JP3162425B2 - ジャイロトロン発振装置 - Google Patents

ジャイロトロン発振装置

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JP3162425B2
JP3162425B2 JP15728291A JP15728291A JP3162425B2 JP 3162425 B2 JP3162425 B2 JP 3162425B2 JP 15728291 A JP15728291 A JP 15728291A JP 15728291 A JP15728291 A JP 15728291A JP 3162425 B2 JP3162425 B2 JP 3162425B2
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洋介 平田
健一 林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば核融合炉のプラ
ズマ加熱等に用いられるジャイロトロン発振装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】核融合炉のプラズマ加熱を行うために
は、種々の方式が考えられている。その中の一つとし
て、電子サイクロトロン共鳴を利用した高周波加熱方式
がある。この高周波加熱方式においては、周波数が10
0GHz以上のミリ波帯域で出力が500kW乃至1M
Wの大出力の電磁波を数秒間発生し得る発振装置が必要
で、その発振装置としてジャイロトロン発振装置が注目
され、その開発が現在進められている。その中で装置の
総合効率を上げるためにコレクタを設け、このコレクタ
に電子を減速し回収する構成としたものがある。
【0003】以下、ジャイロトロン発振装置の従来の技
術を図面を参照して説明する。
【0004】先ず、第1の従来例を図7により説明す
る。図7はマルチモードジャイロトロン発振装置の縦断
面図であり、図において1は略筒状の本体であり、本体
1は一端部にマグネトロン入射電子銃(以下、MIGと
略記する)2が装着され、他端部に出力窓3を有するコ
レクタ4が取着されている。本体1内にはMIG2とコ
レクタ4の間にビームトンネル5、円筒空胴6、テーパ
導波管7が設けられている。またMIG2にはカソード
8及びアノード9が設けられている。なお10はソレノ
イドコイル、11は大容量の高電圧電源、12は小容量
の高電圧電源、13,14は大容量の高電圧電源11を
分圧する分圧抵抗、15は絶縁部材であり、本体1は接
地され、コレクタ4には負の高電圧が印加され、カソー
ド8及びアノード9には絶縁油中に設けられるようにし
た環状のカソード電圧導入端子8a及びアノード電圧導
入端子9aを介して所定の負の高電圧が印加されるよう
になっている。
【0005】このように構成されたジャイロトロン発振
装置は、本体1内を図示しないポンプによって真空状態
を維持しながら図示しないヒータ電源でカソード8を加
熱し、高電圧電源11,12で本体1に対しコレクタ4
やカソード8及びアノード9に負の高電圧を印加して運
転される。そしてMIG2から出射された電子ビーム
は、ソレノイドコイル10によって発生するミラー磁界
のもとでサイクロトロン運動を行いながら円筒空胴6に
入射し、ここで高周波電界との相互作用によって運動エ
ネルギの一部を高周波電界に与える。これによりマルチ
モードの電磁波が生成され、エネルギを失った電子ビー
ムはコレクタ4に捕捉回収される。一方、得られた電磁
波はテーパ導波管7を通り、出力窓3を介して外部に放
射される。
【0006】次に、第2の従来例を図8により説明す
る。図8はウィスパリングギャラリーモードジャイロト
ロン発振装置の縦断面図であり、図において16は略筒
状の本体であり、この本体16の一端部にMIG2が装
着され、他端部にコレクタ17が取着されていて、本体
16側壁には出力窓3が設けられ、また本体16内部に
はヴラゾフ型のモード変換器18が設けられている。ま
たコレクタ17は接地され、本体1には正の高電圧が印
加され、カソード8及びアノード9には負の高電圧が印
加されるようになっている。なお、19aは冷却材流路
であり、19bは冷却材出入口である。
【0007】このように構成されたジャイロトロン発振
装置は、カソード8を加熱し、高電圧電源11,12で
コレクタ17に対し本体16に正の高電圧を、カソード
8及びアノード9に負の高電圧を印加して運転され、サ
イクロトロン運動を行う電子ビームは円筒空胴6に入射
する。ここで高周波電界との相互作用によって運動エネ
ルギの一部を高周波電界に与え、これによりウィスパリ
ングギャラリーモードの電磁波が生成され、エネルギを
失った電子ビームはコレクタ17に捕捉回収される。一
方、得られた電磁波はテーパ導波管7を通ってモード変
換器18に入射され、TEMモードに変換されて出力窓
3を介して外部に放射される。
【0008】次に、第3の従来例を図9により説明す
る。図9は多段減速型コレクタを有するウィスパリング
ギャラリーモードジャイロトロン発振装置の縦断面図で
あり、図において20はコレクタで、これは本体16の
他端部にそれぞれ絶縁部材15を介して取着された第
1,第2,第3のコレクタ電極21,22,23を有し
て構成されており、各コレクタ電極21,22,23に
は小容量の高電圧電源群24のそれぞれ電圧の異なる第
1,第2,第3の高電圧電源25,26,27が接続さ
れている。そして本体16は接地され、各コレクタ電極
21,22,23にはそれぞれ異なる負の高電圧が、ま
たカソード8及びアノード9にも負の電圧が印加される
ようになっている。
【0009】このように構成されたジャイロトロン発振
装置は、カソード8を加熱し、高電圧電源11で本体1
6に対しカソード8及びアノード9に負の高電圧を印加
すると共に、第1,第2,第3の高電圧電源25,2
6,27で本体16に対し第1,第2,第3のコレクタ
電極21,22,23に異なる負の高電圧を印加して運
転され、サイクロトロン運動を行う電子ビームは円筒空
胴6に入射する。そこで生成された電磁波はテーパ導波
管7を通ってモード変換器18に入射され、TEMモー
ドに変換されて出力窓3を介して外部に放射される。ま
た電磁波の生成でエネルギを失った電子ビームはエネル
ギ毎に分離され、各エネルギに応じた電圧で減速されて
対応するコレクタ20の各コレクタ電極21,22,2
3に捕捉回収される。なお28は真空管である。
【0010】そして、上記の各従来技術においては装置
の効率を上げるために、電子をコレクタ4,17,20
に減速し回収するようにしており、それを行うために本
体1,16を接地してコレクタ4,20に負の高電圧を
印加するか、あるいはコレクタ17を接地して本体16
に正の高電圧を印加するようにしている。
【0011】それ故、上記の第1乃至第3の従来技術に
おいては、第1の問題として下記の点が存在する。すな
わち、ジャイロトロン発振装置は本体1,16を接地し
てコレクタ4,20に負の高電圧を印加するか、あるい
はコレクタ17を接地して本体16に正の高電圧を印加
する。しかし従来技術として印加の具体的な構成は確立
されたものがなく、しかも負もしくは正の高電圧部分が
外部に露出してしまうことが想定されるため、安全性に
欠けたり、露出高電圧部分での放電が生じ不安定な動作
になってしまう虞がある。
【0012】さらに、上記の第2の従来技術において
は、第2の問題として下記の点が存在する。すなわち、
ビームトンネル5、円筒空胴6、テーパ導波管7が設け
られた本体16には装置の運転中にはほとんど電流が流
れないために高電圧電源12としては小容量のものが使
用されている。しかし、例えば装置の運転立ち上げの
際、新たに装置を稼動させる時には内部に残った残存ガ
ス、あるいは休止していた装置を稼動させる時には内壁
面に付着した付着ガスなどに起因して、MIG2とビー
ムトンネル5や円筒空胴6あるいはテーパ導波管7との
間での放電が生じる虞があり、放電が生じた場合には小
容量の高電圧電源12に大電流が流れ、これが破壊され
てしまうことが想定される。
【0013】一方、上記の第3の従来技術においては、
第3の問題として下記の点が存在する。すなわち、電子
ビームがエネルギに応じ複数の各コレクタ電極21,2
2,23に回収されるようにしてコレクタ20の熱負荷
を軽減し小型化を実現しようとするものの、例えば発振
が正常に行われなかった場合、電子ビームは円筒空胴6
での電磁波との相互作用によるエネルギ損失がなく、コ
レクタ20に入射する電力は大きくなるため小型化する
ことができない。さらに、コレクタ20に入射する電子
ビームはエネルギ的に広がりがないため、複数のコレク
タ電極21,22,23のうちの1つに集中して入射す
る。また入射部位もスポット的なものとなるために、入
射したコレクタ電極は単位面積当たりの熱負荷が非常に
大きくなって破損にいたる虞がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、第1の
従来技術では不安定で不安全であり、第2の従来技術で
は小容量高電圧電源の破壊の虞があり、第3の従来技術
ではコレクタの破損の虞があるなどの問題がある。本発
明はこのような状況に鑑みてなされたもので、その目的
とするところは、露出高電圧部分での放電がなく安定に
動作させることができかつ安全性を向上させることがで
きるジャイロトロン発振装置を提供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のジャイロトロン
発振装置は、アノードとカソードを有する電子銃と、
の電子銃から放出されサイクロトロン運動する電子ビー
ムによって励振されて電磁波を発生する円筒空胴と、こ
の円筒空胴に接続され電磁波を導出するテーパ導波管
と、電子ビームを減速回収するコレクタと、電子銃と円
筒空胴及びテーパ導波管との間に電位差を与え給電する
第1の電源と、コレクタと円筒空胴及びテーパ導波管と
の間に電位差を与え給電する第2の電源とを備えるジャ
イロトロン発振装置において、コレクタを一端部側に形
成する外ケースの内部に円筒空胴及びテーパ導波管を絶
縁状態で支持し、かつ該外ケースの他端側に延出するよ
うに該円筒空胴及びテーパ導波管の電圧導入端子を設
け、電圧導入端子に絶縁油中で正の電位を与えると共
に、外ケースを接地するようにしたことを特徴とするも
のである。
【0016】
【作用】上記のように構成されたジャイロトロン発振装
置は、コレクタを一端部に形成する外ケースを接地し、
この外ケースの内部に円筒空胴及びテーパ導波管を絶縁
状態で支持しかつ外ケースの他端側に延出するように設
けた該円筒空胴及びテーパ導波管の電圧導入端子に絶縁
油中で正の電位を与えるようにしており、高電圧部分は
外部に露出しなくなるので、高電圧部分での放電がなく
安定に動作させることができかつ安全性を向上させるこ
とができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。なお、従来と同一部分には同一符号を付して説明
を省略し、従来と異なる本発明の構成について説明す
る。
【0018】先ず、第1の実施例を図1により説明す
る。図1はマルチモードジャイロトロン発振装置の縦断
面図で、図において101は外ケースを構成する略円筒
状の本体で、これは一端部側に端部を出力窓3で閉塞さ
れたコレクタ102が形成されており、中間部分に大径
部103が形成され、他端部側に開孔端板104が設け
られている。本体101の他端部側内部には、同軸に内
管105が一端部側の鍔部106を絶縁部材107を介
して大径部103の内面の棚部に固着し、他端部側の環
状の電圧導入端子108を開孔端板104の開孔から延
出させかつ開孔端板104との間に絶縁部材109を介
在させて固着することにより装着されている。なお内管
105の内部には他端部側から一端部側にかけてビーム
トンネル5、円筒空胴6、テーパ導波管7が形成され、
円筒空胴6が設けられた位置の本体101の外方には円
筒空胴6と同軸にソレノイドコイル10が配置されてい
る。また内管105には円筒空胴6及びテーパ導波管7
の軸方向に沿って図示しない冷却材流路が形成されてお
り、冷却材流路は絶縁部材110を介在させて本体11
5の側壁に穿設された冷却材出入口111に接続されて
いる。
【0019】また、円筒空胴6及びテーパ導波管7が形
成された内管105の環状の電圧導入端子108には、
絶縁部材15を介してMIG2が環状のカソード電圧導
入端子8a及びアノード電圧導入端子9aを電圧導入端
子108に平行になるようにして取着されている。そし
て、外ケースである本体101は接地され、内管105
の電圧導入端子108は第2の電源である小容量の高電
圧電源12の正電位部に接続され、またカソード電圧導
入端子8aは第1の電源である大容量の高電圧電源11
の負電位部に接続され、さらにアノード電圧導入端子9
aは大容量の高電圧電源11に接続された分圧抵抗1
3,14の分圧部に接続されている。このように高電圧
電源11,12に接続された各電圧導入端子8a,9
a,108は絶縁油槽113の絶縁油114中に浸さ
れ、給電されるようになっている。
【0020】このように構成された第1の実施例は、本
体101内を図示しないポンプによって真空状態を維持
しながら絶縁油槽113の絶縁油114中に浸されたM
IG2の給電部分を通じ、図示しないヒータ電源でカソ
ード8を加熱し、高電圧電源11,12で本体101に
対し内管105に電圧導入端子108を通じて正の高電
圧を印加し、カソード8及びアノード9にカソード電圧
導入端子8a及びアノード電圧導入端子9aを通じて負
の高電圧を印加して運転される。この時本体101が接
地されているためコレクタ102は接地状態にある。そ
してMIG2から出射された電子ビームは、ソレノイド
コイル10によって発生するミラー磁界のもとでサイク
ロトロン運動を行いながら円筒空胴6に入射し、ここで
高周波電界との相互作用によって運動エネルギの一部を
高周波電界に与える。これによりマルチモードの電磁波
が生成され、エネルギを失った電子ビームはコレクタ1
02に捕捉回収される。一方、得られた電磁波はテーパ
導波管7を通り、出力窓3を介して外部に放射される。
【0021】このようにコレクタ102が設けられた本
体101を接地状態にし、本体101内に正電位の内管
105を設ける構成にしているため、エネルギを失った
電子ビームをコレクタ102に減速させて回収でき、装
置の総合効率を向上させた状態が維持できる。そして、
内管105へは正の高電圧を絶縁油槽113の絶縁油1
14中に浸された電圧導入端子108を通じて印加する
ようにしているため、高電圧部分が外部に露出せず、放
電を防ぐことができて安定した電圧の供給ができ、また
高電圧に対する安全性が確保できる。
【0022】次に、第2の実施例を図2により説明す
る。図2はウィスパリングギャラリーモードジャイロト
ロン発振装置の縦断面図であり、図において115は一
端部側を大径にし他端部側を小径に形成した外ケースを
構成する略2段円筒状の本体で、これは端部を閉塞した
一端部側にコレクタ116が形成されると共に側壁に出
力窓3が形成されており、他端部側に開孔端板104が
設けられている。また本体115の他端部側内部には、
同軸に内管117が一端部側の張出部118を絶縁部材
107を介して本体115の大径部分と小径部分の接続
部位に形成された内面棚部に固着し、他端部側の環状の
電圧導入端子108を開孔端板104の開孔から延出さ
せかつ開孔端板104との間に絶縁部材109を介在さ
せて固着することにより装着されている。なお内管11
7の一端部にはモード変換器18が設けられ、内管11
7の内部には他端部側から一端部側にかけてビームトン
ネル5、円筒空胴6、テーパ導波管7が形成され、円筒
空胴6が設けられた位置の本体115の外方には円筒空
胴6と同軸にソレノイドコイル10が配置されている。
また内管117には円筒空胴6及びテーパ導波管7の軸
方向に沿って冷却材流路19aが形成されており、冷却
材流路19aは絶縁部材119を介在させて本体115
の側壁に穿設された冷却材出入口19bに接続されてい
る。
【0023】そして、第1の実施例と同様に円筒空胴6
及びテーパ導波管7が形成された内管117の環状の電
圧導入端子108には、絶縁部材15を介してMIG2
がカソード電圧導入端子8a及びアノード電圧導入端子
9aを電圧導入端子108に平行になるようにして取着
されている。また本体115は接地され、内管117の
電圧導入端子108は小容量の高電圧電源12の正電位
部に接続され、またカソード電圧導入端子8aは大容量
の高電圧電源11の負電位部に接続され、さらにアノー
ド電圧導入端子9aは大容量の高電圧電源11に接続さ
れた分圧抵抗13,14の分圧部に接続されている。こ
のように高電圧電源11,12に接続された各電圧導入
端子8a,9a,108は絶縁油槽113の絶縁油11
4中に浸され、給電されるようになっている。
【0024】このように構成された第2の実施例におい
ても、本体115内を図示しないポンプによって真空状
態を維持しながら絶縁油槽113の絶縁油114中に浸
されたMIG2の給電部分を通じ、図示しないヒータ電
源でカソード8を加熱し、高電圧電源11,12で本体
115に対し内管117に電圧導入端子108を通じて
正の高電圧を印加し、カソード8及びアノード9にカソ
ード電圧導入端子8a及びアノード電圧導入端子9aを
通じて負の高電圧を印加して運転される。この時本体1
15が接地されているためコレクタ116は接地状態に
ある。そしてMIG2から出射された電子ビームは、ソ
レノイドコイル10によって発生するミラー磁界のもと
でサイクロトロン運動を行いながら円筒空胴6に入射
し、ここで高周波電界との相互作用によって運動エネル
ギの一部を高周波電界に与える。これによりウィスパリ
ングギャラリーモードの電磁波が生成され、エネルギを
失った電子ビームはコレクタ116に捕捉回収される。
一方、得られた電磁波はテーパ導波管7を通ってモード
変換器18に入射され、TEMモードに変換されて出力
窓3を介して外部に放射される。
【0025】そして、第2の実施例においても第1の実
施例と同様の作用、効果が得られる。
【0026】なお、上記第1及び第2の実施例において
はマルチモードジャイロトロン発振装置及びウィスパリ
ングギャラリーモードジャイロトロン発振装置でコレク
タを接地するものについて説明したがこれに限定される
ものではなく、例えば多段減速型コレクタを有するウィ
スパリングギャラリーモードジャイロトロン発振装置に
おいてもエネルギが大きい電子を回収するコレクタ電極
を外ケースと共に形成し、これを接地するようにし、外
ケース内に設けた他のコレクタ電極や円筒空胴などの電
圧導入端子を、カソード電圧導入端子及びアノード電圧
導入端子と共に絶縁油槽内に設けて給電するようにする
こと等で同様の作用、効果が得られる。
【0027】次に、第3の実施例を図3により説明す
る。図3はウィスパリングギャラリーモードジャイロト
ロン発振装置の縦断面図であり、図において120はダ
イオードであり、これは接地したコレクタ17に対し本
体16を正の高電位になるようにそれぞれの間に接続さ
れた小容量の高電圧電源12に、アノードがコレクタ1
7側に、カソードが本体16側になるように並列に接続
されている。そしてカソード電圧導入端子8aは大容量
の高電圧電源11の負電位部に接続され、さらにアノー
ド電圧導入端子9aは大容量の高電圧電源11に接続さ
れた分圧抵抗13,14の分圧部に接続されている。
【0028】このように構成された第3の実施例は、カ
ソード8を加熱し、高電圧電源11,12でコレクタ1
7に対し本体16に正の高電圧を、カソード8及びアノ
ード9に負の高電圧を印加して運転が開始され、サイク
ロトロン運動を行う電子ビームは円筒空胴6に入射す
る。ここで高周波電界との相互作用によって運動エネル
ギの一部を高周波電界に与え、これによりウィスパリン
グギャラリーモードの電磁波が生成され、エネルギを失
った電子ビームはコレクタ17に回収される。一方、得
られた電磁波はテーパ導波管7を通ってモード変換器1
8に入射され、TEMモードに変換されて出力窓3を介
して外部に放射される。
【0029】そして、上述の運転の立ち上げ時点で、例
えば内壁面に付着ガスが存在していたとする。この付着
ガスに起因してMIG2のカソード8とビームトンネル
5、円筒空胴6あるいはテーパ導波管7との間に放電が
生じ、小容量の高電圧電源12に放電に伴う大電流が流
れようとすると高電圧電源12に並列に接続したダイオ
ード120に電流が順方向に流れ、高電圧電源12には
流れない。
【0030】このように高電圧電源12に並列にダイオ
ード120を接続することで、装置の運転中にはほとん
ど電流が流れない高電圧電源12を、小容量のものとし
て小型で低コストのものとしながら運転立ち上げ時に異
常放電が生じても破壊する虞がないものとすることがで
きる。
【0031】次に、第4の実施例を図4により説明す
る。図4は多段減速型コレクタを有するウィスパリング
ギャラリーモードジャイロトロン発振装置の縦断面図で
あり、図において121はコレクタ20への入射電力密
度の監視手段を構成する電磁波検出器で、これは出力窓
3に接続された導波管122の管壁に開孔123を有
し、この開孔123を通じて導波管122内の電磁波の
検出を行う。124は電磁波検出器121に接続され、
その出力信号をモニタするコンパレータで、この出力側
には駆動部125が接続され、さらに駆動部125の出
力によって真空管28の遮断動作が制御されるように接
続されている。そして、コンパレータ124は予め設定
された値よりも電磁波検出器121からの出力信号が低
くなった時に駆動部125に信号を出力する。
【0032】このように構成された第4の実施例では、
発振が正常に行われなかった場合に出力窓3に接続され
た導波管122を通じて外部に放射される電磁波が減少
する。この電磁波の減少を電磁波検出器121で検出し
てコンパレータ124に信号を出力する。そしてこの出
力された信号がコンパレータ124で比較され、予め設
定された値よりも低くいと駆動部125に真空管28を
遮断動作させるように信号を出力し、駆動部125によ
って真空管28は遮断動作する。これによって装置の運
転は停止する。
【0033】このようにコレクタ20への入射電力密度
の監視手段である電磁波検出器121などを設けること
により、発振が正常に行われなかった場合には電磁波検
出器121の検出信号により装置の運転を停止し、コレ
クタ20の一つのコレクタ電極に電力が集中し、そのコ
レクタ電極が破損するのを防止する。このためコレクタ
20は熱負荷が軽減され小型化したものとすることがで
きる。
【0034】なお、多段減速型コレクタを有するものだ
けでなく、単段減速型コレクタを有するものにおいても
入射電力密度の監視手段を設けることにより略同様の作
用、効果が得られる。
【0035】次に、第5の実施例を図5により説明す
る。図5は多段減速型コレクタを有するウィスパリング
ギャラリーモードジャイロトロン発振装置の縦断面図で
あり、図において126はコレクタ20への入射電力密
度の監視手段を構成する温度計で、第1及び第2のコレ
クタ電極21,22にそれぞれ埋め込まれている。12
7a,127bは対応する各温度計126に接続され、
それらからの出力信号をモニタするコンパレータで、こ
れらの出力側には駆動部125が接続され、さらに駆動
部125の出力によって真空管28の遮断動作が制御さ
れるように接続されている。そして、コンパレータ12
7a,127bは予め設定された温度よりも各コレクタ
電極21,22の温度が高くなった時に駆動部125に
信号を出力する。
【0036】このように構成された第5の実施例では、
発振が正常に行われなかった場合に電子ビームがコレク
タ20の一つのコレクタ電極に集中して入射し、そのコ
レクタ電極の温度が上昇する。この温度上昇を温度計1
26で検出し、例えば第1のコレクタ電極21であれば
コンパレータ127aに信号を出力する。そしてこの出
力された信号がコンパレータ127aで比較され、予め
設定された温度を越えると駆動部125に真空管28を
遮断動作させるように信号を出力し、駆動部125によ
って真空管28は遮断動作する。これによって装置の運
転は停止する。
【0037】このようにコレクタ20への入射電力密度
の監視手段である温度計126などを設けることによ
り、発振が正常に行われなかった場合には温度計126
の温度により装置の運転を停止し、コレクタ20の一つ
のコレクタ電極に電力が集中し、そのコレクタ電極が破
損するのを防止する。このため本実施例においても第4
の実施例と同様の作用、効果が得られる。
【0038】次に、第6の実施例を図6により説明す
る。図6は多段減速型コレクタを有するウィスパリング
ギャラリーモードジャイロトロン発振装置の縦断面図で
あり、図において128a,128bはコレクタ20へ
の入射電力密度の監視手段を構成する電流計測器で、こ
れらは第1及び第2のコレクタ電極21,22と第1及
び第2の高電圧電源25,26の間に挿入されている。
また電流計測器128a,128bは対応する各コレク
タ電極21,22と高電圧電源25,26の間に流れる
電流値をモニタしており、モニタに基づく信号を出力す
る。そして電流計測器128a,128bのモニタに基
づく信号の出力側には駆動部125が接続され、さらに
駆動部125の出力によって真空管28の遮断動作が制
御されるように接続されている。そして、電流計測器1
28a,128bは予め設定された電流値よりも各コレ
クタ電極21,22の電流値が大きくなった時に駆動部
125に信号を出力する。
【0039】このように構成された第6の実施例では、
発振が正常に行われなかった場合に電子ビームがコレク
タ20の一つのコレクタ電極に集中して入射し、そのコ
レクタ電極の電流値が上昇する。この電流値の上昇を、
例えば第1のコレクタ電極21であれば電流計測器12
8aがモニタしており、電流値が予め設定された値を越
えるとモニタに基づいて駆動部125に真空管28を遮
断動作させるように信号を出力し、駆動装置125によ
って真空管28は遮断動作する。これによって装置の運
転は停止する。
【0040】このようにコレクタ20への入射電力密度
の監視手段である電流計測器128a,128bなどを
設けることにより、発振が正常に行われなかった場合に
は電流計測器128a,128bの計測した電流値によ
り装置の運転を停止し、コレクタ20の一つのコレクタ
電極に電力が集中し、そのコレクタ電極が破損するのを
防止する。このため本実施例においても第4の実施例と
同様の作用、効果が得られる。
【0041】尚、本発明は上記の各実施例のみに限定さ
れるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更
して実施し得るものである。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、コレクタを一端部に形成する外ケースを接地し、
の外ケースの内部に円筒空胴及びテーパ導波管を絶縁状
態で支持しかつ外ケースの他端側に延出するように設け
た該円筒空胴及びテーパ導波管の電圧導入端子に絶縁油
中で正の電位を与えるように構成したことにより、高電
圧部分での放電がなく安定に動作させることができかつ
安全性を向上させることができる等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例を示す縦断面図である。
【図4】本発明の第4の実施例を示す縦断面図である。
【図5】本発明の第5の実施例を示す縦断面図である。
【図6】本発明の第6の実施例を示す縦断面図である。
【図7】従来技術の第1の例を示す縦断面図である。
【図8】従来技術の第2の例を示す縦断面図である。
【図9】従来技術の第3の例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
2…電子銃 6…円筒空胴 7…テーパ導波管 8…カソード 9…アノード 11…大容量高電圧電源(第1の電源) 12…小容量高電圧電源(第2の電源) 101…本体(外ケース) 102…コレクタ 105…内管 108…電圧導入端子 114…絶縁油
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 25/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アノードとカソードを有する電子銃と、
    この電子銃から放出されサイクロトロン運動する電子ビ
    ームによって励振されて電磁波を発生する円筒空胴と、
    この円筒空胴に接続され前記電磁波を導出するテーパ導
    波管と、前記電子ビームを減速回収するコレクタと、前
    記電子銃と前記円筒空胴及びテーパ導波管との間に電位
    差を与え給電する第1の電源と、前記コレクタと前記円
    筒空胴及びテーパ導波管との間に電位差を与え給電する
    第2の電源とを備えるジャイロトロン発振装置におい
    て、前記コレクタを一端部側に形成する外ケースの内部
    に前記円筒空胴及びテーパ導波管を絶縁状態で支持し、
    かつ該外ケースの他端側に延出するように該円筒空胴及
    びテーパ導波管の電圧導入端子を設け、前記電圧導入端
    子に絶縁油中で正の電位を与えると共に、前記外ケース
    を接地するようにしたことを特徴とするジャイロトロン
    発振装置。
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