JP3159861B2 - 光ファイバの無反射終端部 - Google Patents

光ファイバの無反射終端部

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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Mechanical Coupling Of Light Guides (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光ファイバを用いた
システムにおける、光ファイバの無反射終端部に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば図7のように、一方の伝送装置
16からの光を光分岐器12により、3本の光ファイバ
14A,14B,14Cに分岐し、光ファイバ14A,
Bには他方の伝送装置16を接続するが、光ファイバ1
4Cには何も接続しない場合がある。このような場合、
光ファイバ14Cの終端に無反射処理を施す必要があ
る。
【0003】従来の無反射処理方式を、図8に示す。 (1)屈折率マッチング法:同図(a)のように、光フ
ァイバ14の端面にマッチング剤18を付ける。 (2)端面乱反射法:同図(b)のように、光ファイバ
14の端面をペンチ等で圧壊する。 (3)斜め研磨法:同図(c)のように、光ファイバ1
4の端部にコネクタ20を取り付け、その端面200を
斜め(たとえば8°)に研磨する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
(1)屈折率マッチング法の場合は: マッチング材がオイル状もしくはグリス状であるた
め、流れだしたりする恐れがあり、その対策が必要にな
る。 異物の混入によって、特性が劣化する。 (2)端面乱反射法の場合は: 端面に異物が付くと、特性が劣化する。 端面がもろいため、カケが進行し、特性が劣化した
り、このカケが他の部品に傷を付けたりする恐れがあ
る。 (3)斜め研磨法の場合も:端面に異物が付くと、特性
が劣化する。
【0005】
【課題を解決するための手段】(1)図1に例示するよ
うに、光ファイバ14の端部をコネクタ成端し、コアレ
スファイバ30の端部をコネクタ成端し、上記成端され
たコネクタ同士を接続する。あるいは、コアとクラッド
の屈折率がほぼ等しい光ファイバをコネクタ接続し、光
ファイバの無反射終端部とする。
【0006】上記について、もう少し詳しく説明する。 (1)コアレスファイバ30について:導波路構造を持
たないガラスファイバ、すなわち実質的にコアが無く
て、たとえば屈折率分布が実質的に平坦なガラスファイ
バを、本明細書でコアレスファイバと称しており、たと
えば石英を線引きし、樹脂コーティングしたファイバで
ある。その屈折率は、光ファイバ14のコアの屈折率と
等しくし、その太さは、光ファイバ14と等しいか、そ
れ以上にすることができる。その長さは、後記のよう
に、曲げずに用いる場合には、ある程度(たとえば200m
m)以上必要である。図1(a)には、コアレスファイ
バ30を裸のファイバとして、示したが、実際は、強度
や取扱いを考慮して、図示しないUV被覆やシース等を
施して、光ファイバ心線や光ファイバコードと同構造に
したのものを用いる。
【0007】(2)コアとクラッドの屈折率がほぼ等し
い光ファイバについて:コアとクラッドの屈折率がほぼ
等しいとは、コアとクラッドの比屈折率差が、±0.1%
以下であることを示す。比屈折率差が0%の場合には、
コアとクラッドが同一屈折率であり、−0.2%としし
て、クラッドよりもコアの屈折率を低くしてもよい。
【0008】コアレスファイバは、製造工程上コアが存
在せず、本実施例ではこの屈折率分布も実質的に平坦で
あるため、比屈折率差の定義は適当ではないが、ある程
度の屈折率分布を持たせるとしたら、径方向の適当な測
定ポイントにおいて上記比屈折率差を満足することが好
ましい。また、コア該当部分の屈折率を他よりも低くし
てもよい。
【0009】
【0010】
【0011】(3)コネクタ接続について:図1の
(b)に分離した状態の平面図を、(c)に接続した状
態の側面図を示した。この場合は、公知のMT(Meahan
ically Transferable)コネクタ(フジクラ技報,第84
号,p.58-63参照)を利用している。もちろん他のコネク
タでもよい。その種類は問わない。通常の光ファイバの
場合と全く同じ手法で、たとえばコアレスファイバ30
の端部にプラスチック一体成形されたコネクタフェルー
ル34を取り付ける。すなわち、コーティングを施しテ
ープ化あるいはコード状化されたとしたときは、光ファ
イバ心線32端末のコアレスファイバ30を口出しし、
コネクタフェルール34内に挿入する。窓340から接
着剤をいれて固定する。端面342を精密研磨して平滑
化する。36はガイドピンである。
【0012】光ファイバ14の方にも、同一仕様の金型
で作製した相手側のコネクタフェルール38を取り付け
る。こちらのコネクタフェルール38には、位置決め用
のガイドピン穴40が設けてある。位置決め用のガイド
ピン36をガイドピン穴40に差し込んで接続し
(c)、クランプスプリング42で、その状態を保持
し、かつ接触面に圧力を加え光ファイバを接続する。接
触面にマッチングオイル等を塗布してもよい。
【0013】図1(b)(c)は、単心のコネクタを利
用したものである。しかし、図2のように、多心コネク
タを利用してもよい。図2は4心の例である。光ファイ
バ心線32として、テープ光ファイバと同構造のもの
(光ファイバの代わりにコアレスファイバ30が入って
いる)を用いている。その他の場合は、単心の場合と同
じである。この多心用を用いると、コネクタ接続時、両
側のコネクタフェルールにおいて、光ファイバ端面が対
向するのであるから、複数本の光ファイバを、1個のコ
ネクタで同時に無反射処理することができる。
【0014】
【作用】1(a)に示すように、光ファイバ14から
コアレスファイバ30に入射した光は、発散して洩して
しまい、減衰量が大となる。コアレスファイバ30の端
に反射点300が存在するが、そこまで光は到達しない
(コアレスファイバ30の長さはある程度必要、後記参
照)ため、無反射終端が実現できる。そして、コネクタ
接続することにより、着脱が容易になる。
【0015】[使用場所例] (1)図3は反射測定系において、コアレスファイバ3
0を融着接続した場合である。50はパルス光源、52
は光パワーメータ、54は被測定光ファイバである。方
向性結合器56の未使用の光ファイバ14の端部が開放
されていると、そこで反射が起き、当該反射光が光パワ
−メータに入って測定誤差となる。このような場所に、
無反射終端としてコアレスファイバ30を、融着接続
てもよい(特開平6−222226号参照)が、次に述
べるように、コネクタ接続すると、光通信システムの自
由度が向上する。
【0016】(2)図4(a)は、上記と同じところ
に、コネクタ付きコアレスファイバ30をコネクタ接続
した場合を示す。 (3)図4(b)はスプリッタ58に使用する場合であ
る。スプリッタ58のポート581〜583にはそれぞ
れ伝送装置60がコネクタ接続されている。ポート58
4は未使用である。これに本発明のコネクタ付きコアレ
スファイバ30をコネクタ接続しておけば、無反射にな
る。将来、ポート584にも伝送装置60を接続する必
要が生じたときは、コネクタフェルール34ごとコアレ
スファイバ30を引き抜き、伝送装置60をコネクタ接
続ればよい。
【0017】
【参考例】 図1(a)のように、石英のみでできた直径
125μmのコアレスファイバ30を、通常の石英系SM光
ファイバ14に融着接続した。コアレスファイバ30の
端末を、光ファイバカッタで直角に切断して、その長さ
を変化させた。そして、波長1.31μmの光を入射して、
反射減衰量とコアレスファイバ30の損失をパワ−メー
タで測定した。コアレスファイバ30は、曲がりに対し
て非常に敏感で曲げ損失がおおきいため、測定値が大き
く変動する。そのため、コアレスファイバ30を真っ直
ぐに保持し、一定時間中の最悪値を測定値として採用し
た。
【0018】測定結果を図5(a)に示す。たとえば反
射減衰量50dBを達成するためには、コアレスファイバ3
0の長さは200mm程度あればよいことになる。ただし、
コアレスファイバ30を曲げて、図6(a)に示すよう
にカールコード状に捻回したり、終端を不規則に切断し
たりすると、さらに短尺でも無反射終端が実現できる。
また、全体を捻回するのではなく、図6(b)に示すよ
うに、一部にベンディングを施し他を直線状にすること
によっても、反射減衰量を大にできる。
【0019】
【実施例】図1(b)のように、上記と同じ石英のみで
できた直径125μmのコアレスファイバ30を、単心用の
MT型コネクタフェルール34に挿入固定した。また通
常の石英系SM光ファイバ14にもMT型のコネクタフ
ェルール38を取り付け、(c)のように接続し、上記
同様に反射減衰量を測定した。結果を図5(b)に示
す。融着接続の場合とほぼ同様の結果が得られた。
【0020】なお、以上の実施例は、前述したようにプ
ラスチックフェルール製の単心MTコネクタについての
ものである。本発明が適用される他のコネクタとして
は、たとえば多心のMTコネクタ、ジルコニアセラミッ
クスフェルールを持つSC(Simple conta
ct)コネクタなどのような終端部に応用することが可
能である。また、以上の実施例において、コアレスファ
イバを、曲げ損失の大きな他の光ファイバや、コアとク
ラッドの屈折率がほぼ等しい光ファイバに置き換えるこ
とができる。さらにまた、曲げ損失が、巻回直径50m
mで100dB/m以上の曲げ損失の大きい光ファイバ
であって、当該光ファイバの端部をコネクタ成端化した
ものを接続して無反射終端部を形成しても良い。
【0021】
【発明の効果】ファイバの端部に、コアレスファイバ
あるいはコアとクラッドの屈折率がほぼ等しい光ファイ
バなどをコネクタ成端化してコネクタ接続するので、
着脱自在で、簡単な取扱いが可能になる。 また、設
置後はホコリやゴミに強く、信頼性が高い。コアレス
ファイバ30にフェルールを取り付けるだけでできるた
め、製造が容易で安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の説明図。
【図2】発明の他の例の説明図。
【図3】反射終端の使用場所の例の参考用説明図。
【図4】発明の無反射終端の使用場所の例の説明図。
【図5】(a)は本発明に用いるコアレスファイバのみ
を融着接続した参考例の無反射終端の測定結果を示す線
図で、(b)は本発明のコネクタ接続の場合の無反射終
端の測定結果を示す線図である。
【図6】ファイバに捻回、ベンディングを与える状態の
説明図。
【図7】無反射終端を用いる場合の一般的説明図。
【図8】従来の無反射終端例の説明図。
【符号の説明】
12 光分岐器 14 光ファイバ 16 伝送装置 18 マッチング剤 20 コネクタ 200 コネクタ端面 22 補強部 30 コアレスファイバ 300 反射点 31 融着接続点 32 光ファイバ心線 34,38 コネクタフェルール 340 窓 342 端面 36 ガイドピン 40 ガイドピン穴 42 クランプスプリング 50 光源 52 光パワーメータ 54 被測定物 56 方向性結合器 58 スプリッタ 581〜584 ポート 60 伝送装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−222226(JP,A) 特開 平4−263208(JP,A) 特開 平2−123307(JP,A) 特開 平5−100128(JP,A) 実開 平3−24610(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/38 G02B 6/10 G02B 6/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバの端部をコネクタ成端し、コ
    アレスファイバの端部をコネクタ成端し、上記成端され
    たコネクタ同士を接続した、光ファイバの無反射終端
    部。
  2. 【請求項2】 光ファイバの端部に、コアとクラッドの
    屈折率がほぼ等しい光ファイバがコネクタ接続されてい
    る、光ファイバの無反射終端部。
  3. 【請求項3】 方向性結合器あるいはスプリッタの端部
    をコネクタ成端し、コアレスファイバの端部をコネクタ
    成端し、上記成端されたコネクタ同士を接続した、光フ
    ァイバの無反射終端部。
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