JP3165356B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

Info

Publication number
JP3165356B2
JP3165356B2 JP25855795A JP25855795A JP3165356B2 JP 3165356 B2 JP3165356 B2 JP 3165356B2 JP 25855795 A JP25855795 A JP 25855795A JP 25855795 A JP25855795 A JP 25855795A JP 3165356 B2 JP3165356 B2 JP 3165356B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge coil
coil
discharge
matching
plasma processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP25855795A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0982692A (ja
Inventor
智洋 奥村
一郎 中山
義弘 柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US08/528,164 external-priority patent/US5558722A/en
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Publication of JPH0982692A publication Critical patent/JPH0982692A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3165356B2 publication Critical patent/JP3165356B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)
  • Plasma Technology (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体および薄膜
回路の製造過程におけるドライエッチング、スパッタリ
ング、プラズマCVD等に利用できるプラズマ処理装置
に関し、特に高周波誘導結合方式のプラズマ処理装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子の微細化に対応して、
ドライエッチング技術においては高アスペクト比の加工
等を実現するために、またプラズマCVD技術において
は高アスペクト比の埋め込み等を実現するために、より
高真空でプラズマ処理を行うことが求められている。
【0003】例えば、ドライエッチングの場合において
は、高真空において高密度プラズマを発生させると、基
板表面に形成されるイオンシース中でイオンが中性ラジ
カル粒子と衝突する確率が少なくなるために、イオンの
方向性が基板に向かって揃い、また電離度が高いために
基板に到着するイオン対中性ラジカルの入射粒子束の比
が大きくなる。このことから、高真空において高密度プ
ラズマを発生することによってエッチング異方性が高め
られ、高アスペクト比の加工が可能となる。
【0004】また、プラズマCVDの場合においては、
高真空において高密度プラズマを発生させると、イオン
によるスパッタリング効果によって微細パターンの埋め
込み・平坦化作用が得られ、高アスペクト比の埋め込み
が可能になる。
【0005】従来の一般的な平行平板型のプラズマ処理
装置の構成を、図7を参照して説明する。図7におい
て、真空容器3内に基板5を載置する基板電極4と対向
電極30とを配設し、これらの電極4、30間に電極用
高周波電源6にて高周波電圧を印加することによって真
空容器3内にプラズマを発生させるように構成されてい
る。なお、電極用マッチング回路7は負荷インピーダン
スを電極用接続ケーブル8の特性インピーダンスにマッ
チングさせるための回路である。
【0006】この方式では、真空度が高くなるにつれて
電子とイオンの衝突確率が減少するため、高真空におい
て高密度プラズマを発生することが難しく、十分な処理
速度が得られず、また高周波電圧を無理に高くしてプラ
ズマ密度を高くしようとすると、イオンエネルギーが大
きくなり、エッチング選択比が低下したり、基板にダメ
ージを与えることになる。
【0007】この平行平板型のプラズマ処理装置に対し
て、高真空において高密度プラズマを発生させることが
できるプラズマ処理装置の1つとして、放電コイルに高
周波電圧を印加することによって真空容器内にプラズマ
を発生させる高周波誘導結合方式のプラズマ処理装置が
ある。この方式のプラズマ処理装置は、真空容器内に高
周波磁界を発生させ、その高周波磁界によって真空容器
内に誘導電界を発生させて電子の加速を行い、プラズマ
を発生させるもので、コイル電流を大きくすれば高真空
においても高密度プラズマを発生することができ、十分
な処理速度を得ることができる。
【0008】高周波誘導結合方式のプラズマ処理装置と
しては、主として図8に示すような平板型と、図9に示
すような円筒型が知られている。図8、図9において、
31は平板型放電コイル、32は円筒型放電コイルであ
り、9は放電コイル用高周波電源、10は放電コイル用
マッチング回路、11は放電コイル用接続ケーブルであ
る。放電コイル用マッチング回路10と放電コイル3
1、32とは導線12にて接続されている。なお、真空
容器3、基板電極4、基板5、電極用高周波電源6、電
極用マッチング回路7、電極用接続ケーブル8は図7と
同様である。
【0009】図8、図9において、真空容器3内に適当
なガスを導入しつつ排気を行い、真空容器3内を適当な
圧力に保ちながら、放電コイル用高周波電源9により高
周波電圧を放電コイル31、32に印加すると、真空容
器3内にプラズマが発生し、基板電極4上に載置された
基板5に対してエッチング、堆積、表面改質等のプラズ
マ処理を行うことができる。このとき、図8、図9に示
すように、基板電極4にも電極用高周波電源6により高
周波電圧を印加することで、基板5に到達するイオンエ
ネルギーを制御することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8、
図9に示した従来の方式では、放電コイル用マッチング
回路10内での電力損失が大きく、電力効率が低下する
のみならず、放電コイル用マッチング回路10の温度上
昇が生じることがあるという問題がある。
【0011】以下に詳しく説明すると、図10は代表的
な放電コイル用マッチング回路10の回路図である。1
3は入力端子、14、15は可変コンデンサ、16はマ
ッチング用直列コイルである。可変コンデンサ14、1
5の容量をフィードバック制御することで、負荷インピ
ーダンスの微変動に対応することができる。負荷インピ
ーダンスの大きさによっては、マッチング用直列コイル
16の巻数を変えたり、あるいはマッチング用直列コイ
ル16を取り外したり、固定コンデンサ17又は18を
挿入したりする必要がある。なお、19は出力端子であ
る。
【0012】図11はスミスチャートで、斜線部分は図
10に示した放電コイル用マッチング回路10の整合範
囲を示す。当然のことながら、放電コイル用マッチング
回路10内の各素子の定数によって図11に示す整合範
囲も変化するが、ここでは代表的な場合を例示してい
る。放電コイル31又は32のインピーダンスの複素表
現において、その虚数部分が放電コイル用接続ケーブル
11の特性インピーダンスの5倍の場合の放電コイル3
1又は32のインピーダンスを曲線Aに示す。図11か
ら曲線Aの大部分が整合範囲から外れていることがわか
る。
【0013】そこで、放電コイル用マッチング回路10
において、図12に示すように、放電コイル31又は3
2のインピーダンスの複素表現における虚数部分と同一
インピーダンスを持つマッチング用並列コイル20を接
続したものがあり、その場合可変コンデンサ15の負荷
側端子から負荷側をみたインピーダンスは、その虚数成
分が曲線Aの半分、すなわち放電コイル用接続ケーブル
11の特性インピーダンスの2.5倍となるから、図1
1の曲線Bで表される。通常、放電コイル31又は32
のインピーダンスの実数成分はきわめて小さいので、曲
線Bの一部(実数成分が放電コイル用接続ケーブル11
の特性インピーダンスの1.3倍以下の大部分の範囲)
が整合範囲内にあることから、マッチング用並列コイル
20を用いることで、マッチングがとれるようになるこ
とがわかる。
【0014】以上の説明では、マッチング用並列コイル
20のインピーダンスが放電コイル31又は32のイン
ピーダンスと同一である場合について述べたが、放電コ
イル31又は32のインピーダンスが大きい場合はマッ
チング用並列コイル20のインピーダンスをかなり小さ
くしないとマッチングがとれない。また、放電コイル3
1又は32のインピーダンスがさほど大きくなくても、
可変コンデンサ15の負荷側端子から負荷側をみたイン
ピーダンスの虚数成分は小さければ小さいほどマッチン
グに対するマージンが広くなるから、できるだけマッチ
ング用並列コイル20のインピーダンスは小さくした
い。このようなケースでは、回路的にマッチング用並列
コイル20と放電コイル31または32とは並列に接続
されているので、放電コイル31又は32よりもマッチ
ング用並列コイル20により大きな電流が流れることに
なる。したがって、マッチング用並列コイル20のイン
ピーダンスの実数成分がたとえ小さな値であっても、そ
こでの電力損失は無視できなくなるとともに電力効率は
低下する。そして、この電力損失はマッチング用並列コ
イル20の発熱量と等価であるから、放電コイル用マッ
チング回路10内の温度上昇を招くことになる。
【0015】また、平板型高周波誘導結合方式プラズマ
処理装置の場合、真空容器3内に基板面内均一性よくプ
ラズマを発生させようとすれば、少なくとも基板5の大
きさと同じ大きさの放電コイル31が必要である。放電
コイル31の形状としては、図13に示すような1巻コ
イルが考えられる。一般にコイルのインダクタンスはコ
イルの直径が大きいほど大きくなるから、結局、基板5
が大きいときには放電コイル31のインダクタンスも大
きくならざるを得ない。また、更に基板面内均一性を改
善しようとすれば、放電コイル31の形状は、図14に
示すような渦形コイルにするのが望ましい。渦形コイル
と1巻コイルを比較すると、放電コイル31の最外径が
同程度なら、渦形コイルの方が当然インダクタンスは大
きい。我々の測定では、直径150mm内にけるプラズ
マ密度の均一性が3%以内となるような渦形の放電コイ
ル31のインダクタンスは、ある放電条件において、
1.1μHであった。放電コイル用高周波電源9の周波
数が13.56MHzのとき、放電コイル31のインピ
ーダンスの虚数成分は94Ωであるから、放電コイル用
接続ケーブル11の特性インピーダンスの一般的な値で
ある50Ωの2倍弱となる。この程度の値であれば、マ
ッチング用並列コイル20無しでもマッチングをとるの
は可能であるが、先に述べたように、マッチングに対す
るマージンを考えると、マッチング用並列コイル20と
して0.5〜1μH程度のコイルを挿入した方が、マッ
チングに対するマージンという観点からは望ましい。
【0016】ところで、放電コイル31のインピーダン
スは周波数に比例するから、例えば放電コイル用高周波
電源9の周波数が40MHzのときは、上記1.1μH
の放電コイル31のインピーダンスは276Ω(=50
Ω×5.5)となり、マッチングをとるためにはマッチ
ング用並列コイル20が不可欠となる。
【0017】また、基板5が大きい場合や、バッチ処理
したい場合に、大面積に均一なプラズマを発生させるた
めには、当然放電コイル31を大きくする必要があり、
コイル用高周波電源9の周波数が13.56MHzであ
っても、放電コイル31のインピーダンスが数百Ωにな
ることもある。この場合も、マッチングをとるためには
マッチング用並列コイル20が不可欠となる。
【0018】そこで、大面積に均一なプラズマを発生さ
せることができ、かつ放電コイル31のインピーダンス
を小さくできるような放電コイルの構成として、図15
に示すように、複数の渦形コイルを並列接続する方法が
考えられる。しかし、このような放電コイル構成にする
と、隣合うコイル同志の作る高周波磁界が一部相殺する
ため、十分なプラズマ密度を得ることができないという
問題を生じる。我々の測定によれば、1.3μHの渦形
コイルの1つを用いた場合に比較して、同じ渦形コイル
4つを並列接続で用いた場合には、放電コイルのトータ
ルインダクタンスは0.51μHとなり、59%に低減
できたが、プラズマ密度は11%に低下してしまった。
【0019】円筒型高周波誘導結合方式プラズマ処理装
置の場合、真空容器3の外側に螺旋形放電コイル32を
配置しているので、少なくとも真空容器3の外形と同じ
大きさの螺旋形放電コイル32を用いることになる。し
たがって、一般的に平板型高周波誘導結合方式プラズマ
処理装置に比べて放電コイル32のインダクタンスは大
きくなる。よって、マッチングをとるため、あるいはマ
ッチングに対するマージン確保のため、マッチング用並
列コイル20が必要となるケースは多い。我々の測定で
は、円筒の直径が300mmの場合、螺旋形放電コイル2
のインダクタンスは1.8μH(=150Ω、13.5
6MHz)であった。
【0020】以上の説明からわかるように、処理面積の
大型化、印加周波数の高周波数化のための放電コイル3
1又は32のインダクタンス増大、あるいはマッチング
に対するマージンの拡大化のために、マッチング用並列
コイル20が必要となるが、マッチング用並列コイル2
0を用いると、特にそのインピーダンスの虚数成分が小
さい場合に、そこでは必然的に電力損失が生じるととも
に、電力効率が低下する。そして、この電力損失はマッ
チング用並列コイル20の発熱量と等価であるから、放
電コイル用マッチング回路10内の温度上昇を招くこと
になるという問題があった。
【0021】本発明は、上記従来の問題点に鑑み、マッ
チング用並列コイルとして特にインピーダンスの虚数成
分が小さいコイルを用いる必要がないか、又はマッチン
グ用並列コイルを必要とせず、したがって電力効率の低
下が小さく、放電コイル用マッチング回路の温度上昇が
小さい誘導結合方式プラズマ処理装置を提供することを
目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本願の第1発明のプラズ
マ処理装置は、真空容器と、基板電極と、放電コイル
と、高周波電源と、放電コイルに導線にて接続され高周
波電源に接続ケーブルにて接続されたマッチング回路と
を備え、放電コイルに高周波電圧を印加することにより
真空容器内にプラズマを発生させて基板電極上の基板を
処理するプラズマ処理装置において、放電コイルをその
一部又は全部を多重の渦形に形成すると共に、放電コイ
ルの中心側の上記放電コイルを構成する導線の互いに隣
合う間隔が、放電コイルの周辺部の放電コイルを構成す
る導線の互いに隣合う間隔より大きいように構成し、か
つ前記放電コイルの中心側を前記高周波電源に接続し、
周辺側を接地するように構成したことを特徴とする。
【0023】本願の第2発明のプラズマ処理装置は、真
空容器と、基板電極と、放電コイルと、高周波電源と、
放電コイルに導線にて接続され高周波電源に接続ケーブ
ルにて接続されたマッチング回路とを備え、放電コイル
に高周波電圧を印加することにより真空容器内にプラズ
マを発生させて基板電極上の基板を処理するプラズマ処
理装置において、放電コイルをその一部又は全部を多重
の渦形に形成すると共に、放電コイルの中心側の上記放
電コイルの中心側の上記放電コイルを構成する導線の互
いに隣合う間隔が、放電コイルの周辺側の放電コイルを
構成する導線の互いに隣合う間隔より大きいように構成
し、かつ前記放電コイルの中心側を前記高周波電源に接
続し、周辺側を接地するように構成し、さらに前記放電
コイルを釣り鐘形の立体的構造に形成したことを特徴と
する。
【0024】本願の第1発明によれば、放電コイルの一
部又は全部が多重の渦形であるため、放電コイルのイン
ピーダンスを小さくすることができ、その結果特にイン
ピーダンスの虚数成分が小さいマッチング用並列コイル
を用いなくてもマッチングをとることができる。また本
願の第1発明によれば、放電コイルの中心側の上記放電
コイルを構成する導線の互いに隣合う間隔が、放電コイ
ルの周辺側の放電コイルを構成する導線の互いに隣合う
間隔より大きいようにしているので、プラズマ密度の基
板面内の分布を著しく向上させることができる。したが
って、本願の第1発明によれば、電力効率の低下が小さ
く、プラズマ密度の基板面内の分布が良好で、放電コイ
ル用マッチング回路の温度上昇が小さい誘導結合方式プ
ラズマ処理装置を提供することができる。
【0025】本願の第2発明によれば、放電コイルの一
部又は全部が多重の渦形であるため、放電コイルのイン
ピーダンスを小さくすることができ、その結果特にイン
ピーダンスの虚数成分が小さいマッチング用並列コイル
を用いなくともマッチングをとることができる。また本
願の第2発明によれば前記放電コイルを釣り鐘形の立体
的構造に形成しているので、放電コイルの外径を一定範
囲内におさめることができながら、均一なプラズマを発
生させることができる。したがって、本願の第2発明に
よれば、電力効率の低下が小さく、放電コイルの外径が
小でありながらプラズマ発生密度の均一性が良好で、放
電コイル用マッチング回路の温度上昇が小さい誘導結合
方式プラズマ処理装置を提供することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、第1の実施形態のプラズマ
処理装置について図1と図8を参照して説明する。な
お、プラズマ処理装置の全体構成は、従来例について図
8を参照して説明したものと同一であり、その説明を援
用してここでの説明を省略する。
【0027】本実施形態では、図8の放電コイル31の
代わりに図1に示すように、多重渦形の放電コイル1を
用いている。この放電コイル1は4つの渦形の放電コイ
ル(導線)1aを中心部で1つに結合して周方向に等間
隔に配列したものであり、中心部が高周波電源9に接続
され、外周端がそれぞれ接地されている。
【0028】このように構成されたプラズマ処理装置に
おいて、アルゴン流量30SCCM、圧力10mTor
r、放電コイル用高周波電源9及び基板電極用高周波電
源6の周波数はともに13.56MHz、投入電力がそ
れぞれ1000W、300Wのときの放電コイル1のイ
ンピーダンスを測定すると、1.5Ω+j51Ωであっ
た。なお、放電コイル用接続ケーブル11は、特性イン
ピーダンス50Ωのものを使用したので、放電コイル1
のインピーダンスの虚数成分は放電コイル用接続ケーブ
ル11の特性インピーダンスにほぼ等しい。従って、図
11のスミスチャートから明らかなように、マッチング
用並列コイル20を用いなくてもマッチングをとること
ができ、しかも十分なマッチングに対するマージンを確
保できる。また、プラズマ密度の面内均一性も、直径1
50mm内において3%以下で、プラズマ密度としても従
来例で示した平板型放電コイル31(図14)の場合と
大差なかった。従来例で示した平板型放電コイル31の
場合では、放電コイルのインピーダンスの虚数成分は9
4Ωであったから、この実施形態では従来例と比較して
同等のプラズマが得られている一方で、放電コイルのイ
ンピーダンスの虚数成分を54%に抑えることができた
ことになる。
【0029】また、放電コイル用高周波電源9の周波数
を40MHzに変えて実験を行ったところ、従来の渦形
放電コイル31の場合にはマッチング用並列コイル20
無しではマッチングがとれなかったが、多重渦形放電コ
イル1ではそのインピーダンスの虚数成分は150Ω
(=50Ω×3)であるから、マッチング用並列コイル
20を用いずにマッチングをとることができた。より広
いマッチングに対するマージンを確保するために、マッ
チング用並列コイル20を用いてもよいが、同程度のマ
ージン確保に必要となるマッチング用並列コイル20の
インピーダンスは多重渦形放電コイル1を用いた方がは
るかに大きくて済むため、マッチング用並列コイル20
での電力損失もはるかに小さくて済む。なお、多重渦形
放電コイル1のインピーダンスの虚数成分が250Ω
(=50Ω×5)になるのは電源周波数が67MHzの
場合であるから、マージンを無視すれば、60MHz程
度以下の周波数に対しては、図1の多重渦形放電コイル
1でマッチング用並列コイル20無しでのマッチングが
可能である。
【0030】図1では放電コイルの中心A0 を通る直線
が、放電コイル1を構成する導線(放電コイル1a)と
交点A1 ,A2 ,A3 ,・・・,An で交差し、中心A
0 と交点A1 との間の間隔が他の交点A1 ,A2
3 ,・・・,An 間の間隔のいずれよりも大きくなっ
ている。このように構成すれば、そうでない場合に比べ
て、プラズマ密度の基板面内の分布を著しく向上させる
ことができる。すなわち、このような効果を達成するた
めに、放電コイルの中心側の上記放電コイルを構成する
導線の互いに隣合う間隔が、放電コイルの周辺側の放電
コイルを構成する導線の互いに隣合う間隔より大きいよ
うに構成しているのである。
【0031】次に、第2の実施形態のプラズマ処理装置
について図2と図9を参照して説明する。なお、プラズ
マ処理装置の全体構成は、従来例について図9を参照し
て説明したものと同一であり、その説明を援用してここ
での説明を省略する。
【0032】本実施形態では、図9の放電コイル32の
代わりに図2に示すように、多重螺旋形の放電コイル2
を用いている。この放電コイル2は4つの螺旋形の放電
コイル2aを周方向に等間隔に配列し、それらの両端が
環状コイル2b、2cに接続され、一方の環状コイル2
bが高周波電源9に接続され、他方の環状コイル2cが
接地されている。
【0033】このように構成されたプラズマ処理装置に
おいて、アルゴン流量30SCCM、圧力10mTor
r、放電コイル用高周波電源9及び基板電極用高周波電
源6の周波数はともに13.56MHz、投入電力がそ
れぞれ1000W、300Wのときの放電コイル2のイ
ンピーダンスを測定すると、1.8Ω+j79Ωであっ
た。なお、放電コイル用接続ケーブル11は、特性イン
ピーダンス50Ωのものを使用したので、放電コイル2
のインピーダンスの虚数成分は放電コイル用接続ケーブ
ル11の特性インピーダンスの1.6倍である。従っ
て、図11のスミスチャートから明らかなように、マッ
チング用並列コイル20を用いなくてもマッチングをと
ることができ、しかも十分なマッチングに対するマージ
ンを確保できる。プラズマ密度としても従来例で示した
円筒型放電コイル32の場合と大差なかった。従来例で
示した円筒型放電コイル32の場合では、放電コイルの
インピーダンスの虚数成分は150Ωであったから、こ
の実施形態では従来例と比較して同等のプラズマが得ら
れている一方で、放電コイルのインピーダンスの虚数成
分を53%に抑えることができたことになる。
【0034】また、放電コイル用高周波電源9の周波数
を27MHzに変えて実験を行ったところ、従来の円筒
型放電コイル32の場合にはマッチング用並列コイル2
0無しではマッチングがとれなかったが、多重螺旋形放
電コイル2ではそのインピーダンスの虚数成分は158
Ω(=50Ω×3.2)であるから、マッチング用並列
コイル20を用いずにマッチングをとることができた。
より広いマッチングに対するマージンを確保するため
に、マッチング用並列コイル20を用いてもよいが、同
程度のマージン確保に必要となるマッチング用並列コイ
ル20のインピーダンスは多重螺旋形放電コイル2を用
いた方がはるかに大きくて済むため、マッチング用並列
コイル20での電力損失もはるかに小さくて済む。な
お、多重螺旋形放電コイル2のインピーダンスの虚数成
分が250Ω(=50Ω×5)になるのは電源周波数が
43MHzの場合であるから、マージンを無視すれば、
40MHz程度以下の周波数に対しては、図2の多重螺
旋形放電コイル2でマッチング用並列コイル20無しで
のマッチングが可能である。
【0035】上記各実施形態において、放電コイルの形
状はこれらに限定されるものではない。例えば、渦形コ
イル、螺旋形コイルの多重度は4でなくてもよく、何重
であってもかまわない。多重度が高いほど放電コイルの
インピーダンスは小さくできるため、より大きな処理面
積への対応、より高い電源周波数への対応が可能とな
る。また、放電コイルが多重の渦形、あるいは多重の螺
旋形であるのは、必ずしも放電コイル全部である必要は
ない。図3、図4、図5、図6に示すような放電コイル
の一部が多重の渦形、あるいは多重の螺旋形であっても
よい。
【0036】図3の例では、中心部が多重渦形コイル1
にて構成され、各渦形コイル1aの外端が環状コイル1
bに接続され、その外側に通常の渦形コイル1cが接続
されている。図4の例では外周部が多重渦形コイル1に
て構成され、各渦形コイル1aの内周端が環状コイル1
dに接続され、その内側に通常の渦形コイル1eが接続
されている。
【0037】図5の例では、多重螺旋形コイル2の下部
に通常の螺旋形コイル2dが接続されている。図6の例
では多重螺旋形コイル2の上部と下部の両方に通常の螺
旋形コイル2d、2eが接続されている。
【0038】図1の放電コイル1では、同一形状の4つ
の渦形の導線1a,・・・,1aの中心側の端部を互い
に90度の角度をなすように中心A0 で接続し、放電コ
イル1は中心に対して対象になっているが、この構成に
限ることはない。すなわち、例えば、図16に示すよう
に、異なる形状を持つ渦形の導線101a、101b、
101c、101dを放電コイル101の中心で接続す
るようにしてもよい。
【0039】また、図17に示すように、導線102
a、102b、102c、102dの中心側の端部を互
いに放電コイル102の中心で任意の角度で接続するよ
うにしてもよい。これらの放電コイル101、102は
中心に対して非対称になっている。さらに、図18、図
19に示すように、多重の渦形に形成された放電コイル
103を釣り鐘形の立体的構造に構成するようにしても
よい。このように構成することにより、放電コイル10
3の外径を一定範囲内におさめることができながら、均
一なプラズマを発生させることができるという効果も生
ずる。
【0040】また、本発明において、放電コイルの導線
の数は4本に限定されるものではなく、2本にしてもよ
い。また、放電コイルの外周端を接地するものに限ら
ず、中心端を接地してもよい。
【0041】
【発明の効果】本願の第1発明のプラズマ処理装置によ
れば、電力効率の低下が小さく、プラズマ密度の基板面
内の分布が良好で、放電コイル用マッチング回路の温度
上昇が小さい誘導結合方式プラズマ処理装置を提供する
ことができる。
【0042】また、本願の第2発明のプラズマ処理装置
によれば、電力効率の低下が小さく、放電コイルの外径
が小でありながらプラズマ発生密度の均一性が良好で、
放電コイル用マッチング回路の温度上昇が小さい誘導結
合方式プラズマ処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるプラズマ処理装置の放
電コイル形状を示す平面図である。
【図2】第2の実施形態におけるプラズマ処理装置の放
電コイル形状を示す斜視図である。
【図3】他の形態の放電コイル形状を示す平面図であ
る。
【図4】さらに別の形態の放電コイル形状を示す平面図
である。
【図5】さらに別の形態の放電コイル形状を示す斜視図
である。
【図6】さらに別の形態の放電コイル形状を示す斜視図
である。
【図7】従来例の平行平板型のプラズマ処理装置の構成
図である。
【図8】従来例の平板型高周波誘導結合方式プラズマ処
理装置の構成図である。
【図9】従来例の円筒型高周波誘導結合方式プラズマ処
理装置の構成図である。
【図10】代表的な放電コイル用マッチング回路の構成
図である。
【図11】図10のマッチング回路の整合範囲を示すス
ミスチャートである。
【図12】マッチング用並列コイルを用いた放電コイル
用マッチング回路の構成図である。
【図13】従来例の放電コイルの詳細を示す平面図であ
る。
【図14】他の従来例の放電コイルの詳細を示す平面図
である。
【図15】さらに別の従来例の放電コイルの詳細を示す
平面図である。
【図16】本発明の他の実施形態におけるプラズマ処理
装置の放電コイル形状を示す平面図である。
【図17】他の実施形態におけるプラズマ処理装置の放
電コイル形状を示す平面図である。
【図18】他の実施形態におけるプラズマ処理装置を示
す斜視図である。
【図19】図18のプラズマ処理装置の放電コイルの側
面図である。
【符号の説明】
1、101、102、103 多重渦形の放電コイル 1a 導線 3 真空容器 4 基板電極 5 基板 9 放電コイル用高周波電源 10 放電コイル用マッチング回路 11 放電コイル用接続ケーブル 12 導線 20 マッチング用並列コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05H 1/46 H05H 1/46 L (56)参考文献 特開 平8−227878(JP,A) 特開 平7−130491(JP,A) 特開 平6−267903(JP,A) 特開 平2−235332(JP,A) 特開 平4−901(JP,A) 米国特許5401350(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 C23C 16/56 C23F 4/00 H01L 21/203 H01L 21/205 H05H 1/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器と、基板電極と、放電コイル
    と、高周波電源と、放電コイルに導線にて接続され高周
    波電源に接続ケーブルにて接続されたマッチング回路と
    を備え、放電コイルに高周波電圧を印加することにより
    真空容器内にプラズマを発生させて基板電極上の基板を
    処理するプラズマ処理装置において、放電コイルをその
    一部又は全部を多重の渦形に形成すると共に、放電コイ
    ルの中心側の上記放電コイルを構成する導線の互いに隣
    合う間隔が、放電コイルの周辺側の放電コイルを構成す
    る導線の互いに隣合う間隔より大きいように構成し、か
    つ前記放電コイルの中心側を前記高周波電源に接続し、
    周辺側を接地するように構成したことを特徴とするプラ
    ズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 真空容器と、基板電極と、放電コイル
    と、高周波電源と、放電コイルに導線にて接続され高周
    波電源に接続ケーブルにて接続されたマッチング回路と
    を備え、放電コイルに高周波電圧を印加することにより
    真空容器内にプラズマを発生させて基板電極上の基板を
    処理するプラズマ処理装置において、放電コイルをその
    一部又は全部を多重の渦形に形成すると共に、放電コイ
    ルの中心側の上記放電コイルの中心側の上記放電コイル
    を構成する導線の互いに隣合う間隔が、放電コイルの周
    辺側の放電コイルを構成する導線の互いに隣合う間隔よ
    り大きいように構成し、かつ前記放電コイルの中心側を
    前記高周波電源に接続し、周辺側を接地するように構成
    し、さらに前記放電コイルを釣り鐘形の立体的構造に形
    成したことを特徴とするプラズマ処理装置。
JP25855795A 1995-09-14 1995-10-05 プラズマ処理装置 Expired - Lifetime JP3165356B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/528,164 US5558722A (en) 1994-09-14 1995-09-14 Plasma processing apparatus
US08/528164 1995-09-14

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0982692A JPH0982692A (ja) 1997-03-28
JP3165356B2 true JP3165356B2 (ja) 2001-05-14

Family

ID=24104505

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25855795A Expired - Lifetime JP3165356B2 (ja) 1995-09-14 1995-10-05 プラズマ処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3165356B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3658922B2 (ja) * 1997-05-22 2005-06-15 松下電器産業株式会社 プラズマ処理方法及び装置
JP3296292B2 (ja) 1998-06-26 2002-06-24 松下電器産業株式会社 エッチング方法、クリーニング方法、及びプラズマ処理装置
US6229264B1 (en) * 1999-03-31 2001-05-08 Lam Research Corporation Plasma processor with coil having variable rf coupling
JP3670208B2 (ja) 2000-11-08 2005-07-13 アルプス電気株式会社 プラズマ処理装置,プラズマ処理システムおよびこれらの性能確認システム,検査方法
JP3670209B2 (ja) * 2000-11-14 2005-07-13 アルプス電気株式会社 プラズマ処理装置の性能評価方法、保守方法、性能管理システム、及び性能確認システム、並びにプラズマ処理装置
US7571697B2 (en) 2001-09-14 2009-08-11 Lam Research Corporation Plasma processor coil
KR20080100617A (ko) * 2007-05-14 2008-11-19 네스트 주식회사 플라즈마 소스 및 이를 이용한 플라즈마 챔버

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0982692A (ja) 1997-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3105403B2 (ja) プラズマ処理装置
JP4646272B2 (ja) プラズマ加工装置
JP3090615B2 (ja) 誘導プラズマ発生装置および容量結合を与える方法
JP3905502B2 (ja) 誘導結合プラズマ発生装置
US6288493B1 (en) Antenna device for generating inductively coupled plasma
US7135089B2 (en) Method and apparatus for plasma processing
US6474258B2 (en) Apparatus and method for improving plasma distribution and performance in an inductively coupled plasma
JP4896164B2 (ja) プラズマ処理装置
EP1204134B1 (en) RF plasma processor
JP2002510841A (ja) 並列アンテナ・トランスフォーマー・カップルド・プラズマ発生システム
US20040255864A1 (en) ICP antenna and plasma generating apparatus using the same
US20020170677A1 (en) RF power process apparatus and methods
US20030057845A1 (en) Plasma processing apparatus
US6077402A (en) Central coil design for ionized metal plasma deposition
JP3165356B2 (ja) プラズマ処理装置
KR100824974B1 (ko) 플라즈마 처리장치의 안테나
JP2005135907A (ja) プラズマ発生用アンテナおよびこれを有するプラズマ処理装置
JP3410558B2 (ja) プラズマ処理装置
TW200409567A (en) Simultaneous discharging apparatus
WO2008031321A1 (fr) Bobine de couplage inductif et appareil au plasma à couplage inductif correspondant
JP4283360B2 (ja) プラズマ処理装置
JP3658922B2 (ja) プラズマ処理方法及び装置
JP3736016B2 (ja) プラズマ処理方法及び装置
JP3368806B2 (ja) プラズマ処理方法及び装置
KR100464808B1 (ko) 다중 유도 결합 플라즈마 인덕터

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080302

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090302

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100302

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110302

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120302

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130302

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130302

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140302

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term