JP3163599U - 改良された糸状水銀ディスペンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】冷陰極蛍光ランプあるいは蛍光ランプの製造時に、ランプ内に投入する水銀量をより精確に制御できかつ粉末損失量が少ない糸状水銀ディスペンサを提供する。【解決手段】糸状ディスペンサ10は適宜金属材料11により形成され、一側に形成されたスリット12、先端に二つの開口13,13’を有し、活性物質の粉末14を収容する。活性物質は、水銀解放のための一つまたはそれ以上の配合物を含み、選択的にゲッタ物質の粉末であってよい。活性物質の粉末14の該糸状ディスペンサへの装填量は、5〜8.5/cm3とする。【選択図】図1

Description

本考案の第一形態は、蛍光ランプ、限定的でないが特に冷陰極蛍光ランプ(CCFL) 内に水銀を分配しかつ投与するための改良装置に関する。
CCFLの製造は、精確な量の水銀の投与を必要とし、蛍光ランプの正確な機能および必要な寿命を補償する十分な量の水銀を投与するニーズ、ならびに水銀使用に関連する環境への影響を軽減すると言う対照的要求に関連した精度を必要とする。
水銀投与を必要とするランプの製法を改良するために種々の問題および技術的要求が生じかつ解決されている。この分野の初期の開発の一つは、500°C未満の温度で相当量の水銀放出を回避するTixZryHgzの開発に通じる、本出願人による1972年に特許されたUSP3657589に記載されたように安全性の問題に関する。
この問題解決後に、続くハードルは、プロセス廃棄を最小限にするために、水銀収量の改良であった。これに関連して、二つの異なる解決策が開発され、その一つはヨーロッパ特許EP737995B1に記載の、一定の添加物(プロモータ)の使用を想定した化学的解決であり、他方の解決策は、ヨーロッパ特許EP981826B1に記載の水銀放出配合物のための容器の適切設計による機械的問題解決である。両特許は本出願人による。
後者の解決策は、広範囲に採用され、今日も多くの水銀ディスペンサが水銀解放(release)配合物の粉末を装填した糸状金属容器により形成され、糸状金属容器は所望長に機械的に切断される。かかる糸状ディスペンサは、蛍光ランプ内に封入して使用されるか、またはヨーロッパ特許、EP981826B1に記載の二重チップ・オフ(double tip-off)法により製造プロセスで使用できる。この考案によれば、ディスペンサを収容する適宜ガラス充填容器がランプの先端に一時的に連結され、ディスペンサが水銀を発射した後に容器は分離されかつ消費ディスペンサは廃棄される。
水銀収量を改良する努力は未だ開発途上にあり、本出願人によるWO2006/08771において、銅を含む適宜三元および四元合金が開示されている。WO2006/08771に開示された水銀解放用の配合物を含む銅の最小限の変更は続く韓国特許899601において説明されている。
この技術的問題を解決する先の試案において、水銀配合物は、代表例として粉末形態であり、解放プロセスを干渉するかまたは蛍光ランプ内で有害作用をする不純物の除去のための適宜ゲッタ(getter)物質が組み合わせて使用される。
化学的または機械的補助解決策により問題解決を図るEP737995B1および981826B1と同様に、若干異なる技術的に進歩した効果が化学的解決でなく物理的解決策の適宜開発により齎されてよい。
かかる試案の一つは、ディスペンサケースの材料および厚みに関し、韓国特許896196に記載されている。
先行解決策のいずれもが、短縮ディスペンサを使用する必要性、改良された製法および装置に関するニーズに関連して発生した新規問題に着目していない。更に具体的には、短縮ディスペンサはランプ内に容易に一体化されるか、または二重チップオフ法の場合に更にコンパクトな充填容器の使用を可能にする利点を提供する。
USP3657589 EP737995B1 EP981826B1 WO2006/08771 韓国特許896196
本考案の課題は、ディスペンサの長さ単位で最高水銀投与を必要とする従来技術に存在する制限を克服することにある。
上記課題を解決するための本考案による手段は、先端に二つの開口を有しかつ粉末状態の活性物質を収容する水銀解放用糸状ディスペンサにおいて、前記ディスペンサに装填される粉末が5から8.5g/cmの範囲で含まれることを特徴とする。
好適形態において、前記粉末装填は6.0から8.5g/cmの範囲である。
好適形態において、糸状ディスペンサは水銀解放粉末およびゲッタ粉末を含む。
好適形態において、前記水銀解放粉末とゲッタ粉末間の重量比は95:5乃至85:15の範囲である。
好適形態において、前記粉末装填は5.4から8g/cmの範囲である。
好適形態において、前記粉末装填は5.4から7.4g/cmの範囲である。
好適形態において、前記水銀解放粉末とゲッタ粉末間の重量比は85:15未満である。
好適形態において、前記粉末装填は5から7.6g/cmの範囲である。
好適形態において、前記粉末装填は5から7g/cmの範囲である。
好適形態において、前記活性物質は水銀およびチタニウムを含有する水銀解放粉末配合物を含む。
好適形態において、前記ディスペンサの長さと最大幅間の比は少なくとも2であり、かつ前記糸状ディスペンサの最大幅は1.5mmである。
好適形態において、前記糸状ディスペンサは側に沿って走るスリットを有する。
好適形態において、前記糸状ディスペンサは不特定長の糸状ディスペンサを機械的に切断することにより形成されている。
本考案は、更に、先端に二つの開口を有しかつ粉末状態の活性物質を収容し、装填される粉末が5から8.5g/cmの範囲で含まれている水銀解放用糸状ディスペンサを使用してランプを製造する方法を提供する。
好適ランプ製法において、前記糸状ディスペンサは封止後に前記ランプ内に維持される。
他の好適ランプ製法において、前記糸状ディスペンサは封止後に前記ランプ内に維持されない。
本考案は、更に、粉末形態の活性物質を含有する水銀解放のための糸状ディスペンサを含み、前記ディスペンサが二つの開口を有する蛍光ランプにおいて、前記ディスペンサにおける粉末装填が5から8.5g/cmの範囲であることを特徴とする蛍光ランプを提供する。
本考案による糸状要素の好適形態を示す。 図1の糸状要素の代表的断面を示す。 本考案を実施するのに適した糸状要素の他の断面を示す。
『糸状ディスペンサ』の用語は、細長い構造を有するディスペンサを意図し、長手とそれを横切る側幅との比が2よりも大きくかつ最高側幅が1.5mm以下であることを意味する。複合断面の場合(例えば、台形)、その比は最大側幅を言う。
好適形態において、糸状要素は側開口を有し、側開口は、代表例として、糸状要素に沿って側方に走るスリットの形態である。かかる好適形態は図1に示され、図1は適宜金属材料11により形成された糸状ディスペンサ10を表し、ディスペンサ10は一側に形成されたスリット12、先端に二つの開口13,13’を有し、活性物質の粉末14を収容する。ここで重要なことは、活性物質の用語は粉末の適宜混合物を意味し、水銀解放のための一つまたはそれ以上の配合物を含み、選択的にゲッタ物質の粉末であってよい。
図1に示された好適形態は、金属構造の側に沿って走るスリット形態の側開口を有し、これは水銀の解放を容易にする利点を有し、他方、水銀は先端の二つの開口からのみ発射され、水銀の効率的解放のため、そしてディスペンサからの水銀の強力な気体状発射(あまりに短い一定時間内)の結果として粒子を損失することを回避するために、注意深い最適活性法が要求される。図1を参照すると、読解を容易にするために、通常、ただし必須でなく、スリットに対応して粉末内に存在する小さい窪みは図1では表現されていないが、他の図に示されている。
活性物質を収容した糸状ディスペンサの好適形態の製法は、代表例として粉末の平面的積層細片上への堆積と投与を含み、続いて細片の両側を折り畳んで、図1に示された側に沿って走るスリットを有する金属構造を形成する。閉鎖構造の場合(先端の開口から離れる)、粉末は、代表例として管状の金属構造体内に装填される。このタイプの構造体を有するディスペンサの製造に関する更なる情報は、本出願人による、ヨーロッパ特許、EP1179216B1から知見できる。
注記すべきは、他の図と同様に図1において、幾つかの要素、限定的でないが特に、図1の好適形態の側に沿って走るスリットの幅は、正確な寸法または寸法比で示されていない。これらは図面の理解を容易にするために変更されている。
『不特定長』の用語は、製造段階の最後に形成されるものに必要とされるよりも長い糸状要素であることを意味し、単一ディスペンサはそのような糸状要素を切断することにより容易に製造できる。標準的切断が機械的切断により実行される。レーザ等の他のタイプの切断が採用できるが、標準的機械による切断は、切断された両端に対応位置する活性物質の粉末の保持を助ける圧縮を切断作業時に誘引する。
不特定長を有する製法は、更に、一つまたはそれ以上の圧縮作業を選択的に含み、かかる圧縮は、事例により、粉末損失を防止する。
高度の粉末損失は、最終装置、即ち、ランプ上に深刻な結果を齎し、損失粉末は一連の有害効果、構成要素、特に電極の正確な機能を侵害し、またはガラス溶融領域に蓄積される場合にはその封止(sealing)を損傷する。
本考案者は多大な努力の結果、糸状要素内の活性物質の粉末の装填に適したレベルを確認できた。粉末損失量に対して、粉末高装填量は、不特定長の糸状要素の機械的特性の劣化に通じ、結果的に構造の一体性の問題に通じる。例えば、長さ単位で粉末量を倍増することは、不特定長の糸状要素の処理問題を生じ、例えば、可撓性の損失、そして従って処理中に破損の危険を伴う。同様に、粉末面内の亀裂の形成を伴い、結果的に材料の高損失に繋がる。
驚くべきことに、本考案者は狭い範囲の粉末装填における稼働によって長さ単位当たりの水銀解放量の増加と共に粉末損失現象の改良が可能であることを発見した。
この狭い範囲の粉末装填量は、5から8.5g/cmの範囲であり、不特定長の糸状要素の製造プロセスにおいて達成かつ決定でき、例えば、装填されるべき粉末量を選択することにより(糸状要素の長さを基準にして計算)決定でき、かつ次に適宜圧縮プロセスにより構造体にその決定量が「挿入」される。
利益効果は特定範囲全体にわたって観察できるが、向上効果、特に活性プロセス時の温度の均一性に関して優れた効果が知見され、ランプ製造プロセス上の厳しい要件の緩和に通じ、少なくとも6g/cmの装填で運転するときに達成でき、この場合に活性物質の内容についての好適範囲は6から8.5g/cmである。
異なる配合物が水銀ディスペンサに装填される場合、活性物質である粉末の好適装填レベルは水銀解放配合物と他の活性物質、例えば、ゲッタ粉末との重量比により相違する。特に、水銀配合物とゲッタ合金との重量比が95:5乃至85:15の範囲にある場合に、かかる装填は5.4から8g/cmの範囲が好適であり、5.4から7.4g/cmが更に好ましく、水銀配合物解放粉末の重量比は85:15よりも小さく、容器内の粉末装填は5から7.6g/cmの範囲が好ましく、5から7g/cmの範囲が更に好ましい。
図2は図1のワイヤの代表的断面を示す。図3は本考案によるディスペンサの他の断面形状を示す。図2および3に示された断面形状は、単に適宜形状例であり、本考案のコンセプトは異なる断面形状の糸状ディスペンサに適用できる。
本考案に適した水銀解放配合物は、水銀およびチタンならびに他の選択的元素を含有する配合物、具体的には一般式TixZryHgzを有し、式中xおよびyは0から13の範囲にあり、(x + y)の合計が3から13の範囲にあり、zが1または2であるUSP3657589に記載されたような配合物、またはEP737995に記載されたような上述のTixZryHgz配合物、および銅と錫、インジウム、銀、シリコーンまたは希土類から選択される一以上の要素との合金からなる配合物、またはWO2006/008771に記載されたような水銀、チタニウム、銅および一以上の錫、クロミウムおよびシリコーンを含む配合物であってよい。同様に、上述の材料の組み合わせにより形成され、またはそれらを含む、または少なくとも75%の重量分率の組み合わせで形成された水銀解放粉末が、同等に採用できる。
少なくとも解放粉末と一緒に使用するのに有用なゲッタ材料は、ジルコニウム、チタニウム、バナジウム、ニオビウム、ハフニウムまたはタンタルムから選択された金属、またはこれらの元素(特にジルコニウムまたはチタニウム)と遷移元素、希土類金属またはアルミニウムから選択された一以上の元素とによる合金であってよい。ランプに通常使用されるゲッタ材料は、約84重量%のジルコニウムを含有するジルコニウム−アルミニウム合金、約80重量%のジルコニウムと15重量%のコバルトと5重量%の希土類を含有するジルコニウム・コバルト・希土類合金であってよい。
本考案の第二形態として、本考案は糸状ディスペンサを使用する製造法を提供する。
第一実施形態において、糸状ディスペンサは封止後にランプ内に設置され、他方、二重チップ・オフ法の場合に使用されるような製法の第二実施形態において、糸状ディスペンサはランプ内に保持されない。
本考案の第三形態として、本考案は蛍光ランプを提供し、本考案による蛍光ランプは、粉末形態の活性物質を収容する水銀解放のための糸状ディスペンサを含み、前記ディスペンサは二つの開口を有し、前記ディスペンサに装填される粉末は5から8.5g/cmの範囲で構成される。
好適形態による蛍光ランプは、孔を有する糸状要素を含み、前記孔は、代表例として、前記糸状要素の一側に沿って走るスリットの形態である。
本考案は続く非制限例により更に解説される。糸状要素により300要素から形成される四つの異なるバッチ(batches)は、各片が8mm長であり、1mmの最大幅を有する台形断面を有し、かつ側に沿って走る0.3mmのスリットを有する。これらを粉末損失測定のために30分間振動する皿上で同一条件で試験した。
ディスペンサ内の活性物質の構成、粉末装填、および試験結果を表1に報告する。
Figure 0003163599
上述のごとく、表1の比は重量比である。
表1に示された試験データから、比較サンプルによるデータは、本考案の条件により得られたサンプルと比較して粉末損失が著しく大きい。実用新案登録請求の範囲における機能は、比較サンプル1で表される殆どの市販品と比較して、ディスペンサの長さ単位当たりの水銀発射量の増加に関する利益のみならず、かかる範囲において粉末損失量が非常に少ない。
10 糸状ディスペンサ
11 金属材
12 スリット
13,13’ 開口
14 活性物質

Claims (14)

  1. 粉末形態の活性物質を収容する水銀解放のための糸状ディスペンサ(10)において、前記ディスペンサは二つの開口(13,13’)を有し、前記ディスペンサにおける粉末装填は5から8.5g/cmの範囲であることを特徴とする糸状ディスペンサ。
  2. 前記粉末装填は6.0から8.5g/cmの範囲である、請求項1に記載の糸状ディスペンサ。
  3. 水銀解放粉末およびゲッタ粉末を含む、請求項1に記載の糸状ディスペンサ。
  4. 前記水銀解放粉末とゲッタ粉末間の重量比は95:5乃至85:15の範囲である、請求項3に記載の糸状ディスペンサ。
  5. 前記粉末装填は5.4から8g/cmの範囲である、請求項4に記載の糸状ディスペンサ。
  6. 前記粉末装填は5.4から7.4g/cmの範囲である、請求項5に記載の糸状ディスペンサ。
  7. 前記水銀解放粉末とゲッタ粉末間の重量比は85:15未満である、請求項3に記載の糸状ディスペンサ。
  8. 前記粉末装填は5から7.6g/cmの範囲である、請求項7に記載の糸状ディスペンサ。
  9. 前記粉末装填は5から7g/cmの範囲である、請求項8に記載の糸状ディスペンサ。
  10. 前記活性物質は水銀およびチタニウムを含有する水銀解放粉末配合物を含む、請求項1に記載の糸状ディスペンサ。
  11. 前記ディスペンサの長さと最大幅間の比は少なくとも2であり、かつ前記糸状ディスペンサの最大幅は1.5mmである、請求項1に記載の糸状ディスペンサ。
  12. 前記糸状ディスペンサは側に沿って走るスリット(12)を有する、請求項1に記載の糸状ディスペンサ。
  13. 前記糸状ディスペンサは不特定長の糸状ディスペンサを機械的に切断することにより形成されている、請求項1に記載の糸状ディスペンサ。
  14. 粉末形態の活性物質を含有する水銀解放のための糸状ディスペンサを含み、前記ディスペンサが二つの開口を有する蛍光ランプにおいて、前記ディスペンサにおける粉末装填は5から8.5g/cmの範囲であることを特徴とする蛍光ランプ。
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