JP3163417B2 - 射出成形方法 - Google Patents

射出成形方法

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JP3163417B2
JP3163417B2 JP29852396A JP29852396A JP3163417B2 JP 3163417 B2 JP3163417 B2 JP 3163417B2 JP 29852396 A JP29852396 A JP 29852396A JP 29852396 A JP29852396 A JP 29852396A JP 3163417 B2 JP3163417 B2 JP 3163417B2
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博文 村田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複数のキャビティを
有する金型部に対して一台の射出装置から樹脂を射出充
填する射出成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、単一の型締盤に取付けた複数のキ
ャビティを有する金型部に、一台の射出装置から樹脂を
射出充填することにより、いわゆるファミリー取りを行
うようにした成形方法は、特開平7−290485号公
報で知られている。
【0003】この成形方法は、複数の第1成形面を備え
る第1金型と、この第1金型に対して相対的に接離する
複数の第2成形面を備える第2金型とからなる金型装置
を用意し、第1成形面及び第2成形面により複数のキャ
ビティを構成するとともに、成形時に、ゲートに設けた
バルブを制御することにより、可塑化された樹脂材料を
各キャビティに対して順次射出充填する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の成形方法は次のような問題点があった。
【0005】第一に、金型内のゲートに樹脂の供給を制
御するバルブを設ける必要があるため、金型全体の構造
が複雑かつ繁雑となり、大幅なコストアップ,大型化及
び重量アップを招くとともに、故障やトラブルも生じや
すく、メンテナンスも大変となる。
【0006】第二に、各キャビティに対して順次射出充
填するため、最後の成形品の冷却時間が終了するまで型
開きできない。したがって、成形時に無駄な時間が発生
するとともに、全体の成形サイクル時間も長くなり、効
率的な成形を行うことができない。
【0007】本発明はこのような従来の技術に存在する
課題を解決したものであり、複数のキャビティに対して
一台の射出装置により射出充填する際における大幅なコ
ストダウンと金型の小型化及び軽量化を図れるととも
に、効率的な成形を行うことができる射出成形方法の提
供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び実施の形態】本発明に
係る射出成形方法は、単一の型締盤2に取付けた複数の
キャビティCa,Cbを有する金型部3に、一台の射出
装置4により樹脂を射出充填して成形を行うに際し、単
一の金型3oを有する金型部3に、冷却時間Tca,T
cbの異なる成形品を成形する複数の独立したキャビテ
ィCa,Cbを設け、かつ射出装置4を移動させること
により各キャビティCa,Cbに対して個別に射出充填
可能に構成し、成形時に、冷却時間Tcaの長い成形品
における冷却工程Pcaの期間中に、冷却時間Tcbの
短い成形品における少なくとも射出工程Pibから冷却
工程Pcbまで行うとともに、任意の成形品における保
圧工程Pha,Phbの終了後に次の成形品に対する計
量を行う計量工程Pmb,Pma又は任意の成形品にお
ける冷却工程Pha,Phbの期間中に一サイクルで使
用する全キャビティCaとCb分を計量する計量工程P
mtを行い、この計量工程Pmb,Pma,Pmtの終
了後に、射出装置4を移動させるようにしたことを特徴
とする。
【0009】この場合、好適な実施の形態により、冷却
時間Tcaの長い成形品として肉厚品に適用できる。ま
た、成形条件は複数のキャビティCaとCbに対してそ
れぞれ個別に設定できる。
【0010】これにより、金型部3には、冷却時間Tc
a,Tcbの異なる成形品を成形する複数のキャビティ
Ca,Cbが設けられるとともに、射出装置4の移動に
より各キャビティCa,Cbに対して個別に射出可能と
なるため、従来のような金型部3に設けるバルブは不要
になる。また、成形時には、最初に冷却時間Tcaの長
い成形品に対する成形を行うため、相対的に長い冷却時
間Tcaが確保される。したがって、冷却工程Pcaの
期間(=Tca)中に、冷却時間Tcbの短い成形品に
おける少なくとも射出工程Pibから冷却工程Pcbま
で行うとともに、任意の成形品における保圧工程Ph
a,Phbの終了後に次の成形品に対する計量を行う計
量工程Pmb,Pma又は任意の成形品における冷却工
程Pha,Phbの期間中に一サイクルで使用する全キ
ャビティCaとCb分を計量する計量工程Pmtを行
い、この計量工程Pmb,Pma,Pmtの終了後に射
出装置4を移動させるようにすれば、成形時に生ずる無
駄な時間が排され、全体の成形サイクル時間が短縮され
ることにより、効率的な成形が可能となる。
【0011】
【実施例】次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図
面に基づき詳細に説明する。
【0012】まず、本実施例に係る射出成形方法を実施
できる射出成形機の原理的構成について、図3及び図4
を参照して説明する。
【0013】射出成形機Mは単一の射出装置4と型締装
置20を備える。射出装置4は前側から射出ノズル1
1,スクリュを内蔵した加熱筒12,射出シリンダ及び
オイルモータを含むスクリュ駆動装置13を備える公知
のインラインスクリュ式の射出装置を利用できる。ま
た、射出装置4は不図示の移動機構により前後及び左
右、図3においては左右方向及び上下方向に移動するこ
とができる。この場合、移動機構は平行移動機構の組合
わせ、或いは平行移動機構と旋回機構の組合わせ等によ
り構成できる。このような移動機構により、射出装置4
は後述する各キャビティCa,Cbに対して個別に射出
可能となる。図3中、仮想線4x,4yは移動した射出
装置4の位置を示す。
【0014】一方、型締装置20は、平行に配した四本
のタイバー21…を備える。そして、各タイバー21…
の一端には固定盤22を固定するとともに、各タイバー
21…には可動盤23をスライド自在に装填する。この
可動盤23は不図の可動盤駆動機構によりタイバー21
…に沿って前進又は後退移動する。なお、固定盤22と
可動盤23は型締盤2を構成する。また、固定盤22に
は固定型24を取付けるとともに、可動盤23には可動
型25を取付ける。固定型24と可動型25は相対向
し、これにより単一の金型3o(金型部3)が構成され
る。
【0015】また、金型3oには二つのキャビティCa
とCbを設ける。一方のキャビティCaは冷却時間Tc
aの長い成形品である肉厚品を成形するとともに、他方
のキャビティCbは冷却時間Tcbの短い成形品である
薄肉品を成形する。なお、各キャビティCa,Cbには
ランナ(ゲートを含む)26a,26bが連通し、各ラ
ンナ26a…には前述した射出ノズル11の先端がタッ
チする。
【0016】このような構成により、射出成形機Mの射
出装置4は一基となり、しかも、材料の乾燥器や供給装
置等も削減されるため、全体設備に対してのコストダウ
ンを図れるとともに、各キャビティCa,Cbに対応す
るコールドランナの距離を短くできる。
【0017】次に、本実施例に係る射出成形方法につい
て、図1〜図4、特に、図2に示すフローチャート(工
程図)に従って具体的に説明する。
【0018】今、型締装置20は型開状態にあるものと
する。この場合、計量は終了し、射出装置4は肉厚品を
成形するキャビティCa側、即ち、図3に示す実線位置
に移動している。なお、射出速度,射出圧力,保圧力,
スクリュの制御位置等の成形条件は各キャビティCaと
Cbに対してそれぞれ個別に設定する。これにより、立
上時の良品化を容易に行えるとともに、各成形品に対す
る高度の品質向上を図れる。
【0019】まず、型締工程により型締を行う(工程S
1)。型締工程では可動盤23を前進させ、可動型25
を固定型24に接触させて型閉する。次いで、射出装置
4を前進させ、金型3o(ランナ26a)にノズルタッ
チさせるとともに、肉厚品側の射出工程Pia及び保圧
工程Phaを実行する(工程S2)。この場合、射出工
程Piaでは、肉厚品を成形するキャビティCaに射出
装置4から樹脂が射出充填される。この際の射出速度は
低速,射出圧力は中圧から高圧に設定することが望まし
い。一方、充填終了後の保圧工程Phaではキャビティ
Caに対して所定の保圧力が付与される。この状態の射
出装置4の位置を図3に仮想線4xで示す。そして、保
圧工程Phaが終了したなら、キャビティCaにより成
形された肉厚品に対する冷却工程Pcaを実行する。ま
た、冷却工程Pcaの開始と同時に、薄肉品を成形する
ための計量工程Pmbを実行する(工程S3)。
【0020】計量工程Pmbが終了したなら、射出装置
4を薄肉品を成形するキャビティCb側に移動させる
(工程S4)。この状態の射出装置4の位置を図3に仮
想線4yで示す。次いで、射出装置4を前進させ、金型
3o(ランナ26b)にノズルタッチさせるとともに、
薄肉品側の射出工程Pib及び保圧工程Phbを実行す
る(工程S5)。この場合、射出工程Pibでは、薄肉
品を成形するキャビティCbに射出装置4から樹脂が射
出充填される。この際の射出速度は高速,射出圧力は高
圧に設定することが望ましい。一方、充填終了後の保圧
工程PhaではキャビティCbに対して所定の保圧力が
付与される。そして、保圧工程Phbが終了したなら、
キャビティCbにより成形された薄肉品に対する冷却工
程Pcbを実行する。また、冷却工程Pcbの開始と同
時に、肉厚品を成形するための計量工程Pmaを実行す
る(工程S6)。
【0021】さらに、計量工程Pmaが終了したなら、
射出装置4を肉厚品を成形するキャビティCa側に移動
させる(工程S7)。この状態の射出装置4を図3に実
線で示す。そして、肉厚品に対する冷却時間Tca及び
薄肉品に対する冷却時間Tcbの双方を充足する時間が
経過したなら、型開工程により型開を行う(工程S
8)。これにより、金型3oから成形品が取り出され
る。以上により、一成形サイクルが終了する。
【0022】このように、本実施例に係る射出成形方法
は、金型部3に、冷却時間Tca,Tcbの異なる成形
品を成形する複数のキャビティCa,Cbが設けられる
とともに、射出装置4の移動により各キャビティCa,
Cbに対して個別に射出可能となるため、従来のような
金型部3に設けるバルブは不要になり、金型の大幅なコ
ストダウン,小型化及び軽量化が図られる。しかも、故
障やトラブル等の不具合も生じにくくなり、特に、成形
品が少量多品種の場合に好適となる。また、成形時に
は、最初に冷却時間Tcaの長い成形品に対する成形を
行うため、相対的に長い冷却時間Tcaが確保される。
したがって、冷却工程Pcaの期間(=Tca)中に、
冷却時間Tcbの短い成形品における少なくとも射出工
程Pibから冷却工程Pcbまで行うことが可能とな
り、成形時に生ずる無駄な時間が排されることにより、
全体の成形サイクル時間の短縮による効率的な成形が可
能となる。
【0023】以上、実施例について詳細に説明したが、
本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、
細部の構成,手法等において本発明の要旨を逸脱しない
範囲で任意に変更できる。
【0024】例えば、複数のキャビティCa,Cbを設
けるに際し、前記実施例では、単一の金型3oに複数の
キャビティCa,Cbを設けた場合を示したが、図5に
示す参考例のように、単一のキャビティCa,Cbを有
する複数の金型3a,3bを単一の型締盤2に取付けて
もよい。図5中、27a,27bはランナ(ゲートを含
む)を示す。なお、図5において、図3と同一部分には
同一符号を付した。
【0025】一方、計量を行うに際し、前記実施例で
は、肉厚品(薄肉品)における保圧工程Pha(Ph
b)の終了後に、次に成形する成形品の計量を行う場合
を示したが、図6に示すように、薄肉品における冷却工
程Pcbの期間中に、一サイクルで使用する全キャビテ
ィCaとCb分の計量を行ってもよい。また、このよう
な計量は肉厚品における冷却工程Pcaの期間中に行っ
てもよい。なお、図6において、図1と同一部分には同
一符号を付した。
【0026】さらに、前記実施例では二つのキャビティ
Ca,Cbを例示したが、キャビティは三つ以上であっ
てもよく、例えば、図3に示す一つの金型3oに対して
三つのキャビティを設けることができる。また、冷却時
間の長い成形品として肉厚品を例示したが、冷却時間が
長いか否かは成形品の個々の形態により決定することが
できる。
【0027】
【発明の効果】このように、本発明に係る射出成形方法
は、単一の金型を有する金型部に、冷却時間の異なる成
形品を成形する複数の独立したキャビティを設け、かつ
射出装置を移動させることにより各キャビティに対して
個別に射出充填可能に構成し、成形時に、冷却時間の長
い成形品における冷却工程の期間中に、冷却時間の短い
成形品における少なくとも射出工程から冷却工程まで行
うとともに、任意の成形品における保圧工程の終了後に
次の成形品に対する計量を行う計量工程又は任意の成形
品における冷却工程の期間中に一サイクルで使用する全
キャビティ分を計量する計量工程を行い、この計量工程
の終了後に射出装置を移動させるようにしたため、次の
ような顕著な効果を奏する。
【0028】 従来のような金型に設けるバルブが不
要になり、金型の大幅なコストダウン,小型化及び軽量
化を図れるとともに、故障やトラブル等の不具合も生じ
にくくなり、特に、成形品が少量多品種の場合に好適と
なる。
【0029】 全体の成形サイクル時間を短縮するこ
とにより、効率的な成形を行うことができる。
【0030】 射出成形機の射出装置は一基となり、
しかも、材料の乾燥器や供給装置等も削減されるため、
全体設備に対してのコストダウンを図れる。また、各キ
ャビティに対応するコールドランナの距離を短くでき
る。さらに、各キャビティに対してそれぞれ個別に成形
条件を設定すれば、立上時の良品化を容易に行えるとと
もに、各成形品に対する高度の品質向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る射出成形方法の工程を示すタイ
ミングチャート、
【図2】同射出成形方法の工程を順次示すフローチャー
ト、
【図3】同射出成形方法を実施できる射出成形機の原理
的構成図、
【図4】図3中A方向矢視図、
【図5】参考例に係る金型の原理構成図、
【図6】変更実施例に係る射出成形方法の工程を順次示
すフローチャート、
【符号の説明】
2 型締盤 3 金型部 3o 金型 4 射出装置 Ca キャビティ Cb キャビティ Tca 冷却時間 Tcb 冷却時間 Pca 冷却工程 Pcb 冷却工程 Pib 射出工程 Pha 保圧工程 Phb 保圧工程 Pma 計量工程 Pmb 計量工程 Pmt 計量工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/07 - 45/10 B29C 45/26 - 45/37 B29C 45/46 - 45/58 B29C 45/76 - 45/78

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一の型締盤に取付けた複数のキャビテ
    ィを有する金型部に、一台の射出装置により樹脂を射出
    充填して成形を行う射出成形方法において、単一の金型
    を有する金型部に、冷却時間の異なる成形品を成形する
    複数の独立したキャビティを設け、かつ前記射出装置を
    移動させることにより各キャビティに対して個別に射出
    充填可能に構成し、成形時に、冷却時間の長い成形品に
    おける冷却工程の期間中に、冷却時間の短い成形品にお
    ける少なくとも射出工程から冷却工程まで行うととも
    に、任意の成形品における保圧工程の終了後に次の成形
    品に対する計量を行う計量工程又は任意の成形品におけ
    る冷却工程の期間中に一サイクルで使用する全キャビテ
    ィ分を計量する計量工程を行い、この計量工程の終了後
    に前記射出装置を移動させるようにしたことを特徴とす
    る射出成形方法。
  2. 【請求項2】 冷却時間の長い成形品は肉厚品であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の射出成形方法。
  3. 【請求項3】 前記複数のキャビティに対してそれぞれ
    個別に成形条件を設定することを特徴とする請求項1記
    載の射出成形方法。
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CN103722705B (zh) * 2013-12-20 2016-04-13 东莞康佳模具塑胶有限公司 高光注塑件模温压力控制注塑成型工艺及控制系统

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