JP3165284B2 - 繊維用処理剤 - Google Patents
繊維用処理剤Info
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Description
に関する。更に詳しくは、紡糸−延伸時に発煙、タール
化が極めて少く、製糸性に優れ、且つ整経、製織、製編
等の後加工の各工程におけるガイド、ローラ、コーム、
編針等の繊維糸条が接触する部分でのスカム(オリゴマ
ー)が極めて少い長期貯蔵安定性が優れたポリアミド繊
維用処理剤に関する。
撚、整経、製編、製織等の後加工の各工程を円滑に進め
る為、紡糸工程で繊維用処理剤が付与される。近年、生
産性向上を目的として繊維糸条はますます高速で製糸さ
れ、高熱で処理されるようになってきた。そのため潤滑
性が良好で、且つヒータ上で発煙、タール化が少い耐熱
性に優れた処理剤が強く要望されてきた。
エマルションにて紡糸工程で繊維に付与され、続いて第
一ゴデットローラと第二ゴデットローラ間で適正延伸倍
率で延伸されて巻取られるスピンドロー方式か、或いは
延伸される事なくそのまま巻取られる高速紡糸方式によ
って合成繊維の高速生産が達成されているのが現状であ
る。
エマルション中の水は巻取りまでの途中の工程で、空気
流、或いは加熱されたゴデットローラによって殆ど揮発
する。水が揮発する途中過程で、繊維上に付着した処理
剤エマルションはO/W(Oil in Water)型エマルショ
ンからW/O(Water in Oil)型エマルションへ相転換
を起こす。O/W型からW/O型へ転相が起る領域で、
通常の繊維処理剤はエマルション粘度が極端に上昇す
る。転相粘度が高い繊維処理剤は、製糸プロセス中のガ
イド、インタレーサ、ゴデットローラ上に濃縮化された
繊維処理剤エマルションがスカムとなって蓄積し易い。
蓄積したスカムは製糸工程での走行糸の張力変動、ロー
ラ巻付きを起こし、断糸、毛羽の原因となり製糸性を著
しく悪化するので転相粘度は極力低い方が望ましい。
の配向がよりルーズな繊維糸条が生産されるようになっ
たため、貯蔵中に大気中の水分が配向のルーズな非晶部
分を通して繊維内部に浸透し、繊維内部のオリゴマーを
抽出して繊維表面に析出させる為、整経、製織、製編等
の後加工工程で繊維糸条が接触するガイド、ローラ、コ
ーム、編針等にスカム(オリゴマー)が生成蓄積して、摩
擦上昇、張力変動等を惹起し、毛羽発生、糸切れ等のト
ラブルが発生するようになってきた。
アミド繊維生産工程のヒータ上での発煙、タール化が極
めて少く、製糸性に優れ、且つ長期貯蔵中のポリアミド
繊維のオリゴマー(スカム)析出を防止する処理剤を提供
する事にある。
50〜1000のエステル成分30〜70重量%、(2)
脂肪族ポリアミンと総炭素数12〜50の脂肪族二塩基
酸とのアマイド0.2〜10重量%、(3)分子中にカル
ボキシル基を少くとも1ケ以上有する分子量200以下
の化合物のアルカリ金属塩0.2〜3重量%、及び(4)
アルキレン基の炭素数が2〜4のポリオキシアルキレン
変性シリコーン0.1〜3重量%を含有するポリアミド
繊維処理剤に関する。
ルステアレート、オレイルオレエート、イソステアリル
オレエート、オレイルラウリルチオプロピオネート等の
脂肪族1価アルコールと脂肪族一塩基酸のエステル、ジ
オレイルアジペート、ジオレイルチオジプロピオネート
等の脂肪族1価アルコールと脂肪族二塩基酸のエステ
ル、1,6ヘキサンジオールジオレエート、ネオペンチ
ルグリコールジオレエート、チオジグリコールジオレエ
ート、トリメチロールプロパントリラウレート、ヤシ
油、ナタネ油等の多価アルコールと脂肪族一塩基酸のエ
ステル、POEアルキル(C12,C14)エーテルオクタネ
ート、POEオレイルエーテルラウレート等のPOEア
ルキルエーテルと脂肪族一塩基酸のエステル、POEア
ルキルフェノールオレエート、POEビスフェノールA
ジラウレート等の芳香族エステル等で、好ましくは脂肪
族一価アルコールと脂肪族一塩基酸のエステルである。
0、より好ましくは450〜800である。製糸工程の
熱処理温度によっても異なるが、エステルの分子量が4
50未満の場合は発煙が著しく増加する。エステルの分
子量が1000を越えると潤滑性が悪化し、製糸性およ
び後加工性が悪化し、好ましくない。
は30〜70重量%、より好ましくは50〜65重量%
である。30重量%未満の場合は潤滑性が悪化し、70
重量%を越える場合は乳化性が悪化し、好ましくない。
炭素数12〜50の脂肪族二塩基酸とのアマイドの分子
量は500〜4000、より好ましくは700〜300
0である。
アルキレン基を有するポリアミン、例えばエチレンジア
ミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ドデカンジアミン等のアルキレンジアミン、ジエチ
レントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチ
レンヘキサミン等の分子内にアミノ基を有するポリアル
キレンポリアミン、又はオリゴ又はポリエチレンイミン
等が挙げられる。フェニレンジアミンのごとき芳香族ア
ミンでもよいが、より好ましくは脂肪族アミン、特にジ
アミンである。ジアミンのアルキレン基の炭素数は2〜
20、より好ましくは3〜10である。
の例は、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ペン
タエチレンヘキサミン等である。本発明に用いられる脂
肪族二塩基酸は、総炭素数12〜50の二塩基酸であっ
て、例えばドデカメチレンジカルボン酸、オクタデカメ
チレンジカルボン酸等のアルキレンジカルボン酸、ドデ
セニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸等のアルケニ
ルコハク酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸を2量化した
ダイマー酸等が挙げられる。特に好ましくは、不飽和脂
肪酸を2量化したダイマー酸のごとき比較的大きい分子
量を有する二塩基酸であって、分子量は300〜100
0が特に好ましい。これ等の二塩基酸は2種以上を併用
してもよい。
0、より好ましくは700〜3000に分子量を制御す
るには二塩基酸を化学量論的に過剰に用い、1分子中に
少くとも1個より多くの通常2個のカルボキシル基を残
存させるような比率で用いて、公知の方法で80〜20
0℃で反応すればよい。
ジアマイド、トリアマイド、テトラアマイド、ペンタア
マイド、ヘキサアマイド、ヘプタアマイド等と未反応二
塩基酸の混合物である。ポリアミンと二塩基酸の反応当
量比の違いによって、各々の生成割合は異なってくる。
ペンタアマイド、ヘキサアマイド、ヘプタアマイド等の
ポリアミドは繊維用処理剤を構成する他の成分との相溶
性が悪く、且つ粘着性を有しているため、粘着性に起因
するトラブルが発生し易いので、これ等のポリアミドの
生成を極力抑える必要がある。これ等のポリアミドの副
生を抑える方法について検討した結果、脂肪族ポリアミ
ンに対して脂肪族二塩基酸を3当量以上の割合で用いて
反応すると、油剤相溶性が悪く、粘着性を有するペンタ
アマイド、ヘキサアマイド、ヘプタアマイド等のポリア
マイドは生成しない事が判明した。
反応当量比は、脂肪族ポリアミン/脂肪族二塩基酸=1
/3〜1/10である。特に好ましいのは1/3〜1/
8である。脂肪族ポリアミンに対して脂肪族二塩基酸が
3当量より少い場合は、油剤相溶性が悪く、粘着性を有
するペンタアマイド、ヘキサアマイド、ヘプタアマイド
が副生する。又脂肪族二塩基酸が10当量より多い場合
は、ポリアミド繊維のオリゴマー析出防止効果が十分で
ない。
アマイドの副生を抑制するため常法手段である脂肪族モ
ノアミン、もしくは脂肪族一塩基酸を脂肪族ポリアミン
と脂肪族二塩基酸の系に少量共存させて反応しても構わ
ない。
めポリアミド分子内に未反応遊離カルボキシル基が生成
する。この遊離カルボキシル基は中和しなくともよいが
必要により部分的にまたは完全に中和してもよい。塩と
しては特に限定的ではないがアルカリ金属塩、低級アミ
ン塩、アンモニウム塩等が例示される。
脂肪族二塩基酸を反応して得られるアマイド化合物の配
合量は0.2〜10重量%が適当である。0.2重量%未
満ではポリアミド繊維のオリゴマー析出防止効果が十分
でなく、10重量%を越えると油剤相溶性が悪化し且つ
潤滑性も悪化する。
基を1ケ以上有する分子量200以下の化合物のアルカ
リ金属塩は、処理剤エマルションの転相粘度を低下する
目的で使用するものであって、具体的には酢酸カリ、プ
ロピオン酸カリ、ザルコシン酸ソーダ、マロン酸カリな
どの低級アルキル基を有するカルボン酸のアルカリ金属
塩である。
理剤の転相粘度を低下する効果が十分でない。その配合
量は0.2〜3重量%の範囲内が適当である。0.2重量
%未満では転相粘度低下効果が不十分で、3重量%を越
えると潤滑性が悪化する為好ましくない。
基の炭素数が2〜4のポリオキシアルキレン変性シリコ
ーンを含む。仮撚加工等の熱処理工程で、繊維糸条から
ヒータ上に脱落した処理剤がヒータ上に長時間滞留して
いる間に熱分解、熱重合してタールが生成蓄積する。通
常の処理剤はヒータ上に脱落した後、糸道部分からハミ
出してそのままヒータ上で長時間加熱されるためにター
ル化が著しく速く進行するが、アルキレン基の炭素数が
2〜4のポリオキシアルキレン変性シリコーンを処理剤
中に少量添加するとヒータ上で低表面張力の変性シリコ
ーン膜が形成される為、ヒータ上に脱落した処理剤のは
み出しが糸道部分内に抑えられる為、後続の走行糸によ
って随時清掃される。その結果脱落油剤が長時間ヒータ
上で滞留することがないので、タールの生成蓄積は極め
て減少する。
ポリオキシアルキレン変性シリコーンは分子量が700
〜10000であって、水溶性を示すものである。アル
キレン基の炭素数が2〜4のポリオキシアルキレンとは
エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキ
シドを単独付加重合又は共付加重合したものである。特
に好ましいのはポリオキシエチレン変性シリコーンであ
る。ポリオキシアルキレン変性シリコーンの添加量は
0.1〜3重量%、特に好ましいのは0.2〜1重量%が
好ましい。ポリオキシアルキレン変性シリコーンの添加
量が0.1重量%未満ではタール化抑制効果が不十分で
あり、3重量%を越えてもタール化抑制効果は、更には
向上しない。
分、例えば乳化剤、浸透剤、酸化防止剤、帯電防止剤等
を配合してもよい。
ミド繊維糸条生産工程における発煙の著しい減少による
作業環境の改善、及びヒータ汚れ減少と製糸性の向上に
よる生産性、糸品質の改善ができる。且つ、本処理剤で
処理されたアミド繊維は長期貯蔵中においてもオリゴマ
ー析出がない事から、カバリング、整経、製編、製織等
の後加工工程での操業性を著しく向上できる。
ルションでローラオイリング、ガイドオイリング等で給
油するのが適しており、給油量は0.3〜1.5重量%と
するのが特に好適である。以下実施例により本発明を説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
て、固型分付着量が1.0%になるようにガイドオイリ
ング装置を用いてナイロン6.6に付与し、直接紡糸−
延伸機(スピンドロー)で1Stゴデットローラ温度、室
温、2ndゴデットローラ温度180℃で巻取速度500
0m/minで20d/10fの糸条を10日間連続製糸し
た。
タール化状態をチェックした結果、毛羽、断糸の発生状
況、及びこの糸条を加速経時処理(50℃×90%RH
雰囲気中に2週間放置)した後走行糸のスカム(オリゴマ
ー析出)を次の方法でチェックした結果を表2に示す。
発生する煙の量を肉眼で判定した。 (2)タール化 10日間連続製糸後、2ndゴデットローラ(温度180
℃)上の汚れを肉眼で判定した。 (3)断 糸 各処理剤で10日間連続製糸した時の糸切れ回数を1日
当りの糸切れ回数に換算した値。 (4)毛 羽 各処理剤付着糸を1億万m走行させ、毛羽カウンターで
毛羽数をチェックし百万m当りに換算した値。 (5)加速経時処理糸スカム 糸条を50℃×90%RH雰囲気中に2週間放置した
後、梨地ワッシャを介して200m/分で10分間黒ビ
ロード上を接触走行させ、黒ビロード上に蓄積するスカ
ム量を肉眼で観察して、走行糸のスカム(オリゴマー析
出)を判定した。
と、発煙、タール化が著しく少なく、製糸性が良好で
(断糸、毛羽の発生が少なく)、加速経時処理後のスカム
(オリゴマー析出)の発生が少ないことが観察される。
製糸工程での発煙減少による作業環境の改善、タール化
減少によるローラ汚れ清掃周期の延長、断糸、毛羽減少
による操業性と糸条品質の向上、及び貯蔵中のオリゴマ
ー析出が防止される事による後加工工程の操業性の向上
が達成できる。
Claims (7)
- 【請求項1】 下記の成分を必須成分として含有するポ
リアミド繊維用処理剤 (1)分子量が450〜1000のエステル成分30〜7
0重量% (2)脂肪族ポリアミンと総炭素数12〜50の脂肪族二
塩基酸とのアマイド0.2〜10重量% (3)分子中にカルボキシル基を少くとも1ケ以上有する
分子量200以下の化合物のアルカリ金属塩0.2〜3
重量% (4)アルキレン基の炭素数が2〜4のポリオキシアルキ
レン変性シリコーン0.1〜3重量%。 - 【請求項2】 脂肪族ポリアミンが炭素数3〜10のア
ルキレンジアミンである請求項1記載のポリアミド繊維
用処理剤。 - 【請求項3】 アマイド化合物が総炭素数3〜10のア
ルキレンジアミンと総炭素数12〜50の脂肪族二塩基
酸の反応物であって両者の反応当量比が1/3〜1/1
0である請求項1記載のポリアミド繊維用処理剤。 - 【請求項4】 ポリアミド繊維用処理剤がポリアミドマ
ルチフィラメントの製造、及び加工用油剤である請求項
1記載のポリアミド繊維用処理剤。 - 【請求項5】 ポリアミド繊維用処理剤がスピンドロー
(直接紡糸−延伸)用油剤である請求項1記載のポリアミ
ド繊維用処理剤。 - 【請求項6】 ポリアミド繊維用処理剤がエマルション
型処理剤である請求項1記載のポリアミド繊維用処理
剤。 - 【請求項7】 請求項1に記載の処理剤で処理したポリ
アミド繊維。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP14044293A JP3165284B2 (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | 繊維用処理剤 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14044293A JP3165284B2 (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | 繊維用処理剤 |
Publications (2)
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JPH073656A JPH073656A (ja) | 1995-01-06 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14044293A Expired - Fee Related JP3165284B2 (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | 繊維用処理剤 |
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JP (1) | JP3165284B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5911157B1 (ja) * | 2015-09-18 | 2016-04-27 | 松本油脂製薬株式会社 | 合成繊維用処理剤及びその用途 |
-
1993
- 1993-06-11 JP JP14044293A patent/JP3165284B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH073656A (ja) | 1995-01-06 |
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