JP3164423B2 - 新規な光重合性組成物 - Google Patents

新規な光重合性組成物

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JP3164423B2
JP3164423B2 JP17112692A JP17112692A JP3164423B2 JP 3164423 B2 JP3164423 B2 JP 3164423B2 JP 17112692 A JP17112692 A JP 17112692A JP 17112692 A JP17112692 A JP 17112692A JP 3164423 B2 JP3164423 B2 JP 3164423B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光重合性組成物に関
し、さらに詳しくいえばプリント回路基板材料および表
面保護膜、層間絶縁膜材料に用いられ、特に耐アルカリ
性、耐薬品性、耐熱性に優れ、低誘電率材料を与える光
重合性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、プリント基板の製造方法として
は、次の3つのものに大別される。即ち、銅張積層板上
に形成されたレジスト像を保護膜として、エッチング等
により所定の回路を形成していくサブトラクティブ法、
絶縁基板上にレジスト像を形成し、無電解銅メッキを行
い所定の回路を形成していくフルアディティブ法、およ
び両者の中間的手法であるセミアディティブ法である。
これらの中で、現在はサブトラクティブ法が主流をなし
ているが、配線の高密度化、高信頼性の要求が高まり、
さらに高アスペクト比ホール、小径ホール等のスルーホ
ールメッキが難しいという欠点を有し、さらに製造工程
が長く複雑であることからもフルアディティブ法、セミ
アディティブ法が注目されてきている。一方、各々の方
法に応じて多種多様の光硬化レジスト材料が開発されて
きており、印刷回路基板製造用として様々な特性が要求
されている。これら諸特性としては、感度、解像力とい
ったリソグラフィー特性はもとより、耐アルカリ性、耐
薬品性、永久レジスト特性が重要な課題となっている。
【0003】従来、アディティブ法プロセスに用いられ
る光硬化性レジストは十分な性能を有しておらず、無電
解メッキ中にレジスト像の基板からの浮き、剥がれが生
じたり、メッキ後の長時間の保存安定性が無く、クラッ
クや絶縁性の低下が生じたりする問題があり使用に耐え
られるものではなかった。これらの問題に対処するため
に、特開平2−264257号公報においては、不飽和
基を含むポリフェニレンエーテル樹脂と光重合性化合物
からなる光硬化性組成物が開示されているが、光照射時
の不飽和基を含むポリフェニレンエーテル樹脂同志によ
る架橋が十分でなく、耐アルカリ性、耐薬品性、を十分
には引き出せていない。
【0004】一方、ソルダーレジストなどの表面保護膜
や層間絶縁膜は熱硬化による基板への損傷が品質の低下
の原因となり、問題となっていた。更にまた、エポキシ
樹脂などでは、低誘電率が得られず性能向上の妨げとな
っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、アディテ
ィブ法による製造工程においては、耐アルカリ性、耐薬
品性に優れた,耐熱性の良い、光硬化性レジストが求め
られている。また、ソルダーレジスト等の、永久保護膜
としては、加熱硬化により基板に損傷を与えずに耐熱
性、耐薬品性、誘電特性の良好なるものが求められてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決すべ
く鋭意検討を重ねた結果、熱的損傷を与えずに、優れた
耐アルカリ性、耐薬品性、耐熱性、低誘電率を有する光
重合性組成物を見いだし、本発明に至った。すなわち、
本発明は(a)不飽和基を含むポリフェニレンエーテル
樹脂を40重量%以上と、(b)分子中に少なくとも2
つのアジド基を持つ化合物を含んでなる光重合性組成物
であって、該光重合性組成物100重量部中の前記
(b)アジド化合物の配合量が0.5〜30重量部であ
る光重合性組成物である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる不飽和基を含むポリフェニレンエーテル樹脂
は、特開平4−8805号公報に開示されているよう
に、ポリフェニレンエーテル類に対して側鎖として炭素
−炭素二重結合および/または炭素−炭素三重結合を含
む官能基を導入したものである。
【0008】その好適な例としては、例えば次の一般式
(1)で表わされるポリフェニレンエーテル樹脂と一般
式(3)のアルケニルハライドおよび/または一般式
(4)のアルキニルハライドの反応生成物からなる樹脂
であって、 Q−〔J−H〕m (1) 〔式中、mは1〜6の整数であり、Jは次式(2)で表
わされる単位から実質的に構成されるポリフェニレンエ
ーテル鎖であり、
【0009】
【化1】
【0010】Qはmが1のとき水素原子を表わし、mが
2以上のときは一分子中に2〜6個のフェノール性水酸
基を持ち、フェノール性水酸基のオルト位およびパラ位
に重合不活性な置換基を有する多官能性フェノール化合
物の残基を表わす。〕
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】
【0013】(式中、l,kは各々独立に1〜4の整数
であり、X,Yは各々独立に塩素、臭素またはヨウ素で
あり、R1 〜R4 は各々独立に水素、メチル基またはエ
チル基である。)Xおよび/またはY、下記(3′)及
び(4′)式のアルケニル基および/またはアルキニル
基がそれぞれ共有的にポリフェニレンエーテル樹脂に結
合している樹脂を挙げることができる。
【0014】
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】一般式(1)のポリフェニレンエーテル樹
脂について説明すると、Qの代表的な例としては、次の
4種の一般式で表わされる化合物群が挙げられる。
【0017】
【化6】
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】
【化9】
【0021】〔式中、A1 ,A2 は同一または異なる炭
素数1〜4の直鎖状アルキル基を表わし、Xは脂肪族炭
化水素残基およびそれらの置換誘導体、アラルキル基お
よびそれらの置換誘導体、酸素、硫黄、スルホニル基、
カルボニル基を表わし、Yは脂肪族炭化水素残基および
それらの置換誘導体、芳香族炭化水素残基およびそれら
の置換誘導体、アラルキル基およびそれらの置換誘導体
を表わし、Zは酸素、硫黄、スルホニル基、カルボニル
基を表わしA2 と直接結合した2つのフェニル基、A2
とX,A2 とY,A2 とZの結合位置はすべてフェノー
ル性水酸基のオルト位およびパラ位を示し、rは0〜
4、sは2〜6の整数を表わす。〕具体例として、
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】
【化13】
【0026】
【化14】
【0027】等がある。一般式(1)中のJで表わされ
るポリフェニレンエーテル鎖中には、該ポリフェニレン
エーテル樹脂の耐熱性、熱安定性を低下させない限りに
おいて以下(i)〜(iv)に述べる単位または末端基
のうち一種または二種以上が含まれていてもよい。
【0028】(i)次の一般式(5)で表わされる単位
であって一般式(2)以外のもの、
【0029】
【化15】
【0030】〔式中、R5 〜R8 は各々独立に水素、ア
ルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール
基を表わす。〕(ii)次の一般式(6)で表わされる
単位、
【0031】
【化16】
【0032】〔式中、R9 〜R15は各々独立に水素、ア
ルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール
基を表わし、R14 ,15が同時に水素であることはな
い。〕(iii)次の一般式(7)で表わされる末端
基、
【0033】
【化17】
【0034】〔式中、R16〜R20は各々独立に水素、ア
ルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール
基を表わし、R21 ,23は各々独立に水素、アルキル
基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル
基、アリール基、置換アリール基を表わし、Arはアリ
ール基、置換アリール基を表わす。〕(iv)上記式
(2)および一般式(5)〜(7)の単位または末端基
に対し、スチレン、メタクリル酸メチルなどの不飽和結
合を持つ重合性モノマーをグラフト重合させて得られる
単位または末端基。
【0035】一般式(5)の単位の具体例としては、
【0036】
【化18】
【0037】
【化19】
【0038】等が挙げられる。一般式(6)の単位の具
体例としては、
【0039】
【化20】
【0040】等が挙げられる。一般式(7)の末端基の
具体例としては、
【0041】
【化21】
【0042】等が挙げられる。次に、前記一般式(3)
で表わされるアルケニルハライドの具体的な例を挙げる
と、アリルクロライド、アリルブロマイド、アリルアイ
オダイド、4−ブロモ−1−ブテン、トランス−および
/またはシス−1−ブロモ−2−ブテン、トランス−お
よび/またはシス−1−クロロ−2−ブテン、1−クロ
ロ−2−メチル−2−プロペン、5−ブロモ−1−ペン
テン、4−ブロモ−2−メチル−2−ブテン、6−ブロ
モ−1−ヘキセン、5−ブロモ−2−メチル−2−ペン
テン等がある。
【0043】また、前記一般式(4)で表わされるアル
キニルハライドの具体的な例を挙げるとプロパルギルク
ロライド、プロパルギルブロマイド、プロパルギルアイ
オダイド、4−ブロモ−1−ブチン、4−ブロモ−2−
ブチン、5−ブロモ−1−ペンチン、5−ブロモ−2−
ペンチン、1−ヨード−2−ペンチン、1−ヨード−3
−ヘキシン、6−ブロモ−1−ヘキシン等がある。
【0044】これらのアルケニルハライドおよびアルキ
ニルハライドは、一種のみあるいは二種以上をあわせて
用いることができる。本方法に従って製造されるポリフ
ェニレンエーテル樹脂は、少なくとも次の2種ないし3
種の構造式で表わされる単位より構成される。
【0045】
【化22】
【0046】
【化23】
【0047】〔式中、Rは前記アルケニル基(3′)お
よび/またはアルキニル基(4′)を表わす。〕さらに
は上記の他、次の単位を含むこともある。
【0048】
【化24】
【0049】〔式中、Mはハロゲンを表わす。〕上記一
般式(8)に由来するハロゲンの含量は、該ポリフェニ
レンエーテル樹脂を基準として0以上30重量%以下の
範囲であり、より好ましくは0以上20重量%以下の範
囲である。本発明に用いられる不飽和基が導入されたポ
リフェニレンエーテル樹脂中には、必ずしもハロゲンが
含まれる必要はない。しかしながらハロゲンが特に塩
素、臭素である場合には、本発明の硬化性樹脂組成物に
難燃性を付与できるという効果がある。難燃性を付与す
る場合好ましいハロゲンの含量は1重量%以上である。
しかし30重量%を越えるとポリフェニレンエーテル樹
脂自体の熱安定性が低下するので好ましくない。
【0050】上記の方法で得られる不飽和基が導入され
たポリフェニレンエーテル樹脂の好ましい例としては、
以下に述べる樹脂とアリルブロマイド、アリルクロライ
ド、プロパルギルブロマイド、プロパルギルクロライド
の反応生成物からなる樹脂を挙げることができる。すな
わち、2,6−ジメチルフェノールの単独重合で得られ
るポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテ
ル)、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエ
ーテル)のポリスチレングラフト共重合体、2,6−ジ
メチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノール
の共重合体、2,6−ジメチルフェノールと2,6−ジ
メチル−3−フェニルフェノールの共重合体、2,6−
ジメチルフェノールを多官能性フェノール化合物Q−
(H)m (mは1〜6の整数)の存在下で重合して得ら
れた多官能性ポリフェニレンエーテル樹脂、例えば特開
昭63−301222号公報、特開平1−29748号
公報に開示されているような一般式(5)および(6)
の単位を含む共重合体、例えば特開平2−276823
号公報に開示されているような一般式(5)の単位およ
び一般式(7)の末端基を含む樹脂等がある。
【0051】本発明の硬化性樹脂組成物に用いられる不
飽和基を含むポリフェニレンエーテル樹脂の他の例とし
ては、次のような構造式で表わされる繰り返し単位を含
む樹脂を挙げることができる。
【0052】
【化25】
【0053】
【化26】
【0054】〔式中、R24 ,25は各々独立に水素、ア
ルキル基、フェニル基を表わす。〕これらの樹脂の具体
的な例としては、米国特許第3422062号公報に開
示されているような2−アリル−6−メチルフェノール
と、2,6−ジメチルフェノールの共重合体、米国特許
第3281393号公報に開示されているような、2,
6−ジアリル−4−ブロモフェノールと2,6−ジメチ
ル−4−ブロモフェノールの共重合体、特公昭63−4
7733号公報に開示されているような2,6−ジプレ
ニルフェノールと2,6−ジメチルフェノールの共重合
体、同じく2,6−ビス(2−ブテニル)フェノールと
2,6−ジメチルフェノールの共重合体、同じく2,6
−ジシンナミルフェノールと2,6−ジメチルフェノー
ルの共重合体、特開昭58−27719号公報に開示さ
れているような2−プレニル−6−メチルフェノールの
単独重合体、同じく2−プレニル−6−メチルフェノー
ルと2,6−ジメチルフェノールの共重合体、同じく2
−(2−ブテニル)−6−メチルフェノールの単独重合
体、同じく2−(2−ブテニル)−6−メチルフェノー
ルと2,6−ジメチルフェノールの共重合体、同じく2
−シンナミル−6−メチルフェノールの単独重合体、同
じく2−シンナミル−6−メチルフェノールと2,6−
ジメチルフェノールの共重合体等が挙げられる。
【0055】また米国特許第4634742号公報に開
示されたポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン
エーテル)の2,6位のメチル基をビニル基に変換して
得られる樹脂、同じくポリ(2,6−ジメチル−1,4
−フェニレンエーテル)のフェニル基の3,5位にビニ
ル基を導入して得られる樹脂も本発明に用いられる不飽
和基を含むポリフェニレンエーテル樹脂の好ましい例の
一つである。
【0056】本発明において用いられる不飽和基を含む
ポリフェニレンエーテル樹脂の不飽和基の含量の範囲
は、次式の定義に従った場合の0.1モル%以上100
モル%以下、より好ましくは0.5モル%以上50モル
%以下が好適である。 不飽和基の含量=(不飽和基の全モル数)/(フェニル
基の全モル数)×100(モル%) この不飽和基の含量が0.1モル%を下まわると硬化後
の耐薬品性の改善が不十分となるので好ましくない。逆
に100モル%を越えると硬化後において非常に脆くな
るので好ましくない。
【0057】本発明の(a)成分に用いられている不飽
和基が導入されたポリフェニレンエーテル樹脂は、例え
ば特開昭64−69628号公報、特開昭64−696
29号公報、特開平1−113425号公報、特開平1
−113426号公報に開示された方法にしたがい、一
般式(1)で表わされるポリフェニレンエーテル樹脂を
有機金属でメタル化し、続いて一般式(3)で表わされ
るアルケニルハライドおよび/または一般式(4)で表
わされるアルキニルハライドで置換反応することにより
製造することができる。
【0058】また、本発明において用いられる不飽和基
が導入されたポリフェニレンエーテル樹脂の分子量につ
いては特に制限はなく、オリゴマーから高分子量体まで
使用できるが、特に30℃、0.5g/dlのクロロホ
ルム溶液で測定した粘度数ηsp/Cが0.1〜1.0
の範囲にあるものが良好に使用できる。光重合性組成物
中の不飽和基が導入されたポリフェニレンエーテル樹脂
の量は、40重量%以上あることが好ましく、更に好ま
しくは50重量%以上である。40重量%より少なけれ
ば所望の耐アルカリ性、低誘電率が得られない。
【0059】本発明の(b)成分の分子中に少くとも2
つのアジド基をもつ化合物としては、2,6−ビス−4
−アジドベンジリデン−4−メチルシクロヘキサノン、
4,4′−ジアジドカルコン、1,3−ビス−(4′−
アジドベンザル)−アセトン、2,6−ビス−4−アジ
ドベンジリデン−シクロヘキサノン、4,4′−ジアジ
ドスチルベン−2,2′−ジスルホン酸、1,3−ビス
−(4′−アジドベンザル)−2−プロパノン−2′−
スルホン酸、1,3−ビス(4′−アジドベンザル)−
2プロパノン−2,2′−ジスルホン酸、1,3−ビス
−(4′−アジドシンナミリデン)−2−プロパノン、
2,6−ビス−(4′−アジドベンザル)−シクロヘキ
サノン−2,2′−ジスルホン酸、2,6−ビス−
(4′−アジドベンザル)−メチル−シクロヘキサノン
−2,2′−ジスルホン酸などのアジド化合物が挙げら
れる。
【0060】これらアジド化合物の光重合性組成物中の
配合量は、0.5〜30重量部、好ましくは1〜20重
量部である。アジド化合物の添加量が0.5重量部より
少なくては露光後も完全に硬化せず、画像が再現されな
い。また30重量部より多くては、耐薬品性や好ましい
誘電特性が得られない。本発明の光重合性組成物にはそ
の他の光開始剤、増感剤も組み合せて使用しても良い。
光開始剤、増感剤の例としては、ベンゾフェノン、ベン
ジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルア
ミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−
1、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、アンス
ラキノン、チオキサントン、ハロゲン化チオキサント
ン、ジメチルアミノ安息香酸エステルなどが挙げられ
る。これらの光開始剤、増感剤は30重量部以下で使用
する必要があり、30重量部より多く使用すると良好な
耐薬品性が得られない。
【0061】本発明に用いられる光重合性組成物には、
一般的な光重合開始剤によって重合可能な化合物を併用
することができる。具体例としては2−ヒドロキシ−3
−フェノキシプロピルアクリレート、フェノキシテトラ
エチレングリコールアクリレート、1,4−テトラメチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキ
サンジオール(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘ
キサンジオール(メタ)アクリレート、オクタプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロール
(メタ)アクリレート、2−ジ(P−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロールト
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエ
チルトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルト
リ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテルジ(メタ)アクリレート、などの(メタ)ア
クリレート化合物やスチレン、α−メチルスチレン、ジ
ビニルベンゼン、酢酸ビニル、トリアリルイソシアヌレ
ート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート等
があり、これらの中から1種または2種以上を組み合わ
せて用いることができる。光重合性組成物に含有される
これら不飽和化合物の量は40重量部以下であり、好ま
しくは30重量部以下である。
【0062】ポリフェニレンエーテルなどの熱可塑性樹
脂、あるいはエポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬
化性樹脂を1種または2種以上配合することが可能であ
る。光重合性組成物の熱安定性、保存安定性を向上させ
るため、光重合性組成物にラジカル重合禁止剤を含有さ
せることは好ましいことである。例えば、p−メトキシ
フェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチル
アミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、ニ
トロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、2,
6−ジ−tert−ブチル−P−クレゾール、2,2′
−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフ
ェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6
−tert−ブチルフェノール)等がある。
【0063】本発明により開示された光重合性組成物に
は、染料、顔料等の着色物質を含有してもよい。例えば
フクシン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリ
ーン、オーラミン塩基、チタンホワイト、チタンイエロ
ー、カルコキシドグリーンS、パラマジエンタ、クリス
タルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2
B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン、ベイシッ
クブルー20、ダイヤモンドグリーン等がある。
【0064】また光硬化部分を未硬化部分と区別するた
めに、光照射により発色する発色系染料を含有してもよ
い。発色系染料としては、ロイコ染料とハロゲン化合物
の組み合わせが良く知られている。ロイコ染料として
は、例えば、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチル
フェニル)メタン〔ロイコクリスタルバイオレット〕、
トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メ
タン〔ロイコマラカイトグリーン〕等が挙げられる。一
方ハロゲン化合物としては臭化アミル、臭化イソアミ
ル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニル
メチル、臭化ベンザル、臭化メチレン、トリブロモメチ
ルフェニルスルフォン、4臭化炭素、トリス(2,3−
ジブロモプロピル)ホスフェート、トリクロロアセトア
ミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1−
トリクロロ−2,2−ビス(P−クロロフェニル)エタ
ン、ヘキサクロロエタン、等がある。
【0065】また前記光重合性組成物には、必要に応じ
て可塑剤としてジエチルフタレート、ジブチルフタレー
ト、ステアリル酸ブチル、p−メチルスルフォンアミ
ド、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等、チ
キソトロピー剤としてアエロジル(日本アエロジル社
製)等、難燃剤として五酸化アンチモン等を含有しても
よい。
【0066】本発明における光重合性組成物は、溶剤に
より液状とした状態(液状レジスト)でも、また支持体
上に塗布乾燥し光重合性層を形成させた状態(ドライフ
ィルムレジスト)でも使用に供する事ができる。溶液混
合に用いられる溶媒としては、ジクロロメタン、クロロ
ホルム、トリクロロエチレン、などのハロゲン系溶媒や
ベンゼン、トルエン、キシレン、などの芳香族系溶媒や
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、などのケトン系溶媒、さらにまたN−メチルピロリ
ドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、ジメチルスルホキサド、などの非プロトン性極
性溶媒などが単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
用いられる。
【0067】光重合性層の厚みは用途において異なる
が、印刷回路板作製用には5〜100μm、好ましく
は、5〜70μmであり、薄いほど解像力は向上する。
また、厚いほど膜強度が向上する。次に、本発明で開示
された光重合性組成物を用いたフルアディティブ法によ
る印刷回路板の作成工程を簡単に述べるまず液状レジス
トとして用いる場合は、スクリーン印刷機、ロールコー
ター、カーテンコーター、スプレーコーター等により、
無電解メッキ用触媒を塗布してある絶縁基板上に光重合
性組成物の液状レジストをコーティングして加熱乾燥
し、画像形成用基板とする。ドライフィルムレジストと
して用いる場合は、まず必要に応じて保護フィルムを剥
離した後、光重合性組成物層を無電解メッキ用触媒を塗
布してある絶縁基板表面に加熱圧着し積層し、画像形成
用基板とする。
【0068】次に画像形成用基板にマスクフィルムを通
して活性光により画像露光する。次に光重合性層上に支
持フィルムがある場合にはこれを除き、続いて1,1,
1−トリクロロエタン、またはジクロロメタン、トルエ
ン、キシレン等の現像溶剤で未露光部を現像除去する。
次に無電解メッキの前処理を行い、触媒を活性化した
後、無電解メッキを70℃で20時間行い、銅の導体を
形成する。
【0069】
【実施例】以下に実施例により具体的に実施態様を示す
が、これにより本発明を制限するものではない。
【0070】
【実施例1】平均置換率14%、ηsp/C=0.62
(30℃、0.5g/dl、クロロホルム溶液)のアリ
ル基置換ポリフェニレンエーテルを特開昭64−696
29号公報に開示された公知の方法に従ってηsp/C
=0.56のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レンエーテル)より合成した。
【0071】上記アリル基置換ポリフェニレンエーテル
3gと2,6−ビス−4−アジドベンジリデン−4−メ
チルシクロヘキサノン0.5gをクロロホルム25gに
加え、室温で1時間攪拌した。そ後、整面した銅張り積
層板上に上記溶液をナイフエッジにより塗布し、熱風乾
燥器で80℃、2分乾燥し厚さ20μmのフィルムを得
た。
【0072】この光重合性樹脂フィルムを形成した基板
を超高圧水銀灯露光機(オーク社製HMW−201K
B)でテストパターンマスク上から1Jの露光量で露光
した。露光後の基板を1,1,1−トリクロロエタンで
20秒間スプレー現像し、100μmのラインが得られ
た。この硬化物を塩化メチレン中に室温で、24時間浸
漬したが外観上変化は見られなかった。
【0073】またこの硬化物の誘電率、誘電正接を1M
Hzで測定したところ、誘電率2.8、誘電正接2×1
-3であった。
【0074】
【実施例2】実施例1で用いたアリル基置換ポリフェニ
レンエーテル3gと2,6−ビス−4−アジドベンジリ
デン−4−メチルシクロヘキサノン0.5gとベンゾフ
ェノン0.5g、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−
1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チ
バガイギー社製、商標名:イルガキュアー369)0.
5gをクロロホルム25gに加え、室温で1時間攪拌し
た。
【0075】この溶液を、実施例1と同様の方法で基板
上に塗布し、画像形成を行ったところ、100μmの良
好な画像が形成された。この硬化物を塩化メチレン中に
室温で、24時間浸漬したが外観上変化は見られなかっ
た。
【0076】
【実施例3】実施例1で用いたアリル基置換ポリフェニ
レンエーテル3gと2,6−ビス−4−アジドベンジリ
デン−4−メチルシクロヘキサノン0.5gとベンゾフ
ェノン0.5g、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−
1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チ
バガイギイー社製、商標名:イルガキュアー369)
0.5gとジアリルフタレート0.5gをクロロホルム
25gに加え、室温で1時間攪拌した。
【0077】この溶液を、実施例1と同様の方法で基板
上に塗布し、画像形成を行ったところ、100μmの良
好な画像が形成された。この硬化物を塩化メチレン中に
室温で、25時間浸漬したが外観上変化は見られなかっ
た。
【0078】
【実施例4】実施例1で用いたアリル基置換ポリフェニ
レンエーテル3gと4,4−ジアジドカルコン(シンコ
ー技研製、商標名:A−013)0.5gと2−ベンジ
ル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェ
ニル)−ブタノン−1(チバガイギー社製、商標名:イ
ルガキュアー369)0.5gとフタル酸ジアリル0.
5g、ダイヤモンドグリーン0.01gをクロロホルム
25gに加え、室温で1時間攪拌した。
【0079】この溶液を、実施例1と同様の方法で基板
上に塗布し、画像形成を行ったところ、100μmの良
好な画像が形成された。この硬化物を塩化メチレン中に
室温で、24時間浸漬したが外観上変化は見られなかっ
た。
【0080】
【比較例1】ポリメチルメタクリレート樹脂(旭化成
製、商標名:デルペット70N)3gとフタル酸ジアリ
ル1.5g、2,6−ビス−4−アジドベンジリデン−
4−メチルシクロヘキサノン0.5gとベンゾフェノン
0.5g、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバガ
イギー社製、商標名:イルガキュアー369)をクロロ
ホルム25gに加え、室温で1時間攪拌した。
【0081】この溶液を、実施例1と同様の方法で基板
上に塗布し、画像形成を行ったところ、300μmの画
像が形成された。この硬化物を塩化メチレン中に室温
で、1時間浸漬したところ、硬化膜が膨潤し一部溶解し
てしまった。またこの硬化物の誘電率、誘電正接を1M
Hzで測定したところ、誘電率3.8、誘電正接5×1
-3であった。
【0082】
【実施例5】実施例1に示す溶液を調製し、無電解銅メ
ッキ用触媒(商標名:AT−105:上村工業製)を塗
布乾燥したガラス−エポキシ基板に、実施例1と同様の
方法で塗布し、画像形成を行い、評価用基板を得た。こ
の評価用基板を無電解メッキの前処理液(商標名:AL
−106:上村工業製)で処理し、触媒を活性化した後
70℃で20時間無電解銅メッキを行った。無電解メッ
キ液の組成は、次の通りである。
【0083】 純水 72 リットル UM−C(商標名:上村工業製) 9 〃 UM−A( 〃 ) 3.6 〃 UM−D( 〃 ) 4.5 〃 UM−B( 〃 ) 0.72 〃 35%ホルマリン 0.36 〃 メッキ液自動管理装置により、液組成は一定に保たれ
る。
【0084】メッキ後レジストの状態を観察し、以下の
評価基準で無電解メッキ液耐性を判定した。その結果ラ
ンク1であった。 ランク1: 全く異常なし 2: 銅ライン際に、浸込み有り 3: 銅ライン際に、レジストの浮きが見られる 4: 銅ライン際に、レジストの剥がれが見られる 5: レジストが完全に剥がれている
【0085】
【比較例2】比較例1に示す溶液を調製し、実施例5と
同様の方法で塗布し、画像形成を行い、無電解メッキ液
耐性を判定した。その結果ランク5であった。
【0086】
【発明の効果】本発明に開示された新規な光重合性組成
物は、基板に熱的損傷を与えずに良好な画像形成性を有
し、特に無電解メッキ工程において優れたメッキ液耐性
を示し、印刷回路板作製用レジストとして有用である。
耐熱性、耐溶剤性にも優れ、ソルダーマスク、層間絶縁
膜としても使用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−91229(JP,A) 特開 昭60−181741(JP,A) 特開 平1−173028(JP,A) 特開 平1−113425(JP,A) 特開 昭64−69629(JP,A) 特開 昭58−27719(JP,A) 特開 昭56−120729(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/008 G03F 7/004 G03F 7/038 H05K 3/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)不飽和基を含むポリフェニレンエ
    ーテル樹脂を40重量%以上と、(b)分子中に少なく
    とも2つのアジド基を持つ化合物を含んでなる光重合性
    組成物であって、該光重合性組成物100重量部中の前
    記(b)アジド化合物の配合量が0.5〜30重量部で
    ある光重合性組成物。
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