JP3162990U - 架線の仮止め装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】並設された支柱間に架設される架線の支柱に対する連結位置を替えるなどの際の作業を安全に実践し得るようにする架線の仮止め装置を提供する。【解決手段】固定部側Pから張り出す腕金1と、この腕金1に着脱自在に設けた保持部材11と、この保持部材11に架線Wを保持させてなる架線の張設装置にあって、腕金1の先端部1bに着脱自在に挿入するソケット2と、このソケット2に掛け回される補助線材3とを備え、この補助線材3の一端を適宜の連結具4の利用下に架線Wの一端側に連結すると共にこの補助線材3の他端を適宜の連結具4の利用下に架線Wの他端側に連結しながらこの補助線材3を緊張させてなる。【選択図】図1
Description
この考案は、電線や電話線などの架線の仮止め装置に関し、特に、並設された支柱間に架設される架線の支柱に対する連結位置を替えたり、架線を保持する保持部材の修理や交換をしたり、さらには、架線自体を交換したりなどする際の利用に適する架線の仮止め装置の改良に関する。
並設された電柱などの複数本の支柱間に架設される架線としては、たとえば、電線や電話線などのケーブルがあるが、このケーブルを並設された支柱たる電柱間に架設する際には、多くの場合に、抗張力線(メッセンジャーワイヤーとも称される)が利用され、この抗張力線は、ケーブルに先立って並設された電柱間に架設され、この架設された抗張力線にハンガーとも称される適宜の吊り具の利用下にケーブルが吊持される。
このとき、抗張力線を電柱に連結させる場合には、たとえば、特許文献1に開示されているような架線の張設装置としての支持部材が利用されている。
この支持部材は、角パイプ体からなる腕金(アームとも称される)を有し、この腕金の基端部をバンドなどの取付具を利用して電柱に固定的に連結する一方で、この電柱から水平に張り出すことになる腕金の先端部には、適宜の構造の保持部材(吊架金物とも称される)を配設し、この保持部材に抗張力線を保持させている。
ところで、上記した特許文献1に開示されている架線の張設装置たる支持部材にあっては、抗張力線の架設位置を変更したり、新たな抗張力線の架設を可能にしたりし得る点で、基本的に、問題がある訳ではないが、その利用にあって、次のような不具合の改善が望まれている。
すなわち、上記の架線の張設装置たる支持部材において、腕金の先端部に配設の保持部材の交換を要する場合や、保持部材が保持する抗張力線の交換を要する場合には、保持部材から抗張力線を取り外さなければならないが、これを容易に実践できない不具合がある。
つまり、抗張力線を含む凡そこの種の並設された支柱間に架設される架線にあっては、機械力を利用しなければ制御できないほどの強い力で緊張されており、したがって、この架線を上記した保持部材に保持させるについて完全なる保持状態を維持することが肝要になるのはもちろんのこと、架線を保持部材から取り外すこと自体に危険を伴うことを考慮しなければならない。
特に、腕金から架線を取り外したとき、その取り外した状態を維持する態勢が完全でないと、この架線が有する緊張力に起因する弾発力で急激に移動して作業者に当たったり、近辺の部材などに衝突したりして非常に危険である。
この考案は、上記した現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、並設された支柱間に架設される架線の支柱に対する連結位置を替えるなどの際に、安全に作業を実践し得て、その汎用性の向上を期待するのに最適となる架線の仮止め装置を提供することである。
上記した目的を達成するために、この考案による架線の仮止め装置の構成を、基本的には、固定部側から張り出す腕金と、この腕金に設けた保持部材と、この保持部材に架線を保持させてなる架線の張設装置にあって、上記の腕金の先端部に着脱自在に挿入するソケットと、このソケットに掛け回される補助線材とを備え、この補助線材の一端を適宜の連結具の利用下に上記の架線の一端側に連結すると共にこの補助線材の他端を適宜の連結具の利用下に上記の架線の他端側に連結しながらこの補助線材を緊張させてなるとする。
それゆえ、この架線の仮止め装置にあっては、ソケットの先端部に保持される補助線材が一端と他端との間における架線部分に替わって架線における緊張力を負担するから、このとき、補助線材の一端と他端との間にある架線部分に緊張力に起因する弾発力を具有させずしてこの架線部分の腕金の先端部からの取り外しを可能にする。
そして、架線が外された腕金の先端部が架線を保持する保持部材を有するとき、新たな保持部材との交換を可能にし、あるいは、保持部材への新たな架線の保持を可能にする。
また、この架線の仮止め装置にあっては、補助線材の一端と他端との間にある架線部分が再度腕金の先端部に保持されることで、架線が旧状に復することを可能にする。
そしてまた、この架線の仮止め装置にあっては、腕金の先端部に再度あるいは新たに保持された架線が所定の緊張力を有することで、補助線材の一端および他端の架線からの分離が可能とされて、架線の新たな架設状態を実現できる。
以下に、図示した実施形態に基づいて、この考案を説明するが、この考案による架線の仮止め装置は、並設された支柱間に架設される架線の支柱に対する連結位置、つまり、架線の張設装置たる支持部材に対する連結位置を替えたり、架線を保持する保持部材の修理や交換をしたり、さらには、架線自体を交換したりするなどの際に利用される。
ちなみに、並設された支柱間に架設される架線、つまり、架線の張設装置たる支持部材に連結される架線は、所定の大きさの緊張力を有して架設されるが、この緊張力は、機械力を利用しなければ制御できないほどの強い力であり、したがって、この架線をその配設位置から外す場合に、外した状態を維持する態勢が完全でないと、具有する緊張力に起因する弾発力で架線が作業者に当たったり、近辺の部材などに衝突したりする危険を伴うことが危惧される。
そこで、架線をその配設位置から取り外す、つまり、架線の張設装置たる支持部材から外す場合には、この考案による架線の仮止め装置が利用されるもので、その意味では、この架線の仮止め装置は、いわゆる作業治具に相当する。
また、この考案にあって、架線とは、電線や電話線などのケーブルはもちろんのこと、このケーブルをハンガーと称される適宜の吊り具で吊持するメッセンジャーワイヤーとも称される抗張力線、さらには、温室における棚を形成するその他のワイヤーあるいは針金など、凡そ並設された支柱間などに架設されている線材を言う。
また、支柱は、電柱で代表されるほか、凡そ支柱と称されるその他の支柱を言い、いわゆる固定部側を構成するが、この固定部側を構成するとの観点からすれば、上記の支柱のほかに建築物の壁や構築物の擁壁などが固定部側に相当する。
以上の前提の下に、この架線の仮止め装置は、基本的には、図1に示すように、腕金1と、ソケット2と、補助線材3とを有し、さらには、図示するところでは、補助線材3の両端を架線Wに連結させる連結具4と、この架線Wに両端が連結された補助線材3に所定の緊張力を具有させる緊張具5とを有してなる。
なお、図示するところでは、上記の連結具4と緊張具5とがそれぞれ別々に利用されるが、これに代えて、図2中に示すように、連結具4と緊張具5とが一体とされたシメラーなどと称される緊締具Sが利用されても良い。
また、図示する実施形態にあって、架線Wは、メッセンジャーワイヤーとも称される抗張力線であって、この抗張力線は、図2に示すように、適宜の吊り具Hの利用下に電線や電話線などのケーブルCを吊持する。
以下に説明すると、先ず、図1にあって、腕金1は、架線の張設装置たる支持部材を構成するもので、アームとも称され、図2および図3に示す具体的な実施形態にあっては、金属製の角パイプ体からなる。
そして、この腕金1は、図1中で上端部となる基端部1aが固定部側、すなわち、図示するところでは、支柱たる電柱P(図1および図2参照)に金属製のバンドなどの適宜に構成された取付具B(図2参照)の利用下に固定的に連結されながら図1中で下端部となる先端部1bで架線Wを保持する。
このとき、腕金1は、先端部1bの好ましくは天端に吊架金物と称される保持部材11を有しており(図2参照)、この保持部材11に架線Wを、すなわち、後述する架線部分W1を保持させている。
ちなみに、保持部材11は、図示するところでは、腕金1の天端に配設されるが、その機能するところからすると、これに代えて、図示しないが、腕金1の下端たる底端に設けられていても良い。
ところで、腕金1については、先端部1bで緊張力を有する架線Wを保持し得る機械的強度を有する限りには、任意に構成されて良く、上記した金属製の角パイプ体からなるのに代えて、図示しないが、たとえば、木製の角材で構成されても良く、また、いわゆる腕金本体を下方から支持する方杖部材を有してなるとしても良く、さらには、トラス梁からなるとしても良い。
また、腕金1を電柱Pに連結する取付具Bについては、たとえば、図2に示すように、金属製のバンドからなり、このバンドが電柱Pにあらかじめ設けられているボルト穴へのボルト(符示せず)の螺合で連結され、このバンドに腕金1の基端部1aが一体的にあるいは分離可能に連結されてなるとしても良い。
そして、腕金1を連結させる電柱P、すなわち、支柱については、要は、腕金1を連結させるものであれば良く、その限りにおいては、前記したように、固定部側を構成するものであれば良い。
また、腕金1の先端部1bは、架線Wを分離可能に保持し得るように構成されていれば足り、図示するところでは保持部材11を有してなるが、この保持部材11を有することなく、先端部1bが架線Wを直接保持し得るように形成されているとしても良い。
尤も、この考案にあっては、腕金1の先端部1bに後述するソケット2の後端部2aを着脱可能に連結させるので、このソケット2の連結のことを考慮すると、先端部1bが架線Wを直接保持し得るように形成されずして上記の保持部材11を有するのが好ましいと言える。
そして、腕金1の先端部1bに保持部材11を有する場合には、この保持部材11が架線Wの保持に最適なように形成されるであろうから、架線Wの保持に際して保持部材11を利用することに不安材料がない点で有利となろう。
なお、腕金1の先端部1bに配設される保持部材11は、これに保持された架線Wが固定部側たる電柱P側への移動が阻止されると共に、いわゆる上下方向に移動して保持部材11から外れることが阻止されるように形成されるのはもちろんである。
それゆえ、腕金1の先端部1bの保持部材11に保持される架線Wにあっては、架線Wが電柱Pから水平に離れた位置に安定的に保持されるから、保持部材11から架線Wを外さない限りにおいて、緊張力に起因する弾発力を有する架線Wが腕金1の基端部1a側に、すなわち、電柱P側に弾発力を有したまま勢い良く移動するような事態を発現させない。
ところで、腕金1は、任意に構成されて良いとし、また、図示するところでは、金属製の角パイプ体からなるとしたが、これは後述するが、ソケット2の着脱可能な連結と、安定した連結状態の実現を考慮するからにほかならない。
すなわち、腕金1は、金属製の丸パイプ体からなるとしても良いが、このときには、後述するソケット2の腕金1に対する回動を不能にする連結状態の実現を考慮すると、先端部1bが、たとえば、角パイプ状に変形されているのが好ましい。
ところで、腕金1に保持部材11を連結する構造についてだが、図2に示すところでは、図3に示すような連結構造が選択されており、以下には、これについて少し説明する。
先ず、図2に示すように、金属製の角パイプ体からなる腕金1の先端部1bには、丸孔1cが上下に開穿されてなるとし、この丸孔1cには、後述する保持部材11を構成するブラケット本体111を貫通するボルト112が挿通される。
一方、保持部材11にあっては、断面を横向きにするほぼ角C状に形成されるブラケット本体111を有し、このブラケット本体111は、腕金1の先端部1bに、すなわち、上記した丸孔1cを上方から閉塞するように載置され、この状態で下辺部(符示せず)に開穿の孔(符示せず)を介して上記のボルト112が挿通されることで、腕金1の先端部1bに固定状態に連結されるとしている。
そして、ブラケット本体111にあっては、立上辺部(符示せず)に縦長孔(符示せず)を有し、この縦長孔に軸線がL字状になるボルト113を挿通して、ブラケット本体111の上辺部(符示せず)に形成の切欠からなる導通孔(符示せず)に臨在される螺条軸部(符示せず)にナット113aが螺合され、このとき、ボルト113とブラケット本体111との間に架線W、すなわち、架線部分W1が位置決められて上下方向への移動が規制されるとしている。
そしてまた、ブラケット本体111にあっては、上辺部(符示せず)に丸孔(符示せず)を有し、この丸孔に上下方向に軸線が延びるボルト114を挿通して、ブラケット本体111のいわゆる内側にあって、架線Wの前後方向への移動、すなわち、腕金1の軸線方向への移動を規制するとしている。
それゆえ、この保持部材11にあっては、架線Wを腕金1の先端部1bに言わば固定状態に近い状態に保持させることになり、また、架線Wの腕金1の先端部1bからの取り外しを可能にする。
ソケット2は、腕金1の先端部に着脱可能に連結されて腕金1を言わば延長させるように機能するもので、その意味では、言わば腕金延長部材であり、腕金1が金属製の角パイプ体からなるとき、基本的には、このソケット2も金属製の角パイプ体からなるのが好ましい(図2および図3参照)。
これは、腕金1に連結されたソケット2における回動、すなわち、腕金1に対するソケット2、つまり、筒状本体の軸線を中心にする回動を不能にする上で有利になるからである。
そして、このソケット2は、作業の終了後に腕金1から取り外せるように腕金1に対して着脱自在に連結されるが、要は、腕金1に基端部2a(図3参照)が連結されて使用状態(図2参照)におかれるとき、先端部2bが腕金1の先端部1bから所定の長さ離れて位置決められるように構成されれば良い。
その意味からすると、このソケット2は、言わば仮設部材であり、したがって、金属製の角パイプ体からなることは絶対的なことではなく、図示しないが、たとえば、角柱体からなるとしても良く、また、木材からなるとしても良い。
そしてまた、このソケット2は、腕金1の先端部1bに連結された状態で、先端部2bで後述する補助線材3を保持し得るように保持手段を有してなり、この保持手段は、図2および図3に示すところでは、先端部2bの側壁に横向きU字状に開穿された切欠案内溝、すなわち、溝2cからなり、この溝2cに補助線材3を挿通、つまり、嵌合させることで、この補助線材3を保持する。
ちなみに、保持手段については、上記した溝2cからなるのに代えて、図示しないが、前記した保持部材11(図2および図3参照)と同様の構成を有する保持部材からなるとしても良い。
それゆえ、このソケット2にあっては、先端部2bを挿通する補助線材3がこのソケット2の軸線方向、特に、腕金1側に移動し得なくなり、腕金1の先端部1bから所定の長さ離れた位置に補助線材3を位置決めることが可能になる。
のみならず、このソケット2にあっては、保持手段たる溝2cが横向きU字状に形成されてなるから、ここに挿通される補助線材3がソケット2の上下方向に移動し得ないことになり、補助線材3が、たとえば、強風で上下動するときにも、この補助線材3がソケット2の保持位置から逸脱することがあらかじめ阻止される。
ちなみに、このソケット2にあって、保持手段たる溝2cに挿通された補助線材3は、結果として、この溝2cにあって腕金1側に押し付けられる状況になるから、これが溝2cから外側へ、つまり、ソケット2の先端から外側に脱け出ることはないとも言い得るが、いわゆる安全性を向上させる点からは、図2および図3に示すように、先端部2bを上下方向に貫通する蝶ボルトなどのボルト21が配設されるのが良い。
特に、後述する補助線材3が両端部に緊締具Sを有する場合には、この補助線材3が架線Wから分離され、それゆえ、補助線材3が溝2cから抜け落ちるような状況になるときにも、ソケット2の先端部2bに上記のボルト21を有することで、このボルト21が緊締具Sの通過を阻止するストッパとして機能し、補助線材3のいわゆる高所からの落下を阻止し得ることになる点で有利となる。
ところで、このソケット2は、腕金1の先端部1bに連結されたとき、その態勢を維持できるように、すなわち、必要以上に腕金1の先端部1bに食い込まないように、つまり、挿し込まれないように、ストッパ手段を有してなる。
そして、図示するところでは、このストッパ手段がソケット2の基端部2aと先端部2bとの境界部たる段部2d(図3参照)からなるとし、この段部2dが腕金1の先端に当接されることで、ソケット2の必要以上となる腕金1への挿し込みが阻止されるとしている。
ちなみに、ストッパ手段は、上記の段部2cに代えて、図示しないが、先端部2bの外周に設けられたリブなどの突起からなり、この突起が腕金1の先端に当接されるとしても良く、さらには、先端部2bを上下にあるいは左右に貫通する軸部材からなり、この軸部材が腕金1の先端に当接されるとしても良い。
以上からすれば、ソケット2は、全体が角パイプ体からなるのが好ましいが、上記したように、凡そ腕金1を延長し、腕金1に回動不能に連結され、補助線材3を保持し得る限りには、任意に構成されて良い。
ところで、ソケット2を腕金1に連結する構造だが、図2に示すところでは、図3に示すような連結構造が選択されており、以下には、これについて少し説明する。
まず、ソケット2の後端部2aは、前記した腕金1の先端部1bに挿入できるように言わば細径に形成されながら腕金1の先端部1bに形成の前記の丸孔1cに照準される切欠からなる開放孔2eを上下に有してなる。
そして、この開放孔2eには、ソケット2の後端部2aが腕金1の先端部1bに差し込まれるとき、この先端部1bを上下に挿通する前記のボルト112が挿通されて、ソケット2の腕金1における先端部1bでのガタツキが阻止される。
それゆえ、このソケット2にあっては、腕金1をその軸線方向にいわゆる延長し、このとき、先端部2bに補助線材3を保持するから、補助線材3を腕金1の先端部1bに保持された架線Wから任意の長さに離れた位置に位置決めることになる。
補助線材3は、腕金1の先端部1bに保持される架線Wがメッセンジャーワイヤーとも称される抗張力線であるとき、この抗張力線と同程度あるいはそれ以上の機械的強度を有する線材、たとえば、ワイヤーからなり、架線部分W1に替わって架線Wにおける緊張力を負担する言わば牽引部材を構成する。
そして、この補助線材3にあっては、図1に示すところでは、中間部がソケット2の先端部2bに保持されながら、図1中で左端となる一端を架線Wの図1中で左側となる一方側に連結すると共に、図1中で右端となる他端を架線Wの図1中で右側となる他方側に連結する。
そして、この補助線材3にあっては、両端が架線Wに連結された状態にあるときに、両側部に連結される緊張具5の機能するところもあって、緊張状態に維持される。
すなわち、この補助線材3にあっては、所定の大きさの緊張力が具有されると、この補助線材3の一端が連結される架線Wにおける一方部位(図1中に符号X1で示す部位)からこの補助線材3の他端が連結される架線Wにおける他方部位(図1中に符号X2で示す部位)の間となる架線部分W1に代えて、架線Wにおける緊張力を負担する。
ちなみに、この補助線材3の架線Wへの連結を実現する連結具4およびこの補助線材3に架線Wにおける緊張力以上の緊張力を具有させる緊張具5については、これまでに周知されている構造のものが選択されて良く、その意味では、図2に示す緊締具Sについても、これまでに周知されている構造のものが選択されて良い。
以上のようにして補助線材3が架線部分W1に替わって架線Wにおける緊張力を負担する場合には、架線部分W1が緊張力を具有しなくなり、したがって、架線部分W1は、緊張力に起因する弾発力を具有しなくなり、この架線部分W1を腕金1の先端部1bから取り外すとしても、この架線部分W1が緊張力に起因する弾発力で急激に移動することがなく、この架線部分W1が作業者に当たったり、近辺の部材などに衝突したりすることを未然に阻止できる。
そして、この架線の仮止め装置が利用される状況を説明すると、架線部分W1が腕金1の先端部1bから取り外されるとき、たとえば、腕金1が架線Wを保持する保持部材11を有する場合には、この保持部材11に代えて、新たな保持部材11に交換し得るし、あるいは、保持部材11への新たな架線Wの保持を可能にし得る。
そしてまた、一旦腕金1の先端部1bから取り外された架線部分W1が元のあるいは新たな保持部材11に保持された後は、補助線材3bに連結されている緊張具5による緊張を解除することで、架線部分W1が当初の緊張力を具有する。
その結果、補助線材3における両端の架線Wに対する連結を解除して、補助線材を回収し得ると共に、また、腕金1の先端部1bからのソケット2の撤去および回収が可能になる。
ちなみに、この架線の仮止め装置にあっては、ソケット2と補助線材3、さらには、連結具4および緊張具5あるいは緊締具Sを準備することで、架線Wを保持する腕金1に適用可能になる。
そして、腕金1の形態に相応するソケット2を数種類準備することで、既存の架線Wを保持する腕金1への適用が可能になる。
前記した実施形態では、架線が抗張力線とされ、この抗張力線が腕金1の先端部1bに配設の保持部材11に保持されながらケーブルCたる電線を吊持するとしたが、この考案の実施にあって、架線が電線とされても良く、したがって、電線が腕金1の先端部1bに配設の保持部材11に保持されることになるが、その場合には、保持部材11が碍子とされて、電線からの電流が腕金1に流れないように配慮されるのはもちろんである。
並設された支柱間に架設される架線の支柱に対する連結位置を替えたり、架線を保持する保持部材の修理や交換をしたり、さらには、架線自体を交換したりするなどの際の利用に適する。
1 腕金
1a,2a 基端部
1b,2b 先端部
1c 丸孔
2 ソケット
2c 保持手段たる溝
2d ストッパ手段たる段部
2e 開放孔
3 補助線材
4 連結具
5 緊張具
11 保持部材
21,112,113 ボルト
111 ブラケット本体
113a ナット
B 取付具
C ケーブル
P 固定部側たる電柱
S 緊締具
W 架線
W1 架線部分
X1 架線における一方部位
X2 架線における他方部位
1a,2a 基端部
1b,2b 先端部
1c 丸孔
2 ソケット
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2e 開放孔
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4 連結具
5 緊張具
11 保持部材
21,112,113 ボルト
111 ブラケット本体
113a ナット
B 取付具
C ケーブル
P 固定部側たる電柱
S 緊締具
W 架線
W1 架線部分
X1 架線における一方部位
X2 架線における他方部位
Claims (3)
- 固定部側Pから張り出す腕金1と、この腕金1に設けた保持部材11と、この保持部材11に架線Wを保持させてなる架線の張設装置にあって、上記の腕金1の先端部1bに着脱自在に挿入するソケット2と、このソケット2に掛け回される補助線材3とを備え、この補助線材3の一端を適宜の連結具4の利用下に上記の架線Wの一端側に連結すると共にこの補助線材3の他端を適宜の連結具4の利用下に上記の架線Wの他端側に連結しながらこの補助線材3を緊張させてなることを特徴とする架線の仮止め装置。
- 上記の腕金1が中空なパイプ体からなり、上記のソケット2が上記の腕金1の先端部1bの内周または外周に着脱自在に挿入される筒状本体と、この筒状本体の先端部2bに軸方向に沿って形成された溝2cとで構成され、この溝2c内に上記の補助線材3を着脱自在に嵌合させてなる請求項1に記載の架線の仮止め装置。
- 上記の筒状本体の先端部2bに上記の溝2cと直交する方向に上記の補助線材3の抜け止め用のボルト112を着脱自在に挿入し、上記筒状本体の後端部2aに軸方向に沿って長溝2eを形成し、この長溝2eを上記の腕金1に貫通した上記の保持部材11の取り付け用のボルト112に嵌合させてなる請求項1に記載の架線の仮止め装置。
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