JP3162420B2 - 易ヒートシール性ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents

易ヒートシール性ポリプロピレン樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィンを加熱接
着する際にヒートシール層として有用な透明性に優れた
易ヒートシール性のポリプロピレン樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来技術】立体規則性のポリプロピレンは、剛性に優
れ、透明性、光沢などの外観に優れており種々の用途に
用いられている。フィルム用に用いられるときにはその
耐衝撃性とかヒートシール性を改良するためエチレンと
の共重合が行われ、更に、剛性と耐衝撃性、ヒートシー
ル性のバランスに優れたものとしてプロピレン−エチレ
ン−ブテン-1の三元コポリマーなどが知られている。こ
れらの共重合体としては、実質的にアイソタクチック構
造のものの他に実質的にシンジオタクチック構造のもの
がありシンジオタクチック構造のものは、J.A.EWEN(J.A
m.Chem.Soc.,1988,110,6255-6256) らにより発見され
た、非対称な配位子を有する遷移金属化合物とアルミノ
キサンからなる触媒によって製造することができる( 特
開平1-304683) 。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記共重合体は剛性と
耐衝撃性、ヒートシール性のバランスに優れるがフイル
ムの利用の生産性を向上するため、さらにヒートシール
性を改良することが望まれている。実質的にアイソタク
チック構造の共重合体に対しては、均一系の触媒で製造
したアイソタクチック構造の結晶性のブテン-1とプロピ
レンの共重合体が有効であることが知られている( 特開
昭62-119213)。均一系の触媒で製造した、ランダム性に
富む共重合体は極めて優れているが、さらに接着強度、
透明性を改良することが望まれる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決して接着強度、透明性を改良し、しかも物性に優れ
た組成物について鋭意探索し本発明を完成した。
【0005】即ち本発明は、立体規則性の結晶性ポリプ
ロピレンであって、該重合体中のプロピレン単位が98〜
80wt% 、炭素数4 〜12のα- オレフィン単位が0 〜18wt
% 、エチレン単位が2 〜20wt% であり、230 ℃で測定し
たメルトフローインデックスが0.1 〜100g/10minである
重合体95〜50wt部と、1,2,4−トリクロロベンゼン
溶液で測定した13C-NMR で、ブテン-1単位の側鎖のメチ
レン基の吸収のうちテトラメチルシランを基準として約
27.7ppm に観測される吸収強度が、約27.9〜26.0ppm に
観測されるメチレン基の全吸収強度の0.3 以上であり、
プロピレンダイアッドのプロピレン単位に対する割合が
0.05〜0.20であり、プロピレンの含量が0.1 〜20wt% で
あり、135 ℃のテトラリン溶液で測定した極限粘度が0.
05dl/g以上であるブテン-1の共重合体5 〜50wt部とか
らなるヒートシールポリプロピレン樹脂組成物であ
る。
【0006】本発明において、立体規則性の結晶性ポリ
プロピレンであって、該重合体中のプロピレン単位が98
〜80wt% 、炭素数4 〜12のα- オレフィン単位が0 〜18
wt%、エチレン単位が2 〜20wt% であり230 ℃で測定し
たメルトフローインデックスが0.1 〜100g/10minである
重合体は、実質的にアイソタクチック構造のものの他に
シンジオタクチック構造のものであっても良い。
【0007】実質的にアイソタクチック構造のものと
は、後述の方法で測定した13C-NMR スペクトルにおいて
主としてプロピレン単位のメチル基に帰属される吸収が
約21.8ppm に観測されるものであり、実質的にシンジオ
タクチック構造のものとは、約20.2ppm に観測されるも
のである。
【0008】アイソタクチック構造のものは三塩化チタ
ン、あるいはその改質物、四塩化チタンを電子供与性化
合物とともに塩化マグネシウムなどの担体に担持したも
のなどと有機アルミニム、必要に応じ電子供与性化合物
と共に用いてプロピレンとエチレン必要に応じ炭素数4
〜12のα- オレフィンと共に重合することで製造するこ
とができ、市場で種々のものを入手することができる。
一方、シンジオタクチック構造のものは上述の特許にそ
の詳細が示されており非対称な配位子を有するメタロセ
ン化合物からなる触媒を用いて製造することができる。
【0009】ここで共重合体中においてはプロピレン単
位が98〜80wt% 、炭素数4 〜12のα- オレフィン単位が
0 〜18wt% 、エチレン単位が2 〜20wt% であることが必
要でありプロピレン単位がこれ以下では成形物の剛性が
不良であり、これ以上では耐衝撃性が不良である。また
炭素数4 〜12のα- オレフィン単位がこれ以上では成形
物の剛性が不良であり、エチレン単位がこれ以下では耐
衝撃性とヒートシール性が不良でありこれ以上では成形
物の剛性が不良である。また成形性の点から230 ℃で測
定したメルトフローインデックスが0.1 〜100 g/10min
であることが必要であり0.1 g/10min未満ではフィルム
状に成形するのが困難であり、100 g/10minを越えても
成形が困難である。
【0010】本発明の組成物において重要なブテン-1と
プロピレンの共重合体は、実質的にブテン-1単位の連鎖
がアイソタクチック構造を有するものであり、それは以
下によって特定される、即ち、1,2,4−トリクロロ
ベンゼン溶液で測定した13C-NMR で、ブテン-1単位の側
鎖のメチレン基の吸収のうちテトラメチルシランを基準
として約27.7ppm に観測される吸収強度が、約27.9〜2
6.0ppm に観測されるメチレン基の全吸収強度の0.3 以
上であり、プロピレンダイアッドのプロピレン単位に対
する割合が0.05〜0.20であり、プロピレンの含量が0.1
〜20wt% であり、135 ℃のテトラリン溶液で測定した極
限粘度が0.05dl/g以上であるブテン-1の共重合体であ
る。
【0011】ここでアイソタクティシティーの尺度であ
13C-NMR の測定結果で特定されるパラメーターが0.3
より小さいと物性バランスが不良となり、またプロピレ
ン含量がこの範囲をはずれると組成物の物性が不良とな
り好ましくない。また極限粘度がこれ未満では組成物の
物性、特にフイルムにした時のブロッキングが不良とな
り好ましくない。極限粘度の上限としては5dl/g程度
である。
【0012】ここで特に重要なのはプロピレンダイアッ
ドが観測されることでありそのプロピレン単位に対する
比とは、(PP/(PP+ 0.5×PB))で定義され、
PPはプロピレン単位が2個連続したダイアッドの量
を、PBはプロピレンとブテン-1が連なったダイアッド
の量を示し、それぞれ上記条件で測定した時、約47.1pp
m と43.7ppm に観測されるメチレンカーボンに帰属され
るピークの強度を用いて計算される。この値が0.05より
小さいと透明性が劣り、また0.20より大きいとヒートシ
ール性の改良効果が少ない。
【0013】このような条件を満足する共重合体を製造
するに好ましく利用される触媒としてはシリレン基で結
合した、2〜3個のアルキル基で置換された2個のシク
ロペンタジエニル基を配位子として有するジルコニウ
ム、あるいはハフニウムの化合物と有機アルミニウムか
らなる触媒が用いられ、シリレン基で結合した、2〜3
個のアルキル基で置換された2個のシクロペンタジエニ
ル基を配位子として有するジルコニウム、あるいはハフ
ニウムの化合物を用いてプロピレンを重合する例は、例
えば特開平1-301704、同1-319489などに示されており、
ジメチルシクロペンタジエニル、あるいはトリメチルシ
クロペンタジエニル基がシリレン基で結合した化合物を
配位子として有する化合物が利用できる。
【0014】有機アルミニウムとしては、アルミノキサ
ン、あるいは遷移金属化合物と反応して安定なアニオン
を形成するような化合物と組み合わせる場合にはアルキ
ルアルミニウムが利用できる。
【0015】ここで遷移金属化合物と反応して安定なア
ニオンを形成する化合物としては、トリフェニルメチル
- テトラキスペンタフルオロフェニル硼素、あるいはト
リフェニルメチル- テトラキスペンタフルオロフェニル
アルミニウム、あるいは塩化マグネシウム、アルミナな
どが例示される。ここで使用割合としては遷移金属触媒
に対して、アルキルアルミニムが1 〜1000モル倍、遷移
金属化合物と反応して安定なアニオンを形成する化合物
は1〜100 モル倍程度である。
【0016】アルキルアルミニウムとしては特にトリア
ルキルアルミニウムが好ましく利用でき、炭素数が1〜
20のアルキル基、特に2〜12の同じか、異なるアル
キル基が結合したトリアルキルアルミニウムが例示でき
る。具体的には、トリエチルアルミニウム、トリプロピ
ルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリヘキシ
ルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリノニ
ルアルミニウムなどが例示できる。
【0017】アルミノキサンとしてはアルキルアルミニ
ウム、特にトリメチルアルミニウムと水との反応物が好
ましく利用され、重合度が5 以上、好ましくは10以上の
ものが利用される。上記遷移金属化合物に対するアルミ
ノキサンの使用割合としては10〜1000000 モル倍、通常
50〜5000モル倍である。
【0018】重合条件については、特に制限はなく、不
活性媒体を用いる溶媒重合法、あるいは実質的に不活性
媒体の存在しない塊状重合法、気相重合法も利用でき
る。重合温度としては−100 〜200 ℃、重合圧力として
は常圧〜100 kg/cm2 で行うのが一般的である。好まし
くは−100 〜100 ℃、常圧〜50kg/cm2 である。ここで
プロピレンとブテン-1の重合割合としては上述の範囲と
されるが上記条件を満足する限りプロピレンの一部をエ
チレン、あるいはペンテン-1、ヘキセン-1等の他のα-
オレフィンに変えることもできる。
【0019】本発明において上記2つの共重合体の混合
割合としては前者の重合体が95〜50wt部、後者の重合体
が5 〜50wt部であることが必要であり、前者が95wt部よ
り多いとヒートシール性の改良効果がなく、また50wt部
より小さいと剛性、ブロッキング性などの物性が不良と
なる。より好ましくは前者の重合体が90〜60wt部、後者
の重合体が10〜40wt部である。
【0020】本発明において両者の混合方法については
特に制限はなく、ヘンシェルミキサーなどで混合後、押
出機で溶融混合する方法の他にロールによる方法、ブラ
ベンダー、バンバリーミキサーにより混合する方法等公
知の方法が利用できる。またこの際酸化防止剤、紫外線
吸収剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤など公知の
添加剤を添加することは勿論可能であり用途によっては
好ましい。
【0021】
【実施例】以下に実施例を示しさらに本発明を説明す
る。
【0022】実施例および比較例において、フィルム物
性は共重合体粉末に対してフェノール系安定剤20/10000
重量比、ステアリン酸カルシウム 5/10000重量比、滑剤
9/10000重量比およびアンチブロッキング剤である二酸
化珪素の微粉末を25/10000重量比の割合で添加し、続い
て20リットルのヘンシェルミキサー(三井三池製作所
(株)製)を用い、30〜40℃で4分間混合した後、 65m
/mφシングルスクリュウ造粒機(東芝機械(株)製)で
混練してペレットとし、次いで 40m/mφシングルスクリ
ュウ製膜機(大阪精機(株)製)にて、樹脂温度 250℃
で厚さ30μ、幅25cmのTダイフィルムを作り、これにつ
いて評価した。
【0023】各物性の測定は次の通りである。 ・ヘイズ(%) :ASTM 1003-53。 ・ブロッキング(%) :フィルムを2枚重ねあわせ、2kg
の錘を乗せ50℃で24時間保った後、密着面積の割合とし
て算出。 ・ヤング率 (kg/mm2) :20mm×220mm のフィルムを用い
てインストロン万能引張圧縮試験機にて測定。 ・浮き出し:フィルムを50℃で30日間保持した後、目視
により判定。 ・ヒートシール温度:東洋精機(株)製熱傾斜式試験機
を使用して測定(なお、ヒートシールは圧力2kg/c
m2 、時間1秒で行いヒートシールされたサンプルのヒ
ートシール強度はインストロン万能引張圧縮試験機にて
測定し300g/25mm となる温度として示した。)。 ・ホットタック性:テスター産業(株)製ヒートシール
テスターを使用。ヒートシール圧力1kg/cm2 で1秒間
加圧し、剥離荷重45gで剥離しなくなる最低温度として
測定。 ・メルトフローインデックス:ASTM D1238-65T に準拠
し、温度は 230℃、荷重は2.16kgで測定。
【0024】実施例1 (触媒の調製)直径12mmの鋼球9kgの入った内容積4リ
ットルの粉砕用ポットを4個装備した振動ミルを用意す
る。各ポットに窒素雰囲気中で塩化マグネシウム300g、
フタル酸ジイソブチル 115ml、四塩化チタン60mlを加え
40時間粉砕した。
【0025】上記共粉砕物5gを 200mlのフラスコに入れ
トルエン 100mlを加え 114℃で30分間撹拌処理し、次い
で静置して上澄液を除去した。次いでn-ヘプタン 100ml
を用い20℃で3回、固形分を洗浄しさらに 100mlのn-ヘ
プタンに分散して遷移金属触媒スラリーとした。得られ
た遷移金属触媒はチタンを1.8wt%含有し、フタル酸ジイ
ソブチルを18wt% 含有していた。
【0026】(共重合体の製造)内容積 100リットルの
充分に乾燥し窒素で置換し、さらにプロピレンで置換し
たジャケット付きオートクレーブにプロピレン25kg、ブ
テン-1を 3.4kg装入して重合の準備とした。
【0027】一方、1リットルのフラスコにn-ヘプタン
500ml、トリエチルアルミニウム 4.7ml、シクロヘキシ
ルメチルジメトキシシラン 2.3mlと上記触媒調製で得ら
れた遷移金属触媒を固形分として0.35g 混合して、準備
した前記内容積 100リットルのオートクレーブに圧入し
た。次いで、水素及びエチレンを所定量装入した後ジャ
ケットに温水を通じて内温が65℃で各々の気相濃度が、
水素 2.3モル%、エチレン 1.5モル%、ブテン-1を 3.5
モル%に保てるように水素、エチレン、ブテン−1を装
入しながらプロピレンを5kg/hで連続装入して重合し、
3時間経過後ジエチレングリコールモノイソプロピルエ
ーテル 3.5mlを圧入して、さらに60℃で30分間攪拌して
重合を終了した。
【0028】(後処理)得られた共重合体スラリーを、
細い部分の内径が15cm、上部の太い部分の内径が30cm、
細い部分の長さが5m、上部の太い部分の長さが1mの
向流洗浄塔の上部に50kg/hで、下部よりはプロピレン89
モル%、プロパン 5モル%、エチレン 1モル%、ブテン
-1 5モル%の組成からなる洗浄液を 100kg/hの割合で導
入し、向流洗浄塔上方より 110kg/hの洗浄液、下方より
洗浄された共重合体スラリーを40kg/hで取り出す。取り
出された共重合体スラリーは、内径20cm、長さ60mの外
側管内に1kg/cm2 ゲージのスチームを通じて加熱でき
る2重管を経て大気圧に保たれたサイクロンに放出し、
得られたパウダーはさらに、50℃、60mmHgで10時間乾燥
して13.0kgの共重合体が得られた。
【0029】この共重合体のエチレン含量は2.1wt%、ブ
テン−1は1.6wt%、135 ℃テトラリン溶液で測定した極
限粘度(以下、ηと記す)は1.63dl/g、メルトフロー
インデックスは5.7 g/10min であった。製膜して測定し
た物性は、ヘイズが2.0 %、ブロッキングが10%、ヤン
グ率は69kg/mm2、ヒートシール温度132.8 ℃、浮きだし
は無しでホットタック温度は142.5 ℃であった。
【0030】一方内容積3リットルのオートクレーブで
常法に従い、ジメチルシリルビス(2,4−ジメチルシ
クロペンタジエニル)をリチウム化し、四塩化ジルコニ
ウムと反応することで得たジメチルシリルビス(2,4
−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド5mgをトルエン10mlに溶解し、メチルアルミノキサ
ン(東ソー・アクゾ製)720mg を加えて触媒成分溶液と
し、トルエン1リットル、ブテン−1を250gとプロピレ
ン30g を入れ、ついで内温を20℃に保ちながら2 時間重
合した。共重合体180.1gを得た。
【0031】得られた共重合体は1,2,4−トリクロ
ロベンゼン溶液で測定した13C-NMRによれば、プロピレ
ンを11重量%含有し、プロピレンダイアッドのプロピレ
ン単位に対する比は0.14であった。また側鎖のメチレン
基に帰属されるピークのうち約27.7ppm に観測される、
アイソタクチック構造にもとづくものは0.85と極めてア
イソタクチック構造の比率の高いものであった。またη
は0.96dl/gであった。ゲルパーミエーションクロマト
グラフィーで135 ℃の1,2,4−トリクロロベンゼン
溶液で測定した重量平均分子量と数平均分子量の比(以
下、MW/MN と記す)は2.2 であった。
【0032】このポリマー20wt部に対し上記共重合体80
wt部を混合して同様に評価したところ、ヘイズが2.1
%、ブッロキングが10%、ヤング率は63kg/mm2、ヒート
シール温度が119℃、浮きだしは無しでホットタック温
度は103 ℃であった。
【0033】比較例1 プロピレン−ブテン-1共重合体として従来の触媒系で得
たものを用いた(実施例1の塩化マグネシウムを含有す
る触媒を用いて重合して得た。)。この重合体は、13C-
NMR における約26.9ppm の吸収は殆どなく、約27.8ppm
に最大強度(全メチレン基の約0.7)が観察され、プロピ
レンダイアッドのプロピレン単位に対する比は0.25であ
った。プロピレン含量が10.5wt% 、極限粘度が0.7 dl/
であった。
【0034】この共重合体を用いた他は実施例1と同様
にして評価したところ、ヘイズが2.2 %、ブッロキング
が10%、ヤング率は55kg/mm2、ヒートシール温度が128.
5 ℃、浮きだしは無しでホットタック温度は130.0 ℃で
あった。ヤング率の低下が大きくホットタック性がやや
劣る。
【0035】比較例2 エチレンの気相濃度を 3.6モル%にした以外は実施例1
と同様にしたところ、ヘイズ1.7 %、ブッロキング10
%、ヤング率50kg/mm2、ヒートシール温度124.6℃、浮
きだしは無し、ホットタック温度は135.0 ℃であった。
エチレン含量を増すことで実施例1と同様のヒートシー
ル性を示すが、ヤング率が大幅に低下しており、またホ
ットタック性が不良である。
【0036】比較例3 触媒としてジメチルシリルビス(2,4−ジメチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドにかえエチ
レンビスインデニルジルコニウムを用い重合温度を0 ℃
として40時間重合した。得られた共重合体は、プロピレ
ンを12重量%含有し、プロピレンダイアッドのプロピレ
ン単位に対する比は0.02であった。また側鎖のメチレン
基に帰属されるピークのうち約27.7ppm に観測される、
アイソタクチック構造にもとづくものは0.78であり、η
は0.86dl/gであった。MW/MN は2.1 であった。
【0037】このポリマーを用い実施例1 と同様に評価
したところ、ヘイズが3.1 %、ブッロキングが10%、ヤ
ング率は58kg/mm2、ヒートシール温度が120 ℃、浮きだ
しは無しでホットタック温度は115 ℃であった。
【0038】実施例2 プロピレンの使用量を51g としてプロピレン含量19.5wt
% のブテン-1−プロピレンの共重合体を得た。プロピレ
ンダイアッドのプロピレン単位に対する比は0.18であっ
た。またアイソタクチック構造にもとづくものは0.81と
極めてアイソタクチック構造の比率の高いものであっ
た。またηは1.05dl/gであり、MW/MN は2.2 であっ
た。
【0039】このポリマーを用いて実施例1 と同様に評
価したところ、ヘイズが2.0 %、ブッロキングが15%、
ヤング率は61kg/mm2、ヒートシール温度が105 ℃、浮き
だしは無しでホットタック温度は101 ℃であった。
【0040】
【発明の効果】本発明の組成物は物性バランスに優れ、
しかもヒートシール性が良好であり工業的に極めて価値
がある。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】立体規則性の結晶性ポリプロピレンであっ
    て、該重合体中のプロピレン単位が98〜80wt% 、炭素数
    4 〜12のα- オレフィン単位が0 〜18wt% 、エチレン単
    位が2 〜20wt% であり、230 ℃で測定したメルトフロー
    インデックスが0.1 〜100g/10minである重合体95〜50wt
    部と、1,2,4−トリクロロベンゼン溶液で測定した
    13C-NMR で、ブテン-1単位の側鎖のメチレン基の吸収の
    うちテトラメチルシランを基準として約27.7ppm に観測
    される吸収強度が、約27.9〜26.0ppm に観測されるメチ
    レン基の全吸収強度の0.3 以上であり、プロピレンダイ
    アッドのプロピレン単位に対する割合が0.05〜0.20であ
    り、プロピレンの含量が0.1 〜20wt% であり、135 ℃の
    テトラリン溶液で測定した極限粘度が0.05dl/g以上で
    あるブテン-1の共重合体5 〜50wt部とからなるヒートシ
    ールポリプロピレン樹脂組成物。
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