成された構成とする。
好ましくは、上記型枠本体は、排水孔が直径5〜20mmで且つ1m当り10〜125個形成されており、上記透水層は、厚さ1〜10mmに設定される。
また、好ましくは、上記透水層の全体又は表層には、骨材として粒度分布が約0.07〜0.4mm(平均粒度が約0.18mm)、約0.1〜0.7mm(平均粒度が約0.3mm)、約0.2〜0.8mm(平均粒度が約0.5mm)、又は約0.5〜1.2mm(平均粒度が約0.75mm)の少なくとも1種以上の骨材を配置させる。
また、好ましくは、上記骨材は、砂、石、陶磁器、レンガ、ガラス、コンクリート、ゴム及びプラスチックの群から選ばれる少なくとも1種以上の材料で構成されており、上記結合材は、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂及びアスファルトの群から選ばれる少なくとも1種以上の材料で構成される。
また、さらに好ましくは、上記透水層は、上記骨材として粒度0.07〜1.2mmで平均粒度0.18〜0.75mmのゴム100重量部に対して上記結合材としてウレタン樹脂15〜35重量部の割合で含み、骨材間に空隙を形成した連続多孔体より構成される。
また、本考案に係る透水性型枠用パネルは、
打設したコンクリート中の余剰水や気泡を型枠外へ排出可能な透水性型枠のための透水性型枠用パネルであって、
板状のパネル本体のコンクリート打設面には、骨材を結合材により結合して表裏に連通した空隙を有する連続多孔体からなる透水層が形成された構成とし、
上記透水層は、上記骨材として粒度0.07〜1.2mmで平均粒度0.18〜0.75mmのゴム100重量部に対して上記結合材としてウレタン樹脂15〜35重量部の割合で含み、骨材間に空隙を形成した連続多孔体より構成される。なお、上記パネル本体は、予め表裏に貫通した排水孔を設けてもよいし、透水性型枠に加工する際に排水孔を開設してもよい。
上記構成の透水性型枠(上記透水性型枠用パネルを用いた透水性型枠を含む。)によれば、打設したコンクリート中の余剰水および気泡を透水層を透過させて型枠本体の排水孔から型枠外へ排出させる。すなわち、型枠本体に形成された透水層が透水と排水の機能を合わせて有していると言える。そして、型枠本体のコンクリート打設面側に形成される透水層は、骨材を結合材により空隙を存して結合した連続多孔体からなるので、織布等からなる透水シートに比して、十分な剛性を有し、型枠本体への保持性にも優れる。従って、透水層にはコンクリートの流し込みによって「しわ」が出来ず、コンクリート表面にしわが転写されて外観不良となることが防止される。しかも、切断や穴開け加工時などの種々の使用時、取扱い時においても透水層が欠損したり型枠本体からずれたりせずに保持されるので、工場や建築現場での取扱いにも十分に対応することができる。
以上のように、本考案によれば、打設されたコンクリート中の余剰水や気泡を排出させてコンクリート表面の気泡やアバタを抑制してコンクリートの外観を向上するとともに、コンクリートの緻密化によるコンクリートの品質を向上するために、実用上支障なく使用できる透水性型枠及び透水性型枠用パネルが得られる。
透水性型枠の透水層側にコンクリートを打設した状態を示す断面図である。 透水性型枠用パネルの透水性能を確かめるために排水時間を測定する装置を示す側面図である。 傾斜したコンクリート擁壁を施工するためのコンクリート型枠を示す側面図である。
以下に、本考案の実施形態を説明する。
図1に示すように、本実施形態の透水性型枠1は、コンクリートを打設するために使用され、排水孔31を設けた板状の型枠本体3と、上記型枠本体3のコンクリート打設面側に形成され、表裏に連通した空隙を有する連続多孔体からなる透水層2とを備える。この透水性型枠1は、打設したコンクリート中の余剰水が透水層を通って浸み出し、型枠本体3の排水孔31から型枠外に排出させるものである。コンクリート中の気泡も透水層2を通って型枠本体3の排水孔31から型枠外に排出される。
型枠本体は、木製、鋼製、FRP製、あるいはこれらの複合材などで形成される。そして、この型枠本体は、透水層から浸み出したコンクリート中の余剰水を排水孔から型枠外に排出させ易くする必要がある。また、コンクリート中の余剰水は、透水層の全面から浸み出して型枠本体の全面に供給されることから、型枠本体の排水孔は、細かく高密度に設けたり、孔径を大きくして個々の排水孔の排水能力を大きくする必要もなく、必要な孔径の排水孔を均一に配置させることで十分である。具体的には、型枠本体に設ける排水孔は、直径5〜20mmとし且つ1m当り10〜125個形成されるのが好ましい。すなわち、排水孔を直径5〜20mmで且つ1m当り10個以上とすれば、透水層を透過したコンクリート中の余剰水の十分均一な排水が確保され、かつ、繰り返し使用しても閉塞することはない。一方、上記直径の排水孔を1m当り125個以下にすることで型枠本体の強度が確保される。なお、排水孔の配置形態は、正方配置やチドリ配置など特に制限はない。
透水層は、連続多孔体より構成されるが、この連続多孔体は、骨材を結合材により結合して表裏に連通する空隙を有するものである。この連続多孔体は、これより構成する透水層においてコンクリートによる目詰まりを起こし難く、良好な透水性を得ることができ、しかも凹凸の少ないフラットな表面を有し、外観にも脱型性にも優れていることが重要である。
連続多孔体を構成する骨材は、砂、石、陶磁器、レンガ、ガラス、コンクリート、ゴム及びプラスチックの群から選ばれる少なくとも1種以上の材料で構成される。この骨材は、環境や廃棄物利用の観点より、使用済みのレンガ、陶磁器、ガラス瓶、コンクリート、タイヤ等を粉砕して篩い分けした再生骨材を使用することができる。この骨材は、概ね、粒度0.07〜1.2mmで平均粒度0.18〜0.75mmのものを単独もしくは複数混合して使用することが好ましいことを見出した。なお、骨材の粒度や平均粒度を「概ね」と表現したのは、骨材を生産する時の粉砕や篩い分けで厳密な規定が困難であることによる。
そして、骨材として上記範囲の粒度を選択することにより、透水層に適切な透水性が得られ、コンクリート中の余剰水および気泡の型枠外への排出を行って型枠表面の気泡除去や外観の向上やコンクリートの品質向上を図ることができる。同様に透水層を構成する連続多孔体の空隙が大きくなり過ぎることがなく、空隙にセメント粒子が入り込んで目詰まりを起こしたり、透水性型枠の脱型が困難となったり、脱型後のコンクリート表面の凹凸が大きくなりコンクリートの外観を悪くすることもない。一方、骨材の平均粒度0.18mm未満となれば、連続多孔体の空隙が小さくなり過ぎ、透水層の透水性能が低下してコンクリート中の余剰水の十分な浸み出しが不足する。また、骨材の平均粒度0.75mm超えとなれば、連続多孔体の空隙が大きくなり過ぎ、セメント粒子の入り込みによる脱型不良や、コンクリート表面の凹凸が大きくなり、外観を悪くする。
以上の条件を満足する空隙を形成する骨材は、具体的には、比較的シャープな粒度分布を有している硅砂4号相当(粒度分布が約0.5〜1.2mm、平均粒度が約0.75mm)から硅砂7号相当(粒度分布が約0.07〜0.4mm、平均粒度が約0.18mm)のものが適している。なお、骨材としては、一般的には硅砂4号(約0.5〜1.2mm、平均粒度が約0.75mm)、5号(約0.2〜0.8mm、平均粒度が約0.5mm)、6号(約0.1〜0.7mm、平均粒度が約0.3mm)、7号(約0.07〜0.4mm、平均粒度が約0.18mm)として販売されている程度の粒度を有しているものを使用するのが好ましいが、この粒度分布は粉砕や篩い分けによって得られるものであり、厳密に粒度分布を規定するものではない。
また、上記骨材を結合する結合材は、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂及びアスファルトの群から選ばれる少なくとも1種以上の材料で構成される。結合材の配合量は、骨材100重量部に対して15〜35重量部の割合で配合されるのが好ましい。すなわち、結合材の配合量を15重量部以上とすることで透水層の強度(剛性)や型枠本体への密着性を確保することができ、また、結合材の配合量を35重量部以下とすることで透水層の透水性を確保することができる。
また、透水層の厚さは、1〜10mmに設定されるのが好ましい。すなわち、透水層の厚さとして、最大10mmとすれば透水層形成のコストアップや型枠全体の肉厚化・重量化が防止され、一方、最小1mmとすれば使用する骨材の大きさから十分平滑な透水層面が得られるとともに、流し込むコンクリートに耐えて伸びやしわが発生しない強度が確保される。なお、型枠本体への透水層の形成方法は、型枠本体上に骨材と結合材の混合物を流し込み等して直接形成してもよいし、予め骨材と結合材を混合した連続多孔体シートを作製してこの連続多孔体シートを型枠本体に接着もしくはステープルにより機械的に固定してもよい。
そして、透水層を構成する連続多孔体の骨材と結合材の好ましい組み合わせを例示すれば、骨材にゴムを用い、結合材にウレタン樹脂を用いる。この組み合わせによれば、骨材と結合材の双方に弾力性を持たせて、打設コンクリートの透水層への噛み込みを緩和して型枠の脱型を容易にするとともに、型枠ハンドリング時の透水層の欠けや傷みをより確実に防止することができ、工場や建築現場での型枠の切断や穴開け加工等を容易に実施することが可能となる。例えば、骨材として硅砂4号,5号,6号,7号相当の粒度分布を有する新規ゴム又は使用済みタイヤ等を粉砕・篩い分けした再生ゴムチップを用い、このゴムチップの骨材を、結合材としてウレタン樹脂を用いて結合させるとともに、型枠本体上に厚さ1〜10mmとなるように形成して、連続多孔体からなる透水層を形成する。そして、骨材としては、粒度が硅砂4号,5号,6号又は7号相当のいずれか1種のゴムチップを単独又はこれらを複数混合して透水層の全体に配合してもよいし、また、粒度が硅砂4号,5号,6号又は7号相当のいずれか1種のゴムチップを単独又はこれらを複数混合して透水層の表層(コンクリート打設側)に配置し、その下部(型枠本体側)に透水性のよい硅砂2号又は/及び3号相当のゴムチップを配置するなど、粒度の異なるゴムチップを混合して使用することも可能である。このように粒度の異なるゴムチップを表層と下層とに配合する場合も、透水層厚さを合計1〜10mmとすれば、単一の粒度の骨材を配合した透水層と同じ効果を有することになる。なお、いずれの場合もウレタン樹脂(結合材)の配合量は、ゴム(骨材)100重量部に対して15〜35重量部とするのが好ましい。
また、本考案は、以上の構成の透水性型枠のみならず、この透水性型枠のための透水性型枠用パネルとして提供することも可能である。例えば、この透水性型枠用パネルは、板状のパネル本体のコンクリート打設面には、骨材を結合材により結合して表裏に連通した空隙を有する連続多孔体からなる透水層が形成された構成とし、上記透水層は、上記骨材として粒度0.07〜1.2mmで平均粒度0.18〜0.75mmのゴム100重量部に対して上記結合材としてウレタン樹脂15〜35重量部の割合で含み、骨材間に空隙を形成した連続多孔体より構成される。そして、上記パネル本体は、コンクリート型枠用合板等の合板や無垢木材を用いた厚さ5〜20mmの板状のものを使用するのが好ましく、また、このパネル本体は、予め表裏に貫通した排水孔(この排水孔は、上述した透水性型枠における型枠本体の排水孔に相当する。)を設けてもよいし、透水性型枠に加工する際に排水孔を開設してもよい。上記透水層等その他の構成は、上述した透水性型枠と同様に構成される。
次に、本考案の透水性型枠及び透水性型枠用パネルを、実施例に基づいて詳細に説明するが、本考案はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1〜7、比較例1〜6)
まず、型枠本体(パネル本体)として、厚さ12mm、縦200mm、幅200mmのウレタン塗装合板を、中央に排水孔となる直径6mmの開口を設けたものを用意した。次いで、このウレタン塗装合板の片面に連続多孔体からなる透水層を形成すべく、骨材としてゴムチップ(村岡ゴム工業株式会社製)又は硅砂(東北硅砂)を用い、結合材としてウレタン樹脂(四国化成工業株式会社、ニューチップロード用)を用いた混合物を、上記ウレタン塗装合板上に流し込んで所定厚さに成形しその表面をローラで平滑に仕上げて透水層を形成して、透水性型枠用パネルを作製した。なお、ウレタン塗装合板の開口には、透水層を形成するまで木柱を合板面と一致させて挿入しこの開口内に透水層が形成されないようにした。
(比較例7)
実施例1〜7及び比較例1〜6で用いたウレタン塗装合板(型枠本体又はパネル本体)の裏面にポリエステル織布からなる透水シートを廻して覆い、表面側でタッカー止めして、透水シート使用の透水性型枠用パネルを作製した。
上記実施例1〜7、比較例1〜7の骨材の種類、粒度、ウレタン樹脂の配合量(骨材100重量部に対する割合)、及び透水層厚さなどは、表1に示す。
(a)透水性能
実施例1〜7及び比較例1〜7の透水性型枠用パネルに対して、図2に示すように、型枠本体の排水孔が中心に位置するように、塩化ビニル製の透明パイプ(外径43mm、内径38mm、長さ300mm)を透水性型枠用パネルの中央に立て、透明パイプと透水性型枠用パネルの継ぎ目を粘土で密封した後、透明パイプ中に水を充填し、水位180mmから92mmになるまでの時間を計測した。すなわち、180mmHOから92mmHOの水圧下で約100ml透水するに要する時間より、透水性型枠用パネルの透水性能を評価した。
(b)コンクリート表面の性状及び型枠離型性
実施例1〜7、比較例1〜7で作製した透水性型枠用パネルを、上部開放した箱型の4つの側面のうちの一面に配置し、他の3つの側面と底面にウレタン塗装合板を用いて、高さ200mm、縦200mm、横200mmのコンクリートが得られる透水性型枠を組み立てた。そして、この透水性型枠の上部開口より、コンクリートを流し込みバイブレータで充填して1日放置した後、一側面に配置した透水性型枠用パネル部分について、脱型の容易さ、コンクリート表面のアバタ数、コンクリート表面の外観を観察し、次のとおり評価した。なお、使用したコンクリートは、セメント量318kg/m、砂利(Gmax、20mm)1072kg/m、砂740kg/m、単位水量176kg/m、W/C=55%でスランプ13.5cmである。
(型枠離型性)
◎:簡単に手で脱型できた。
○:軽くハンマーで叩いて脱型できた。
△:コンクリートの型枠への噛み込みが強いが、ハンマーで叩いて何とか脱型できた。
×:脱型できなかった。
(アバタ数)
透水性型枠面のコンクリート表面における直径2mm以上の気泡や粗骨材集合箇所をアバタとしてその数を数えた。
(表面の凹凸)
高さ約1mm以上の凹凸があるものを凹凸大とし、それ以外は良好と評価した。
以上の結果を、表1に示す。
Figure 0003165956

表1より、透水シートを形成した透水性型枠である比較例7は、コンクリート表面に透水シートのしわによる凹凸が顕著に見られ、コンクリート表面の外観上及びコンクリートの品質上からも補修を要することが確認された。
骨材と結合材による連続多孔体の透水層を形成した透水性型枠である実施例1〜7及び比較例1〜6より、コンクリート表面のアバタの生成は、概ね骨材の粒度が粗くなり透水時間が短く透水性能が増加するに従って減少し、アバタの低減によりコンクリート表面が緻密となりコンクリートの品質も向上することが分かる。これより、コンクリート表面のアバタ防止については、透水時間が約216秒以下の透水性能の透水層を備えるのが好ましいと言える。
一方、コンクリート表面の凹凸形成及び型枠の離型性について、骨材の粒度を粗くするとセメント分が透水層を通って透水性型枠用パネル内部に入り込み脱型し難くなり、かつコンクリート表面の光沢が失われるとともに凹凸が大きくなり、コンクリートの使用される場所によっては外観上適当でないこともある。これは、透水時間が約18秒以下となると型枠離型性と表面平滑性より好ましくないことを示していると言える。
以上より、コンクリート表面のアバタ防止及び脱型の容易性のから、実施例1〜7が有利であることが分かった。なかでも、脱型の有利性に限ると透水層に使用する骨材の影響も大きく、硅砂を骨材とした実施例4〜7に比べて、弾力性のあるゴムチップを骨材とした実施例1〜3の方が好ましいと言える。
(c)傾斜したコンクリート擁壁の施工例
傾斜したコンクリート擁壁を施工した場合のコンクリートを評価すべく、以下の実施例及び比較例を行った。
(実施例8)
型枠本体は、厚さ12mm、縦1200mm、横600mmのウレタン塗装合板に、直径6mmの排水孔を150mmピッチで設けたものとした。そして、骨材として廃タイヤを粉砕・篩い分けして得られたゴム粉末77.4重量部(村岡ゴム工業株式会社製、粒度0.71〜0.1mm、平均粒度約0.35mm、#30TB)を用い、結合材としてウレタン樹脂22.6重量部(四国化成工業株式会社製ニューチップロード用)をミキサーで混合して、上記型枠本体のコンクリート打設面に流し込んで厚さ5mmの透水層を流し込みで形成した透水性型枠を作製した。
次に、図3に示すように、5分割の型枠からなる型枠組みを用いて、縦1200mm、幅600mm、壁厚200mmで、傾斜角度45°のコンクリートを施工した。この型枠組みの上面には透水性型枠を用い、他の4面にはウレタン塗装合板型枠(排水孔無し)を用いた。
(実施例9)
上記実施例8の透水層と同じ材料、配合量からなる混合物を、縦1800mm、幅900mm、厚さ5mmの成形型に流し込みローラで転圧して透水性クッションシート(透水層)を作製した。そして、この透水性クッションシートを縦1200mm、幅600mmの型枠本体サイズにカットして、上記実施例12で用いた型枠本体としてのウレタン塗装合板のコンクリート打設面にタッカーで肩幅12mm、針足13mmの針を150mmピッチで打ち込み、かつ型枠本体の端部は外端より10mm内側に全周50mmピッチで打ち込み固定して、厚さ5mmの透水性クッションシート(透水層)をタッカー止めした透水性型枠を作製した。その他は上記実施例8と同様にして、傾斜角度45°のコンクリートを施工した。
(実施例10)
上記実施例8で用いたウレタン塗装合板(型枠本体)のコンクリート打設面に、プライマー(四国化成工業株式会社製ニューチップロード用)をローラで約200g/m塗布して、この面に上記実施例9で作製した透水性クッションシート(透水層)と同じものを接着して、厚さ5mm厚さの透水性クッションシート(透水層)を接着固定した透水性型枠を作製した。その他は上記実施例8と同様にして、傾斜角度45°のコンクリートを施工した。
(比較例8)
傾斜した型枠の5面すべてにウレタン塗装合板(排水孔無し)を用い、その他は上記実施例8と同様にして、傾斜角度45°のコンクリートを施工した。
(評価)
実施例8〜10及び比較例8の各型枠組みの上部開口より、コンクリートを流し込みバイブレータで充填して5日放置した後、上面に配置した透水性型枠を用いた部分について、脱型の容易さ、コンクリート表面のアバタ数を観察した。この評価方法は上記実施例1〜7のときと同様であり、その結果を表2に示す。
なお、使用したコンクリートは、セメント量313kg/m、砂利(Gmax、25mm)1138kg/m、砂791kg/m、単位水量172kg/m、W/C=55%でスランプ12.0cmである。
Figure 0003165956

表2より、比較例8では、コンクリート表面に直径10mm以上の多数のアバタが形成されており、上部ほどアバタ数が増しており、コンクリート表面の外観やコンクリート品質を確保するには補修を要することが確認された。これに対して、実施例8〜10では、コンクリート表面のアバタ数は上部ほど増加していたが、アバタの数は、比較例8に比べて非常に少なく、大きさも直径5mm以下が大部分で、しかも透水層のしわや伸びは認められず、コンクリートの外観上、コンクリートの品質上から補修は必要ないことが確認された。同時に透水層の形成方法の違いについて、実施例8(透水層を流し込みで形成)、実施例9(透水層となる透水性クッションシートをタッカー止めして形成)、実施例10(透水層となる透水性クッションシートを接着して形成)の間で、透水層のしわや欠損も見られず、いずれの形成方法でも差がないことも確認できた。
以上より、実施例8〜10では、型枠傾斜角度45°のコンクリート表面にアバタの出易いコンクリート工事においても、コンクリートの充填やコンクリート中の余剰水の脱水機能が十分発揮され、コンクリート表面の外観の向上及びコンクリートの品質の向上を図ることに関して顕著な効果を有することが確認できた。しかも、実施例8〜10で使用した透水性型枠について、現場作業で行われるようなハンドカッターでの切断やドリルによるセパレータ用孔(直径14mm)の穴開けを行った結果、透水層の欠損や位置ずれなどの不具合は見られず、透水層を形成しない合板のみからなる型枠と同様の加工性と仕上がりであったことも併せて確認された。
1 透水性型枠
2 透水層
3 型枠本体
31 排水孔


Claims (6)

  1. 打設したコンクリート中の余剰水や気泡を型枠外へ排出可能な透水性型枠であって、
    板状の型枠本体には、表裏に貫通した排水孔が設けられ、
    上記型枠本体のコンクリート打設面には、骨材を結合材により結合して表裏に連通した空隙を有する連続多孔体からなる透水層が形成された構成とする透水性型枠。
  2. 請求項1に記載の透水性型枠において、
    上記型枠本体は、排水孔が直径5〜20mmで且つ1m当り10〜125個形成されており、
    上記透水層は、厚さ1〜10mmに設定される透水性型枠。
  3. 請求項1又は2に記載の透水性型枠において、
    上記透水層の全体又は表層には、骨材として粒度分布が約0.07〜0.4mm(平均粒度が約0.18mm)、約0.1〜0.7mm(平均粒度が約0.3mm)、約0.2〜0.8mm(平均粒度が約0.5mm)、又は約0.5〜1.2mm(平均粒度が約0.75mm)の少なくとも1種以上の骨材を配置させた透水性型枠。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の透水性型枠において、
    上記骨材は、砂、石、陶磁器、レンガ、ガラス、コンクリート、ゴム及びプラスチックの群から選ばれる少なくとも1種以上の材料で構成されており、
    上記結合材は、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂及びアスファルトの群から選ばれる少なくとも1種以上の材料で構成される透水性型枠。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の透水性型枠において、
    上記透水層は、上記骨材として粒度0.07〜1.2mmで平均粒度0.18〜0.75mmのゴム100重量部に対して上記結合材としてウレタン樹脂15〜35重量部の割合で含み、骨材間に空隙を形成した連続多孔体より構成される透水性型枠。
  6. 打設したコンクリート中の余剰水や気泡を型枠外へ排出可能な透水性型枠のための透水性型枠用パネルであって、
    板状のパネル本体のコンクリート打設面には、骨材を結合材により結合して表裏に連通した空隙を有する連続多孔体からなる透水層が形成された構成とし、
    上記透水層は、上記骨材として粒度0.07〜1.2mmで平均粒度0.18〜0.75mmのゴム100重量部に対して上記結合材としてウレタン樹脂15〜35重量部の割合で含み、骨材間に空隙を形成した連続多孔体より構成される透水性型枠用パネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015028280A (ja) * 2013-07-31 2015-02-12 共和コンクリート工業株式会社 表面模様形成用型材及びコンクリート型枠
CN108715524A (zh) * 2018-06-08 2018-10-30 长春玛莎建材有限公司 一种复合砂基的透水拦污槽及其制备方法与应用

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