JP3160674B2 - ビタビ復号器のパスメモリ情報を用いた回線状態推定回路 - Google Patents

ビタビ復号器のパスメモリ情報を用いた回線状態推定回路

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JP3160674B2 JP10656191A JP10656191A JP3160674B2 JP 3160674 B2 JP3160674 B2 JP 3160674B2 JP 10656191 A JP10656191 A JP 10656191A JP 10656191 A JP10656191 A JP 10656191A JP 3160674 B2 JP3160674 B2 JP 3160674B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビタビ復号器のパスメモ
リ情報を用いた回線状態推定回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1に従来のビタビ復号器1と回線状態
推定部2の簡略図を示す。パスメモリ部13では、メト
リック計算部11で各状態毎に求められたメトリックを
もとに、ACS部12によりパスを選択する。そして、
選択されたパスに相当するデータが対応するパスメモリ
位置に蓄えられ、復号動作が進行するにつれてパスメモ
リの内容が更新されていく。回線状態が良好な程パスが
マージする為に要する時間が短く、パスがマージすると
その時刻でのパスメモリの内容も一致する。一方回線状
態が劣悪な場合には、復号動作が進んでもパスがマージ
する確率が低くなる。このように、ある時刻でのパスメ
モリ内容の全一致・不一致は回線状態に大きく依存して
いる。従って、抽出部15で抽出し全一致・不一致検出
回路21でパスメモリ内容の全一致・不一致情報を検出
し、累積加算器22で累積加算し、信号変換回路23の
回線状態信号出力から回線状態を推定する事が出来る。
【0003】図2に回線誤り個数対全一致回数特性の一
例を示す。これは計算機シミュレーション結果で、nが
25,15,13,10において観測した場合を示して
いる。個々にnは現時刻から何時刻前のパスメモリを観
測するかを示す値である。レート1/2の畳み込み符号
化された規定長のデータ列に対し、規定個数の誤りをラ
ンダムな位置に挿入てビタビデコーダに入力し、回線状
態推定を行う。この試行を2000回行い平均化して得
た特性である。ここで、nは観測位置が現時刻から何時
刻前のパスメモリ位置かを表す。同図より、回線誤り個
数が変化しても全一致確率に変化が全く表れない箇所
(n=25の回線誤り個数0から5)や変化の小さい箇
所(n=10の回線誤り個数20から33,n=15の
回線誤り個数25から33など)がある事がわかる。こ
の領域では、全一致回数から挿入誤り個数を判別する事
が不可能あるいは困難であり、従ってこの部分を用いて
回線状態推定を行うと推定誤差が非常に大きくなる。推
定誤差を小さく抑える為には、回線誤り個数対全一致回
数特性の傾きが急峻な部分を用いなければならない。ま
た判別困難な領域が存在する事より、図1に示されるた
だ1箇所の全一致・不一致検出では広範囲な回線誤り個
数に対して高精度な推定を行うことは困難である。 ま
た、誤りパターンの違いによって同一誤り個数に対して
も全一致回数にばらつきが生じる。このことが推定誤差
改善の限定要因となる為、ばらつきによる誤差を小さく
抑える事が必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、パスメ
モリ情報を用いて回線状態を推定する場合、パスメモリ
内容の全一致・不一致検出をただ1箇所で行っているた
め広範囲な回線誤り個数に対して十分な推定精度を得る
事が出来なかった。また誤りパターンの違いが原因とな
り、同一の回線誤り個数に対しても全一致回数にばらつ
きが生じるため、高推定精度が得られなかった。本発明
はこのような従来技術の問題点を解決しようとするもの
であって、全一致・不一致検出回路をm箇所に設定し、
それらから得られるm個のデータの中からp個のデータ
を選択・処理して用いる事により、広範囲な回線誤りに
対し高推定精度を達成できる回線状態推定回路を提供す
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ビタビ
復号器のパスメモリ部のM(Mは、2以上の整数)箇所
の全測定可能位置の中で、あらかじめ定められたm(m
は、m≦Mを満たす、2以上の整数)箇所の各々におけ
る2k-1 (kは、1より大きい整数)個のパスメモリ内
容をデータセットとして抽出する手段と、抽出された2
k-1 個のデータからなるデータセットm個それぞれ
全一致か不一致かを決定するm個の全一致・不一致検出
回路と、それぞれの全一致・不一致検出回路出力を規定
期間累積していくm個の累積加算回路と、m個の累積加
算回路の出力を入力とし、それらの入力信号をもとにそ
れらの中からp(pは、1以上の整数)個の情報を選択
し出力とする選択回路と、選択回路出力を処理して回線
での誤り状態を表す信号へ変換する信号変換回路を有す
る事を特徴とする、ビタビ復号器のパスメモリ情報を用
いた回線状態推定回路が得られる
【0006】
【作用】本発明による回線状態推定回路によれば、m個
所のパスメモリ位置からの得られる情報の中でp個を選
択・処理して推定を行う為、広範囲な回線誤り個数に対
して常に推定誤差が最小である最適な推定値が得られ
る。
【0007】
【実施例】図3は本発明の一実施例である回線状態推定
回路の構成を示した図である。ビタビ復号器1Aはパス
メモリ部13Aが複数の抽出部15を有している点で従
来8の図1のものと異なっている。これに伴って回線状
態推定回路2Aは、複数の検出器31より成る全一致・
不一致検出部3と、複数の累積加算回路41より成る累
積加算部4と、選択回路5と、信号変換回路6とから成
っている。はじめに回線状態推定回路2Aの動作に就い
て説明すると、あらかじめ定められたm個所のパスメモ
リ位置の内容を対応する全一致・不一致検出回路31で
全一致・不一致を検出し、その出力を規定期間累積加算
器41で累積加算し、それらの中からp個の情報を選択
回路5により選択し、信号変換回路6を用いて選択され
た信号を処理し、その結果を回線状態を表す信号に変換
し出力する事によって高精度な回線推定を行う。
【0008】図3に於けるビタビ復号器1Aにおいて、
例えば状態数k=6とすると状態数は32となる。従っ
て、全一致・不一致検出は32の状態数について行う。
また、符号化レートをR、パスメモリ長をML、ビタビ
復号器に入力されるデータ系列長をDLとすると、1デ
ータ系列に対する全一致・不一致検出回数Nは下記の数
式1で示される回数で示される。検出回数が復号回数D
L*Rより少ない理由は、復号開始からk−1の時点ま
ではパスが全状態に達していない為にパスメモリの内容
も全状態決定されておらず、この段階では全一致・不一
致検出できない為と復号動作が完了した時点で全一致・
不一致検出動作を停止するのでn回は検出できない為で
ある。
【0009】
【数1】
【0010】
【発明の効果】以上説明したように本発明の回線状態推
定回路によれば、全一致・不一致検出箇所をm箇所に設
定し、その設定された検出箇所から得られる情報をもと
にそれらの中からp個の情報を選択・処理して用いる事
により、広範囲な回線状態にわたって推定誤差を低く抑
える事を可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビタビ復号器と従来の回線状態推定回路を示す
図である。
【図2】計算器シミュレーションで観測した回線誤り個
数と全一致回数の関係を表わす図である。
【図3】ビタビ復号器と本発明による回線状態推定回路
を表す図である。
【符号の説明】
1 (従来の)ビタビ復号器 1A (本発明の)ビタビ復号器 2 (従来の)回線状態推定部 2A (本発明の)回線状態推定部 3 全一致・不一致検出部 4 累積加算部 5 選択回路 6 信号変換回路 11 メトリック計算部 12 ACS部 13 (従来の)パスメモリ部 13A (本発明の)パスメモリ部 14 最尤判定部 15 抽出部 21 全一致・不一致検出回路 22 累積加算回路 23 信号変換回路 31 (複数の)検出回路 41 (複数の)累積加算回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビタビ復号器のパスメモリ部のM(M
    は、2以上の整数)箇所の全測定可能位置の中で、あら
    かじめ定められたm(mは、m≦Mを満たす、2以上の
    整数)箇所の各々における2k-1 (kは、1より大きい
    整数)個のパスメモリ内容をデータセットとして抽出す
    る手段と、抽出された2k-1 個のデータからなるデータ
    セットm個それぞれ全一致か不一致かを決定するm
    個の全一致・不一致検出回路と、それぞれの全一致・不
    一致検出回路出力を規定期間累積していくm個の累積加
    算回路と、m個の累積加算回路の出力を入力とし、それ
    らの入力信号をもとにそれらの中からp(pは、1以上
    の整数)個の情報を選択し出力とする選択回路と、選択
    回路出力を処理して回線での誤り状態を表す信号へ変換
    する信号変換回路を有する事を特徴とする、ビタビ復号
    器のパスメモリ情報を用いた回線状態推定回路。
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