JP3159938U - 医療用クリップ - Google Patents

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Abstract

【課題】生体組織等をより確実に把持できて、かつ把持操作を簡便に行うことができる医療用クリップを提供する。【解決手段】一対のアーム板部6と、アーム板部6の基端部を連結する連結部4と、これらのアーム板部6相互を近づかせて閉じたり、開かせたりするようになっている締め付けリング10とを有する医療用クリップである。アーム板部6には、板の表裏面を貫通し、前記アーム板部の先端に向けて幅寸法が大きくなる貫通孔12が形成してある。【選択図】図1A

Description

本考案は、たとえば体内組織の一部について止血、マーキングまたは縫縮などを行うための医療用クリップに関する。
医療用クリップは、たとえば内視鏡と共に用いられ、内視鏡の処置具案内管に通されるカテーテルチューブの先端に取り付けられる。カテーテルチューブの基端に取り付けられた操作部からの操作により、医療用クリップは、体内組織を把持した状態でカテーテルチューブから外されて体内に留置され、止血、マーキングまたは縫縮などに用いられる。
医療用クリップとしては、たとえば特許文献1に示すように、締め付けリングを移動させることで、一対のアーム板部を相互に近接させ、アーム板部の先端に設けた爪部間で生体組織を把持するものが知られている。このような医療用クリップでは、一対のアーム板部により、生体組織を確実に把持できることと、医療用クリップでの把持操作を簡便に行うことができることが主に求められる。例えば、特許文献1に記載の医療用クリップでは、アーム板部の先端側に、アーム板部の長手方向に沿って補強用突起が設けられている。
このようにアーム板部の先端側に補強用突起を具備させると、アーム板部の先端側の強度が向上して生体組織を確実に把持でき得るものの、アーム板部の基端側での強度が相対的に低下することにより、一対のアーム板部の先端を生体組織に押し付けてアーム板相互の開き角度(交差角)を大きくしてから生体組織を寄せて把持しようとすると、アーム板分の先端と基端との間で厚みの変化点の部分でアーム板部が塑性変形しやすくなり、その結果として、生体組織を確実には把持できない可能性がある。
他方、アーム板部の先端側に補強用突起を設けずにアーム板部の厚みを一定とした上で、アーム板の板厚を全体的に厚くし、アーム板の剛性を全体的に大きくして生体組織の把持性を向上させようとすることが考えられるが、この場合には、締め付けリングをアーム板部の長手方向に沿って移動させる際に、アーム板部相互を閉じる方向(近づける方向)に移動しにくくなり、その操作力が大きくなるという課題を有する。さらに、アーム板のスプリング力が強すぎると、アーム板相互を閉じた後に、そのスプリング力が、締め付けリングを元の位置に戻す方向に作用し、生体組織の把持が不完全になるおそれもある。
特開2009−66226号公報
本考案は、このような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、生体組織等をより確実に把持できて、かつ把持操作を簡便に行うことができる医療用クリップを提供することである。
上記目的を達成するために、本考案に係る医療用クリップは、
一対のアーム板部と、
前記アーム板部の基端部を連結する連結部と、
案内孔を持ち、当該案内孔の内部に前記連結部が挿通し、前記連結部の外周と前記アーム板部の外周との間を移動可能であり、前記アーム板部の外周に移動した場合に、前記案内孔の内部に一対の前記アーム板部が入り込み、これらのアーム板部相互を相互に近づかせ、前記連結部の外周に移動した場合に、一対の前記アーム板部を相互に遠ざかる方向に開かせるようになっている締め付けリングと、
を有する医療用クリップであって、
前記アーム板部には、板の表裏面を貫通し、前記アーム板部の先端に向けて幅寸法が大きくなる貫通孔が形成してあることを特徴とする。
本考案に係る医療用クリップでは、アーム板部に、板の表裏面を貫通し、前記アーム板部の先端に向けて幅寸法が大きくなる貫通孔が形成してあることから、アーム板部の強度としなやかさとを両立させることが可能になる。そのため、本考案では、生体組織等をより確実に把持できて、かつ把持操作を簡便に行うことができる医療用クリップを提供することができる。また、アーム板部の間で生体組織を把持する際に、貫通孔を通して、内視鏡から把持すべき生体組織を見ることができ、把持すべき生体組織を観察できる範囲が増大する。
好ましくは、前記アーム板部は、
前記締め付けリングの案内孔に挿通可能な幅を持つ基端部と、
前記基端部の先端側に連続して形成され、前記締め付けリングの案内孔に挿通されない把持部と、を有し、
前記把持部に、前記貫通孔が形成してある。
把持部に貫通孔を形成することで、把持部が、基端部に比較して、しなやかになり、一対のアーム板部の先端を生体組織に押し付けてアーム板部相互の開き角度(交差角)を大きくしてから生体組織を寄せて把持しようとする場合に、アーム板部相互が容易に拡開する。その後に、締め付けリングを移動させて、アーム板部相互を近づける場合には、アーム板部の基端部のスプリング力が把持力として作用し、爪部間で生体組織を手繰り寄せながら良好に把持する。また、締め付けリングがアーム板部に沿って、さらに移動して留置位置に到達した場合には、アーム板部相互は、閉じた状態を維持し、把持部間に生体組織を把持する状態を維持する。その状態で、医療用クリップは生体内に留置される。
好ましくは、前記基端部に比較して、前記把持部が幅広に形成してある。把持部を幅広に形成することで、締め付けリングの案内孔に把持部が通過せず、基端部と把持部との境界が、締め付けリングの移動を規制するストッパとなる。
好ましくは、前記把持部の先端が折り曲げられて爪部が形成してある。さらに好ましくは、爪部とアーム板部と連結部とは、一枚の板材を折り曲げて一体に形成してある。その板材は、一定な板厚を有するスプリング材であることが好ましい。ただし、連結部は、必ずしも一枚の板材である必要はなく、二枚の板材を直接または他の部材を介して接合したものでも良い。また、連結部は、必ずしも板材で構成する必要はなく、リング状であっても良い。
前記貫通孔は、先端側で丸みを帯びた形状であってもよい。
前記締め付けリングとしては、一対のアーム板部が入り込む案内孔を有するリングであれば、特に限定されず、円筒状リング、角形リング、楕円形リングなどが例示される。これらのリングは、スプリング鋼材などの弾力性を有するものが好ましい。また、好ましくは、締め付けリングは、コイルスプリングで構成してある。
本考案によれば、生体組織等をより確実に把持できて、かつ把持操作を簡便に行うことができる医療用クリップを提供することができる。
図1Aは本考案の一実施形態に係る医療用クリップの斜視図である。 図1Bは本考案の他の実施形態に係る医療用クリップの斜視図である。 図2(A)は医療用クリップの正面図、図2(B)はその平面図、図2(C)はその底面図、図2(D)はその左側面図、図2(E)はその右側面図、図2(F)はその背面図である。 図3は医療用クリップの縦断面図である。 図4は医療用クリップの貫通孔の形状を示す部分展開平面図である。 図5は医療用クリップを体内に挿入するためのカテーテルの全体図である。 図6(A)は医療用クリップを開いた状態を示す正面図、図6(B)は医療用クリップを閉じた状態を示す正面図である。 図7(A)および図7(B)は医療用クリップの使用状態を示す部分斜視図である。 図8(A)は本考案の他の実施形態に係る医療用クリップの貫通孔形状を示す部分展開平面図、図8(B)〜図8(E)は本考案の比較例に係る医療用クリップの貫通孔形状を示す部分展開平面図である。 図9は医療用クリップの開き幅と荷重との関係を求めるための測定方法を示す概略図である。 図10は医療用クリップの開き幅と荷重との関係を示すグラフである。 図11は医療用クリップの操作力を測定するための測定方法を示す概略図である。
以下、本考案を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1(A)、図2(A)〜図2(F)および図3に示すように、本考案の一実施形態に係る医療用クリップ2は、断面U字形状の連結板部4を有する。連結板部4のU字形状の各端部には、その端部から相互に離れる方向に延びるように、一対のアーム板部6がそれぞれ一体的に形成してある。各アーム板部6の先端には、爪部8が形成してある。
本実施形態では、医療用クリップ2を構成する連結板部4と、一対のアーム板部6と、爪部8とは、一枚の板材を折曲成形して形成してある。医療用クリップ2を構成する板材の板厚は、特に限定されないが、好ましくは0.15〜0.17mmである。本実施形態では、均一厚みの板材から連結板部4と、一対のアーム板部6と、爪部8とが得られることから、これらの厚みも略同一である。板材としては、スプリング特性を有する板材が好ましく、たとえばステンレスが用いられる。
アーム板部6は、それぞれ、基端部6aと、基端部6aに連続して形成される把持部6bとを有する。把持部6bの先端に爪部8が内側に折り曲げて形成してある。基端部6aと把持部6bとの間の境界部分には、リング係止部6cが形成してある。
図4に示すように、リング係止部6cの板幅W1は、基端部6aの板幅W2よりも幅広であることが好ましく、図3に示す締め付けリング10の内径D0との関係で決定される。締め付けリング10は、図1Aに示すように、円筒状リングで構成されても良いが、好ましくは図1Bに示すように、コイル状スプリングで構成される。いずれにしても締め付けリング10は、アーム板部6および連結板部4とは別部材で構成される。
締め付けリング10は、案内孔11を有し、その案内孔11の内部に、連結板部4が挿通し、連結板部4の外周とアーム板部6の基端部6aの外周との間を軸方向に移動可能に装着される。図6(A)および図6(B)に示すように、締め付けリング10が、連結板部4からアーム板部6の基端部6aの外周に移動した場合に、リング10の内部に一対のアーム板部6の基端部6aが入り込み、これらのアーム板6相互を相互に近づかせるようになっている。
締め付けリング10を連結板部4からアーム板部6の基端部6aの外周に移動させ、しかも、アーム板部6の把持部6bの外周までは移動させないように、リング10の内径D0と、連結板部4およびアーム板部6の寸法関係が以下のように構成してある。
図3に示すように、リング10の内径D0よりも、断面U字形の連結板部4のU字形幅W3は同等以下に形成してある。連結板部4のU字形幅W3は内径D0よりも好ましくは0〜0.2mm小さい。内径D0は、特に限定されないが、好ましくは1.25〜1.35mmである。
図4に示すように、アーム板部6の基端部6aの板幅W2は、図3に示すリング10の内径D0よりも小さく、内径D0の45〜60%程度が好ましい。また、図4に示すリング係止部6cの板幅W1は、基端部6aの板幅W2よりも大きく、図3に示すリング10の内径D0と同等以下であることが好ましい。たとえばリング係止部6cの板幅W1は、内径D0に比較して、60〜75%の幅であることが好ましい。この範囲の板幅W1に設定することで、リング10がリング係止部6cの外周に移動してきた場合に、リング係止部6cの幅方向のエッジ部がリング10の内周に係止し、リング10が連結板部4方向に戻ることを制限できる。
なお、リング10として、たとえば図1Bに示すようなコイルスプリングなどの弾性変形可能な部材を用いる場合には、リング係止部6cの板幅W1は、内径D0よりも多少大きく設定することもできる。リング10がリング係止部6cの外周に移動してきた場合に、リング10が弾性変形し、リング係止部6cの幅方向のエッジ部がリング10の内周に係止し、リング10が連結板部4方向に戻ることを有効に制限することができる。
リング係止部6cと把持部6bとの間には、幅狭部6dが存在する。幅狭部6dの板幅は、リング係止部6cの幅W1よりも狭く、基端部6aの板幅W2と同等以下である。基端部6aとリング係止部6cとの境界、およびリング係止部6cと幅狭部6dとの境界は、テーパ部で結ばれており、板幅が徐々に変化するようになっている。幅狭部6dと把持部6bとの境界も、テーパ部6eで結ばれており、板幅が徐々に変化するようになっている。このテーパ部6eは、二段階のテーパ角度のテーパ部となっている。
把持部6bの板幅W4は、リング係止部6cの板幅W1および図3に示すリング10の内径D0よりも大きく、リング10は、テーパ部6eよりも把持部6b側には移動できないようになっている。すなわち、テーパ部6eがリング10の移動を防止するストッパとなる。把持部6bの板幅W4は、医療用クリップ2の用途などに応じて決定され、基端部6aの板幅W2に対して、180〜230%の大きさである。
リング係止部6cの長手方向の長さL1は、図3に示すリング10の軸芯方向の長さL0に応じて決定され、リング10の長さL0の65〜85%であることが好ましい。リング10の長さL0は、リング10の内径D0の80〜105%の長さであることが好ましい。幅狭部6dの長さは、特に限定されないが、好ましくは0.40〜0.55mmである。
把持部6bの長手方向長さ(テーパ部6e含む)L3は、医療用クリップ2の用途に応じて決定され、たとえば1.7〜5.3mm程度が好ましい。本実施形態では、把持部6bには、その長手方向に沿って細長い長孔状の貫通孔12が形成してある。この貫通孔12の長手方向長さL4は、把持部6bの長手方向長さ(テーパ部6e含む)L3に比較して、60〜80%の長さであることが好ましい。
貫通孔12は、先端側(爪部8の側)が幅広である角が丸みを帯びた長孔形状(略三角形の形状)である。貫通孔12の基端縁13は、曲率半径が0.15〜0.25mmのR部となっており、先端縁14は、直線状であり、先端縁14と側端縁15との角部は、曲率半径が0.15〜0.25mmのR部となっている。
図4に示すように、貫通孔12は、アーム板部6の板幅方向の中心軸Oに対して左右対称な形状であり、医療用クリップ2の全体も、中心軸Oに対して左右対称な形状である。また、貫通孔12は、把持部6bの長手方向の略中心位置に形成してあるが、把持部6bの先端からの距離L5と幅狭部6dからの距離L6とは、必ずしも同一である必要はなく、異なっていても良い。これらの距離L5およびL6は、好ましくは0.3〜1.0mmである。また、貫通孔12の最大幅W5は、把持部6bの板幅W4に対して50〜60%の幅である。
次に、本実施形態に係る医療用クリップ2の使用方法について説明する。本実施形態の医療用クリップ2は、図5に示すカテーテル20と共に用いられる。カテーテル20は、内視鏡と共に用いられ、内視鏡の内部に挿入されるカテーテルチューブ22を有する。カテーテルチューブ22は、外側チューブ22aと、外側チューブ22a内に配置される内側チューブ22bと、医療用クリップ2の把持等を操作する操作ワイヤとを有する。内側チューブ22bの遠位端からは、操作ワイヤの遠位端に接続してある一対のフック24が引き込み自在に飛び出している。フック24を内側チューブ22bの遠位端から飛び出させたり、引き込んだりする操作は、体外に配置される取っ手部26により操作ワイヤを操作して行われる。
図6(A)に示すように、連結板部4の外周で基端部6aの近くに締め付けリング10が取り付けられた状態では、断面U字形状の連結板部4には取付孔4aが形成される。その取付孔4aに、図5に示す一対のフック24が係合し、フック24の先端をカテーテルの内部に引き込むことで、医療用クリップ2が内側チューブ22bの遠位端部に取り付けられる。
図示省略してある内視鏡を用いて、医療用クリップ2が取り付けられたカテーテルチューブ22の遠位端部を、図7(A)に示すように、体内における止血などの処置を行うべき生体組織30の近くに位置させる。そして、一対のアーム板部6が開いた状態で、アーム板部6が生体組織30を挟み込む。そのときに、生体組織30の位置によっては、一対のアーム板部6の先端を生体組織に押し付けてアーム板部6相互の開き角度(交差角)を大きくしてから生体組織を寄せて把持しようとする場合がある。
本実施形態の医療用クリップ2では、一定の厚みを有するアーム板部の把持部6bに先端に向かって幅が大きくなる貫通孔12が形成してある。アーム板部をこのように構成することにより、把持部6bがしなやかになり、比較的多くの生体組織を把持した場合であっても、把持部の閉操作をするにあたってリングを移動させた際に、把持部6bがしなやかに弾性変形することから、リング10の移動時にかかる荷重(操作者への負担)が低減されることにより、クリップの閉操作を簡便に行うことができる。また、アーム板部6の間で生体組織30を把持する際に、貫通孔12を通して、内視鏡から把持すべき生体組織30を見ることができ、把持すべき生体組織30を観察できる範囲が増大し、生体組織30の把持が確実になる。
その後に、図6(A)に示す状態から、カテーテルチューブ22bの内部で、操作ワイヤを引いてフック24を矢印X1方向に引き込むと、締め付けリング10は、カテーテルチューブの遠位端で移動が規制されることから、相対的に、アーム板部6の長手方向に沿って移動する。その結果、図7(B)に示すように、アーム板部6相互が近づき、アーム板部6の基端部6aのスプリング力が把持力として作用し、爪部8間で生体組織30を手繰り寄せながら、生体組織30を良好に把持する。
また、図6(B)に示すように、カテーテルチューブ22の内部でフック24を矢印X1の方向にさらに移動させれば、締め付けリング10がアーム板部6に沿って、さらに移動して留置位置に到達する。留置位置とは、締め付けリング10が図4に示すリング係止部6cの外周に到達する位置であり、その位置では、リング係止部6cの板幅方向の側端がリング10の内周に係合し、リング10が連結板部4の方向に戻ろうとすることを防止できる。
図6(B)に示すように、締め付けリング10がアーム板部6の留置位置に到達した場合には、アーム板部6における把持部6b間に、図7(B)に示す生体組織30を把持している。その後に、図6(B)に示すフック24を内側チューブ22bに対して、矢印X1と反対方向に移動させれば、図5に示すように、フック24が内側チューブ22bの遠位端から飛び出し、図6(B)に示すフック24と連結板部4との係合が外れる。したがって、医療用クリップ2は、一対のアーム板部6が閉じた状態を維持した状態で、体内に留置される。
本実施形態に係る医療用クリップ2では、アーム板部6に、板の表裏面を貫通する貫通孔12が形成してあることから、アーム板部6の強度としなやかさとを両立させることが可能になる。そのため、本実施形態では、操作荷重を低減させかつクリップを押し付けた時でも容易には塑性変形しない医療用クリップ2を提供することができる。また、アーム板部6の間で生体組織30を把持する際に、貫通孔12を通して、内視鏡から把持すべき生体組織を見ることができ、把持すべき生体組織30を観察できる範囲が増大する。その結果、生体組織の把持が容易且つ確実になる。
なお、本考案は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本考案の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、医療用クリップの把持部に形成される貫通孔の形状としては、図4に示す貫通孔12に限定されず、図8(A)に示す長孔形状の貫通孔12A,12B,12Cであっても良い。図8(A)に示す貫通孔12Aの基端縁13Aは、図4に示す貫通孔12の基端縁13の形状と同様であるが、先端縁14Aの形状が、図4に示す貫通孔12の先端縁14と異なるのみである。この貫通孔12Aの先端縁14Aは、半円状に形成してある。図8(A)に示すような貫通孔12Aが把持部6bに形成してある医療用クリップであっても、図1〜図7に示す実施形態に係る医療用クリップ2と同様な作用効果を奏する。
図8(B)に示す比較例に係る貫通孔12Bは、全体的に楕円形状の縁部15Bにしてある以外は、図4に示す貫通孔12と同様である。また、図8(C)に示す比較例に係る貫通孔12Cは、把持部6bの長手方向に沿って均一な幅W5を有する貫通孔であり、直線状の側端縁15Cが相互に平行であり、先端縁14Cおよび基端縁13Cが半円状である。
図1〜図7に示す実施形態に係る医療用クリップ2の把持部6bに形成してある貫通孔12の形状が最も好ましく、図8(A)に示す貫通孔12Aでもよい。図8(B)または図8(C)に示す貫通孔12Bまたは12Cが形成してある医療用クリップでは、把持部6bの強度が低下するおそれがある。
なお、図8(D)に示すように、把持部6bに貫通孔を何ら形成しない医療用クリップでは、上述した実施形態の作用効果を期待することができない。また、図8(E)に示すように、把持部6bの長手方向の途中にくびれ部15Eを有する医療用クリップでは、一対のアーム板部を押し広げる際や、逆に閉じる際に、くびれ部15Eの部分に応力が集中し、塑性変形しやすくなり好ましくない。
以下、本考案を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本考案は、これら実施例に限定されない。
実施例1
図1Bおよび図2に示す形状の医療用クリップ2を作製した。連結板部4、アーム板部6および爪部8は、一枚の板材からプレス打ち抜き加工して折曲成形することにより形成した。板材は、ステンレス鋼材であり、連結板部4、アーム板部6および爪部8の板厚は、0.165mmであった。締め付けリング10は、ステンレス製のコイルスプリングであり、その内径D0は、1.3mmであり、その軸方向長さL0は、1.2mmであった。貫通孔12の最大幅W5は、0.85mmであり、基端縁13の曲率半径は、0.2mmであった。また、貫通孔12の長さL4は、2.67mmであった。
この医療用クリップ2を用いて、図9に示すように、一対のアーム板部6の爪部8を、疑似生体組織としての平板42の上に置き、連結板部40からロードセル40にて押し込み、爪部8間の開き距離αに対するロードセルにて検知された荷重Fとの関係を調べた。結果を図10の黒丸プロットで示す。
図10において、横軸は、所期の開き幅α0からの開き幅(α−α0)を示し、縦軸は、そのときにロードセル40に生じる荷重である。図10に示す黒丸プロットの変化で示すように、開き幅が7mm程度に大きくなっても、開き幅に対する荷重の変化が直線を維持し、アーム板部6がしなやかに弾性変形することが判明した。
本実施例の医療用クリップにおけるアーム板部6の応力解析(コンピュータシュミレーション)を行った結果においても、応力が分散し、応力集中が生じないことが確認された。
また、図11に示すように、本実施形態の医療用クリップ2の締め付けリング10を、試験用チューブ22b−Aの下端に取付け、試験用フック24Aで連結板部4をチューブ22b−Aに対して矢印X1方向に引張り、爪部8間に疑似生体組織としてのゴム片50を把持した。試験用フック24Aを試験用チューブ22Aに対してロードセルで引っ張り、リング10をアーム板部6に沿って最大限に移動させるまでの位置で、フック24Aに作用する最大操作力をロードセルにて求めた。フック24Aのチューブ22Aに対する移動速度は、10mm/分であった。最大操作力は、13.0Nであり、操作力が軽いことが確認できた。
また、アーム板部6間に挟まれたゴム片50を、約3N以上の力で、医療用クリップ2から矢印X1と反対方向に引き離そうとしても引き離されず、把持力が強いことが確認された。
なお、図11に示す爪部8間の所期開き幅α0は、11mmであった。ゴム片50の幅W0は、5mmであった。
比較例1
図8(D)に示すように、連結板部4、アーム板部6および爪部8の板厚を、0.15mmとし、把持部6bに貫通孔を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、医療用クリップを作製し、同様な試験を行った。結果を図10に示すXプロットで示す。黒丸プロットに対して、Xプロットの傾きは小さく、コシが小さいことがわかる。
前記の通りコシが小さかったことから、例えば連結板部4、アーム板部6および爪部8の板厚を実施例1と同様0.165mmにして把持部6bに貫通孔を形成しなかったものを用いて図9の測定を行うと、図10の黒丸プロットと同等以上のコシが得られるが、図11に示す測定を行ったところ、最大操作力は、15Nとなってしまい、操作力が重くなってしまうことが判明した。
比較例2
図8(E)に示すように、把持部6bの長手方向の途中に、図4に示す貫通孔12の最大幅W5の1/2の深さのくびれ部15Eを、幅方向の両側に設けた以外は、実施例1と同様にして、医療用クリップを作製した。応力解析(コンピュータシュミレーション)を行った結果、応力集中が生じるおそれがあることが確認された。
2… 医療用クリップ
4… 連結板部
6… アーム板部
6a… 把持部
6b… 基端部
8… 爪部
10… 締め付けリング
12,12A,12B,12C… 貫通孔

Claims (6)

  1. 一対のアーム板部と、
    前記アーム板部の基端部を連結する連結部と、
    案内孔を持ち、当該案内孔の内部に前記連結部が挿通し、前記連結部の外周と前記アーム板部の外周との間を移動可能であり、前記アーム板部の外周に移動した場合に、前記案内孔の内部に一対の前記アーム板部が入り込み、これらのアーム板部相互を相互に近づかせ、前記連結部の外周に移動した場合に、一対の前記アーム板部を相互に遠ざかる方向に開かせるようになっている締め付けリングと、
    を有する医療用クリップであって、
    前記アーム板部には、板の表裏面を貫通し、前記アーム板部の先端に向けて幅寸法が大きくなる貫通孔が形成してあることを特徴とする医療用クリップ。
  2. 前記アーム板部は、
    前記締め付けリングの案内孔に挿通可能な幅を持つ基端部と、
    前記基端部の先端側に連続して形成され、前記締め付けリングの案内孔に挿通されない把持部と、を有し、
    前記把持部に、前記貫通孔が形成してある請求項1に記載の医療用クリップ。
  3. 前記基端部に比較して、前記把持部が幅広に形成してある請求項2に記載の医療用クリップ。
  4. 前記把持部の先端が折り曲げられて爪部が形成してある請求項2または3に記載の医療用クリップ。
  5. 前記貫通孔が、先端側で丸みを帯びた形状である請求項1〜4のいずれかに記載の医療用クリップ。
  6. 前記締め付けリングがコイルスプリングで構成してある請求項1〜5のいずれかに記載の医療用クリップ。
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